JP6003594B2 - 温度応答性を有する細胞培養基材の製造方法 - Google Patents

温度応答性を有する細胞培養基材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6003594B2
JP6003594B2 JP2012265478A JP2012265478A JP6003594B2 JP 6003594 B2 JP6003594 B2 JP 6003594B2 JP 2012265478 A JP2012265478 A JP 2012265478A JP 2012265478 A JP2012265478 A JP 2012265478A JP 6003594 B2 JP6003594 B2 JP 6003594B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
coating
substrate
electron beam
responsive polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012265478A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014108100A (ja
Inventor
和正 八巻
和正 八巻
政彦 長谷
政彦 長谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2012265478A priority Critical patent/JP6003594B2/ja
Publication of JP2014108100A publication Critical patent/JP2014108100A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6003594B2 publication Critical patent/JP6003594B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Description

本発明は、温度応答性を有する細胞培養基材の製造方法に関する。
近年、酵素を用いることなくシート状に形成した細胞を低侵襲に回収する技術が再生医療分野において注目を集めている。その際に使用されるのが、温度応答性ポリマーを結合させた温度応答性細胞培養基材である。特許文献1には、水に対する上限もしくは下限臨界溶解温度が0〜80℃である温度応答性ポリマーで基材表面を被覆した細胞培養容器上において、細胞を上限臨界溶解温度未満または下限臨界溶解温度以上で培養し、その後上限臨界溶解温度以上または下限臨界溶解温度未満にすることにより酵素処理なくして培養細胞を剥離させる方法が記載されている。このような温度応答性細胞培養基材の製造方法として、温度応答性ポリマーを電子線照射によって基材表面に結合させる方法が知られている。
電子線照射によって温度応答性ポリマーを基材表面に結合させる場合、一般には高電圧または高照射線量(50kGy以上)が必要となる。例えば、特許文献2には50kGy以上の照射線量によって、また特許文献3には多段階の電子線照射によって、温度応答性ポリマーを基材表面に結合できることが記載されている。特許文献4には、溶液中に添加物を加えることにより低照射線量の電子線によって温度応答性ポリマーを架橋できるという記載がある。
特許1972502号 特開2008−220320号公報 WO90/003139 特公平2−016770号公報
従来技術で用いられているような、高電圧または高照射線量の電子線照射による温度応答性ポリマーの結合方法は、装置への負荷が懸念された。また、基材がプラスチック製である場合、基材の分解または酸化が起こり、基材の変質、変形(反り、歪み、皺など)、透過性の劣化といった不具合が発生することもあった。
したがって、本発明は、低照射線量の電子線で温度応答性ポリマーを基材に結合させる手段により、装置への負荷が少なく、基材の不具合の発生が抑制された、温度応答性培養基材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、温度応答性ポリマーを基材上に固定化するための、モノマーを含む塗工液に、揮発抑制物質を含有させることにより、低照射線量の電子線で温度応答性ポリマーを基材に結合できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)温度応答性ポリマーが固定化された細胞培養基材の製造方法であって、
電子線照射により重合して前記温度応答性ポリマーを形成し得るモノマーと、前記モノマーを溶解しうる溶媒と、前記溶媒の揮発を抑制する常温で液体の揮発抑制物質とを含む塗工液を準備する工程、
前記塗工液を基材上に塗布して塗膜を形成する工程、および
電子線を30kGy以下の線量で前記塗膜に照射する工程
を含む、前記方法。
(2)揮発抑制物質の分子量が800以下である、(1)記載の方法。
