JP6755010B2 - 細胞培養器の製造方法 - Google Patents
細胞培養器の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6755010B2 JP6755010B2 JP2015129249A JP2015129249A JP6755010B2 JP 6755010 B2 JP6755010 B2 JP 6755010B2 JP 2015129249 A JP2015129249 A JP 2015129249A JP 2015129249 A JP2015129249 A JP 2015129249A JP 6755010 B2 JP6755010 B2 JP 6755010B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- responsive polymer
- polymer
- cell
- cell incubator
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
そのため、特許文献1の細胞培養器を製造する際に、培養面に温度応答性ポリマーの水溶液を滴下すると水滴を形成する場合や、培養面に少量の温度応答性ポリマーの水溶液を添加すると、培養面の外周縁部に水溶液が凝集して温度応答性ポリマーが不均一となる場合(図1、2参照)等があり、培養面に温度応答性ポリマーを均一に分布させるには、特定量以上(例えば、ウェル面積200mm2の24ウェルプレートでは、150μL/ウェル以上(図2A参照))の温度応答性ポリマーの水溶液を添加する必要があった。そこに、細胞と培地を添加すると、培地が希釈されて細胞の性質に影響を与えたりする場合があった。
本実施形態の細胞培養器の製造方法では、温度応答性ポリマー又は温度応答性ポリマー組成物を有機溶媒へ溶解して温度応答性ポリマー溶液(本明細書において、単に「ポリマー溶液」と称する場合がある)を調製する、溶解工程を少なくとも含む。
本実施形態の細胞培養器の製造方法によれば、培養面に乾燥した温度応答性ポリマーが均一に被覆された細胞培養器を簡易に製造することができる。
培養面に乾燥した温度応答性ポリマーが均一に被覆された細胞培養器は、温度が低くても高くても温度応答性ポリマーが培養面に固着しているため、細胞培養器を保管する温度を管理する必要がない。さらに、無菌包装して流通させることが可能であり、使用者は無菌包装を開封すれば、使用前のインキュベート等の手間をかけることなく使用できる。そのため、使用者が使用前に細胞培養器を作製する必要がなくなり、安定した品質の細胞培養器を使用することができる。
なお、本明細書において、ポリマーの「曇点」とは、必ずしも厳密な意味で、「所定の温度未満では溶解するが、所定の温度以上では不溶化して沈殿する、その温度」を指すものではなく、「不溶化して沈殿したポリマーを所定の温度未満の条件下で溶解する際に、溶解に要する時間が10分以上である、その温度」をも指す。
ここで、上記(A)としては、例えば、(A−1)DMAEMAを水存在下で重合する方法により得られる温度応答性ポリマー、(A−2)主としてDMAEMAを含むポリマーブロック(重合鎖α末端)と、主としてDMAEMAとアニオン性モノマー(重合鎖ω末端)とを含む温度応答性ポリマー等が挙げられる。
本実施形態において、これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A−1)の温度応答性ポリマーの製造方法では、まず、2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)を含む混合物を調製する(調製工程)。ここで、混合物は、重合禁止剤及び水を更に含む。
水の混合物に対する重量割合は、1.0%〜50%であることが好ましく、9.0%〜33%であることが更に好ましい。上記範囲とすれば、側鎖の加水分解反応の反応速度と、重合するポリマー鎖の成長反応の反応速度とを、バランスよく調和させることができる。これにより、側鎖が加水分解されたDMAEMAに対する、側鎖が加水分解されていないDMAEMAの割合(共重合割合)が1.0〜20程度の温度応答性ポリマーを得ることができる。
この工程では、例えば、透明な密封バイアルに、上記混合物を加え、不活性ガスをバブリングすることによってバイアル内を不活性雰囲気とした後に、バイアルの外部から紫外線照射装置を用いて紫外線を照射する。
不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等が挙げられる。
反応時間としては、7時間〜24時間であることが好ましく、17時間〜21時間であることが更に好ましい。上記範囲とすれば、(A−1)の温度応答性ポリマーを高収率で得ることができ、また、光分解反応や不要な架橋反応を抑制しながらラジカル重合を行うことができる。
この拮抗により、得られる生成物は、式(I)で表される繰り返し単位(A)
そのため、ポリマーが有するカチオン性官能基、すなわち、ジメチルアミノ基と、ポリマーが有するアニオン性官能基、すなわち、側鎖のエステル結合が加水分解されてできたカルボキシル基の両方を、バランスよく備えることができる。そして、(A−1)の温度応答性ポリマーの製造方法によれば、カチオン性官能基及びアニオン性官能基を有する、ポリ(2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)由来のポリマーを、少ない工程で簡便に製造することができる。
