JP2018135312A - ポリマー型抗菌・防カビ剤、および利用 - Google Patents

ポリマー型抗菌・防カビ剤、および利用 Download PDF

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直人 荻原
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岳 柏村
啓輔 倉内
Keisuke Kurauchi
啓輔 倉内
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Abstract

【課題】 タンパク質が吸着しにくく抗菌性、防カビ性を安定して有効に発現できる抗菌防カビ剤を提供することを目的とする。【解決手段】 カルボキシルベタイン構造および/またはスルホベタイン構造と、イミダゾール部分構造を側鎖に有するアクリル系ポリマーブロックとを有する、ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤。【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な抗菌・防カビ剤、および該抗菌・防カビ剤を含有する抗菌・防カビ剤性塗料や抗菌・防カビ剤性物品に関する。
近年、様々な工業製品や材料にカビをはじめとする微生物の増殖を長期間抑制するための抗菌処理が施されている。処理方法としては、抗菌剤を含有する塗料を基材、フィルムに対して塗布したり、抗菌剤を成型体に混練したりする方法により行われている。そして、優れた抗菌性樹脂の実現を目指して、数多くの方法が研究されてきた。
例えば、特許文献1には、カルボキシル基含有ポリマーと銀イオンとを含む消臭抗菌・抗かび性組成物が開示されている。特許文献2にはスルホン酸基を有するラジカル重合性乳化剤を用いて重合してなる架橋球状共重合体に銀イオンを担持させた抗菌剤が開示されている。
また、特許文献3、4にはシリコーン系塗膜やフッ素系塗膜が開示されている。これら文献によると、該塗膜の抗タンパク吸着性や細胞接着抑制等のいわゆる生体物質の吸着抑制効果を利用した用途が検討されている。
特許文献5、6、7には、ビニルイミダゾール由来の構成単位を有するセグメントを有するコポリマーを含有するコーティング材料が開示されており、抗菌剤としての作用が検討されている。
さらに特許文献8,9,10には、ホスホリルコリン基含有ポリマーを用いた菌付着抑制効果を有する塗膜が提案されている。特許文献11には、スルホベタイン基又はカルボキシベタイン基を有するアクリレートを有するコポリマーからなる超低汚損表面基剤が開示されている。
特開平2−288804号公報 特開平4−173712号公報 特表2001−508041号公報 特表2003−517498号公報 特開2001−97806号公報 特開2005−298507号公報 特開2016−63846号公報 特開平7−506138号公報 特開2003−180801号公報 特開2007−308532号公報 特開2014−39828号公報
特許文献1、2のような銀錯体化合物は熱または光に対して不安定なため、基材を着色してしまう原因となる。また、組成物そのものが着色しているため、透明性、色彩などを要求される基材には使用できない。
また、特許文献3、4では、理化学機器やメディカルデバイス等における一時的な菌付着抑制作用は得られるものの、所望性能の持続が見込めない。
さらに、特許文献5、6、7についても、イミダゾール由来の高い親水性を有するため血小板の付着・粘着防止性等に優れるとされているが、タンパク質が吸着しやすく、所望性能の安定的発現が難しいという問題があった。
また、特許文献8,9,10についても、ホスホリルコリン基含有ポリマーは合成や取り扱いが難しい。特許文献11についても、表面上の少量のタンパク質の吸着を抑制するとされているが、その効果は十分ではなかった。
本発明は、タンパク質が吸着しにくく抗菌性、防カビ性を安定して有効に発現できる抗菌・防カビ剤を提供することを目的とする。
細胞膜は、リン脂質の親水部が外側に向き、疎水部が内側に向いている二重の層構造を呈する。前記親水部はホスホリルコリン基なので、一般に、ホスホリルコリン基を有するポリマーは、生体模倣なタンパク非吸着材料の1つとして広く研究されてきた。しかし、ホスホリルコリン基はホスホエステル基の一種であり加水分解を受けやすく、また、モノマー合成や取り扱いが容易ではないため、ホスホリルコリン基以外の新しい材料が求められてきた。
そこで、本発明者らはカルボベタイン構造および/またはスルホベタイン構造に着目し、タンパク非吸着性と抗菌性、防カビ性に優れたポリマーの検討を行った。その結果、イミダゾールの部分構造を有するベタイン樹脂において、ベタイン骨格特有の良好なタンパク非吸着性を発現しつつ、イミダゾールの部分構造由来の抗菌性、防カビ性を付与できることを見出し、本発明に到った。
即ち、本発明は、下記の発明のいずれかに関する。
[1] 下記一般式1〜3で示される少なくともいずれかの構造、および下記一般式(iii)〜(iv)のいずれかの構造を側鎖に有する、ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤。
(式中、
は炭素数1〜6のアルキレン基、
、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、
は炭素数1〜4のアルキレン基
Xは酸素原子または−NH−、
Yは−COOまたは−SO
〜Rのうち4つは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表し、R〜Rのうちの1つはビニル系ポリマーの主鎖との結合位置を表し、
10は炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数1〜6のヒドロキシアルキレン基、
11は水素原子またはメチル基、
12は炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数1〜6のヒドロキシアルキレン基を表し、
*はビニル系ポリマーの主鎖との結合位置を表す。)


(式中、R13〜R18は、互いに独立に、水素、C1〜C4アルキル又はフェニルであり、
*はビニル系ポリマーの主鎖との結合位置を表す。)
[2] 一般式1〜3で示される構造を合計で1〜40mol%含み、一般式(iii)〜(iv)で示される構造を合計で15〜90mol%含む、[1]記載のビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤。
[3] 下記(a1)〜(a3)のいずれかであることを特徴とする、[1]または[2]記載のビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤。
(a1)下記一般式4〜6で示される少なくともいずれかのモノマー(A1)〜(A3)と、1分子中に1つのエチレン性不飽和基とイミダゾールの部分構造を有するモノマー(B)との共重合体である。
(a2)下記一般式7〜8で示される少なくともいずれかのモノマー(A4)〜(A5)と、前記モノマー(B)との共重合体と、環状スルホン酸エステル(D1)、ω‐ハロゲン化アルキルスルホン酸金属塩(D2)、環状カルボン酸エステル(D3)およびω‐ハロゲン化アルキルカルボン酸金属塩(D4)からなる群から選ばれる一つ以上のベタイン化剤(D)との反応生成物である。
(a3)前記モノマー(B)とその他のモノマーとの共重合体中のイミダゾールの部分構造の一部と、前記ベタイン化剤(D)との反応生成物である。
(式中、
は炭素数1〜6のアルキレン基、
、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、
は炭素数1〜4のアルキレン基
Xは酸素原子または−NH−、
Yは−COOまたは−SO
〜Rのうち4つは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表し、R〜Rのうちの1つはCH=C(R20)を表し、
10は炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数1〜6のヒドロキシアルキレン基、
11は水素原子またはメチル基、
12は炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数1〜6のヒドロキシアルキレン基、
19は水素原子またはメチル基、
20は水素原子またはメチル基を表し、
**はベタイン化剤(D)との反応部位を表す。)
[4] モノマー(A1)〜(A3)、モノマー(B)および必要に応じて用いられるその他のモノマー(C)との合計100mol%中、モノマー(A1)〜(A3)の合計が1〜40mol%であり、モノマー(B)が15〜90mol%、その他のモノマー(C)が0〜84mol%であるか、または、
モノマー(A4)〜(A5)、モノマー(B)、および必要に応じて用いられるその他のモノマー(C)との合計100mol%中、モノマー(A4)〜(A5)、およびモノマー(B)に由来する構造のうちベタイン化剤(D)と反応している部分の合計が1〜40mol%であり、モノマー(B)に由来する構造のうちベタイン化剤(D)と反応していない部分が15〜90mol%、モノマー(A4)〜(A5)に由来する構造のうちベタイン化剤(D)と反応していない部分とその他のモノマー(C)との合計が0〜84mol%であるか、または、
