JP6314458B2 - 温度応答性を有する細胞培養基材およびその製造方法 - Google Patents

温度応答性を有する細胞培養基材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、温度応答性を有する細胞培養基材およびその製造方法に関する。
再生医療では細胞をシート状に加工した細胞シートによる治療が行われている。細胞培養基材を用いて培養された細胞を剥離させるためには、酵素処理のような方法で接着性タンパク質を破壊する必要があった。その際、結合していた細胞同士は離れてしまうという課題があった。これに対し、温度応答性を有する細胞培養基材を用いて細胞を培養した場合、低損傷で細胞を剥離させることが可能である。
特許文献1には、温度応答性ポリマーの原料であるモノマーを溶剤に溶かして細胞培養基材に塗工し、放射線を照射して温度応答性ポリマーを基材に固定化する方法が記載されている。この方法は、放射線重合で製造することで開始剤の添加が不要になっている点では優れているが、現在汎用的に使われている温度応答性ポリマーであるポリN−イソプロピルアクリルアミドのモノマーには神経毒性があるため製造環境の安全性担保が難しくなるという問題点がある。
特許文献2には、細胞培養基材表面に光重合開始剤を固定化することにより、その表面上にモノマー溶液を塗工し、光を照射することで直鎖状ポリマーを固定化する方法が記載されている。この方法では、モノマーの神経毒性のために製造環境の安全性担保が難しいと同時に、光重合開始剤の固定化というプロセスが加わったことによって生産性の低下が懸念される。また、光重合開始剤の生物学的安全性も問題になる可能性がある。
特許文献3には、基板に架橋性重合開始剤を塗工して重合開始層を形成した後に、アミド基と重合性基を含む化合物を接触させて温度応答性ポリマー層を形成させる方法が記載されている。この方法では重合開始層を塗工する分、塗工工程が増えてしまう問題がある。
特許第5227223号 WO13/073707 特開2009−079154号
また、モノマーを含有しないインキとして、温度応答性ポリマーと架橋剤をインキ化して細胞培養基材に塗工し、放射線重合する方法も考えられる。しかし、この方法では架橋剤の添加量のぶれによる性能の変化が懸念されるため、出発原料を温度応答性ポリマーとし、かつ架橋剤を添加する必要のないインキで製造された温度応答性細胞培養基材が望まれている。
したがって、本発明は、従来の温度応答性細胞培養基材の製造方法と比べて安全性の高い製造環境で温度応答性の細胞培養基材を製造すること、および、温度応答性ポリマーをインキ化して放射線照射によって温度応答性の細胞培養基材を製造する際に、架橋剤の添加を不要にすることで製品性能のぶれを軽減すること、ならびに安全性を向上させることを目的とする。
本発明者は、温度応答性ポリマーとして、(メタ)アクリルアミド系モノマー由来の構成単位と側鎖に放射線反応性官能基を有する構成単位とを含むコポリマーを用い、これに放射線を照射して基材上に固定化することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)温度応答性を有する細胞培養基材の製造方法であって、
温度応答性ポリマーを基材に配置する工程、および
基材に配置された温度応答性ポリマーに放射線を照射することにより温度応答性ポリマーを基材に固定化する工程
を含み、
温度応答性ポリマーが、(メタ)アクリルアミド系モノマー由来の構成単位と側鎖に放射線反応性官能基を有する構成単位とを含むコポリマーである、
前記方法。
(2)(メタ)アクリルアミド系モノマーがN−イソプロピルアクリルアミドである、(1)に記載の方法。
(3)放射線反応性官能基が(メタ)アクリロイル基、(メタ)アリル基およびビニル基からなる群から選択される、(1)または(2)に記載の方法。
(4)細胞培養基材上に温度応答性層を形成するための、温度応答性ポリマーを含む放射線重合性組成物であって、
温度応答性ポリマーが、(メタ)アクリルアミド系モノマー由来の構成単位と側鎖に放射線反応性官能基を有する構成単位とを含むコポリマーである、
前記組成物。
(5)基材上に温度応答性ポリマーが固定化されてなる細胞培養基材であって、
温度応答性ポリマーが、(メタ)アクリルアミド系モノマー由来の構成単位と側鎖に放射線反応性官能基を有する構成単位とを含むコポリマーである、
前記細胞培養基材。
本発明により、従来の温度応答性細胞培養基材の製造方法と比べて安全性の高い製造環境で温度応答性の細胞培養基材を製造することができる。また、架橋剤を添加することなく、温度応答性ポリマーをインキ化して放射線照射によって温度応答性の細胞培養基材を製造するができるため、製品性能のぶれを軽減できるとともに、安全性を向上させることができる。