例えば、DMAEMA及び重合禁止剤を含む混合物と、水とを別々に準備し、次いで、混合物と水とに不活性ガスをバブリングし、その後、混合物と水とを不活性雰囲気下で混合すると同時に紫外線を照射するという、温度応答性ポリマーの製造方法も、(A−1)の温度応答性ポリマーに含めることができる。
(A−1)の温度応答性ポリマーは、上記(A−1)の製造方法により製造される。
上記繰り返し単位(A)のホモポリマー領域と、上記繰り返し単位(A)と上記繰り返し単位(B)とのコポリマー領域とを有するポリマーの製造方法は、例えば、DMAEMAを光照射してポリマー化し、ポリマーの数平均分子量が一定値を超えた時点(例えば、ポリマーの数平均分子量が5,000Da(より好ましくは20,000Da)を超えた時点)で、アニオン性モノマーである上記繰り返し単位(B)を混合して更に光照射する方法が挙げられる。
(A−1)の温度応答性ポリマーの分子量は、紫外線の照射時間及び照射強度の条件により、適宜調整することができる。
(A−2)の温度応答性ポリマーの製造方法では、まず、2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)を含む第一混合物に紫外線を照射する(第一重合工程)。
ここで、第一混合物は、DMAEMA以外に、任意選択的に、例えば、他のモノマー、溶媒等を含んでよい。
また、紫外線は、不活性雰囲気下において、照射されてよい。
第一混合物に含まれ得る他のモノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリエチレングリコール側鎖を有するアクリル酸やメタクリル酸のエステル、N−イソプロピルアクリルアミド、3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド等が挙げられ、特に、イオンバランスの調整を安定的に行うことを可能にする観点から、N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリエチレングリコール側鎖を有するアクリル酸やメタクリル酸のエステル、N−イソプロピルアクリルアミドが好ましい。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ここで、他のモノマーの使用量のDMAEMAの使用量に対する割合(モル数)は、0.001〜1とすることが好ましく、0.01〜0.5とすることが更に好ましい。
紫外線の照射強度としては、0.01〜50mW/cm2であることが好ましく、0.1〜5mW/cm2であることが更に好ましい。上記範囲とすれば、無用な化学結合の切断等による分解を抑制しつつ、安定的に、適切な速度(時間)で重合反応を進行させることができる。
不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等が挙げられる。
反応時間としては、10分〜48時間であることが好ましく、60分〜24時間であることが更に好ましい。
ここで、第二混合物は、第一重合工程後の第一混合物、及びアニオン性モノマー以外に、例えば、他のモノマー、前述の第一混合物に含まれ得る溶媒(トルエン、ベンゼン、メタノール等)等を含んでよい。
また、アニオン性モノマーは、不活性雰囲気下において、添加されてよい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、第一重合工程後の第一混合物中におけるポリマー化したPDMAEMAの数平均分子量は、所定の時点で重合系から少量の反応混合物を採取して、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)や光散乱法(SLS)等の当業者に周知の方法により、測定することができる。
ここで、紫外線は、不活性雰囲気下において、照射されてよい。
(A−2)の温度応答性ポリマーは、上記(A−2)の製造方法により製造される。
好適には、(A−2)の温度応答性ポリマーは、DMAEMAのホモポリマーブロックと、DMAEMAとアニオン性モノマーとのコポリマーブロックとを含み、更に好適には、これらブロックからなる。
温度応答性ポリマーの分子量は、紫外線の照射時間及び照射強度の条件により、適宜調整することができる。
(B)の温度応答性ポリマーの製造方法は、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)(以下、「モノマー(A)」ともいう。)と、カチオン性モノマー(以下、「モノマー(B)」ともいう。)と、アニオン性モノマー(以下、「モノマー(C)」ともいう。)とを重合させるものである。任意選択的に、上記3種類のモノマーにこれら以外の他のモノマーを加えて重合させてよい。
