JP6578919B2 - 細胞培養用部材 - Google Patents

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本発明は、新規な生体適合性樹脂と熱可塑性樹脂とを溶融混練して得られる細胞培養用部材に関する。
近年、細胞工学の発展や再生医療に注目が集まっており、生体外にて細胞を適切な形で培養し、創薬研究や治療への応用、生体反応モデルとして使用する試みが活発に行われている。このような目的において、創薬研究や再生医療研究のツールの1つである細胞培養用部材の開発においては、一般的にはコラーゲン、ポリスチレンおよびポリメチルメタクリレートが良好であることが知られており、中でもポリスチレンが細胞毒性の低さと経済性、加工性に優位性があり、現行の組織培養においてはポリスチレンを親水化処理したものが使用されている。
ポリスチレン表面に親水性を付与する方法としては、減圧した空気、アルゴンガス等の雰囲気下で高電圧をかけ、プラズマを発生させて表面にラジカルを生成させ、このラジカルに水蒸気や酸素を接触反応させ、水酸基やカルボキシル基などの親水性の官能基を生成させる方法が利用されている。しかしながら、このような方法では、プラズマ処理後、ポリスチレン表面は徐々に疎水性に変化していき、親水性な表面状態を保持できないという問題があった。また、このような培養部材では細胞の進展、増殖は認められるものの、細胞の機能維持に有利とされている3次元的な細胞構造を形成させることができないため、細胞凝集塊を形成させるような高分子材料が求められている。
こうした問題点を背景に、優れた生体適合性高分子材料の実現を目指して、数多くの表面設計方法が研究されてきた。
生体適合性高分子の表面としては、ミクロ相分離表面、親水性表面、両性イオン型分子を含む細胞膜に類似した表面構造などの有効性が報告されている。例えば、ホスホベタイン型であるリン脂質極性基を持つ2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を一成分として有するポリマーは、基材表面に処理すると超親水性の表面が得られ、該表面にはリンパ球などの細胞が全く接着しないため、人工心肺、ステント、コンタクトレンズ、細胞培養基材など様々な医療製品の表面処理剤として利用されている。また、2−メトキシエチルアクリレートもシンプルな化学構造であるものの、MPCポリマーと同様に生体適合性を示す高分子材料であることから、人工心肺をはじめとする多くの医療機器の表面処理剤として製品化されている。
その他の生体適合性材料としては、ポリエチレンオキサイド部分(以下、PEGと略すことがある)を組み込んだ樹脂が多く検討されている。PEGは、高い親水性と低い抗原性を有し、従来から非イオン性界面活性剤、可塑剤、医薬品基材などとして用いられてきた。しかし、PEGは非常に優れた血液適合性を有する一方、水溶性であるため、医療用材料として使用する場合は、他のポリマーとのブロック共重合体やグラフト共重合体にして使用する必要がある。
このような要求に応えるため、PEG鎖を主鎖や側鎖に組み込んだポリマーの利用が提案されている。例えば、PEG鎖を主鎖に組み込んだポリマーとして、特許文献1にはPEG含有ポリエステルの利用が、特許文献2にはPEG含有液晶性ポリエステルの利用が開示されている。また、特許文献3にはPEG含有ポリアミドの利用が、特許文献4にはPEG含有ポリイミドの利用が、特許文献5にはアルキル鎖を側鎖に有するPEG共重合体がそれぞれ開示されている。また、PEG鎖を側鎖に組み込んだポリマーとしては、特許文献6に開示されるようなアクリル樹脂が提案されている。
また、特許文献7では、本発明のようにPEG鎖を主鎖に組み込んだアクリル樹脂が開示されているが、本発明で取り上げる生体適合性に関する記載や、細胞非接着性の熱可塑性樹脂と前記アクリル樹脂を溶融混練して成型する記載は一切ない。
特開平9−290019号公報 特開平11−114050号公報 特開平9−302223号公報 特開平6−14989号公報 特開2005−281665号公報 WO2004/87228 特開2007−77292号公報
本発明の目的は、血漿タンパクの吸着性、溶血性、細胞接着性の低い表面性状が安定している細胞培養用部材を提供することにある。
一般に、PEGは高い運動性や生体内の極性基と強く相互作用する遊離水酸基により、血液接触時に補体活性化を誘発し、フィブリン形成促進による血栓形成の要因になるとされており、安全性が重視される医療用材料への利用は適切ではない。そこで、本発明者らはPEGをブロック重合体の主鎖に組み込むことにより、PEGの末端に存在する水酸基の部分数や過度の運動性を減少させ、PEGが有する親水性や柔軟性を維持しつつも血栓形成の問題が改善された、生体適合性に優れたポリマーの検討を行った。その結果、水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上、2以下であるアクリル系モノマーを用いてアクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)とを有するブロック重合体体を形成すると、前記ブロック重合体はPEGの特性を維持したまま、良好な血液適合性および細胞非接着性を発現し、細胞接着性の熱可塑性樹脂と溶融混練して射出成型することで、素材表面が安定化した細胞培養用部材を提供することができた。
即ち、本発明は、細胞非接着性のブロック重合体(A)と細胞接着性の熱可塑性樹脂とを含む細胞培養用部材(1)であって、
前記細胞非接着性のブロック重合体(A)樹脂が、水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上、2以下であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマー部分(A1)と、ポリエチレンオキサイド部分(A2)とが、下記式(I)で結合してなるブロック重合体(A)である、
細胞培養用部材(1)に関する。
前記の細胞非接着性のブロック重合体(A)に含まれる、ポリエチレンオキサイド部分(A2)の質量/[アクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)との合計の質量]=0.01〜0.5であることが好ましい。
前記の細胞非接着性のブロック重合体(A)が、下記一般式(II)にて示されるポリエチレンオキサイド部分(A2)を有し、質量平均分子量が5,000〜10万である高分子アゾ系重合開始剤を用いてアクリル系モノマーを重合してなるブロック重合体であることが好ましい。式中、m、nは1以上の整数を示す。