本発明は、細胞を培養して細胞シートを形成し、これを非浸襲的に回収するのに好適な、温度応答性を有する細胞培養基材の製造方法に関する。本発明の細胞培養基材の製造方法は、温度応答性ポリマーを基材に配置する工程、および基材に配置された温度応答性ポリマーに放射線を照射することにより温度応答性ポリマーを基材に固定化する工程を含む。
本発明に好適に使用できる温度応答性ポリマーは細胞培養温度下(通常、37℃程度)において疎水性を示し、培養した細胞シートの回収時の温度下において親水性を示すものである。なお、温度応答性ポリマーが、疎水性から親水性に変化する温度(水に対する臨界溶解温度(T))としては、特に限定されないが、培養後の細胞シートの回収の容易さの観点からは、細胞培養温度よりも低い温度であることが好ましい。このような温度応答性ポリマー成分を含むことで、細胞培養時においては、細胞の足場(細胞接着面)が充分に確保されるため細胞培養を効率よく行うことができる。その一方、培養後の細胞シートの回収時においては、疎水性部分を親水性に変化させ、培養された細胞シートを細胞培養基材から分離させることで、細胞シートの回収をより一層容易にすることができる。特に所定の臨界溶解温度未満の温度で親水性を示し、同温度以上の温度で疎水性を示す温度応答性ポリマーが好ましい。このような温度応答性ポリマーにおける臨界溶解温度を特に下限臨界溶解温度と呼ぶ。
本発明に好適に使用できる温度応答性ポリマーは具体的には下限臨界溶解温度Tが0〜80℃、好ましくは0〜50℃であるポリマーが好ましい。Tが80℃を越えると細胞が死滅する可能性があるので好ましくない。またTが0℃より低いと、一般に細胞増殖速度が極度に低下するか、または細胞が死滅してしまうため好ましくない。
本発明は、温度応答性ポリマーとして、(メタ)アクリルアミド系モノマー由来の構成単位と側鎖に放射線反応性官能基を有する構成単位とを含むコポリマーを使用することを特徴とする。(メタ)アクリルアミド系モノマーには、アクリルアミド系モノマーおよびメタクリルアミド系モノマーが含まれる。
(メタ)アクリルアミド系モノマー由来の構成単位は、(メタ)アクリルアミド系モノマーの重合によって得られる構成単位である。(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、モノマーの単独重合体がT=0〜80℃を有するようなモノマーであって、放射線照射によって重合し得るモノマーが好ましい。例えば、(メタ)アクリルアミド化合物(アクリルアミド化合物およびメタクリルアミド化合物を含む)、N−(もしくはN,N−ジ)アルキル置換(メタ)アクリルアミド誘導体、環状基を有する(メタ)アクリルアミド誘導体等が挙げられ、これらの1種以上を使用してよい。ここで、アルキル基としては、好ましくはC1−20アルキル基、より好ましくはC1−6アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。(メタ)アクリルアミド系モノマーの具体例としては、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−エトキシエチルアクリルアミド、N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミド、N−テトラヒドロフルフリルメタクリルアミド、およびN,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−シクロプロピルアクリルアミド、N−シクロプロピルメタクリルアミド等が挙げられる。
側鎖に放射線反応性官能基を有する構成単位としては、ブタジエンのように分子内にあらかじめ放射線反応性官能基を有し、(メタ)アクリルアミド系モノマーと共重合可能なモノマーの重合によって得られる構成単位、あるいは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、スルホ基等を有し、(メタ)アクリルアミド系モノマーと共重合可能なモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、メチロールアクリレート、メチロールメタクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、ヒドロキシアルキルアクリルアミド、ヒドロキシアルキルメタクリルアミド、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸、クロトン酸等)の重合によって得られる構成単位に放射線反応性官能基を導入した構成単位が挙げられる。ここで、アルキル基としては、好ましくはC1−20アルキル基、より好ましくはC1−6アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。