より具体的には、カチオン性モノマーとしては、生理活性物質を担持したりアルカリ性条件下においたりしても安定性が高いものが好ましく、例えば、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)−メタ(ア)クリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)−メタ(ア)クリレート、アミノスチレン、2−(N,N−ジメチルアミノエチル)−メタ(ア)クリルアミド、2−(N,N−ジメチルアミノエチル)−メタ(ア)クリレート等が挙げられる。
これらの中で、特に、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミドは、陽電荷強度が高く、アニオン性物質の担持を容易にするため、好ましい。また、アミノスチレンは、陽電荷強度が高く、アニオン性物質の担持を容易にすると共に、分子内の芳香環が水溶液中において他の物質の疎水性構造と相互作用することから、担持可能なアニオン性物質のバリエーションを広げるため、が好ましい。更に、2−(N,N−ジメチルアミノエチル)−メタクリルアミドは、中性域のpHで微弱な陽電荷を持ち、かつ、水への溶解性が温度に影響されないことから一度担持したアニオン性物質の放出を容易するこるため、好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
より具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル安息香酸、等が挙げられ、特に、化学的安定性、細胞親和性の観点から、メタクリル酸、ビニル安息香酸が好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
他のモノマーは、電荷以外の親水性・疎水性のバランスの調整に使用可能であり、バリエーションを広げることが可能となる。
ラジカル重合としては、リビングラジカル重合が好ましく、リビングラジカル重合としては、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合、原子移動ラジカル重合(ATRP)、イニファーター重合等が挙げられ、イニファーター重合が好ましい。
イオン重合としては、リビングアニオン重合が好ましい。
この製造方法の一例では、まず、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)を含む第一混合物に紫外線を照射する(第一重合工程)。
ここで、第一混合物は、DMAEMA以外に、任意選択的に、例えば、他のモノマー、溶媒、連鎖移動剤、安定剤、界面活性剤等を含んでよい。
また、紫外線は、不活性雰囲気下において、照射されてよい。
紫外線の照射強度としては、0.01〜50mW/cm2であることが好ましく、0.1〜5mW/cm2であることが更に好ましい。
不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等が挙げられる。
反応時間としては、反応時間としては、10分〜48時間であることが好ましく、60分〜24時間であることが更に好ましい。
ここで、第二混合物は、第一重合工程後の第一混合物、カチオン性モノマー、及びアニオン性モノマー以外に、例えば、他のモノマー、溶媒、連鎖移動剤、安定剤、界面活性剤等を含んでよい。
また、カチオン性モノマーとアニオン性モノマーとは、不活性雰囲気下において、添加されてよい。
ここで、紫外線は、不活性雰囲気下において、照射されてよい。
紫外線の照射強度としては、0.01〜50mW/cm2であることが好ましく、0.1〜5mW/cm2であることが更に好ましい。
不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等が挙げられる。
反応時間としては、反応時間としては、10分〜48時間であることが好ましく、60分〜24時間であることが更に好ましい。
ここで、上記混合物は、例えば、溶媒、連鎖移動剤、安定剤、界面活性剤等を含んでよい。
また、紫外線は、不活性雰囲気下において、照射されてよい。
他の条件については、前述の一例の製造方法と同様としてよい。
(B)の温度応答性ポリマーは、上記(B)の製造方法により製造される。
好適には、(B)の温度応答性ポリマーは、主としてN−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)単位を含み、任意選択的に他のモノマー単位を含むポリマーブロック(重合鎖α末端)と、主としてカチオン性モノマー単位と、アニオン性モノマー単位とを含み、任意選択的に他のモノマー単位を含むコポリマーブロックとを含む。更に好適には、(B)の温度応答性ポリマーは、NIPAMのホモポリマーブロックと、NIPAMとカチオン性モノマーとアニオン性モノマーとのコポリマーブロックとを含み、特に好適には、これらブロックからなる。本ポリマーは、前述の一例の製造方法により製造することができる。
かかる温度応答性ポリマーでは、重合鎖α末端に必ずカチオン性モノマーが存在することから、重合鎖中におけるカチオン性サイトの位置の調整の自由度が高くはなく、また、カチオン性モノマーが主としてDMAEMAに限られることから、カチオン性サイトの陽電荷強度の調整や、温度応答性ポリマー水溶液のpHの調整も必ずしも容易とは言えなかった。
