JP2018123061A - ポリマー型抗菌・防カビ剤、およびその利用 - Google Patents

ポリマー型抗菌・防カビ剤、およびその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】 タンパク質が吸着しにくく抗菌性、防カビ性を安定して有効に発現できる抗菌・防カビ剤を提供することを目的とする。【解決手段】 アクリル系ポリマーブロックとポリエチレングリコールブロックとが、式(IA)〜(IC)のいずれかの構造を介して結合してなり、前記アクリル系ポリマーブロックが式(iii)〜(iv)のいずれかのイミダゾール構造を有する、ポリマー型抗菌・防カビ剤。【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な抗菌・防カビ剤、および該抗菌・防カビ剤を含有する抗菌・防カビ剤性塗料や抗菌・防カビ剤性物品に関する。
近年、様々な工業製品や材料にカビをはじめとする微生物の増殖を長期間抑制するための抗菌処理が施されている。処理方法としては、抗菌剤を含有する塗料を基材、フィルムに対して塗布したり、抗菌剤を成型体に混練したりする方法により行われている。そして、様々な抗菌剤が研究されてきた。
例えば、特許文献1には、カルボキシル基含有ポリマーと銀イオンとを含む消臭抗菌・抗かび性組成物が開示されている。特許文献2にはスルホン酸基を有するラジカル重合性乳化剤を用いて重合してなる架橋球状共重合体に銀イオンを担持させた抗菌剤が開示されている。
また、特許文献3、4にはシリコーン系塗膜やフッ素系塗膜が開示されている。これら文献によると、該塗膜の抗タンパク吸着性や細胞接着抑制等のいわゆる生体物質の吸着抑制効果を利用した用途が検討されている。
特許文献5、6、7には、ビニルイミダゾール由来の構成単位を有するポリマーが開示されており、抗菌剤としての利用が開示されている。
さらに特許文献8には、ポリエチレングリコール鎖を主鎖に組み込んだアクリル樹脂が開示されており、水で洗い流す程度の簡便な方法により汚れや細菌を除去する洗浄剤としての機能が提示されている。
特開平2−288804号公報 特開平4−173712号公報 特開2008−214502号公報 特開2000−290109号公報 特開2001−97806号公報 特開2005−298507号公報 特開2016−63846号公報 特開2007−77292号公報
特許文献1、2のような銀錯体化合物は熱または光に対して不安定なため、基材を着色してしまう原因となる。また、組成物そのものが着色しているため、透明性、色彩などを要求される基材には使用できない。
また、特許文献3、4では、理化学機器やメディカルデバイス等における一時的な菌付着抑制作用は得られるものの、所望性能の持続が見込めない。
さらに、特許文献5、6、7についても、イミダゾール由来の高い親水性を有するため血小板の付着・粘着防止性等に優れるとされているが、タンパク質が吸着しやすく、所望性能の安定的発現が難しいという問題があった。
また、特許文献8には洗浄剤として細菌の除去する旨は記載されているが、菌の増殖活動を抑制することを意味する「抗菌」性やカビの発生や増殖を防ぐことを意味する「防カビ」性に関する記載は一切ない。
本発明は、タンパク質が吸着しにくく抗菌性、防カビ性を安定して有効に発現できる抗菌・防カビ剤を提供することを目的とする。
一般に、ポリエチレングリコール(以下、PEG)は高い運動性や生体内の極性基と強く相互作用する遊離水酸基により、血液接触時に補体活性化を誘発し、フィブリン形成促進による血栓形成の要因になるとされており、安全性が重視される医療用材料への利用は適切ではないとされている。そこで、本発明者らはPEGをブロック共重合体の主鎖に組み込むことにより、PEGの末端に存在する水酸基の部分数や過度の運動性を減少させ、PEGが有する親水性や柔軟性を維持しつつも血栓形成の問題が改善された、生体適合性に優れたポリマーの検討を行った。その結果、イミダゾールの部分構造を必須成分とするブロック共重合体を合成すると、前記ブロック共重合体がPEGの良好な血液適合性および生体適合性を発現しつつ、さらにはイミダゾールの部分構造由来の抗菌性、防カビ性を付与できることを見出し、本発明に到った。
即ち、本発明は、アクリル系ポリマーブロックとポリエチレングリコールブロックとが、下記式(IA)〜(IC)のいずれかの構造を介して結合してなり、前記アクリル系ポリマーブロックが下記式(iii)〜(iv)のいずれかの構造を有する、ポリマー型抗菌・防カビ剤に関する。


(式中、R〜Rは、互いに独立に、水素、C1〜C4アルキル又はフェニルであり、
*はアクリル系ポリマーブロックの主鎖との結合位置を表す。)
本発明のポリマー型抗菌・防カビ剤は、アクリル系ポリマーブロックとポリエチレングリコールブロックとが、下記式(IA)の構造を介して結合してなることが好ましい。
また、本発明のポリマー型抗菌・防カビ剤は、ポリエチレングリコールブロックの質量/[アクリル系ポリマーブロックの質量とポリエチレングリコールブロックの質量との合計]が0.01〜0.5であることが好ましい。
また、本発明のポリマー型抗菌・防カビ剤は、ポリマー型抗菌・防カビ剤100質量%中、前記式(iii)〜(iv)の構造を合計で10〜60質量%含むことが好ましい。
また、本発明のポリマー型抗菌・防カビ剤は、質量平均分子量が5000〜500000であることが好ましい。
また、本発明のポリマー型抗菌・防カビ剤は、ガラス転移温度が10〜150℃であることが好ましい。
また、本発明は、下記一般式(II)で示される部位を有する、ポリエチレングリコールブロックを有し且つ質量平均分子量が5,000〜10万である高分子アゾ重合開始剤を用いて、エチレン性不飽和二重結合を有するイミダゾール(A1)とイミダゾール基を有しないアクリル系モノマーとを重合してなることを特徴とする、請求項2〜6いずれか1項に記載のポリマー型抗菌・防カビ剤に関する。

(式中、m及びnは、それぞれ1以上の整数を示す。)
さらに、本発明は、下記一般式(II)で示される部位を有する、ポリエチレングリコールブロックを有し且つ質量平均分子量が5,000〜10万である高分子アゾ重合開始剤を用いて、エチレン性不飽和二重結合を有するイミダゾール(A1)とイミダゾール基を有しないアクリル系モノマーとを重合することを特徴とする、
