JP5935477B2 - 骨髄由来細胞の培養方法 - Google Patents
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Description
水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)の重合体(A)と、水膨潤性粘土鉱物及びシリカから選択される1種以上の無機材料(C)とを含有することを特徴とする骨髄由来細胞培養用細胞培養基材を提供する。
前記重合体(A)と、前記無機材料(C)との質量比((C)/(A))が、0.03〜0.7の範囲にある骨髄由来細胞の培養方法を提供する。
(1)培養容器内の培地を軽く揺らして細胞を剥離させる方法。
(2)ピペットで培地を吸ったり出したりするピペッティング操作で剥離させる方法。
(3)ガラス棒、ピペットの先や、ゴムヘラ等を細胞シートと細胞培養基材間に差し込んで、細胞シートを持ち上げるように剥離させる方法、
(4)ストロー状の器材で吸引しながら剥離させる方法等がある。
本発明に用いられる重合開始剤(D)としては、公知のラジカル重合開始剤を適時選択して用いることができる。好ましくは水溶性または水分散性を有し、系全体に均一に含まれるものが好ましく用いられる。具体的には、重合開始剤として、水溶性の過酸化物、例えばペルオキソ二硫酸カリウムやペルオキソ二硫酸アンモニウム、水溶性のアゾ化合物、例えばVA−044、V−50、V−501(いずれも和光純薬工業株式会社製)の他、Fe2+と過酸化水素との混合物などが例示される。
前記分散液(L)を基材に塗布し、その後乾燥することにより前記複合体(X)の薄層を形成する第2工程を順次行なうことを特徴とする細胞培養基材の製造方法が挙げられる。
式(1) Ra<0.19のとき
無機材料(C)の濃度(質量%)<12.4Ra+0.05
式(2) Ra≧0.19のとき
無機材料(C)の濃度(質量%)<0.87Ra+2.17
(式中、無機材料(C)の濃度(質量%)は、無機材料(C)の質量を水媒体(E)と無機材料(C)の合計質量で除して100を掛けた数値、Raは無機材料(C)と重合体(A)との質量比((C)/(A))である。)
[水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)、無機材料(C)、水媒体(E)を含む反応溶液の調製]
メトキシエチルアクリレート3.2g、無機材料(C)として水膨潤性粘土鉱物Laponite XLG(Rockwood Additives Ltd.社製)0.2g、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(1)を調製した。
溶媒(F)として、メタノール9.8g、重合開始剤(D)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン「イルガキュアー184」(チバガイギー社製)0.2gを、均一に混合して溶液(2)を調製した。
上記反応溶液(1)全量に、溶液(2)を250μl入れ、均一に分散させた後、365nmにおける紫外線強度が40mW/cm2の紫外線を180秒照射し乳白色の複合体(X)の分散液(L1)を作製した。
直径35mmのポリスチレン製シャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)に、上記複合体(X)の分散液(L1)を入れ、スピンコーターを用いて3000回転で該分散液をシャーレの表面に薄く塗布した後、80℃の熱風乾燥器中で10分間乾燥させ、次いで、滅菌水によりシャーレを洗浄した後、滅菌袋中でシャーレを40℃、5時間乾燥させて、細胞培養基材1を得た。
上記得られた細胞培養基材1を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、培地DMEM(10%血清含有)を適量入れ、GFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球を2.0×106個/Dish(3.38cm2)播種して、5%二酸化炭素中、37℃で6日間培養を行った。次いで、ディッシュ中の培地及び浮遊している単核球を除いて、予め冷蔵庫で冷やした冷培地を入れ、10分間静置した後、ピペットで培地を吸ったり出したりするピペッティング操作を10回程行ったところ、大部分の骨髄由来細胞が培養基材1の表面から剥離されたことが観察された。自然剥離された骨髄由来細胞を回収し、更にD-PBSと0.25% Trypsin‐EDTAを用いて、ディッシュに残った骨髄由来細胞を剥離回収して、それぞれ回収された細胞の数を計測したところ、低温処理で自然剥離・回収された細胞数は8.6×104個で、Trypsin処理で回収された細胞の数は1.8×104個であった。下記式(5)により低温処理による細胞の回収率を求めたところ、細胞回収率は約82%であった。
式(5) 細胞回収率(%)={低温処理で回収した細胞の数/(低温処理で回収した細胞の数+Trypsin処理で回収した細胞の数)}×100
また、上記培養基材1から回収された骨髄由来細胞の総数(10.4×104個)が、未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)を用いた場合(2.5×104個)の約4.2倍であった。
