JPH10175919A - (メタ)アクリル酸テトラヒドロベンジルの製造法 - Google Patents
(メタ)アクリル酸テトラヒドロベンジルの製造法Info
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- JPH10175919A JPH10175919A JP35373396A JP35373396A JPH10175919A JP H10175919 A JPH10175919 A JP H10175919A JP 35373396 A JP35373396 A JP 35373396A JP 35373396 A JP35373396 A JP 35373396A JP H10175919 A JPH10175919 A JP H10175919A
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Abstract
ことにより、反応効率を向上させた(メタ)アクリル酸
テトラヒドロベンジルの製造方法を提供する。 【解決手段】 テトラヒドロベンジルアルコールと(メ
タ)アクリル酸とをエステル化反応させる際、下記のA
群またはB群から選ばれるいずれか1種以上の化合物を
重合禁止剤として使用すると共に分子状酸素含有ガスを
導入し、次いで得られた反応粗液を精製蒸留する際、下
記のA群またはB群から選ばれるいずれか1種以上の化
合物を重合禁止剤として使用すると共に分子状酸素含有
ガスを導入することを特徴とする(メタ)アクリル酸テ
トラヒドロベンジルの製造法。 A群:キノン類、ヒンダードフェノール類、ニトロソア
ミン類、フェニレンジアミン類、 B群:フェノチアジン化合物、ヒドロキシアミン類、ジ
チオカルバミン酸銅、ジチオカルバミン酸鉄
Description
状酸素含有ガスを併用することにより、反応効率を向上
させた(メタ)アクリル酸テトラヒドロベンジルの製造
方法に関する。
カルまたは紫外線もしくは放射線照射により容易に重合
するため、塗料、レンズもしくは繊維等の原料として、
または接着剤等として広く使用されている。これらは一
般的に、対応するアルコールと(メタ)アクリル酸から
直接エステル化する方法、あるいは対応するアルコール
と(メタ)アクリル酸メチル等の入手しやすい(メタ)
アクリル酸エステルとのエステル交換反応によって製造
される。
ンジルは、ブタジエンとアクロレインのディールスアル
ダー反応およびホルミル基の部分水素化によって合成さ
れたテトラヒドロベンジルアルコールの(メタ)アクリ
ル酸エステルであり、分子内に反応性の異なる2個の二
重結合を有する為、樹脂改質剤、架橋剤、塗料原料など
に利用することのできる有用な化合物である。その製法
としては、例えば、英国特許2253208に、テトラ
ヒドロベンジルアルコールとメタクリル酸を硫酸触媒存
在下に無溶媒、80℃で直接エステル化する方法が開示
されている。この方法によれば、収率85%(アルコー
ル基準)で目的化合物であるメタクリル酸テトラヒドロ
ベンジルが得られる。
国特許2253208の方法は、メタクリル酸をテトラ
ヒドロベンジルアルコールに対して2モル倍使用し、ま
た、反応によって生じた水を除去する際に、原料である
メタクリル酸を水と共に蒸留塔塔頂から留出させるもの
である。従って、メタクリル酸の消費量が多く、かつ排
水のCOD負荷をも大きくする。さらに精製の際の圧力
が2mmHgといった高真空であり、工業的に製造する
には現実的ではない。
テル交換法によるメタクリル酸テトラヒドロベンジルの
製造方法が開示されているが、この方法によっても精製
時における圧力が0.3mmHgと高真空であり、工業
的製造には困難である。
クリル酸テトラヒドロベンジルの製造におけるエステル
化反応に際し、特定の重合禁止剤を使用し、分子状酸素
含有ガスを併用することにより、上記問題点を解決し得
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