アクリル系ポリマーブロックとポリエチレングリコールブロックとが、下記式(IA)の構造を介して結合しており、前記アクリル系ポリマーブロックが下記式(iii)〜(iv)のいずれかの構造を有する、ポリマー型抗菌・防カビ剤の製造方法に関する。

(式中、m及びnは、それぞれ1以上の整数を示す。)


(式中、R〜Rは、互いに独立に、水素、C1〜C4アルキル又はフェニルであり、
*はアクリル系ポリマーブロックの主鎖との結合位置を表す。)
さらに本発明は、前記ポリマー型抗菌・防カビ剤を含有する、抗菌・防カビ性塗料に関し、
前記抗菌・防カビ性塗料は硬化剤をさらに含有することが好ましい
また、本発明は、前記ポリマー型抗菌・防カビ剤と、成型加工可能な樹脂とを成型してなる、抗菌・防カビ性物品に関する
本発明により、タンパク質が吸着しにくく抗菌性、防カビ性を安定して有効に発現できる抗菌・防カビ剤を提供することができた。
本発明において「抗菌」とは、主に菌の増殖活動を抑制したり意であり、時に菌を死滅させたりする機能をも指す。また、「防カビ」とはカビの発生・増殖を防ぐ意である。
<ポリマー型抗菌・防カビ剤>
本発明のポリマー型抗菌・防カビ剤は、アクリル系ポリマーブロックとポリエチレングリコールブロックとを有する。ポリエチレングリコールブロックは、以下、PEGブロックということもある。
アクリル系ポリマーブロックとポリエチレングリコールブロックとのブロック重合体は、下記式(IA)、(IB)又は(IC)のいずれかの構造(結合構造)を介して結合されているものであり、下記式(IA)の構造(結合構造)を介して結合されていることが好ましい。
上記の式(IA)で示される結合構造を有するポリマー型抗菌・防カビ剤の合成方法の一例を挙げる。
例えば、ラジカル重合開始剤として4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(例えば、和光純薬工業株式会社の市販品「V−501」等)を用いて、エチレン性不飽和二重結合を有するイミダゾール(A1)とイミダゾール基を有しないアクリル系モノマーとを重合するとアクリル樹脂が得られる。これに、PEGブロックを構成する原料としてポリエチレングリコールを加え、エステル化反応をさせることで、アクリル系ポリマーブロックと、PEGブロックとが上記式(IA)で結合してなるポリマー型抗菌・防カビ剤を得ることができる。
あるいは、上記の式(IA)で示される結合構造を有するブロック重合体は、アクリル系ポリマーを合成する際のラジカル重合開始剤として、下記式(II)で示される、PEGブロックとアゾ基を含む構造単位を有する高分子アゾ重合開始剤を用いて、エチレン性不飽和二重結合を有するイミダゾール(A1)とイミダゾール基を有しないアクリル系モノマーとを、好ましく重合することができる。式中、m及びnは、それぞれ独立に1以上の整数である。高分子アゾ重合開始剤は、高分子セグメントとアゾ基(−N=N−)が繰り返し結合した構造を有しており、本実施形態では、高分子セグメントとしてPEGブロックを含む高分子アゾ開始剤を用いることで、容易にポリマー型抗菌・防カビ剤を合成できる。
高分子アゾ重合開始剤を用いる場合、該開始剤中に含まれるアゾ基のモル数に対する、アクリル系モノマーの全モル数の比率を適宜変更することによって、ポリマー型抗菌・防カビ剤の質量平均分子量の調整ができる。例えば、高分子アゾ重合開始剤中に含まれるアゾ基のモル数に対する、アクリル系モノマーの全モル数の比率が200であると、200量体のアクリル系ポリマーがPEG鎖の間に組み込まれることになり、ポリマーの絡み合いによる高い凝集力を付与することができる。
高分子アゾ重合開始剤の質量平均分子量は、5,000〜10万程度であることが好ましく、1万〜5万程度であることがより好ましい。また、該開始剤のPEGブロックの分子量は、800〜1万程度であることが好ましく、1,000〜8,000程度であることがより好ましい。
また、好ましくはmは15〜200、より好ましくはmは20〜100であり、好ましくはnは3〜50、より好ましくはnは4〜30である。
前記高分子アゾ重合開始剤は、PEGブロックを有しているため、水、アルコール、及び有機溶剤に可溶であり、溶液重合、乳化重合、又は分散重合によりブロック重合体の合成が可能である。また、分子鎖骨格中に重合開始部分(ラジカル発生部分:―N=N−)を有しているため、別途重合開始剤を使用する必要がなく、さらには末端反応性マクロモノマーに比べてラジカルの反応性、及び安定性が高いという特徴を有している。
前記高分子アゾ重合開始剤は、・C(CH3)CN−(CH22−COO−(CH2CH2O)m−CO−(CH22−C(CH3)CN・にて示されるようなラジカルを生じ、後述するアクリル系モノマーを重合させる。そして、エチレン性不飽和二重結合を有するイミダゾール(A1)とイミダゾール基を有しないアクリル系モノマーとを重合するとから形成されるアクリル系ポリマーブロックと前記ラジカル由来の部分とが結合した主鎖を形成し、ポリマー型抗菌・防カビ剤を形成する。PEGブロックは、ラジカルの一部に由来する。
高分子アゾ重合開始剤の具体例としては、和光純薬製の高分子アゾ開始剤VPE0201(上記式(II)の(CH2CH2O)の部分の分子量が約2000、nが6程度)などが例示される。
高分子アゾ重合開始剤の他に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ開始剤や、過酸化ベンゾイルのうようなの有機過酸化物開始剤を併用することができる。これらの開始剤を併用することにより、開始効率を高め、効率よくアクリル系ポリマーブロックにPEGに組み込むことができ、残留モノマーを減らすことができる。
重合の際、用途に応じてラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー、リモネン等の連鎖移動剤を使用して、分子量や末端構造を制御しても良い。
次に、アクリル系ポリマーブロックと、PEGブロックとが上記式(IB)の構造を介して結合してなるポリマー型抗菌・防カビ剤の合成方法について説明する。
