JP2015124361A - バイオフィルム除去剤およびバイオフィルムの除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、すでに形成されたバイオフィルムの除去能力に優れた除去剤および除去方法の提供を課題とする。特に、製紙工場の各製造工程や水処理工程で形成されるようなバイオフィルムに対する除去能力に優れた除去剤および除去方法を提供することを課題とする。【解決手段】オクタノール/水分配係数が−0.2以上でありかつ3.7未満である有機酸、該有機酸の塩またはエステルからなる群より選ばれる1種以上を有効成分とするバイオフィルム除去剤を提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、バイオフィルム除去剤およびバイオフィルムの除去方法に関する。より詳しくは、特定の有機酸を有効成分とするバイオフィルム除去剤およびバイオフィルムの除去方法に関する。
バイオフィルム(Biofilm)とは、菌膜(きんまく)ともよばれ、細菌により形成される構造体をいう。バイオフィルムの形成は、おおよそ次のようなものである。基質に付着した細菌が、細胞外多糖やタンパク質などを分泌し、これらはバリアーや運搬経路の役割を果たし、環境変化や化学物質から内部の細菌を守っている。そして、このような細菌が付着と脱離を繰り返しながら、徐々にバイオフィルムが形成される。
ところで、各種製品の製造工程や熱交換機等でのバイオフィルムの形成は、製品品質や生産性の劣化をもたらし、場合によっては、健康被害を生じる恐れがあり、バイオフィルムの形成を防ぐために従来、殺菌剤が使用されてきた。
しかし、殺菌剤は浮遊状態の細菌の殺菌には有効であるが、バイオフィルムを形成している細菌に対しては耐性を示し、その耐性は浮遊状態と比較して1,000倍も高い場合がある。この高い薬剤耐性は、細胞外多糖類に覆われたバイオフィルムの構造に起因している。そのため、浮遊細菌を殺菌することでバイオフィルムの形成を遅延させることは可能であるが、いったんバイオフィルムが形成されてしまうとこれを殺菌剤により除去することは難しい。
殺菌剤によってバイオフィルムの形成を抑制するためには、上記の理由から細菌がバイオフィルムを形成する前の段階で、浮遊状態の細菌を殺滅する必要があるが、この場合、人体に有害な作用をもたらすほどの高濃度で殺菌剤を継続的に使用する必要がある。また、いったんバイオフィルムが形成されてしまうと、そのバイオフィルムの防御機構のためにさらに高濃度での殺菌剤の使用が必要となる。このように、バイオフィルムを形成する細菌に対して殺菌剤を使用しようとすると、高濃度の殺菌剤を常に添加し続ける必要がある。このため、飲料水や食品を製造する工場、半導体工場での、上水や排水再利用の水処理膜や、ミストの発生する冷却塔では、人体への安全性の懸念があり、製紙工場でも製造コストの上昇が問題となる。
また、殺菌剤によるバイオフィルムの形成抑制方法以外に、形成されたバイオフィルムを除去剤により除去する方法も近年知られるようになった。
特許文献1には、N−アシルグリシンやN−アシル−β―アラニンなどにより黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureusJCM20624)や緑膿菌(Pseudomonas aeruginosaNBRC3080)により形成されたバイオフィルムを抑制できることが示されている。
また、特許文献2には、ポリエチレンイミンによりやはり、黄色ブドウ球菌や緑膿菌により形成されたバイオフィルムを除去できたことが示されている。
しかし、これらの特許文献に示された除去剤は、いずれも黄色ブドウ球菌と緑膿菌に対する除去効果しか確認しておらず限定的なものであり、他の細菌に対しても広く効果があるのかどうかについては不明である。特に、製紙工場の各工程や、水処理膜、冷却水工程で発生する細菌により形成されるようなバイオフィルムに対する効果は全く想定されていない。
ところで、各種製品の製造工程や熱交換機等でのバイオフィルムの形成は、製品品質や生産性の劣化をもたらし、場合によっては、健康被害を生じる恐れがあり、バイオフィルムの形成を防ぐために従来、殺菌剤が使用されてきた。
しかし、殺菌剤は浮遊状態の細菌の殺菌には有効であるが、バイオフィルムを形成している細菌に対しては耐性を示し、その耐性は浮遊状態と比較して1,000倍も高い場合がある。この高い薬剤耐性は、細胞外多糖類に覆われたバイオフィルムの構造に起因している。そのため、浮遊細菌を殺菌することでバイオフィルムの形成を遅延させることは可能であるが、いったんバイオフィルムが形成されてしまうとこれを殺菌剤により除去することは難しい。
