JP3239298B2 - 感温性ハイドロゲル並びにこれを用いてなる医療用外用材 - Google Patents

感温性ハイドロゲル並びにこれを用いてなる医療用外用材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定の親水性アクリル系
共重合物を成膜、架橋及び含水処理してなる感温性ハイ
ドロゲル並びにこれを用いてなる医療用外用材に関し、
更に詳しくは、柔軟で伸びがあり、かつ透明である親水
性アクリル系共重合物の膜状物に架橋及び含水処理を施
してなる、感温収縮性の体積相転移現象を生ずる感温性
ハイドロゲル並びにこれを用いた医療用外用材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ゲルの相転移現象の発見以来、有機高分
子ゲルに対する関心が高まり始め、現在では様々な角度
から盛んな研究活動が行なわれており、ゲル関連技術の
急速な発展には目を見張るものがある。
【0003】なかでも、感温収縮型熱応答性を有するメ
チルセルロース、ポリビニルメチルエーテル、ポリ酢酸
ビニル部分ケン化物、ポリ−N−イソプロピルアクリル
アミド、イソプロピルアクリルアミド/アクリル酸共重
合体等のハイドロゲルはドラッグデリバリー、農園芸用
保水剤、光学表示材料、メカノケミカル材料等、幅広い
用途が考えられている。
【0004】岡野等はポリ−N−イソプロピルアクリル
アミドゲルを用いて自己制御型の熱刺激応答型薬剤放出
システムを利用したインテリジェント製剤を提唱してい
る。その中で温度が上昇してゲルが収縮する時に水と同
時に薬物も放出されるメカニズム、いわゆるスクイージ
ング効果が説明されている。
【0005】また岡野等の温度感応性を有するポリ−N
−イソプロピルアクリルアミド及びその共重合体からな
る創傷被覆用ハイドロゲル(特開平5−84290号公
報)は疼痛抑制、密着性に優れ、更に治癒完了後はゲル
を冷やすだけで容易に剥がすことができるというもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この創
傷被覆用ハイドロゲルは水分の放出或いは乾燥により水
分量が低下してくると透明性に欠けるうえ、柔軟性が乏
しく伸縮部における追従性に欠けるのであり、しかも密
着性が不充分であるので、使用中に浮きが生じたり、創
傷部からの滲出液の吸収性が悪いなどの課題が予想され
るのである。
【0007】そして、これまで、透明性、柔軟性、密着
性に優れるアクリル酸エステル/N−ビニル−2−ピロ
リドン共重合体からなる感温性を特徴とするハイドロゲ
ル並びにそれを用いた医療用外用材は知られていなかっ
た。
【0008】本発明は、特定の配合割合からなるメトキ
シエチルアクリレート/N−ビニル−2−ピロリドン共
重合物を成膜、架橋及び含水処理することにより、透明
性、柔軟性、密着性に優れる新規な感温収縮型の感温性
ハイドロゲル並びにそれを用いてなる医療用外用材を提
供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の感温性ハイドロゲルにおいては、メトキシ
エチルアクリレート60〜80重量部、N−ビニル−2
ーピロリドン20〜40重量部である単量体組成物の共
重合物を成膜、架橋及び含水処理してなるものである。
【0010】以下、本発明の感温性ハイドロゲルについ
て詳細に説明する。本発明の感温性ハイドロゲルは、メ
トキシエチルアクリレート60〜80重量部とN−ビニ
ル−2−ピロリドン20〜40重量部からなる単量体組
成物の共重合物を、成膜、架橋及び含水処理を施すこと
によって得られるものであり、このように構成すること
によって、透明性、吸水性、柔軟性、密着性及び感温性
が優れるのである。
【0011】本発明において、メトキシエチルアクリレ
ートとN−ビニル−2−ピロリドンからなる単量体組成
物の配合割合において、メトキシエチルアクリレートが
60重量部未満と少なく、かつN−ビニル−2−ピロリ
ドンが40重量部を超える場合には、水溶性が過剰で、
かつ低含水時の柔軟性が不充分となるために好ましくな
