JP2013055908A - 培養床及びその製造方法 - Google Patents
培養床及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013055908A JP2013055908A JP2011196012A JP2011196012A JP2013055908A JP 2013055908 A JP2013055908 A JP 2013055908A JP 2011196012 A JP2011196012 A JP 2011196012A JP 2011196012 A JP2011196012 A JP 2011196012A JP 2013055908 A JP2013055908 A JP 2013055908A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- culture
- clay mineral
- culture bed
- swellable clay
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
【課題】 支持体との接着性が良好であり、細胞を容易に接着、増殖できる培養床、且つ生物由来の材料を全く使用しないか、その使用量を最小限に抑えた非生物由来材料を主成分とした培養床、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 水膨潤性粘土鉱物と溶媒とを含有し、前記溶媒と前記水膨潤性粘土鉱物の合計質量に対する水膨潤性粘土鉱物の質量比率が50%以上であり、全固形分中の前記水膨潤性粘土鉱物の質量比率が80%以上であることを特徴とする培養床。
【選択図】図1
Description
即ち、本発明は、水膨潤性粘土鉱物と溶媒とを含有し、前記溶媒と前記水膨潤性粘土鉱物の合計質量に対する水膨潤性粘土鉱物の質量比率が24%以上であり、全固形分中の前記水膨潤性粘土鉱物の質量比率が80%以上であることを特徴とする培養床を提供する。
前記水膨潤性粘土鉱物(A)を水媒体に混合した後、分散液(L)を製造する第1工程、
前記分散液(L)を支持体に塗布し、その後乾燥することにより前記水膨潤性粘土鉱物(A)の薄層を形成する第2工程、を行なうことを特徴とする培養床の製造方法を提供する。
非ゲル状とは、水を大量に含まず、膨潤・収縮挙動を取らず、ゾル−ゲル転移を行わない状態を指す。
上記の製造方法は、水膨潤性粘土鉱物(A)の比率を調整することにより、細胞の増殖速度を幅広く調整することができるという特徴を有する。
この実施例は培養床を製造する例である。
[水膨潤性粘土鉱物(A)を含む分散液の調製]
水膨潤性粘土鉱物(A)としてLaponite XLG(Rockwood Additives Ltd.社製)0.08g、水20g、を均一に混合して分散液(L)を調製した。
[水膨潤性粘土鉱物(A)からなる培養床の作製(第2工程)]
直径35mmのポリスチレン製シャーレ(旭テクノグラス株式会社製、)に、上記水膨潤性粘土鉱物(A)の分散液(L1)を入れ、スピンコーターを用いて2000回転で該分散液をシャーレの表面に薄く塗布した後、80℃の熱風乾燥器中で10分間乾燥させ、50℃の精製水で2回、滅菌水で1回洗浄することで、水膨潤性粘土鉱物(A)の薄層からなる培養床(1)を作成した。培養床(1)の厚みを透過型電子顕微鏡(TEM)で計測すると、約20nmであった。また、含水率は6%、含クレイ率は94%であった。
このようにして得られた培養床(1)を5枚用いて、細胞の培養を行った。培養する細胞は、正常ヒト真皮線維芽細胞(DSファーマバイオメディカル株式会社製)を使用した。培養は、ウシ胎児血清(バイオウエスト社製)を10%含有するダルベッコ変法ミニマム・エッセンシャル・イーグル培地(和光純薬製)を使用して、5%二酸化炭素含有37℃恒温器内で行った。また、5枚のディッシュには全く同じ条件で細胞の播種を行った。播種細胞数は一枚のディッシュあたり10万個の細胞を播種した。細胞を含む培地の播種量は2mlとした。播種してから1日後、4日後、1週間後、これらの培養床(1)の表面を光学顕微鏡にて観察したところ、細胞が培養床(1)上に接着して、また十分に増殖していた様子が鮮明に確認することが出来た。一週間培養した細胞を0.05%トリプシン/0.53mM EDTA(ナカライテスク社製)を用いて回収し、再播種したところ、良好な接着と増殖が確認できた。
細胞培養用ディッシュ「ファルコン3003」(ベクトン・ディッキンソン社製)(以下,TCPSディッシュ)を何も表面処理を行わずに使用して、細胞培養を行った。細胞及び培地、培養条件は実施例1と同様にして行った。
細胞培養用ディッシュ「ファルコンコラーゲンIコート354456」(ベクトン・ディッキンソン社製)(以下、コラーゲンコートディッシュ)を使用して、細胞培養を行った。細胞及び培地、培養条件は実施例1と同様にして行った。この培養床は、I型コラーゲンをポリスチレンディッシュ表面に吸着させたものである。