殺菌剤によってバイオフィルムの形成を抑制するためには、上記の理由から細菌がバイオフィルムを形成する前の段階で、浮遊状態の細菌を殺滅する必要があるが、この場合、人体に有害な作用をもたらすほどの高濃度で殺菌剤を継続的に使用する必要がある。また、いったんバイオフィルムが形成されてしまうと、そのバイオフィルムの防御機構のためにさらに高濃度での殺菌剤の使用が必要となる。このように、バイオフィルムを形成する細菌に対して殺菌剤を使用しようとすると、高濃度の殺菌剤を常に添加し続ける必要がある。このため、飲料水や食品を製造する工場、半導体工場での、上水や排水再利用の水処理膜や、ミストの発生する冷却塔では、人体への安全性の懸念があり、製紙工場でも製造コストの上昇が問題となる。
また、殺菌剤によるバイオフィルムの形成抑制方法以外に、形成されたバイオフィルムを除去剤により除去する方法も近年知られるようになった。
特許文献1には、N−アシルグリシンやN−アシル−β―アラニンなどにより黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureusJCM20624)や緑膿菌(Pseudomonas aeruginosaNBRC3080)により形成されたバイオフィルムを抑制できることが示されている。
また、特許文献2には、ポリエチレンイミンによりやはり、黄色ブドウ球菌や緑膿菌により形成されたバイオフィルムを除去できたことが示されている。
しかし、これらの特許文献に示された除去剤は、いずれも黄色ブドウ球菌と緑膿菌に対する除去効果しか確認しておらず限定的なものであり、他の細菌に対しても広く効果があるのかどうかについては不明である。特に、製紙工場の各工程や、水処理膜、冷却水工程で発生する細菌により形成されるようなバイオフィルムに対する効果は全く想定されていない。
本発明は、すでに形成されたバイオフィルムの除去能力に優れた除去剤および除去方法の提供を課題とする。特に、製紙工場の各製造工程や、水処理膜、冷却水工程で形成されるようなバイオフィルムに対する除去能力に優れた除去剤および除去方法を提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するためにあらゆる種類の化学物質について、多数の異なる菌により形成される各バイオフィルムの除去可能性について鋭意研究を行ってきた。その結果、驚くべきことに、化学物質のうちでも、有機酸にその除去能力があり、さらに有機酸のうちでも比較的低極性の有機酸が有効であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
[1]オクタノール/水分配係数が−0.2以上でありかつ3.7未満である、有機酸、有機酸の塩またはエステルからなる群より選ばれる1種以上を有効成分として含有するバイオフィルム除去剤。
[2]pH6未満の酸性領域下で使用される前記[1]に記載のバイオフィルム除去剤。
[3]有機酸が、パラフィン系炭化水素のカルボン酸又はオレフィン系炭化水素のカルボン酸である前記[1]または[2]に記載のバイオフィルム除去剤。
[4]有効成分が、バイオフィルム形成細菌に対して殺菌作用を実質的に示さない濃度(最小殺菌濃度(MBC))未満で使用される前記[1]〜[3]のいずれかに記載のバイオフィルム除去剤。
[5]バイオフィルム形成細菌が、製紙工程、分離膜または冷却水工程に出現する細菌である前記[1]〜[4]のいずれかに記載のバイオフィルム除去剤。
[6]バイオフィルム形成細菌が、グラム陰性細菌である前記[1]〜[5]のいずれかに記載のバイオフィルム除去剤。
[7]バイオフィルム形成細菌が、アクチノバクテリア門ミクロバクテリウム、デイノコッカス門デイノコッカス、プロテオバクテリア門オクロバクテラム、アシドヴォラックス、エロモナス、クレブシエラ、アシネトバクター、エンテロバクター、シトロバクター、ステノトロフモナス、シュードモナス、リゾビウム、カピリアビダス属に属する細菌である前記[1]〜[5]のいずれかに記載のバイオフィルム除去剤。
[8]バイオフィルムの除去方法であって、
以下のバイオフィルム除去剤を、バイオフィルム形成細菌と接触させる工程を含む前記方法。
バイオフィルム除去剤;
オクタノール/水分配係数が−0.2以上であり、かつ3.7未満である、有機酸、有機酸の塩またはエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を有効成分とする
[9]前記工程が、pH6未満の酸性領域下で行われる工程である前記[8]に記載の方法。
[10]有機酸が、パラフィン系炭化水素のカルボン酸又はオレフィン系炭化水素のカルボン酸である前記[8]または[9]に記載のバイオフィルム除去方法。
[11]前記工程が、有効成分が、バイオフィルム形成細菌に対して殺菌作用を実質的に示さない濃度(最小殺菌濃度(MBC))でバイオフィルムを形成する細菌と接触させる工程である、前記[8]〜[10]のいずれかに記載のバイオフィルム除去方法。