放射線反応性官能基、例えば電子線反応性官能基は、放射線(例えば電子線)を照射することにより、基材に共有結合で結合することができるものであれば特に制限されない。放射線反応性官能基は、高エネルギー照射下でラジカルを形成することができる部分であり、放射線源にさらされるとフリーラジカルを発生し、架橋およびグラフトを達成する。放射線反応性官能基は、用いる(メタ)アクリルアミド系モノマーにより適宜選択されるが、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アリル基およびビニル基などのC1−6アルケニル基、アジ基、一級、二級または三級の脂肪族基、脂環式基、フェニル基およびベンジル基などの芳香族基、ならびにこれらを含む基が挙げられる。(メタ)アクリロイル基には、アクリロイル基およびメタクリロイル基が含まれ、(メタ)アリル基には、アリル基およびメタリル基が含まれる。(メタ)アクリロイル基、C1−6アルケニル基、アジ基、脂肪族基、脂環式基、芳香族基などの基は、置換基を有してもよく、リンカーを介して結合していてもよい。置換基としては、C1−6アルキル基、ハロゲン(F、Cl、Brなど)、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、スルホ基、ベンジル基、フェニル基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられる。リンカーとしては、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜6の、二価の脂肪族炭化水素基、好ましくはアルキレン基が挙げられる。アルキレン基における炭素が、窒素、酸素および硫黄から選択される同一または異なるヘテロ原子で置換された基でもよい。放射線反応性官能基の導入は、例えばヒドロキシル基に対して塩化(メタ)アクリロイルを作用させる等の手法で実施できる。
上記構成単位以外にも、溶剤への溶解性等の観点から別のモノマーを共重合することもできる。併用可能なモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリロ二トリル誘導体等を挙げることができる。
本発明に用いられる温度応答性のコポリマーは、(メタ)アクリルアミド系モノマー由来の構成単位と側鎖に放射線反応性官能基を有する構成単位とを含むランダムコポリマーであってもよく、ブロックコポリマーであってもよいが、好ましくはランダムコポリマーである。これは、放射線反応性官能基がコポリマー内でランダムに分散していることにより、放射線を照射した際に基材と放射線反応性官能基間で形成される結合がコポリマーの固定化により有効に使われるためである。
(メタ)アクリルアミド系モノマー由来の構成単位は、ポリマーの全構成単位の60〜98mol%を占めていることが好ましく、70〜95mol%を占めていることがより好ましく、80〜90mol%を占めていることがより好ましい。側鎖に放射線反応性官能基を有する構成単位は、ポリマーの全構成単位の2〜40mol%を占めていることが好ましく、5〜30mol%を占めていることがより好ましく、10〜20mol%を占めていることがより好ましい。(メタ)アクリルアミド系モノマー由来の構成単位を一定以上含ませることで、コポリマーに温度応答性能を十分付与することができる。一方、側鎖に放射線反応性官能基を有する構成単位を一定以上含ませることで、放射線反応性官能基を介したコポリマー同士の架橋反応やグラフト反応を十分担保できる。
本発明に用いられるコポリマーの合成方法は、特に制限されないが、種々の重合方法、例えば溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、沈殿重合、塊状重合、乳化重合によって合成できる。例えば、上記のような種々の重合方法によって前駆体コポリマーを合成した後、放射線反応性官能基を導入することにより目的のコポリマーを合成することができる。重合反応は回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で行うことができる。
重合の開始方法はラジカル開始剤を用いる方法、光または放射線を照射する方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二「高分子合成方法」改定版(日刊工業新聞社刊、1971)や大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊、124〜154頁に記載されている。