く、メトキシエチルアクリレートが80重量部を超え、
かつN−ビニル−2−ピロリドンが20重量部未満の場
合には、吸水性が低下し、かつ低含水時に過度の粘着性
が発現する等の理由により、透明性、吸水性、柔軟性、
密着性及び感温性が優れた感温性ハイドロゲルが得難
く、従って、特に、この配合割合はメトキシエチルアク
リレートが70重量部程度、N−ビニル−2−ピロリド
ンが30重量部程度とするのが望ましい。
【0012】本発明の共重合物は上述のモノマーの混合
物を通常知られている重合方法により共重合することに
よって製造することができる。この共重合方法として
は、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、光重合
のいずれの方法も可能であるが、残存モノマー量の低減
等の観点から溶液重合が好ましく行なわれるのである。
【0013】例えば、溶液重合は極性溶剤或いは非極性
溶剤中で通常の操作を行うことができる。極性溶剤とし
ては、例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる
のであり、また非極性溶剤としては、例えば酢酸メチ
ル、酢酸エチル、トルエン、キシレン、エチレングリコ
ールモノアルキルエーテル等が挙げられるのであり、こ
れらは単独或いは2種以上を混合して用いることができ
る。
【0014】この場合、重合開始剤としては、例えばベ
ンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサ
イド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、アゾ
ビスイソブチロニトリル等が挙げられるのであり、これ
らは単独或いは2種以上を混合して用いることができ
る。
【0015】上記のモノマー、溶剤、重合開始剤の混合
物を通常の操作でラジカル重合することによって得られ
る共重合物に成膜、架橋及び含水処理を施すことによ
り、本発明の感温性ハイドロゲルを得ることができる。
【0016】成膜方法は、本共重合物が熱可塑性に優れ
ることから、キャスティング法、押出し法等の一般に知
られているあらゆる方法を用いることができるが、膜厚
が75μm以下の場合はキャスティング法、膜厚が75
μmを超える場合は押出し法が好ましく用いられるので
ある。
【0017】架橋処理は、γ線、電子線等の放射線照射
等の物理的方法や多官能アクリレート又はメタクリレー
ト、有機過酸化物、イソシアネート化合物、有機金属
塩、金属アルコラート、金属キレート化合物、エポキシ
基含有化合物、一級アミノ基含有化合物等による化学的
方法が挙げられるのであり、架橋及び減菌が同時にでき
ることから線量が25kGy以上のγ線照射が好適であ
る。また、光重合の場合は多官能アクリレート又はメタ
クリレートも好ましく用いられるのである。
【0018】含水処理は、架橋を施した成膜を水中に浸
漬することにより膨潤させるか、或いは該ポリマーの水
溶液に架橋を施して不溶化することによって行う。この
水分としては蒸留水、注射用蒸留水、減菌精製水、生理
食塩水、リン酸緩衝生理食塩水等を用いることができる
上、更に薬物を含有させてもよい。
【0019】この含有可能な薬物としては、水溶性であ
れば特に制限はないが、具体的には、例えば抗菌剤とし
てのポピドンヨード、ヨード、サルファジアジン、スル
フィソミジンナトリウム、スルファメトキサゾールナト
リウム、塩化セタルコニウム、塩化ベンザルコニウム、
塩化ベンゼトニウム、アクリノール、グルコン酸クロル
ヘキシジン、硫酸ネオマイシン、ベンジルペニシリンカ
リウム、セファロシン、セファロリジン、塩酸テトラサ
イクリン、塩酸リンコマイシン、ナイスタシン、塩酸バ
ンコマイシン、硫酸カナマイシン、ペニシリナーゼ抵抗
性ペニシリン、硫酸フラジオマイシン等の抗生物質、サ
リチル酸ナトリウム、塩酸トラマドール、メシル酸ジメ
トチアジン、塩酸チアラミド、塩酸ブプレノルフィン、
ヒアルロン酸ナトリウム等の消炎鎮痛剤、塩酸テトラカ
イン、塩酸プロカイン、塩酸ジブカイン等の局所麻酔
