JP7319349B2 - 細胞培養基材 - Google Patents

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    • C12N2533/30Synthetic polymers

Description

本発明は、細胞接着性に優れる細胞培養基材ならびに当該細胞培養基材を用いるバイオリアクターおよび幹細胞の培養方法に関する。
近年、再生医療や創薬の開発に際し、細胞培養技術が用いられている。特に幹細胞の使用に注目が集まっており、ドナー細胞から増殖した幹細胞を用いることにより、損傷や欠陥のある組織を修復・置換する技術が盛んに研究されている。ヒトを含め動物の細胞のほとんどは、浮遊状態では生存できず、何かに接着した状態で生存する接着(足場依存)性細胞である。このため、接着(足場依存)性細胞を高密度に培養して、生体組織と類似した培養組織を得るための機能的な培養基材の開発が様々行われている。
細胞培養基材としては、従来、プラスチック(例:ポリスチレン)やガラスの容器が使用されてきたが、これらの細胞容器の表面にプラズマ処理などを施すことが報告されている。当該処理がなされた基材は、細胞との接着性に優れ、細胞の増殖および機能維持を行うことができる。
一方、細胞培養基材(細胞培養容器)の構造は、従来の平面な皿(プレート)構造以外に、バッグ内に培養足場として多孔体を挿入した構造、中空糸(ホローファイバー)構造、スポンジ構造、綿状(ガラスウール)構造、複数のディッシュを積層した構造など、多様化が進んでいる。このように構造が多様化・複雑化した培養容器に対しては、プラズマ照射を行うことが困難もしくは不可能である。
そこで、細胞との接着性(細胞接着性)、および細胞の増殖を促す性質(細胞増殖性)を有する高分子を用いる技術が提案されている。例えば、非特許文献1には、テトラヒドロフルフリルアクリレートのホモポリマー(PTHFA;ポリテトラヒドロフルフリルアクリレート)で高分子基材を被覆することで、細胞接着性が得られることが開示されている。
Colloids and Surfaces B; Biointerfaces 145 (2016) 586-596.
非特許文献1に開示されたように、ポリテトラヒドロフルフリルアクリレート(PTHFA)等の高分子は、細胞培養基材に細胞接着性を付与することができる。そして、このような高分子は、塗布操作性に優れることから、上記のような複雑化した構造を有する細胞培養基材であっても、細胞接着性を付与することができる。
しかしながら、多様化・複雑化した構造を有する細胞培養基材(細胞培養容器)への細胞接着性の付与といったように、高度化する細胞培養技術においては、さらなる細胞接着性の向上が求められている。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、ポリテトラヒドロフルフリルアクリレート(PTHFA)を用いて細胞培養基材(細胞培養容器)表面を被覆した場合よりも、さらに優れた細胞接着性が得られる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、特定の構造を有するフルフリル(メタ)アクリレートに由来する構成単位および水酸基を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構成単位を、特定の組成(モル比)で含む共重合体を用いて細胞培養基材(高分子基材)表面を被覆することによって、上記課題を解決できることを知得した。本発明は、上記知見に基づいて完成した。
すなわち、上記諸目的は、高分子基材の少なくとも一方の面に、
20モル%を超えて100モル%未満の下記式(1)で表されるフルフリル(メタ)アクリレート由来の構成単位(1)および0モル%を超えて80モル%未満の水酸基を有するエチレン性不飽和単量体由来の構成単位(2)を有する共重合体(前記構成単位(1)および前記構成単位(2)の合計は100モル%である)を含む被覆層を有する、細胞培養基材によって達成できる:
ただし、Rは、水素原子またはメチル基であり、Rは、下記式(1-1)または下記式(1-2):
ただし、Rは、炭素原子数1~3のアルキレン基である;
で表される基である。
図1は、本発明のバイオリアクター(中空糸型バイオリアクター)の一実施形態を示す部分側面図である。 図2は、図1のバイオリアクターの一部切欠側面図である。
本発明の細胞培養基材は、高分子基材の少なくとも一方の面に、
20モル%を超えて100モル%未満の下記式(1)で表されるフルフリル(メタ)アクリレート由来の構成単位(1)および0モル%を超えて80モル%未満の水酸基を有するエチレン性不飽和単量体由来の構成単位(2)を有する共重合体(前記構成単位(1)および前記構成単位(2)の合計は100モル%である)を含む被覆層を有する、細胞培養基材である:
ただし、Rは、水素原子またはメチル基であり、Rは、下記式(1-1)または下記式(1-2):
ただし、Rは、炭素原子数1~3のアルキレン基である;
で表される基である。
本発明に係る共重合体によれば、ポリテトラヒドロフルフリルアクリレート(PTHFA)を用いて細胞培養基材(細胞培養容器)表面を被覆した場合よりも、さらに優れた細胞接着性が得られる手段を提供できる。
本明細書において、上記式(1)で表されるフルフリル(メタ)アクリレートを単に「フルフリル(メタ)アクリレート」と、また、上記式(1)で表されるフルフリル(メタ)アクリレート由来の構成単位を単に「構成単位(1)」とも称する。また、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を単に「エチレン性不飽和単量体」と、また、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体由来の構成単位を単に「構成単位(2)」とも称する。さらに、構成単位(1)および構成単位(2)を有する共重合体を単に「共重合体」または「本発明に係る共重合体」とも称する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートの双方を包含する。同様にして、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸の双方を包含し、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイルおよびメタクリロイルの双方を包含する。
本発明の細胞培養基材は、上記共重合体を含む被覆層が高分子基材の少なくとも一方の面に形成されてなることを特徴とする。上記共重合体を用いて形成される被覆層(被膜、コーティング)は、ポリテトラヒドロフルフリルアクリレート(PTHFA)を用いて形成される被覆層と比較して、良好な細胞接着性を有する。また、上記共重合体を用いて形成される被膜(被覆層)は、細胞増殖性(細胞伸展性)にも優れる。ここで、本発明の構成による上記作用効果の発揮のメカニズムは以下のように推測される。なお、本発明は下記推測に限定されるものではない。
従来、細胞接着性を付与する手段としては、フィブロネクチン、ラミニン、コラーゲン等の細胞接着因子を基材に塗布する方法、プラズマ、ガンマ線、電子による処理を基材に施す方法などがある。これらのうち、前者の方法は、細胞接着因子が高価である、天然物質であるため再使用することが通常できない等の問題がある。また、後者の方法は、プラズマ処理は特に優れた細胞接着性を基材に付与することが可能である。一方、近年、バッグ内に培養足場として多孔体を挿入した構造、中空糸(ホローファイバー)構造、スポンジ構造、綿状(ガラスウール)構造、複数のディッシュを積層した構造が好適な培養足場として使用される。しかし、後者の方法は、このように多様化・複雑化した構造に対しては、適用が困難もしくは不可能であるという問題がある。現在、これらの複雑な構造は、培養足場として優れているという観点から、培養足場として求められており、かような培養足場に優れた細胞接着性を付与する手段が求められる。
上記事情を鑑みて、本発明者らは、ポリマーが塗布操作性に優れる点に着目して、細胞接着性に優れるポリマーについて鋭意検討を行った。なかでも、ポリテトラヒドロフルフリルアクリレート(PTHFA)は、上記非特許文献1に示されるように、細胞接着性を有することが知られている。しかし、高度化する細胞培養技術においては、より効率的に細胞培養を行うため、さらなる細胞接着性の向上が求められている。
このため、本発明者らは、様々な単量体に由来する重合体および共重合体について、細胞接着性を評価したところ、上記式(1)で表されるフルフリル(メタ)アクリレートと、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体との共重合体が、特定組成において、優れた細胞接着性を示すことを初めて見出した。また、本発明者らは、これらの共重合体が細胞増殖性(細胞伸展性)に優れることをも見出した。
この詳細なメカニズムは不明であるものの、構成単位(2)中に含まれる水酸基(-OH)が被覆層(被膜)表面への細胞接着性タンパク質(細胞接着因子)の接着を促進しながら、細胞接着のシグナルの活性化または誘導を介して細胞の接着を促進していると推測される。そしてこのとき、被覆層(被膜)を形成する共重合体が水酸基を適当な量で含むことにより、細胞培養液中に含まれるフィブロネクチン等の細胞接着因子が被覆層(被膜)上に接着しやすくなり、結果として細胞接着性が向上すると考えられる。