モノマー(B)およびその他のモノマー(C)との合計100mol%中、モノマー(A6)に由来する構造のうちベタイン化剤(D)と反応している部分が1〜40mol%であり、モノマー(B)に由来する構造のうちベタイン化剤(D)と反応していない部分が15〜90mol%、その他のモノマー(C)が0〜84mol%である、
[3]記載のビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤。
[5] ガラス転移温度が10〜150℃である、[1]〜[4]いずれか1項に記載のポリマー型抗菌・防カビ剤。
[6] [1]〜[5]いずれかに記載のポリマー型抗菌・防カビ剤を含有する、抗菌・防カビ性塗料。
[7] 硬化剤をさらに含有する、[6]記載の硬化型抗菌・防カビ性塗料。
[8] [1]〜[5]いずれかに記載のポリマー型抗菌・防カビ剤と、成型加工可能な樹脂とを成型してなる、抗菌・防カビ性物品。
本発明により、タンパク質が吸着しにくく抗菌性、防カビ性を安定して有効に発現できる抗菌・防カビ剤を提供することができた。
本発明において「抗菌」とは、主に菌の増殖活動を抑制したり意であり、時に菌を死滅させたりする機能をも指す。また、「防カビ」とはカビの発生・増殖を防ぐ意である。
<ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤>
本発明のビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤は、カルボベタイン構造および/またはスルホベタイン構造と、イミダゾールとの部分構造のバランスにより、抗菌性、防カビ性等を効果的に制御し得る。
ベタイン構造とは、正電荷と負電荷を同一分子内の隣り合わない位置に持ち、正電荷をもつ原子には解離しうる水素原子が結合していない構造を指す。分子内にベタイン構造を有することで、樹脂に凝集力を付与し、また、優れたタンパク非吸着性を付与することが出来た。
ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤は、下記一般式1〜3で示される少なくともいずれかの構造を側鎖に有する。前記構造は1〜40mol%含まれることが好ましく、2〜35mol%含まれることがより好ましい。
(式中、
は炭素数1〜6のアルキレン基、
、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、
は炭素数1〜4のアルキレン基
Xは酸素原子または−NH−、
Yは−COOまたは−SO
〜Rのうち4つは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表し、R〜Rのうちの1つはビニル系ポリマーの主鎖との結合位置を表し、
10は炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数1〜6のヒドロキシアルキレン基、
11は水素原子またはメチル基、
12は炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数1〜6のヒドロキシアルキレン基を表し、
*はビニル系ポリマーの主鎖との結合位置を表す。)
前述の通り、本発明のビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤は、下記一般式(iii)〜(iv)で示されるいずれかの構造を側鎖にさらに有する。以下、該構造をイミダゾールの部分構造ということがある。前記構造は15〜90mol%含まれることが好ましく、20〜80mol%含まれることがより好ましい。イミダゾールの部分構造を積極的に導入することにより、目的とする抗菌性、防カビ性の各効果を十分に発揮することが可能である。抗菌性、防カビ性の点から、イミダゾールの部分構造の含有率が15mol%以上であることが好ましい。一方、水溶性を適度に抑制し、前述のベタイン構造に由来するタンパク非吸着性能を発現し易くするという点からイミダゾールの部分構造の含有率は90mol%以下であることが好ましい。
なお、ベタイン構造とイミダゾール構造とを有する一般式(3)で示される構造は、一般式(iii)〜(iv)で示される構造には含めないものとする。

(式中、R13〜R18は、互いに独立に、水素、C1〜C4アルキル又はフェニルであり、
*はビニル系ポリマーの主鎖との結合位置を表す。)
このようなビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤は、以下の方法で得ることが好ましい。
即ち、
(1)下記一般式4〜6で示される少なくともいずれかのモノマー(A1)〜(A3)と、1分子中に1つのエチレン性不飽和基とイミダゾールの部分構造を有するモノマー(B)とを共重合する。得られる共重合体をビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a1)という。
あるいは、
(2)下記一般式7〜8で示される少なくともいずれかのモノマー(A4)〜(A5)と、前記モノマー(B)とを共重合し、得られた共重合体中のモノマー(A4)〜(A5)に由来する部分およびモノマー(B)に由来するイミダゾールの部分構造の一部に後述するベタイン化剤(D)を反応させる。得られる反応生成物は、モノマー(A1)〜(A3)、(B)を用いた共重合体と同様にベタイン構造とモノマー(B)に由来するイミダゾールの部分構造を有する。得られる反応生成物をビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a2)という。
あるいは、
(3)前記モノマー(B)とその他のモノマーとの共重合体中のイミダゾールの部分構造の一部と、前記ベタイン化剤(D)との反応生成物である。即ち、(3)の場合、モノマー(B)に由来するイミダゾールの部分構造のうちベタイン化剤(D)との反応によりベタイン構造が生成される。その結果、得られる反応生成物は、(1)、(2)の場合と同様に、イミダゾールの部分構造とベタイン構造とを有する。得られる反応生成物をビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a3)という。
(式中、
は炭素数1〜6のアルキレン基、
、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、
は炭素数1〜4のアルキレン基
Xは酸素原子または−NH−、
Yは−COOまたは−SO
〜Rのうち4つは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表し、R〜Rのうちの1つはCH=C(R20)を表し、
10は炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数1〜6のヒドロキシアルキレン基、
11は水素原子またはメチル基、
12は炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数1〜6のヒドロキシアルキレン基、
19は水素原子またはメチル基、
20は水素原子またはメチル基を表し、
**はベタイン化剤(D)との反応部位を表す。)
<ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a1)>
ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a1)は、前述の通り、一般式4〜6で示される群から選択される少なくもといずれかのモノマー(A1)〜(A3)を共重合体の構成単位とするものである。モノマー(A1)〜(A3)の利用によって、ビニル重合体の側鎖にベタイン構造を導入することができる。そこで、モノマー(A1)〜(A3)は、ベタインモノマーということもできる。
<モノマー(A1)>
モノマー(A1)は、一般式4に示す通り、1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、ベタイン構造とを有する。