薬、塩酸ジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン薬、塩酸
プロプラノロール、塩酸アルプレノール、酒石酸メトプ
ロロール等のβ−遮断薬、塩酸クロニジン、塩酸ブニト
ロロール等の血圧降下薬、アシクロビル、ビダラビン等
の抗ウィルス薬、アルプロスタジル等のプロスタグラン
ジン類、TGF、FGF、PDGF、EGF等の成長因
子ホルモン薬、水溶液コラーゲン、コンドロイチン硫
酸、各種水溶性ビタミン等が挙げられる。
【0020】本発明の感温性ハイドロゲルは、温度が上
昇すると収縮して水分を放出するという性質を有するの
であり、例えば20℃(常温)の蒸留水で飽和膨潤させた
ハイドロゲルを37℃(体温)に昇温すると、収縮して水
分の一部を放出する。
【0021】この場合、薬物が含まれると、水分と同時
に薬物の一部がスクイージング効果によって徐々に放出
されるため、ハイドロゲルの形状とサイズ、含有薬物濃
度、含水率、温度差を調節することにより、薬物の放出
を制御することが可能である。
【0022】本発明の感温性ハイドロゲルの含有可能な
水分率(W/W)は、10%以上96%以下であり、低温
であるほど飽和含水率は高くなるが、実質的には、常温
における含水率は80%以上94%以下が好ましく、9
0%以上94%以下が更に好ましい。
【0023】本発明の感温性ハイドロゲルの基材である
メトキシエチルアクリレート/N−ビニル−2−ピロリ
ドン共重合物は柔軟性に優れるため、多量の水分を放出
して含水率が低下した状態においても、満足できる柔軟
性を保持することができるのである。
【0024】以上のように、本発明は、特定の配合割合
からなるメトキシエチルアクリレート/N−ビニル−2
−ピロリドン共重合物を成膜、架橋及び含水処理するこ
とにより、透明性、柔軟性及び密着性に優れる上、至極
優れた感温収縮型の感温性ハイドロゲルが得られるので
ある。
【0025】本発明の医療用外用材は、上記目的を達成
するために、本発明の感温性ハイドロゲルを用いてなる
ものである。
【0026】本発明において、医療用外用材としては、
後述するように、創傷用被覆材、ハイドロゲルドレッシ
ング材、ヘルペス、帯状庖及び水庖等に有効な治癒材、
ドラッグデリバリーに優れる製剤などが挙げられる。
【0027】即ち、本発明の感温性ハイドロゲルに適宜
の濃度の抗菌剤或いは抗生物質を含有させ、体温付近で
の徐放性を制御することにより、耐細菌性に優れる上、
汚染性の高い創傷治癒に有効な創傷用被覆材として用い
ることができる。
【0028】本発明の感温性ハイドロゲルに適宜の濃度
の治癒促進物質、例えば、プロスタグランジン類やEG
F等を含有させ、体温付近での徐放性を制御することに
より、治癒性に優れるハイドロゲルドレッシング材を得
ることができる。
【0029】本発明の感温性ハイドロゲルに適宜の濃度
の抗ウィルス剤を含有させ、体温付近での徐放性を制御
することにより、ヘルペス、帯状庖疹、水庖等に有効な
治癒材を得ることができる。
【0030】本発明の感温性ハイドロゲルに適宜の濃度
の経皮吸収性に優れる薬物を含有させ、体温付近での徐
放性を制御することにより、ドラッグデリバリーに優れ
る製剤を得ることができる。
【0031】また、本発明の医療用外用材においては、
必要に応じて、補強材或いは支持体を設けることができ
る。この補強材或いは支持体としてはあらゆる素材を用
いることができる。この素材としては、具体的には、例
えば、紙、不織布、綿布、合成樹脂布、合成樹脂フィル
ム、合成樹脂発泡体、メッシュ状或いはネット状の紙、
不織布、綿布、合成樹脂布、合成樹脂フィルム、更にこ
れらを基材とするサージカルテープ、医療用粘着シー
ト、粘着包帯等が挙げられる。
【0032】
【作用】本発明の感温性ハイドロゲルにおいては、メト
キシエチルアクリレート60〜80重量部、N−ビニル
−ピロリドン20〜40重量部である単量体組成物の共
重合物を成膜、架橋及び含水処理してなるのであり、低
いガラス転移点を有する水溶性アクリル系共重合物を架
橋して不溶化し、適度に含水させてゲル状としたもので
あり、また、このゲルは特有の相転移現象を生じるため