例えば、アクリル系ポリマーブロックとポリエチレングリコールブロックとが、上記式(IB)の構造を介して結合してなるブロック重合体は、エチレン性不飽和二重結合を有するイミダゾール(A1)とイミダゾール基を有しないアクリル系モノマーとを、ヒドロキシ基を有するアゾ重合開始剤を用いて重合し、末端にヒドロキシ基を有するアクリル系ポリマーブロックを得る工程、及び前記アクリル系ポリマーブロックおよびポリエチレングリコールと、2官能のイソシアネート化合物とをウレタン化反応させる工程を含む方法により製造することができる。
例えば、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロパンアミド](例えば、和光純薬工業株式会社の市販品「VA−086」等)を用いて、エチレン性不飽和二重結合を有するイミダゾール(A1)とイミダゾール基を有しないアクリル系モノマーとを合成すると、末端にヒドロキシル基を有するアクリル樹脂が得られる。これに、PEGブロックを構成する原料としてポリエチレングリコールを加え、2官能イソシアネート化合物を用いてウレタン化反応させることで、アクリル系ポリマーブロックと、PEGブロックとが結合してなるポリマー型抗菌・防カビ剤を得ることができる。
ウレタン化反応の際用いられる2官能イソシアネート化合物としては、例えば、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。
さらに、アクリル系ポリマーブロックと、PEGブロックとが上記式(IC)の構造を介して結合してなるポリマー型抗菌・防カビ剤の合成方法について説明する。
例えば、アクリル系ポリマーブロックとポリエチレングリコールブロックとが、上記式(IC)の構造により結合してなるブロック重合体は、エチレン性不飽和二重結合を有するイミダゾール(A1)とイミダゾール基を有しないアクリル系モノマーとを、カルボキシル基を有するアゾ重合開始剤を用いて重合し、カルボキシル基を有するアクリル系ポリマーブロックを得る工程、及び前記アクリル系ポリマーブロックにポリエチレングリコールをエステル化反応させる工程を含む方法により製造することができる。
例えば、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]4水和物(例えば、和光純薬工業株式会社の市販品「VA−057」等)を用いてアクリル系ポリマーを合成すると、末端にカルボキシル基を有するアクリル樹脂が得られる。これに、PEGブロックを構成する原料としてポリエチレングリコールを加え、エステル化反応をさせることで、アクリル系ポリマーブロックと、PEGブロックとが結合してなるブロック重合体を得ることができる。
なお、式(IB)〜(IC)のいずれかの構造を介して結合してなるブロック重合体を得る際に、上記のような高分子ではないアゾ重合開始剤を用いる場合も、高分子アゾ重合開始剤を用いる際に併用し得るものとして記載した「他の開始剤」も適宜併用することができる。また、連鎖移動剤も適宜使用できる。
[アクリル系ポリマーブロック]
<イミダゾールの部分構造>
前述の通り、アクリル系ポリマーブロックは、下記式(iii)〜(iv)で示される構造を有する。以下、該構造をイミダゾールの部分構造ということがある。
イミダゾールの部分構造の量は、ポリマー型抗菌・防カビ剤100質量%中に10〜60質量%含むことが好ましい。イミダゾールの部分構造を積極的に導入することにより、目的とする抗菌性、防カビ性の各効果を十分に発揮することが可能である。イミダゾールの部分構造はそれ自体抗菌性を有するため、アクリル系ポリマーブロックとPEGブロックとを有する重合体が抗菌・防カビ剤として機能する。
抗菌性、防カビ性の点から、イミダゾールの部分構造の含有率が10質量%以上であることが好ましい。一方、水溶性を適度に抑制し、長期に渡って抗菌性や防カビ性を有効に発現し易くするという点からイミダゾールの部分構造の含有率は60質量%以下であることが好ましい。


(式中、R〜Rは、互いに独立に、水素、C1〜C4アルキル又はフェニルであり、
*はアクリル系ポリマーブロックの主鎖との結合位置を表す。)
なお、このようなイミダゾールの部分構造は、アクリル系ポリマーブロックの主鎖に直接結合していてもよいし、アルキレン基のような2価の連結基を介してアクリル系ポリマーブロックの主鎖に結合していてもよい。
このようなイミダゾールの部分構造を有するポリマー型抗菌・防カビ剤は、前述の通り、エチレン性不飽和二重結合を有するイミダゾール(A1)とイミダゾール基を有しないアクリル系モノマーとを、高分子アゾ重合開始剤を用いて重合することにより得られる。
エチレン性不飽和二重結合を有するイミダゾール(A1)としては、1−ビニルイミダゾール、2−ビニルイミダゾール、2−メチル−N−ビニルイミダゾール、2−フェニル−N−ビニルイミダゾール等のビニルイミダゾール類、特開2011−236181号公報に開示されるイミダゾール誘導体の他、特許第5558833号に開示されるN−ヒドロキシエチルイミダゾール−メタクリラートや、特許第4788121号に開示される重合性イミダゾール塩等が挙げられる
<イミダゾール基を有しないアクリル系モノマー>
イミダゾール基を有しないアクリル系モノマーには、さらに架橋性官能基を有するものと有しないものとがある。架橋性官能基を有するものを用いると、後述する架橋剤と反応させることにより、架橋塗膜等を形成できる。塗膜を架橋できると、塗膜が基材から剥離しにくくなり、抗菌・防カビ剤の溶出を抑制・防止でき、抗菌性、防カビ性を長期間維持することができる。
<架橋性官能基を有するモノマー(A3)>
次に、架橋性官能基を有するモノマー(A3)について説明する。
架橋点となる官能基を有するモノマー(A3)としては、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマーなどを使用することができる。
例えば、カルボキシル基が導入された共重合体は、エポキシ化合物やアジリジン化合物、カルボジイミド化合物、金属キレート化合物、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド化合物により架橋することができる。水酸基が導入された共重合体は、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物等により架橋することができる。アミノ基が導入された共重合体は、エポキシ化合物により架橋することができる。イソシアネート基が導入された共重合体は、水酸基含有化合物により架橋することができる。