本発明者らは、上記式(1)で表されるフルフリル(メタ)アクリレートに加え、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体をさらに用いて得られる共重合体によって、細胞接着性の向上効果が得られることを見出した。一方で、本発明者らは、驚くべきことに、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構成単位(2)の含有量(割合)が多すぎる場合には、細胞接着性が低下することもまた見出した。具体的には、フルフリル(メタ)アクリレートに由来する構成単位(1)と共に、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構成単位(2)を有する共重合体(構成単位(1)および構成単位(2)の合計は100モル%である)において、構成単位(2)の含有量(割合)が80モル%以上となると、細胞接着性が低下する(下記比較例1)。この原因は不明であるが、共重合体中における構成単位(2)の含有量(割合)が80モル%以上である場合には、上記細胞接着因子よりも、これ以外の成分(細胞接着性を有さないか、または、細胞接着性が低い成分;例えば細胞培養液中に含まれるアルブミン等)の被覆層(被膜)上への接着が支配的となり、被覆層(被膜)上に細胞接着因子の接着量が少なくなるためであると推測される。
加えて、構成単位(2)を形成する水酸基を有するエチレン性不飽和単量体の水酸基(-OH)が細胞伸展(増殖)のシグナルの活性化または誘導を介して細胞の伸展(増殖)を促進しているのではないかと推測される。よって、本発明に係る細胞培養基材は、細胞増殖性(細胞伸展性)にも優れる。なお、例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのホモポリマーは細胞接着性を低下させる。この点に鑑みると、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を用いて形成される共重合体が、フルフリル(メタ)アクリレートのホモポリマーに比して、細胞接着性さらには細胞増殖性(細胞伸展性)を向上できるという本発明者らの発見は、非常に驚くべきものである。
以下、本発明の好ましい実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。
本明細書において、範囲を示す「X~Y」は、XおよびYを含み、「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20~25℃)/相対湿度40~50%RHの条件で測定する。
<細胞培養基材>
本発明の細胞培養基材は、高分子基材の少なくとも一方の面に、上記共重合体を含む被覆層が形成されてなる。本発明に係る共重合体を含む被覆層は、ポリテトラヒドロフルフリルアクリレート(PTHFA)によって形成された被覆層に比して良好な細胞接着性を有する。また、本発明に係る共重合体を含む被覆層は、細胞伸展性(細胞増殖性)にも優れる。加えて、被覆層は、共重合体を溶媒に溶解し、この溶液を高分子基材表面に塗布することによって簡便に形成できる。このため、本発明に係る共重合体を使用することにより、細胞培養基材(細胞培養容器)の形状・設計によらず、基材表面に細胞接着性(さらには細胞増殖性)を有する被覆層(細胞接着層)を形成できる。
[共重合体]
本発明に係る共重合体は、20モル%を超えて100モル%未満の式(1)で表されるフルフリル(メタ)アクリレート由来の構成単位(1)および0モル%を超えて80モル%未満の水酸基を有するエチレン性不飽和単量体由来の構成単位(2)を有する。ここで、構成単位(1)および構成単位(2)の合計は100モル%である。
共重合体は、構成単位(1)および構成単位(2)、ならびに必要であれば下記に詳述する他のモノマー由来の構成単位を有する。ここで、各構成単位の配置は、特に制限されず、ブロック状(ブロック共重合体)でもよいしランダム状(ランダム共重合体)でもよいし交互状(交互共重合体)でもよい。
フルフリル(メタ)アクリレートに由来する構成単位(1)は、基材に細胞接着性を付与する。また、上記構成単位(1)と共に共重合体に含まれる、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体に由来する構成単位(2)は、その水酸基により、被覆層(被膜)表面への細胞接着性タンパク質(細胞接着因子)の接着を促進すると推測される。加えて、構成単位(2)は、その水酸基により、細胞伸展(細胞増殖)性を基材に付与すると推測される。特に、フルフリル(メタ)アクリレート(構成単位(1))と水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(構成単位(2))とを特定比率で組み合わせることによって、ポリテトラヒドロフルフリルアクリレート(PTHFA)よりも優れた細胞接着性を基材に付与することができる。上記に加えて、上記共重合体の溶液を高分子基材表面に塗布することによって、様々な形状の基材に対しても被覆層を簡便に形成できる。このため、本発明に係る共重合体であれば、様々な形状・設計の細胞培養基材(細胞培養容器)対して、細胞接着性(さらには細胞増殖性)に優れた被覆層(細胞接着層)を形成できる。
本発明に係る共重合体を構成する構成単位(1)は、構成単位(1)および構成単位(2)の合計(100モル%)に対して、20モル%を超えて100モル%未満であり、構成単位(2)は、構成単位(1)および構成単位(2)の合計(100モル%)に対して、0モル%を超えて80モル%未満である。
ここで、構成単位(2)の組成が80モル%以上(すなわち、構成単位(1)の組成が20モル%以下)であると、構成単位(2)に起因する細胞接着性促進効果(さらには細胞増殖性付与効果)が十分に得られないばかりか、却って細胞接着性が低下する(下記比較例1と比較例2との比較)。
細胞接着性(さらには細胞増殖性)のさらなる向上などの観点から、構成単位(1)は、構成単位(1)および構成単位(2)の合計に対して、35モル%以上98モル%以下であり、かつ構成単位(2)は、構成単位(1)および構成単位(2)の合計に対して、2モル%以上65モル%以下であることが好ましい。より好ましくは、構成単位(1)は、構成単位(1)および構成単位(2)の合計に対して、40モル%以上95モル%以下であり、かつ構成単位(2)は、構成単位(1)および構成単位(2)の合計に対して、5モル%以上60モル%以下である。さらにより好ましくは、構成単位(1)は、構成単位(1)および構成単位(2)の合計に対して、50モル%以上93モル%以下であり、かつ構成単位(2)は、構成単位(1)および構成単位(2)の合計に対して、7モル%以上50モル%以下である。特に好ましくは、構成単位(1)は、構成単位(1)および構成単位(2)の合計に対して、55モル%以上90モル%以下であり、かつ構成単位(2)は、構成単位(1)および構成単位(2)の合計に対して、10モル%以上45モル%以下である。最も好ましくは、構成単位(1)は、構成単位(1)および構成単位(2)の合計に対して、60モル%以上90モル%以下であり、かつ構成単位(2)は、構成単位(1)および構成単位(2)の合計に対して、10モル%以上40モル%以下である。
すなわち、本発明の好ましい形態によると、共重合体は、35モル%以上98モル%以下の前記構成単位(1)および2モル%以上65モル%以下の前記構成単位(2)を有する共重合体(前記構成単位(1)および前記構成単位(2)の合計は100モル%である)である。また、本発明のより好ましい形態によると、共重合体は、40モル%以上95モル%以下の前記構成単位(1)および5モル%以上60モル%以下の前記構成単位(2)を有する共重合体(前記構成単位(1)および前記構成単位(2)の合計は100モル%である)である。さらに、本発明のさらにより好ましい形態によると、共重合体は、50モル%以上93モル%以下の前記構成単位(1)および7モル%以上50モル%以下の前記構成単位(2)を有する共重合体(前記構成単位(1)および前記構成単位(2)の合計は100モル%である)である。さらにまた、本発明の特に好ましい形態によると、共重合体は、55モル%以上90モル%以下の前記構成単位(1)および10モル%以上45モル%以下の前記構成単位(2)を有する共重合体(前記構成単位(1)および前記構成単位(2)の合計は100モル%である)である。さらにまた、本発明の最も好ましい形態によると、共重合体は、60モル%以上90モル%以下の前記構成単位(1)および10モル%以上40モル%以下の前記構成単位(2)を有する共重合体(前記構成単位(1)および前記構成単位(2)の合計は100モル%である)である。