上記重合方法のうち、特にラジカル開始剤を用いた溶液重合法が好ましい。ラジカル開始剤としては、光ラジカル開始剤および熱ラジカル開始剤が挙げられる。光ラジカル開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類が挙げられる。熱ラジカル開始剤としては、有機過酸化物、無機過酸化物、有機アゾ化合物およびジアゾ化合物等が挙げられる。具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロペルオキシド、ブチルヒドロペルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル、2−アゾ−ビス−プロピオニトリル、2−アゾ−ビス−シクロヘキサンジニトリル等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等を挙げることができる。
溶剤は、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノールのような種々の有機溶剤の単独あるいは2種以上の混合物でもよいし、水でもよい。
重合温度は生成するポリマーの分子量、開始剤の種類などと関連して設定する必要があり0℃以下から100℃以上まで可能であるが、例えば、有機溶剤で熱ラジカル開始剤を用いて重合する場合は50〜100℃の範囲で重合を行うことが好ましい。反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常は、1〜100kg/cm、特に、1〜30kg/cm程度が望ましい。反応時間は、5〜30時間程度である。得られたコポリマーの再沈殿溶媒としては、エーテル、i−プロパノール、ヘキサン、メタノール等が好ましい。
温度応答性のコポリマーの重量平均分子量は、特に制限されないが、100万以下であることが好ましく、60万以下であることがより好ましく、40万以下であることが特に好ましく、かつ5000以上であることが好ましい。分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1〜6程度であることが好ましい。重量平均分子量が100万を超えると粘度が著しく高くなるため、コポリマーの重合中の溶剤の撹拌や再沈殿などのコポリマーの精製作業に支障がでる、あるいは希釈剤として用いる水や有機溶媒が多量に必要となる場合があり、また、重量平均分子量が5000を下回ると耐水性や耐熱性が低下する場合がある。
本発明で用いられる温度応答性のコポリマーの具体例としては、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)由来の構成単位とヒドロキシエチルメタクレート(HEMA)由来の構成単位を含む前駆体コポリマーのヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基が導入されたコポリマー、すなわち、ポリ(NIPAAm−co−HEMA−(meth)acrylate)が挙げられる。また、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)由来の構成単位とN−ヒドロキシメチルアクリルアミド(HMAAm)由来の構成単位を含む前駆体コポリマーのヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基が導入されたコポリマー、すなわち、ポリ(NIPAAm−co−HMAAm−(meth)acrylate)が挙げられる。
ここで、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)由来の構成単位は、以下の式(1):
Figure 0006314458
で表すことができ、ヒドロキシエチルメタクレート(HEMA)由来の構成単位は、以下の式(2):
Figure 0006314458
で表すことができ、ヒドロキシエチルメタクレート(HEMA)由来の構成単位のヒドロキシル基にアクリロイル基が導入された構成単位は、以下の式(3)
Figure 0006314458
で表すことができ、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド(HMAAm)由来の構成単位は、以下の式(4):
Figure 0006314458
で表すことができ、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド(HMAAm)由来の構成単位のヒドロキシル基にアクリロイル基が導入された構成単位は、以下の式(5)
Figure 0006314458
で表すことができる。
温度応答性ポリマーを基材に配置する工程においては、温度応答性ポリマーを好適な溶媒に溶解し、放射線重合性組成物を調製した上で基材に配置することが好ましい。温度応答性ポリマーを溶解する溶媒は、温度応答性ポリマーを溶解できるものであれば特に制限はないが、常庄下において沸点120℃以下、特に60〜110℃のものが好ましい。好ましい溶媒としては、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノールおよび水等が挙げられ、これらは組み合わせて使用してもよい。その他の溶媒、例えば1−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、2−ブトキシエタノール、およびエチレン(若しくはジエチレン)グリコールまたはそのモノエチルエーテル等も使用可能であるが、好ましくはi−プロパノールを用いる。また、基材として細胞培養に汎用されるポリスチレンを選択した場合においても表面を侵さないため好ましい。必要であれば、上記溶液にはその他添加剤として、硫酸等で代表される酸類、モール塩等を配合してよい。
基材上に配置する温度応答性ポリマーを含む放射線重合性組成物における温度応答性ポリマーの濃度は、使用する温度応答性ポリマーに含まれる放射線反応性官能基の量に依存するが、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。温度応答性ポリマーの濃度を一定以下とすることで、ポリマーのグラフト過多による細胞の接着不良が生じるのを防止できる。また、温度応答性ポリマーの濃度を一定以上とすることで、ポリマーのグラフト不足によって細胞が接着したものの剥離しない状況を回避できる。すなわち、基材に塗布する放射線重合性組成物における温度応答性ポリマーの濃度を適切な範囲とすることで、適切な温度応答性能を付与することができ、細胞を接着させるとともに、温度変化により細胞を剥離することができる。
基材は、その表面が、放射線反応性官能基と放射線照射により共有結合し得る材料を含むものである限り特に限定されない。表面のみが、放射線反応性官能基と放射線照射により共有結合し得る材料を含むものであってもよいし、基材の全部がそのような材料を含むものであってもよい。このような基材の材料は、通常細胞培養に用いられるガラス類、プラスチック類、セラミックス、金属等が挙げられるが、細胞培養が可能な材料であれば特に限定されない。基材の表面または中間層に本発明の目的を妨げない限り任意の層を設けてもよいし、任意の処理を施してもよい。例えば、基材表面にオゾン処理、プラズマ処理、スパッタリング等の処理技術を用いて親水化を施すことができる。
基材を構成する材料であって、それ自体が放射線反応性官能基と共有結合を形成し得るものとしては、ポリスチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリウレタン、ウレタンアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリアミド(ナイロン)、ポリカーボネート、共役結合を持つ天然ゴム、共役結合を持つ合成ゴム、ポリシリコンを含有するシリコンゴム等が挙げられる。基材はこれらの材料を2種以上含むブレンドポリマーまたはポリマーアロイからなるものであってもよい。
放射線反応性官能基と共有結合するように表面処理された基材としては、表面が易接着処理されたポリエチレンテレフタレート、表面がコロナ処理またはプラズマ処理された合成樹脂、表面がウレタンアクリレート等のアクリル系樹脂により被覆された合成樹脂等が挙げられる。基材はこれらの材料を2種以上含むブレンドポリマーまたはポリマーアロイからなるものであってもよい。合成樹脂としてはナイロン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン等が挙げられる。合成樹脂はこれらの材料を2種以上含むブレンドポリマーまたはポリマーアロイからなるものであってもよい。
基材の形状としては、ディッシュ形状、フィルム形状、多孔質形状などが挙げられる。フィルム形状基材を用いる場合、フィルム形状基材表面に温度応答性ポリマーの層を形成した後、細胞培養に適した形状(例えばディッシュ形状)に加工することができる。また、ディッシュ形状の容器の細胞培養面に、フィルム形状の基材を接着剤などにより貼り付けてもよい。加工の際は、必要に応じて他の材料からなる部材を前記基材と組み合わせて使用することもできる。ディッシュ形状基材を用いる場合、少なくとも細胞接着面となるディッシュ内底面部分が温度応答性ポリマーの層により被覆されればよい。
本発明で用いる基材としては、細胞培養において実績のある、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、多孔質ポリエチレンテレフタレート、多孔質ポリカーボネートが特に適している。
温度応答性ポリマーを配置することにより基材上に形成する塗膜の塗布量は温度応答性ポリマーが機能(例えば温度応答性)を発揮するのに必要な塗布量である50mg/m以上あればよい。塗布量の上限は特にないが、40g/m未満が好ましく、10g/m以下がより好ましい。塗布量が40g/m以上である場合には、厚みが増して塗膜厚が安定しないこと、厚みが増して放射線の貫通・照射量が安定しないこと、並びに照射エネルギーに由来する膜内の対流によりポリマーの被覆量にムラが生じる場合がある。また、遊離のポリマーを洗浄するための洗浄時間を短くするためには塗膜量は10g/m以下が望ましい。
温度応答性ポリマーの基材への小面積への塗布方法としては公知のいずれの方法でもよく、例えばスピンコーター、バーコーター等による塗布法、噴霧塗布法等が挙げられる。大面積への塗布方法としてはブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ロッドコーティング法、ナイフコーディング法、リバースロールコーティング法、オフセットグラビアコーティング法等が使用できる。
ベタ形成においては、グラビアコート法、ロールコート法、スロットコート法、キスコ−ト法、スプレーコート法、ファウンテンコーティング法等公知のコーティング法を用いて形成することが出来る。又、絵柄層のパターン形成においては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等公知の印刷法を用いることが出来る。塗布方法として連続のコート法または印刷法を使用することもできる。連続のコート法または印刷法としては、具体的にはホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラビアダイレクトコート、グラビアリバースコート、ダイコート、マイクログラビアコート、スライドコート、スリットリバースコート、カーテンコート、ナイフコート、エアコート、ロールコート等の塗布方法が使用できるが、これらは例示に過ぎず、当業者であれば適用可能なものを使用することができる。
本発明の方法は、基材上に配置した温度応答性ポリマーに放射線を照射して、基材表面と温度応答性ポリマーの放射線反応性官能基を介した結合反応を進行させる放射線照射工程を含む。ここでいう結合反応は、放射線照射によって、基材と温度応答性ポリマーとの間の共有結合や、温度応答性ポリマー同士の共有結合が、放射線反応性官能基を介して形成される反応をさす。
使用する放射線としては、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等がある。本発明においては、γ線と電子線がエネルギー効率がよく、特に生産性の面から電子線が好ましい。紫外線に関しては適当な重合開始剤や基材とのアンカー剤を組合せることで使用できる。放射線の線量の範囲は、電子線であれば50kGy〜500kGyが好ましく、γ線であれば5kGy〜50kGyが好ましい。
電子線としては、好ましくは300kV以下、より好ましくは200kV以下の加速電圧で加速された電子線を用いる。300kV以下の電子線照射装置は大型の遮蔽が必要なく、装置も小型であるため使いやすい。乾燥後の塗膜を通過できる限り、加速電圧の下限は特に制限されない。電子線照射装置は加速電圧が大きくなるにつれて装置が大型になり、コンクリートによる大型の遮蔽が必要になるため、使い勝手の良い300kV以下の装置が好ましい。
放射線照射後は、塗膜を乾燥させて溶媒を除去することが好ましい。乾燥前の塗膜に放射線を照射した後、乾燥を行ってもよいし、塗膜を乾燥した後に放射線を照射してもよい。ただし、乾燥前のウェットな状態の塗膜に放射線照射を行うと、環境変化や異物、塗膜厚変動等の影響を受ける可能性があることから、塗膜を乾燥した後に放射線を照射することが好ましい。乾燥方法としては特に限定されないが、典型的にはドライエア乾燥法、熱風(温風)乾燥法、(遠)赤外乾燥法などが挙げられる。
上述の各工程を経て形成された細胞培養基材には、基材表面上に共有結合により固定化されたポリマー分子だけでなく、固定化されていない遊離のポリマー分子等が存在している。そこでこれらの遊離ポリマーや未反応物を除去するために洗浄を行う洗浄工程を更に含むことが好ましい。
洗浄方法としては特に限定されないが、典型的には浸漬洗浄、遥動洗浄、シャワー洗浄、スプレー洗浄、超音波洗浄等が挙げられる。また洗浄液としては典型的には各種水系、アルコール系、炭化水素系、塩素系、酸・アルカリ洗浄液が挙げられる。洗浄方法と洗浄液の組み合わせは洗浄される細胞培養基材に応じて適宜選択すればよい。
本発明の方法により製造された細胞培養基材においては、温度応答性等の品質のばらつきがなく、温度応答性ポリマーが基材上に安定的に固定化されている。本発明の細胞培養基材においては、その表面に固定化された温度応答性ポリマーの層の乾燥時の厚さが0.001〜10μmであることが好ましい。
また細胞培養基材表面における温度応答性ポリマーの被覆量は、0.2〜6.0μg/cmであることが好ましく、1.0〜4.0μg/cmであることがより好ましい。被覆量が6.0μg/cmを超過すると細胞は細胞培養基材表面上に付着せず、逆に被覆量が0.2μg/cm未満だと培養細胞を基材から剥離回収することが困難となる。このようなポリマー被覆量は、例えばフーリエ変換赤外分光計全反射法(FT−IR−ATR法)、被覆部若しくは非被覆部の染色や蛍光物質の染色による分析、更に接触角測定等による表面分析を単独或は併用して求めることができる。
本発明の細胞培養基材は、接着性細胞の培養に、特に好適に使用される。接着性細胞としては、例えば、肝臓の実質細胞である肝細胞、クッパー細胞、血管内皮細胞や角膜内皮細胞などの内皮細胞、繊維芽細胞、骨芽細胞、砕骨細胞、歯根膜由来細胞、表皮角化細胞などの表皮細胞、気管上皮細胞、消化管上皮細胞、子宮頸部上皮細胞、角膜上皮細胞などの上皮細胞、乳腺細胞、ペリサイト、平滑筋細胞や心筋細胞などの筋細胞、腎細胞、膵ランゲルハンス島細胞、末梢神経細胞や視神経細胞などの神経細胞、軟骨細胞などの骨細胞などが挙げられる。
これらの細胞は、組織や器官から直接採取した初代細胞でもよく、あるいは、それらを何代か継代させたものでもよい。さらにこれら細胞は、未分化細胞である胚性幹細胞、多分化能を有する間葉系幹細胞などの多能性幹細胞、単分化能を有する血管内皮前駆細胞などの単能性幹細胞、分化が終了した細胞の何れであってもよい。また、細胞は単一種を培養してもよいし二種以上の細胞を共培養してもよい。本発明の細胞培養基材を用いて細胞を培養することにより、細胞シートを作製することができる。こうして作製された細胞シートは表面の接着因子が損なわれていないことに加えて、細胞培養面に接した部分が均一な品質を有することから、再生医療などへの利用に適したものである。また、細胞シートを利用することでバイオセンサー等の検出デバイスへの応用へも展開できる。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例の範囲に限定されるものではない。
<実施例1>
(温度応答性ポリマーの合成)
300ml三口フラスコにN−イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)20.4gとヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)2.4ml、開始剤N,N’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.0821gを入れ、メタノール100mlを加えて溶解させた。フラスコ内をアルゴン雰囲気下にし、60℃で24時間撹拌した。生成物を透析チューブによって3日間透析し、4日間凍結乾燥させた。得られたポリ(NIPAAm−HEMA)7g、トリエチルアミン3.5mlを三口フラスコに加え、脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)75mlを加えて溶解させ、氷浴によって氷点下に冷却した。塩化アクリロイル1mlを20mlの脱水THFに溶解させた塩化アクリロイル溶液を三口フラスコに滴下していき、氷点下を3時間維持した後、室温で12時間撹拌した。その後エーテルによって再沈させ、NIPAAmとHEMA−acrylateの共重合比(モル比)が90:10であるポリ(NIPAAm−co−HEMA−acrylate)を得た。分子量は、Mn32,000であり、Mw167,000であった。
(温度応答性細胞培養基材の作製)
OPSフィルム(旭化成ケミカルズ製、製品コード:GM、厚さ:50μm)をA5サイズにカットし、基材とした。i−プロパノール(IPA)にポリ(NIPAAm−co−HEMA−acrylate)を0.8wt%になるようにそれぞれ溶解させた。溶液をミヤバー(番手2)で塗布後、室温で1時間乾燥させた。各フィルムに加速電圧200kV、照射線量120kGyの電子線を照射し、温度応答性ポリマー層を基材に固定化した。高圧水洗によって固定化されていないポリマーを除去した。
<実施例2>
(温度応答性ポリマーの合成)
300ml三口フラスコにN−イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)21.5gとN−ヒドロキシメチルアクリルアミド(HMAAm)1.0g、開始剤N,N’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.0821gを入れ、メタノール100mlを加えて溶解させた。フラスコ内をアルゴン雰囲気下にし、60℃で24時間撹拌した。生成物を透析チューブによって3日間透析し、4日間凍結乾燥させた。得られたポリ(NIPAAm−HMAAm)10g、トリエチルアミン2.2mlを三口フラスコに加え、脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)90mlを加えて溶解させ、氷浴によって氷点下に冷却した。塩化アクリロイル7.8mlを22mlの脱水THFに溶解させた塩化アクリロイル溶液を三口フラスコに滴下していき、氷点下を3時間維持した後、室温で12時間撹拌した。その後エーテルによって再沈させ、NIPAAmとHMAAm−acrylateの共重合比(モル比)が95:5であるポリ(NIPAAm−co−HMAAm−acrylate)を得た。分子量は、Mn91,000であり、Mw264,000であった。
(温度応答性細胞培養基材の作製)
OPSフィルム(旭化成ケミカルズ製、製品コード:GM、厚さ:50μm)をA5サイズにカットし、基材とした。i−プロパノール(IPA)にポリ(NIPAAm−co−HMAAm−acrylate)を2.0wt%になるようにそれぞれ溶解させた。この溶液をミヤバー(番手2)で塗布後、室温で1時間乾燥させた。このフィルムに加速電圧200kV、照射線量120kGyの電子線を照射し、温度応答性ポリマー層を基材に固定化した。高圧水洗によって固定化されていないポリマーを除去した。
<比較例>
(温度応答性ポリマーの合成)
300ml三口フラスコにN−イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)22.6gと開始剤N,N’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.0821gを入れ、メタノール100mlを加えて溶解させた。フラスコ内をアルゴン雰囲気下にし、60℃で24時間撹拌した。生成物を透析チューブによって3日間透析し、4日間凍結乾燥させ、ポリNIPAAm(PNIPAAm)を得た。
(温度応答性細胞培養基材の作製)
OPSフィルム(旭化成ケミカルズ製、厚さ:50μm)をA5サイズにカットし、基材とした。i−プロパノール(IPA)にPNIPAAmを2.0wt%になるように溶解させた。この溶液をミヤバー(番手2)で塗布後、室温で1時間乾燥させた。このフィルムに加速電圧200kV、照射線量120kGyの電子線を照射した。高圧水洗によって固定化されていないポリマーを除去した。
<試験例>
(細胞培養評価)
実施例1、実施例2および比較例で得られた細胞培養基材をNunc製細胞培養ディッシュ底面に固定化した。得られた細胞培養基材上にて、定法によりウシ血管内皮細胞を37℃で培養した(使用培地:10%FBS含有DMEM(シグマ製))。培養4日後に培養した細胞がコンフルエントの状態となったことを確認し、20℃で30分インキュベートし冷却することで、細胞シートを剥離、回収可能か判断した。
Figure 0006314458

Claims (4)

  1. 温度応答性を有する細胞培養基材の製造方法であって、
    温度応答性ポリマーを基材に配置する工程、および
    基材に配置された温度応答性ポリマーに放射線を照射することにより温度応答性ポリマーを基材に固定化する工程
    を含み、
    温度応答性ポリマーが、(メタ)アクリルアミド系モノマー由来の構成単位と、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アリル基およびビニル基からなる群から選択される、放射線照射により基材との間に共有結合を形成する放射線反応性官能基を側鎖に有する構成単位とを含むコポリマーである、
    前記方法。
  2. (メタ)アクリルアミド系モノマーがN−イソプロピルアクリルアミドである、請求項1に記載の方法。
  3. 細胞培養基材上に温度応答性層を形成するための、温度応答性ポリマーを含む放射線重合性組成物であって、
    温度応答性ポリマーが、(メタ)アクリルアミド系モノマー由来の構成単位と、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アリル基およびビニル基からなる群から選択される、放射線照射により基材との間に共有結合を形成する放射線反応性官能基を側鎖に有する構成単位とを含むコポリマーである、
    前記組成物。
  4. 架橋剤を含まない、請求項3に記載の放射線重合性組成物。
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