前記アクリル系ポリマー部分(A1)が、水/1−オクタノール分配係数(LogP)が0以上2以下であるアクリル系モノマーのみから形成されるホモポリマー部分もしくはコポリマー部分であることが好ましい。
また、本発明は、水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上、2以下であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマー部分(A1)と、ポリエチレンオキサイド部分(A2)とが、下記式(I)で結合してなる細胞非接着性のブロック重合体(A)と、細胞接着性の熱可塑性樹脂とを、混練し成型することを特徴とする、細胞培養用部材(1)の製造方法に関する。
PEGと特定のアクリル系ポリマー部分により主として構成されているブロック重合体(A)は、血漿タンパクの吸着性、細胞接着性が低く、かつ、細胞接着性の熱可塑性樹脂と溶融混練して成型する際の加工性等が良好である。本発明により、従来のプラズマ処理後の表面経時変化という問題点が解決され、表面性状を安定することができる。
<ブロック重合体(A)>
ブロック重合体(A)は、水/1−オクタノール分配係数(cLogPow:以下LogP)の平均値が0以上、2以下(以下、0〜2)であるモノマーから形成されるアクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)とを有する。各ブロック(A1)と(A2)は、それぞれが1以上含まれていればよく、両ブロックが交互に含まれていてもよい。
このブロック重合体は、生体適合性を有する生体適合性ブロック重合体であり、且つ、血漿タンパクの吸着性、溶血性、細胞毒性が低いので、上記の体液接触用医療用具に特に好ましく用いられる、体液接触用医療用具用の生体適合性ブロック重合体である。ここで、「ブロック重合体」は「ブロック共重合体」と同義である。
アクリル系ポリマー部分は、アクリル系モノマーの重合体ブロックであり、このブロック部分は、アクリル系モノマーのホモポリマーでも、アクリル系モノマーのコポリマーでもどちらでも良い。コポリマーの場合、交互共重合、ランダム共重合、又はブロック共重合のいずれの形式でも良い。
LogPは、化学物質の性質を表す数値の一つであり、添加量に依存しない一定の値である。対象とする物質が、水と1−オクタノールの混合液において、水相とオクタノール相が接した系中で平衡状態にある場合を対象として、各相の濃度をその常用対数で示したものである。LogPが大きくなると、比較的に疎水性が増大する傾向があり、LogPが小さくなると、比較的に親水性が増大する傾向がある。
LogPの測定は、一般にJIS日本工業規格Z7260−107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。また、LogPは実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。LogPの計算に用いる方法やソフトウェアについては公知のものを用いることができるが、本発明ではCambridgeSoft社のシステム:ChemdrawPro11.0に組み込まれたプログラムを用い、LogPを求めている。
本発明のブロック重合体(A)は、従来のPEG系ポリマーに比して、前記LogPの平均値が0以上、2以下(以下、0〜2)であるモノマーから形成されるアクリル系ポリマー部分を有しているため、水に対する溶解性が制御され、脂溶性が向上する。その結果、ポリスチレンなどの疎水性であり細胞接着性の熱可塑性樹脂との相溶性も向上し、溶融混練した際の外観不良を抑えることができる。さらには、ブロック重合体(A)中のアクリル系ポリマー部分(A1)に、後述する架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマーを共重合することで、架橋構造を形成することもできる。アクリル系ポリマー部分(A1)の有し得る官能基としては、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基などを挙げることができる。
また、本発明のブロック重合体(A)は、従来のアクリル系ポリマーに対し、ポリエチレンオキサイド部分を主鎖に組み込んでいるため、ミクロ相分離が誘起され、表面凝集構造が変化することによる低い抗原性を付与することができる。
このように、本発明のブロック重合体(A)は、血漿タンパクの吸着性、溶血性、細胞接着性の抑制や生物学的安全性の効果を最大限に発揮できるように、分子量、側鎖官能基種類および側鎖官能基導入量を、その使用目的に応じて最適化することが可能である。
ブロック重合体(A)を構成する親水性に富むポリエチレンオキサイド部分(A2)と疎水性に富むアクリル系ポリマー部分(A1)のバランスにより、熱可塑性樹脂との相溶性や、血漿タンパクの吸着性、溶血性、細胞接着性の抑制等を効果的に制御し得る。後述する熱可塑性樹脂の性質に適したアクリル系ポリマー部分(A1)を導入することにより、成型時の着色むらや機械的物性の保持を向上することが可能となる。また、目的とする血漿タンパクの吸着性、溶血性、細胞接着性の抑制の各効果を十分に発揮することが可能である。ブロック重合体(A)は、ポリエチレンオキサイド部分(A2)の質量/[アクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)との合計の質量]=0.01〜0.5であることが好ましく、(A2)/[(A1)+(A2)]=0.05〜0.3であることがより好ましい。
ブロック重合体(A)は、下記式(II)にて示されるポリエチレンオキサイド部分(A2)を有し、質量平均分子量が5,000〜10万である高分子アゾ系重合開始剤を用いて重合して得ることが好ましい。


(式中、m、nは1以上の整数を示す。)
前記高分子アゾ重合開始剤の質量平均分子量は、5000〜10万程度、好ましくは1万〜5万であればよい。また、該開始剤のPEG部分の分子量は、800〜1万程度、好ましくは1000〜8000程度であればよい。
前記高分子アゾ重合開始剤は、ポリエチレンオキサイド部分(A2)及びアゾ基(−N=N−)を含有する繰り返し部分を含む。
前記高分子アゾ重合開始剤はポリエチレンオキサイド部分(A2)を有しているため、水、アルコール、有機溶剤に可溶であり、溶液重合や乳化重合、分散重合にてブロック重合体(A)の合成が可能である。また、分子鎖骨格中に重合開始部分(ラジカル発生部分:―N=N−)を有しているため、別途重合開始剤を使用する必要がなく、さらには末端反応性マクロモノマーに比べてラジカルの反応性、安定性が高いという特徴を有している。