本発明に係る共重合体は、構成単位(1)および構成単位(2)を必須に含むが、構成単位(1)および構成単位(2)に加えて、他のモノマーに由来する構成単位をさらに有していてもよい。ここで、他のモノマーは、所望の特性(細胞接着性および/または細胞増殖性)を阻害しないものであれば特に制限されない。具体的には、他のモノマーとしては、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N,N-ジエチルメタクリルアミド、エチレン、プロピレン、N-ビニルアセトアミド、N-イソプロペニルアセトアミド、N-(メタ)アクリロイルモルホリン等がある。これらの他のモノマーは、1種単独であっても、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。共重合体が他のモノマーに由来する構成単位をさらに有する場合の他のモノマーに由来する構成単位の組成は、所望の特性(細胞接着性、細胞増殖性)を阻害しないものであれば特に制限されないが、構成単位(1)および構成単位(2)の合計に対して、0モル%を超えて10モル%未満であることが好ましく、3~8モル%程度であることがより好ましい。
細胞接着性(さらには細胞増殖性)を向上させる目的から、共重合体は、他のモノマーに由来する構成単位を含まない、すなわち、本発明に係る共重合体が構成単位(1)および構成単位(2)のみから構成されることが好ましい。すなわち、本発明の好ましい形態によると、共重合体は、前記構成単位(1)および前記構成単位(2)から構成される。
したがって、本発明のより好ましい形態によると、共重合体は、50モル%以上93モル%以下の前記構成単位(1)および7モル%以上50モル%以下の前記構成単位(2)からなる共重合体(前記構成単位(1)および前記構成単位(2)の合計は100モル%である)である。また、本発明のさらにより好ましい形態によると、共重合体は、55モル%以上90モル%以下の前記構成単位(1)および10モル%以上45モル%以下の前記構成単位(2)からなる共重合体(前記構成単位(1)および前記構成単位(2)の合計は100モル%である)である。さらに、本発明の特に好ましい形態によると、共重合体は、60モル%以上90モル%以下の前記構成単位(1)および10モル%以上40モル%以下の前記構成単位(2)からなる共重合体(前記構成単位(1)および前記構成単位(2)の合計は100モル%である)である。
構成単位(1)は、下記式(1)のフルフリル(メタ)アクリレート由来である。なお、共重合体を構成する構成単位(1)は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。すなわち、構成単位(1)は、1種単独の下記式(1)のフルフリル(メタ)アクリレート由来の構成単位のみから構成されても、あるいは下記式(1)のフルフリル(メタ)アクリレート由来の2種以上の構成単位から構成されてもよい。なお、後者の場合、各構成単位は、ブロック状に存在しても、ランダム状に存在してもよい。また、構成単位(1)が下記式(1)のフルフリル(メタ)アクリレート由来の2種以上の構成単位から構成される場合には、上記構成単位(1)の組成は、構成単位(1)および構成単位(2)の合計に対する、フルフリル(メタ)アクリレート由来の構成単位の合計の割合(モル比(モル%))である。
上記式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基である。
は、上記式(1-1)または式(1-2)で表される基である。これらのうち、細胞接着性(さらには細胞増殖性)のさらなる向上などの観点から、Rは、上記式(1-1)で表される基であると好ましい。上記式(1-1)および(1-2)中、Rは、炭素原子数1~3のアルキレン基である。ここで、炭素原子数1~3のアルキレン基としては、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CHCH-)、トリメチレン基(-CHCHCH-)、およびプロピレン基(-CH(CH)CH-または-CHCH(CH)-)がある。これらのうち、細胞接着性(さらには細胞増殖性)のさらなる向上などの観点から、Rは、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CHCH-)が好ましく、メチレン基(-CH-)がより好ましい。
すなわち、フルフリル(メタ)アクリレートとしては、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フルフリルアクリレート、フルフリルメタクリレート、5-[2-(アクリロイルオキシ)エチル]テトラヒドロフラン、5-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]テトラヒドロフラン、5-[2-(アクリロイルオキシ)エチル]フラン、5-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]フラン等がある。これらは、1種単独であっても、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。これらのうち、細胞接着性(さらには細胞増殖性)のさらなる向上などの観点から、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートであることが好ましく、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)であることがより好ましい。
構成単位(2)は、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体由来である。なお、共重合体を構成する構成単位(2)は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。すなわち、構成単位(2)は、1種単独の水酸基を有するエチレン性不飽和単量体由来の構成単位のみから構成されても、あるいは水酸基を有するエチレン性不飽和単量体由来の2種以上の構成単位から構成されてもよい。なお、後者の場合、各構成単位は、ブロック状に存在しても、ランダム状に存在してもよい。また、構成単位(2)が水酸基を有するエチレン性不飽和単量体由来の2種以上の構成単位から構成される場合には、上記構成単位(2)の組成は、構成単位(1)および構成単位(2)の合計に対する、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体由来の構成単位の合計の割合(モル比(モル%))である。
構成単位(2)を形成する水酸基を有するエチレン性不飽和単量体は、1分子内において、それぞれ1以上の水酸基(-OH)およびエチレン性不飽和基を有する化合物であれば特に制限されない。ここで、「エチレン性不飽和基」とは、エチレン(CH=CH)の水素原子が置換されてなる基をいい、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、ビニルエーテル基等が挙げられる。なお、これらの基は、エチレン性不飽和単量体の1分子内に1種のみ含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。
なかでも、エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基であると好ましい。すなわち、本発明の好ましい形態によると、エチレン性不飽和単量体は、(メタ)アクリロイル基を有する。よって、エチレン性不飽和単量体は、1分子内において、1以上の水酸基および1以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基をそれぞれ有する化合物であると好ましい。エチレン性不飽和単量体に含まれる水酸基および(メタ)アクリロイル基の数の上限は特に制限されないが、細胞接着性および細胞増殖性(細胞伸展性)の制御性の観点から、1分子中における水酸基の数は、3以下であると好ましく、2以下であるとより好ましく、1であると特に好ましい。また、上記式(1)で表されるフルフリル(メタ)アクリレートとの共重合体の調製の容易性、各構成単位の組成(モル比)の制御性、ならびに細胞接着性および細胞増殖性(細胞伸展性)の制御性の観点から、1分子中における(メタ)アクリロイル基の数は3以下であると好ましく、2以下であるとより好ましい。特に、各構成単位の組成(モル比)を制御して、細胞接着性(さらには細胞増殖性)をさらに向上させるという観点から、1分子中における(メタ)アクリロイル基の数は1であると特に好ましい。
本発明の好ましい形態によると、構成単位(2)は、下記式(2)で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート由来である。すなわち、エチレン性不飽和単量体は、下記式(2)で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであると好ましい。なお、共重合体を構成する構成単位(2)は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。すなわち、構成単位(2)は、1種単独の下記式(2)で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位のみから構成されても、あるいは下記式(2)で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート由来の2種以上の構成単位から構成されてもよい。なお、後者の場合、各構成単位は、ブロック状に存在しても、ランダム状に存在してもよい。また、構成単位(2)が下記式(2)で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート由来の2種以上の構成単位から構成される場合には、上記構成単位(2)の組成は、構成単位(1)および構成単位(2)の合計に対する、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位の合計の割合(モル比(モル%))である。