例えば、温度応答性ポリマーを薬物送達(DDS)に用いた場合、担持可能な薬剤の種類や量が限られる可能性があった。DDSの手法としては、例えば、細胞培養器に薬剤を担持させた温度応答性ポリマーを塗布して、塗布後の細胞培養器で細胞や組織を培養することによって、被覆物から細胞・組織に対して薬剤を徐放するといった手法等が挙げられる。ここで、上記特許文献1の温度応答性ポリマーでは、陽電荷強度が小さいDMAEMAを含むため、アニオン性物質の薬剤の担持は必ずしも容易とは言えず、担持可能な薬剤の種類や量が限られる可能性があった。
(B)の温度応答性ポリマーでは、重合鎖α末端に必ずしもカチオン性モノマーが存在する必要はなく、重合鎖中におけるカチオン性サイトの位置を自由に調整することが可能であり、また、広範なカチオン性モノマーを用いることができるため、カチオン性サイトの陽電荷強度や温度応答性ポリマー水溶液のpHを容易に調整することが可能である。
(B)の温度応答性ポリマーによれば、例えば、温度応答性ポリマーを薬物送達(DDS)に用いた場合、担持可能な薬剤の種類を拡大しつつ、その量を増加させることが可能となり、ひいては、温度応答性ポリマーの応用範囲を拡大することができる。
他のモノマーも用いた場合には、他のモノマー単位の、NIPAM単位、カチオン性モノマー単位、アニオン性モノマー単位の合計に対する割合(モル)が、0.001〜0.2であることが好ましく、0.01〜0.1であることが更に好ましい。
温度応答性ポリマーの分子量は、重合条件により、適宜調整することができる。
(C)の温度応答性ポリマー組成物の製造方法は、まず、混合型温度応答性ポリマー組成物を調製する(混合物調製工程)。具体的には、(1)2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)及び/又はその誘導体の重合体と、(2)2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール(トリス)と、(3)核酸、ヘパリン、ヒアルロン酸、デキストラン硫酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリリン酸、硫酸化多糖類、カードラン及びポリアルギン酸並びにこれらのアルカリ金属塩からなる群から選択される一種以上のアニオン性物質とを混合する((2)トリスは任意選択的に含む。)。
上記組成物では、DMAEMA及び/又はその誘導体の重合体の側鎖とトリスとが、互いに相互作用(例えば、架橋する作用)して、上記重合体が凝集しやすくなっていると推定される。
分子量を上記範囲とすれば、アニオン性物質は、カチオン性物質とイオン結合して、カチオン性物質を、長時間捕捉する役割を果たすことができ、安定したイオン複合体微粒子を形成させることがでる。また、一般的にカチオン性物質が有する、細胞の細胞膜表面に対する静電的相互作用に起因する細胞傷害性を緩和することもできる。
なお、割合((2)/(1))は、重量割合であるものとする。
この組成物によれば、上記組成物の親水性と疎水性とのバランスを更に好適にすることができる。そして、この好適なバランスが、培養面への細胞の接着性を好適に調整し、細胞の遊走や配向を活性化していると推定される。
上記割合を0.1以上とすることにより、曇点を低減させるという上記効果が得られやすい。また、細胞構造体を形成しやすくするという上記効果が得られやすい。
なお、本願明細書では、C/A比とは、組成物中に含まれる物質が有する正電荷の、組成物中に含まれる物質が有する負電荷に対する割合を指す。具体的には、C/A比は、(1)DMAEMA及び/又はその誘導体の重合体のモル数をN1、(3)アニオン性物質のモル数をN3としたときに、{(重合体1分子当たりの正電荷)×N1}/{(アニオン性物質1分子当たりの負電荷)×N3}という式で表される。
またなお、本願明細書では、アニオン性物質をDNAとした場合、アニオン性物質1分子当たりの負電荷数は、DNAの塩基対の数(bp数)×2で計算し、分子量(Da)は、bp数×660(ATペア及びCGペアの平均分子量)で計算するものとする。
上記組成物中の正電荷と負電荷とのバランスを好適にして、正電荷による細胞傷害性を抑制することができると推定される。また、上記組成物の親水性と疎水性とのバランスを更に好適にして、細胞の遊走や配向を生じやすくすることができると推定される。
中でも、表面張力が低く、水への接触角が高い培養面に対して濡れやすいため、培養面に温度応答性ポリマーをより均一に被覆しやすく、また、温度応答性ポリマーの溶解性に一層優れるという観点から、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、t−ブチルアルコール、アリルアルコール等のアルコール;アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン、メチルビニルケトン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸tert−ブチル、酢酸ビニルなどのエステル;クロロホルム;ベンゼン;トルエン;ジエチルエーテル;ジクロロメタン;が好ましい。