[12]バイオフィルム形成細菌が、製紙工程、分離膜または冷却水工程に出現する細菌である前記[8]〜[11]のいずれかに記載のバイオフィルム除去方法。
[13]バイオフィルム形成細菌が、グラム陰性細菌である前記[8]〜[12]のいずれかに記載のバイオフィルム除去方法。
[14]バイオフィルム形成細菌が、アクチノバクテリア門ミクロバクテリウム、デイノコッカス門デイノコッカス、プロテオバクテリア門オクロバクテラム、アシドヴォラックス、エロモナス、クレブシエラ、アシネトバクター、エンテロバクター、シトロバクター、ステノトロフモナス、シュードモナス、リゾビウム、カピリアビダス属に属する細菌である前記[8]〜[12]のいずれかに記載のバイオフィルム除去方法。
すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
[1]オクタノール/水分配係数が−0.2以上でありかつ3.7未満である、有機酸、有機酸の塩またはエステルからなる群より選ばれる1種以上を有効成分として含有するバイオフィルム除去剤。
[2]pH6未満の酸性領域下で使用される前記[1]に記載のバイオフィルム除去剤。
[3]有機酸が、パラフィン系炭化水素のカルボン酸又はオレフィン系炭化水素のカルボン酸である前記[1]または[2]に記載のバイオフィルム除去剤。
[4]有効成分が、バイオフィルム形成細菌に対して殺菌作用を実質的に示さない濃度(最小殺菌濃度(MBC))未満で使用される前記[1]〜[3]のいずれかに記載のバイオフィルム除去剤。
[5]バイオフィルム形成細菌が、製紙工程、分離膜または冷却水工程に出現する細菌である前記[1]〜[4]のいずれかに記載のバイオフィルム除去剤。
[6]バイオフィルム形成細菌が、グラム陰性細菌である前記[1]〜[5]のいずれかに記載のバイオフィルム除去剤。
[7]バイオフィルム形成細菌が、アクチノバクテリア門ミクロバクテリウム、デイノコッカス門デイノコッカス、プロテオバクテリア門オクロバクテラム、アシドヴォラックス、エロモナス、クレブシエラ、アシネトバクター、エンテロバクター、シトロバクター、ステノトロフモナス、シュードモナス、リゾビウム、カピリアビダス属に属する細菌である前記[1]〜[5]のいずれかに記載のバイオフィルム除去剤。
[8]バイオフィルムの除去方法であって、
以下のバイオフィルム除去剤を、バイオフィルム形成細菌と接触させる工程を含む前記方法。
バイオフィルム除去剤;
オクタノール/水分配係数が−0.2以上であり、かつ3.7未満である、有機酸、有機酸の塩またはエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を有効成分とする
[9]前記工程が、pH6未満の酸性領域下で行われる工程である前記[8]に記載の方法。
[10]有機酸が、パラフィン系炭化水素のカルボン酸又はオレフィン系炭化水素のカルボン酸である前記[8]または[9]に記載のバイオフィルム除去方法。
[11]前記工程が、有効成分が、バイオフィルム形成細菌に対して殺菌作用を実質的に示さない濃度(最小殺菌濃度(MBC))でバイオフィルムを形成する細菌と接触させる工程である、前記[8]〜[10]のいずれかに記載のバイオフィルム除去方法。
[12]バイオフィルム形成細菌が、製紙工程、分離膜または冷却水工程に出現する細菌である前記[8]〜[11]のいずれかに記載のバイオフィルム除去方法。
[13]バイオフィルム形成細菌が、グラム陰性細菌である前記[8]〜[12]のいずれかに記載のバイオフィルム除去方法。
[14]バイオフィルム形成細菌が、アクチノバクテリア門ミクロバクテリウム、デイノコッカス門デイノコッカス、プロテオバクテリア門オクロバクテラム、アシドヴォラックス、エロモナス、クレブシエラ、アシネトバクター、エンテロバクター、シトロバクター、ステノトロフモナス、シュードモナス、リゾビウム、カピリアビダス属に属する細菌である前記[8]〜[12]のいずれかに記載のバイオフィルム除去方法。
本発明によれば、比較的低極性の有機酸という取り扱いやすい成分により、効率的にバイオフィルムを除去することができる。特に、これまで製紙工場の製紙工程や水分離膜、冷却塔などの水に接する経路で形成されるバイオフィルムに対して有効な除去剤が存在しなかったため、本発明の除去剤の提供の意義は大きい。
(バイオフィルム除去剤)
本発明のバイオフィル除去剤は、有機酸、有機酸の塩またはエステル(以下、単に有機酸等ということがある)であって、かつ、オクタノール/水分配係数が−0.2以上でありかつ3.7未満である有機酸等からなる群より選ばれる1種以上を有効成分として含有する。