(3)揮発抑制物質がアルキレングリコール材料である、(1)または(2)記載の方法。
(4)揮発抑制物質が、2〜10分子のエチレングリコールが脱水縮合した化合物およびエチレングリコールからなる群から選択される、(3)記載の方法。
(5)基材がプラスチック基材である、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、50kGy以下の低照射線量で温度応答性ポリマーを基材に結合させることが可能になり、装置への負荷が少なく、基材における不具合の発生が抑制された、温度応答性培養基材の製造方法が提供される。
本発明は、細胞を培養して細胞シートを形成し、これを非侵襲的に回収するのに好適な、温度応答性ポリマーが固定化された細胞培養基材の製造方法に関する。
本発明の細胞培養基材の製造方法は、
電子線照射により重合して前記温度応答性ポリマーを形成し得るモノマーと、前記モノマーを溶解しうる溶媒と、前記溶媒の揮発を抑制する常温で液体の揮発抑制物質とを含む塗工液を準備する工程、
前記塗工液を基材上に塗布して塗膜を形成する工程、および
電子線を30kGy以下の線量で前記塗膜に照射する工程
を含む。
本発明に好適に使用できる温度応答性ポリマーは細胞培養温度下(通常、37℃程度)において疎水性を示し、培養した細胞シートの回収時の温度下において親水性を示すものである。なお、温度応答性ポリマーが、疎水性から親水性に変化する温度(水に対する臨界溶解温度(T))としては、特に限定されないが、培養後の細胞シートの回収の容易さの観点からは、細胞培養温度よりも低い温度であることが好ましい。このような温度応答性ポリマー成分を含むことで、細胞培養時においては、細胞の足場(細胞接着面)が充分に確保されるため細胞培養を効率よく行うことができる。その一方、培養後の細胞シートの回収時においては、疎水性部分を親水性に変化させ、培養された細胞シートを細胞培養基材から分離させることで、細胞シートの回収を一層容易にすることができる。特に所定の臨界溶解温度未満の温度で親水性を示し、同温度以上の温度で疎水性を示す温度応答性ポリマーが好ましい。このような温度応答性ポリマーにおける臨界溶解温度を特に下限臨界溶解温度と呼ぶ。
本発明に好適に使用できる温度応答性ポリマーは具体的には下限臨界溶解温度Tが0〜80℃、好ましくは0〜50℃であるポリマーが好ましい。Tが80℃を越えると細胞が死滅する可能性があるので好ましくない。またTが0℃より低いと、一般に細胞増殖速度が極度に低下するか、または細胞が死滅してしまうため好ましくない。そのような好適なポリマーとしてはアクリル系ポリマーまたはメタクリル系ポリマーが挙げられる。具体的に好適なポリマーとしては、例えばポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(T=32℃)、ポリ−N−n−プロピルアクリルアミド(T=21℃)、ポリ−N−n−プロピルメタクリルアミド(T=32℃)、ポリ−N−エトキシエチルアクリルアミド(T=約35℃)、ポリ−N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミド(T=約28℃)、ポリ−N−テトラヒドロフルフリルメタクリルアミド(T=約35℃)、およびポリ−N,N−ジエチルアクリルアミド(T=32℃)等が挙げられる。その他のポリマーとしては、例えばポリ−N−エチルアクリルアミド、ポリ−N−イソプロピルメタクリルアミド、ポリ−N−シクロプロピルアクリルアミド、ポリ−N−シクロプロピルメタクリルアミド、ポリ−N−アクリロイルピロリジン、ポリ−N−アクリロイルピペリジン、ポリメチルビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のアルキル置換セルロース誘導体や、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドとのブロックコポリマー等に代表されるポリアルキレンオキサイドブロックコポリマーが挙げられる。
また、温度応答性ポリマーは、細胞培養温度下(通常、37℃程度)において細胞接着性を示し、培養した細胞シートの回収時の温度下において細胞非接着性を示すものが好ましい。細胞接着性を判断する指標として、実際に細胞培養した際の細胞接着伸展率を用いることができる。細胞接着伸展率は、播種密度が4000cells/cm以上30000cells/cm未満の範囲内で、培養しようとする細胞を測定対象表面に播種し、37℃、CO濃度5%のインキュベーター内に保管し、14.5時間培養した時点で接着伸展している細胞の割合({(接着している細胞数)/(播種した細胞数)}×100(%))と定義する。細胞低接着性の表面は、上記で定義した細胞接着伸展率が60%未満の表面であることが好ましく、40%未満の表面であることがより好ましく、5%以下の表面であることが更に好ましく、2%以下の表面であることが最も好ましい。