また、ポリスチレン製の細胞培養器に塗布でき、温度応答性ポリマーの溶解性により一層優れるという観点から、アルコール、ケトン及びエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、短時間で乾燥させることができ、培養面に一層均一に塗布しやすいという観点から、沸点が低い有機溶媒(例えば、炭素数1〜4の低級アルコール、炭素数3〜5の低級ケトン、及び炭素数1〜4のアルキル基を有する酢酸アルキルエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種、特に、水より沸点が低い、炭素数1〜4の低級アルコール、炭素数3〜5の低級ケトン、及び炭素数1〜4のアルキル基を有する酢酸アルキルエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種)がさらに好ましく、コスト、操作性の観点から、メタノールとエタノールが特に好ましい。上記有機溶媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記有機溶媒は、温度応答性ポリマーの溶解性に優れるため、ポリマー溶液を曇点以上の温度(例えば、室温や37℃など)にしても、温度応答性ポリマーが不溶化して沈殿することなく、溶解している。そのため、温度応答性ポリマーを塗布する際に、ポリマー溶液の温度管理をする手間が省け、簡易に細胞培養器を製造することができる。
なお、水の重量割合は、ガスクロマトグラフィー、カールフィッシャー法など当業者に周知の方法により測定可能である。
本実施形態の細胞培養器の製造方法は、上記溶解工程後に、上記温度応答性ポリマー溶液を細胞培養器の培養面に塗布し、乾燥させる塗布乾燥工程を含む。
塗布した温度応答性ポリマー溶液は、例えば、細胞培養器を37℃のインキュベーター中で静置することによって乾燥させてもよい。
本実施形態の細胞培養器は、上記の本実施形態の細胞培養器の製造方法により製造される。
そのため、この細胞培養器を用いて細胞を培養すれば、室温程度の条件下での細胞培養の操作が可能となる。
これは、上記温度応答性ポリマーが側鎖に有する疎水性基及びカチオン性基が、何らかの相互作用をしながら、細胞に刺激を与えていると推定される。また、カチオン性基とアニオン性基とを有する温度応答性ポリマーは、正電荷と負電荷とのバランスを好適にして、細胞傷害性を抑制し(哺乳類細胞の細胞膜の表面は負電荷を帯びているため、カチオン性物質は細胞傷害性を有することが多い)、且つ、上記温度応答性ポリマーの親水性と疎水性とのバランスを好適にして、細胞の遊走や配向を可能にしているものと推定される。
また、この細胞培養器によれば、細胞を適切な培養条件で培養することにより、管腔状(チューブ状)の構造を有する細胞構造体を形成させることができる。
以下に、本実施形態の製造方法により製造された細胞培養器を用いた細胞培養方法について記載する。
上記細胞培養方法は、上記細胞培養器に細胞を播種する播種工程と、播種された細胞を培養する培養工程とを含む。播種条件及び培養条件は、細胞種や実験目的に基づいて、当業者は適切に定めることができる。そして、この細胞培養方法は、細胞種に限定されることなく、血管細胞、脂肪幹細胞、肝細胞、軟骨細胞、線維芽細胞、心筋細胞、腎細胞、神経細胞、平滑筋細胞、軟骨細胞等の様々な細胞に適用することができる。
上記細胞密度とすれば、ペレット状(塊状)の構造を有する細胞構造体を形成させることができる。
下記の試験において、市販の試薬は、特に断りのない限り更に精製することなく用いた。
容量50mLの軟質ガラス製の透明なバイアル瓶に、2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)10.0g、及び水5mLを加えて、磁気撹拌器を用いて撹拌した。そして、この混合物(液体)に対してG1グレードの高純度(純度:99.99995%)の窒素ガスを10分間パージ(流速:2.0L/分)することにより、この混合物を脱酸素した。なお、用いたDMAEMAには、重合禁止剤であるメチルヒドロキノン(MEHQ)が0.5重量%含まれていた。
その後、この反応物に対して、丸型ブラック蛍光灯(NEC社製、型番:FCL20BL、18W)を用いて、22時間紫外線照射することにより、上記反応物を重合させた。反応物は、5時間後に粘性を帯び15時間後に固化して、重合体が反応生成物として得られた。この反応生成物を2−プロパノールに溶解させ、溶液を透析チューブに移した。そして、透析を72時間行い、反応生成物を精製した。
反応生成物を含む溶液を、セルロース混合エステル製の0.2μmフィルター(東洋濾紙社製、型番:25AS020)で濾過し、得られた濾液を凍結乾燥させることにより、温度応答性(ホモ)ポリマーが得られた(収量:6.8g、転化率:68%)。このポリマーの数平均分子量(Mn)を、GPC(島津社製、型番:LC−10vpシリーズ)を用いて、ポリエチレングリコール(Shodex社製、TSKシリーズ)を標準物質として測定し、Mn=160,000(Mw/Mn=3.0)と決定した(ポリマー1)。
1H-NMR (in D2O) δ 0.8-1.2 (br, -CH2-C(CH3)-), 1.6-2.0 (br, -CH2-C(CH3)-), 2.2-2.4 (br, -N(CH3)2), 2.5-2.7 (br, -CH2-N(CH3)2), 4.0-4.2 (br, -O-CH2-).