前記高分子アゾ重合開始剤は、・C(CH3)CN−(CH22−COO−(CH2CH2O)m−CO−(CH22−C(CH3)CN・にて示されるようなラジカルを生じ、後述するアクリル系モノマーを重合させる。そして、アクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマー部分(A1)と前記ラジカル由来の部分とが結合した主鎖を形成し、ブロック重合体(A)を形成する。ポリエチレンオキサイド部分(A2)は、ラジカルの一部に由来する。
高分子アゾ重合開始剤の具体例としては、和光純薬製の高分子アゾ開始剤VPE0201((CH2CH2O)mの部分の分子量が約2000、nが6程度)などが例示される。
また、本発明では前記の高分子アゾ重合開始剤と併用して、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルや2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)や2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)やジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)や2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ系開始剤や、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーベンゾエート、クメンヒドロパーオキシドやジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートやジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエートやtert−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドやジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等の有機過酸化物開始剤を用いることができる。これらの開始剤を併用することにより、開始効率を高め効率よくアクリル系ポリマー部分(A1)にPEGに組み込むことができ、残留モノマーを減らすことができる。
また、合成時には、用途に応じてラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー、リモネン等の連鎖移動剤を使用して、分子量や末端構造を制御しても良い。
<モノマー>
次に、ブロック重合体(A)のアクリル系ポリマー部分(A1)の原料であるアクリル系モノマーについて説明する。なお、本発明において、アクリル系モノマーとは、アクリルモノマーとメタクリルモノマーの両方を意味する。
形成されるブロック重合体(A)の生体適合性の観点から、アクリル系モノマーの水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値は0以上、2以下である。LogPの平均値が0より低いアクリル系モノマーを用いて合成する場合、最終的に得られるブロック重合体の親水性が増大し、水に対する溶解性が向上するため、安定な塗膜を形成することができない。
一方、LogPの平均値が2より高いアクリル系モノマーを用いて合成する場合、最終的に得られるブロック重合体の水に対する溶解性は抑えられるものの、疎水性が増大しすぎるために、タンパク吸着を抑制することができない。
本発明における、LogPの平均値の求め方について説明する。本発明において、LogPの平均値は、使用する各モノマーのLogPを、各モノマーの質量%で平均した値とする。すなわち、LogPが0のモノマーとLogPが2のモノマーを50:50wt%の割合で仕込む場合、LogPの平均値は1となる。
本発明では、使用するアクリル系モノマーのLogPが0〜2の範囲であれば、ホモポリマー部分の原料として使用することができる。また、使用するアクリル系モノマーのLogPが0〜2の範囲外であっても、その他のアクリル系モノマーを含めたLogPの平均値が0〜2の範囲であれば、コポリマー部分の原料として使用することができる。
水/1−オクタノール分配係数(LogP)が0以上2以下であるモノマーとしては、例えば、架橋点となる官能基を有さないモノマーや、架橋点となる官能基を有するモノマーに分けて挙げることができる。
架橋点となる官能基を有さないモノマーとしては、例えば、
アルキル基の炭素数が1〜4のアルキルアクリレート;
アルキル基の炭素数が1〜3のアルキルメタクリレート;
メトキシメチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシメチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有モノマー;
(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、ブタジエン、イソプレンなどのビニル基含有モノマー;
N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、1−ビニルイミダゾール、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;
などが挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。これらの化合物のうち、特に2−メトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートが経済性や操作性の点から好ましい。
架橋点となる官能基を有するモノマーとしては、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマーなどを使用することができる。
例えば、カルボキシル基が導入された共重合体は、エポキシ化合物やアジリジン化合物、カルボジイミド化合物、金属キレート化合物、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド化合物により架橋することができる。水酸基が導入された共重合体は、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物等により架橋することができる。アミノ基が導入された共重合体は、エポキシ化合物により架橋することができる。イソシアネート基が導入された共重合体は、水酸基含有化合物により架橋することができる。これら、架橋点となる官能基を有するモノマーの使用量は、全モノマーの合計100質量%中、10質量%以下で使用することが好ましい。10質量%以下で使用することで、架橋剤を併用した場合に適度な架橋密度を有する細胞培養部材を得ることができる。
