JP6003594B2 - 温度応答性を有する細胞培養基材の製造方法 - Google Patents
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(1)温度応答性ポリマーが固定化された細胞培養基材の製造方法であって、
電子線照射により重合して前記温度応答性ポリマーを形成し得るモノマーと、前記モノマーを溶解しうる溶媒と、前記溶媒の揮発を抑制する常温で液体の揮発抑制物質とを含む塗工液を準備する工程、
前記塗工液を基材上に塗布して塗膜を形成する工程、および
電子線を30kGy以下の線量で前記塗膜に照射する工程
を含む、前記方法。
(2)揮発抑制物質の分子量が800以下である、(1)記載の方法。
(3)揮発抑制物質がアルキレングリコール材料である、(1)または(2)記載の方法。
(4)揮発抑制物質が、2〜10分子のエチレングリコールが脱水縮合した化合物およびエチレングリコールからなる群から選択される、(3)記載の方法。
(5)基材がプラスチック基材である、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
電子線照射により重合して前記温度応答性ポリマーを形成し得るモノマーと、前記モノマーを溶解しうる溶媒と、前記溶媒の揮発を抑制する常温で液体の揮発抑制物質とを含む塗工液を準備する工程、
前記塗工液を基材上に塗布して塗膜を形成する工程、および
電子線を30kGy以下の線量で前記塗膜に照射する工程
を含む。
−((CH2)n−O)m−
(nはアルキレン鎖の炭素数を表し、mは重合度を示す整数である)
で表される構造を指す。nは、同一または異なって、通常1〜10の整数であり、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは2〜3の整数である。mは、好ましくは1〜13の整数であり、より好ましくは1〜10の整数である。ポリアルキレングリコールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマーなどが挙げられる。mが13以下であるポリアルキレングリコールは常温で液体であり、熱を加えて溶解させるなどの製造工程を省くことができるため、好ましい。
溶媒に溶解させる揮発抑制物質の量は、好ましくは温度応答性ポリマーを形成するためのモノマー量の5重量%以上、より好ましくはモノマー量の25重量%以上であり、好ましくはモノマー量の60重量%以下、より好ましくはモノマー量の50重量%以下である。揮発抑制物質が少なすぎると過度に乾燥され、多すぎると重合を阻害するからである。
試料1
N−イソプロピルアクリルアミドを最終濃度20重量%、エチレングリコールを最終濃度10重量%になるようにイソプロピルアルコール(i−プロパノール)に溶解させて塗工液を作製した。厚さ50μmのポリスチレンフィルム(旭化成ケミカルズより入手)にコロナ処理を施して親水化した面に、ワイヤーバーを用いて上記塗工液を塗布した(1.4g/m2)。その後40℃の熱風で乾燥させ、電子線を照射してN−イソプロピルアクリルアミドをグラフト重合させ、フィルム表面にポリ−N−イソプロピルアクリルアミドを結合させた(加速電圧:200kV、照射線量:25kGy)。
N−イソプロピルアクリルアミドを最終濃度12重量%、エチレングリコールを最終濃度4重量%になるようにイソプロピルアルコールに溶解させて塗工液を作製した。厚さ50μmのポリスチレンフィルム(旭化成ケミカルズより入手)にコロナ処理を施して親水化した面に、グラビアダイレクト法により上記塗工液を塗布した(1.4g/cm2、搬送速度:5m/min)。その後40℃の乾燥フードを2m通過させて乾燥させた後、電子線を照射してN−イソプロピルアクリルアミドをグラフト重合させ、フィルム表面にポリ−N−イソプロピルアクリルアミドを固定化した(加速電圧:200kV、照射線量:25kGy)。
試料1〜5
N−イソプロピルアクリルアミドを最終濃度20重量%、揮発抑制物質(試料1:エチレングリコール、試料2:ジエチレングリコール、試料3:テトラエチレングリコール、試料4:ポリエチレングリコール400、試料5:ポリエチレングリコール600)を最終濃度2重量%になるようにイソプロピルアルコールに溶解させて塗工液を作製した。厚さ50μmのポリスチレンフィルム(旭化成ケミカルズより入手)にコロナ処理を施して親水化した面に、ワイヤーバーを用いて上記塗工液を塗布した(1.4g/m2)。その後40℃の熱風で乾燥させ、電子線を照射してN−イソプロピルアクリルアミドをグラフト重合させ、フィルム表面にポリ−N−イソプロピルアクリルアミドを結合させた(加速電圧:200kV、照射線量:25kGy)。
N−イソプロピルアクリルアミドを最終濃度40重量%になるようにイソプロピルアルコールに溶解させて塗工液を作製した。厚さ50μmのポリスチレンフィルム(旭化成ケミカルズより入手)にコロナ処理を施して親水化した面に、ワイヤーバーを用いて上記塗工液を塗布した(1.4g/m2)。その後40℃の熱風で乾燥させ、電子線を照射してN−イソプロピルアクリルアミドをグラフト重合させ、フィルム表面にポリ−N−イソプロピルアクリルアミドを結合させた(加速電圧:200kV、照射線量:25kGy)。
Claims (4)
- アクリル系ポリマーまたはメタクリル系ポリマーである温度応答性ポリマーが固定化された細胞培養基材の製造方法であって、
電子線照射により重合して前記温度応答性ポリマーを形成し得るモノマーと、
前記モノマーを溶解しうる溶媒と、
前記溶媒の揮発を抑制する常温で液体のアルキレングリコール材料である揮発抑制物質
とを含む塗工液を準備する工程、
前記塗工液を基材上に塗布して塗膜を形成する工程、および
電子線を30kGy以下の線量で前記塗膜に照射する工程
を含む、前記方法。 - 揮発抑制物質の分子量が800以下である、請求項1記載の方法。
- 揮発抑制物質が、2〜10分子のエチレングリコールが脱水縮合した化合物およびエチレングリコールからなる群から選択される、請求項1または2記載の方法。
- 基材がプラスチック基材である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
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JP2012265478A JP6003594B2 (ja) | 2012-12-04 | 2012-12-04 | 温度応答性を有する細胞培養基材の製造方法 |
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JP5324750B2 (ja) * | 2007-03-15 | 2013-10-23 | 大日本印刷株式会社 | 細胞培養支持体とその製造方法 |
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2012
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