ここで、主鎖のメチル基(δ 0.8-1.2)のプロトン数(DMAEMAのホモポリマーの場合はモノマー1分子につき3個)Aと、側鎖のジメチルアミノ基(δ 2.2-2.4)のメチルプロトン数(DMAEMAのホモポリマーの場合はモノマー1分子につき6個で)Bとから、側鎖が有するアミノ基の官能基数と、重合反応と同時に進行する側鎖のエステル結合の加水分解反応により生じた側鎖のカルボキシル基の官能基数との比を算出した。
その結果、ポリマー1の場合は94:6となった。これは、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとを含む2成分混合系におけるイオン複合体で言うC/A比に換算すると、C/A比は、15.6となる。
ポリマー1の3%水溶液を調製し、この水溶液の660nmにおける吸光度を、20℃〜40℃の間で測定した。
その結果、20℃〜30℃では、水溶液は透明であり、吸光度がほぼ0であったが、31℃付近から水溶液中に白濁が見られるようになり、32℃で吸光度が急激に上昇した。これにより、ポリマー1は、約32℃の曇点を有することを確認した。
なお、ポリマー1を37℃まで昇温させると、ポリマー水溶液は、良好な応答性で、懸濁し、その後、水溶液全体が固化した。この固化物を室温(25℃)で維持したところ、数十時間の間、固化した状態のままであった。その後、固化物が徐々に溶解して、均質な水溶液に変化した。固化したポリマーは4℃まで冷却すると、速やかに溶解した。そして、上記昇温及び降温の操作を繰り返し行なっても、応答性に変化は生じなかったことから、ポリマーが可逆的に相転移を生じさせることが確認された。
ポリマー1を、メタノールに溶解して、温度応答性ポリマー溶液(終濃度15μg/mL)を調製した。この溶液を、ポリスチレン製の24ウェル細胞培養プレート(イワキ社製、マイクロプレート、型番:3815−024、1ウェル当たりの底面積:200mm2)の各ウェルに、200μLずつ、室温下で加えて、クリーンベンチ(三洋電機社製、MHE−131AJ)内の吸気穴付近へ静置して24時間乾燥させてメタノールを完全に揮発させ、培養面に乾燥したポリマー1を被覆してなる24ウェル細胞培養プレート(細胞培養器)を得た。
ポリマー1および親水性分子(ポリエチレングリコール、PEG300、和光純薬工業社製)を、メタノールに溶解(終濃度は、それぞれ15μg/mLおよび0.75μg/mL)した以外は、実施例1と同様にして、培養面に乾燥したポリマー1を被覆してなる24ウェル細胞培養プレート(細胞培養器)を得た。
ポリマー1を、水に溶解して、温度応答性ポリマー水溶液(終濃度15μg/mL)を調製した。この水溶液を、曇点以上とならないよう温度管理し、ポリスチレン製の24ウェル細胞培養プレート(イワキ社製、マイクロプレート、型番:3815−024、1ウェル当たりの底面積:200mm2)の各ウェルに、200μLずつ、室温下で加えて、24ウェル細胞培養プレートを傾けて素早く培養面の全面に流延させた。その後、37℃インキュベーター(三洋電機社製、MCO−5AC)中で96時間かけて温度応答性ポリマー水溶液を乾燥させ、培養面に乾燥したポリマー1を被覆してなる24ウェル細胞培養プレート(細胞培養器)を得た。
(細胞培養器の製造・使用における取扱性)
以下の基準で、細胞培養器の製造・使用における取扱性を評価した。
○(良好):温度応答性ポリマーを含む溶液の溶媒は短時間で揮発した。
×(不良):温度応答性ポリマーを含む溶液の溶媒を揮発させるのに時間を要した。
実施例及び比較例で得られた24ウェル細胞培養プレートの各ウェルを、走査型電子顕微鏡(日立製作所製、商品名「S4300」)により観察し、温度応答性ポリマーが均一に被覆しているか、を観察した。そして、以下の基準で、培養面のポリマー被覆の均一性を評価した。
○(良好):ポリマーが培養面に均一に被覆していた。
△(普通):ポリマーは、培養面の外周縁部に凝集して被覆しており、中央部にはほとんど被覆していなかった。
×(不良):ポリマーが培養面に被覆していなかった。
実施例及び比較例で得られた24ウェル細胞培養プレートの各ウェルに、室温条件下において、ラット皮下脂肪由来の間葉系幹細胞を、完全培地(ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)+10%ウシ胎児血清(FCS)溶液、DMEM:ギブコ社製、型番11965、FCS:BI社製、ロット番号715929)中に浮遊させ、細胞密度を3.0×105個/mLに調整した細胞浮遊液を1mLずつ加えた(1,500個/mm2)。
この細胞を37℃の細胞培養インキュベーター中で24時間培養した。播種から3時間後、細胞は培養面全面に接着した(100%コンフルエント)。培養10時間後から、各ウェルの外周部から全ての細胞が一度剥離して、シートが丸まりながら収縮していくような動作で、細胞が互いに一箇所に凝集し、培養21時間後に中央部に凝集して塊状となり、その後、培養面から細胞構造体が剥離した。そして、以下の基準で、細胞構造体の剥離性を評価した。
◎(優れる):培養面に残った細胞はなく、細胞構造体が一つの塊状となって剥離した(図3参照)。
○(良好):培養面のごく一部に細胞が剥離せずに接着していた(図4参照。図4中、オタマジャクシ状の尾の部分が細胞が剥離せずに接着している部分である。)。
△(普通):培養面の外周縁部は細胞が剥離するが、中央部の細胞がほとんど剥離しなかった(図5参照。図5中、白部分が丸まりながら剥離した部分であり、白部分に囲まれた部分は細胞が剥離していない部分である)。