これら、架橋点となる官能基を有するモノマーの使用量は、全モノマーの合計100質量%中、10質量%以下で使用することが好ましい。10質量%以下で使用することで、架橋剤を併用した場合に適度な架橋密度を有する塗膜を得ることができる。
カルボキシル基含有モノマーとしては、その構造中にカルボキシル基有するものであれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、マレイン酸、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端にカルボキシル基を有するアルキレンオキサイド付加系コハク酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基含有モノマーとしては、その構造中に水酸基を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシスチレン、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、単官能(メタ)アクリル酸グリセロール、ラクトン環の開環付加により末端に水酸基を有するポリラクトン系(メタ)アクリル酸エステル、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系(メタ)アクリル酸エステル、グルコース環系(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
エポキシ基含有モノマーとしては、その構造中にエポキシ基を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル等が挙げられる。
アミノ基含有モノマーとしては、その構造中にアミノ基を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピル等が挙げられる。
本発明では、ポリマー型抗菌・防カビ剤の剥離や溶出を抑えるという観点から、架橋点となる官能基を有するモノマーを共重合させることが好ましい。これにより後述する架橋剤と反応し得る官能基を導入することができ、架橋塗膜を形成できる。
<架橋性官能基を有さないモノマー(A4)>
次に、ブロック共重合体(A)の一部原料である架橋性官能基を有さないモノマー(A4)について説明する。なお、本発明において、アクリル系モノマーとは、アクリルモノマーとメタクリルモノマーの両方を意味する。
架橋性官能基を有さないモノマーとしては、例えば、
アルキル基の炭素数が1〜20のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシメチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシメチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有モノマー;
(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、ブタジエン、イソプレン、スチレンなどのビニル基含有モノマー;
N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;
などが挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
さらに、本発明では、ポリマー型抗菌・防カビ剤に部分的に架橋構造を導入するために多官能モノマーをさらに共重合させてもよい。
共重合しながら架橋する場合、架橋割合は、用いる多官能モノマー量が多いほど架橋度が高くなり、反応中にゲル化する可能性も高まる。そのため、多官能モノマーの量としては、全モノマー100質量%中、0.01〜10質量%の範囲が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。ブロック共重合体(A)が多官能モノマーにより架橋している場合、難水溶性になるため、架橋剤を使用した場合と同様に、基材からはがれるという問題を低減することができる。
多官能モノマーとしては、その構造中にエチレン性不飽和基を2つ以上有するものであれば、特に制限はなく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、プロプレングリコールポリエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、ジプロプレングリコールポリエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、又はネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、又はジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能(メタ)アクリレート類;あるいは、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、グリセロールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールF型エポキシの(メタ)アクリル酸付加物、又はノボラック型エポキシの(メタ)アクリル酸付加物等のエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。また、以上に挙げた(メタ)アクリレートを、更に(ポリ)アルキレンオキシドや(ポリ)カプロラクトン等で変性したものも使用することができる。
<ポリマー型抗菌・防カビ剤に含まれるPEGブロックの含有率>
本発明のポリマー型抗菌・防カビ剤のうち、主鎖に含まれるPEGブロックの含有率(質量%)は、1〜50質量%であることが好ましい。
タンパク非吸着性の継続的発現の点から主鎖に含まれるPEGブロックの質量%は1質量%以上であることが好ましい。また、質量平均分子量の点から、また抗菌・防カビ性塗膜や抗菌・防カビ性物品の結晶化を抑制するという点で、PEGブロックの質量%は50質量%以下であることが好ましい。