このようなモノマーとしては、例えば、N−(メタ)アクリロイルオキシメチル−N,N−ジメチルアンモニウムメチル−α−カルボキシベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムメチル−α−カルボキシベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムメチル−α−カルボキシベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシブチル−N,N−ジメチルアンモニウムメチル−α−カルボキシベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシメチル−N,N−ジエチルアンモニウムメチル−α−カルボキシベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジエチルアンモニウムメチル−α−カルボキシベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−N,N−ジエチルアンモニウムメチル−α−カルボキシベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシブチル−N,N−ジエチルアンモニウムメチル−α−カルボキシベタイン、などのN−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−N,N−ジアルキルアンモニウムアルキル−α−カルボキシベタイン;N−(メタ)アクリルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムメチル−α−カルボキシベタイン、N−(メタ)アクリルアミドプロピル−N,N−ジエチルアンモニウムメチル−α−カルボキシベタイン、などのN−(メタ)アクリルアミドアルキル−N,N−ジアルキルアンモニウムアルキル−α−カルボキシベタイン;N−(メタ)アクリルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムメチル−α−カルボキシベタイン、N−(メタ)アクリルアミドプロピル−N,N−ジエチルアンモニウムメチル−α−カルボキシベタイン、などのN−(メタ)アクリルアミドアルキル−N,N−ジアルキルアンモニウムアルキル−α−カルボキシベタイン;N−(メタ)アクリロイルオキシメチル−N,N−ジメチルアンモニウムメチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシメチル−N,N−ジメチルアンモニウムエチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシメチル−N,N−ジメチルアンモニウムプロピル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシメチル−N,N−ジメチルアンモニウムブチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムメチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムエチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムプロピル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムブチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムメチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムエチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムプロピル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムブチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシブチル−N,N−ジメチルアンモニウムメチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシブチル−N,N−ジメチルアンモニウムエチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシブチル−N,N−ジメチルアンモニウムプロピル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシブチル−N,N−ジメチルアンモニウムブチル−α−スルホベタイン、などのN−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−N,N−ジメチルアンモニウムアルキル−α−スルホベタイン;N−(メタ)アクリロイルオキシメトキシメトキシ−N,N−ジメチルアンモニウムメチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシメトキシメトキシ−N,N−ジメチルアンモニウムエチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシメトキシメトキシ−N,N−ジメチルアンモニウムプロピル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシメトキシメトキシ−N,N−ジメチルアンモニウムブチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシ−N,N−ジメチルアンモニウムメチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシ−N,N−ジメチルアンモニウムエチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシ−N,N−ジメチルアンモニウムプロピル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシ−N,N−ジメチルアンモニウムブチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシプロポキシ−N,N−ジメチルアンモニウムメチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシプロポキシ−N,N−ジメチルアンモニウムエチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキプロポキシプロポキシ−N,N−ジメチルアンモニウムプロピル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシプロポキシ−N,N−ジメチルアンモニウムブチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシブトキシブトキシ−N,N−ジメチルアンモニウムメチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシブトキシブトキシ−N,N−ジメチルアンモニウムエチル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシブトキシブトキシ−N,N−ジメチルアンモニウムプロピル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシブトキシブトキシ−N,N−ジメチルアンモニウムブチル−α−スルホベタイン、などのN−(メタ)アクリロイルオキシアルコキシアネルコキシ−N,N−ジメチルアンモニウムアルキル−α−スルホベタイン;N−(メタ)アクリルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムプロピル−α−スルホベタイン、N−(メタ)アクリルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムブチル−α−スルホベタインなどのN−(メタ)アクリルアミドアルキル−N,N−ジアルキルアンモニウムアルキル−α−スルホベタインなどが挙げられる。
なお、本発明において(メタ)アクリルと表記した場合、メタクリルもしくはアクリルであることを示す。
<モノマー(A2)>
モノマー(A2)も、一般式5に示す通り、1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、ベタイン構造とを有する。
このようなモノマーとしては、例えば、1−ビニル−3−(3−スルホプロピル)イミダゾリウム内部塩、1−ビニル−3−(3−スルホブチル)イミダゾリウム内部塩、1−ビニル−2−メチル−3−(3−スルホプロピル)イミダゾリウム内部塩、1−ビニル−2−メチル−3−(4−スルホブチル)イミダゾリウム内部塩などの1−ビニル−2−アルキル−3−(4−スルホアルキル)イミダゾリウム内部塩などが挙げられる。
<モノマー(A3)>
モノマー(A3)も、一般式6に示す通り、1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、ベタイン構造とを有する。
このようなモノマーとしては、例えば、2−ビニル−1−(3−スルホプロピル)ピリジニウム内部塩、2−ビニル−1−(3−スルホブチル)ピリジニウム内部塩、などの2−ビニル−1−(3−スルホアルキル)ピリジニウム内部塩;4−ビニル−1−(3−スルホプロピル)ピリジニウム内部塩、4−ビニル−1−(3−スルホブチル)ピリジニウム内部塩、などの4−ビニル−1−(3−スルホアルキル)ピリジニウム内部塩が挙げられる。
<1分子中に1つのエチレン性不飽和基とイミダゾールの部分構造を有するモノマー(B)>
本発明では、ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a1)を得る際に、モノマー(A1)〜(A3)の他に、1分子中に1つのエチレン性不飽和基とイミダゾールの部分構造を有するモノマー(B)を用いることで、優れた抗菌性、防カビ性を有することができる。
1分子中に1つのエチレン性不飽和基とイミダゾールの部分構造を有するモノマー(B)(B)としては、例えば、1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダゾールなどの1−ビニル−2−アルキル−イミダゾールや1−アリルイミダゾール、
2−ビニルイミダゾール、2−メチル−N−ビニルイミダゾール、2−フェニル−N−ビニルイミダゾール等のビニルイミダゾール類、特開2011−236181号公報に開示されるイミダゾール誘導体の他、特許第5558833号に開示されるN−ヒドロキシエチルイミダゾール−メタクリラートや、特許第4788121号に開示される重合性イミダゾール塩等が挙げられる。
<ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a2)>
本発明におけるビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a)は、前述の通り、モノマー(A1)〜(A3)そのものを共重合した共重合体である必要はなく、以下のような段階を経て得ることができる。
即ち、モノマー(A1)〜(A2)の前駆体ともいうべき一般式7〜8で示されるモノマー(A4)〜(A5)のうち少なくともいずれかと、前述のモノマー(B)と、必要に応じてこれらと共重合可能なその他のモノマーを共重合し、得られた共重合体中の**で示された窒素の少なくとも一部とベタイン化剤(D)とを反応させ得ることができる。得られるビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a2)は、モノマー(A1)〜(A3)、(B)を用いた共重合体と同様にベタイン構造とイミダゾールの部分構造とを側鎖に有する。
このようなモノマー(A4)としては、例えば、
N−(メタ)アクリロイルオキシメチル−N,N−ジメチルアミン、
N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアミン、
N−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−N,N−ジメチルアミン、
N−(メタ)アクリロイルオキシブチル−N,N−ジメチルアミン、
N−(メタ)アクリロイルオキシメチル−N,N−ジエチルアミン、
N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジエチルアミン、
N−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−N,N−ジエチルアミン、
N−(メタ)アクリロイルオキシブチル−N,N−ジエチルアミン、
などのN−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−N,N−ジアルキルアミン;
N−(メタ)アクリルアミドプロピル−N,N−ジメチルアミン、
N−(メタ)アクリルアミドプロピル−N,N−ジエチルアミン、
などのN−(メタ)アクリルアミドアルキル−N,N−ジアルキルアミン;
N−(メタ)アクリロイルオキシメトキシメトキシ−N,N−ジメチルアミン、
N−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシ−N,N−ジメチルアミン、
N−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシプロポキシ−N,N−ジメチルアミン、
N−(メタ)アクリロイルオキシブトキシブトキシ−N,N−ジメチルアミン、
などのN−(メタ)アクリロイルオキシアルコキシアネルコキシ−N,N−ジメチルアミンなどが挙げられる。
このようなモノマー(A5)としては、例えば、4−ビニル−ピリジン、2−ビニル−ピリジンなどのビニルピリジンが挙げられる。
<ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a3)>
本発明におけるビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a)は、前述の通り、モノマー(B)とその他のモノマーとの共重合体中のイミダゾールの部分構造の一部と、前記ベタイン化剤(D)との反応生成物である。ここでいうその他のモノマーには前述のモノマー(A4)、(A5)は含まれない。
<ベタイン化剤(D)>
ベタイン化剤(D)は、環状スルホン酸エステル(D1)、ω‐ハロゲン化アルキルスルホン酸金属塩(D2)、環状カルボン酸エステル(D3)およびω‐ハロゲン化アルキルカルボン酸金属塩(D4)からなる群より選択される。一般式化7〜9で示されるモノマー(A4)〜(A6)の**で示される窒素を重合後に、スルホベタイン化もしくはカルボベタイン化するために用いられる化合物群である。
このような環状スルホン酸エステル(D1)としては、例えば、1,2−エタンスルトン、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトンが挙げられる。
このようなω‐ハロゲン化アルキルスルホン酸金属塩(D2)としては、例えば、2-クロロエタンスルホン酸ナトリウム、2-ブロモエタンスルホン酸ナトリウム、3-クロロプロパンスルホン酸ナトリウム、3-ブロモプロパンスルホン酸ナトリウム、4-クロロブタンスルホン酸ナトリウム、4-ブロモブタンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
このような環状カルボン酸エステル(D3)としては、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトンなどが挙げられる。
このようなω‐ハロゲン化アルキルカルボン酸金属塩(D4)としては、例えば、2−クロロ酢酸ナトリウム、2−ブロモ酢酸ナトリウム、3−クロロプロピオン酸ナトリウム、3−ブロモプロピオン酸ナトリウム、4−クロロ酪酸ナトリウム、4−ブロモ酪酸ナトリウム、5−クロロペンタン酸ナトリウム、5−ブロモペンタン酸ナトリウムなどが挙げられる。
<その他のモノマー(C)>
ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a1)〜(a3)を得る際に、モノマー(A1)〜(A3)、(A4)〜(A6)、(B)以外のその他のモノマー(C)も使用することができる。その他のモノマー(C)を用いる場合、重合に使用するモノマー(C)の合計100mol%中、他のモノマー(C)は、0〜84mol%であることが好ましく、0〜79mol%であることがより好ましい。
<架橋基を有するモノマー(C1)>
モノマー(C)の中でも架橋点となる官能基を有するものをモノマー(C1)とする。ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤は、架橋点となる官能基を有するモノマー(C1)に基づく構成単位を有することで、架橋基を有することができる。
その他のモノマー(C)として、架橋基を有するモノマー(C1)を用いる場合、重合に使用するモノマーの合計100mol%中、架橋基を有するモノマー(C1)は0〜10mol%であることが好ましい。10mol%以下で使用することで、架橋剤を併用した場合に適度な架橋密度を有する塗膜を得ることができる。
架橋点となる官能基を有するモノマー(C1)としては、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマーなどを使用することができる。
例えば、カルボキシル基が導入された共重合体は、エポキシ化合物やアジリジン化合物、カルボジイミド化合物、金属キレート化合物、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド化合物により架橋することができる。水酸基が導入された共重合体は、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物等により架橋することができる。アミノ基が導入された共重合体は、エポキシ化合物により架橋することができる。イソシアネート基が導入された共重合体は、水酸基含有化合物により架橋することができる。
カルボキシル基含有モノマーとしては、その構造中にカルボキシル基有するものであれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、マレイン酸、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端にカルボキシル基を有するアルキレンオキサイド付加系コハク酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基含有モノマーとしては、その構造中に水酸基を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシスチレン、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、単官能(メタ)アクリル酸グリセロール、ラクトン環の開環付加により末端に水酸基を有するポリラクトン系(メタ)アクリル酸エステル、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系(メタ)アクリル酸エステル、グルコース環系(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
エポキシ基含有モノマーとしては、その構造中にエポキシ基を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル等が挙げられる。
アミノ基含有モノマーとしては、その構造中にアミノ基を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピル等が挙げられる。
本発明では、ベタイン樹脂(a)の剥離や溶出を抑えるという観点から、架橋点となる官能基を有するモノマーを共重合させることが好ましい。これにより後述する架橋剤と反応し得る官能基を導入することができ、架橋塗膜を形成できる。