上記式(2)中、Rは、水素原子またはメチル基である。Rは、炭素原子数2~3のアルキレン基である。ここで、炭素原子数2~3のアルキレン基としては、エチレン基(-CHCH-)、トリメチレン基(-CHCHCH-)、およびプロピレン基(-CH(CH)CH-または-CHCH(CH)-)がある。これらのうち、細胞接着性(さらには細胞増殖性)のさらなる向上などの観点から、Rは、エチレン基(-CHCH-)、トリメチレン基(-CHCHCH-)が好ましく、エチレン基(-CHCH-)がより好ましい。
すなわち、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシイソプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシイソプロピルメタクリレート等がある。これらは、1種単独であっても、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。これらのうち、細胞接着性(さらには細胞増殖性)のさらなる向上などの観点から、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートであることが好ましく、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)であることがより好ましい。
上記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されないが、好ましくは50,000~800,000である。上記範囲内であれば、共重合体の溶媒に対する溶解性が向上し、基材への塗布を均一に行いやすくなる。共重合体の重量平均分子量は、塗膜形成性を向上させるという観点から、より好ましくは100,000~500,000であり、特に好ましくは150,000~350,000である。
本明細書において、「重量平均分子量(Mw)」は、標準物質としてポリスチレンを、移動相としてテトラヒドロフラン(THF)をそれぞれ使用するゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography、GPC)により測定した値を採用するものとする。具体的には、共重合体をテトラヒドロフラン(THF)に10mg/mlの濃度となるように溶解し、試料を調製する。このようにして調製された試料について、GPCシステムLC-20((株)島津製作所製)にGPCカラムLF-804(昭和電工(株)製)を取り付け、移動相としてTHFを流し、標準物質としてポリスチレンを用いて、共重合体のGPCを測定する。標準ポリスチレンで較正曲線を作製した後、この曲線に基づいて共重合体の重量平均分子量(Mw)を算出する。
本発明に係る共重合体は、特に制限されず、例えば、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、リビングラジカル重合法、マクロ開始剤を用いた重合法、重縮合法等など、従来公知の重合法を適用して作製可能である。具体的には、例えば、本発明に係る共重合体がブロック共重合体である場合には、リビングラジカル重合法またはマクロ開始剤を用いた重合法が好ましく使用される。リビングラジカル重合法としては、特に制限されないが、例えば特開平11-263819号公報、特開2002-145971号公報、特開2006-316169号公報等に記載される方法、ならびに原子移動ラジカル重合(ATRP)法などが、同様にしてあるいは適宜修飾して適用できる。
または、例えば、本発明に係る共重合体がランダム共重合体である場合には、上記式(1)のフルフリル(メタ)アクリレートと、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(好ましくは、上記式(2)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)と、必要であればこれらと共重合し得る単量体(他のモノマー、共重合性単量体;以下同様)の一種または二種以上とを重合溶媒中で重合開始剤と共に撹拌して、単量体溶液を調製し、上記単量体溶液を加熱することにより、共重合させる方法が好ましく使用される。上記方法において、単量体溶液の調製で使用できる重合溶媒は、上記使用される単量体を溶解できるものであれば特に制限されない。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール、ポリエチレングリコール類などの水性溶媒;トルエン、キシレン、テトラリン等の芳香族系溶媒;およびクロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒などが挙げられる。これらのうち、単量体の溶解しやすさなどを考慮すると、メタノールが好ましい。また、単量体溶液中の単量体濃度は、特に制限されないが、単量体溶液中の単量体濃度は、通常15~60重量%であり、より好ましくは20~50重量%であり、特に好ましくは25~45重量%である。なお、上記単量体濃度は、上記式(1)のフルフリル(メタ)アクリレートと、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(好ましくは、上記式(2)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)と、使用する際にはこれらと共重合し得る単量体(他のモノマー、共重合性単量体)との合計濃度を意味する。
重合開始剤は特に制限されず、公知のものを使用すればよい。好ましくは、重合安定性に優れる点で、ラジカル重合開始剤であり、具体的には、過硫酸カリウム(KPS)、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化水素、t-ブチルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジスルフェートジハイドレート、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン)]ハイドレート、3-ヒドロキシ-1,1-ジメチルブチルパーオキシネオデカノエート、α-クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3-テトラブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-アミルパーオキシネオデカノエート、t-アミルパーオキシピバレート、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(セカンダリーブチル)パーオキシジカーボネート、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ化合物が挙げられる。また、例えば、上記ラジカル重合開始剤に、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸等の還元剤を組み合わせてレドックス系開始剤として用いてもよい。重合開始剤の配合量は、単量体合計量1モルに対して、0.0005~0.005モルが好ましい。このような重合開始剤の配合量であれば、各単量体の共重合が効率よく進行する。
上記重合開始剤は、上記式(1)のフルフリル(メタ)アクリレートおよび水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(好ましくは、上記式(2)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)、ならびに使用する際にはこれらと共重合し得る単量体(他のモノマー、共重合性単量体)と、重合溶媒とそのまま混合されてもよいが、予め他の溶媒に溶解した溶液の形態で単量体および重合溶媒と混合されてもよい。後者の場合、他の溶媒としては、重合開始剤を溶解できるものであれば特に制限されないが、上記重合溶媒と同様の溶媒が例示できる。また、他の溶媒は、上記重合溶媒と同じであってもまたは異なってもよいが、重合の制御のしやすさなどを考慮すると、上記重合溶媒と同じ溶媒であることが好ましい。また、この場合の他の溶媒における重合開始剤の濃度は、特に制限されないが、混合のしやすさなどを考慮すると、重合開始剤の添加量が、他の溶媒100重量部に対して、好ましくは0.1~10重量部、より好ましくは0.5~5重量部である。