ここで、本発明における主鎖に含まれるPEGの質量%の求め方について説明する。
PEGブロックの質量を計算する際、厳密には、アゾ系重合開始剤中のPEGの重量のみを計算して求めるべきであるが、本発明においては、PEGブロックを有する高分子アゾ系重合開始剤の重量をそのまま適応することにする。
すなわち、モノマー90質量部、PEGブロックを有する高分子アゾ系重合開始剤10質量部を用いて合成した場合、主鎖に含まれるPEGの質量%は10となる。
なお、PEGブロックは、金属イオンを配位することができるため、金属イオンを併用すれば抗菌スペクトルを広めることも可能になる。
<ポリマー型抗菌・防カビ剤の質量平均分子量>
本発明のポリマー型抗菌・防カビ剤の質量平均分子量は、取り扱い性、および後述するように塗料として用いる場合、基材へ塗布する観点から、5,000〜500,000であることが好ましい。
なお、ポリマー型抗菌・防カビ剤の質量平均分子量の調整は、例えば、高分子アゾ重合開始剤中に含まれるアゾ基のモル数に対する、モノマーの全モル数の比率を適宜変更することによって可能となる。たとえば、高分子アゾ重合開始剤中に含まれるアゾ基のモル数に対する、モノマーの全モル数の比率が200であると200量体のアクリル系ポリマーがPEG鎖の間に組み込まれることになり、ポリマーの絡み合いによる高い凝集力を付与することができる。
また、合成中の溶剤の種類や濃度によっても質量平均分子量を調整することも可能であるし、用途に応じてラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー、リモネン等の連鎖移動剤を使用して、分子量や末端構造を制御しても良い。
<ポリマー型抗菌・防カビ剤のガラス転移温度>
本発明のポリマー型抗菌・防カビ剤のガラス転移温温度は、10℃〜150℃であることが好ましく、より好ましくは、20℃〜100℃である。ポリマー型抗菌・防カビ剤のガラス転移温度を10℃〜150℃の範囲に調整することで、基材へ塗布する際の加工性を向上することができる。
ガラス転移温度の調製は、架橋性官能基を有さないモノマー(A4)を構成するモノマーを適宜調製することによって可能となる。例えば、ブチルアクリレートの比率を高くすることにより、柔軟性を付与することができるため、ガラス転移温度は10℃に近い範囲で調製することができる。
本発明のポリマー型抗菌・防カビ剤は、公知の方法により合成できる。例えば、溶液重合、塊状重合、乳化重合、分散(沈殿)重合などが好ましく、溶液重合や分散(沈殿)重合がより好ましい。
<ポリマー型抗菌・防カビ剤の利用>
本発明のポリマー型抗菌・防カビ剤は、塗料に配合して種々の対象物の(基材)の表面に塗布し、対象物に抗菌・防カビ性を付与できる。また、本発明のポリマー型抗菌・防カビ剤を熱可塑性樹脂等と混練・成型し、抗菌・防カビ性物品を製造することもできる。
<抗菌・防カビ性塗料>
本発明の抗菌・防カビ性塗料は、前述のポリマー型抗菌・防カビ剤の他に、溶剤、架橋剤、ポリマー型抗菌・防カビ剤以外の種々のポリマー、目的に応じて種々の添加剤を配合することができる。
溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン(以下、MEKという)等の有機溶媒等が挙げられる。
形成される塗膜の膜厚は限定されないが、好ましくは1mm以下である。
<架橋剤>
本発明において用いることのできる架橋剤としては、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、およびアジリジニル基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有するものの他、金属キレート化合物、カルボジイミド基含有化合物等が挙げられる。これらの架橋剤は、塗膜の弾性率や耐性を上げる目的で使用したり、接着力を調製したりするために用いることができる。
[エポキシ基を有する架橋剤]
本発明で用いられるエポキシ基を有する架橋剤としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであればよく、特に限定されるものではない。
2官能エポキシ基を有する架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレンオキサイドジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゾフェノンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシアントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン等の芳香族エポキシ化合物、上記記載の芳香族エポキシ化合物の水素添加物、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の脂環式エポキシ化合物などが挙げられる。
エポキシ基を3つ以上有する架橋剤としては、例えば、トリグリシジルイソシアヌレート、トリスフェノール型エポキシ化合物、テトラキスフェノール型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物等が挙げられる。
[イソシアネート基を有する架橋剤]
本発明で用いられるイソシアネート基を有する架橋剤としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有した化合物であればよく、特に限定されるものではない。
2官能イソシアネート化合物としては、例えば、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。
3官能イソシアネート化合物としては、上記で説明したジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体が挙げられる。
また、イソシアネート基を有する架橋剤中のイソシアネート基は、ブロック化されていても良いし、ブロック化されていなくても良い。
本発明で用いられるブロック化イソシアネート架橋剤としては、前記イソシアネート化合物中のイソシアネート基がε−カプロラクタム、MEKオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ピラゾール、フェノール等でブロックされたブロック化イソシアネート化合物であればよく、特に限定されるものではない。