<架橋基を有さないモノマー(C2)>
モノマー(C)の中でも架橋点となる官能基を有さないものをモノマー(C2)とする。ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤は、架橋点となる官能基を有さないモノマー(C2)に基づく構成単位を有することで、ガラス転移温度や溶解性を制御することができる。
架橋基を有さないモノマー(C2)としては、例えば、
アルキル基の炭素数が1〜20のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシメチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシメチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有モノマー;
(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、ブタジエン、イソプレン、スチレンなどのビニル基含有モノマー;
などが挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
さらに、本発明では、ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤に部分的に架橋構造を導入するために多官能モノマーをさらに共重合させてもよい。
共重合しながら架橋する場合、架橋割合は、用いる多官能モノマー量が多いほど架橋度が高くなり、反応中にゲル化する可能性も高まる。そのため、多官能モノマーの量としては、全モノマー100mol%中、1〜10mol%の範囲が好ましく、2〜5mol%がより好ましい。
多官能モノマーとしては、その構造中にエチレン性不飽和基を2つ以上有するものであれば、特に制限はなく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、プロプレングリコールポリエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、ジプロプレングリコールポリエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、又はネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、又はジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能(メタ)アクリレート類;あるいは、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、グリセロールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールF型エポキシの(メタ)アクリル酸付加物、又はノボラック型エポキシの(メタ)アクリル酸付加物等のエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。また、以上に挙げた(メタ)アクリレートを、更に(ポリ)アルキレンオキシドや(ポリ)カプロラクトン等で変性したものも使用することができる。
<ベタイン構造のmol%>
本発明のビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤は、タンパク非吸着性の好適な発現の点から、一般式1〜3で示されるベタイン構造を1〜40mol%含むことが好ましく、2〜35mol%含むことが好ましい。
即ち、ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a1)の場合、モノマー(A1)〜(A3)、1分子中に1つのエチレン性不飽和基とイミダゾールの部分構造を有するモノマー(B)および必要に応じて用いられる他のモノマー(C)との合計100mol%中、モノマー(A1)〜(A3)の合計は1〜40mol%であることが好ましく、2〜35mol%であることがより好ましい。
また、ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a2)の場合は、モノマー(A4)〜(A5)、モノマー(B)、および必要に応じて用いられるその他のモノマー(C)との合計100mol%中、モノマー(A4)〜(A5)、およびモノマー(B)に由来する構造のうちベタイン化剤(D)と反応している部分の合計が1〜40mol%であることが好ましく、2〜35mol%であることがより好ましい。
さらに、ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a3)の場合は、モノマー(A6)およびその他のモノマー(C)との合計100mol%中、モノマー(A6)に由来する構造のうちベタイン化剤(D)と反応している部分が1〜40mol%であることが好ましく、2〜35mol%であることがより好ましい。
<イミダゾールの部分構造を有するモノマーのmol%>
本発明のビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤は、抗菌性や防カビ性の好適発現と、水溶性とのバランスの点から、前述の通り、一般式(iii)〜(iv)で示される構造を合計で15〜90mol%含むことが好ましく、20〜80mol%含むことがより好ましい。
イミダゾールの部分構造が15mol%以上であることにより、抗菌性や防カビ性が向上する。また、イミダゾールの部分構造が90mol%以下であることにより、水溶性を抑制できる。
ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a1)の場合、モノマー(A1)〜(A3)、モノマー(B)および必要に応じて用いられるその他のモノマー(C)との合計100mol%中、モノマー(B)を15〜90mol%とすることが好ましく、20〜80mol%とすることがより好ましい。
ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a2)の場合、モノマー(A4)〜(A5)、モノマー(B)、および必要に応じて用いられるその他のモノマー(C)との合計100mol%中、モノマー(B)に由来する構造のうちベタイン化剤(D)と反応していない部分を15〜90mol%とすることが好ましく、20〜80mol%とすることがより好ましい。
また、ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a2)の場合、モノマー(A6)および必要に応じて用いられるその他のモノマー(C)との合計100mol%中、モノマー(A6)に由来する構造のうちベタイン化剤(D)と反応していない部分を15〜90mol%とすることが好ましく、20〜80mol%とすることがより好ましい。
<ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤のガラス転移温度>
ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤のガラス転移温温度は、10℃〜150℃であることが好ましく、より好ましくは、20℃〜100℃である。ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤のガラス転移温度を10℃〜150℃の範囲に調製することで、基材へ塗布する際の加工性を向上することができる。
ガラス転移温度の調製は、架橋基を有さないモノマー(C2)を構成するモノマーを適宜調製することによって可能となる。例えば、ブチルアクリレートの比率を高くすることにより、柔軟性を付与することができるため、ガラス転移温度は10℃に近い範囲で調製することができる。
<ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤の利用>
本発明のビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤は、塗料に配合して種々の対象物の(基材)の表面に塗布し、対象物に抗菌・防カビ性を付与できる。また、本発明のポリマー型抗菌・防カビ剤を熱可塑性樹脂等と混練・成型し、抗菌・防カビ性物品を製造することもできる。
<抗菌・防カビ性塗料>
本発明の抗菌・防カビ性塗料は、前述のビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤の他に、溶剤、架橋剤、ポリマー型抗菌・防カビ剤以外の種々のポリマー、目的に応じて種々の添加剤を配合することができる。
溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン(以下、MEKという)等の有機溶媒等が挙げられる。
形成される塗膜の膜厚は限定されないが、好ましくは1mm以下である。
<架橋剤>
本発明において用いることのできる架橋剤としては、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、およびアジリジニル基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有するものの他、金属キレート化合物、カルボジイミド基含有化合物等が挙げられる。これらの架橋剤は、塗膜の弾性率や耐性を上げる目的で使用したり、接着力を調製したりするために用いることができる。