また、重合開始剤を溶液の形態で使用する場合には、単量体(フルフリル(メタ)アクリレート、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体および任意で用いられる共重合性単量体)を重合溶媒に溶解した溶液を、重合開始剤溶液の添加前に予め脱気処理を行ってもよい。脱気処理は、例えば、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスにて、上記溶液を0.5~5時間程度バブリングすればよい。脱気処理の際は、上記溶液を30℃~80℃程度、好ましくは下記の重合工程における重合温度に調温してもよい。
次に、上記単量体溶液を加熱することにより、各単量体を共重合する。ここで、共重合方法は、例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などの公知の重合方法が採用でき、好ましくは製造が容易なラジカル重合を使用する。
重合条件は、上記式(1)のフルフリル(メタ)アクリレートおよび水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(好ましくは、上記式(2)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)、ならびに使用する際にはこれらと共重合し得る単量体(他のモノマー、共重合性単量体))が共重合できる条件であれば特に制限されない。具体的には、共重合温度は、好ましくは30~80℃であり、より好ましくは40℃~55℃である。また、共重合時間は、好ましくは1~24時間であり、好ましくは5~12時間である。上記したような条件であれば、各単量体の共重合が効率よく進行する。また、重合工程におけるゲル化を有効に抑制・防止すると共に、高い製造効率を達成できる。
また、必要に応じて、連鎖移動剤、重合速度調整剤、界面活性剤、およびその他の添加剤を、重合の際に適宜使用してもよい。
重合反応を行う雰囲気は特に制限されるものではなく、大気雰囲気下、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気等で行うこともできる。また、重合反応中は、反応液を攪拌してもよい。
重合後の重合体は、再沈澱法(析出法)、透析法、限外濾過法、抽出法など一般的な精製法により精製することができる。
精製後の重合体は、凍結乾燥、減圧乾燥、噴霧乾燥、または加熱乾燥等、任意の方法によって乾燥することもできるが、重合体の物性に与える影響が小さいという観点から、凍結乾燥または減圧乾燥が好ましい。
[高分子基材]
本発明では、高分子基材の少なくとも一方の面に、上記共重合体を含む被覆層が形成される。ここで、被覆層は、高分子基材の細胞が接触する(例えば、細胞を含む液を流す、細胞を培養する)側の面に少なくとも形成される。また、被覆層は高分子基材表面全体に形成される必要はない。被覆層は、細胞が接触する(例えば、細胞を含む液を流す、細胞を培養する)高分子基材表面部分(一部)に形成されればよいが、細胞接着性(さらには細胞増殖性)のさらなる向上効果の観点から、被覆層が、細胞が接触する(例えば、細胞を含む液を流す、細胞を培養する)側の高分子基材表面全体に形成されることが好ましい。
ここで、高分子基材の構造は、限定されず、平面構造に加えて、多孔体を挿入した構造、中空糸構造、多孔質膜構造、スポンジ構造、綿状(ガラスウール)構造など様々な構造(形状)に設計することが可能である。後述するように、本発明の細胞培養基材はバイオリアクター、特に中空糸型バイオリアクターに好適に使用できる。このため、高分子基材は中空糸を有することが好ましく、複数の中空糸から構成される多孔質膜であることがより好ましい。すなわち、本発明の好ましい形態によると、高分子基材は多孔質膜である。高分子基材が多孔質膜である際の多孔質膜を構成する中空糸の内径(直径)は、特に制限されないが、好ましくは50~1,000μm、より好ましくは100~500μm、特に好ましくは150~350μm程度である。多孔質膜を構成する中空糸の外径(直径)は、特に制限されないが、好ましくは100~1,200μm、より好ましくは150~700μm、特に好ましくは200~500μm程度である。高分子基材が多孔質膜である際の多孔質膜を構成する中空糸の長さは、特に制限されないが、好ましくは50~900mm、より好ましくは100~700mm、特に好ましくは150~500mm程度である。高分子基材が多孔質膜である際の多孔質膜を構成する中空糸の数は、特に制限されないが、例えば、約1,000~100,000本、より好ましくは3,000~50,000本、特に好ましくは5,000~25,000本程度である。一実施形態においては、高分子基材は、平均長約295mm、平均内径215μm、平均外径315μmの中空糸約9000本から構成される。ここで、被覆層は、中空糸膜の内面または外面に形成されてもよいが、内面(内腔)表面に形成されることが好ましい。
中空糸および多孔質膜の製造方法は、特に制限されず、公知の製造方法が同様にしてあるいは適宜修飾して適用できる。例えば、中空糸は、延伸法または固液相分離法により壁に微細孔が形成されてなることが好ましい。
高分子基材を構成する材料もまた特に限定されない。具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリテロラフルオロエチレン、セルロースアセテート等の疎水性高分子材料などが挙げられる。また、高分子基材は、ポリアミドとポリアリールエーテルスルホンとポリビニルピロリドンの混合物(PA/PAES/PVP)等の半透過性の生体適合性ポリマー材料から作製されてもよい。このような半透過性膜によって、栄養、廃棄物、溶存ガスは膜を通じて中空糸の毛細管外側(EC空間)と中空糸の毛細管内側(IC空間)との間で移動可能となる。中空糸膜の分子移動特性は、代謝廃棄生成物が膜を通じて中空糸内腔側に拡散して取り出されるようにすると同時に、細胞成長に必要とされる高価な試薬(成長因子、サイトカイン等)の中空糸からの損失を最小限にするように選択してもよい。高分子基材がPA/PAES/PVPから形成される中空糸である場合には、中空糸の外側層は一定の表面粗さを有する開孔構造を有していてもよい。細孔の開口(直径)は、特に制限されないが、約0.5~約3μmの範囲であり、中空糸の外側表面の細孔数は1平方ミリメートル(1mm)当たり約10,000から約150,000の範囲であってもよい。ここで、中空糸の外側層の厚みは、特に制限されないが、例えば、約1~約10μmの範囲である。中空糸は、外側に次の層(第2層)を有していてもよく、この際、次の層(第2層)は、約1~約15μmの厚さのスポンジ構造を有することが好ましい。このような構造を有する第2層は、前記外側層の支持体として機能できる。また、本形態において、中空糸は、上記第2層の外側にさらに次の層(第3層)を有していてもよく、この際、さらなる次の層(第3層)は、指状構造を有することが好ましい。このような構造を有する第3層であれば、機械的安定性が得られる。また、分子の膜移動抵抗が低くなるような高い空隙容量を提供できる。本形態において、使用中は、指状空隙は流体で満たされ、該流体によって、拡散および対流における抵抗は、空隙容量が小さいスポンジ充填(sponge-filled)構造を有するマトリックスの場合よりも、低くなる。この第3層は、好ましくは約20~約60μmの厚さを有する。
または、高分子基材は、約65重量%から約95重量%の少なくとも一種の疎水性ポリマーと、約5重量%から約35重量%の少なくとも一種の親水性ポリマーと、を有してもよい。この際、疎水性ポリマーと親水性ポリマーとの合計量は、100重量%である。ここで、疎水性ポリマーとしては、特に制限されないが、例えば、ポリアミド(PA)、ポリアラミド(PAA)、ポリアリールエーテルスルホン(PAES)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールスルホン(PASU)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテル、ポリウレタン(PUR)、ポリエーテルイミドおよびポリエーテルスルホン;ならびにポリアリールエーテルスルホンとポリアミドとの混合物などがある。これらの疎水性ポリマーは、1種単独であっても、2種以上の混合物の形態であってもよい。また、親水性ポリマーとしては、特に制限されないが、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリグリコールモノエステル(polyglycolmonoester)、水溶性セルロース誘導体、ポリソルベート、ポリエチレン-ポリプロピレンオキサイド共重合体などがある。これらの親水性ポリマーは、1種単独であっても、2種以上の混合物の形態であってもよい。
高分子基材表面に本発明に係る共重合体を含む被覆層を形成する方法は特に制限されない。例えば、高分子基材の表面が平面な皿(プレート)構造を有する場合には、本発明に係る共重合体を溶解させた共重合体含有溶液を所定の面に塗布(例えば、ウェルに添加)した後、乾燥する方法が使用できる。また、例えば、高分子基材が中空糸または多孔質膜である場合には、本発明に係る共重合体を溶解させた共重合体含有溶液を中空糸の細胞接触部に接触させた(例えば、中空糸内表面(内腔)または外表面に流通させた)後、乾燥する方法が使用できる。なお、高分子基材が複数の中空糸からなる多孔質膜である場合には、共重合体含有溶液による被覆は、1本の中空糸に対して行った後中空糸を束ねても、または複数の中空糸を束ねて多孔質膜を作製した後に行ってもよい。
