JP5929053B2 - 血液由来単核細胞群からの接着性細胞の選択的培養方法 - Google Patents
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Description
また、本培養方法に用いられる培養基材は、γ線や電子線などの放射線滅菌が可能である特徴を有する。
(1)培養容器内の培地を軽く揺らして細胞を剥離させる方法。
(2)ピペットで培地を吸ったり出したりするピペッティング操作で剥離させる方法。
(3)ガラス棒、ピペットの先や、ゴムヘラ等を培養細胞と培養基材間に差し込んで、細胞を持ち上げるように剥離させる方法、
(4)ストロー状の器材で吸引しながら剥離させる方法等がある。
前記分散液(L)を基材に塗布し、その後乾燥することにより前記複合体(X)の薄層を形成する第2工程を順次行なうことを特徴とする細胞培養基材の製造方法が挙げられる。
式(1) Ra<0.19のとき
無機材料(C)の濃度(質量%)<12.4Ra+0.05
式(2) Ra≧0.19のとき
無機材料(C)の濃度(質量%)<0.87Ra+2.17
(式中、無機材料(C)の濃度(質量%)は、無機材料(C)の質量を水媒体(E)と無機材料(C)の合計質量で除して100を掛けた数値、Raは無機材料(C)と重合体(A)との質量比((C)/(A))である。)
[メトキシエチルアクリレート(a)、無機材料(C)、水媒体(E)を含む反応溶液の調製]
メトキシエチルアクリレート(a)3.2g、無機材料(C)として水膨潤性粘土鉱物Laponite XLG(Rockwood Additives Ltd.社製)0.2g、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(1)を調製した。
溶媒(F)として、メタノール9.8g、重合開始剤(D)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン「イルガキュアー184」(チバガイギー社製)0.2gを、均一に混合して溶液(2)を調製した。
上記反応溶液(1)全量に、溶液(2)を250μl入れ、均一に分散させた後、365nmにおける紫外線強度が40mW/cm2の紫外線を180秒照射し乳白色の複合体(X)の分散液(L1)を作製した。
直径35mmのポリスチレン製シャーレ(CORNINGセルカルチャデイッシュ430165)に、上記複合体(X)の分散液(L1)を入れ、スピンコーターを用いて該分散液をシャーレの表面に薄く塗布した後、80℃の熱風乾燥器中で10分間乾燥させ、次いで、滅菌水によりシャーレを洗浄した後、滅菌袋中でシャーレを40℃、5時間乾燥させて、細胞培養基材1を得た。
上記得られた細胞培養基材1を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、培地としてリンパ球増殖基本培地(LGM-3)を適量入れ、ヒト末梢血液由来の単核細胞(TakaraCC-2072、タカラバイオ株式会社)を2.0×106個/Dish播種して、5%二酸化炭素中、37℃で4日間培養を行った。次いで、ディッシュ中の培地及び浮遊している単核細胞を除いて、予め冷蔵庫で冷やした冷培地を入れ、10分間静置した後、ピペットで培地を吸ったり出したりするピペッティング操作を10回程行ったところ、培養基材の表面に接着、増殖されたほぼすべての接着性細胞が培養基材1の表面から剥離されたことが観察された。自然剥離された接着性細胞の数、及び培養基材表面から剥離せず残留した細胞の数をそれぞれ数えて、下記式(3)より、細胞の回収率を求めた。自然剥離された細胞数は6.4×104個で、剥離せず基材に残留した細胞数は1.1×104個、回収率は85%であった。
上記培養基材1で培養された接着性細胞の総数(7.5×104個)が、未コート培養シャーレ(CORNINGセルカルチャデイッシュ430165)を用いた場合(2.3×104個)の3.3倍であった。
(3)
[N−イソプロピルアクリルアミドの重合体(B)の水溶液の調製]
N―イソプロピルアクリルアミド(株式会社興人製)1.7g、水10g、溶液(2)140μl、を混合した後、該溶液を入れるガラス容器の周りを冷却しながら(約20℃)、365nmにおける紫外線強度が40mW/cm2の紫外線を180秒照射し、N-イソプロピルアクリルアミドを重合させた後、更に水を5g添加し、重合体(B)の水溶液(PNIPA2)を調製した。DIGITAL VISCOMATE粘度計(MODEL VM-100A、山一電機株式会社製)を用いてこの溶液の粘度を測定して、粘度は511mPa・sであった。測定時の溶液温度は20℃であった。
メトキシエチルアクリレート(a)3.2g、無機材料(C)として水膨潤性粘土鉱物Laponite XLG(Rockwood Additives Ltd.社製)0.2g、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(2)を調製した。
上記反応溶液(2)全量に、前記溶液(2)を250μl入れ、均一に分散させた後、365nmにおける紫外線強度が40mW/cm2の紫外線を180秒照射し乳白色の複合体(X)の分散液(L2)を作製した。
上記分散液(L2)全量に、N-イソプロピルアクリルアミドの重合体(B)の水溶液(PNIPA2)を7g添加し、均一に混合した後、直径35mmのポリスチレン製シャーレ(CORNINGセルカルチャデイッシュ43016)に入れ、スピンコーターを用いて該分散液をシャーレの表面に薄く塗布した後、80℃の熱風乾燥器中で10分間乾燥させ、次いで、滅菌水によりシャーレを洗浄した後、滅菌袋中でシャーレを40℃、5時間乾燥させて、細胞培養基材2を得た。
上記得られた細胞培養基材2を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、実施例1と同様にして、ヒト末梢血液由来の単核細胞群の培養を行い、低温処理による接着性細胞の回収を行った。自然剥離された接着性細胞の数は6.7×104個で、剥離せず基材に残留した細胞数は3×103個、回収率は96%であった。
上記培養基材2で培養された接着性細胞の総数(7×104個)が、未コート培養シャーレ(CORNINGセルカルチャデイッシュ430165)を用いた場合(2.3×104個)の3倍であった。
[メトキシエチルアクリレート(a)、無機材料(C)、水媒体(E)を含む反応溶液の調製]
メトキシエチルアクリレート(a)3.2g、無機材料(C)としてコロイダルシリカ20質量%水溶液(商品名スノーテックス20、日産化学工業株式会社製)1g(SiO2=0.2g)、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(3)を調製した。
上記反応溶液(3)全量に、前記溶液(2)を250μl入れ、均一に分散させた後、365nmにおける紫外線強度が40mW/cm2の紫外線を180秒照射し乳白色の複合体(X)の分散液(L3)を作製した。
上記分散液(L3)全量に、N-イソプロピルアクリルアミドの重合体(B)の水溶液(PNIPA2)を1g添加し、均一に混合した後、直径35mmのポリスチレン製シャーレ(CORNINGセルカルチャデイッシュ430165)に入れ、スピンコーターを用いて該分散液をシャーレの表面に薄く塗布した後、80℃の熱風乾燥器中で10分間乾燥させ、次いで、滅菌水によりシャーレを洗浄した後、滅菌袋中でシャーレを40℃、5時間乾燥させて、細胞培養基材3を得た。
上記得られた細胞培養基材3を照射線量10kGyの電子線で滅菌した(日本照射サービス株式会社)後、実施例1と同様にして、ヒト末梢血液由来の単核細胞群の培養を行い、低温処理による接着性細胞の回収を行った。自然剥離された接着性細胞の数は4.4×104個で、剥離せず基材に残留した細胞数は1.1×104個、回収率は80%であった。
上記培養基材3で培養された接着性細胞の総数(5.5×104個)が、未コート培養シャーレ(CORNINGセルカルチャデイッシュ430165)を用いた場合(2.3×104個)の2.4倍であった。
直径35mmのポリスチレン製シャーレ(CORNINGセルカルチャデイッシュ430165)をそのまま用いて、実施例1と同様にして、ヒト末梢血液由来の単核細胞群の培養を行った後、低温処理による接着細胞の回収を行ったところ、細胞は殆ど剥離しなかった。更にD-PBSと0.25% Trypsin−EDTAで処理し、細胞を回収し、細胞の数は2.3×104個であった。自然剥離による細胞の回収率は10%以下であった。
フィブロネクチン(354008、日本ベクトン・ディッキンソン株式会)の水溶液を5μg/cm2になるようにポリスチレン製シャーレ(CORNINGセルカルチャデイッシュ430165)にコートしたものを用いて、実施例1と同様にして、ヒト末梢血液由来の単核細胞群の培養を行った後、低温処理による接着性細胞の回収を行ったところ、細胞は殆ど剥離しなかった。更にD-PBSと0.25% Trypsin−EDTAで処理し、細胞を回収し、細胞の数は1.1×104個であった。自然剥離による細胞の回収率は10%以下であった。
[メトキシエチルアクリレート(a)、水媒体(E)を含む反応溶液の調製]
メトキシエチルアクリレート(a)3.2g、水媒体(E)として水100g、を均一に混合して反応溶液(3’)を調製した。
Claims (6)
- メトキシエチルアクリレート(a)の重合体(A)と、水膨潤性粘土鉱物及びシリカから選択される1種以上の無機材料(C)とを含有する細胞培養基材の上に、血液由来単核細胞群を播種し、成長因子を使用せずに血液由来単核細胞群中の接着性細胞のみを選択的に細胞培養基材上で接着増殖させ、培地交換により、培養基材表面に接着していない細胞を除き、次いで25℃以下の低温処理及び物理的な外部刺激により、細胞培養基材の表面に接着し増殖された接着性細胞を基材から剥離することを特徴とする血液由来単核細胞群からの接着性細胞の選択的培養方法。
- 前記細胞培養基材が、更に、N−イソプロピルアクリルアミドの重合体(B)を含有する請求項1記載の血液由来単核細胞群からの接着性細胞の選択的培養方法。
- 前記重合体(A)と重合体(B)との質量比((B)/(A))が、0.01〜1.5の範囲にある請求項2記載の血液由来単核細胞群からの接着性細胞の選択的培養方法。
- 前記重合体(A)と、前記無機材料(C)との質量比((C)/(A))が、0.03〜0.8の範囲にある請求項1〜3のいずれか一つに記載の血液由来単核細胞群からの接着性細胞の選択的培養方法。
- タンパク質分解酵素を使用せずに培養細胞を基材から剥離する請求項1〜4のいずれか一つに記載の血液由来単核細胞群からの接着性細胞の選択的培養方法。
- 前記血液が、臍帯血、末梢血である請求項1〜5のいずれか一つに記載の血液由来単核細胞群からの接着性細胞の選択的培養方法。
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