細胞培養用ディッシュ「BDピュアコートアミン354721」(ベクトン・ディッキンソン社製)を使用して、細胞培養を行った。細胞及び培地、培養条件は実施例1と同様にして行った。この培養床は、ポリスチレンディッシュ表面にアミド基を化学修飾したものである。
細胞培養用ディッシュ「BDピュアコートカルボキシル354773」(ベクトン・ディッキンソン社製)を使用して、細胞培養を行った。細胞及び培地、培養条件は実施例1と同様にして行った。この培養床は、ポリスチレンディッシュ表面にカルボキシル基を化学修飾したものである。
細胞培養用ディッシュ「セルバインド3294」(コーニング・インターナショナル社製)を使用して、細胞培養を行った。細胞及び培地、培養条件は実施例1と同様にして行った。この培養床は、ポリスチレンディッシュ表面をマイクロウェーブ処理したものである。
実施例1と同様に水膨潤性粘土鉱物(A)としてLaponite XLG0.16g、水媒体(W)として水10g、を均一に混合して分散液(L1)を調製した。この分散液0.3gを直径15mmのガラス(松波ガラス社製)にコートし、室温で18時間乾燥させ、培養床(2)が作製できた。培養床(2)の厚みをデジタルインジケーター(SONY U12B)で測定したところ、約13μmであった。また、含水率は11%、含クレイ率は89%であった。
分散液(L1)にアスコルビ酸リン酸エステルマグネシウム塩n水和物(和光純薬社製)を最終濃度0.28mMで添加する以外は実施例2と同様に作製し、厚み約13μmの培養床(3)が作製できた。また、含水率は13%、含クレイ率は87%であった。アスコルビ酸リン酸エステルマグネシウム塩n水和物の含有量はクレイの0.005%であった。
細胞培養用24ウェルプレート353047(ベクトン・ディッキンソ社製)を使用して、細胞培養を行った。細胞及び培地、培養条件は実施例2と同様にして行った。播種してから1日後、4日後の表面を光学顕微鏡にて観察したところ、細胞が接着して、また十分に増殖していた様子が鮮明に確認することが出来た。また、1日後と4日後のATP産生量を実施例2と同様の手法で確認した結果を表―2に示す。
20℃の恒温室において、内部を窒素置換した平底ガラス容器に、超純水57.06gとテフロン(登録商標)製攪拌子を入れ、攪拌しながら1.44gのラポナイトXLG を加え、無色透明の溶液を調製した。これにNIPA(N-イソプロピルアクリルアミド) 6.78gを加え、窒素雰囲気内で攪拌して無色透明溶液を得た。次に、KPS(ペルオキソ二硫酸カリウム(関東化学株式会社製))水溶液3gとTEMED(N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(和光純薬工業株式会社製))48μlを攪拌しながら無色透明溶液に加えた。この溶液をあらかじめ窒素雰囲気中に静置して容器内の酸素を除去しておいた蓋付きのポリスチレン製容器(9cm×15cm 3枚にそれぞれ酸素にふれないようにして移した後、密栓をし、20℃の恒温水槽中で20時間静置して重合を行った。なお、これらの溶液調製から重合までの操作は、全てクリーンベンチ内にて行い、さらに酸素を遮断した窒素雰囲気下で行った。重合開始から20時間後に、ポリスチレン製容器内に無色透明で均一なシート状のヒドロゲル(A)が得られた。
直径35mmのポリスチレン製シャーレ(旭テクノグラス株式会社製、)に、上記水膨潤性粘土鉱物(A)の分散液(L1)を入れ、粘土鉱物の含有量が9%、含水率が91%となった培養床を作成した。
直径35mmの低接着細胞培養容器(EZ−BindShut、旭テクノグラス社製)の一部分に実施例2で作製した分散液(L1)を直径約15mmになるよう0.3gをコートし、室温で18時間乾燥させ、培養床(4)が作製できた。含水率は10%、含クレイ率は90%であった。
実施例2と同様に水膨潤性粘土鉱物(A)としてLaponite XLG0.24g、水媒体(W)として水10g、を均一に混合して分散液(L1)を調製した。この分散液0.5gを直径22mmのガラス(松波ガラス社製)にコートした。乾燥時間を変えることで、含水率と含クレイ率が異なる培養床(実施例4〜8、比較例9〜11)を作製した。
各含クレイ率のコートクレイ上にCHO−K1細胞(JCRB9018,ヒューマンサイエンス研究資源バンク)を1×105細胞播種した。37℃、5%CO2雰囲気下で1日培養を行い、細胞の接着伸展を確認した。含クレイ率と細胞の接着伸展の関係は表−3の通りである。
実施例2と同様に水膨潤性粘土鉱物(A)としてLaponite XLG0.16g、水媒体(W)として水10g、を均一に混合して分散液(L1)を調製した。また、寒天(和光純薬、010−15815)0.16g、水媒体(W)として水10g、を均一に混合して分散液(L2)を調製した。L1、L2を混合することで、全固形分中の含クレイ率の異なる分散液(L3)を調製し、この分散液0.3gを直径18mmのガラス(松波ガラス社製)にコートし、一晩室温で乾燥した。