ここで、本発明に係る共重合体を溶解させる溶媒は、本発明に係る共重合体を溶解できるものであれば特に制限されない。共重合体の溶解性などの観点から、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール、ポリエチレングリコール類などの水性溶媒;アセトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン等のフラン系溶媒などが挙げられる。上記溶媒は、1種単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。なかでも、本発明に係る共重合体のさらなる溶解性の向上を考慮すると、溶媒が水とアルコールとの混合溶媒であると好ましい。当該混合溶媒に用いられるアルコールは、共重合体の溶解性の向上という観点から、炭素数1~4の低級アルコールであると好ましく、なかでも、メタノール、エタノールが好ましく、エタノールが特に好ましい。すなわち、溶媒は、水およびエタノールから構成されることが好ましい。ここで、水およびエタノールの混合比は、特に制限されないが、例えば、水:エタノールの混合比(体積比)が、1:1~50であることが好ましく、1:5~15であることがより好ましい。また、共重合体含有溶液中の共重合体の濃度は、特に制限されない。基材への塗布しやすさ、コートむらの低減効果などを考慮すると、好ましくは0.0001~5重量%、より好ましくは0.001~2重量%である。
また、共重合体の被覆方法は、特に制限されないが、充填、ディップコーティング(浸漬法)、噴霧、スピンコーティング、滴下、ドクターブレード、刷毛塗り、ロールコーター、エアーナイフコート、カーテンコート、ワイヤーバーコート、グラビアコート、混合溶液含浸スポンジコート等、従来公知の方法を適用することができる。
また、共重合体の塗膜の形成条件は、特に制限されない。例えば、共重合体含有溶液と高分子基材との接触時間(例えば、共重合体含有溶液の中空糸内腔または外表面に流通させる時間)は、塗膜(ゆえに被覆層)の形成しやすさ、コートむらの低減効果などを考慮すると、1~5分が好ましく、1~3分がより好ましい。また、共重合体含有溶液と高分子基材との接触温度(例えば、共重合体含有溶液の中空糸内腔または外表面に流通させる温度)は、塗膜(ゆえに被覆層)の形成しやすさ、コートむらの低減効果などを考慮すると、5~40℃が好ましく、15~30℃がより好ましい。
共重合体含有溶液の高分子基材表面への塗布量は、特に制限されないが、乾燥後の被覆層の厚みが0.005~20μm程度となるような量であることが好ましい。なお、1回の接触(塗布)にて上記厚みが得られない場合には、所望の厚みが得られるまで、接触(塗布)工程(または塗布工程および下記乾燥工程)を繰り返してもよい。
次に、高分子基材と共重合体含有溶液との接触後に、塗膜を乾燥させることによって、本発明に係る共重合体による被覆層(被膜)が高分子基材表面に形成される。ここで、乾燥条件は、本発明に係る共重合体による被覆層(被膜)形成できる条件であれば特に制限されない。具体的には、乾燥温度は、5~50℃が好ましく、15~40℃がより好ましい。上記乾燥工程は、単一の条件で行われても、または異なる条件で段階的に行ってもよい。また、乾燥時間は、60~480分が好ましく、120~300分がより好ましい。また、高分子基材が多孔質膜(中空糸膜)である場合には、5~40℃、より好ましくは15~30℃のガスを中空糸の共重合体含有溶液塗布面に連続してまたは段階的に流通させることによって、塗膜を乾燥させてもよい。ここで、ガスの種類は、塗膜(被覆層)に何ら影響を及ぼさず、塗膜を乾燥できるものであれば特に制限されない。具体的には、空気、および窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスなどが挙げられる。また、ガスの流通量は、塗膜を十分乾燥できる量であれば特に制限されないが、ガスの流通量が好ましく5~150L/分であり、より好ましく30~100L/分となるような量である。
このような方法によれば、本発明に係る共重合体を高分子基材に効率よく形成できる。なお、接着させる細胞のタイプに応じて、高分子基材を、フィブロネクチン、ラミニン、コラーゲン等の細胞接着因子によってさらに処理してもよい。このような処理により、細胞の基材表面への接着や細胞の成長をさらに促進できる。なお、高分子基材が複数の中空糸からなる多孔質膜である場合には、細胞接着因子による処理は、1本の中空糸に対して行った後中空糸を束ねても、または複数の中空糸を束ねて多孔質膜を作製した後に行ってもよい。また、細胞接着因子による処理は、本発明に係る共重合体を含む被覆層を形成した後であっても、または本発明に係る共重合体を含む被覆層を形成する前であっても、または本発明に係る共重合体を含む被覆層を形成するのと同時であってもよい。
<バイオリアクター>
本発明の細胞培養基材は、細胞接着性に優れる。また、本発明の細胞培養基材は、細胞増殖性を有する。このため、本発明の細胞培養基材は、バイオリアクターに好適に使用できる。すなわち、本発明は、本発明の細胞培養基材を有するバイオリアクターを提供する。ここで、バイオリアクターは、平面型バイオリアクターであっても中空糸型バイオリアクターであってもよいが、中空糸型バイオリアクターが特に好ましい。このため、以下では、好ましい実施形態として、中空糸型バイオリアクターについて説明するが、本発明のバイオリアクターは平面型バイオリアクターであってもよく、この場合でも下記実施の形態を適宜変更することによって適用できる。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
本発明の細胞培養基材が好適に使用できるバイオリアクターは、特に制限されないが、本発明の細胞培養基材およびバイオリアクターを、例えば、特表2010-523118号公報(特許第5524824号)(WO 2008/124229 A2)、特表2013-524854号公報(特許第6039547号)(WO 2011/140231 A1)、特表2013-507143号公報(特許第5819835号)(WO 2011/045644 A1)、特開2013-176377号公報(WO 2008/109674)、特表2015-526093号公報(WO 2014/031666 A1)、特表2016-537001号公報(WO 2015/073918 A1)、および特表2017-509344号公報(WO 2015/148704 A1)などに記載される細胞培養/増殖システム;さらにはテルモBCT株式会社製のQuantum細胞増殖システムに適用することができる。従来、細胞培養では、インキュベーター、安全キャビネット、クリーンルーム等の設備が別々に必要であるが、上記したような培養システムはこれらの機能を全て備えているため、設備を非常に簡略化できる。また、上記したようなシステムを用いて細胞培養中の温度やガスを制御することで、機能的にクローズドなシステムを確保でき、細胞培養をクローズドな環境でかつ自動的に行うことができる。
以下に、本発明のバイオリアクターの一実施形態を図面を参照しながら説明するが、本発明は下記形態に限定されない。
図1は、本発明のバイオリアクター(中空糸型バイオリアクター)の一実施形態を示す部分側面図である。また、図2は、図1のバイオリアクターの一部切欠側面図である。図1および図2において、バイオリアクター1は、本発明の細胞培養基材2が細胞培養チャンバー3内に収納されてなる。細胞培養チャンバー3は、4つの開口部すなわち4つのポート(入口ポート4、出口ポート6、入口ポート8、出口ポート10)を有する。ここで、細胞を含む培地が、入口ポート4を介して、細胞培養チャンバー3内の細胞培養基材2の中空糸の毛細管内側(IC)空間に流されて、出口ポート6から排出される。これにより、細胞が効率よく中空糸内腔表面に接着(付着)・培養する。一方、培地やガス(酸素、二酸化炭素等)は、入口ポート8を介して、細胞培養チャンバー3内の細胞培養基材2の中空糸の毛細管外側(EC)と接触するように流され、出口ポート10から排出される。これにより、細胞培養チャンバー3内で培地成分等の小分子が中空糸内に流入するまたは不要成分が中空糸内から排出され、中空糸表面に接着した細胞が培養される。また、所定時間培養した後は、トリプシンを含む液(例えば、PBS)を、入口ポート4を介して細胞培養チャンバー3内の細胞培養基材2の中空糸の毛細管内側(IC)空間に導入し、所定時間(例えば、5~10分程度)保持する。次に、培地やPBS等の等張液を、入口ポート4を介して細胞培養チャンバー3内の細胞培養基材2の中空糸の毛細管内側(IC)空間に流して細胞にせん断力を付加することによって、細胞を中空糸内壁から剥離し、バイオリアクターから細胞を、出口ポート6を介して回収する。なお、上記形態では、細胞が中空糸の毛細管内側(IC)に接着したが、本発明は上記形態に限定されず、細胞を含む培地を入口ポート8から出口ポート10に流して、細胞を効率よく中空糸外表面に接着(付着)させ、培地を入口ポート4から出口ポート6に中空糸内腔に流して、細胞を培養させてもよい。また、入口ポート4から出口ポート6への流体の流れは、入口ポート8から出口ポート10への流体の流れに対して、並流方向または逆流方向のいずれであってもよい。