アルコールと(メタ)アクリル酸とをエステル化反応さ
せる際、下記のA群から選ばれるいずれか1種以上の化
合物またはB群から選ばれるいずれか1種以上の化合物
を重合禁止剤として使用すると共に分子状酸素含有ガス
を導入し、次いで得られた反応粗液を精製蒸留する際、
下記のA群から選ばれるいずれか1種以上の化合物また
はB群から選ばれるいずれか1種以上の化合物を重合禁
止剤として使用すると共に分子状酸素含有ガスを導入す
ることを特徴とする(メタ)アクリル酸テトラヒドロベ
ンジルの製造方法を提供するものである。 A群:キノン類、ヒンダードフェノール類、ニトロソア
ミン類、フェニレンジアミン類、 B群:フェノチアジン化合物、一般式RR’NOH(R
およびR’は各々水素原子、アルキル基またはアリール
基であり、同一でも異なっていてもよい)で表されるヒ
ドロキシアミン類、一般式Cu(S2CNR2)2(R
は、アルキル基またはアリール基)で示されるジチオカ
ルバミン酸銅、Fe(S2CNR2)3(Rは、アルキル
基またはアリール基)で示されるジチオカルバミン酸
鉄。また、テトラヒドロベンジルアルコールと(メタ)
アクリル酸とをエステル化反応させる際、下記のA群か
ら選ばれるいずれか1種以上の化合物またはB群から選
ばれるいずれか1種以上の化合物を重合禁止剤として使
用すると共に分子状酸素含有ガスを導入し、次いで得ら
れた反応粗液を精製蒸留する際、下記のA群から選ばれ
るいずれか1種以上の化合物またはB群から選ばれるい
ずれか1種以上の化合物を重合禁止剤として使用すると
共に分子状酸素含有ガスを導入することを特徴とする
(メタ)アクリル酸テトラヒドロベンジルの製造方法を
提供するものである。加えて、テトラヒドロベンジルア
ルコールと(メタ)アクリル酸とをエステル化反応させ
る際、下記のA群から選ばれるいずれか1種以上の化合
物を重合禁止剤として使用すると共に分子状酸素含有ガ
スを導入し、次いで得られた反応粗液を精製蒸留する
際、下記B群から選ばれるいずれか1種以上の化合物を
重合禁止剤として使用すると共に分子状酸素含有ガスを
導入することを特徴とする(メタ)アクリル酸テトラヒ
ドロベンジルの製造方法を提供するものである。 A群:ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテ
ル、ベンゾキノン、3,5−ジターシャリーブチル−4
−ヒドロキシトルエン、N−ニトロソジフェニルアミ
ン、N,N’−ジフェニルフェニレンジアミン、 B群:フェノチアジン、Cu〔S2CN(CH3)2〕2、
Cu〔S2CN(C2H5)2〕2、Cu〔S2CN(C
3H7)2〕2、Fe〔S2CN(CH3)2〕3、(C2H5)
2NOH。以下、本発明を詳細に説明する。
アルコールと(メタ)アクリル酸とをエステル化させる
際、重合禁止剤として下記A群から選ばれるいずれか1
種以上の化合物またはB群から選ばれるいずれか1種以
上の化合物を使用すると共に、分子状酸素含有ガスを導
入することを特徴とする。尚、反応系には触媒を存在さ
せ、炭素数10以下の炭化水素を脱水溶媒として使用し
て共沸蒸留により脱水しながらエステル化反応をさせる
ことが好ましい。
剤を以下に示す。 A群:ヒドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、ベンゾキノン等のキノン類、3,5−ジターシャリ
ーブチル−4−ヒドロキシトルエン等のヒンダードフェ
ノール類、N−ニトロソジフェニルアミン等のニトロソ
アミン類、N,N’−ジフェニルフェニレンジアミン等
のフェニレンジアミン類。 B群:フェノチアジン骨格を有する化合物、一般式R
R’NOH(RおよびR’は各々水素原子、アルキル基
またはアリール基であり、同一でも異なっていてもよ
い)で表されるヒドロキシアミン類、一般式Fe(S2
CNR2)3、Cu(S2CNR2)2(共に、Rはアルキ
ル基またはアリール基)で示される化合物。B群の化合
物として具体的には、フェノチアジン、(C2H5)2N
