JP2019183021A - バイオフィルム形成抑制コート剤及びバイオフィルム形成抑制積層体 - Google Patents

バイオフィルム形成抑制コート剤及びバイオフィルム形成抑制積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、安全性、塗工性及び耐水性に優れ、かつ、長期間のバイオフィルム形成抑制を可能とする、バイオフィルム形成抑制コート剤及び該コート剤からなる塗膜を有する、バイオフィルム形成抑制積層体を提供することである。【解決手段】上記課題は、アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とを有し、[ポリエチレンオキサイドブロック(A2)の質量]/[アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)との合計の質量]が0.05〜0.3である重合体(A)を含む、バイオフィルム形成抑制コート剤によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、バイオフィルム形成抑制コート剤及び該コート剤からなる塗膜を有する、バイオフィルム形成抑制積層体に関する。
バイオフィルムは生物膜やスライムとも言われ、一般に水系で細菌やカビ等の微生物が物質の表面に付着・増殖することによって微生物細胞内から多糖やタンパク質などの高分子物質を産生して構造体を形成したものを指す。バイオフィルムが形成される前後で比較すると、バイオフィルムが一度形成された場合、洗浄・除去、抗生物質、薬剤、熱、乾燥等に対して著しく高い抵抗性を示す。その結果、付着・増殖した微生物を原因とする危害が発生して様々な産業分野で問題を引き起こす。
例えば、カテーテル等の医療機器の管内に細菌が付着しバイオフィルムを形成することで詰まりの原因となり、処すべき治療を施すことが不可能となる。また、バイオフィルムが剥がれ落ち、細菌の凝集体が体内に侵入し、深刻な疾病となる恐れがある。食品プラントの配管内にバイオフィルムが形成されると、バイオフィルムが剥がれ落ち、製品内への異物混入につながるだけでなく、微生物由来の毒素で食中毒の原因となる。更に、金属表面へのバイオフィルム形成は金属腐食の原因となり、設備の老朽化を促進する。また、水槽の内面にバイオフィルムが形成されると、水槽内の生物に悪影響を及ぼす。
このように、バイオフィルムの形成抑制が求められており、バイオフィルム形成抑制について種々検討されている。
特許文献1では、アルカリ無機塩を主成分とするバイオフィルム崩壊剤に、低分子量のアミンオキシド界面活性剤を含むバイオフィルム用処理剤が開示され、一度形成されたバイオフィルムを、低分子量の界面活性剤によって洗浄する手法が開示されている。しかし、一度形成されたバイオフィルムをはがすことは困難であり、洗浄作業による労働的負担が大きい。また洗浄作業の際、多量の水を使用するため処理問題や環境汚染問題を伴う。
特許文献2では、アミノ基及び4級アンモニウム基から選ばれる基を1種類以上有し、かつ、アニオン性基を有するビニル系モノマーに由来する高分子化合物を特徴とする、バイオフィルムの形成を抑制する方法が開示され、該高分子化合物が、微生物の付着防止、殺菌、抗菌作用を発揮し、バイオフィルムの形成を抑制する手法が開示されている。しかし、該高分子化合物は耐水性が劣り、バイオフィルム形成抑制性が不十分である。
特開2008−156389号公報 特開2010−163429号公報
本発明の課題は、安全性、塗工性及び耐水性に優れ、かつ、長期間のバイオフィルム形成抑制を可能とする、バイオフィルム形成抑制コート剤及び該コート剤からなる塗膜を有する、バイオフィルム形成抑制積層体を提供することである。
本発明は、下記[1]〜[9]のバイオフィルム形成抑制コート剤、及び[10]のバイオフィルム形成抑制積層体に関する。
[1]アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とを有し、[ポリエチレンオキサイドブロック(A2)の質量]/[アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)との合計の質量]が0.05〜0.3である重合体(A)を含む、バイオフィルム形成抑制コート剤。
[2]さらに架橋剤を含有する、[1]に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤。
[3]架橋剤が、カルボジイミド基含有化合物、アジリジニル基含有化合物、エポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、金属キレート化合物及びβ−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[2]に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤。
[4]重合体(A)中のアクリル系ポリマーブロック(A1)を形成するモノマーの水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上、2以下である、[1]〜[3]いずれか1項に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤。
[5]重合体(A)の質量平均分子量が3,000〜1,000,000である、[1]〜[4]いずれか1項に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤。
[6]重合体(A)のガラス転移温度が−70〜50℃である、[1]〜[5]いずれか1項に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤。
[7]重合体(A)の酸価が0〜50mgKOH/gである、[1]〜[6]いずれか1項に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤。
[8]重合体(A)に含まれるアクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが、下記式(IA)〜(IC)のいずれかの構造を介して結合してなる、[1]〜[7]いずれか1項に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤。
[9]重合体(A)に含まれるアクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが、下記式(IA)の構造を介して結合してなる、[1]〜[8]いずれか1項に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤。
[10]基材上に、[1]〜[9]いずれか1項に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤からなる塗膜を有する、バイオフィルム形成抑制積層体。
本発明により、安全性、塗工性及び耐水性に優れ、かつ、長期間のバイオフィルム形成抑制を可能とする、バイオフィルム形成抑制コート剤を提供することができる。本発明のバイオフィルム形成抑制コート剤は、水槽内面又は製造設備等、微生物が付着し、バイオフィルムが形成することが想定される物質表面に、好適に用いることができる。
本発明のバイオフィルム形成抑制コート剤は、アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とを有し、[ポリエチレンオキサイドブロック(A2)の質量]/[アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)との合計の質量]が0.05〜0.3である重合体(A)を含むことを特徴とする。重合体(A)を含むことにより、優れた安全性、塗工性及び耐水性だけでなく、長期間のバイオフィルム形成抑制効果の維持を可能とする。
<バイオフィルム形成抑制コート剤>
<重合体(A)>
本発明における重合体(A)は、アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とを有し、[ポリエチレンオキサイドブロック(A2)の質量]/[アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)との合計の質量]が0.05〜0.3である。本発明の重合体(A)は、疎水性に富むアクリル系ポリマーブロック(A1)と、親水性に富むポリエチレンオキサイドブロック(A2)とのバランスにより、バイオフィルム形成抑制性を効果的に制御することができる。
アクリル系ポリマーブロック(A1)は、アクリル系モノマーの重合体ブロックであり、このブロック部分は、アクリル系モノマーのホモポリマーでも、アクリル系モノマーのコポリマーでもどちらでも良い。コポリマーの場合、交互共重合、ランダム共重合、又はブロック共重合のいずれの形式でも良い。本発明では、アクリル系ポリマーブロック(A1)とは、アクリロイル基及び又はメタクリロイル基を少なくとも一つ有する(メタ)アクリル系モノマーを全モノマーの内10%以上含むポリマー部分を指す。
ポリエチレンオキサイドブロック(A2)は、以下、PEGブロックということもある。
重合体(A)は、各ブロック(A1)と(A2)は、それぞれ1以上含まれていればよく、(A1)及び(A2)を両方とも主鎖に有する構造、(A1)を主鎖としその側鎖部位に(A2)を有する構造、の少なくともいずれかを有し、前記構造を両方とも有すことができる。
本発明の重合体(A)は、[ポリエチレンオキサイドブロック(A2)の質量]/[アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)との合計の質量]が0.05〜0.3であることを特徴とし、好ましくは0.1〜0.25である。
[PEGブロック(A2)の質量]/[アクリル系ポリマーブロック(A1)とPEGブロック(A2)との合計の質量]は、合成に使用したモノマーの質量から計算することができる。また、後述するが、PEG部分を有する高分子アゾ重合開始剤を用いた場合は、PEGブロック(A2)の質量を計算する際、厳密には、アゾ重合開始剤中のPEGの重量のみを計算して求めるべきであるが、本実施形態においては、PEGブロック(A2)を有する高分子アゾ重合開始剤の質量をそのまま適応することにする。また、アクリル系ポリマーブロック(A1)の質量は、重合に供したアクリル系モノマーの合計量である。
すなわち、アクリル系モノマー90重量部、PEGブロック(A2)を有する高分子アゾ重合開始剤10重量部を用いて合成した場合、PEGブロック(A2)の質量/[アクリル系ポリマーブロック(A1)とPEGブロック(A2)との合計の質量]は0.1となる。
本発明において、重合体(A)が(A1)及び(A2)を両方とも主鎖に有する重合体である場合、重合体(A)は、下記式(IA)、(IB)又は(IC)のいずれかの構造(結合構造)を介して結合されていることが好ましい。なお共重合体は、下記式(IA)〜(IC)のいずれか一以上の結合構造を含むことが好ましく、これら以外の結合構造を一部に含んでいてもよい。
中でも、アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが、下記式(IA)〜(IC)のいずれかの構造を介して結合してなることが好ましく、より好ましくは、下記式(IA)の構造を介して結合されてなるものである。
本発明における、アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とを有する重合体(A)は、以下の方法で得ることができるが、これらに限定されない。
[(A1)及び(A2)を両方とも主鎖に有する重合体]
以下に、式(IA)〜(IC)の結合構造毎に説明する。
(式(IA)の構造を介して結合してなる場合)
上記の式(IA)で示される結合構造を有する重合体の合成方法の一例を挙げる。
例えば、ラジカル重合開始剤として4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(例えば、和光純薬工業株式会社の市販品「V−501」等)を用いてアクリル系ポリマーを合成すると、末端にカルボキシル基を有するアクリル樹脂が得られる。これに、PEG部分を構成する原料としてポリエチレングリコールを加え、エステル化反応をさせることで、アクリル系ポリマーブロックと、PEG部分とが上記式(IA)で結合してなる重合体を得ることができる。
あるいは、上記の式(IA)で示される結合構造を有する重合体は、アクリル系ポリマーを合成する際のラジカル重合開始剤として、下記式(II)で示される、ポリエチレンオキサイドブロック(A2)とアゾ基を含む構造単位を有する高分子アゾ重合開始剤を用いて好ましく合成することができる。式中、m及びnは、それぞれ独立に1以上の整数である。高分子アゾ重合開始剤は、高分子セグメントとアゾ基(−N=N−)が繰り返し結合した構造を有しており、本実施形態では、高分子セグメントとしてポリエチレンオキサイドブロックを含む高分子アゾ開始剤を用いることで、容易に重合体を合成できる。
[式中、m及びnは、それぞれ1以上の整数を示す。]
高分子アゾ重合開始剤を用いる場合、該開始剤中に含まれるアゾ基のモル数に対する、アクリル系モノマーの全モル数の比率を適宜変更することによって、重合体の質量平均分子量の調整ができる。例えば、高分子アゾ重合開始剤中に含まれるアゾ基のモル数に対する、アクリル系モノマーの全モル数の比率が200であると、200量体のアクリル系ポリマーがPEG鎖の間に組み込まれることになり、ポリマーの絡み合いによる高い凝集力を付与することができる。
高分子アゾ重合開始剤の質量平均分子量は、5,000〜10万程度であることが好ましく、1万〜5万程度であることがより好ましい。また、該開始剤のPEG部分の分子量は、800〜1万程度であることが好ましく、1,000〜8,000程度であることがより好ましい。また好ましくはmが15〜200、より好ましくはmが20〜100であり、好ましくはnが3〜50、より好ましくはnが4〜30である。
前記高分子アゾ重合開始剤は、ポリエチレンオキサイドブロック(A2)を有しているため、水、アルコール、及び有機溶剤に可溶であり、溶液重合、乳化重合、又は分散重合により重合体の合成が可能である。また、分子鎖骨格中に重合開始部分(ラジカル発生部分:−N=N−)を有しているため、別途重合開始剤を使用する必要がなく、さらには末端反応性マクロモノマーに比べてラジカルの反応性、及び安定性が高いという特徴を有している。
前記高分子アゾ重合開始剤は、・C(CH3)CN−(CH22−COO−(CH2CH2O)m−CO−(CH22−C(CH3)CN・にて示されるようなラジカルを生じ、後述するアクリル系モノマーを重合させる。そして、アクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマーブロック(A1)と前記ラジカル由来の部分とが結合した主鎖を形成し、重合体を形成する。ポリエチレンオキサイドブロック(A2)は、ラジカルの一部に由来する。
高分子アゾ重合開始剤の具体例としては、和光純薬製の高分子アゾ開始剤VPE0201(上記式(II)の(CH2CH2O)の部分の分子量が約2,000、nが6程度)などが例示される。
高分子アゾ重合開始剤の他に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ開始剤や、過酸化ベンゾイルのうようなの有機過酸化物開始剤を併用することができる。これらの開始剤を併用することにより、開始効率を高め、効率よくアクリル系ポリマーブロック(A1)にPEGに組み込むことができ、残留モノマーを減らすことができる。
重合の際、用途に応じてラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー、リモネン等の連鎖移動剤を使用して、分子量や末端構造を制御しても良い。
(式(IB)の構造を介して結合してなる場合)
次に、アクリル系ポリマーブロック(A1)と、ポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが上記式(IB)の構造を介して結合してなる重合体の合成方法について説明する。
例えば、アクリル系ポリマーブロックとポリエチレンオキサイドブロックとが、上記式(IB)の構造を介して結合してなる重合体は、アクリル系モノマーを、ヒドロキシ基を有するアゾ重合開始剤を用いて重合し、末端にヒドロキシ基を有するアクリル系ポリマーブロックを得る工程、及び前記アクリル系ポリマーブロック及びポリエチレングリコールと、2官能のイソシアネート化合物とをウレタン化反応させる工程を含む方法により製造することができる。
例えば、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロパンアミド](例えば、和光純薬工業株式会社の市販品「VA−086」等)を用いてアクリル系ポリマーを合成すると、末端にヒドロキシル基を有するアクリル樹脂が得られる。これに、PEG部分を構成する原料としてポリエチレングリコールを加え、2官能イソシアネート化合物を用いてウレタン化反応させることで、アクリル系ポリマーブロックと、PEG部分とが結合してなる重合体を得ることができる。
ウレタン化反応の際用いられる2官能イソシアネート化合物としては、例えば、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。
(式(IC)の構造を介して結合してなる場合)
さらに、アクリル系ポリマーブロック(A1)と、ポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが上記式(IC)の構造を介して結合してなる重合体の合成方法について説明する。
例えば、アクリル系ポリマーブロックとポリエチレンオキサイドブロックとが、上記式(IC)の構造により結合してなる重合体は、アクリル系モノマーを、カルボキシル基を有するアゾ重合開始剤を用いて重合し、カルボキシル基を有するアクリル系ポリマーブロックを得る工程、及び前記アクリル系ポリマーブロックにポリエチレングリコールをエステル化反応させる工程を含む方法により製造することができる。
例えば、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]4水和物(例えば、和光純薬工業株式会社の市販品「VA−057」等)を用いてアクリル系ポリマーを合成すると、末端にカルボキシル基を有するアクリル樹脂が得られる。これに、PEG部分を構成する原料としてポリエチレングリコールを加え、エステル化反応をさせることで、アクリル系ポリマーブロックと、PEG部分とが結合してなる重合体を得ることができる。
なお、式(IB)〜(IC)のいずれかの構造を介して結合してなる重合体を得る際に、上記のような高分子ではないアゾ重合開始剤を用いる場合も、高分子アゾ重合開始剤を用いる際に併用し得るものとして記載した「他の開始剤」も適宜併用することができる。また、連鎖移動剤も適宜使用できる。
[(A1)を主鎖とし、その側鎖部位に(A2)を有する重合体]
次に、アクリル系ポリマーブロック(A1)を主鎖とし、その側鎖部位にポリエチレンオキサイドブロック(A2)を有する重合体について説明する。このような重合体は、ポリエチレンオキサイドを有する(メタ)アクリル系モノマーを他のモノマーと共重合することで得ることができる。
ポリエチレンオキサイドを有する(メタ)アクリル系モノマーとしては特に限定はされないが、例えば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ペンタキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
なお、これらのモノマーは、アクリル系ポリマーブロック(A1)も形成するが、ポリエチレンオキサイドブロック(A2)も形成するものである。そこで、これらのモノマーは、アクリル系ポリマーブロック(A1)には含めないこととする。
[モノマー]
重合体(A)のアクリル系ポリマーブロック(A1)の原料であるアクリル系モノマーについて説明する。なお、本実施形態においてアクリル系モノマーは、アクリルモノマーとメタクリルモノマーの両方を意味する。アクリルとメタクリルを「(メタ)アクリル」とまとめて記す場合もある。
本発明では、アクリル系ポリマーブロック(A1)を形成する全モノマーの水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上、2以下であることが望ましい。LogPの平均値が0以上、2以下である場合、水に対する溶解性が制御され、脂溶性が向上する。その結果、水への溶出が抑制され、バイオフィルム形成を抑制したい基材に対する密着性もよくなる傾向にある。
LogPは、化学物質の性質を表す数値の一つであり、添加量に依存しない一定の値である。対象とする物質が、水と1−オクタノールの混合液において、水相とオクタノール相が接した系中で平衡状態にある場合を対象として、各相の濃度をその常用対数で示したものである。LogPが大きくなると、比較的に疎水性が増大する傾向があり、LogPが小さくなると、比較的に親水性が増大する傾向がある。
LogPの測定は、一般にJIS日本工業規格Z7260−107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。また、LogPは実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。LogPの計算に用いる方法やソフトウェアについては公知のものを用いることができるが、本発明ではCambridgeSoft社のシステム:ChemdrawPro11.0に組み込まれたプログラムを用い、LogPを求めている。
水/1−オクタノール分配係数(LogP)が0以上2以下であるモノマーとしては、例えば、架橋点となる官能基を有しないモノマーと、架橋点となる官能基を有するモノマーとに分けて挙げることができる。
架橋点となる官能基を有しないモノマーとしては、例えば、
アルキル基の炭素数が1〜4のアルキルアクリレート;
アルキル基の炭素数が1〜3のアルキルメタクリレート;
メトキシメチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシメチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有モノマー;
(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、ブタジエン、イソプレンなどのビニル基含有モノマー;
N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、1−ビニルイミダゾール、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマー; などが挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。これらの化合物のうち、特に2−メトキシエチルアクリレート、及びテトラヒドロフルフリルアクリレートが、経済性及び操作性の点から好ましい。
架橋点となる官能基を有するモノマーとしては、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、及びイソシアネート基含有モノマーなどを使用することができる。これらのモノマーを用い、その架橋性官能基を架橋剤で架橋することにより、塗膜の剥離、及び、塗膜からの重合体の溶出等を抑制することができる。
例えば、カルボキシル基が導入された共重合体は、エポキシ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、金属キレート化合物、又はN−ヒドロキシエチルアクリルアミド化合物により架橋することができる。水酸基が導入された共重合体は、イソシアネート化合物、又はカルボジイミド化合物等により架橋することができる。アミノ基が導入された共重合体は、エポキシ化合物により架橋することができる。イソシアネート基が導入された共重合体は、水酸基含有化合物により架橋することができる。
カルボキシル基含有モノマーとしては、その構造中にカルボキシル基有するものであれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、あるいはエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが繰り返し付加した末端にカルボキシル基を有する、アルキレンオキサイド付加系コハク酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基含有モノマーとしては、その構造中に水酸基を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシブチル、単官能(メタ)アクリル酸グリセロール、ラクトン環の開環付加により末端に水酸基を有するポリラクトン系(メタ)アクリル酸エステル、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系(メタ)アクリル酸エステル、及びグルコース環系(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
エポキシ基含有モノマーとしては、その構造中にエポキシ基を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、及び(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル等が挙げられる。
アミノ基含有モノマーとしては、その構造中にアミノ基を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピル等が挙げられる。
以上に例示した、架橋点となる官能基を有するモノマーについても、それぞれを単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。2種以上を組み合わせる場合、同じ官能基を有する異なるモノマーを組み合わせてもよいし、異なる官能基を有する複数種の化合物を組み合わせてもよい。
塗膜の剥離及びブロック重合体の溶出を抑えるという観点から、架橋点となる官能基を有するモノマーを共重合させることが好ましい。これにより、後述する架橋剤と反応し得る官能基を導入することができ、架橋塗膜を形成できる。架橋点となる官能基を有するモノマーの使用量は、全モノマーの合計100質量%中、10質量%以下で使用することが好ましい。10質量%以下で使用することで、架橋剤を併用した場合に適度な架橋密度を有する塗膜を得ることができる。
本発明では、使用するアクリル系モノマーのLogPが0〜2の範囲であれば、ホモポリマー部分の原料として使用することができる。また、使用する(メタ)アクリル系モノマーのLogPが0〜2の範囲外であっても、その他の(メタ)アクリル系モノマーを含めたLogPの質量平均値が0〜2の範囲であれば、コポリマー部分の原料として使用することができる。
LogPが0〜2の範囲外のモノマーの中で、例えば、アルキル基の炭素数が5〜20のアクリレート、アルキル基の炭素数が4〜20のメタクリレート、スチレンなどのビニル基含有モノマー、マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマー、4−ヒドロキシスチレン、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有モノマーなどが挙げられる。
重合体(A)の質量平均分子量Mwは、取り扱い性の観点から、3,000〜1,000,000であることが好ましく、より好ましくは、5,000〜500,000である。
重合体(A)のガラス転移温度は、−70℃〜50℃であることが好ましく、より好ましくは、−60℃〜−30℃である。重合体(A)のガラス転移温度を−70℃〜50℃の範囲に調製することで、均一なコート膜を作成することができ、細胞の吸着性を抑えることができる。
重合体(A)の酸価は、0〜50mgKOH/gであることが好ましく、0〜30mgKOH/gであることが好ましい。酸価がこの範囲であることにより、重合体(A)と後述する架橋剤(B)が適切な密度で架橋されると共にポリエチレンオキサイドの運動性が保持され、バイオフィルム形成を阻害する効果が、より長期的に持続することができる。中でも、重合体(A)は架橋部位として、カルボキシル基を10〜50mgKOH/g有することが好ましい。
<架橋剤(B)>
本発明のバイオフィルム形成抑制コート剤は、さらに架橋剤を含有してもよい。本発明において用いることのできる架橋剤としては、例えば、カルボジイミド基含有化合物、アジリジニル基含有化合物、エポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、金属キレート化合物及びβ−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物から選ばれる少なくとも一種の官能基を有するものが挙げられる。これらの架橋剤は、塗膜の耐性を上げる目的で使用するために用いることができる。
[カルボジイミド基含有化合物]
本発明で用いられるカルボジイミド基含有化合物としては、日清紡績株式会社のカルボジライトシリーズを用いることができ、V−02、V−04、V−06などの水性タイプ、V−01、V−03、V−05、V―07、V―09などの油性タイプ等が挙げられる。
[アジリジニル基含有化合物]
本発明で用いられるアジリジニル基含有化合物(アジリジン化合物)としては、1分子中に2個以上のアジリジン基を有した化合物であればよく、特に限定されるものではない。アジリジン化合物としては、例えば、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
[エポキシ基含有化合物]
本発明で用いられるエポキシ基を有する架橋剤としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであればよく、特に限定されるものではない。
2官能エポキシ基を有する架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の芳香族エポキシ化合物、上記記載の芳香族エポキシ化合物の水素添加物、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の脂環式エポキシ化合物などが挙げられる。
[イソシアネート基含有化合物]
本発明で用いられるイソシアネート基を有する架橋剤としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有した化合物であればよく、特に限定されるものではない。
2官能イソシアネート化合物としては、例えば、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。
また、イソシアネート基を有する架橋剤中のイソシアネート基は、ブロック化されていても良いし、ブロック化されていなくても良い。
[金属キレート化合物]
本発明で用いられる金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムアルコキシド化合物、アルミニウムアシレート化合物などの有機アルミニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタンアシレート化合物などの有機チタン化合物、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムアシレート化合物などの有機ジルコニウム化合物等が挙げられる。
[β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物]
本発明では、β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物も架橋剤として用いることができる。
β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物としては、分子内にβ−ヒドロキシアルキルアミド基を含有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物としては、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)アジパミド(エムスケミー社製PrimidXL−552)をはじめとする種々の化合物を挙げることができる。
本発明において、架橋剤は、一種のみを単独で用いてもよいし、複数を併用しても良い。本発明における架橋剤は、長期的なバイオフィルム形成を阻害する効果の観点から、好ましくは、カルボジイミド基含有化合物、アジリジニル基含有化合物、エポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、金属キレート化合物及びβ−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
架橋剤の使用量は、重合体(A)中に含まれるカルボキシル基のモル数を考慮して決定すればよく、特に限定されるものではないが、通常は重合体(A)100質量部に対して0.1質量部〜20質量部の範囲で用いられる。重合体(A)中に含まれる官能基のモル数よりも少ない範囲で配合することで、未反応の架橋剤が遊離する懸念をなくすことができる。
<バイオフィルム形成抑制コート剤の調整>
本発明のバイオフィルム形成抑制コート剤は、コート剤100質量%中、前記 重合体(A)を1〜50質量%含むことが好ましく、5〜30質量%含むことがより好ましい。 重合体(A)含有量を1質量%以上とすることで、PEG部分によるバイオフィルム形成抑制の効果を発揮することができる。また、本発明のバイオフィルム形成抑制コート剤は、重合体(A)以外の成分を含んでも良い。
<溶媒>
本発明のバイオフィルム形成抑制コート剤は、 重合体(A)以外の成分として溶媒を含有してもよく、2種以上を併用して含んでもよい。溶媒は、PEG量に依存する重合体(A)の溶解性や印刷条件等を考慮し、従来公知の溶媒から適宜選択することができる。
例えば、重合体(A)中のPEG量が多い場合、水、メタノールやエタノール等のアルコール類、アセトンやエチルメチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフランやジエチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチルや酢酸エチル等のエステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ギ酸や酢酸等の有機酸、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機塩基を選択することができる。一方、重合体(A)中のPEG量が少ない場合、アセトンやエチルメチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフランやジエチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチルや酢酸エチル等のエステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルに加え、ジクロロメタンやトリクロロメタン等のハロゲン溶媒を選択することができる。
さらに、本発明のバイオフィルム形成抑制コート剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の添加剤を含有してもよい。
<バイオフィルム形成抑制積層体>
本発明のバイオフィルム形成抑制積層体は、基材上に、本発明のバイオフィルム形成抑制コート剤からなる塗膜を有するものである。
塗膜を形成する方法としては、基材に応じて、様々な塗膜形成方法(塗工・印刷・乾燥方法)を選択することができる。一例として、グラビア・オフセット等の各種印刷方式のほか、インクジェット方式、スプレー方式、浸漬方式等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。塗工後の乾燥は、溶媒を除去できればよく、バイオフィルム形成抑制コート剤に含まれる溶媒等から適宜乾燥温度を選択することができる。工業的には、40〜180℃で2分間程度であるのが望ましい。さらに、本発明のバイオフィルム形成抑制コート剤が架橋剤を含む場合、架橋反応を促進させるための工程を設けることが好ましい。架橋条件は、一般的に40〜150℃で6〜24時間であるが、これらに限定されない。
バイオフィルム形成抑制コート剤からなる塗膜の厚みは、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択でき、0.5〜2μmでも十分効果を発揮する。
<基材>
本発明のバイオフィルム形成抑制コート剤は、バイオフィルムの危害が懸念される広い分野に適用することが可能であるため、医療機器、製造設備又は水槽内面等、微生物が付着し、バイオフィルムが形成することが想定される物質表面に、好適に用いることができる。そのため、基材としては、上記用途で従来公知に用いられる基材であれば制限無く使用することができ、例えば、プラスチック、ガラス、セラミックス、金属等の材質からなる基材が挙げられる。
以下の実施例により、本発明を具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を表す。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ表し、Mwは質量平均分子量、Tgはガラス転移温度を意味する。
<質量平均分子量(Mw)の測定方法>
Mwの測定は昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「GPC−101」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーである。本発明における測定は、カラムに「KF−805L」(昭和電工社製:GPCカラム:8mmID×300mmサイズ)を直列に2本接続して用い、試料濃度1質量%、流量1.0ml/min、圧力3.8MPa、カラム温度40℃の条件で行い、質量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。データ解析はメーカー内蔵ソフトを使用して検量線及び分子量、ピーク面積を算出し、保持時間15〜30分の範囲を分析対象として質量平均分子量を求めた。
<ガラス転移温度(Tg)の測定方法>
溶剤を乾燥除去して重合体を単離し、メトラー・トレド社製「DSC−1」を使用し、重合体約5mgをアルミニウム製標準容器に秤量し、温度変調振幅±1℃、温度変調周期60秒、昇温速度2℃/分の条件にて、−80〜200℃まで測定し、可逆成分の示差熱曲線からガラス転移温度を求めた。
<酸価の測定方法>
共栓三角フラスコ中にダイヤフラムポンプで合成溶媒を取り除いた樹脂約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mLを加えて溶解する。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。酸価は次式により求めた(単位:mgKOH/g)。
酸価(mgKOH/g)=(5.611×a×F)/S
ただし、
S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(mL)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
<重合体(A)の合成>
(重合体(P−1))
温度計、撹拌機、窒素導入管、還流冷却器、滴下管を備えた反応容器に、窒素気流下、有機溶媒としてメチルエチルケトン(以下、MEKと略す)150質量部を仕込み、撹拌下80℃で30分加熱した。滴下管にモノマーとしてメトキシエチルアクリレートを100質量部、重合開始剤としてVPE0201(和光純薬工業社製:マクロアゾ開始剤)を10質量部、溶媒としてMEKを10質量部仕込み、2時間かけて滴下した。滴下終了後1時間熟成させた後、MEK2質量部で溶解した溶液を添加し、6時間熟成した。その後、室温に冷却し反応を停止した。その後、MEKを加えて希釈し、固形分10質量%の重合体(P−1)の溶液を得た。得られた重合体のMwは950,000、Tgは−31℃、酸価は0であった。なお、重合体(P−1)は、(A1)及び(A2)を主鎖に有し、アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが、式(IA)の結合構造を介してなる重合体である。
(重合体(P−2)〜(P−8)、(P−11)〜(P−14))
重合体(P−1)と同様の方法で、表1の組成及び仕込み量に従って反応を行った後に希釈し、固形分10質量%の重合体(P−2)〜(P−8)、(P−11)〜(P−14)の溶液を得た。その特性値を表1に示す。
なお、重合体(P−2、4〜7)は、(A1)及び(A2)を主鎖に有し、アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが、式(IA)の結合構造を介してなる重合体であり、重合体(P−3)及び(P−8)は、(A1)を主鎖、(A2)を側鎖に有する重合体である。
(重合体(P−9))
温度計、撹拌機、窒素導入管、還流冷却器、滴下管を備えた反応容器に、窒素気流下、有機溶媒としてMEK130質量部を仕込み、撹拌下80℃で30分加熱した。滴下管にモノマーとしてメトキシエチルアクリレートを100質量部、重合開始剤として、VA−086(和光純薬工業社製:アゾ開始剤)を16.2質量部、溶媒としてMEKを10質量部仕込み、2時間かけて滴下した。滴下終了後5時間熟成させた後、室温に冷却し反応を停止し、末端が水酸基のアクリル樹脂を得た。その後、PEG2000(日油株式会社製、ポリエチレングリコール、Mn=2000、水酸基価=56)を40質量部、イソホロンジイソシアネートを16質量部、及び触媒としてテトラブチルオルソチタネートを0.1質量部仕込み、85℃まで昇温し、3時間反応した後、温度を低下させた。内温が50℃まで低下したところにMEKを加えて希釈することで、固形分10質量%の重合体(P−9)の溶液を得た。得られた重合体のMwは10,200、Tgは8℃であった。
なお、重合体(P−9)は、(A1)及び(A2)を主鎖に有し、アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが、式(IB)の結合構造を介してなる重合体であり、アクリル系ポリマーブロック(A1)を形成するモノマーの水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値は、0.48である。
(重合体(P−10))
温度計、撹拌機、窒素導入管、還流冷却器、滴下管を備えた反応容器に、窒素気流下、有機溶媒としてMEK130質量部を仕込み、撹拌下80℃で30分加熱した。滴下管にモノマーとしてメトキシエチルアクリレートを100質量部、重合開始剤としてVA‐057(和光純薬工業社製:アゾ開始剤)を10質量部、溶媒としてMEKを10質量部仕込み、2時間かけて滴下した。滴下終了後5時間熟成させた後、室温に冷却し反応を停止し、末端がカルボン酸のアクリル樹脂を得た。その後、PEG2000(日油株式会社製、ポリエチレングリコール、Mn=2000、水酸基価=56)を46質量部、及び触媒としてテトラブチルオルソチタネートを0.1質量部仕込み、85℃まで昇温し、MEKの流出を確認してから、温度を120℃に昇温し、その後、30分ごとに10℃ずつ昇温しながら脱水反応を続けた。温度が230℃になった後、そのままの温度で3時間反応をつづけ、約2kPaの真空化で1時間保持し、さらに約1kPaの真空化で2〜3時間反応させ、温度を低下させた。内温が100℃まで低下したところにMEKを加えて希釈することで、固形分10質量%の重合体(P−10)の溶液を得た。得られた重合体のMwは9,500、Tgは3℃であった。
なお、重合体(P−10)は、(A1)及び(A2)を主鎖に有し、アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが、式(IC)の結合構造を介してなる重合体であり、アクリル系ポリマーブロック(A1)を形成するモノマーの水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値は、0.48である。
表1中の略称を以下に示す。
AA:アクリル酸、LogP=0.38
MEA:メトキシエチルアクリレート、LogP=0.48
BMA:ブチルメタクリレート、LogP=2.23
MMA:メチルメタクリレート、LogP=1.11
PME:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート
VPE0201:ポリエチレングリコールユニット含有高分子アゾ重合開始剤(和光純薬工業株式会社製)
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
VA−086:水酸基含有アゾ開始剤(和光純薬工業社製)
VA−057:カルボン酸基含有アゾ開始剤(和光純薬工業社製)
PEG2000:日油株式会社製、ポリエチレングリコール、Mn=2000、水酸基価=56
IPDI:イソホロンジイソシアネート
<バイオフィルム形成抑制コート剤の調整>
[実施例1]
(コート剤(C−1)〜(C−12))
得られた固形分10質量%の重合体溶液100質量部に対して、表2に示す架橋剤の固形分10質量%MEK溶液を、表2に示す量を加え、コート剤(C−1)〜(C−12)を得た。
<評価>
得られたバイオフィルム形成抑制コート剤について、以下の方法で耐水性を評価した。また、該コート剤を用いてバイオフィルム形成抑制積層体を作製してバイオフィルム形成抑制性(24時間後、168時間後)を評価した。結果を表2に示す。
[耐水性試験]
得られたコート剤を、精密秤量した浅型金属容器に2.0g添加し、150℃で10分加熱し乾燥させた。オーブンから取り出し、浅型金属容器ごと精密秤量した後、浅型金属容器にイオン交換水5.0gを加え一晩静置した。浅型金属容器からイオン交換水を吸引排出した後、再度150℃で10分乾燥し、浅型金属容器を精密秤量した。下記式で水への溶解度を算出し、耐水性を下記評価基準に基づいて評価した。
水への溶解度(%)=100−[(z−x)/(y−x)]×100
x:浅型金属容器の質量(g)
y:イオン交換水で処理する前の質量(g)
z:イオン交換水で処理した後の質量(g)
◎:水への溶解度≦2%
○:2%<水への溶解度≦4%
△:4%<水への溶解度≦10%
×:10%<水への溶解度
[バイオフィルム形成抑制性(24時間後、168時間後)]
得られたコート剤を、各々75μm厚ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(パナック(株)製;ルミラー#75、表面オゾン処理済)上に、乾燥後膜厚が1.0μmになるようバーコーターで塗工し、80℃で2分乾燥した後、積層体を得た。別途、黄色ブドウ球菌(ATCC 25923)を、37℃で24時間前培養し、増殖させた。菌液をリン酸緩衝水(PBW)に加えて、1%菌液を調製した。得られた積層体を、1.5cm×1.5cmの大きさに切り取り、塗工面が上向きになるように24ウェルマイクロプレート(ファルコン社製)の各ウェルに1枚ずつセットし、滅菌水1.0mL加え、37℃で24時間浸漬した。次いで、24ウェルマイクロプレートから、滅菌水1.0mLを除去し、別途調製した黄色ブドウ球菌液1.0mLを加え、25℃で24時間又は25℃で168時間、それぞれ培養した。24時間又は168時間培養後、菌液を除去し、塗膜を滅菌水1.2mLで3回洗浄し、0.1%クリスタルバイオレット水溶液(和光純薬工業株式会社製)を添加し、20分間静置してバイオフィルムを染色した。その後、滅菌水1.2mLで3回洗浄し、風乾して、バイオフィルムが染色された積層体を得た。上記染色された積層体について、33%酢酸溶液2.0mLを用いてクリスタルバイオレットを抽出し、マイクロプレートリーダーを用いて、抽出液の吸光度を測定した。バイオフィルム形成抑制性を、吸光度から下記評価基準で評価した。
◎:吸光度≦0.10 :非常に良好
○:0.10<吸光度≦0.13 :良好
△:0.13<吸光度≦0.20 :使用可能
×:0.20<吸光度 :使用不可
表2中の略称を以下に示す。
PZ−33:アジリジン化合物、(株式会社日本触媒製;ケミタイト)
V02:カルボジライトV−02(日清紡ケミカル株式会社製)
ALCH:アルミキレート化合物(川研ファインケミカル株式会社製)
BL3175:イソシアヌレート型ブロックイソシアネート(住化バイエルウレタン株式会社製)
XL−552:N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)アジパミド(エムスケミー株式会社製)
EX321L:多官能脂肪族エポキシ化合物(ナガセケムテックス株式会社製)
表1から、比較例1で用いた重合体は、PEGブロック(A2)量が少ないため、培養24時間後、及び168時間後のバイオフィルム形成抑制性が乏しかった。比較例2で用いた重合体は、PEGブロック(A2)量が多いことによりコーティングしたポリマーが遊離したため、培養168時間後のバイオフィルム形成抑制性が乏しかった。比較例3及び4で用いた重合体は酸価が高いため耐水性試験は良好であったが、ポリエチレンオキサイドブロックを有さないため168時間後のバイオフィルム形成抑制性が乏しかった。
一方、PEGブロック(A2)比率が0.05−0.65(5−30質量%)である重合体(A)を含むバイオフィルム形成抑制コート剤は、耐水性に優れ、かつ長期的なバイオフィルム形成抑制性能で優れた効果を示すことが確認された。特に、重合体(A)中のPEGブロック(A2)比率が、0.1−0.2(10〜20質量%)であると、長時間水中に浸漬しても最適なバイオフィルム形成抑制能を維持することを確認した。また、カルボジイミド基含有化合物、アジリジニル基含有化合物、エポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、金属キレート化合物、又はβ−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物を硬化剤として用いた場合に、耐水性及び長期バイオフィルム形成抑制能に優れることが示された。

Claims (10)

  1. アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とを有し、[ポリエチレンオキサイドブロック(A2)の質量]/[アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)との合計の質量]が0.05〜0.3である重合体(A)を含む、バイオフィルム形成抑制コート剤。
  2. さらに架橋剤を含有する、請求項1に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤。
  3. 架橋剤が、カルボジイミド基含有化合物、アジリジニル基含有化合物、エポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、金属キレート化合物及びβ−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤。
  4. 重合体(A)中のアクリル系ポリマーブロック(A1)を形成するモノマーの水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上、2以下である、請求項1〜3いずれか1項に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤。
  5. 重合体(A)の質量平均分子量が3,000〜1,000,000である、請求項1〜4いずれか1項に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤。
  6. 重合体(A)のガラス転移温度が−70〜50℃である、請求項1〜5いずれか1項に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤。
  7. 重合体(A)の酸価が0〜50mgKOH/gである、請求項1〜6いずれか1項に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤。
  8. 重合体(A)に含まれるアクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが、下記式(IA)〜(IC)のいずれかの構造を介して結合してなる、請求項1〜7いずれか1項に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤。
  9. 重合体(A)に含まれるアクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが、下記式(IA)の構造を介して結合してなる、請求項1〜8いずれか1項に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤。
  10. 基材上に、請求項1〜9いずれか1項に記載のバイオフィルム形成抑制コート剤からなる塗膜を有する、バイオフィルム形成抑制積層体。
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