[バイオリアクターの用途]
上述したように、本発明のバイオリアクターは、細胞接着性(さらには細胞増殖性)に優れる細胞培養基材を備えている。ここで、本発明のバイオリアクターで培養できる細胞は、接着(足場依存)性細胞、非接着性細胞、またはこれらの任意の組み合わせのいずれであってもよいが、優れた細胞接着性(さらには細胞増殖性)を考慮すると、本発明のバイオリアクターは、接着(足場依存)性細胞の培養に特に好適に使用できる。ここで、接着(足場依存)性細胞としては、間葉系幹細胞(MSC)等の幹細胞、線維芽細胞などの、動物の細胞などがある。上述したように、幹細胞が再生医療や創薬の開発にあたって注目が集めている。このため、本発明のバイオリアクターは、幹細胞の培養に好適に使用できる。すなわち、本発明は、本発明のバイオリアクターを用いて幹細胞を培養する、幹細胞の培養方法を提供する。ここで、幹細胞の培養方法は、特に制限されず、通常の培養方法が同様にしてあるいは適宜修飾して適用できる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「重量%」および「重量部」を意味する。
製造例1:共重合体(1)の合成
20ml容量のガラス製耐圧試験管に、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)0.90g(0.0058mol)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)1.1g(0.0085mol)、およびメタノール3gを加えた後、窒素ガスを10秒間バブリングして、モノマー溶液(1)を調製した。このモノマー溶液(1)に、重合開始剤として、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(2,2'-Azobis(4-methoxy-2,4-dimethylvaleronitrile))0.004g(0.013mmol)を加えた後、45℃に設定したヒートブロックで6時間加熱して、重合反応を行い、重合液(1)を得た。この重合液(1)をn-ヘキサン50mlに加え、析出したポリマー成分を回収、減圧乾燥し、テトラヒドロフルフリルアクリレートとヒドロキシエチルメタクリレートとの共重合体(THFA:HEMA=40:60(モル比))(共重合体(1))を得た。この共重合体(1)の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、210,000であった。
製造例2:共重合体(2)の合成
20ml容量のガラス製耐圧試験管に、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)1.10g(0.007mol)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)0.90g(0.007mol)、およびメタノール3gを加えた後、窒素ガスを10秒間バブリングして、モノマー溶液(2)を調製した。このモノマー溶液(2)に、重合開始剤として、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(2,2'-Azobis(4-methoxy-2,4-dimethylvaleronitrile))0.004g(0.013mmol)を加えた後、45℃に設定したヒートブロックで6時間加熱して、重合反応を行い、重合液(2)を得た。この重合液(2)をn-ヘキサン50mlに加え、析出したポリマー成分を回収、減圧乾燥し、テトラヒドロフルフリルアクリレートとヒドロキシエチルメタクリレートとの共重合体(THFA:HEMA=50:50(モル比))(共重合体(2))を得た。この共重合体(2)の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、230,000であった。
製造例3:共重合体(3)の合成
20ml容量のガラス製耐圧試験管に、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)1.3g(0.0083mol)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)0.70g(0.0054mol)、およびメタノール3gを加えた後、窒素ガスを10秒間バブリングして、モノマー溶液(3)を調製した。このモノマー溶液(3)に、重合開始剤として、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(2,2'-Azobis(4-methoxy-2,4-dimethylvaleronitrile))0.004g(0.013mmol)を加えた後、45℃に設定したヒートブロックで6時間加熱して、重合反応を行い、重合液(3)を得た。この重合液(3)をn-ヘキサン50mlに加え、析出したポリマー成分を回収、減圧乾燥し、テトラヒドロフルフリルアクリレートとヒドロキシエチルメタクリレートとの共重合体(THFA:HEMA=60:40(モル比))(共重合体(3))を得た。この共重合体(3)の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、240,000であった。
製造例4:共重合体(4)の合成
20ml容量のガラス製耐圧試験管に、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)1.65g(0.0106mol)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)0.35g(0.0027mol)、およびメタノール3gを加えた後、窒素ガスを10秒間バブリングして、モノマー溶液(4)を調製した。このモノマー溶液(4)に、重合開始剤として、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(2,2'-Azobis(4-methoxy-2,4-dimethylvaleronitrile))0.004g(0.013mmol)を加えた後、45℃に設定したヒートブロックで6時間加熱して、重合反応を行い、重合液(4)を得た。この重合液(4)をn-ヘキサン50mlに加え、析出したポリマー成分を回収、減圧乾燥し、テトラヒドロフルフリルアクリレートとヒドロキシエチルメタクリレートとの共重合体(THFA:HEMA=80:20(モル比))(共重合体(4))を得た。この共重合体(4)の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、260,000であった。
製造例5:共重合体(5)の合成
20ml容量のガラス製耐圧試験管に、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)1.83g(0.0117mol)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)0.17g(0.0013mol)、およびメタノール3gを加えた後、窒素ガスを10秒間バブリングして、モノマー溶液(5)を調製した。このモノマー溶液(5)に、重合開始剤として、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(2,2'-Azobis(4-methoxy-2,4-dimethylvaleronitrile))0.004g(0.013mmol)を加えた後、45℃に設定したヒートブロックで6時間加熱して、重合反応を行い、重合液(5)を得た。この重合液(5)をn-ヘキサン50mlに加え、析出したポリマー成分を回収、減圧乾燥し、テトラヒドロフルフリルアクリレートとヒドロキシエチルメタクリレートとの共重合体(THFA:HEMA=90:10(モル比))(共重合体(5))を得た。この共重合体(5)の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、250,000であった。
製造例6:共重合体(6)の合成
20ml容量のガラス製耐圧試験管に、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)0.46g(0.0029mol)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA1.54g(0.0118mol)、およびメタノール3gを加えた後、窒素ガスを10秒間バブリングして、モノマー溶液(6)を調製した。このモノマー溶液(6)に、重合開始剤として、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(2,2'-Azobis(4-methoxy-2,4-dimethylvaleronitrile))0.004g(0.013mmol)を加えた後、45℃に設定したヒートブロックで6時間加熱して、重合反応を行い、重合液(6)を得た。この重合液(6)をn-ヘキサン50mlに加え、析出したポリマー成分を回収、減圧乾燥し、テトラヒドロフルフリルアクリレートとヒドロキシエチルメタクリレートとの共重合体(THFA:HEMA=20:80(モル比))(共重合体(6))を得た。この共重合体(6)の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、230,000であった。