OH、Cu〔S2CN(CH3)2〕2、Cu〔S2CN
(C2H5)2〕2、Cu〔S2CN(C3H7)2〕2、Fe
〔S2CN(CH3)2〕3等のジチオカルバミン酸銅また
はジチオカルバミン酸鉄が例示できる。エステル化反応
時に使用する重合禁止剤としては、これらの中でもA群
のヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ベ
ンゾキノン、3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒド
ロキシトルエン、N−ニトロソジフェニルアミン、N,
N’−ジフェニルフェニレンジアミン、B群のフェノチ
アジン、(C2H5)2NOH、Cu〔S2CN(C
H3)2〕2、Cu〔S2CN(C2H5)2〕2、Cu〔S2
CN(C3H7)2〕2、Fe〔S2CN(CH3)2〕3であ
ることが好ましい。本発明ではA群の化合物、特にヒド
ロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、3,5−
ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシトルエンを使用
することが好ましい。これらは水相に抽出されにくいた
め、エステル化反応後に反応粗液を水洗した場合に重合
禁止剤が系外に除去されず、目的生成物たる(メタ)ア
クリル酸テトラヒドロベンジルの精製蒸留液中において
重合防止効果を発揮し得るからである。使用する重合禁
止剤の濃度は、原料たるテトラヒドロベンジルアルコー
ルと(メタ)アクリル酸の総重量に対し10〜1000
0ppmの範囲であることが好ましく、特には100〜
1000ppmであることが好ましい。10ppmより
低濃度では重合防止効果が不十分となる場合がある。一
方、10000ppmより高濃度では、重合防止効果は
十分であるが、不経済である。
ら選ばれる1種以上の化合物またはB群から選ばれるい
ずれか1種以上の化合物を、分子状酸素含有ガスの導入
とともに使用する。分子状酸素含有ガスの仕込量は、爆
発性混合気を形成しない濃度で仕込むことが好ましい。
反応粗液に導入する分子状酸素含有ガスとしては、酸素
ガスを窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素等の不活
性ガスで任意の濃度に希釈したものを使用することがで
きる。一般的には、空気または空気を窒素で希釈して酸
素濃度を調整したものを使用することができる。分子状
酸素ガスの併用により重合防止効果が高められる。
の原料として、テトラヒドロベンジルアルコールと(メ
タ)アクリル酸とを使用する。仕込比率は、テトラヒド
ロベンジルアルコール1モルに対し、(メタ)アクリル
酸を0.9〜1.1モル使用することが好ましく、より
好ましくは0.9〜1.0モルの範囲である。この範囲
で、十分エステル化反応が進行するからである。なお、
原料アルコールの比率を(メタ)アクリル酸よりも高く
使用すれば、最も重合しやすい(メタ)アクリル酸がエ
ステル化反応終了時に反応液中に残存せず、より好まし
い。
等の無機酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、
トリフルオロメタンスルホン酸、強酸性イオン交換樹脂
等の有機酸が例示できる。これらの中でも特にトルエン
スルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸等のスルホン酸が好ましい。触媒の使用量は、
テトラヒドロベンジルアルコールに対して0.1〜10
モル%の範囲、さらには1〜5モル%の範囲で使用する
事がより好ましい。0.1モル%より少ないと、反応速
度が低下し生産性を低下させるため好ましくない。その
一方、10モル%を越えると、反応装置の腐食、原料及
び製品の酸化などによる副生物の発生量の増加を生じ
る。更に、水洗によって触媒を除去する場合、触媒除去