[N−置換(メタ)アクリルアミドの重合体(B)の水溶液の調製]
N―イソプロピルアクリルアミド(株式会社興人製)1.7g、水10g、溶液(2)140μl、を混合した後、該溶液を入れるガラス容器の周りを冷却しながら(約10℃)、365nmにおける紫外線強度が40mW/cm2の紫外線を180秒照射し、N-イソプロピルアクリルアミドを重合させた後、更に水を5g添加し、重合体(B)の水溶液(PNIPA2)を調製した。DIGITAL VISCOMATE粘度計(MODEL VM-100A、山一電機株式会社製)を用いてこの溶液の粘度を測定して、粘度は368mPa・sであった。測定時の溶液温度は24.2℃であった。
メトキシエチルアクリレート3.2g、無機材料(C)として水膨潤性粘土鉱物Laponite XLG(Rockwood Additives Ltd.社製)0.2g、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(2)を調製した。
上記反応溶液(2)全量に、前記溶液(2)を250μl入れ、均一に分散させた後、365nmにおける紫外線強度が40mW/cm2の紫外線を180秒照射し乳白色の複合体(X)の分散液(L2)を作製した。
上記分散液(L2)全量に、N―イソプロピルアクリルアミドの重合体(B)の水溶液(PNIPA2)を7g添加し、均一に混合した後、直径35mmのポリスチレン製シャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)に入れ、スピンコーターを用いて3000回転で該分散液をシャーレの表面に薄く塗布した後、80℃の熱風乾燥器中で10分間乾燥させ、次いで、滅菌水によりシャーレを洗浄した後、滅菌袋中でシャーレを40℃、5時間乾燥させて、細胞培養基材2を得た。
上記得られた細胞培養基材2を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、培地DMEM(10%血清含有)を適量入れ、GFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球を2.0×106個/Dish(3.38cm2)播種して、5%二酸化炭素中、37℃で6日間培養を行った。次いで、ディッシュ中の培地及び浮遊している単核球を除いて、予め冷蔵庫で冷やした冷培地を入れ、10分間静置した後、ピペットで培地を吸ったり出したりするピペッティング操作を10回程行ったところ、大部分の骨髄由来細胞が培養基材2の表面から剥離されたことが観察された。自然剥離された骨髄由来細胞を回収し、更にD-PBSと0.25% Trypsin‐EDTAを用いて、ディッシュに残った骨髄由来細胞を剥離回収して、それぞれ回収された細胞の数を計測したところ、低温処理で自然剥離・回収された細胞数12.0×104個で、Trypsin処理で回収された細胞の数は0.7×104個であった。下記式(5)により低温処理による細胞の回収率を求めたところ、細胞回収率は94%であった。
式(5) 細胞回収率(%)={低温処理で回収した細胞の数/(低温処理で回収した細胞の数+Trypsin処理で回収した細胞の数)}×100
また、上記培養基材2から回収された骨髄由来細胞の総数(12.7×104個)が、未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)(比較例1)を用いた場合(2.5×104個)の約5.1倍であった。
[水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)、無機材料(C)、水媒体(E)を含む反応溶液の調製]
メトキシエチルアクリレート3.2g、無機材料(C)としてコロイダルシリカ20質量%水溶液(商品名スノーテックス20、日産化学工業株式会社製)1g(SiO2=0.2g)、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(3)を調製した。
上記反応溶液(3)全量に、前記溶液(2)を250μl入れ、均一に分散させた後、365nmにおける紫外線強度が40mW/cm2の紫外線を180秒照射し乳白色の複合体(X)の分散液(L3)を作製した。
上記分散液(L3)全量に、N―イソプロピルアクリルアミドの重合体(B)の水溶液(PNIPA2)を1g添加し、均一に混合した後、直径35mmのポリスチレン製シャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)に入れ、スピンコーターを用いて3000回転で該分散液をシャーレの表面に薄く塗布した後、80℃の熱風乾燥器中で10分間乾燥させ、次いで、滅菌水によりシャーレを洗浄した後、滅菌袋中でシャーレを40℃、5時間乾燥させて、細胞培養基材3を得た。