ここで、オクタノール/水分配係数(以下単にLogPowということがある)とは、化学物質を有機溶媒(n-オクタノール)と水の2層になった液体にとかし、平衡状態になった時にそれぞれの液体に溶けている量の比を分配係数と言い、対数値で表す。数値が高いほど油に溶けやすく、脂質の透過性、脂肪等への蓄積など医薬品の効果や毒性の指標として用いられている。
LogPowは、実測値や定量的構造活性相関アルゴリズムを用いた計算による予測値を利用することができるが、本特許では、原子タイプの線形和と考えるLOGP値の予測手法XLOGP3(J Chem Inf Model. 2007 Nov-Dec; 47(6):2140-8.)による値を採用している。極性物質の範囲は慣用上オクタノール/水分配係数4以下であり、製紙工程や水分離膜、冷却塔のように水に接する工程におけるバイオフィルムの除去には、水になじみやすい極性物質が扱いやすい。
本発明の有効成分である有機酸等のLogPowは、−0.2以上であり、かつ3.7未満であるが、より好ましくは−0.2以上であり、かつ3.5以下である。
このようなLogPowを有する有機酸であればいずれでもよいが、パラフィン系炭化水素またはオレフィン系炭化水素の有機酸が好ましく、さらに好ましくはパラフィン系炭化水素またはオレフィン系炭化水素のカルボン酸である。カルボン酸としては、モノカルボン酸のほか、ジカルボン酸、不飽和カルボン酸、芳香族カルボン酸が挙げられる。また、パラフィン系炭化水素のカルボン酸のパラフィンの炭素数は2〜12が好ましく、またオレフィン系炭化水素のカルボン酸のオレフィンの炭素数は3〜10が好ましい。
本発明のバイオフィル除去剤は、有機酸、有機酸の塩またはエステル(以下、単に有機酸等ということがある)であって、かつ、オクタノール/水分配係数が−0.2以上でありかつ3.7未満である有機酸等からなる群より選ばれる1種以上を有効成分として含有する。
ここで、オクタノール/水分配係数(以下単にLogPowということがある)とは、化学物質を有機溶媒(n-オクタノール)と水の2層になった液体にとかし、平衡状態になった時にそれぞれの液体に溶けている量の比を分配係数と言い、対数値で表す。数値が高いほど油に溶けやすく、脂質の透過性、脂肪等への蓄積など医薬品の効果や毒性の指標として用いられている。
LogPowは、実測値や定量的構造活性相関アルゴリズムを用いた計算による予測値を利用することができるが、本特許では、原子タイプの線形和と考えるLOGP値の予測手法XLOGP3(J Chem Inf Model. 2007 Nov-Dec; 47(6):2140-8.)による値を採用している。極性物質の範囲は慣用上オクタノール/水分配係数4以下であり、製紙工程や水分離膜、冷却塔のように水に接する工程におけるバイオフィルムの除去には、水になじみやすい極性物質が扱いやすい。
本発明の有効成分である有機酸等のLogPowは、−0.2以上であり、かつ3.7未満であるが、より好ましくは−0.2以上であり、かつ3.5以下である。
このようなLogPowを有する有機酸であればいずれでもよいが、パラフィン系炭化水素またはオレフィン系炭化水素の有機酸が好ましく、さらに好ましくはパラフィン系炭化水素またはオレフィン系炭化水素のカルボン酸である。カルボン酸としては、モノカルボン酸のほか、ジカルボン酸、不飽和カルボン酸、芳香族カルボン酸が挙げられる。また、パラフィン系炭化水素のカルボン酸のパラフィンの炭素数は2〜12が好ましく、またオレフィン系炭化水素のカルボン酸のオレフィンの炭素数は3〜10が好ましい。
本発明で使用される有機酸の具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、オクチル酸、ペラルゴン酸、ソルビン酸、10-ヒドロキシ-2-デセン酸、安息香酸、バニリン酸、マレイン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、等が挙げられる。
(有機酸の塩)
本発明の有機酸の塩としては、薬学的に許容できる塩であって、LogPowが−0.2以上でありかつ3.7未満であれば特に制限されないが、例えば、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩としては、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸等の無機酸との塩、酢酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸及びクエン酸等の有機酸、塩素との塩が挙げられる。塩基付加塩としては、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム及びマグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アンモニウム及びトリエチルアミン等のアミン類との塩が挙げられる。