[アジリジニル基を有する架橋剤]
本発明で用いられるアジリジン化合物としては、1分子中に2個以上のアジリジン基を有した化合物であればよく、特に限定されるものではない。アジリジン化合物としては、例えば、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
[金属キレート化合物]
本発明で用いられる金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムアルコキシド化合物、アルミニウムアシレート化合物などの有機アルミニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタンアシレート化合物などの有機チタン化合物、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムアシレート化合物などの有機ジルコニウム化合物等が挙げられる。
[カルボジイミド基含有化合物]
本発明で用いられるカルボジイミド基含有化合物としては、日清紡績株式会社のカルボジライトシリーズを用いることができ、V−02、V−04、V−06などの水性タイプ、V−01、V−03、V−05、V―07、V―09などの油性タイプ等が挙げられる。
[β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物]
本発明では、β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物も架橋剤として用いることができる。
β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物としては、分子内にβ−ヒドロキシアルキルアミド基を含有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物としては、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)アジパミド(エムスケミー社製PrimidXL−552)をはじめとする種々の化合物を挙げることができる。
本発明において、架橋剤は、一種のみを単独で用いてもよいし、複数を併用しても良い。架橋剤の使用量は、ポリマー型抗菌・防カビ剤中に含まれる官能基の種類やモル数を考慮して決定すればよく、特に限定されるものではないが、通常はポリマー型抗菌・防カビ剤100質量部に対して0.1質量部〜10質量部の範囲で用いられる。ポリマー型抗菌・防カビ剤中に含まれる官能基のモル数よりも少ない範囲で配合することで、未反応の架橋剤が遊離する懸念をなくすことができる。この範囲であれば、目的とする血液適合性、生体組織適合性、生体組織接着抑制、血漿タンパクの吸着性、溶血性、細胞毒性の抑制の各効果に、特に優れた性能が発現される。
本発明の塗料を対象物の(基材)の表面に塗布する方法について説明する。
直接塗布の方法としては、刷毛、浸漬、ローラ、スプレー、注入、塗工機など種々の塗布方法により基材に溶液を塗布し、乾燥することにより行われる。
フィルムに対する塗布方法としては、ディップコート、コンマコート、グラビアコート、カーテンコート、ダイコート、リップコート、マイクログラビアコート、スロットダイコート、リバースコート、キスコート等が挙げられる。表面接着の方法としては、例えば、セパレートフィルム上に樹脂溶液を塗布後、溶媒を除去した後に被着体に転写させる方法が挙げられる。
<本発明以外、その他の抗菌剤、防カビ剤>
本発明の抗菌・防カビ性塗料は、上記ポリマー型抗菌・防カビ剤に加えて他の抗菌剤、防カビ剤を、本発明の所望する効果を損なわない範囲で、少量含有させ、抗菌性、防カビ性を更に強化することもできる。これにより抗菌性の相乗効果も得られ、より顕著な抗菌性が容易に得られる。
透明性や色彩を要求されない場合には、抗菌性金属成分を添加しても良い。抗菌性金属成分は、抗菌性を有する金属イオンや金属化合物等で構成でき、これらの抗菌性金属成分は、単独又は2種以上組み合わせて使用できる。抗菌性を有する金属イオンとしては、例えば、銀イオン(銀(I)、銀(IIイオン)、銅イオン、白金イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン、モリブデンイオン、クロムイオン等が挙げられる。
これらの抗菌性金属イオンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの金属イオンのうち、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン、特に銀(I)イオン、銅イオンが好ましい。
<溶融・混練・成型>
本発明のポリマー型抗菌・防カビ剤を成型可能な樹脂と溶融混練し、成型し、抗菌・防カビ性物品を得ることもできる。
混練する際に用いられる樹脂材料としては、特に制限はないが、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン(ポリアミド)系樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリロニトリルーブタジエンースチレン(ABS)樹脂などの樹脂材料の一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。なお、結晶性樹脂であれば、結晶化度が比較的に低い樹脂材料を用いることが好ましい。これは、結晶化度が低い樹脂材料の方が、樹脂材料中に存在する抗菌性樹脂による抗菌作用が発揮されやすくなるためである。
また、溶融・混練・成型の場合、ポリマー型抗菌・防カビ剤は、抗菌性・防カビ性発現の点から1質量%以上の範囲で含有することが好ましい。また、成型時の作業性や成形性の点、製造される物品の強度や表面の平滑性の点から、ポリマー型抗菌・防カビ剤は、50質量%以下の範囲で含有することが好ましい。
成型方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、インフレーション成形法などの公知の成形方法が挙げられる。