製造例7:THFA重合体(7)の合成
20ml容量のガラス製耐圧試験管に、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)2.0g(0.0128mol)、およびメタノール3gを加えた後、窒素ガスを10秒間バブリングして、モノマー溶液(7)を調製した。このモノマー溶液(7)に、重合開始剤として、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(2,2'-Azobis(4-methoxy-2,4-dimethylvaleronitrile))0.004g(0.013mmol)を加えた後、45℃に設定したヒートブロックで6時間加熱して、重合反応を行い、重合液(7)を得た。この重合液(7)をヘキサン50mlに加え、析出したポリマー成分を回収、減圧乾燥し、テトラヒドロフルフリルアクリレートのホモポリマー(THFA重合体(7))を得た。このTHFA重合体(7)の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、290,000であった。
製造例8:HEMA重合体(8)の合成
20ml容量のガラス製耐圧試験管に、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)2.0g(0.0154mol)、およびメタノール3gを加えた後、窒素ガスを10秒間バブリングして、モノマー溶液(8)を調製した。このモノマー溶液(8)に、重合開始剤として、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(2,2'-Azobis(4-methoxy-2,4-dimethylvaleronitrile))0.004g(0.013mmol)を加えた後、45℃に設定したヒートブロックで6時間加熱して、重合反応を行い、重合液(8)を得た。この重合液(8)をn-ヘキサン50mlに加え、析出したポリマー成分を回収、減圧乾燥し、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマー(HEMA重合体(8))を得た。
実施例1:細胞培養皿へのコーティング
上記製造例1で得られた共重合体(1)を水およびエタノールの混合溶媒(水:エタノール=1:9(体積比))に0.05重量%濃度となるように溶解して、コーティング液(1)を作製した。このコーティング液(1)25μLを、市販の96穴組織培養用ポリスチレンディッシュ(プラズマ処理無し、FALCON社製、商品名:Non-Tissue Culture Treated Plate, 96Well, Flat Bottom with Low Evaporation Lid)の各ウェルに添加し、20℃で300分間乾燥し、ウェル表面にポリマー被膜(乾燥時の厚み:0.3μm)を作製して、細胞培養皿(1)を得た。
実施例2~5:細胞培養皿へのコーティング
実施例1において、共重合体(1)の代わりに、共重合体(2)~(5)をそれぞれ使用する以外は、実施例1と同様の方法に従って、ウェル表面にポリマー被膜を作製して、細胞培養皿(2)~(5)を得た。
比較例1~3:細胞培養皿へのコーティング
実施例1において、共重合体(1)の代わりに、共重合体(6)、THFA重合体(7)およびHEMA重合体(8)をそれぞれ使用する以外は、実施例1と同様の方法に従って、ウェル表面にポリマー被膜を作製して、比較細胞培養皿(1)~(3)を得た。
参考例1:
市販の96穴組織培養用ポリスチレンディッシュ(プラズマ処理およびポリマー被膜無し、FALCON社製、商品名:Non-Tissue Culture Treated Plate, 96Well, Flat Bottom with Low Evaporation Lid)を未処理の細胞培養皿として準備した。
[評価:細胞培養および接着活性の測定]
上記実施例1~5および比較例1~3で得られた細胞培養皿(1)~(5)、および比較細胞培養皿(1)~(3)ならびに参考例1としての未処理の細胞培養皿を用いて、下記に従って、細胞を培養し、細胞接着活性(細胞接着性)を評価した。なお、細胞は、ヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞(ロンザ、ウォーカーズビル、メリーランド州、アメリカ合衆国)を使用した。ドナーは22歳男性で、CD13、CD29、CD44、CD73、CD90、CD105、CD166≧90%、CD14、CD31、CD45≦5%であった。
各細胞培養皿の各ウェルに、上記ヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞を2×10細胞/ウェルとなるように播種した後、37℃にて、加湿、5% CO存在下で、インキュベーターで、Mesenchymal Stem Cell Growth Medium 2(プロモセル、ベッドフォード、マサチューセッツ州、アメリカ合衆国)で1日培養した。培養終了後、培養液を、10%WST-1(Premix WST-1 Cell Proliferation Assay System、タカラバイオ株式会社、滋賀、日本)を含むMesenchymal Stem Cell Growth Medium 2に交換した後、加湿、常圧下(37℃、5%CO)で約4時間インキュベートした。この培養液の吸光度(450nm、対照600nm)を、マイクロプレートリーダーで測定して、細胞接着活性とした。結果を下記表1に示す。
上記表1の結果から、製造例1~5の共重合体(1)~(5)を用いてそれぞれポリマー被膜を形成した細胞培養皿は、THFAのホモポリマー(THFA重合体(7))を用いてポリマー被膜を形成した細胞培養皿よりも、高い細胞接着性を示した。一方、本発明に係る組成から外れるTHFA-HEMA共重合体(共重合体(6))、およびHEMA重合体(8)を用いてそれぞれポリマー被膜を形成した細胞培養皿は、THFAのホモポリマー(THFA重合体(7))を用いてポリマー被膜を形成した細胞培養皿よりも、細胞接着性が低下することが示された。
1…バイオリアクター、
2…細胞培養基材、
3…細胞培養チャンバー、
4,8…入口ポート、
6,10…出口ポート。

Claims (5)

  1. 高分子基材の少なくとも一方の面に、
    40モル%以上90以下の下記式(1)で表されるフルフリル(メタ)アクリレート由来の構成単位(1)および10モル%以上60モル%以下下記式(2)で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位(2)から構成される共重合体(前記構成単位(1)および前記構成単位(2)の合計は100モル%である)を含む被覆層を有する、細胞培養基材:

    ただし、Rは、水素原子またはメチル基であり、Rは、下記式(1-1)または下記式(1-2):

    ただし、Rは、炭素原子数1~3のアルキレン基である;
    で表される基である

    ただし、R は、水素原子またはメチル基であり、R は、炭素原子数2~3のアルキレン基である
  2. 高分子基材の少なくとも一方の面に、
    40モル%以上90%以下の下記式(1)で表されるフルフリル(メタ)アクリレート由来の構成単位(1)および10モル%以上60モル%以下の下記式(2)で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位(2)から構成される共重合体(前記構成単位(1)および前記構成単位(2)の合計は100モル%である)を含む被覆層を有し、
    前記高分子基材が多孔質膜である、細胞培養基材:

    ただし、R は、水素原子またはメチル基であり、R は、下記式(1-1)または下記式(1-2):

    ただし、R は、炭素原子数1~3のアルキレン基である;
    で表される基である;

    ただし、R は、水素原子またはメチル基であり、R は、炭素原子数2~3のアルキレン基である
  3. 前記共重合体が、60~90モル%の前記構成単位(1)および10~40モル%の前記構成単位(2)を有する共重合体(前記構成単位(1)および前記構成単位(2)の合計は100モル%である)である、請求項1または2に記載の細胞培養基材。
  4. 請求項1~のいずれか1項に記載の細胞培養基材を有する、バイオリアクター。
  5. 請求項に記載のバイオリアクターを用いて幹細胞を培養する、幹細胞の培養方法。
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