カルボキシル基含有モノマーとしては、その構造中にカルボキシル基有するものであれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端にカルボキシル基を有するアルキレンオキサイド付加系コハク酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基含有モノマーとしては、その構造中に水酸基を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシブチル、単官能(メタ)アクリル酸グリセロール、ラクトン環の開環付加により末端に水酸基を有するポリラクトン系(メタ)アクリル酸エステル、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系(メタ)アクリル酸エステル、グルコース環系(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
エポキシ基含有モノマーとしては、その構造中にエポキシ基を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル等が挙げられる。
アミノ基含有モノマーとしては、その構造中にアミノ基を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピル等が挙げられる。
本発明では、ブロック重合体(A)が細胞培養部材から溶出するのを抑えるという観点から、架橋点となる官能基を有するモノマーを共重合させることが好ましい。これにより後述する架橋剤と反応し得る官能基を導入することができ、架橋構造を形成できる。
本発明ではモノマーとして、上記に挙げたLogPが0〜2の範囲外のモノマーを共重合させることもできるが、アクリル系ポリマー部分(A1)が、水/1−オクタノール分配係数(LogP)が0〜2であるモノマーのみから形成されるホモポリマー部分もしくはコポリマー部分であることがより好ましい。
すなわち、前記分配係数LogPが0〜2であるモノマーを一種類だけ用い、前記の高分子アゾ系重合開始剤を用いて重合してブロック重合体を得ても良いし、前記分配係数LogPが0〜2であるモノマーを複数種用い、前記の高分子アゾ系重合開始剤を用いて重合してブロック重合体を得ても良い。
LogPが0〜2の範囲外のモノマーの中で、架橋点となる官能基を有さないモノマーとしては、例えば、アルキル基の炭素数が5〜20のアクリレート、アルキル基の炭素数が4〜20のメタクリレート、スチレンなどのビニル基含有モノマーなどが挙げられる。なかでも、スチレンは、細胞培養用部材に汎用的に使用されているポリスチレンとの相溶性が高い点で好ましい。
LogPが0〜2の範囲外のモノマーの中で、架橋点となる官能基を有するモノマーとしては、例えば、マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマー、4−ヒドロキシスチレン、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有モノマーなどが挙げられる。
さらに、本発明では、ブロック重合体(A)に部分的に架橋構造を導入するために多官能モノマーをさらに共重合させてもよい。
共重合しながら架橋する場合、架橋割合は、用いる多官能モノマー量が多いほど架橋度が高くなり、反応中にゲル化する可能性も高まる。そのため、多官能モノマーの量としては、全モノマー100質量%中、0.01〜10質量%の範囲が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。ブロック重合体(A)が多官能モノマーにより架橋している場合、難水溶性になるため、架橋剤を使用した場合と同様に、細胞培養部材から溶出するという問題を低減することができる。
多官能モノマーとしては、その構造中にエチレン性不飽和基を2つ以上有するものであれば、特に制限はなく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、プロプレングリコールポリエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、ジプロプレングリコールポリエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、又はネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、又はジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能(メタ)アクリレート類;あるいは、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、グリセロールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールF型エポキシの(メタ)アクリル酸付加物、又はノボラック型エポキシの(メタ)アクリル酸付加物等のエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。また、以上に挙げた(メタ)アクリレートを、更に(ポリ)アルキレンオキシドや(ポリ)カプロラクトン等で変性したものも使用することができる。
本発明において、ブロック重合体(A)は、公知の方法により合成できる。例えば、溶液重合、塊状重合、乳化重合、分散(沈殿)重合などが好ましく、溶液重合や分散(沈殿)重合がより好ましい。
前述の通り、ブロック重合体(A)は、ポリエチレンオキサイド部分(A2)の質量/[アクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)との合計の質量]=0.01〜0.5であることが好ましく、(A2)/[(A1)+(A2)]=0.05〜0.3であることがより好ましい。
本発明における、ポリエチレンオキサイド部分(A2)の質量/[アクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)との合計の質量]の求め方について説明する。
ポリエチレンオキサイド部分(A2)の質量を計算する際、厳密には、アゾ系重合開始剤中のポリエチレンオキサイドの重量のみを計算して求めるべきであるが、本発明においては、ポリエチレンオキサイド部分(A2)を有する高分子アゾ系重合開始剤の重量をそのまま適応することにする。また、アクリル系ポリマー部分(A1)の質量は、重合に供したアクリル系モノマーの合計量である。