上記得られた細胞培養基材3を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、培地DMEM(10%血清含有)を適量入れ、GFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球を2.0×106個/Dish(9.8cm2)播種して、5%二酸化炭素中、37℃で6日間培養を行った。次いで、ディッシュ中の培地及び浮遊している単核球を除いて、予め冷蔵庫で冷やした冷培地を入れ、10分間静置した後、ピペットで培地を吸ったり出したりするピペッティング操作を10回程行ったところ、大部分の骨髄由来細胞が培養基材3の表面から剥離されたことが観察された。自然剥離された骨髄由来細胞を回収し、更にD-PBSと0.25% Trypsin‐EDTAを用いて、ディッシュに残った骨髄由来細胞を剥離回収して、それぞれ回収された細胞の数を計測したところ、低温処理で自然剥離・回収された細胞数6.2×104個で、Trypsin処理で回収された細胞の数は1.1×104個であった。下記式(5)により低温処理による細胞の回収率を求めたところ、細胞回収率は85%であった。
式(5) 細胞回収率(%)={低温処理で回収した細胞の数/(低温処理で回収した細胞の数+Trypsin処理で回収した細胞の数)}×100
また、上記培養基材3から回収された骨髄由来細胞の総数(7.3×104個)が、未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)を用いた場合(2.5×104個)の約2.9倍であった。
[骨髄由来細胞の培養・回収]
上記得られた細胞培養基材3を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、無血清培地として適量のSTEMPRO LIPOMAX SUPPLEMENT(Life Technologies Japan A1085001)とGLUTAMAX I(Life Technologies Japan 35050061)を含有したStemPro MSC SFMXenoFree(Life Technologies Japan A1067501)を適量入れ、GFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球を7.0×106個/Dish(9.8cm2)播種して、5%二酸化炭素中、37℃で7日間培養を行った。次いで、ディッシュ中の培地及び浮遊している単核球を除いて、予め冷蔵庫で冷やした冷培地を入れ、10分間静置した後、ピペットで培地を吸ったり出したりするピペッティング操作を10回程行ったところ、大部分の骨髄由来細胞が培養基材3の表面から剥離されたことが観察された。自然剥離された骨髄由来細胞を回収し、更にD-PBSと0.25% Trypsin‐EDTAを用いて、ディッシュに残った骨髄由来細胞を剥離回収して、それぞれ回収された細胞の数を計測したところ、低温処理で自然剥離・回収された細胞数3.9×104個で、Trypsin処理で回収された細胞の数は9×103個であった。下記式(5)により低温処理による細胞の回収率を求めたところ、細胞回収率は81%であった。
式(5) 細胞回収率(%)={低温処理で回収した細胞の数/(低温処理で回収した細胞の数+Trypsin処理で回収した細胞の数)}×100
一方、同様な無血清培地で、未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)(比較例2)を用いて培養したところ、骨髄由来細胞が殆ど培養されなかった。
[水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)、無機材料(C)、水媒体(E)を含む反応溶液の調製]
メトキシエチルアクリレート3.2g、無機材料(C)として水膨潤性粘土鉱物Laponite XLG(Rockwood Additives Ltd.社製)0.4g、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(6)を調製した。
上記反応溶液(6)全量に、前記溶液(2)を250μl入れ、均一に分散させた後、365nmにおける紫外線強度が40mW/cm2の紫外線を180秒照射し乳白色の複合体(X)の分散液(L6)を作製した。
上記分散液(L6)全量に、γ-ポリグルタミン酸(日本ポリグル株式会社製)1gを添加し、均一に混合した後、直径35mmのポリスチレン製シャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)に入れ、スピンコーターを用いて3000回転で該分散液をシャーレの表面に薄く塗布した後、80℃の熱風乾燥器中で10分間乾燥させ、次いで、滅菌水によりシャーレを洗浄した後、滅菌袋中でシャーレを40℃、5時間乾燥させて、細胞培養基材6を得た。
上記得られた細胞培養基材6を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、培地DMEM(10%血清含有)を適量入れ、GFP遺伝子組み換えマウスから採取した単核球細胞を2.0×106個/Dish(9.8cm2)播種して、5%二酸化炭素中、37℃で7日間培養を行った。次いで、ディッシュ中の培地及び浮遊している単核球を除いて、予め冷蔵庫で冷やした冷培地を入れ、10分間静置した後、ピペットで培地を吸ったり出したりするピペッティング操作を10回程行ったところ、大部分の骨髄由来細胞が培養基材6の表面から剥離されたことが観察された。自然剥離された骨髄由来細胞を回収し、更にD-PBSと0.25% Trypsin‐EDTAを用いて、ディッシュに残った骨髄由来細胞を剥離回収して、それぞれ回収された細胞の数を計測したところ、低温処理で自然剥離・回収された細胞数6.4×104個で、Trypsin処理で回収された細胞の数は3.2×104個であった。下記式(5)により低温処理による細胞の回収率を求めたところ、細胞回収率は67%であった。
