JP6024796B2 - 細胞培養基材及び細胞培養方法 - Google Patents
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(作製例1)
水膨潤性粘土鉱物には、[Mg5.34Li0.66Si8O20(OH)4]Na+ 0.66の組成を有する水膨潤性合成ヘクトライト(Rockwood Ltd.製「ラポナイトXLG」)を真空乾燥して用いた。アクリル酸エステルとしては、2−メトキシエチルアクリレート(和光純薬株式会社製:以下、MEAと略記。)を既知の方法により精製して、重合禁止剤を取り除いてから使用した。重合開始剤は、ペルオキソ二硫酸カリウム(関東化学株式会社製:以下、KPSと略記。)を脱酸素した超純水中に溶解し、水溶液にして使用した。触媒は、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(和光純薬工業株式会社製:以下、TEMEDと略記。)を使用した。重合に使用する超純水は、含有酸素を除去してから使用した。
乾燥した高分子複合体(C−1)を1cm×5cmの大きさに切り取り、チャック部での滑りの無いようにして引っ張り試験装置(株式会社島津製作所製「卓上型万能試験機AGS−H」)に装着し、評点間距離=20mm、引っ張り速度=100mm/分にて引っ張り試験を行った結果、初期弾性率は27MPa、破断伸びが1850%、破断強度が2.6MPaであった。引っ張り試験後の高分子複合体の残留歪みは約100%であり、ゴム的な伸縮性とタフネスを示した。かかる優れた力学物性、有機架橋剤を何ら使用していないのにゴム的な伸縮性を有すること、及び水膨潤性粘土鉱物の微細分散性、重合体のガラス転移温度などから、この高分子複合体(C−1)では、有機高分子と水膨潤性粘土鉱物の微細分散性、重合体のガラス転移温度などから、有機高分子中に水膨潤性粘土鉱物が微分散していると結論された。
上記作製例1で得られた高分子複合体(C−1)を、直径8cmの大きさに切断し、細胞培養基材(A)とした。それを細胞培養用ディッシュ(ベクトン・ディッキンソン・ラブウェア社製「ファルコン3003」)の中に移し替えてから蓋をして37℃で静置した。なお、これらの操作は、すべてクリーンベンチ内で行った。
上記実施例1で得られた細胞培養基材(A)を入れた細胞培養ディッシュを用いて、細胞の培養を行った。培養する細胞は、正常ヒト皮膚繊維芽細胞(大日本製薬株式会社製)を使用した。培養は、CS−C培地(大日本製薬株式会社製)を使用して、5%二酸化炭素含有37℃恒温器内で行った。また細胞培養基材(A)を入れたディッシュは2枚用意し、同じ条件で同時に播種を行った。播種してから1週間後、この培養を行った細胞培養基材(A)を入れたディッシュ1枚を20℃恒温槽内に5分間静置してから、表面を光学顕微鏡にて観察したところ、細胞が細胞培養基材(A)上に接着して、また十分に増殖していたことが確認された。この培養を行ったもう1枚の細胞培養基材(A)を入れたディッシュから細胞培養基材(A)を培養した細胞ごと取り出して、あらかじめ20℃に保持しておいたCS−C培地を含む組織培養ディッシュに移し替えた。蓋をしてから20℃で10分間静置後、細胞培養基材(A)上に増殖した細胞をピンセットで摘むことにより、細胞をシート状に細胞培養基材(A)から分離できた。この時、細胞培養基材(A)に何ら損傷はなく、またシート状の細胞にも何ら付着物は見られなかった。この取り出したシート状細胞についてトリプシン−EDTA処理を行うことにより、各細胞を個々の状態に分離した後、トリパンブルー染色を行うことによって、生細胞数を計測したところ、培養開始時には2.5×106個であった細胞数が、培養後は7.2×107個に増加したことが確認された。また、実施例1と同様に含水量の変化を求めたところ、37℃で8%であったものが、20℃では28%と増加したことが確認された。
MEAを8.58gを用いる代わりに、MEA5.5g(4.2×10−2モル)とN−イソプロピルアクリルアミド(NIPA:興人株式会社製)1.18g(1.0×10−2モル)との混合物を用いること以外は作製例1と同様にして、含水高分子複合体(C’−2)を調製した。得られた含水高分子複合体は、均一な水膨潤性粘土鉱物と共重合体からなる高分子複合体であり、水膨潤性粘土鉱物などの不均一な凝集は観測されなかった。得られた含水高分子複合体(C’−2)を作製例1と同様にして100℃で真空乾燥を行い、その後さらに精製を行い、透明な乾燥した高分子複合体(C−2)を得た。作製例1と同様に測定したところ、この高分子複合体中の粘土鉱物含有率は12.2%であった。また作成例と同様にして、乾燥した高分子複合体(C−2)の引っ張り試験を行ったところ、弾性率4.8MPa、破断強度4.5MPa、破断伸び700%のタフネス、柔軟性のある高分子複合体であった。
上記作製例2で得られた高分子複合体(C−2)を、直径8cmの大きさに切断し、細胞培養基材(B)とした。それを細胞培養用ディッシュ(ベクトン・ディッキンソン・ラブウェア社製「ファルコン3003」)の中に移し替えてから蓋をして37℃で静置した。なお、これらの操作は、すべてクリーンベンチ内で行った。
ラポナイトXLGを添加した後に、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)を0.084g加えること以外は作製例1と同様にして、含水高分子複合体(C’−3)を得た。得られた含水高分子複合体(C’−3)は均一な固体であり、水膨潤性粘土鉱物などの不均一な凝集は観測されなかった。得られた含水高分子複合体(C’−3)を作製例1と同様にして100℃で真空乾燥を行い、その後さらに精製を行って、透明な乾燥した高分子複合体(C−3)を得た。作製例1と同様にしてこの乾燥した高分子複合体(C−3)の引っ張り試験を行ったところ、弾性率3.8MPa、破断強度1.8MPa、破断伸び400%の高い弾性率と破断伸びを示した。
上記作製例3で得られた高分子複合体(C−3)を直径8cmの大きさに切断し、細胞培養基材(C)とした。それを細胞培養用ディッシュ(ベクトン・ディッキンソン・ラブウェア社製「ファルコン3003」)の中に移し替えてから蓋をして37℃で静置した。なお、これらの操作は、すべてクリーンベンチ内で行った。
上記作製例1で得られた乾燥した高分子複合体(C−1)を、作製例1に記載した引っ張り試験と同様の方法で元の長さの30倍まで一軸延伸を行い、高分子複合体延伸物を調製した。高分子複合体延伸物を調製時の残留歪みは110%であった。
上記作製例4で得られた高分子複合体延伸物を直径8cmの大きさに切断し、細胞培養基材(D)とした。それを細胞培養用ディッシュ(ベクトン・ディッキンソン・ラブウェア社製「ファルコン3003」)の中に移し替えてから蓋をして37℃で静置した。なお、これらの操作は、すべてクリーンベンチ内で行った。
水膨潤性粘土鉱物を用いないこと以外は作製例1と同様にして、20℃で20時間重合を行ったところ、白濁した固体の重合物が得られた。この重合物は柔らかいが非常に脆く、またポリスチレン製容器との付着性が強く、ポリスチレン製容器から取り出そうとしたところ、剥離が困難であり、剥離に伴いすぐに破壊された。さらに細かく破壊された重合物を用いて実施例1と同様の方法で精製後、細胞培養用ディッシュに移し替えて、細胞の培養を行ったところ、細胞は重合物には全く接着せず、細胞を培養することは出来なかった。
水膨潤性粘土鉱物を用いないこと、MEAを添加した後、有機架橋材としてN,N’−メチレンビスアクリルアミドをMEAの3モル%添加する以外は作製例1と同様にして、20℃で20時間重合を行ってPMEAの有機架橋物を得た。このPMEAの有機架橋物は白濁した非常に脆いゲルであり、またポリスチレン製容器との付着性が強く、ポリスチレン製容器から取り出そうとしたところ、剥離が困難であり、剥離に伴いすぐに破壊された。さらに細かく破壊されたPMEAの有機架橋物を用いて実施例1と同様の方法で精製後、細胞培養用ディッシュに移し替えて、細胞の培養を行ったところ、細胞はPMEAの有機架橋物には全く接着せず、細胞を培養することは出来なかった。
Claims (4)
- 2−メトキシエチルアクリレート(a)及びN−イソプロピルアクリルアミド(b)を単量体として用いた共重合体(A)中に、水膨潤性粘土鉱物(B)が微分散している高分子複合体(C)を用い、
前記2−メトキシエチルアクリレート(a)に対するN−イソプロピルアクリルアミド(b)のモル比((b)/(a))が0.5以下である、細胞培養基材。 - 保持温度0〜25℃における、前記高分子複合体(C)の乾燥状態の重量に対する含水量が30%以上である、請求項1に記載の細胞培養基材。
- 前記水膨潤性粘土鉱物(B)が、水膨潤性合成ヘクトライトである、請求項1又は2に記載の細胞培養基材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の細胞培養基材を使用して、該細胞培養基材が細胞接着性を示す温度条件下で細胞を培養した後、該細胞培養基材の温度を下げ、該細胞培養基材が細胞非接着性を示す温度とすることにより、培養した該細胞を該細胞培養基材から分離することを特徴とする細胞培養方法。
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