すなわち、モノマー90重量部、ポリエチレンオキサイド部分(A2)を有する高分子アゾ系重合開始剤10重量部を用いて合成した場合、ポリエチレンオキサイド部分(A2)の質量/[アクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)との合計の質量]は0.1となる。
ブロック重合体(A)の質量平均分子量は、取り扱い性および医療用具等へ塗布する観点から、3,000〜1,000,000であることが好ましく、より好ましくは、5,000〜500,000である。
なお、ブロック重合体(A)の質量平均分子量の調製は、例えば、高分子アゾ重合開始剤中に含まれるアゾ基のモル数に対する、アクリル系モノマーの全モル数の比率を適宜変更することによって可能となる。たとえば、高分子アゾ重合開始剤中に含まれるアゾ基のモル数に対する、アクリル系モノマーの全モル数の比率が200であると200量体のアクリル系ポリマーがPEG鎖の間に組み込まれることになり、ポリマーの絡み合いによる高い凝集力を付与することができる。
ブロック重合体(A)のガラス転移温温度は、−70℃〜80℃であることが好ましく、より好ましくは、−60℃〜70℃である。ブロック重合体(A)のガラス転移温度を−70℃〜80℃の範囲に調製することで、熱可塑性樹脂と溶融混練しやすくなり、結果として成型時の着色むらや機械的物性の保持を向上することができる。
ガラス転移温度の調製は、アクリル系ポリマー部分(A1)を構成するモノマーを適宜調製することによって可能となる。例えば、2−メトキシエチル(メタ)アクリレートなどのポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレートの比率を高くすることにより、側鎖エーテル結合特有の柔軟性を付与することができるため、ガラス転移温度は−50℃に近い範囲で調製することができる。
<架橋剤>
次に、本発明で用いることのできる架橋剤について説明する。本発明において用いることのできる架橋剤としては、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、およびアジリジニル基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有するものの他、金属キレート化合物、カルボジイミド基含有化合物等が挙げられる。これらの架橋剤は、細胞培養部材の弾性率や耐性を上げる目的で使用することができる。
[エポキシ基を有する架橋剤]
本発明で用いられるエポキシ基を有する架橋剤としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであればよく、特に限定されるものではない。
2官能エポキシ基を有する架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレンオキサイドジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゾフェノンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシアントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン等の芳香族エポキシ化合物、上記記載の芳香族エポキシ化合物の水素添加物、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の脂環式エポキシ化合物などが挙げられる。
エポキシ基を3つ以上有する架橋剤としては、例えば、トリグリシジルイソシアヌレート、トリスフェノール型エポキシ化合物、テトラキスフェノール型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物等が挙げられる。
[イソシアネート基を有する架橋剤]
本発明で用いられるイソシアネート基を有する架橋剤としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有した化合物であればよく、特に限定されるものではない。
2官能イソシアネート化合物としては、例えば、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。
3官能イソシアネート化合物としては、上記で説明したジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体が挙げられる。
また、イソシアネート基を有する架橋剤中のイソシアネート基は、ブロック化されていても良いし、ブロック化されていなくても良い。
本発明で用いられるブロック化イソシアネート架橋剤としては、前記イソシアネート化合物中のイソシアネート基がε−カプロラクタム、MEKオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ピラゾール、フェノール等でブロックされたブロック化イソシアネート化合物であればよく、特に限定されるものではない。
[アジリジニル基を有する架橋剤]
本発明で用いられるアジリジン化合物としては、1分子中に2個以上のアジリジン基を有した化合物であればよく、特に限定されるものではない。アジリジン化合物としては、例えば、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
[金属キレート化合物]
本発明で用いられる金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムアルコキシド化合物、アルミニウムアシレート化合物などの有機アルミニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタンアシレート化合物などの有機チタン化合物、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムアシレート化合物などの有機ジルコニウム化合物等が挙げられる。
[カルボジイミド基含有化合物]
本発明で用いられるカルボジイミド基含有化合物としては、日清紡績株式会社のカルボジライトシリーズを用いることができ、V−02、V−04、V−06などの水性タイプ、V−01、V−03、V−05、V―07、V―09などの油性タイプ等が挙げられる。
[β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物]
本発明では、β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物も架橋剤として用いることができる。
β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物としては、分子内にβ−ヒドロキシアルキルアミド基を含有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物としては、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)アジパミド(エムスケミー社製PrimidXL−552)をはじめとする種々の化合物を挙げることができる。
本発明において、架橋剤は、一種のみを単独で用いてもよいし、複数を併用しても良い。架橋剤の使用量は、ブロック重合体(A)中に含まれる官能基の種類やモル数を考慮して決定すればよく、特に限定されるものではないが、通常はブロック重合体(A)100質量部に対して0.1質量部〜10質量部の範囲で用いられる。ブロック重合体(A)中に含まれる官能基のモル数よりも少ない範囲で配合することで、未反応の架橋剤が遊離する懸念をなくすことができる。この範囲であれば、目的とする血液適合性、生体組織適合性、生体組織接着抑制、血漿タンパクの吸着性、溶血性、細胞接着性の抑制の各効果に、特に優れた性能が発現される。
<熱可塑性樹脂>
次に、本発明で用いることのできる細胞接着性の熱可塑性樹脂について説明する。本発明において用いることのできる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル・スチレン系共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリ乳酸、ポリグルコール酸、シリコーン、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン・ビニルアルコール系共重合樹脂、熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリビニリデンフルオライド等、樹脂が挙げられる。中でもポリスチレンが細胞毒性の低さと経済性、加工性に優位性があり好ましい。
<熱可塑性樹脂との加熱溶融>
ブロック重合体(A)と熱可塑性樹脂とを加熱溶融する場合、(A)と熱可塑性樹脂とを、好ましくはブロック重合体(A)/熱可塑性樹脂=0.01/99.99〜50/50(重量比)の割合で配合し、種々の混合機や分散機、混練機を用いて加熱混練することができる。
本発明の細胞培養部材は、マスターバッチまたはコンパウンドから形成することができる。あるいは、ブロック重合体(A)と熱可塑性樹脂とから直に成型機に投入し、細胞培養部材を形成することもできる。
本発明でいうマスターバッチとは、ブロック重合体(A)を高濃度に含有し、成型時に希釈樹脂(熱可塑性樹脂)で希釈して成型に供されるペレット状の樹脂組成物である。また、本発明でいうコンパウンドとは、ブロック重合体(A)の濃度が比較的小さく、希釈樹脂で希釈せずにそのまま成型に供されるペレット状の樹脂組成物である。
マスターバッチとコンパウンドを比較すると、これらを得る加工工程自体に大差はない。しかし、得られる細胞培養部材の価格の点からペレット状やフレーク状のマスターバッチを用いることが好ましい。即ち、後述する白色顔料などを配合する際、マスターバッチの方が顔料を高濃度に含有する分、コンパウンドよりややコスト高である。しかし、マスターバッチの場合は、マスターバッチを安価な希釈樹脂で希釈して成型物を得ることができるため、コンパウンドから製造した成型物よりもマスターバッチから製造した成型物の方が安価となるので、好ましい。
<成型>
本発明では、ブロック重合体(A)と熱可塑性樹脂とを含有する組成物を射出成型し、細胞培養部材を形成しても良いし、熱可塑性樹脂を押出し成型する際、ブロック重合体(A)を共に押出し成型した後、金型を用いる等して所望の形状に成型してもよい。
ブロック重合体(A)を熱可塑性樹脂と加熱溶融し成型することで、血液、生体組織、タンパクおよび細胞と接触する界面においてブロック重合体(A)を安定的に存在させることができ、ブロック重合体(A)が溶出する危険性を極めて少なくすることができる。また、該ブロック重合体(A)を界面に保持させた結果としてタンパクや細胞の吸着抑制、血小板の粘着や活性化の抑制などの効果が発揮される。
本発明の細胞培養部材は、必要に応じて、本発明による効果を妨げない範囲で、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、ラジカル捕捉剤、充填剤、増粘剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導改良剤、可塑剤、だれ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、顔料分散剤、シランカップリング剤等の各種添加剤を含むことができる。
本発明の細胞培養部材の形状としては、シャーレ、フラスコ、広口瓶、細口瓶、試験管、マルチウェルプレートなどを含むが、特にこれらに限定されるものではない。マルチウェルには、6ウェル、12ウェル、48ウェル、96ウェル、384ウェルの各プレートがあるが、これらは一般にプレート全体の大きさはほぼ同じであり、ウェルの数が大きくなるほど、1ウェルのサイズが小さくなる。
マルチウェルプレートウェルにおいて、培養容器の用途が、発光又は蛍光現象を用いた標準物質測定である場合、ウェル間を遮光し、発光又は傾向が隣接するウェルに漏れないように、細胞培養部材が顔料を含有していることが好ましい。例えば、白色顔料としては、酸化チタン等が挙げられ、黒色顔料としては、カーボンブラック等が挙げられる。顔料の量としては、十分な遮蔽性と十分な機械的強度を維持する点から、ブロック重合体(A)と熱可塑性樹脂と顔料との合計100質量%中、酸化チタンは5〜20質量%含むことが好ましく、カーボンブラックは1〜15質量%含むことが好ましい。遮光の程度は、隣接するウェルへの光透過率が少なければ少ない方が好ましく、例えば1%以下であり、好ましくは0.1%、より好ましくは0.01%以下である。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における、「部」および「%」は、「重量部」および「質量%」をそれぞれ表し、Mwは質量平均分子量、Tgはガラス転移温度を意味する。
<質量平均分子量(Mw)の測定方法>
Mwの測定は昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「GPC-101」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーである。本発明における測定は、カラムに「KF−805L」(昭和電工社製:GPCカラム:8mmID×300mmサイズ)を直列に2本接続して用い、試料濃度1wt%、流量1.0ml/min、圧力3.8MPa、カラム温度40℃の条件で行い、質量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。データ解析はメーカー内蔵ソフトを使用して検量線および分子量、ピーク面積を算出し、保持時間15〜30分の範囲を分析対象として質量平均分子量を求めた。
<ガラス転移温度(Tg)の測定方法>
溶剤を乾燥除去したブロック重合体について、メトラー・トレド社製「DSC−1」を使用し、サンプル量約5mgをアルミニウム製標準容器に秤量し、温度変調振幅±1℃、温度変調周期60秒、昇温速度2℃/分の条件にて、−80〜200℃まで測定し、可逆成分の示差熱曲線からガラス転移温度を求めた。
<ブロック重合体の合成>
[製造例1]
温度計、撹拌機、窒素導入管、還流冷却器、滴下管を備えた反応容器に、窒素気流下、有機溶媒としてMEK65重量部を仕込み、撹拌下80℃で30分加熱した。滴下管にモノマーとしてメトキシエチルアクリレートを49.4重量部、アクリル酸を0.6重量部、重合開始剤としてVPE0201(和光純薬工業社製:マクロアゾ開始剤)を2.5重量部、溶媒としてMEKを5重量部仕込み、2時間かけて滴下した。滴下終了後1時間熟成させた後、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル0.0125重量部をMEK2重量部で溶解した溶液を添加し、1時間熟成した。その後、さらに、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル0.0125重量部をMEK2重量部で溶解した溶液を添加し、1時間熟成させた後、室温に冷却し反応を停止した。その後、ダイヤフラムポンプでMEKを除去することで、固形分100質量%のブロック重合体溶液を得た。得られたブロック重合体のMwは281,000、Tgは−45℃、PEGの割合は4.8質量%であった。
[製造例2〜4]
製造例1と同様の方法で、表1の組成および仕込み重量部に従って合成を行い、ブロック重合体溶液を得た。その特性値を表1に示す。
[比較製造例1]
温度計、撹拌機、窒素導入管、還流冷却器、滴下管を備えた反応容器に、窒素気流下、有機溶媒としてMEK65重量部を仕込み、撹拌下80℃で30分加熱した。滴下管にモノマーとしてエチルアクリレートを50重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを0.3重量部、溶媒としてMEKを5重量部仕込み、2時間かけて滴下した。滴下終了後1時間熟成させた後、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル0.0125重量部をMEK2重量部で溶解した溶液を添加し、1時間熟成した。その後、さらに、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル0.0125重量部をMEK2重量部で溶解した溶液を添加し、1時間熟成させた後、室温に冷却し反応を停止した。その後、ダイヤフラムポンプでMEKを除去することで、固形分100質量%のアクリル樹脂溶液を得た。得られたアクリル樹脂のMwは62,000、Tgは−18℃、PEGの割合は0質量%であった。
[比較製造例2〜3]
製造例1と同様の方法で、表1の組成および仕込み重量部に従って合成を行い、ブロック重合体体溶液を得た。その特性値を表1に示す。
[比較製造例4]
温度計、撹拌機、窒素導入管、還流冷却器を備えた反応容器に、窒素気流下、トルエン50重量部、水酸基価279mgKOH/gのポリエチレングリコール36.2重量部を仕込み、撹拌下110℃まで昇温し、トルエン13重量部を留去すると同時に原料を脱水した。50℃まで冷却した後、イソホロンジイソシアネート19.1重量部を添加し、110℃まで昇温し、FT−IRでイソシアネート基由来のピーク(2254cm -1 付近)がなくなるまで反応させた。反応停止後、ダイヤフラムポンプでトルエンを除去することで、固形分100質量%のPEG含有ウレタン溶液を得た。得られた樹脂のMwは43,000、Tgは−28℃、PEGの割合は65.5質量%であった。
[比較製造例5]
温度計、撹拌機、窒素導入管、還流冷却器を備えた反応容器に、窒素気流下、トルエン50重量部、水酸基価111mgKOH/gのポリエチレングリコール43.0重量部、ジメチロールブタン酸1.1部を仕込み、撹拌下110℃まで昇温し、トルエン14重量部を留去すると同時に原料を脱水した。50℃まで冷却した後、イソホロンジイソシアネート10.6重量部を添加し、110℃まで昇温し、FT−IRでイソシアネート基由来のピーク(2254cm -1 付近)がなくなるまで反応させた。反応停止後、ダイヤフラムポンプでトルエンを除去することで、固形分100質量%のPEG含有ウレタン溶液を得た。得られた樹脂のMwは38,000、Tgは−51℃、PEGの割合は78.6質量%、酸価は7.7mgKOH/gであった。
表1中、略号は以下の通り。
MEA:メトキシエチルアクリレート、LogP=0.48
AA:アクリル酸、LogP=0.38
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート、LogP=0.78
St:スチレン、LogP=2.95
EA:エチルアクリレート、LogP=0.98
ACMO:アクリロイルモルホリン、LogP=−0.2
2EHA: 2−エチルヘキシルアクリレート、LogP=3.53
V601:2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル
[実施例1〜10]、[比較例1〜7]
表2の組成に従い、ブロック重合体(A)と熱可塑性樹脂をドライブレンドした後、230℃に設定した2軸押出機にて混練し、直径3mm、長さ3mmの円柱状ペレットに造粒した。なお、硬化剤は、表2における量となるよう2軸押出機の押出速度を制御しつつ液体添加装置から2軸押出機内に注入した。
次いで、230℃に設定した射出成型機を用い、前述したペレットから外径39mm×厚さ2mmの試験用プレートを製造した。
後述する方法にて、試験用プレートの着色状態、機械強度、細胞接着性、タンパク吸着性、溶血性を評価した。結果を表2に示す。