[エポキシ基を有する架橋剤]
本発明で用いられるエポキシ基を有する架橋剤としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであればよく、特に限定されるものではない。
2官能エポキシ基を有する架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレンオキサイドジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゾフェノンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシアントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン等の芳香族エポキシ化合物、上記記載の芳香族エポキシ化合物の水素添加物、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の脂環式エポキシ化合物などが挙げられる。
エポキシ基を3つ以上有する架橋剤としては、例えば、トリグリシジルイソシアヌレート、トリスフェノール型エポキシ化合物、テトラキスフェノール型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物等が挙げられる。
[イソシアネート基を有する架橋剤]
本発明で用いられるイソシアネート基を有する架橋剤としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有した化合物であればよく、特に限定されるものではない。
2官能イソシアネート化合物としては、例えば、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。
3官能イソシアネート化合物としては、上記で説明したジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体が挙げられる。
また、イソシアネート基を有する架橋剤中のイソシアネート基は、ブロック化されていても良いし、ブロック化されていなくても良い。
本発明で用いられるブロック化イソシアネート架橋剤としては、前記イソシアネート化合物中のイソシアネート基がε−カプロラクタム、MEKオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ピラゾール、フェノール等でブロックされたブロック化イソシアネート化合物であればよく、特に限定されるものではない。
[アジリジニル基を有する架橋剤]
本発明で用いられるアジリジン化合物としては、1分子中に2個以上のアジリジン基を有した化合物であればよく、特に限定されるものではない。アジリジン化合物としては、例えば、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
[金属キレート化合物]
本発明で用いられる金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムアルコキシド化合物、アルミニウムアシレート化合物などの有機アルミニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタンアシレート化合物などの有機チタン化合物、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムアシレート化合物などの有機ジルコニウム化合物等が挙げられる。
[カルボジイミド基含有化合物]
本発明で用いられるカルボジイミド基含有化合物としては、日清紡績株式会社のカルボジライトシリーズを用いることができ、V−02、V−04、V−06などの水性タイプ、V−01、V−03、V−05、V―07、V―09などの油性タイプ等が挙げられる。
[β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物]
本発明では、β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物も架橋剤として用いることができる。
β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物としては、分子内にβ−ヒドロキシアルキルアミド基を含有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物としては、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)アジパミド(エムスケミー社製PrimidXL−552)をはじめとする種々の化合物を挙げることができる。
本発明において、架橋剤は、一種のみを単独で用いてもよいし、複数を併用しても良い。架橋剤の使用量は、ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤中に含まれる官能基の種類やモル数を考慮して決定すればよく、特に限定されるものではないが、通常はビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤100重量部に対して0.1重量部〜10重量部の範囲で用いられる。ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤中に含まれる官能基のモル数よりも少ない範囲で配合することで、未反応の架橋剤が遊離する懸念をなくすことができる。この範囲であれば、目的とする抗菌性や防カビ性の各効果に、特に優れた性能が発現される。
本発明の塗料を対象物の(基材)の表面に塗布する方法について説明する。
直接塗布の方法としては、刷毛、浸漬、ローラ、スプレー、注入、塗工機など種々の塗布方法により基材に溶液を塗布し、乾燥することにより行われる。
フィルムに対する塗布方法としては、ディップコート、コンマコート、グラビアコート、カーテンコート、ダイコート、リップコート、マイクログラビアコート、スロットダイコート、リバースコート、キスコート等が挙げられる。表面接着の方法としては、例えば、セパレートフィルム上に樹脂溶液を塗布後、溶媒を除去した後に被着体に転写させる方法が挙げられる。
<本発明以外、その他の抗菌剤、防カビ剤>
本発明の抗菌・防カビ塗料は、上記ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤に加えて、その他の抗菌剤、防カビ剤を、本発明の所望する効果を損なわない範囲で、少量含有させ、抗菌性、防カビ性を更に強化することもできる。これにより抗菌性の相乗効果も得られ、より顕著な抗菌性が容易に得られる。
透明性や色彩を要求されない場合には、抗菌性金属成分を添加しても良い。抗菌性金属成分は、抗菌性を有する金属イオンや金属化合物等で構成でき、これらの抗菌性金属成分は、単独又は2種以上組み合わせて使用できる。抗菌性を有する金属イオンとしては、例えば、銀イオン(銀(I)、銀(II)イオン)、銅イオン、白金イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン、モリブデンイオン、クロムイオン等が挙げられる。
これらの抗菌性金属イオンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの金属イオンのうち、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン、特に銀(I)イオン、銅イオンが好ましい。
<溶融・混練・成型>
本発明のビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤を成型可能な樹脂と溶融混練し、成型し、抗菌・防カビ性物品を得ることもできる。
混練する際に用いられる樹脂材料としては、特に制限はないが、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン(ポリアミド)系樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリロニトリルーブタジエンースチレン(ABS)樹脂などの樹脂材料の一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。なお、結晶性樹脂であれば、結晶化度が比較的に低い樹脂材料を用いることが好ましい。これは、結晶化度が低い樹脂材料の方が、樹脂材料中に存在する抗菌性樹脂による抗菌作用が発揮されやすくなるためである。
また、溶融・混練・成型の場合、ポリマー型抗菌・防カビ剤は、抗菌性・防カビ性発現の点から1質量%以上の範囲で含有することが好ましい。また、成型時の作業性や成形性の点、製造される物品の強度や表面の平滑性の点から、ポリマー型抗菌・防カビ剤は、50質量%以下の範囲で含有することが好ましい。
成型方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、インフレーション成形法などの公知の成形方法が挙げられる。
ポリマー型抗菌・防カビ剤を含む樹脂組成物と、ポリマー型抗菌・防カビ剤を含まない樹脂とを段階的に射出したり、共に押し出したりして、物品の表面にのみ抗菌・防カビ性を付与することもできる。
なお、ポリマー型抗菌・防カビ剤を含まない樹脂は、ポリマー型抗菌・防カビ剤を含む樹脂組成物中の樹脂と同じものであってもよいし、異なる樹脂であってもよい。