に、透明性、吸水性、柔軟性、密着性及び感温性が優れ
る作用を有するのである。
【0033】特に、本発明の感温性ハイドロゲルにおい
ては、特定の配合割合からなるメトキシエチルアクリレ
ート/N−ビニル−2−ピロリドン共重合物は柔軟性に
優れるため、多量の水分を放出して含水率が低下した状
態においても、満足できる柔軟性を保持することができ
る作用を有するのである。
【0034】又、本発明の医療用外用材は、本発明の感
温性ハイドロゲルを用いてなるので、透明性、吸水性、
柔軟性、密着性及び感温性が優れる作用を有するのであ
る。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 20L容撹拌機付密閉型反応器にアゾビスイソブチロニ
トリル0.2重量部、2−メトキシエチルアクリレート
70重量部、N−ビニル−2−ピロリドン30重量部及
びトルエン66.7重量部を仕込み、500ml/minの
流量で2時間窒素置換した後、撹拌及び溶剤滴下(滴下
量166.7重量部)により反応器内を58℃〜68℃
に維持しながら4時間反応させた。
【0036】続いて、80℃で2時間撹拌することによ
り、反応を完結させた後、室温まで冷却して、アクリル
系共重合物の溶液を得た。
【0037】このアクリル系共重合物の溶液を剥離性紙
に一定の厚みで塗布した後、130℃で5分間乾燥する
ことにより、溶剤及び未反応モノマーを除去し、厚みが
50μmの透明なフィルムとして親水性アクリル系ポリ
マーを得た。この親水性アクリル系ポリマーを塗工機で
ドライ化した。
【0038】このドライ化の条件は新鮮な気流下で塗工
速度=1.5m/分、乾燥塔長=6.0m、乾燥時間=4
分、乾燥温度=120℃〜140℃、フィルム厚み=5
0μmであり、得られた透明フィルムは積層して2cm厚
のロール状とした後、適当な大きさで短冊状に裁断し
た。
【0039】この短冊状試料を単軸押出し機にてTダイ
成形した。すなわち、軸回転数=60rpm、成形温度=
150℃〜170℃、ダイリップ幅=0.5mm、ダイリ
ップ長=100mm、引取り速度=15m/分とすること
により、平均厚み400μmの無色透明なシートを得
た。更に、このシートを5cm角に裁断した後、線量が2
7.7kGyのγ線を照射し、医療用吸水性ポリマーシー
トを得た。
【0040】得られた医療用吸水性ポリマーシートを2
0℃の蒸留水中に24時間浸漬して十分に吸水膨潤させ
ることにより、含水率が93.8%である本発明の感温
性ハイドロゲルを得た。
【0041】本品を水分不透過性のアルミ包材中に封入
し、37℃で5時間放置した後、開封したところ、ハイ
ドロゲルは収縮して水分を放出しており、含水率は8
6.7%であった。
【0042】実施例2 実施例1で得られた医療用吸水性ポリマーシートを5℃
の蒸留水中に24時間浸漬して十分に吸水膨潤させるこ
とにより、含水率が95.5%である本発明の感温性ハ
イドロゲルを得た。
【0043】本品を水分非透過性のアルミ包材中に封入
し、37℃で5時間放置した後、開封したところ、ハイ
ドロゲルは収縮して水分を放出しており、含水率は8
6.7%であった。
【0044】実施例3 実施例1で得られた医療用吸水性ポリマーシートを20
℃のリン酸緩衝生理食塩水中(pH=7.4)に24時間
浸漬して十分に吸水膨潤させることにより、含水率が9
3.1%である本発明の感温性ハイドロゲルを得た。
【0045】本品を水分非透過性のアルミ包材中に封入
し、37℃で5時間放置した後、開封したところ、ハイ
ドロゲルは収縮して水分を放出しており、含水率は8
3.3%であった。
【0046】実施例4 実施例1で得られた医療用吸水性ポリマーシートを5℃
のリン酸緩衝生理食塩水中(pH=7.4)に24時間浸
漬して十分に吸水膨潤させることにより、含水率が9
5.1%である本発明の感温性ハイドロゲルを得た。
【0047】本品を水分非透過性のアルミ包材中に封入
し、37℃で5時間放置した後、開封したところ、ハイ
ドロゲルは収縮して水分を放出しており、含水率は8
3.3%であった。