各含クレイ率のコートクレイ上にCHO−K1細胞(JCRB9018,ヒューマンサイエンス研究資源バンク)を1×105細胞播種した。37℃、5%CO2雰囲気下で1日培養を行い、細胞の接着伸展を確認した。含クレイ率と細胞の接着伸展の関係は表−4の通りである。
実施例2と同様に水膨潤性粘土鉱物(A)としてLaponite XLG0.16g、水媒体(W)として水10g、を均一に混合して分散液(L1)を調製した。また、メタノール9.8g、重合開始剤(D)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン「イルガキュアー184」(チバガイギー社製)0.2gを、均一に混合した溶液250μlをポリジメチルアクリルアミド9.9g、水媒体(W)として水100gの混合液中に入れ、均一に分散させた後、365nmにおける紫外線強度が40mW/cm2の紫外線を180秒照射し分散液(L4)を作製した。L4を水媒体で希釈し、水膨潤性粘土鉱物と同質量%の分散液(L5)を調製した。L1、L5を混合することで、全固形分中の含クレイ率の異なる分散液(L6)を調製し、この分散液0.3gを直径18mmのガラス(松波ガラス社製)にコートし、一晩室温で乾燥した。
Claims (8)
- 水膨潤性粘土鉱物と溶媒とを含有し、前記溶媒と前記水膨潤性粘土鉱物の合計質量に対する水膨潤性粘土鉱物の質量比率が50%以上であり、全固形分中の前記水膨潤性粘土鉱物の質量比率が80%以上であることを特徴とする培養床。
- 前記層の厚みが1nm〜50μmである請求項1記載の培養床。
- 水溶性有機化合物を含有する請求項1又は2記載の培養床。
- 前記水溶性有機化合物がビタミン類から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の培養床。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の培養床を支持体上に積層した培養基材。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の培養床を製造するための培養床用組成物であり、溶媒中に水膨潤性粘土鉱物を0.1〜3%分散させた培養床用組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の培養床を用いた細胞培養方法。
- 水膨潤性粘土鉱物を溶媒中に分散させて得られた分散液、もしくはさらに水溶性有機化合物を含む分散液を支持体に塗付し、その後溶媒を除去することにより前記水膨潤性粘土鉱物の薄層を形成する培養床の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011196012A JP2013055908A (ja) | 2011-09-08 | 2011-09-08 | 培養床及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011196012A JP2013055908A (ja) | 2011-09-08 | 2011-09-08 | 培養床及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013055908A true JP2013055908A (ja) | 2013-03-28 |
Family
ID=48132391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011196012A Pending JP2013055908A (ja) | 2011-09-08 | 2011-09-08 | 培養床及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013055908A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006325461A (ja) * | 2005-05-25 | 2006-12-07 | Kawamura Inst Of Chem Res | クレイヒドロゲルからなる細胞培養基材 |
WO2009150931A1 (ja) * | 2008-06-12 | 2009-12-17 | 財団法人川村理化学研究所 | 有機無機複合体分散液及びそれを用いて製造される細胞培養基材、及びそれらの製造方法 |
-
2011
- 2011-09-08 JP JP2011196012A patent/JP2013055908A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006325461A (ja) * | 2005-05-25 | 2006-12-07 | Kawamura Inst Of Chem Res | クレイヒドロゲルからなる細胞培養基材 |