ポリマー型抗菌・防カビ剤を含む樹脂組成物と、ポリマー型抗菌・防カビ剤を含まない樹脂とを段階的に射出したり、共に押し出したりして、物品の表面にのみ抗菌・防カビ性を付与することもできる。
なお、ポリマー型抗菌・防カビ剤を含まない樹脂は、ポリマー型抗菌・防カビ剤を含む樹脂組成物中の樹脂と同じものであってもよいし、異なる樹脂であってもよい。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における、「部」および「%」は、「質量部」および「質量%」をそれぞれ表し、Mwは質量平均分子量、Tgはガラス転移温度を意味する。
<質量平均分子量(Mw)の測定方法>
Mwの測定は昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「GPC-101」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーである。本発明における測定は、カラムに「KF−805L」(昭和電工社製:GPCカラム:8mmID×300mmサイズ)を直列に2本接続して用い、試料濃度1wt%、流量1.0ml/min、圧力3.8MPa、カラム温度40℃の条件で行い、質量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。データ解析はメーカー内蔵ソフトを使用して検量線および分子量、ピーク面積を算出し、保持時間15〜30分の範囲を分析対象として質量平均分子量を求めた。
<ガラス転移温度(Tg)の測定方法>
溶剤を乾燥除去したブロック共重合体について、メトラー・トレド社製「DSC−1」を使用し、サンプル量約5mgをアルミニウム製標準容器に秤量し、温度変調振幅±1℃、温度変調周期60秒、昇温速度2℃/分の条件にて、−50〜200℃まで測定し、可逆成分の示差熱曲線からガラス転移温度を求めた。
<ブロック共重合体(ポリマー型抗菌・防カビ剤)の合成>
[製造例1]
温度計、撹拌機、窒素導入管、還流冷却器、滴下管を備えた反応容器に、窒素気流下、有機溶媒としてMEK90質量部を仕込み、撹拌下80℃で30分加熱した。
滴下管に、エチレン性不飽和二重結合を有するイミダゾール(A1)として1−ビニルイミダゾールを50質量部、架橋性官能基を有するモノマー(A3)としてアクリル酸を2質量部、架橋性官能基を有さないモノマー(A4)としてブチルアクリレートを38質量部、重合開始剤としてVPE0201(和光純薬工業社製:マクロアゾ開始剤)を10質量部、溶媒としてMEKを5質量部仕込み、2時間かけて滴下した。滴下管にMEK3質量部を入れ、滴下管の壁に残ったモノマーを洗い、反応容器に滴下した。
滴下終了後1時間熟成させた後、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル0.0125質量部をMEK1質量部で溶解した溶液を添加し、1時間熟成した。
その後、さらに、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル0.0125質量部をMEK1質量部で溶解した溶液を添加し、1時間熟成させた後、室温に冷却し反応を停止し、固形分約50質量%のブロック共重合体溶液を得た。
得られたブロック共重合体中に含まれるビニルイミダゾール部分構造の割合は50質量%、Mwは91,000、Tgは49℃であった。
[製造例2〜6]、[比較製造例1、2]
製造例1と同様の方法で、表1の組成および仕込み質量部に従って合成を行い、ブロック共重合体溶液を得た。その特性値を表1に示す。
表1中、略号は以下の通り。
AA:アクリル酸
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル
GMA:グリシジルメタクリレート
BA:ブチルアクリレート
St:スチレン
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
VPE0201:和光純薬工業社製マクロアゾ開始剤
V601:2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル
[実施例1〜10]、[比較例1〜4]
表2、3の組成に従い、製造例1〜5、比較製造例1、2記載の各ブロック共重合体等にMEKを加え、固形分が30%になるように調製し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物を、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)フィルムに、膜厚30μとなるように塗布し、60℃で乾燥したものを試験片とし、タンパク非吸着性、抗菌性等を後述する方法で評価した。
[実施例11]
表2の組成に従い、ダイヤフラムポンプを用い、製造例6で得たブロック重合体(A)溶液からMEKを除去した後、ポリスチレン(以下、PSという)と同じ質量比でドライブレンドした後、200℃に設定した2軸押出機にて混練し、直径3mm、長さ3mmの円柱状ペレットに造粒した。
次いで、200℃に設定した射出成型機を用い、前述したペレットから外径40mm×厚さ1mmのプレートを製造し、試験片とし、タンパク非吸着性、抗菌性等を後述する方法で評価した。
(1)タンパク非吸着性
実施例及び比較例で調整した試験片を、11mm角にカットし、24ウェルプレートの任意の凹部内に設置した。前記ウエルに、タンパク質として、PBS(リン酸緩衝液)で10000倍に希釈したHRP−IgG(Horseradish peroxidase-ImmunoglobulinG)溶液1mlを加え、試験片を浸漬させた。室温で1時間インキュベートした後、PBS−T(0.1%Tween20)を用いてウェルを4回洗浄した。
試験片を他のウェルに移し、染色液としてTMBZ(3,3',5,5'-Tetramethylbenzidine)溶液を1ml分注し、室温で10分間インキュベートした。Stop Solution(タカラバイオ製 Wash and Stop Solution for ELISA without Sulfuric Acid)1mlをウェルに分注後、試験片を取り除き、ウェルの吸光度を測定した。測定機器は、MITHRAS2 LD943-M2M マイクロプレートリーダーを使用し、450nm(副波長650nm)の吸光度を測定した。下記の4段階の評価基準に基づいて評価した。