×(不良):細胞構造体が全く剥離しなかった。
Claims (3)
- 温度応答性ポリマーを有機溶媒に溶解させて温度応答性ポリマー溶液を調製する溶解工程と、
前記温度応答性ポリマー溶液を細胞培養器の培養面に塗布し、乾燥させる塗布乾燥工程と、
を含むことを特徴とする、管腔状細胞又は塊状細胞培養器の製造方法であって、
前記有機溶媒が、メタノール又はエタノールであり、
前記温度応答性ポリマーが、式(I)で表される繰り返し単位(A)
細胞培養器の製造方法。 - 前記温度応答性ポリマー溶液が、親水性分子を更に含む、請求項1に記載の細胞培養器の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の細胞培養器の製造方法により製造されたことを特徴とする、管腔状細胞又は塊状細胞培養器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015129249A JP6755010B2 (ja) | 2015-06-26 | 2015-06-26 | 細胞培養器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015129249A JP6755010B2 (ja) | 2015-06-26 | 2015-06-26 | 細胞培養器の製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020102695A Division JP2020137527A (ja) | 2020-06-12 | 2020-06-12 | 細胞培養器の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017012018A JP2017012018A (ja) | 2017-01-19 |
JP6755010B2 true JP6755010B2 (ja) | 2020-09-16 |
Family
ID=57827315
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015129249A Active JP6755010B2 (ja) | 2015-06-26 | 2015-06-26 | 細胞培養器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6755010B2 (ja) |
Family Cites Families (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0923876A (ja) * | 1995-07-11 | 1997-01-28 | Kao Corp | 細胞培養支持体の製造法 |
JP2004162865A (ja) * | 2002-11-15 | 2004-06-10 | Tlv Co Ltd | オリフィス式スチームトラップ |
JP4524399B2 (ja) * | 2004-05-26 | 2010-08-18 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 温度・光応答性組成物及びこれから製造された細胞培養基材 |
JP4483994B1 (ja) * | 2009-02-26 | 2010-06-16 | 株式会社豊田中央研究所 | 細胞培養担体及びその利用 |
EP2612902B1 (en) * | 2010-08-31 | 2016-10-26 | Tokyo Women's Medical University | Temperature-responsive substrate for cell culture and method for producing same |
JP6062733B2 (ja) * | 2012-04-24 | 2017-01-18 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター | 細胞培養用組成物及び細胞培養器 |
JP5746240B2 (ja) * | 2013-02-26 | 2015-07-08 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター | 温度応答性ポリマーの製造方法、温度応答性ポリマー、細胞培養器の製造方法、及び細胞培養器 |
JP6060790B2 (ja) * | 2013-04-17 | 2017-01-18 | 大日本印刷株式会社 | 細胞培養用基材の製造方法 |
JP6314458B2 (ja) * | 2013-12-06 | 2018-04-25 | 大日本印刷株式会社 | 温度応答性を有する細胞培養基材およびその製造方法 |
JP6497677B2 (ja) * | 2015-03-31 | 2019-04-10 | 東ソー株式会社 | ブロック共重合体、表面処理剤、その膜、およびそれを被覆した細胞培養基材 |
JP2016192957A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-17 | 東ソー株式会社 | 細胞培養基材、その製造方法、およびそれを用いた細胞培養方法 |
JP2016194054A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-17 | 東ソー株式会社 | ブロック共重合体 |
-
2015