温度応答性ポリマーの分子量は、特に制限されないが、分子量に応じてグラフト密度を調整することが好ましい。例えば、比較的分子量の小さいポリマーは密に固定化し、比較的分子量の大きいポリマーは疎に固定化することが好ましい。
これらのポリマーを形成するためのモノマーとしては、例えばモノマーの単独重合体がT=0〜80℃を有するようなモノマーであって、電子線照射によって重合し得るモノマーが挙げられる。モノマーとしては例えば、(メタ)アクリルアミド化合物、N−(もしくはN,N−ジ)アルキル置換(メタ)アクリルアミド誘導体、環状基を有する(メタ)アクリルアミド誘導体、およびビニルエーテル誘導体等が挙げられ、これらの1種以上を使用してよい。モノマーが一種類単独で使用された場合、基材上に形成されるポリマーはホモポリマーとなり、モノマーが複数種一緒に使用された場合、基材上に形成されるポリマーはコポリマーとなるが、どちらの形態も本発明に包含される。また、増殖細胞の種類によってTを調節する必要がある場合や、被覆物質と細胞培養基材との相互作用を高める必要が生じた場合や、細胞培養基材の親水・疎水性のバランスを調整する必要がある場合などには、上記以外の他のモノマー類を更に加えて共重合してよい。更に本発明に使用する上記ポリマーとその他のポリマーとのグラフトまたはブロックコポリマー、あるいは上記ポリマーと他のポリマーとの混合物を用いてもよい。
温度応答性ポリマーは、上記のようなモノマーを溶媒に溶解して塗工液を調製し、基材上に塗布して電子線照射することにより、基材に固定化することができる。モノマーとともに、前記モノマーが重合してなるオリゴマーまたはプレポリマーを、溶媒に溶解して塗工液を調製し、基材上に塗布して電子線照射することにより、温度応答性ポリマーを基材に固定化することもできる。ここでオリゴマーまたはプレポリマーの大きさはダイマー以上のものであれば特に限定されず、分子量約3,300(典型的には28分子ポリマー)より大きいものが好ましく、分子量5,700以上のものがより好ましい。上限は特に限定されないが、ポリマーと区別する観点から、通常は100万以下である。なお「プレポリマー」という用語は電子線照射前のポリマーを指す。
溶媒に溶解させるモノマーの量は、適宜決定されるが、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上であり、好ましくは70重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。モノマーに加えて、オリゴマーまたはプレポリマーを添加する場合の量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上であり、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
塗工液の調整に使用する溶媒としては、モノマー、場合によりオリゴマーおよび/またはプレポリマーを溶解しうるものであれば特に限定されないが、常圧下に於いて沸点120℃以下、特に60〜110℃のものが好ましい。好ましい溶媒としては、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、2−ブタノール、n−ブタノール、および水等が挙げられ、それらの1種以上を使用してよい。中でもi−プロパノールが好ましい。i-プロパノールは薄膜に塗布することで室温にて容易に揮発するため、特段の乾燥工程なしに、乾燥によるメリットを得ることができるからである。また、基材として細胞培養に汎用されるポリスチレンを選択した場合においても表面を侵さないため好ましい。その他の溶媒、例えば1−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、2−ブトキシエタノール、およびエチレン(もしくはジエチレン)グリコールまたはそのモノエチルエーテル、等も1種以上使用してよい。上記溶液にはその他添加剤として、硫酸等で代表される酸類、モール塩等を配合してよい。
本発明は、基材上に温度応答性ポリマー層を形成するための上記塗工液に、揮発抑制物質を添加することを特徴する。揮発抑制物質は、塗工液の調製に使用した溶媒の揮発を抑制し、かつ常温で液体の物質であれば特に制限されない。本発明において使用する揮発抑制物質は、好ましくは、炭素成分を含み、親水性の官能基を含む低分子である。また、細胞培養に使用する観点から、生体毒性の低いもの採用することが好ましい。温度応答性ポリマー層を形成するための塗工液に揮発抑制物質を添加することにより、50kGy以下の低照射線量で温度応答性ポリマーを基材に結合させることが可能になり、装置への負荷を軽減することができるとともに、基材における不具合の発生も抑制することができる。
電子線照射による重合反応が進むためには、電子線により活性化されたモノマー同士が衝突する必要があるが、揮発抑制物質を加えると、乾燥後の塗膜内の溶液成分が多くなるため、モノマーの運動性が乾燥系に比べて相対的に高くなり、分子同士の衝突確率が高くなるために、低照射線量でも十分な重合反応が起こると考えられる。