◎:0.2≧サンプルの吸光度/PETフィルムの吸光度
○:0.5≧サンプルの吸光度/PETフィルムの吸光度>0.2
△:1≧サンプルの吸光度/PETフィルムの吸光度>0.5
×:サンプルの吸光度/PETフィルムの吸光度>1
(2)タンパク吸着試験前の抗菌性
実施例及び比較例で調整した試験片を、11mm角にカットし、大腸菌を4.2×103/mLに調整した試験液50mlに10枚投入し、37℃×1時間振とうした後、試験溶液中の生菌数を測定し、減少した割合を求めた。減少率が大きい方が抗菌性は良い。下記の3段階の評価基準に基づいて評価した。
○:90%≦減少率
△:50%≦減少率<90%
×:減少率<50%
(3)タンパク吸着試験後の抗菌性
前記(1)タンパク非吸着性試験と同様にして、11mm角をHRP−IgGの希釈液1ml中にて1分間インキュベートした後、PBS−Tにて4回洗浄した。
前記(2)と同様にして、大腸菌の数を4.2×103/mLに調整した試験液50mlに、洗浄後の試験片を入れ、同様にして試験・評価した。基準も前記(2)と同様。
(4)タンパク吸着試験前の防カビ性
実施例及び比較例で調整した試験片を、11mm角にカットし、かび(黒カビ)を培養した寒天培地表面のほぼ中央に置き、30℃×96時間培養した後、試験片周辺のカビが生育しない帯状の部分の幅を測定した。数値が大きい方が防カビ性は良い。下記の3段階の評価基準に基づいて評価した。
○:3mm≦帯状部分の幅
△:1mm≦帯状部分の幅<3mm
×:帯状部分の幅<1mm
(5)タンパク吸着試験後の防カビ性
前記(1)タンパク非吸着性試験と同様にして、11mm角をHRP−IgGの希釈液1ml中にて1分間インキュベートした後、PBS−Tにて4回洗浄した。
前記(4)と同様にして、洗浄後の試験片についての防カビ性を評価した。基準も前記(4)と同様。
表2中、略号は以下の通り。
ALCH:川研ファインケミカル社製、アルミキレート化合物
ケミタイトPZ:日本触媒社製、多官能アジリジン化合物
V05:日清紡社製、油性カルボジイミド基含有化合物
XL552:エムスケミー社製、ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物
PS:PSジャパン社製、HF77、汎用ポリスチレン
表2の実施例と比較例の結果を見て分かる通り、実施例1〜9でポリマー型抗菌・防カビ剤として使用しているブロック共重合体(A)は、比較例1〜4で使用している樹脂に対し、タンパク質で汚染された場合でも抗菌性、防カビ性を発現できる。また、架橋剤を併用することで、コーティング膜として一層良好な塗膜耐性を付与することができた。
本発明のポリマー型抗菌・防カビ剤は、タンパク質で汚染された場合でも抗菌性、防カビ性に優れた皮膜を与えるため、広範な用途に利用できる。具体的には、各種プラスチックのフィルムやシートの表面コート剤、水系グラビアインキのベースポリマー、感熱紙等の各種機能紙のトップコート剤、各種金属板の表面被覆材、あるいは各種織物、天然皮革、合成皮革、木材等のコート剤、塗料として有用である。

Claims (11)

  1. アクリル系ポリマーブロックとポリエチレングリコールブロックとが、下記式(IA)〜(IC)のいずれかの構造を介して結合してなり、前記アクリル系ポリマーブロックが下記式(iii)〜(iv)のいずれかの構造をポリマーの側鎖に有する、ポリマー型抗菌・防カビ剤。




    (式中、R〜Rは、互いに独立に、水素、C1〜C4アルキル又はフェニルであり、
    *はアクリル系ポリマーブロックの主鎖との結合位置を表す。)
  2. アクリル系ポリマーブロックとポリエチレングリコールブロックとが、下記式(IA)の構造を介して結合してなる、請求項1記載のポリマー型抗菌・防カビ剤。
  3. ポリエチレングリコールブロックの質量/[アクリル系ポリマーブロックの質量とポリエチレングリコールブロックの質量との合計]が0.01〜0.5である、請求項1または2に項記載のポリマー型抗菌・防カビ剤。
  4. ポリマー型抗菌・防カビ剤100質量%中、式(iii)〜(iv)の構造を合計で10〜60質量%含む、請求項1〜3いずれか1項に記載のポリマー型抗菌・防カビ剤。
  5. 質量平均分子量が5000〜500000である、請求項1〜4いずれか1項に記載のポリマー型抗菌・防カビ剤。
  6. ガラス転移温度が10〜150℃である、請求項1〜5いずれか1項に記載のポリマー型抗菌・防カビ剤。
  7. 下記一般式(II)で示される部位を有する、ポリエチレングリコールブロックを有し且つ質量平均分子量が5,000〜10万である高分子アゾ重合開始剤を用いて、エチレン性不飽和二重結合を有するイミダゾール(A1)とイミダゾール基を有しないアクリル系モノマーとを重合してなることを特徴とする、請求項2〜6いずれか1項に記載のポリマー型抗菌・防カビ剤。

    (式中、m及びnは、それぞれ1以上の整数を示す。)
  8. 下記一般式(II)で示される部位を有する、ポリエチレングリコールブロックを有し且つ質量平均分子量が5,000〜10万である高分子アゾ重合開始剤を用いて、エチレン性不飽和二重結合を有するイミダゾール(A1)とイミダゾール基を有しないアクリル系モノマーとを重合することを特徴とする、
    アクリル系ポリマーブロックとポリエチレングリコールブロックとが、下記式(IA)の構造を介して結合しており、前記アクリル系ポリマーブロックが下記式(iii)〜(iv)のいずれかの構造を有する、ポリマー型抗菌・防カビ剤の製造方法。

    (式中、m及びnは、それぞれ1以上の整数を示す。)


    (式中、R〜Rは、互いに独立に、水素、C1〜C4アルキル又はフェニルであり、
    *はアクリル系ポリマーブロックの主鎖との結合位置を表す。)
  9. 請求項1〜8いずれか1項に記載のポリマー型抗菌・防カビ剤を含有する、抗菌・防カビ性塗料。
  10. 硬化剤をさらに含有する、請求項9記載の硬化型抗菌・防カビ性塗料。
  11. 請求項1〜8いずれか1項に記載のポリマー型抗菌・防カビ剤と、成型加工可能な樹脂とを成型してなる、抗菌・防カビ性物品。
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