式(5) 細胞回収率(%)={低温処理で回収した細胞の数/(低温処理で回収した細胞の数+Trypsin処理で回収した細胞の数)}×100
また、上記培養基材6から回収された骨髄由来細胞の総数(6.4×104個)が、未コートシャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)(比較例1)を用いた場合(2.4×104個)の約4倍であった。
市販の直径35mmのポリスチレン製シャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)を用いて、実施例1と同様にして、血清含有培地を用いてGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球を37℃で7日間培養して、同様な低温処理による細胞の剥離を行ったが、細胞は殆ど剥離しなかった。更に、D-PBSと0.25% Trypsin‐EDTAを用いて、ディッシュに残った骨髄由来細胞を剥離回収し、細胞数を計測した。細胞の数は2.5×104個であった。
市販の直径35mmのポリスチレン製シャーレ(IWAKIティッシュカルチャデイッシュ3000−035)を用いて、無血清培地として適量のSTEMPRO LIPOMAX SUPPLEMENT(Life Technologies Japan A1085001)とGLUTAMAX I(Life Technologies Japan 35050061)を含有したStemPro MSC SFM XenoFree(Life Technologies Japan A1067501)を適量入れ、GFP遺伝子組み換えマウスから採取した単核球を7.0×106個/Dish(9.8cm2)播種して、5%二酸化炭素中、37℃で7日間培養した。次いで、ディッシュ中の培地及び浮遊している単核球細胞を除いて、新しい培地を入れ、顕微鏡で観察したところ、骨髄由来細胞が殆ど見当たらなかった。
[水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)、水媒体(E)を含む反応溶液の調製]
メトキシエチルアクリレート3.2g、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(3’)を調製した。
[水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)、無機材料(C)、水媒体(E)を含む反応溶液の調製]
メトキシエチルアクリレート12.8g、無機材料(C)として水膨潤性粘土鉱物Laponite XLG(Rockwood Additives Ltd.社製)1.6g、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(4’)を調製した。
上記反応溶液(4’)全量に、前記溶液(2)を250μl入れ、均一に分散させた後、365nmにおける紫外線強度が40mW/cm2の紫外線を180秒照射したところ、反応液全体が白色のゲル状物になり、更に多量の水を入れ、攪拌しても、ゲル状物は細かく分散することなく、分散液は得られなかった。
この比較例より、無機材料(C)の使用量が式(1)、(2)の領域を超えると、重合により反応液全体がゲルとなり、他の支持体への塗布はできず、培養基材を製造することができないことが理解できる。
実施例1と同じ組成の分散液(L1)を作製し、該分散液(L1)全量に、実施例2のN―イソプロピルアクリルアミドの重合体(B)の水溶液(PNIPA2)を1g添加し、均一に混合した後、実施例1と同様にして細胞培養基材7を作製した。
上記得られた細胞培養基材7を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、実施例1と同様にしてGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球の培養・回収を行った。その結果、低温処理で自然剥離・回収された細胞数は5.7×104個で、トリプシン処理で回収された細胞の数は1.2×104個であった。細胞回収率は約83%であった。
実施例1と同じ組成の分散液(L1)を作製し、該分散液(L1)全量に、実施例2のN―イソプロピルアクリルアミドの重合体(B)の水溶液(PNIPA2)を4g添加し、均一に混合した後、実施例1と同様にして細胞培養基材8を作製した。
上記得られた細胞培養基材8を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、実施例1と同様にしてGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球の培養・回収を行った。その結果、低温処理で自然剥離・回収された細胞数は9.7×104個で、トリプシン処理で回収された細胞の数は1.6×104個であった。細胞回収率は約86%であった。