また、好ましくは100kV以上、より好ましくは150〜250kVの電圧で加速された電子線を用いることにより、その電子線の浸透深さが乾燥後の塗膜よりも深くなり、さらに分子の運動性があがり、低照射線量でも温度応答性ポリマーを表面に固定化することができる。
揮発抑制物質としては、好ましくは分子量800以下、より好ましくは分子量400以下、さらに好ましくは分子量200以下であり、好ましくは分子量60以上のものが好ましい。上記分子量範囲内であれば常温で液体であり、熱を加えて溶解させるなどの製造工程を省くことができるため、好ましい。
揮発抑制物質として、アルキレングリコール材料、グリセロール、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
本発明においては、揮発抑制物質として、アルキレングリコール材料が好ましく用いられる。アルキレングリコール材料は様々な分子量のものが市販されており、かつ生体適合性に優れているので好適に用いることができる。アルキレングリコール材料としては、アルキレングリコールの他に、アルキレングリコールが脱水縮合した化合物、好ましくは2〜10分子、より好ましくは2〜5分子、さらに好ましくは2〜3分子のアルキレングリコールが脱水縮合した化合物、およびポリアルキレングリコールが挙げられる。本発明においては、アルキレングリコール材料のうち、エチレングリコール材料が好ましく用いられる。エチレングリコール材料としては、エチレングリコールの他に、エチレングリコールが脱水縮合した化合物、好ましくは2〜10分子、より好ましくは2〜5分子、さらに好ましくは2〜3分子のエチレングリコールが脱水縮合した化合物、およびポリエチレングリコールが挙げられる。
ポリアルキレングリコール(PAG)およびアルキレングリコールが脱水縮合した化合物は、1つ以上のアルキレングリコール単位((CH−O)からなるアルキレングリコール鎖(AG鎖)を少なくとも含むが、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。アルキレングリコール鎖は、例えば、次式:
−((CH−O)
(nはアルキレン鎖の炭素数を表し、mは重合度を示す整数である)
で表される構造を指す。nは、同一または異なって、通常1〜10の整数であり、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは2〜3の整数である。mは、好ましくは1〜13の整数であり、より好ましくは1〜10の整数である。ポリアルキレングリコールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマーなどが挙げられる。mが13以下であるポリアルキレングリコールは常温で液体であり、熱を加えて溶解させるなどの製造工程を省くことができるため、好ましい。
また、アルキレングリコール材料には、上記アルキレングリコール、その脱水縮合化合物、およびポリアルキレングリコールにおいて、末端のヒドロキシル基に、他の物質と共有結合を形成することが可能な官能基が直接的または間接的(リンカーを解して)に導入されたものも包含される。導入される官能基としては、代表的には、(1H−イミダゾール−1−イル)カルボニル基、スクシンイミジルオキシカルボニル基、エポキシ基、アルデヒド基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、アジド基、シアノ基、活性エステル基(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシカルボニル基、ペンタフルオロフェニルオキシカルボニル基、パラニトロフェニルオキシカルボニル基等)、ハロゲン化カルボニル基(塩化カルボニル基、フッ化カルボニル基、臭化カルボニル基、ヨウ化カルボニル基)等が挙げられる。これらの官能基は、末端ヒドロキシル基の水素を置換する置換基として、直接的に連結されていてもよいし、末端に結合したリンカーに結合した官能基として、間接的に連結されていてもよい。リンカーとしては、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜5の、二価の脂肪族炭化水素基、好ましくはアルキレン基が挙げられる。脂肪族炭化水素基における炭素が、窒素、酸素および硫黄から選択される同一または異なるヘテロ原子で置換された基でもよい。
本発明における好ましい揮発抑制物質の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ならびに数平均分子量が好ましくは800以下、より好ましくは400以下、さらに好ましくは200以下のポリエチレングリコールが挙げられる。これらの分子は生体適合性があり、かつ常温で液体であるため、熱を加えて溶解させるなどの製造工程を省くことができるため、好ましい。
揮発抑制物質は、1種のみ使用してもよいし、1種以上を使用してよい。