本発明の硬化型抗菌・防カビ性塗料や抗菌・防カビ性物品は、固形分100質量%中、本発明のビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤を1質量%以上50質量%以下で含有することが好ましい。
1質量%以上含むことによって、抗菌性・防カビ性に優れる。また、成形時の作業性や成形性、塗膜や成形体表面の平滑性や強度の点から50質量%以下であることが好ましい。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における、「部」および「%」は、「重量部」および「質量%」をそれぞれ表し、Tgはガラス転移温度を意味する。
<ガラス転移温度(Tg)の測定方法>
溶剤を乾燥除去したブロック共重合体について、メトラー・トレド社製「DSC−1」を使用し、サンプル量約5mgをアルミニウム製標準容器に量し、温度変調振幅±1℃、温度変調周期60秒、昇温速度2℃/分の条件にて、−50〜200℃まで測定し、可逆成分の示差熱曲線からガラス転移温度を求めた。
<各種ベタインモノマーの合成>
ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a)の合成に用いたN−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムブチル−α−スルホベタインおよび、N−アクリルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムプロピル−α−スルホベタインは、特許5690645号を参考に合成した。同様に、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムメチル−α−カルボベタインは特許3878315を、1−ビニル−3−(3−スルホプロピル)イミダゾリウム内部塩と2−ビニル−1−(3−スルホプロピル)ピリジニウム内部塩は特許3584998を参考に合成した。
[製造例1]
<ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a)の調製>
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、酢酸エチル60部、エタノール60部を仕込み、内温を75℃に昇温し十分に窒素置換した。別途用意しておいた、2,2’−アゾジイソブチロニトリルを0.4部、モノマー(A1)としてN−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムブチル−α−スルホベタインを47.5部(25mol%)、モノマー(B)として1-ビニルイミダゾールを17.4部(30mol%)、ブチルアクリレートを39部(41mol%)、2−ヒドロキシエチルアクリレートを2.9部(4mol%)混合したものを、内温を75℃に保ちながら3時間滴下を続け、さらに2時間撹拌を続けた。固形分測定によって転化率が98%超えたことを確認後、冷却して取出した。その後、オーブンで溶媒を完全に揮発させ、ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a)を得た。得られたビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a)のTgをDSCにより測定したところ、12℃であった。
[製造例2〜8]、[比較製造例1〜2]
表1に示す配合組成で、製造例1と同様の方法でビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a)を合成した。
表1中の記号は以下の通り。
DMBS:N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムブチル−α−スルホベタイン
DMPS:N−アクリルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムプロピル−α−スルホベタイン
DMMC:N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムメチル−α−カルボベタイン
VSPI:1−ビニル−3−(3−スルホプロピル)イミダゾリウム内部塩
VSPP:2−ビニル−1−(3−スルホプロピル)ピリジニウム内部塩
VI:1−ビニルイミダゾール
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
AA:アクリル酸
GMA:グリシジルメタクリレート
BA:ブチルアクリレート
MEA:2−メトキシエチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
AIBN:2,2‘-アゾジイソブチロニトリル
[製造例9]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、酢酸エチル60部、エタノール60部を仕込み、内温を75℃に昇温し十分に窒素置換した。別途用意しておいた、2,2‘-アゾジイソブチロニトリルを0.4部、モノマー(A4)としてN−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアミンを13.7部(10mol%)、モノマー(B)として1−ビニルイミダゾールを32.8部(40mol%)、アクリル酸を3.1部(5mol%)ブチルアクリレートを50.3部(45mol%)混合したものを、内温を75度に保ちながら3時間滴下を続け、さらに2時間撹拌を継続し、共重合体を得た。
固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、1,4−ブタンスルトンを23.7部(共重合体モノマーに対して20mol%)加え、更に20時間撹拌を続けた。
以下のモデル反応式に示すように、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアミン由来の部分と1,4−ブタンスルトンとの反応により、モノマー(A1)の一種であるN−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムブチル−α−スルホベタインを用いた製造例1等と同様のベタイン構造と、
1−ビニルイミダゾール由来の部分の一部と1,4−ブタンスルトンとの反応により、スルホベタイン構造と、製造例1等と同様のイミダゾールの部分構造とを、
ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤の側鎖に有すことができる。
次いで、冷却して取出し、オーブンで酢酸エチルおよびエタノール、を完全に揮発させた。乾燥させた樹脂をメチルエチルケトンでよく洗浄し、副生成物や残存した原料を取り除いた。得られた樹脂のTgをDSCにより測定したところ、14℃であった。
[製造例10]
表2示す配合組成にて製造例9と同様の方法でビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a)を合成した。以下にモデル反応式に示す
表2中の記号は以下の通り。
DM:N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアミン
VP:2−ビニルピリジン
VI:1−ビニルイミダゾール
[実施例1〜14]、[比較例1〜2]
製造例1〜7、9,10、比較製造例1、2記載の各ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a)に酢酸エチル、エタノール混合溶媒を加え、固形分が30%になるように調製し、表3に示す配合組成にて、樹脂組成物を得た。樹脂組成物をPETフィルムに膜厚30μとなるように塗布し、60℃で乾燥したものを試験片とし、タンパク非吸着性、抗菌性等を後述する方法で評価した。
[実施例15]
表3の組成に従い、製造例8で得た溶液からMEKを除去し、ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a)を得、前記ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a)とポリエチレン(以下、PEという)とを同じ質量比でドライブレンドした後、200℃に設定した2軸押出機にて混練し、直径3mm、長さ3mmの円柱状ペレットに造粒した。
次いで、200℃に設定した射出成型機にて混練し、前述したペレットから外径40mm×厚さ1mmのプレートを製造し、試験片とし、タンパク非吸着性、抗菌性等を後述する方法で評価した。
(1)タンパク非吸着性
実施例及び比較例で調整した試験片を、11mm角にカットし、24ウェルプレートの任意の凹部内に設置した。前記ウエルに、タンパク質として、PBS(リン酸緩衝液)で10000倍に希釈したHRP−IgG(Horseradish peroxidase-ImmunoglobulinG)溶液1mlを加え、試験片を浸漬させた。室温で1時間インキュベートした後、PBS−T(0.1%Tween20)を用いてウェルを4回洗浄した。
試験片を他のウェルに移し、染色液としてTMBZ(3,3',5,5'-Tetramethylbenzidine)溶液を1ml分注し、室温で10分間インキュベートした。Stop Solution(タカラバイオ製 Wash and Stop Solution for ELISA without Sulfuric Acid)1mlをウェルに分注後、試験片を取り除き、ウェルの吸光度を測定した。測定機器は、MITHRAS2 LD943-M2M マイクロプレートリーダーを使用し、450nm(副波長650nm)の吸光度を測定した。下記の4段階の評価基準に基づいて評価した。