実施例2の細胞培養基材2を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、実施例1のGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球の代わりに、ヒト骨髄由来単核細胞CL2M−125A(ロンザジャパン株式会社)を用いること以外は実施例1と同様にして細胞の培養・回収を行った。その結果、低温処理で自然剥離・回収された細胞数は22.3×104個で、トリプシン処理で回収された細胞の数は0個であった(細胞が全て自然剥離した)。細胞回収率は約100%であった。
実施例3と同じ組成の分散液(L3)を作製し、また実施例1と同様にして細胞培養基
材9を作製した。
上記得られた細胞培養基材9を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、実施例1と同様にしてGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球の培養・回収を行った。その結果、低温処理で自然剥離・回収された細胞数は2.0×104個で、トリプシン処理で回収された細胞の数は1.4×104個であった。細胞回収率は約59%であった。
実施例3と同じ組成の分散液(L3)を作製し、該分散液(L3)全量に、実施例2のN―イソプロピルアクリルアミドの重合体(B)の水溶液(PNIPA2)を25g添加し(B/A=0.78)、均一に混合した後、実施例3と同様にして基材5’を作製した。
上記得られた基材5’を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、実施例1と同様にしてGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球の培養・回収を行った。6日間培養したが、基材5’の表面に接着する細胞は殆ど見当たらなかった。
[水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)、無機材料(C)、水媒体(E)を含む反応溶液の調製]
メトキシエチルアクリレート3.2g、無機材料(C)としてコロイダルシリカ20質量%水溶液(商品名スノーテックス20、日産化学工業株式会社製)0.4g(SiO2=0.08g)、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(6’)を調製した。
実施例1と同様にして基材6’を作製した。該基材のC/Aは0.025であった。
上記得られた基材6’を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、実施例1と同様にして、血清含有培地を用いてGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球を播種し、6日間培養したが、基材(6’)の表面に接着する細胞は殆ど見当たらなかった。
無機材料(C)としての水膨潤性粘土鉱物Laponite XLGの使用量を0.2から2.4gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして淡い乳白色の複合体(X)の反応溶液(7’)を調整した。
また、反応溶液(7’)を用いて、実施例1と同様にして細胞培養基材7’を得た。
上記得られた細胞培養基材7’を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、培養日数を7日間から14日間に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてGFP遺伝子組み換えマウス骨髄から採取した単核球の培養・回収を行った。その結果、低温処理で自然剥離・回収された細胞数は0個で、トリプシン処理で回収された細胞の数は2.6×104個であった。細胞回収率は約0%であった。
Claims (3)
- 水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)の重合体(A)、N−置換(メタ)アクリルアミドの重合体(B)、及び水膨潤性粘土鉱物及びシリカから選択される1種以上の無機材料(C)を含有する細胞培養基材の上で、骨髄由来細胞を培養し、次いで培養細胞を基材から剥離することを特徴とする骨髄由来細胞の培養方法であって、
前記重合体(A)と前記重合体(B)との質量比((B)/(A))が、0.1〜0.5の範囲にあり、
前記重合体(A)と、前記無機材料(C)との質量比((C)/(A))が、0.03〜0.7の範囲にある、骨髄由来細胞の培養方法。 - 前記水溶性(メタ)アクリル酸エステル(a)が、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート及びエトキシエチルメタクリレートから選択される少なくとも1種のモノマーである請求項1に記載の培養方法。
- 前記無機材料(C)が、水膨潤性粘土鉱物である、請求項1または2に記載の培養方法。
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