溶媒に溶解させる揮発抑制物質の量は、好ましくは温度応答性ポリマーを形成するためのモノマー量の5重量%以上、より好ましくはモノマー量の25重量%以上であり、好ましくはモノマー量の60重量%以下、より好ましくはモノマー量の50重量%以下である。揮発抑制物質が少なすぎると過度に乾燥され、多すぎると重合を阻害するからである。
基材は、その表面が、温度応答性ポリマーと電子線照射により共有結合し得る材料を含むものであることが好ましい。表面のみが、電子線照射により温度応答性ポリマーと共有結合し得る材料を含むものであってもよいし、基材の全部がそのような材料を含むものであってもよい。このような基材の材料は、通常細胞培養に用いられるガラス類、プラスチック類、セラミックス、金属等が挙げられるが、細胞培養が可能な材料であれば特に限定されない。本発明の方法を用いることにより、低照射線量の電子線で温度応答性ポリマーを基材に結合させることができるため、プラスチック製の基材においても、分解または酸化が起こりにくく、基材の変質、変形(反り、歪み、皺など)、透過性の劣化といった不具合の発生を防止できる。
基材の表面または中間層に本発明の目的を妨げない限り任意の層を設けてもよいし、任意の処理を施してもよい。例えば、基材表面にオゾン処理、プラズマ処理、スパッタリング等の処理技術を用いて親水化を施すことができる。
基材を構成する材料であって、それ自体が温度応答性ポリマーと共有結合を形成し得るものとしては、ポリスチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリウレタン、ウレタンアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリアミド(ナイロン)、ポリカーボネート、共役結合を持つ天然ゴム、共役結合を持つ合成ゴム、ポリシリコンを含有するシリコンゴム等が挙げられる。基材はこれらの材料を2種以上含むブレンドポリマーまたはポリマーアロイからなるものであってもよい。
温度応答性ポリマーと共有結合するように表面処理された基材としては、表面が易接着処理されたポリエチレンテレフタレート、表面がコロナ処理またはプラズマ処理された合成樹脂、表面がウレタンアクリレート等のアクリル系樹脂により被覆された合成樹脂等が挙げられる。基材はこれらの材料を2種以上含むブレンドポリマーまたはポリマーアロイからなるものであってもよい。
基材の形状としては、ディッシュ形状、フィルム形状、多孔質形状などが挙げられる。フィルム形状基材を用いる場合、フィルム形状基材表面に温度応答性ポリマーの層を形成した後、細胞培養に適した形状(例えばディッシュ形状)に加工することができる。また、ディッシュ形状の容器の細胞培養面に、フィルム形状の基材を接着剤などにより貼り付けてもよい。加工の際は、必要に応じて他の材料からなる部材を前記基材と組み合わせて使用することもできる。ディッシュ形状基材を用いる場合、少なくとも細胞接着面となるディッシュ内底面部分が温度応答性ポリマーの層により被覆されればよい。本発明で用いる基材としては、細胞培養において実績のあるポリスチレンが特に適している。特に本発明では、30kGy以下という低い線量により基材に温度応答性ポリマーを固定化するので、基材が薄いフィルム形状(例えば、200μm以下の厚さ)であっても、電子線の照射により変形(反り、歪み、皺など)が生じにくい。
温度応答性ポリマーの固定化のために基材上に形成する、モノマーおよび揮発抑制物質を含む塗工液の塗布量は温度応答性ポリマーが機能(例えば温度応答性)を発揮するのに必要な塗布量であり、50mg/m以上あればよい。塗布量の上限は特にないが、40g/m未満が好ましく、10g/m以下がより好ましい。
塗布量が多すぎると、厚みが増して塗膜厚が安定しないこと、厚みが増して電子線の貫通・照射量が安定しないこと、ならびに照射エネルギーに由来する膜内の対流により被覆量にムラが生じる場合がある。また、遊離のポリマーや分子を洗浄するための洗浄時間を短くするためには塗膜量は10g/m以下が望ましい。
温度応答性ポリマーを形成するための塗工液の基材への小面積への塗布方法としては公知のいずれの方法でもよく、例えばスピンコーター、バーコーター等による塗布法、噴霧塗布法等が挙げられる。大面積への塗布方法としてはブレードコーティング法、グラビアコーティング法、グラビアダイレクト法、ロッドコーティング法、ナイフコーディング法、リバースロールコーティング法、オフセットグラビアコーティング法等が使用できる。
ベタ形成においては、グラビアコート法、ロールコート法、スロットコート法、キスコ−ト法、スプレーコート法、ファウンテンコーティング法等公知のコーティング法を用いて形成することができる。又、絵柄層のパターン形成においては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等公知の印刷法を用いることができる。塗布方法として連続のコート法または印刷法を使用することもできる。連続のコート法または印刷法としては、具体的にはホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラビアダイレクトコート、グラビアリバースコート、ダイコート、マイクログラビアコート、スライドコート、スリットリバースコート、カーテンコート、ナイフコート、エアコート、ロールコート等の塗布方法が使用できるが、これらは例示に過ぎず、当業者であれば適用可能なものを使用することができる。