◎:0.2≧サンプルの吸光度/PETフィルムの吸光度
○:0.5≧サンプルの吸光度/PETフィルムの吸光度>0.2
△:1≧サンプルの吸光度/PETフィルムの吸光度>0.5
×:サンプルの吸光度/PETフィルムの吸光度>1
(2)タンパク吸着試験前の抗菌性
実施例及び比較例で調整した試験片を、11mm角にカットし、大腸菌を4.2×103/mLに調整した試験液50mlに10枚投入し、37℃×1時間振とうした後、試験溶液中の生菌数を測定し、減少した割合を求めた。減少率が大きい方が抗菌性は良い。下記の3段階の評価基準に基づいて評価した。
○:90%≦減少率
△:50%≦減少率<90%
×:減少率<50%
(3)タンパク吸着試験後の抗菌性
前記(1)タンパク非吸着性試験と同様にして、11mm角をHRP−IgGの希釈液1ml中にて1分間インキュベートした後、PBS−Tにて4回洗浄した。
前記(2)と同様にして、大腸菌の数を4.2×103/mLに調整した試験液50mlに、洗浄後の試験片を入れ、同様にして試験・評価した。基準も前記(2)と同様。
(4)タンパク吸着試験前の防カビ性
実施例及び比較例で調整した試験片を、11mm角にカットし、かび(黒カビ)を培養した寒天培地表面のほぼ中央に置き、30℃×96時間培養した後、試験片周辺のカビが生育しない帯状の部分の幅を測定した。数値が大きい方が防カビ性は良い。下記の3段階の評価基準に基づいて評価した。
○:3mm≦帯状部分の幅
△:1mm≦帯状部分の幅<3mm
×:帯状部分の幅<1mm
(5)タンパク吸着試験後の防カビ性
前記(1)タンパク非吸着性試験と同様にして、11mm角をHRP−IgGの希釈液1ml中にて1分間インキュベートした後、PBS−Tにて4回洗浄した。
前記(4)と同様にして、洗浄後の試験片についての防カビ性を評価した。基準も前記(4)と同様。
表3中、略号は以下の通り。
ALCH:川研ファインケミカル社製、アルミキレート化合物
ケミタイトPZ:日本触媒社製、多官能アジリジン化合物
V05:日清紡社製、油性カルボジイミド基含有化合物
XL552:エムスケミー社製、ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物
PE:直鎖状低密度ポリエチレン、メルトマスフローレート2.0g/10min(JIS K6922−1)
表3の実施例と比較例の結果を見て分かる通り、実施例1〜15で使用しているビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤(a)は、比較例1〜2で使用している樹脂に比して、タンパク質で汚染された場合でも抗菌性、防カビ性を発現できる。また、架橋剤を併用することで、コーティング膜として一層良好な塗膜耐性を付与することができた。
本発明のビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤は、タンパク質で汚染された場合でも抗菌性、防カビ性に優れた皮膜を与えるため、広範な用途に利用できる。具体的には、各種プラスチックのフィルムやシートの表面コート剤、水系グラビアインキのベースポリマー、感熱紙等の各種機能紙のトップコート剤、各種金属板の表面被覆材、あるいは各種織物、天然皮革、合成皮革、木材等のコート剤、塗料として有用である。

Claims (8)

  1. 下記一般式1〜3で示される少なくともいずれかの構造、および下記一般式(iii)〜(iv)のいずれかの構造を側鎖に有する、ビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤。




    (式中、
    は炭素数1〜6のアルキレン基、
    、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、
    は炭素数1〜4のアルキレン基
    Xは酸素原子または−NH−、
    Yは−COOまたは−SO
    〜Rのうち4つは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表し、R〜Rのうちの1つはビニル系ポリマーの主鎖との結合位置を表し、
    10は炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数1〜6のヒドロキシアルキレン基、
    11は水素原子またはメチル基、
    12は炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数1〜6のヒドロキシアルキレン基を表し、
    *はビニル系ポリマーの主鎖との結合位置を表す。)

    (式中、R13〜R18は、互いに独立に、水素、C1〜C4アルキル又はフェニルであり、
    *はビニル系ポリマーの主鎖との結合位置を表す。)
  2. 一般式1〜3で示される構造を合計で1〜40mol%含み、一般式(iii)〜(iv)で示される構造を合計で15〜90mol%含む、請求項1記載のビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤。
  3. 下記(a1)〜(a3)のいずれかであることを特徴とする、請求項1または2記載のビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤。
    (a1)下記一般式4〜6で示される少なくともいずれかのモノマー(A1)〜(A3)と、1分子中に1つのエチレン性不飽和基とイミダゾールの部分構造を有するモノマー(B)との共重合体である。
    (a2)下記一般式7〜8示される少なくともいずれかのモノマー(A4)〜(A5)と、前記モノマー(B)との共重合体と、環状スルホン酸エステル(D1)、ω‐ハロゲン化アルキルスルホン酸金属塩(D2)、環状カルボン酸エステル(D3)およびω‐ハロゲン化アルキルカルボン酸金属塩(D4)からなる群から選ばれる一つ以上のベタイン化剤(D)との反応生成物である。
    (a3)前記モノマー(B)とその他のモノマーとの共重合体中のイミダゾールの部分構造の一部と、前記ベタイン化剤(D)との反応生成物である。





    (式中、
    は炭素数1〜6のアルキレン基、
    、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、
    は炭素数1〜4のアルキレン基
    Xは酸素原子または−NH−、
    Yは−COOまたは−SO
    〜Rのうち4つは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表し、R〜Rのうちの1つはCH=C(R20)を表し、
    10は炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数1〜6のヒドロキシアルキレン基、
    11は水素原子またはメチル基、
    12は炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数1〜6のヒドロキシアルキレン基、
    19は水素原子またはメチル基、
    20は水素原子またはメチル基を表し、
    **はベタイン化剤(D)との反応部位を表す。)
  4. モノマー(A1)〜(A3)、モノマー(B)および必要に応じて用いられるその他のモノマー(C)との合計100mol%中、モノマー(A1)〜(A3)の合計が1〜40mol%であり、モノマー(B)が15〜90mol%、その他のモノマー(C)が0〜84mol%であるか、または、
    モノマー(A4)〜(A5)、モノマー(B)、および必要に応じて用いられるその他のモノマー(C)との合計100mol%中、モノマー(A4)〜(A5)、およびモノマー(B)に由来する構造のうちベタイン化剤(D)と反応している部分の合計が1〜40mol%であり、モノマー(B)に由来する構造のうちベタイン化剤(D)と反応していない部分が15〜90mol%、モノマー(A4)〜(A5)に由来する構造のうちベタイン化剤(D)と反応していない部分とその他のモノマー(C)との合計が0〜84mol%であるか、または、
    モノマー(B)およびその他のモノマー(C)との合計100mol%中、モノマー(B)に由来する構造のうちベタイン化剤(D)と反応している部分が1〜40mol%であり、モノマー(B)に由来する構造のうちベタイン化剤(D)と反応していない部分が15〜90mol%、その他のモノマー(C)が0〜84mol%である、
    請求項3記載のビニル系ポリマー型抗菌・防カビ剤。
  5. ガラス転移温度が10〜150℃である、請求項1〜4いずれか1項に記載のポリマー型抗菌・防カビ剤。
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載のポリマー型抗菌・防カビ剤を含有する、抗菌・防カビ性塗料。
  7. 硬化剤をさらに含有する、請求項6記載の硬化型抗菌・防カビ性塗料。
  8. 請求項1〜5いずれか1項に記載のポリマー型抗菌・防カビ剤と、成型加工可能な樹脂とを成型してなる、抗菌・防カビ性物品。
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