のために必要な水の量の増加とそれに伴う排水量の増加
などの問題が生じる。
用し共沸蒸留によりエステル化することが好ましい。エ
ステル化に際し生じた水分を分離することができるから
である。炭素数10以下の炭化水素としては、具体的に
は、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の飽和炭化水素、
シクロヘキセン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン等の芳香族
単環炭化水素が例示できる。これらの中でも価格、反応
粗液の排水中の(メタ)アクリル酸濃度等から、n−ヘ
キサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンを使用す
ることが好ましい。
アルコールと(メタ)アクリル酸、触媒、脱水溶媒およ
び重合禁止剤を一括して反応器内へ仕込む方法や、エス
テル化反応中最も重合しやすい(メタ)アクリル酸を反
応器内に後から仕込む方法を使用することができる。
(メタ)アクリル酸を後から仕込む方法によれば、反応
液中の(メタ)アクリル酸濃度を低くすることができ、
また、(メタ)アクリル酸テトラヒドロベンジルの重合
を抑制することができるため、より好ましい。
特には60〜90℃の条件で行うことが好ましい。その
理由は、40℃を下回ると反応速度が低下し生産性がよ
くないからであり、90℃を越えると原料及び生産物の
重合が進行し易くなり弊害が生ずる場合があるからであ
る。
ては、一般的な共沸蒸留のための装置を使用することが
できるが、好ましくは塔頂にデカンターを装着した蒸留
塔、またはモレジュラーシーブなどの脱水剤を充填した
還流液タンクを塔頂に装着した蒸留塔である。その理由
は、反応により生じた水を効果的に除くことができるか
らである。本発明の製造方法では、蒸留塔塔頂部から得
た留出液をデカンターに導き、水層と有機溶媒層に分離
させ、有機溶媒層のみを還流させる。これにより、水分
を反応系から除去することができるからである。
使用した場合には、(メタ)アクリル酸テトラヒドロベ
ンジルを含む反応粗液に含まれる触媒を除去することが
好ましい。触媒の除去方法として、水洗(水抽出)、ア
ルカリ水洗、固体塩基による吸着などの方法が例示でき
る。また、塩基による中和も、触媒として使用した酸を
別の化合物に変換するため、ここにいう触媒除去に該当
する。これらの方法の中でも触媒の再使用が可能である
点から、水洗による触媒除去、または触媒除去効率が高
い点でアルカリ水洗による触媒の除去が好ましい。触媒
の除去は、反応粗液中の触媒濃度を10重量%以下とす
ることが好ましく、より好ましくは1重量%以下とする
ことである。10重量%を越えると、精製時に塔底部で
製品の重合が激しくなり、収率が低下するためである。
る。上記触媒除去処理を施した場合には、処理後の反応
粗液を精製蒸留する。本発明では蒸留の際により高い収
率で(メタ)アクリル酸テトラヒドロベンジルを得るた
め、新たに重合禁止剤を追加する。添加する重合禁止剤
としては、エステル化反応時に使用できる前記A群、B
群のいずれの化合物でも使用することができる。特に、
エステル化反応時にA群の化合物を使用した場合に精製
時に使用する重合禁止剤としては、B群の化合物であっ
て、特にフェノチアジン、Cu〔S2CN(C
H3)2〕2、Cu〔S2CN(C2H5)2〕2、Cu〔S2
CN(C3H7)2〕2、Fe〔S2CN(CH3)2〕3、
(C2H5)2NOHであることが好ましい。精製蒸留の
際にA群の化合物とB群の化合物が共存し、より優れた
重合禁止効果が得られるからである。重合禁止剤の濃度
は、10〜10000ppmであること、特には100
〜1000ppmであることが好ましい。10ppmを
下回ると重合防止効果が低下し、収率が低下する。その
一方、10000ppmを越えると重合防止効果は十分
であるが、製品の製造コストが増加し、経済的でない。
精製時に重合禁止剤を添加することにより、(メタ)ア
クリル酸テトラヒドロベンジルの重合が抑えられるた
め、従来技術のごとく重合禁止剤を使用しない場合と比
べ精製蒸留の圧力を高めることが可能となり、工業的操
作性および経済性に優れた(メタ)アクリル酸テトラヒ
ドロベンジルの製造ができる。
と共に分子状酸素含有ガスの併用を行う。分子状酸素含
有ガスの仕込量は、爆発性混合気を形成しない濃度で仕
込むことが好ましい。反応粗液に仕込まれる分子状酸素
含有ガスとしては、酸素ガスを窒素、ヘリウム、アルゴ
ン、二酸化炭素等の不活性ガスで任意の濃度に希釈した
ものを使用することができる。一般的には、空気または
空気を窒素で希釈して酸素濃度を調整したものを使用す
ることができる。分子状酸素ガスの併用によりより高い
重合防止効果が得られる。
g、特には10〜100mmHgであることが好まし
い。その理由は、この範囲であれば工業的な実施が容易
だからであり、かつ精製時に重合が進行しない塔底部温
度に調整できるからである。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお
「%」は、特に示す場合を除くほか「重量%」を示す。
オールダーショウ塔(内径4cm、ガラス製)を具備し
た2リットル丸底フラスコに、テトラヒドロベンジルア
ルコール449g(4モル)とn−ヘキサン346g、
触媒として70%メタンスルホン酸27.5g(0.2
モル)、重合禁止剤としてヒドロキノンモノメチルエー
テル1.15g、3,5−ジターシャリーブチル−4−
ヒドロキシトルエン1.15gを仕込んだ。反応液中に
キャピラリーチューブを通じて空気を0.1リットル/
hの速度でバブリングさせた。フラスコをオイルバスで
加熱し、反応液を沸騰させ全還流とした。この時n−ヘ
キサンが還流し、塔頂温度は約64℃であった。次いで
メタクリル酸327.7g(3.8モル)を反応液中に
5hかけて滴下した。塔頂に装着したデカンターには加
熱前にあらかじめn−ヘキサン85gを仕込んでおき、
上層のみ還流させ、滴下終了後3hさらに還流を続け
た。底部温度はメタクリル酸滴下開始直後は75℃であ
ったが、徐々に上昇し最終的に86℃まで上昇した。加
熱終了後、反応粗液をガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、メタクリル酸テトラヒドロベンジルが680
g(3.77モル)生成していた。又、デカンターの下
層重量は70.3gであり、0.1モル/リットルBu
4N+OH-を使用した電位差滴定により分析した結果、
メタクリル酸の含有量は、0.07%(0.049g)
であった。 (触媒の除去)得られた反応粗液1100gを2リット
ルのセパラブルフラスコに仕込み、40℃に加熱した。
そこへ水110g仕込み、10分間攪拌した後1h静置
した。静置後、上層下層を分離(上層:有機層1083
g、下層:水層127g)した。電位差滴定により分析
した結果、上層のメタンスルホン酸濃度は、0.03%
(0.32g)であった。反応時に仕込んだ触媒の9
8.3%が除去されていることが確認できた。 (精製)5段のオールダーショウ塔(内径4cm、ガラ
ス製)を具備した2リットル丸底フラスコに、触媒除去
処理をした反応粗液1083g、及び重合禁止剤として
Cu〔S2CN(CH3)2〕2を0.35g仕込み減圧下
で精製を行った。精製蒸留の間、反応液中にキャピラリ
ーチューブを通じて空気を0.1リットル/hの速度で
バブリングさせた。塔頂圧力300mmHg、還流比1
で底部温度が100℃になるまでn−ヘキサンを回収
し、次いで塔頂圧力100mmHg、還流比1で底部温
度が100℃になるまでn−ヘキサンを回収した。その
後、塔頂圧力30mmHg(底部圧力40mmHg)、
還流比5で初留として未反応のテトラヒドロベンジルア
ルコールと若干量のメタクリル酸テトラヒドロベンジル
(仕込みメタクリル酸テトラヒドロベンジルの4%)を
回収した。初留回収後、還流比0.5で底部温度が15
0℃になるまで蒸留し、メタクリル酸テトラヒドロベン
ジル(GC純度99.3%)547.8g(精製収率8
0%)を得た。初留として原料と共に回収されたメタク
リル酸テトラヒドロベンジルは、原料としてリサイクル
できるため、事実上の精製収率は84%となる。
反応、触媒除去処理、精製を行い、精製時に使用する重
合禁止剤をCu〔S2CN(CH3)2〕2からフェノチア
ジン0.7gに変更し、塔頂圧力30mmHg、塔底圧
力40mmHgで精製を行った。その結果、メタクリル
酸テトラヒドロベンジル(GC純度99.3%)48
9.6g(精製収率71.5%)を得た。初留として原
料と共に回収されたメタクリル酸テトラヒドロベンジル
は、仕込みメタクリル酸テトラヒドロベンジルの3.7
%であったため、事実上の精製収率は75.1%であっ
た。
て、メタクリル酸を、アクリル酸273.8g(3.8
モル)に変更して反応を行った。加熱終了後、反応粗液
をガスクロマトグラフィーで分析したところ、アクリル
酸テトラヒドロベンジルが628g(3.78モル)生
成していた。又、電位差滴定により分析した結果、アク
リル酸含有量は、0.95%(0.67g)であった。
実施例1と同じ条件で水洗により触媒の除去を行った。
電位差滴定により分析した結果、上層のメタンスルホン
酸濃度は、0.015%(0.19g)であった。反応
時に仕込んだ触媒の99.0%が除去されていることが
確認できた。次いで実施例1と同じ条件で精製を行っ
た。その結果、主留としてアクリル酸テトラヒドロベン
ジル(GC純度99.2%)507.7g(精製収率8
0.2%)を得た。初留として原料と共に回収したアク
リル酸テトラヒドロベンジルは、仕込んだアクリル酸テ
トラヒドロベンジルの4.9%であったので、事実上の
アクリル酸テトラヒドロベンジルの精製収率は85.1
%であった。
ル化反応、触媒除去処理を行い、精製時に使用する重合
禁止剤をCu〔S2CN(CH3)2〕2からフェノチアジ
ン0.7gに変更し、塔頂圧力30mmHg、塔底圧力
40mmHgで精製を行った。その結果、主留としてア
クリル酸テトラヒドロベンジル(GC純度99.2%)
463.4g(精製収率73.2%)を得た。初留とし
て原料と共に回収したアクリル酸テトラヒドロベンジル
は、仕込んだアクリル酸テトラヒドロベンジルの5.4
%であったので、事実上のアクリル酸テトラヒドロベン
ジルの精製収率は78.6%であった。
テル化反応、触媒除去処理、n−ヘキサンの回収(10
0mmHg)を行い、次いで精製蒸留時の反応粗液の加
熱の際の重合禁止剤の効果をみるため、残りの反応粗液
に表−1に従い重合禁止剤を添加し、空気を0.1リッ
トル/hの速度でバブリングしながら常圧下140℃で
加熱した。加熱後、粗アクリル酸テトラヒドロベンジル
をガラス繊維濾紙に吸収させ、5mmHg、120℃で
1時間減圧乾燥を行いアクリル酸テトラヒドロベンジル
の重合物の濃度を測定した。試料1〜9で使用したn−
ヘキサンを回収した反応粗液は全て同一のサンプルであ
り、高速液体クロマトグラフィー分析により、反応の際
に使用した重合禁止剤についてはヒドロキノンモノメチ
ルエーテルの1%が消失しているのみで、反応に使用し
た大部分の重合禁止剤が残存していることが確認されて
いる。
反応、触媒除去処理を行い、精製時に使用する重合禁止
剤を使用せず、塔頂圧力30mmHg、塔底圧力40m
mHgで精製を行った。その結果、メタクリル酸テトラ
ヒドロベンジル(GC純度99.3%)498.5g
(精製収率58.9%)を得た。初留として原料と共に
回収されたメタクリル酸テトラヒドロベンジルは、仕込
みメタクリル酸テトラヒドロベンジルの4.9%であっ
たため、事実上の精製収率は63.8%であった。
ル化反応、触媒除去処理を行い、精製時に重合禁止剤と
してCu〔S2CN(CH3)2〕2を添加せず、塔頂圧力
30mmHg、塔底圧力40mmHgで精製を行った。
その結果、主留としてアクリル酸テトラヒドロベンジル
(GC純度99.2%)431.1g(精製収率68.
1%)を得た。初留として原料と共に回収したアクリル
酸テトラヒドロベンジルは、仕込んだアクリル酸テトラ
ヒドロベンジルの5.1%であったので、事実上のアク
リル酸テトラヒドロベンジルの精製収率は73.2%で
あった。
よび精製蒸留の際に重合禁止剤を分子状酸素の導入と共
に使用することにより、反応効率を向上させ(メタ)ア
クリル酸テトラヒドロベンジルを製造方法することがで
きる。精製時の重合禁止剤の使用により、工業的に実施
可能な条件で(メタ)アクリル酸テトラヒドロベンジル
を製造することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 テトラヒドロベンジルアルコールと(メ
タ)アクリル酸とをエステル化反応させる際、下記のA
群から選ばれるいずれか1種以上の化合物またはB群か
ら選ばれるいずれか1種以上の化合物を重合禁止剤とし
て使用すると共に分子状酸素含有ガスを導入し、次いで
得られた反応粗液を精製蒸留する際、下記のA群から選
ばれるいずれか1種以上の化合物またはB群から選ばれ
るいずれか1種以上の化合物を重合禁止剤として使用す
ると共に分子状酸素含有ガスを導入することを特徴とす
る(メタ)アクリル酸テトラヒドロベンジルの製造方
法。 A群:キノン類、ヒンダードフェノール類、ニトロソア
ミン類、フェニレンジアミン類、 B群:フェノチアジン化合物、一般式RR’NOH(R
およびR’は各々水素原子、アルキル基またはアリール
基であり、同一でも異なっていてもよい)で表されるヒ
ドロキシアミン類、一般式Cu(S2CNR2)2(R
は、アルキル基またはアリール基)で示されるジチオカ
ルバミン酸銅、Fe(S2CNR2)3(Rは、アルキル
基またはアリール基)で示されるジチオカルバミン酸鉄 - 【請求項2】 テトラヒドロベンジルアルコールと(メ
タ)アクリル酸とをエステル化反応させる際、下記のA
群から選ばれるいずれか1種以上の化合物またはB群か
ら選ばれるいずれか1種以上の化合物を重合禁止剤とし
て使用すると共に分子状酸素含有ガスを導入し、次いで
得られた反応粗液を精製蒸留する際、下記のA群から選
ばれるいずれか1種以上の化合物またはB群から選ばれ
るいずれか1種以上の化合物を重合禁止剤として使用す
ると共に分子状酸素含有ガスを導入することを特徴とす
る(メタ)アクリル酸テトラヒドロベンジルの製造方
法。 A群:ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテ
ル、ベンゾキノン、3,5−ジターシャリーブチル−4
−ヒドロキシトルエン、N−ニトロソジフェニルアミ
ン、N,N’−ジフェニルフェニレンジアミン、 B群:フェノチアジン、Cu〔S2CN(CH3)2〕2、
Cu〔S2CN(C2H5)2〕2、Cu〔S2CN(C
3H7)2〕2、Fe〔S2CN(CH3)2〕3、(C2H5)
2NOH - 【請求項3】 テトラヒドロベンジルアルコールと(メ
タ)アクリル酸とをエステル化反応させる際、下記のA
群から選ばれるいずれか1種以上の化合物を重合禁止剤
として使用すると共に分子状酸素含有ガスを導入し、次
いで得られた反応粗液を精製蒸留する際、下記B群から
選ばれるいずれか1種以上の化合物を重合禁止剤として
使用すると共に分子状酸素含有ガスを導入することを特
徴とする(メタ)アクリル酸テトラヒドロベンジルの製
造方法。 A群:ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテ
ル、ベンゾキノン、3,5−ジターシャリーブチル−4
−ヒドロキシトルエン、N−ニトロソジフェニルアミ
ン、N,N’−ジフェニルフェニレンジアミン、 B群:フェノチアジン、Cu〔S2CN(CH3)2〕2、
Cu〔S2CN(C2H5)2〕2、Cu〔S2CN(C
3H7)2〕2、Fe〔S2CN(CH3)2〕3、(C2H5)
2NOH
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JP35373396A JPH10175919A (ja) | 1996-12-18 | 1996-12-18 | (メタ)アクリル酸テトラヒドロベンジルの製造法 |
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JP35373396A JPH10175919A (ja) | 1996-12-18 | 1996-12-18 | (メタ)アクリル酸テトラヒドロベンジルの製造法 |
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JPH10175919A true JPH10175919A (ja) | 1998-06-30 |
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JP35373396A Pending JPH10175919A (ja) | 1996-12-18 | 1996-12-18 | (メタ)アクリル酸テトラヒドロベンジルの製造法 |
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---|---|
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- 1996-12-18 JP JP35373396A patent/JPH10175919A/ja active Pending
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