本発明の方法は、上記のように塗工液を基材上に塗布して塗膜を形成する工程、および電子線を30kGy以下の線量で塗膜に照射する工程を含む。電子線照射により、モノマーの重合反応、基材表面と温度応答性ポリマーとの結合反応(すなわちグラフト化)を進行させることができる。ここでいう結合反応(グラフト化)は、電子線照射による重合によってモノマーまたはオリゴマーもしくはプレポリマーからin situで形成された遊離のポリマーが基材表面に結合する現象だけでなく、遊離のモノマーが基材表面に結合した後に当該モノマーを基点としてポリマー鎖が伸張する現象や、塗工液に由来する遊離のプレポリマーまたはオリゴマーが基材表面に結合する現象や、基材表面に結合したポリマーまたはオリゴマーを基点としてポリマー鎖が伸張する現象などを包含する。
塗膜に照射する電子線としては、好ましくは300kV以下の加速電圧で加速された電子線を用いる。300kV以下の電子線照射装置は大型の遮蔽が必要なく、装置も小型であるため使いやすい。乾燥後の塗膜を通過できる限り、加速電圧の下限は特に制限されない。電子線照射装置は加速電圧が大きくなるにつれて装置が大型になり、コンクリートによる大型の遮蔽が必要になるため、使い勝手の良い300kV以下の装置が好ましい。
本発明の方法では、30kGy以下という低い線量の電子線で、温度応答性ポリマーを基材上に固定することができる。照射線量が低ければ、基材へのダメージを抑えることができるため好ましい。
電子線照射後は、塗膜を乾燥させて溶媒を除去することが好ましい。乾燥前の塗膜に電子線を照射した後、乾燥を行ってもよいし、塗膜を乾燥した後に電子線を照射してもよい。ただし、乾燥前のウェットな状態の塗膜に電子線照射を行うと、環境変化や異物、塗膜厚変動等の影響を受ける可能性があることから、塗膜を乾燥した後に電子線を照射することが好ましい。乾燥方法としては特に限定されないが、典型的にはドライエア乾燥法、熱風(温風)乾燥法、(遠)赤外乾燥法などが挙げられる。
上述の工程を経て形成された細胞培養基材には、基材表面上に共有結合により固定化されたポリマー分子だけでなく、固定化されていない遊離のポリマー分子や、揮発抑制物質等が存在している。そこでこれらの遊離ポリマーや未反応物を除去するために洗浄を行う洗浄工程を更に含むことが好ましい。
洗浄方法としては特に限定されないが、典型的には浸漬洗浄、遥動洗浄、シャワー洗浄、スプレー洗浄、超音波洗浄等が挙げられる。また洗浄液としては典型的には各種水系、アルコール系、炭化水素系、塩素系、酸・アルカリ洗浄液が挙げられる。洗浄方法と洗浄液の組み合わせは洗浄される細胞培養基材に応じて適宜選択すればよい。
細胞培養基材表面における温度応答性ポリマーの被覆量は、0.5〜5.0μg/cmであることが好ましく、1.0〜4.0μg/cmであることがより好ましい。被覆量が5.0μg/cmを超過すると細胞は細胞培養基材表面上に付着せず、逆に被覆量が0.5μg/cm未満だと細胞は単層の状態で培養され組織状とならず、また培養細胞を基材から剥離回収するのも困難となる。
本発明では、揮発抑制物質を加えることにより電子線照射工程における重合反応が促進される。したがって、本発明において50kGy以上の線量の電子線を照射すると、温度応答性ポリマーの固定化量が多くなりすぎて細胞が接着性なくなってしまうおそれがあるが、低照射線量にすることで、細胞が接着および剥離するように温度応答性ポリマーの固定化量を調節することができる。
このような温度応答性ポリマーの被覆量は、例えばフーリエ変換赤外分光計全反射法(FT−IR−ATR法)、被覆部もしくは非被覆部の染色や蛍光物質の染色による分析、更に接触角測定等による表面分析を単独或は併用して求めることができる。
本発明の細胞培養基材を用いて、種々の細胞、例えば生体内の各組織、臓器を構成する上皮細胞や内皮細胞、収縮性を示す骨格筋細胞、平滑筋細胞、心筋細胞、神経系を構成するニューロン、グリア細胞、線維芽細胞、生体の代謝に関係する肝実質細胞、非肝実質細胞や脂肪細胞、分化能を有する細胞として、種々組織に存在する幹細胞、さらには骨髄細胞、ES細胞等から細胞シートを作製することができる。
こうして作製された細胞シートは表面の接着因子が損なわれていないことに加えて、細胞培養面に接した部分が均一な品質を有することから、再生医療などへの利用に適したものである。また、細胞シートを利用することでバイオセンサー等の検出デバイスへの応用へも展開できる。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例の範囲に限定されるものではない。
(実施例1)
試料1
N−イソプロピルアクリルアミドを最終濃度20重量%、エチレングリコールを最終濃度10重量%になるようにイソプロピルアルコール(i−プロパノール)に溶解させて塗工液を作製した。厚さ50μmのポリスチレンフィルム(旭化成ケミカルズより入手)にコロナ処理を施して親水化した面に、ワイヤーバーを用いて上記塗工液を塗布した(1.4g/m)。その後40℃の熱風で乾燥させ、電子線を照射してN−イソプロピルアクリルアミドをグラフト重合させ、フィルム表面にポリ−N−イソプロピルアクリルアミドを結合させた(加速電圧:200kV、照射線量:25kGy)。
試料2
N−イソプロピルアクリルアミドを最終濃度12重量%、エチレングリコールを最終濃度4重量%になるようにイソプロピルアルコールに溶解させて塗工液を作製した。厚さ50μmのポリスチレンフィルム(旭化成ケミカルズより入手)にコロナ処理を施して親水化した面に、グラビアダイレクト法により上記塗工液を塗布した(1.4g/cm、搬送速度:5m/min)。その後40℃の乾燥フードを2m通過させて乾燥させた後、電子線を照射してN−イソプロピルアクリルアミドをグラフト重合させ、フィルム表面にポリ−N−イソプロピルアクリルアミドを固定化した(加速電圧:200kV、照射線量:25kGy)。
作製した試料1、2に、ウシ大動脈血管内皮細胞を1×10cells/cmの密度で播種した。使用培地は10%FBS含有DMEM(シグマ製)であり、培養はCOインキュベーターで37℃、5%COの条件にて48時間行った。その後、フラスコを20℃、5%CO条件下のインキュベーターに入庫した。30分後、20℃のインキュベーターから出庫し、細胞シートが剥離できることを確認した。
(実施例2)
試料1〜5
N−イソプロピルアクリルアミドを最終濃度20重量%、揮発抑制物質(試料1:エチレングリコール、試料2:ジエチレングリコール、試料3:テトラエチレングリコール、試料4:ポリエチレングリコール400、試料5:ポリエチレングリコール600)を最終濃度2重量%になるようにイソプロピルアルコールに溶解させて塗工液を作製した。厚さ50μmのポリスチレンフィルム(旭化成ケミカルズより入手)にコロナ処理を施して親水化した面に、ワイヤーバーを用いて上記塗工液を塗布した(1.4g/m)。その後40℃の熱風で乾燥させ、電子線を照射してN−イソプロピルアクリルアミドをグラフト重合させ、フィルム表面にポリ−N−イソプロピルアクリルアミドを結合させた(加速電圧:200kV、照射線量:25kGy)。
作製した試料1〜5に、ウシ大動脈血管内皮細胞を1×10cells/cmの密度で播種した。使用培地は10%FBS含有DMEM(シグマ製)であり、培養はCOインキュベーターで37℃、5%COの条件にて48時間行った。その後、フラスコを20℃、5%CO条件下のインキュベーターに入庫し、細胞シートが剥離するまでの時間を調べた。結果を以下の表1に示す。
Figure 0006003594
表1の結果から、試料1〜5を用いた場合はすべて、細胞シートを剥離できたことがわかる。
(比較例)
N−イソプロピルアクリルアミドを最終濃度40重量%になるようにイソプロピルアルコールに溶解させて塗工液を作製した。厚さ50μmのポリスチレンフィルム(旭化成ケミカルズより入手)にコロナ処理を施して親水化した面に、ワイヤーバーを用いて上記塗工液を塗布した(1.4g/m)。その後40℃の熱風で乾燥させ、電子線を照射してN−イソプロピルアクリルアミドをグラフト重合させ、フィルム表面にポリ−N−イソプロピルアクリルアミドを結合させた(加速電圧:200kV、照射線量:25kGy)。
作製した試料に、ウシ大動脈血管内皮細胞を1×10cells/cmの密度で播種した。使用培地は10%FBS含有DMEM(シグマ製)であり、培養はCOインキュベーターで37℃、5%COの条件にて48時間行った。その後、フラスコを20℃、5%CO条件下のインキュベーターに入庫した。30分後、20℃のインキュベーターから出庫したが、細胞シートは得られなかった。

Claims (4)

  1. アクリル系ポリマーまたはメタクリル系ポリマーである温度応答性ポリマーが固定化された細胞培養基材の製造方法であって、
    電子線照射により重合して前記温度応答性ポリマーを形成し得るモノマーと、
    前記モノマーを溶解しうる溶媒と、
    前記溶媒の揮発を抑制する常温で液体のアルキレングリコール材料である揮発抑制物質
    とを含む塗工液を準備する工程、
    前記塗工液を基材上に塗布して塗膜を形成する工程、および
    電子線を30kGy以下の線量で前記塗膜に照射する工程
    を含む、前記方法。
  2. 揮発抑制物質の分子量が800以下である、請求項1記載の方法。
  3. 揮発抑制物質が、2〜10分子のエチレングリコールが脱水縮合した化合物およびエチレングリコールからなる群から選択される、請求項1または2記載の方法。
  4. 基材がプラスチック基材である、請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
JP2012265478A 2012-12-04 2012-12-04 温度応答性を有する細胞培養基材の製造方法 Active JP6003594B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012265478A JP6003594B2 (ja) 2012-12-04 2012-12-04 温度応答性を有する細胞培養基材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012265478A JP6003594B2 (ja) 2012-12-04 2012-12-04 温度応答性を有する細胞培養基材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014108100A JP2014108100A (ja) 2014-06-12
JP6003594B2 true JP6003594B2 (ja) 2016-10-05

Family

ID=51029121

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012265478A Active JP6003594B2 (ja) 2012-12-04 2012-12-04 温度応答性を有する細胞培養基材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6003594B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5324750B2 (ja) * 2007-03-15 2013-10-23 大日本印刷株式会社 細胞培養支持体とその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014108100A (ja) 2014-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8557583B2 (en) Cell culture support and manufacture thereof
JP5324750B2 (ja) 細胞培養支持体とその製造方法
JP5080848B2 (ja) 細胞培養支持体とその製造方法
JP6759958B2 (ja) 温度応答性基材、その製造方法及びその評価方法
JP6011287B2 (ja) 機能性ポリマー層を有する多孔質フィルム基材の製造方法
JP7319349B2 (ja) 細胞培養基材
US20200056154A1 (en) Cell culture substrate having two acrylate structural units
JP2010063439A (ja) 細胞培養支持体の製造方法
WO2020080364A1 (ja) 細胞培養基材、細胞培養基材の製造方法、及びスフェロイドの製造方法
JPWO2015093393A1 (ja) 温度応答性細胞培養基材及びその製造方法
JP2009017809A (ja) 細胞培養基材及びその製造方法並びに細胞培養方法
JP6064542B2 (ja) 温度応答性を有する細胞培養基材の製造方法
Du et al. Mediating the migration of mesenchymal stem cells by dynamically changing the density of cell-selective peptides immobilized on β-cyclodextrin-modified cell-resisting polymer brushes
JP5752164B2 (ja) 細胞培養支持体とその製造方法
JP4430123B1 (ja) 細胞培養基材及びその製造方法
JP6003594B2 (ja) 温度応答性を有する細胞培養基材の製造方法
JP2011072297A (ja) 細胞培養基材
JP5657744B2 (ja) 細胞培養支持体の製造方法
JP6123247B2 (ja) 温度応答性を有する細胞培養基材の製造方法
JP6314458B2 (ja) 温度応答性を有する細胞培養基材およびその製造方法
JP6229502B2 (ja) 温度応答性を有する細胞培養基材の製造方法
JP6229503B2 (ja) 温度応答性を有する細胞培養基材およびその製造方法
JP2016049083A (ja) パターンを有する温度応答性細胞培養基材の製造方法
JP6953863B2 (ja) 細胞シートの剥離性の調整方法、細胞シートの製造方法、及び細胞培養容器の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151029

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160822

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Ref document number: 6003594

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150