- 2015-06-26 JP JP2015129249A patent/JP6755010B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017012018A (ja) | 2017-01-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6796332B2 (ja) | 細胞培養器、細胞構造体の製造方法 | |
JP5746240B2 (ja) | 温度応答性ポリマーの製造方法、温度応答性ポリマー、細胞培養器の製造方法、及び細胞培養器 | |
JP6375358B2 (ja) | 細胞培養用組成物及び細胞培養器 | |
JP6704197B2 (ja) | 細胞構造体の製造方法 | |
JP4430123B1 (ja) | 細胞培養基材及びその製造方法 | |
US9976000B2 (en) | Aqueous gel | |
JP6800436B2 (ja) | 細胞構造体の製造方法、細胞構造体、細胞培養器 | |
JP6755010B2 (ja) | 細胞培養器の製造方法 | |
JP2020137527A (ja) | 細胞培養器の製造方法 | |
JP2017079714A (ja) | 細胞培養器及び細胞培養器の製造方法 | |
JP2017014324A (ja) | 温度応答性ポリマーの製造方法、温度応答性ポリマー、細胞培養器の製造方法、細胞培養器 | |
JP2017038568A (ja) | 単球培養用足場、単球培養方法、単球培養容器およびゲル材料 | |
JP6780816B2 (ja) | 上皮系細胞の培養方法、細胞構造体の製造方法、及び上皮系細胞用細胞培養器 | |
JP2014027918A (ja) | 細胞構造体の製造方法、及び該方法により製造された細胞構造体 | |
JP2017012019A (ja) | 細胞構造体の製造方法、細胞構造体 | |
Kumarasamy et al. | Polymer-based responsive hydrogel for drug delivery | |
JP2017055744A (ja) | カプセル化細胞構造体の製造方法、及びカプセル化細胞構造体 | |
JP2017163912A (ja) | 細胞構造体の製造方法 | |
JP2017131198A (ja) | 軟骨細胞塊及び移植材料の製造方法、軟骨細胞塊及び移植材料並びに複合材 | |
JP2017104089A (ja) | 細胞構造体の製造方法 | |
JP2017055743A (ja) | 管状細胞構造体の製造方法、及び該方法により製造される管状細胞構造体 | |
JP2017163911A (ja) | 細胞構造体の製造方法 | |
JP2012044986A (ja) | 遺伝子導入材料及び培養容器 | |
JP2017014323A (ja) | 温度応答性ポリマーの製造方法、温度応答性ポリマー、細胞培養器の製造方法、細胞培養器 | |
ES2526469B1 (es) | Hidrogeles multicomponentes basados en vinilpirrolidona y su aplicación en ingeniería de tejidos y/o medicina regenerativa |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20180619 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180622 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190604 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20190722 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190920 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191126 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20191219 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200121 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200303 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20200414 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200612 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20200623 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200721 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200813 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6755010 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |