JP5935477B2 - 骨髄由来細胞の培養方法 - Google Patents

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Description

本発明は、骨髄由来細胞を培養するための細胞培養基材であって、水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)の重合体(A)と無機材料(C)とを含有する細胞培養基材、骨髄由来細胞の培養方法、及びそれによって得られる培養骨髄由来細胞に関する。
従来、動物組織等の細胞培養基材としては、主にプラスチック(例えばポリスチレン)製容器が使用されてきた。これら容器は、細胞培養を有効に行うために、その表面にプラズマ処理や、シリコンや細胞接着因子等のコーティングなどの表面処理が施されている。これら細胞培養容器の培養性が細胞の種類により異なる。例えば骨髄由来間葉系細胞の場合、細胞の増殖が非常に遅く、特に培地中に血清を入れない場合、細胞が殆ど増殖しない。一方、増殖できる細胞例えば線維芽細胞などについては、培養(増殖)した細胞が容器表面に接着しており、細胞を単離・回収するためには、トリプシン等のタンパク質加水分解酵素や化学薬品、物理的操作を用いて、容器表面から剥離する必要があった。このような酵素や化学薬品、物理的操作により細胞を剥離する操作は、細胞と基材の結合部分が切断されるだけではなく、細胞同士の結合も切断されるため、細胞を増殖している形状(例えばシート状)のままで取り出すことができなかったり、細胞の基底タンパクがダメージを受けたりして、予期せぬ細胞の性質変化を引き起こす可能性があった。
近年、細胞培養容器の表面にポリN−置換(メタ)アクリルアミドのような下限臨界溶解温度(LCST)を有するポリマーを極薄く被覆した基材を使用して、細胞培養温度ではポリマーが疎水性状態を示し細胞がポリマーに接着し、培養後にポリマーを低温処理して親水性状態にすることにより、細胞とポリマーとの接着性を低下させ、細胞を加水分解酵素や化学薬品を使用せずに基材から細胞をシート状に剥離する技術が報告されている(例えば特許文献1及び2、非特許文献1参照)。
しかし、このような培養基材は放射線(例えばγ線)滅菌処理を行うと、LCSTを有するポリマーの温度応答性が大きく低下してしまい、本来の細胞の剥離しやすさが無くなる問題があった。
一方、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a)を含むモノマーの重合体(P)と、水膨潤性粘土鉱物(B)とが三次元網目を形成してなる有機無機複合体粒子(X)の分散液を乾燥してなる有機無機複合体(X)の乾燥皮膜を表面に有する細胞培養基材が開示されている(例えば特許文献3参照)。
しかし、上記従来文献においては、骨髄由来細胞の培養及び剥離方法に関する具体的手段は開示されていない。
特公平6−104061 特開平5−192138 特許第4430124
大和雅之、岡野光夫「ナノバイオテクノロジーの最前線」第6章、P.340−P.347、シーエムシー出版(2003年出版)
本発明が解決しようとする課題は、培養基材表面と骨髄由来細胞間の接着力を制御し、高い培養(増殖)性と、培養後の低温処理による高い剥離性を有する骨髄由来細胞の培養基材、骨髄由来細胞の培養方法、及び培養骨髄由来細胞を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)の重合体(A)と、無機材料(C)とを含有する細胞培養基材、及び水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)の重合体(A)と、N−置換(メタ)アクリルアミドの重合体(B)と、無機材料(C)とを含有する細胞培養基材の上では、骨髄由来細胞が優れた増殖性を有し、また、上記培養基材を用いた場合、基材表面と細胞間の接着力を低く維持しながら、骨髄由来細胞を培養することができ、更に、培養後低温処理により、骨髄由来細胞を基材表面から容易に剥離できる、骨髄由来細胞の培養方法を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、骨髄由来細胞を培養するための細胞培養基材であって、
水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)の重合体(A)と、水膨潤性粘土鉱物及びシリカから選択される1種以上の無機材料(C)とを含有することを特徴とする骨髄由来細胞培養用細胞培養基材を提供する。
また、本発明は、更に、N−置換(メタ)アクリルアミドの重合体(B)を含有する上記の骨髄由来細胞培養用細胞培養基材を提供する。
また、本発明は、水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)の重合体(A)と、水膨潤性粘土鉱物及びシリカから選択される1種以上の無機材料(C)とを含有する細胞培養基材の上で、骨髄由来細胞を培養し、次いで培養細胞を基材から剥離することを特徴とする骨髄由来細胞の培養方法であって、
前記重合体(A)と、前記無機材料(C)との質量比((C)/(A))が、0.03〜0.7の範囲にある骨髄由来細胞の培養方法を提供する。
また、本発明は、前記細胞培養基材が、更に、N−置換(メタ)アクリルアミドの重合体(B)を含有する骨髄由来細胞の培養方法を提供する。
本方法では、前記重合体(A)と重合体(B)との質量比((B)/(A))が、0.01〜0.7の範囲にあることが好ましい。
また、本発明は、前記培養方法で製造された骨髄由来細胞を提供する。
本発明の細胞培養基材の最大の特徴は、上記無機材料(C)の構成部分が骨髄由来細胞の増殖を担い、水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)の重合体(A)が細胞に対して低接着性を付与し、更に、N−置換(メタ)アクリルアミドの重合体(B)は温度変化による骨髄由来細胞の剥離を担うことにある。それぞれの部分を骨髄由来細胞の増殖、剥離の状況に応じてそれぞれ単独に調節できることにある。例えば、培養時(37℃)、骨髄由来細胞が培養表面との間弱い接着性を維持しながら、高い増殖能で増殖し、培養終了後、温度を30℃以下に下げることにより(例えば室温)、重合体(B)の部分がより高い親水性を示し、培養表面と細胞間の接着力が更に弱くなり、細胞が容易に剥離することができる。また、水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)の重合体(A)と細胞との間の接着性が十分に弱い場合、重合体(B)を配合しなくても、培地の低温処理で、両者間の接着性が更に弱くなり、骨髄由来細胞を容易に剥離・回収することができる(実施例1、9を参照)。ここでいう骨髄由来細胞とは、ヒトまたはその他の動物の骨髄由来の細胞および不死化骨髄由来細胞のことをいう。
本発明の細胞培養基材のもう一つの特徴は、培養時動物由来の血清を使用しなくても、骨髄由来細胞に対し、高い増殖性を有し、また、培養後、薬剤(タンパク質分解酵素)を使用することなく、低温処理のみで、培養細胞を容易に基材表面から剥離し、細胞にダメージを与えずに、高い収率で細胞を回収することができることにある。
重合体(A)は主にイオン結合や水素結合などにより無機材料(C)と相互作用し結合している。この結合力は強く、容易にポリマーと無機材料(C)を引き離すことはできない。
本発明の骨髄由来細胞の培養方法は、細胞と培養表面の間に弱い接着力を維持しながら、高い増殖能を有し、培養した細胞を、薬剤(トリプシン等)を使用することなく、細胞を容易に培養基材表面から剥離、回収できる特徴を有する。
また、本培養方法に用いられる培養基材は、γ線や電子線などの放射線滅菌が可能である特徴を有する。
モノマー(a)の使用により、骨髄由来細胞の初期接着性を低く維持でき、細胞増殖性と剥離性が良好な細胞培養基材が得られる。また、水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)は、これらの細胞培養基材をポリスチレンなどのプラスチック製基材等の支持体の表面に積層させる場合は、両者間の接着性が強く、製造が簡便にできる特徴も持っている。
水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)としては、実質的に水に溶解し、重合時に水膨潤性粘土鉱物(B)を微分散しうるものであり、例えばメトキシエチルアクリレート(MEA)、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。本発明の水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)から得られる重合体は、これら(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる単独モノマーの重合体または複数モノマーの共重合体を含む。
また、培養性や物性に影響を及ぼさない程度に、必要に応じてその他の共重合モノマーとして、例えば、スルホン基やカルボキシル基のようなアニオン基を有するアクリル系モノマー、4級アンモニウム基のようなカチオン基を有するアクリル系モノマー、4級アンモニウム基と燐酸基とを持つ両性イオン基を有するアクリル系モノマー、カルボキシル基とアミノ基とをもつアミノ酸残基を有するアクリル系モノマー、糖残基を有するアクリル系モノマー、また、水酸基を有するアクリル系モノマー、更にポリエチレングリコールのような親水性鎖とノニルフェニル基のような疎水基を合わせ持つ両親媒性アクリル系モノマー、N−置換(メタ)アクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換(メタ)アクリルアミド誘導体、N,N’−メチレンビスアクリルアミドなどを併用することができる。
N−置換(メタ)アクリルアミド誘導体として、より具体的には、アルキル基の炭素数が1以上のアルキル(メタ)アクリルアミドであり、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−シクロプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−エチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリディン、N−アクリロイルピペリディン、N−アクリロイルモルフォリン、N−アクリロイルメチルホモピペラジン、N−アクリロイルメチルピペラジンまたはN−メチルメタクリルアミド等が挙げられる。
本発明に用いる無機材料(C)は、水膨潤性粘土鉱物及びシリカから選択される1種以上の無機材料である。水膨潤性粘土鉱物としては、層状に剥離可能な水膨潤性粘土鉱物が挙げられ、好ましくは水または水と有機溶剤との混合溶液中で膨潤し均一に分散可能な粘土鉱物、特に好ましくは水中で分子状(単一層)またはそれに近いレベルで均一分散可能な無機粘土鉱物が用いられる。具体的にはナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリライト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性合成雲母、等が挙げられる。これらの粘土鉱物を混合して用いても良い。
本発明に用いるシリカ(SiO)としては、コロイダルシリカが挙げられ、好ましくは水溶液中で均一に分散可能で、粒径が10nm〜500nmのコロイダルシリカ、特に好ましくは粒径が10〜50nmのコロイダルシリカが用いられる。
本発明の細胞培養基材において、水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)の重合体(A)とN−置換(メタ)アクリルアミドの重合体(B)との質量比((B)/(A))が、0.01〜0.7であることが好ましく、0.03〜0.5がより好ましく、0.1〜0.3が特に好ましい。質量比((B)/(A))がこの範囲であると、骨髄由来細胞に対し良好な培養性と高い剥離性を兼ね備えることができ、好ましい。
また、本発明の細胞培養基材において、重合体(A)と無機材料(C)との質量比((C)/(A))が、0.03〜0.7であることが好ましく、0.05〜0.3がより好ましく、0.07〜0.1が特に好ましい。質量比((C)/(A))がこの範囲であると、骨髄由来細胞に対し良好な培養性と高い剥離性を兼ね備えることができ、好ましい。
更に、本発明の細胞培養基材で培養した骨髄由来細胞を、培地温度を30℃以下に下げ、静置して、細胞を自然に剥離させることもできるし、または培地温度を30℃以下に下げた後、以下に列挙した方法と併用して、細胞を容易に剥離させることもできる。
(1)培養容器内の培地を軽く揺らして細胞を剥離させる方法。
(2)ピペットで培地を吸ったり出したりするピペッティング操作で剥離させる方法。
(3)ガラス棒、ピペットの先や、ゴムヘラ等を細胞シートと細胞培養基材間に差し込んで、細胞シートを持ち上げるように剥離させる方法、
(4)ストロー状の器材で吸引しながら剥離させる方法等がある。
本発明の培養方法で製造された骨髄由来細胞は、トリプシンなどのタンパク質分解酵素を使用しないため、細胞の基底タンパクがダメージを受けず、生体内の細胞形態により近い状態にあり、細胞活性も高く、移植後の定着性や治癒性が高いと考えられる。
本発明の培養基材の製造方法は、水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)重合体(A)とN−置換(メタ)アクリルアミドの重合体(B)が、無機材料(C)と相互作用し、有機無機複合体を形成できるものであれば、特に限定されない。例えば、水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)と前記無機材料(C)および重合開始剤(D)とを混合した水媒体(E)を支持体に塗布して、前記水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)を重合させることにより、重合体(A)と前記無機材料(C)との複合体(X)の薄層を形成する製造方法が挙げられる。
前記製造方法に用いる水媒体(E)は、モノマー(a)や無機材料(C)などを含むことができ、重合によって、物性のよい有機無機複合体が得られれば良く、特に限定されない。例えば水、または水と混和性を有する溶剤及び/またはその他の化合物を含む水溶液であってよく、その中には更に、必要に応じて防腐剤や抗菌剤、抗生物質、着色料、香料、酵素、たんぱく質、コラーゲン、糖類、アミノ酸類、ペプチド類、DNA類、塩類、水溶性有機溶剤類、界面活性剤、高分子化合物、レベリング剤などを含むことができる。
本発明に用いられる重合開始剤(D)としては、公知のラジカル重合開始剤を適時選択して用いることができる。好ましくは水溶性または水分散性を有し、系全体に均一に含まれるものが好ましく用いられる。具体的には、重合開始剤として、水溶性の過酸化物、例えばペルオキソ二硫酸カリウムやペルオキソ二硫酸アンモニウム、水溶性のアゾ化合物、例えばVA−044、V−50、V−501(いずれも和光純薬工業株式会社製)の他、Fe2+と過酸化水素との混合物などが例示される。
触媒としては、3級アミン化合物であるN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなどは好ましく用いられる。但し、触媒は必ずしも用いなくてもよい。重合温度は、重合触媒や開始剤の種類に合わせて例えば0℃〜100℃が用いられる。重合時間も数十秒〜数十時間の間で行うことが出来る。
一方、光重合開始剤は、酸素阻害の影響を受けにくく、重合速度が速いため、重合開始剤(D)として好適に用いられる。具体的には、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノンなどのアセトフェノン類、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、2−メチルチオキサントンなどのケトン類、ベンゾインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル類、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのα−ヒドロキシケトン類、メチルベンゾイルホルメートなどのフェニルグリオキシレート類、メタロセン類などが挙げられる。
本工程に用いられる光としては、電子線、γ線、X線、紫外線、可視光などを用いることができるが、中でも装置や取り扱いの簡便さやモノマー(b)の重合と同時に架橋を起こさせない観点から紫外線を用いることが好ましい。照射する紫外線の強度は10〜500mW/cmが好ましく、照射時間は一般に0.1秒〜200秒程度である。通常の加熱によるラジカル重合においては、酸素が重合の阻害因子として働くが、本発明では、必ずしも酸素を遮断した雰囲気で溶液の調製および紫外線照射による重合を行う必要がなく、空気雰囲気でこれらを行うことが可能である。但し、紫外線照射を不活性ガス雰囲気下で行うことによって、更に重合速度を速めることが可能で、望ましい場合がある。
また、本発明の培養基材の第二の製造例としては、水媒体(E)中の前記無機材料(C)の濃度が下記式(1)又は式(2)で表される範囲となるように、前記モノマー(a)と前記無機材料(C)と重合開始剤(D)とを水媒体(E)に混合した後、前記モノマー(a)を重合させることにより重合体(A)と前記無機材料(C)との複合体(X)の分散液(L)を製造する第1工程、
前記分散液(L)を基材に塗布し、その後乾燥することにより前記複合体(X)の薄層を形成する第2工程を順次行なうことを特徴とする細胞培養基材の製造方法が挙げられる。
式(1) Ra<0.19のとき
無機材料(C)の濃度(質量%)<12.4Ra+0.05
式(2) Ra≧0.19のとき
無機材料(C)の濃度(質量%)<0.87Ra+2.17
(式中、無機材料(C)の濃度(質量%)は、無機材料(C)の質量を水媒体(E)と無機材料(C)の合計質量で除して100を掛けた数値、Raは無機材料(C)と重合体(A)との質量比((C)/(A))である。)
無機材料(C)の水媒体に対する濃度(質量%)は式(1)又は式(2)で表される範囲内であると、良好な複合体(X)の分散液(L)が得られ、支持体への塗布が容易で、平滑で均一な薄い塗膜が得られ、好ましい。
本発明の製造方法で製造される分散液(L)は、そのまま使用してもよいし、水洗などによる精製工程を経てから使用してもよい。また該分散液(L)に更にレベリング剤や界面活性剤、ペプチド、たんぱく質、コラーゲン、アミノ酸類、高分子化合物などを添加して使用してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1(参考例1)) 重合体(A)と無機材料(C)からなる培養機材(重合体(B)を含まない)例。
[水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)、無機材料(C)、水媒体(E)を含む反応溶液の調製]
メトキシエチルアクリレート3.2g、無機材料(C)として水膨潤性粘土鉱物Laponite XLG(Rockwood Additives Ltd.社製)0.2g、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(1)を調製した。
[重合開始剤(D)を溶媒(F)に溶解させた溶液の調整]
溶媒(F)として、メタノール9.8g、重合開始剤(D)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン「イルガキュアー184」(チバガイギー社製)0.2gを、均一に混合して溶液(2)を調製した。
[複合体(X)の分散液(L)の調製(第1工程)]
上記反応溶液(1)全量に、溶液(2)を250μl入れ、均一に分散させた後、365nmにおける紫外線強度が40mW/cmの紫外線を180秒照射し乳白色の複合体(X)の分散液(L1)を作製した。
この反応系のRa=0.06、無機材料(C)の濃度(質量%)=0.20(%)<12.4Ra+0.05=0.79
[培養基材(複合体(X)の薄層)の調製(第2工程)]
直径35mmのポリスチレン製シャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)に、上記複合体(X)の分散液(L1)を入れ、スピンコーターを用いて3000回転で該分散液をシャーレの表面に薄く塗布した後、80℃の熱風乾燥器中で10分間乾燥させ、次いで、滅菌水によりシャーレを洗浄した後、滅菌袋中でシャーレを40℃、5時間乾燥させて、細胞培養基材1を得た。
[骨髄由来細胞の培養・回収]
上記得られた細胞培養基材1を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、培地DMEM(10%血清含有)を適量入れ、GFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球を2.0×10個/Dish(3.38cm)播種して、5%二酸化炭素中、37℃で6日間培養を行った。次いで、ディッシュ中の培地及び浮遊している単核球を除いて、予め冷蔵庫で冷やした冷培地を入れ、10分間静置した後、ピペットで培地を吸ったり出したりするピペッティング操作を10回程行ったところ、大部分の骨髄由来細胞が培養基材1の表面から剥離されたことが観察された。自然剥離された骨髄由来細胞を回収し、更にD-PBSと0.25% Trypsin‐EDTAを用いて、ディッシュに残った骨髄由来細胞を剥離回収して、それぞれ回収された細胞の数を計測したところ、低温処理で自然剥離・回収された細胞数は8.6×10個で、Trypsin処理で回収された細胞の数は1.8×10個であった。下記式(5)により低温処理による細胞の回収率を求めたところ、細胞回収率は約82%であった。
式(5) 細胞回収率(%)={低温処理で回収した細胞の数/(低温処理で回収した細胞の数+Trypsin処理で回収した細胞の数)}×100
また、上記培養基材1から回収された骨髄由来細胞の総数(10.4×10個)が、未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)を用いた場合(2.5×10個)の約4.2倍であった。
また、上記低温処理による自然剥離及びトリプシン処理で回収された骨髄由来細胞を、それぞれ顕微鏡で細胞形態が正常であることを確認した。
この実施例より、重合体(A)と無機材料(C)からなる培養基材(重合体(B)を含まない)が、通常のティッシュカルチャデイッシュに比べ、細胞培養性が高く、また、培養基材表面と細胞間の接着性が低く、低温処理のみで細胞が容易に剥離できることが理解できる。
(実施例2) 重合体(A)、(B)と無機材料(C)からなる培養基材例。
[N−置換(メタ)アクリルアミドの重合体(B)の水溶液の調製]
N―イソプロピルアクリルアミド(株式会社興人製)1.7g、水10g、溶液(2)140μl、を混合した後、該溶液を入れるガラス容器の周りを冷却しながら(約10℃)、365nmにおける紫外線強度が40mW/cmの紫外線を180秒照射し、N-イソプロピルアクリルアミドを重合させた後、更に水を5g添加し、重合体(B)の水溶液(PNIPA2)を調製した。DIGITAL VISCOMATE粘度計(MODEL VM-100A、山一電機株式会社製)を用いてこの溶液の粘度を測定して、粘度は368mPa・sであった。測定時の溶液温度は24.2℃であった。
また、Shodex GPC System−21装置(昭和電工株式会社製)で測定した結果、このポリN―イソプロピルアクリルアミドの重量平均分子量Mwは3.40×10であった。測定時の溶媒として10mmol/LのLiBrを含有するN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を使用した。分子量の計算に使用したポリスチレン標準物質としては、STANDARD SH−75とSM−105キット(昭和電工株式会社製)を使用した。
[水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)、無機材料(C)、水媒体(E)を含む反応溶液の調製]
メトキシエチルアクリレート3.2g、無機材料(C)として水膨潤性粘土鉱物Laponite XLG(Rockwood Additives Ltd.社製)0.2g、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(2)を調製した。
[複合体(X)の分散液(L)の調製(第1工程)]
上記反応溶液(2)全量に、前記溶液(2)を250μl入れ、均一に分散させた後、365nmにおける紫外線強度が40mW/cmの紫外線を180秒照射し乳白色の複合体(X)の分散液(L2)を作製した。
この反応系のRa=0.06、無機材料(C)の濃度(質量%)=0.20(%)<12.4Ra+0.05=0.79
[培養基材(複合体(X)の薄層)の調製(第2工程)]
上記分散液(L2)全量に、N―イソプロピルアクリルアミドの重合体(B)の水溶液(PNIPA2)を7g添加し、均一に混合した後、直径35mmのポリスチレン製シャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)に入れ、スピンコーターを用いて3000回転で該分散液をシャーレの表面に薄く塗布した後、80℃の熱風乾燥器中で10分間乾燥させ、次いで、滅菌水によりシャーレを洗浄した後、滅菌袋中でシャーレを40℃、5時間乾燥させて、細胞培養基材2を得た。
[骨髄由来細胞の培養・回収]
上記得られた細胞培養基材2を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、培地DMEM(10%血清含有)を適量入れ、GFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球を2.0×10個/Dish(3.38cm)播種して、5%二酸化炭素中、37℃で6日間培養を行った。次いで、ディッシュ中の培地及び浮遊している単核球を除いて、予め冷蔵庫で冷やした冷培地を入れ、10分間静置した後、ピペットで培地を吸ったり出したりするピペッティング操作を10回程行ったところ、大部分の骨髄由来細胞が培養基材2の表面から剥離されたことが観察された。自然剥離された骨髄由来細胞を回収し、更にD-PBSと0.25% Trypsin‐EDTAを用いて、ディッシュに残った骨髄由来細胞を剥離回収して、それぞれ回収された細胞の数を計測したところ、低温処理で自然剥離・回収された細胞数12.0×10個で、Trypsin処理で回収された細胞の数は0.7×10個であった。下記式(5)により低温処理による細胞の回収率を求めたところ、細胞回収率は94%であった。
式(5) 細胞回収率(%)={低温処理で回収した細胞の数/(低温処理で回収した細胞の数+Trypsin処理で回収した細胞の数)}×100
また、上記培養基材2から回収された骨髄由来細胞の総数(12.7×10個)が、未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)(比較例1)を用いた場合(2.5×10個)の約5.1倍であった。
また、上記低温処理による自然剥離及びトリプシン処理で回収された骨髄由来細胞を、それぞれ顕微鏡で細胞形態が正常であることを確認した。
この実施例より、重合体(A)と無機材料(C)に更に温度応答性を有する重合体(B)を配合させた場合、良好な培養性を有すると同時に、低温処理による細胞の回収率が更に高くなることが理解できる。
(実施例3(参考例3)
[水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)、無機材料(C)、水媒体(E)を含む反応溶液の調製]
メトキシエチルアクリレート3.2g、無機材料(C)としてコロイダルシリカ20質量%水溶液(商品名スノーテックス20、日産化学工業株式会社製)1g(SiO=0.2g)、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(3)を調製した。
[複合体(X)の分散液(L)の調製(第1工程)]
上記反応溶液(3)全量に、前記溶液(2)を250μl入れ、均一に分散させた後、365nmにおける紫外線強度が40mW/cmの紫外線を180秒照射し乳白色の複合体(X)の分散液(L3)を作製した。
この反応系のRa=0.06、無機材料(C)の濃度(質量%)=0.20(%)<12.4Ra+0.05=0.79
[培養基材(複合体(X)の薄層)の調製(第2工程)]
上記分散液(L3)全量に、N―イソプロピルアクリルアミドの重合体(B)の水溶液(PNIPA2)を1g添加し、均一に混合した後、直径35mmのポリスチレン製シャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)に入れ、スピンコーターを用いて3000回転で該分散液をシャーレの表面に薄く塗布した後、80℃の熱風乾燥器中で10分間乾燥させ、次いで、滅菌水によりシャーレを洗浄した後、滅菌袋中でシャーレを40℃、5時間乾燥させて、細胞培養基材3を得た。
[骨髄由来細胞の培養・回収]
上記得られた細胞培養基材3を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、培地DMEM(10%血清含有)を適量入れ、GFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球を2.0×10個/Dish(9.8cm)播種して、5%二酸化炭素中、37℃で6日間培養を行った。次いで、ディッシュ中の培地及び浮遊している単核球を除いて、予め冷蔵庫で冷やした冷培地を入れ、10分間静置した後、ピペットで培地を吸ったり出したりするピペッティング操作を10回程行ったところ、大部分の骨髄由来細胞が培養基材3の表面から剥離されたことが観察された。自然剥離された骨髄由来細胞を回収し、更にD-PBSと0.25% Trypsin‐EDTAを用いて、ディッシュに残った骨髄由来細胞を剥離回収して、それぞれ回収された細胞の数を計測したところ、低温処理で自然剥離・回収された細胞数6.2×10個で、Trypsin処理で回収された細胞の数は1.1×10個であった。下記式(5)により低温処理による細胞の回収率を求めたところ、細胞回収率は85%であった。
式(5) 細胞回収率(%)={低温処理で回収した細胞の数/(低温処理で回収した細胞の数+Trypsin処理で回収した細胞の数)}×100
また、上記培養基材3から回収された骨髄由来細胞の総数(7.3×10個)が、未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)を用いた場合(2.5×10個)の約2.9倍であった。
また、上記低温処理による自然剥離及びトリプシン処理で回収された骨髄由来細胞を、それぞれ顕微鏡で細胞形態が正常であることを確認した。
さらに同様に18日間培養を行った。次いで、ディッシュ中の培地及び浮遊している単核球を除いて、予め冷蔵庫で冷やした冷培地を入れ、10分間静置した後、ピペットで培地を吸ったり出したりするピペッティング操作を10回程行ったところ、大部分の骨髄由来細胞が培養基材3の表面から剥離されたことが観察された。自然剥離された骨髄由来細胞を回収し、更にD-PBSと0.25% Trypsin‐EDTAを用いて、ディッシュに残った骨髄由来細胞を剥離回収して、それぞれ回収された細胞の数を計測したところ、低温処理で自然剥離・回収された細胞数7.0×10個で、Trypsin処理で回収された細胞の数は1.2×10個であった。上記式(5)により低温処理による細胞の回収率を求めたところ、細胞回収率は85%であった。
また、上記培養基材3から回収された骨髄由来細胞の総数(7.0×10個)が、未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)を用いた場合(2.8×10個)の約25倍であった。
この実施例より、無機材料(C)としてシリカを用いた場合の培養基材3が良好な培養性と自然剥離による高い回収率を有することが理解できる。
(実施例4(参考例4)) 上記培養基材3による無血清培養例
[骨髄由来細胞の培養・回収]
上記得られた細胞培養基材3を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、無血清培地として適量のSTEMPRO LIPOMAX SUPPLEMENT(Life Technologies Japan A1085001)とGLUTAMAX I(Life Technologies Japan 35050061)を含有したStemPro MSC SFMXenoFree(Life Technologies Japan A1067501)を適量入れ、GFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球を7.0×10個/Dish(9.8cm)播種して、5%二酸化炭素中、37℃で7日間培養を行った。次いで、ディッシュ中の培地及び浮遊している単核球を除いて、予め冷蔵庫で冷やした冷培地を入れ、10分間静置した後、ピペットで培地を吸ったり出したりするピペッティング操作を10回程行ったところ、大部分の骨髄由来細胞が培養基材3の表面から剥離されたことが観察された。自然剥離された骨髄由来細胞を回収し、更にD-PBSと0.25% Trypsin‐EDTAを用いて、ディッシュに残った骨髄由来細胞を剥離回収して、それぞれ回収された細胞の数を計測したところ、低温処理で自然剥離・回収された細胞数3.9×10個で、Trypsin処理で回収された細胞の数は9×10個であった。下記式(5)により低温処理による細胞の回収率を求めたところ、細胞回収率は81%であった。
式(5) 細胞回収率(%)={低温処理で回収した細胞の数/(低温処理で回収した細胞の数+Trypsin処理で回収した細胞の数)}×100
一方、同様な無血清培地で、未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)(比較例2)を用いて培養したところ、骨髄由来細胞が殆ど培養されなかった。
また、上記低温処理による自然剥離及びトリプシン処理で回収された骨髄由来細胞を、それぞれ顕微鏡で細胞形態が正常であることを確認した。
この実施例より、培養基材3が、完全無血清系の培養でも、良好な培養性と自然剥離による高い回収率を有することが理解できる。
(実施例5(参考例5)) その他の高分子化合物を配合した例。
[水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)、無機材料(C)、水媒体(E)を含む反応溶液の調製]
メトキシエチルアクリレート3.2g、無機材料(C)として水膨潤性粘土鉱物Laponite XLG(Rockwood Additives Ltd.社製)0.4g、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(6)を調製した。
[複合体(X)の分散液(L)の調製(第1工程)]
上記反応溶液(6)全量に、前記溶液(2)を250μl入れ、均一に分散させた後、365nmにおける紫外線強度が40mW/cmの紫外線を180秒照射し乳白色の複合体(X)の分散液(L6)を作製した。
この反応系のRa=0.13、無機材料(C)の濃度(質量%)=0.40(%)<12.4Ra+0.05=1.66
[培養基材(複合体(X)の薄層)の調製(第2工程)]
上記分散液(L6)全量に、γ-ポリグルタミン酸(日本ポリグル株式会社製)1gを添加し、均一に混合した後、直径35mmのポリスチレン製シャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)に入れ、スピンコーターを用いて3000回転で該分散液をシャーレの表面に薄く塗布した後、80℃の熱風乾燥器中で10分間乾燥させ、次いで、滅菌水によりシャーレを洗浄した後、滅菌袋中でシャーレを40℃、5時間乾燥させて、細胞培養基材6を得た。
[骨髄由来細胞の培養・回収]
上記得られた細胞培養基材6を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、培地DMEM(10%血清含有)を適量入れ、GFP遺伝子組み換えマウスから採取した単核球細胞を2.0×10個/Dish(9.8cm)播種して、5%二酸化炭素中、37℃で7日間培養を行った。次いで、ディッシュ中の培地及び浮遊している単核球を除いて、予め冷蔵庫で冷やした冷培地を入れ、10分間静置した後、ピペットで培地を吸ったり出したりするピペッティング操作を10回程行ったところ、大部分の骨髄由来細胞が培養基材6の表面から剥離されたことが観察された。自然剥離された骨髄由来細胞を回収し、更にD-PBSと0.25% Trypsin‐EDTAを用いて、ディッシュに残った骨髄由来細胞を剥離回収して、それぞれ回収された細胞の数を計測したところ、低温処理で自然剥離・回収された細胞数6.4×10個で、Trypsin処理で回収された細胞の数は3.2×10個であった。下記式(5)により低温処理による細胞の回収率を求めたところ、細胞回収率は67%であった。
式(5) 細胞回収率(%)={低温処理で回収した細胞の数/(低温処理で回収した細胞の数+Trypsin処理で回収した細胞の数)}×100
また、上記培養基材6から回収された骨髄由来細胞の総数(6.4×10個)が、未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)(比較例1)を用いた場合(2.4×10個)の約4倍であった。
また、上記低温処理による自然剥離及びトリプシン処理で回収された骨髄由来細胞を、それぞれ顕微鏡で細胞形態が正常であることを確認した。
(比較例1)
市販の直径35mmのポリスチレン製シャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)を用いて、実施例1と同様にして、血清含有培地を用いてGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球を37℃で7日間培養して、同様な低温処理による細胞の剥離を行ったが、細胞は殆ど剥離しなかった。更に、D-PBSと0.25% Trypsin‐EDTAを用いて、ディッシュに残った骨髄由来細胞を剥離回収し、細胞数を計測した。細胞の数は2.5×10個であった。
この比較例より、通常のポリスチレン製ティッシュカルチャデイッシュでは、骨髄由来細胞に対する培養(増殖)性が低く、培養された細胞もディッシュ表面に強く接着し、薬剤(トリプシン)を使用しない場合、容易に剥離することができないことが理解できる。
(比較例2) 市販のディッシュで、無血清系での培養例
市販の直径35mmのポリスチレン製シャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)を用いて、無血清培地として適量のSTEMPRO LIPOMAX SUPPLEMENT(Life Technologies Japan A1085001)とGLUTAMAX I(Life Technologies Japan 35050061)を含有したStemPro MSC SFM XenoFree(Life Technologies Japan A1067501)を適量入れ、GFP遺伝子組み換えマウスから採取した単核球を7.0×10個/Dish(9.8cm)播種して、5%二酸化炭素中、37℃で7日間培養した。次いで、ディッシュ中の培地及び浮遊している単核球細胞を除いて、新しい培地を入れ、顕微鏡で観察したところ、骨髄由来細胞が殆ど見当たらなかった。
この比較例より、通常のポリスチレン製ティッシュカルチャデイッシュを用いて、無血清培地では、骨髄由来細胞はディッシュに接着することが殆どできないため、増殖できないことが理解できる。
(比較例3) 重合体(A)のみの(無機材料(C)を含まない)基材の例
[水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)、水媒体(E)を含む反応溶液の調製]
メトキシエチルアクリレート3.2g、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(3’)を調製した。
実施例1と同様にして基材(3’)を製造した。実施例1と同様にして、血清含有培地を用いてGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球を播種し、6日間培養したが、基材(3’)の表面に接着する細胞は殆ど見当たらなかった。
この比較例より、無機材料(C)を含まない、重合体(A)のみの基材では、細胞との接着性が低過ぎて、細胞が増殖できないことが理解できる。
(参考例) 無機材料(C)を式(1)、(2)の領域を超えた例
[水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)、無機材料(C)、水媒体(E)を含む反応溶液の調製]
メトキシエチルアクリレート12.8g、無機材料(C)として水膨潤性粘土鉱物Laponite XLG(Rockwood Additives Ltd.社製)1.6g、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(4’)を調製した。
[複合体(X)の分散液(L)の調製(第1工程)]
上記反応溶液(4’)全量に、前記溶液(2)を250μl入れ、均一に分散させた後、365nmにおける紫外線強度が40mW/cmの紫外線を180秒照射したところ、反応液全体が白色のゲル状物になり、更に多量の水を入れ、攪拌しても、ゲル状物は細かく分散することなく、分散液は得られなかった。
この反応系のRa=0.125、無機材料(C)の濃度(質量%)=1.6(%)=12.4Ra+0.05=1.6
この比較例より、無機材料(C)の使用量が式(1)、(2)の領域を超えると、重合により反応液全体がゲルとなり、他の支持体への塗布はできず、培養基材を製造することができないことが理解できる。
(実施例6(参考例6)
実施例1と同じ組成の分散液(L1)を作製し、該分散液(L1)全量に、実施例2のN―イソプロピルアクリルアミドの重合体(B)の水溶液(PNIPA2)を1g添加し、均一に混合した後、実施例1と同様にして細胞培養基材7を作製した。
[骨髄由来細胞の培養・回収]
上記得られた細胞培養基材7を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、実施例1と同様にしてGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球の培養・回収を行った。その結果、低温処理で自然剥離・回収された細胞数は5.7×10個で、トリプシン処理で回収された細胞の数は1.2×10個であった。細胞回収率は約83%であった。
また、上記培養基材7から回収された骨髄由来細胞の総数(6.9×10個)が、未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)を用いた場合(2.5×10個)の約2.8倍であった。
(実施例7)
実施例1と同じ組成の分散液(L1)を作製し、該分散液(L1)全量に、実施例2のN―イソプロピルアクリルアミドの重合体(B)の水溶液(PNIPA2)を4g添加し、均一に混合した後、実施例1と同様にして細胞培養基材8を作製した。
[骨髄由来細胞の培養・回収]
上記得られた細胞培養基材8を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、実施例1と同様にしてGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球の培養・回収を行った。その結果、低温処理で自然剥離・回収された細胞数は9.7×10個で、トリプシン処理で回収された細胞の数は1.6×10個であった。細胞回収率は約86%であった。
また、上記培養基材8から回収された骨髄由来細胞の総数(11.3×10個)が、未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)を用いた場合(2.5×10個)の約4.5倍であった。
また、上記低温処理による自然剥離及びTrypsin処理で回収された骨髄由来細胞を、それぞれ顕微鏡で細胞形態が正常であることを確認した。
以上の実施例6、7及び1、2より、培養基材の組成成分にN―イソプロピルアクリルアミドの重合体(B)を含有させ、含有量(B/A)を増加させることにより、低温処理による細胞の回収率が大きく増加することが理解できる。
(実施例8) ヒト骨髄単核細胞の培養・回収例
実施例2の細胞培養基材2を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、実施例1のGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球の代わりに、ヒト骨髄由来単核細胞CL2M−125A(ロンザジャパン株式会社)を用いること以外は実施例1と同様にして細胞の培養・回収を行った。その結果、低温処理で自然剥離・回収された細胞数は22.3×10個で、トリプシン処理で回収された細胞の数は0個であった(細胞が全て自然剥離した)。細胞回収率は約100%であった。
また、上記培養基材2から回収された骨髄由来細胞の総数(22.3×10個)が、未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)を用いた場合(8.33×10個)の約2.7倍であった。
以上の実施例より、感受性の高いヒト由来の骨髄単核細胞に対しても、良好な培養性と高い細胞回収率を示すことが理解できる。
また、実施例2の細胞培養基材2を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、ヒト骨髄由来単核細胞CL2M−125A(ロンザジャパン株式会社)を用いること以外は実施例1と同様にして細胞の培養・回収を行った。回収した細胞表面抗原をフローサイトメーター(ガリオス、ベックマン・コールター株式会社)で解析したところ、CD73陽性細胞は99.2%、CD105陽性細胞は94.4%であり、CD45陽性細胞は0.1%であった。
また、実施例2の細胞培養基材2を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、ロンザジャパン株式会社ヒト骨髄由来単核細胞CL2M−125Aを用いること以外は実施例1と同様にして細胞の培養を行った。R&D Systems・Mesenchymal Stem Cell,Human,Functional Identification Kit(SC006)を用いて培養細胞の骨細胞、脂肪細胞、軟骨細胞への分化能を評価した。骨細胞への誘導培地で培養した細胞は、アリザリンレッド染色で陽性であった。脂肪細胞への誘導培地で培養した細胞は、オイルレッドオー染色で陽性であった。軟骨細胞への誘導培地で培養した細胞は、抗アグリカン抗体を用いた免疫染色で陽性であった。
以上の実施例より、ヒト骨髄由来単核細胞を実施例2の細胞培養基材2で培養することで間葉系幹細胞を含む細胞を効率よく培養することができると理解できる。
(実施例9(参考例9))重合体(A)と無機材料(C)からなる培養基材(重合体(B)を含まない)
実施例3と同じ組成の分散液(L3)を作製し、また実施例1と同様にして細胞培養基
材9を作製した。
[骨髄由来細胞の培養・回収]
上記得られた細胞培養基材9を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、実施例1と同様にしてGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球の培養・回収を行った。その結果、低温処理で自然剥離・回収された細胞数は2.0×10個で、トリプシン処理で回収された細胞の数は1.4×10個であった。細胞回収率は約59%であった。
また、上記培養基材9から回収された骨髄由来細胞の総数(3.4×10個)が、未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)を用いた場合(0.6×10個)の約5.7倍であった。
また、上記低温処理による自然剥離及びトリプシン処理で回収された骨髄由来細胞を、それぞれ顕微鏡で細胞形態が正常であることを確認した。
(比較例5) B/A>0.7の例
実施例3と同じ組成の分散液(L3)を作製し、該分散液(L3)全量に、実施例2のN―イソプロピルアクリルアミドの重合体(B)の水溶液(PNIPA2)を25g添加し(B/A=0.78)、均一に混合した後、実施例3と同様にして基材5’を作製した。
[骨髄由来細胞の培養・回収]
上記得られた基材5’を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、実施例1と同様にしてGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球の培養・回収を行った。6日間培養したが、基材5’の表面に接着する細胞は殆ど見当たらなかった。
この比較例より、重合体(B)の含有量(B/A)が0.7を超えると、基材表面が細胞増殖に適さなくなることが理解できる。
(比較例6) C/A<0.03の例
[水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)、無機材料(C)、水媒体(E)を含む反応溶液の調製]
メトキシエチルアクリレート3.2g、無機材料(C)としてコロイダルシリカ20質量%水溶液(商品名スノーテックス20、日産化学工業株式会社製)0.4g(SiO=0.08g)、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(6’)を調製した。
この反応系のRa=0.025、無機材料(C)の濃度(質量%)=0.08(%)<12.4Ra+0.05=0.36
実施例1と同様にして基材6’を作製した。該基材のC/Aは0.025であった。
[骨髄由来細胞の培養・回収]
上記得られた基材6’を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、実施例1と同様にして、血清含有培地を用いてGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球を播種し、6日間培養したが、基材(6’)の表面に接着する細胞は殆ど見当たらなかった。
(比較例7)
無機材料(C)としての水膨潤性粘土鉱物Laponite XLGの使用量を0.2から2.4gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして淡い乳白色の複合体(X)の反応溶液(7’)を調整した。
この反応系のRa=0.75、無機材料(C)の濃度(質量%)=2.34(%)<0.87Ra+2.17=2.82
また、反応溶液(7’)を用いて、実施例1と同様にして細胞培養基材7’を得た。
[骨髄由来細胞の培養・回収]
上記得られた細胞培養基材7’を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、培養日数を7日間から14日間に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球の培養・回収を行った。その結果、低温処理で自然剥離・回収された細胞数は0個で、トリプシン処理で回収された細胞の数は2.6×10個であった。細胞回収率は約0%であった。
また、上記培養基材7’から回収された骨髄由来細胞の総数(2.6×10個)が、未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)を用いて14日間培養した場合(0.5×10個)の約5.2倍であった。
また、上記低温処理による自然剥離及びトリプシン処理で回収された骨髄由来細胞を、それぞれ顕微鏡で細胞形態が正常であることを確認した。
これらの比較例より、無機材料(C)の含有量(C/A)が少なすぎる(<0.03)と、細胞との接着性が低すぎて、細胞が増殖できないことが理解できる。
同様に、C/Aが0.03〜0.7の範囲でも、B/A>0.7の場合は、培養できないケースが生じることが理解できる。
Figure 0005935477
注)TCPS:未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)
Figure 0005935477
注)TCPS:未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)

Claims (3)

  1. 水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)の重合体(A)、N−置換(メタ)アクリルアミドの重合体(B)、及び水膨潤性粘土鉱物及びシリカから選択される1種以上の無機材料(C)含有する細胞培養基材の上で、骨髄由来細胞を培養し、次いで培養細胞を基材から剥離することを特徴とする骨髄由来細胞の培養方法であって、
    前記重合体(A)と前記重合体(B)との質量比((B)/(A))が、0.1〜0.5の範囲にあり、
    前記重合体(A)と、前記無機材料(C)との質量比((C)/(A))が、0.03〜0.7の範囲にある骨髄由来細胞の培養方法。
  2. 前記水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)が、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート及びエトキシエチルメタクリレートから選択される少なくとも1種のモノマーである請求項1記載の養方法。
  3. 前記無機材料(C)が、水膨潤性粘土鉱物である、請求項1または2に記載の培養方法。
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