WO2009150931A1 (ja) * | 2008-06-12 | 2009-12-17 | 財団法人川村理化学研究所 | 有機無機複合体分散液及びそれを用いて製造される細胞培養基材、及びそれらの製造方法 |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
JPN6015036328; J. Biomed. Mater. Res. A Vol.67, No.2, 20031101, p.389-400 * |
JPN6015036330; Tissue Eng. Vol.9, No.6, 200312, p.1143-1157 * |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Ahlfeld et al. | Development of a clay based bioink for 3D cell printing for skeletal application | |
JP5080848B2 (ja) | 細胞培養支持体とその製造方法 | |
JP5880181B2 (ja) | 有機無機複合ヒドロゲル | |
JP6451023B2 (ja) | 細胞培養基材 | |
WO2009150931A1 (ja) | 有機無機複合体分散液及びそれを用いて製造される細胞培養基材、及びそれらの製造方法 | |
JP6052432B2 (ja) | 温度応答性細胞培養基材及びその製造方法 | |
JP6493629B2 (ja) | 細胞培養基材 | |
TW201014914A (en) | Materials and methods for cell growth | |
RU2471824C1 (ru) | Биосовместимый биодеградируемый пористый композиционный материал и способ его получения | |
JP4430123B1 (ja) | 細胞培養基材及びその製造方法 | |
JP2006288251A (ja) | 細胞培養基材及び細胞培養方法 | |
JP5500754B2 (ja) | クレイヒドロゲルからなる細胞培養基材 | |
Wang et al. | Preparation and biological properties of silk fibroin/nano-hydroxyapatite/hyaluronic acid composite scaffold | |
JP2011225769A (ja) | 有機無機複合体分散液の製造方法 | |
JP5935477B2 (ja) | 骨髄由来細胞の培養方法 | |
JP2011072297A (ja) | 細胞培養基材 | |
JP2013055908A (ja) | 培養床及びその製造方法 | |
Biazar et al. | Design of electrospun poly vinyl alcohol/chitosan scaffoldand its cellular study | |
Hong et al. | Biomedical polymer scaffolds mimicking bone marrow niches to advance in vitro expansion of hematopoietic stem cells | |
JP5929053B2 (ja) | 血液由来単核細胞群からの接着性細胞の選択的培養方法 | |
JP2021132629A (ja) | 細胞非接着性材料および細胞接着制御性材料 | |
JP6024004B2 (ja) | 角膜細胞の製造方法及び角膜細胞シートの製造方法 | |
JP7502888B2 (ja) | 細胞培養基材用コーティング剤、細胞培養基材、細胞培養用キット及び細胞シートの生産方法 | |
JP2023178108A (ja) | 細胞培養基材 | |
JP2022044175A (ja) | 細胞培養基材およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20130710 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20130710 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20140716 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140805 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150908 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20160126 |