【0048】実施例5 実施例1で得られた医療用吸水性ポリマーシートを20
℃の0.05%(W/W)グルコン酸クロルヘキシジン水
溶液に24時間浸漬して十分に吸収膨潤させることによ
り、含水率が93.5%である耐細菌性を有するハイド
ロゲルドレッシング材として、本発明の医療用外用材を
得た。
【0049】実施例6 実施例1で得られた医療用吸水性ポリマーシートを20
℃の0.06%(W/W)ビダラビン生理食塩水溶液に2
4時間浸漬して十分に吸収膨潤させることにより、含水
率が93.5%である抗ウィルス性帯状庖疹治療材とし
て、本発明の医療用外用材を得た。
【0050】実施例7 実施例1で得られた医療用吸水性ポリマーシートを20
℃の3%(W/W)酢酸水溶液に24時間浸漬して十分に
吸収膨潤させることにより、含水率が93.7%である
耐MRSA性を有する貼付材として、本発明の医療用外
用材を得た。
【0051】実施例8 実施例1で得られたドライ化した親水性アクリル系ポリ
マー6重量部を20℃の蒸留水94重量部に溶解したも
のを、厚み2mm、縦10cm、横10cmの剥離性シリコン
型内に溜延し、両面を剥離性PETセパレータで被覆し
た後、28.5kGyのγ線を照射することにより、本発
明の感温性ハイドロゲルを得た。
【0052】比較例1 ポリエチレンオキシド4重量部及び水96重量部の混合
物をγ線架橋してなる市販のハイドロゲルを20℃の蒸
留水中で24時間放置した後の含水率は98.4%であ
った。このものを密封包材中に封入し、37℃で5時間
放置したところ、その含水率は98.1%となり、明ら
かな感温性は認められなかった。
【0053】比較例2 精製したN−イソプロピルアクリルアミド100重量部
と、アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部をベンゼ
ン200重量部に溶解し、2時間窒素置換した後、窒素
気流下60℃で15時間撹拌して重合した。この重合物
をテトラヒドロフランに溶解し、エチルエーテルで再沈
した。
【0054】さらに室温で48時間、減圧乾燥すること
によりポリ−N−イソプロピルアクリルアミド78重量
部を得た。得られたポリ−N−イソプロピルアクリルア
ミド5重量部に蒸留水95重量部を加えて、室温で十分
に撹拌することにより、流動性ハイドロゲルを得た。
【0055】このハイドロゲルを水分非透過性のアルミ
包材中に封入し、37℃で5時間放置した後、開封した
ところ、ハイドロゲルは収縮して水分を放出したが、白
色不透明で著しく柔軟性に劣るポリ−N−イソプロピル
アクリルアミドが残存した。
【0056】
【発明の効果】本発明の感温性ハイドロゲルは、上記構
成を有する結果、透明性、柔軟性、密着性に優れる上、
優れた感温収縮性を発現するなどの効果を有するのであ
る。
【0057】又、本発明の医療用外用材は、本発明の感
温性ハイドロゲルを用いてなるので、透明性、吸水性、
柔軟性、密着性及び感温性が優れる結果、外用材として
至極有益である。
【0058】この場合、適宜の濃度の薬物を含有させ、
体温付近での徐放性を制御することにより、薬物の放出
制御が可能となる結果、医療用外用材として至極有益で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−84290(JP,A) 特開 昭63−30818(JP,A) 特開 昭63−35521(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 15/16 A61K 9/70 REGISTRY(STN) CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メトキシエチルアクリレート60〜80
    重量部、N−ビニル−2ーピロリドン20〜40重量部
    である単量体組成物の共重合物を成膜、架橋及び含水処
    理してなる感温性ハイドロゲル。
  2. 【請求項2】 請求項1の感温性ハイドロゲルを用いて
    なる医療用外用材。
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