表2中、略号は以下の通り。
ALCH:川研ファインケミカル社製、アルミキレート化合物
ケミタイトPZ:日本触媒社製、多官能アジリジン化合物
EX321L:ナガセケムテックス社製、多官能脂肪族エポキシ化合物
V05:日清紡社製、油性カルボジイミド基含有化合物
V02:日清紡社製、水性カルボジイミド基含有化合物
XL552:エムスケミー社製、ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物
PS:PSジャパン社製、HF77、汎用ポリスチレン
<評価>
(1)着色状態
実施例及び比較例で調製した試験用プレートの着色状態を目視により評価した。
○:黄変なし
×:黄変が著しい
(2)機械強度
実施例及び比較例で調製した試験用プレートの曲げ弾性率および曲げ強度の保持率をJISK−7203、アイゾット衝撃値はJIS K−7110にそれぞれ準拠して評価した。
○:96%以上
△:90%以上96%未満
×:90%未満
(3)細胞接着性
外径40mmのシャーレの底に収まるように実施例及び比較例で調製した試験用プレートを設置し、エチレンオキサイドガス滅菌した後、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)にウシ胎児血清(FBS)を10%添加したものを培地とし、マウス線維芽細胞用細胞株(NIH/3T3細胞)を2×105個播種し、5%CO2 /37℃のインキュベーターで3日目まで培養した。細胞接着性は3日後に光学顕微鏡で外径40mmのシャーレを確認し、細胞凝集塊ができているかどうかによって判断した。
○:細胞凝集塊ができている
△:細胞凝集塊ができている箇所と細胞が平面に増殖している箇所が混在する
×:細胞が平面に増殖している
(4)タンパク吸着性
外径40mmのシャーレの底に収まるように実施例及び比較例で調製した試験用プレートを設置し、リン酸緩衝液(PBS)にウシ血清アルブミンを濃度0.5質量%となるように加えたタンパク質含有液:8.0mLを入れ、24時間インキュベートした後、シャーレ内の液を棄て、PBS:約8.0mLにて洗浄し、前記洗浄液を棄てた。その後、PBSに1質量%のドデシル硫酸ナトリウムを添加したタンパク質溶出用溶液:8.0mLを添加することにより、試験管内壁に吸着したタンパク質を溶出させ、前記タンパク質溶出用溶液中のタンパク質の濃度をMicroBCAProteinAssayKit(タカラバイオ社製)により測定し、塗膜に吸着していたタンパク質の量を求めた。
○:タンパク吸着量≦1.20μg
△:1.20μg<タンパク吸着量≦4.00μg
×:4.00μg<タンパク吸着量
(5)溶血性試験
実施例及び比較例で調製した試験用プレートに生理食塩水10mLを加え、37℃で72時間かけて抽出し、試験液10mLを得た。
この試験液に0.2mLのウサギ脱繊維血を加え、37℃で1、2および4時間インキュベートした。インキュベート後の試験液を約750×gで5分間遠心分離した後の上澄み液について、576nmにおける吸光度を測定した。陰性対照として生理食塩水10mL、陽性対照として蒸留水10mLにそれぞれ0.2mLのウサギ脱繊維血を加えたものを使用し、同様に吸光度を測定した。下記式で溶血率を算出し、溶血性(溶血毒性)を評価した。
溶血率(%)=(検体の吸光度−陰性対照の吸光度)/(陽性対照の吸光度−陰性対照の吸光度)×100
○:溶血率≦2
△:2<溶血率≦20
×:20<溶血率
表2に示す実施例と比較例を見て分かる通り、実施例1〜10で使用している細胞培養用部材は、比較例1〜7で使用している細胞培養用部材に対し、LogPの平均値が0〜2であるモノマーからなるアクリル系ポリマー部分を主鎖中に有しているため、細胞接着性、タンパク吸着性、溶血性を共に満足する物性を得ることができた。一方、LogPの平均値が0〜2であるモノマーからなるアクリル系ポリマー部分を主鎖中に有していても、ポリエチレンオキサイド部分(A2)を有しないと、タンパク質や細胞の接着が顕著である。また、架橋剤を併用することで、一層良好な機械強度を付与することができた。
ブロック重合体(A)と熱可塑性樹脂とを含む本発明の細胞培養用部材は、タンパク質や細胞と接触する容器に用いることができ、従来のプラズマ処理やコロナ放電処理、酸化処理、紫外線照射などを用いることなく、培養表面を形成することができる。

Claims (5)

  1. 細胞非接着性のブロック重合体(A)と細胞接着性の熱可塑性樹脂とを含む細胞培養用部材(1)であって、
    前記細胞非接着性のブロック重合体(A)樹脂が、水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上、2以下であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマー部分(A1)と、ポリエチレンオキサイド部分(A2)とが、下記式(I)で結合してなるブロック重合体(A)である、
    細胞培養用部材(1)。
  2. 細胞非接着性のブロック重合体(A)に含まれる、ポリエチレンオキサイド部分(A2)の質量/[アクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)との合計の質量]=0.01〜0.5である、請求項1記載の細胞培養用部材(1)。
  3. 細胞非接着性のブロック重合体(A)が、下記一般式(II)にて示されるポリエチレンオキサイド部分(A2)を有し、質量平均分子量が5,000〜10万である高分子アゾ系重合開始剤を用いてアクリル系モノマーを重合してなるブロック重合体である、請求項1または2記載の細胞培養用部材(1)。


    式中、m、nは1以上の整数を示す。
  4. アクリル系ポリマー部分(A1)が、水/1−オクタノール分配係数(LogP)が0以上2以下であるアクリル系モノマーのみから形成されるホモポリマー部分もしくはコポリマー部分である、請求項1〜3いずれか1項に記載の細胞培養用部材(1)。
  5. 水/1−オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上、2以下であるアクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマー部分(A1)と、ポリエチレンオキサイド部分(A2)とが、下記式(I)で結合してなる細胞非接着性のブロック重合体(A)と、細胞接着性の熱可塑性樹脂とを、混練し成型することを特徴とする、細胞培養用部材(1)の製造方法。


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