たとえば、酢酸、アゼライン酸、マレイン酸、ソルビン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ドデカン二酸の塩としては、ナトリウム塩、及びカリウム塩が好ましい。
本発明の有機酸の塩としては、薬学的に許容できる塩であって、LogPowが−0.2以上でありかつ3.7未満であれば特に制限されないが、例えば、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩としては、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸等の無機酸との塩、酢酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸及びクエン酸等の有機酸、塩素との塩が挙げられる。塩基付加塩としては、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム及びマグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アンモニウム及びトリエチルアミン等のアミン類との塩が挙げられる。
たとえば、酢酸、アゼライン酸、マレイン酸、ソルビン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ドデカン二酸の塩としては、ナトリウム塩、及びカリウム塩が好ましい。
(有機酸のエステル)
さらに、本発明における有機酸には前記塩のほかに、エステルも同様にLogPowが−0.2以上でありかつ3.7未満であれば特に制限されず、有効成分として利用することができる。エステルとしては、ジメチル体、ジエチル体、ジオクチル体などが含まれ、このうちでもジメチル体およびジエチル体が好ましい。なお、有機酸のLogPowが、「−0.2以上でありかつ3.7未満」の範囲に含まれなくても、当該有機酸のエステルのLogPowは前記範囲に含まれ、本発明のバイオフィルム除去剤として使えるものもある(例:コハク酸とコハク酸ジエチル)。
さらに、本発明における有機酸には前記塩のほかに、エステルも同様にLogPowが−0.2以上でありかつ3.7未満であれば特に制限されず、有効成分として利用することができる。エステルとしては、ジメチル体、ジエチル体、ジオクチル体などが含まれ、このうちでもジメチル体およびジエチル体が好ましい。なお、有機酸のLogPowが、「−0.2以上でありかつ3.7未満」の範囲に含まれなくても、当該有機酸のエステルのLogPowは前記範囲に含まれ、本発明のバイオフィルム除去剤として使えるものもある(例:コハク酸とコハク酸ジエチル)。
(酸性領域での使用)
本発明のバイオフィルム除去剤は、pH6未満の酸性領域で使用することによりその除去能力が発揮される。より好ましいpHについては、各有機酸の種類により当業者が適宜その除去効果に応じて設定することができる、5.5未満であることが望ましく、5.0以下であればよりいっそう望ましい場合もある。なお、下限については、バイオフィルムの使用環境への影響などを考慮し3.0以上が好ましい。
本発明のバイオフィルム除去剤は、pH6未満の酸性領域で使用することによりその除去能力が発揮される。より好ましいpHについては、各有機酸の種類により当業者が適宜その除去効果に応じて設定することができる、5.5未満であることが望ましく、5.0以下であればよりいっそう望ましい場合もある。なお、下限については、バイオフィルムの使用環境への影響などを考慮し3.0以上が好ましい。
(バイオフィルム形成細菌)
本発明のバイオフィルム除去剤が適用されるバイオフィルムの形成細菌は、バイオフィルムを形成する細菌のいずれも含まれる。このうちでも、グラム陰性細菌が好ましく、また、アクチノバクテリア門ミクロバクテリウム、デイノコッカス門デイノコッカス、プロテオバクテリア門オクロバクテラム、アシドヴォラックス、エロモナス、クレブシエラ、アシネトバクター、エンテロバクター、シトロバクター、ステノトロフモナス、シュードモナス、リゾビウム、カピリアビダス属に属する細菌が好ましい場合もある。
さらにこのうちでも、アクチノバクテリア門ミクロバクテリウム、プロテオバクテリア門オクロバクテラム、アシドヴォラックス、エロモナス、クレブシエラ、アシネトバクター、エンテロバクター、シトロバクター、ステノトロフモナス、シュードモナス、リゾビウム、カピリアビダス属に属する細菌が好ましい。
本発明のバイオフィルム除去剤が適用されるバイオフィルムの形成細菌は、バイオフィルムを形成する細菌のいずれも含まれる。このうちでも、グラム陰性細菌が好ましく、また、アクチノバクテリア門ミクロバクテリウム、デイノコッカス門デイノコッカス、プロテオバクテリア門オクロバクテラム、アシドヴォラックス、エロモナス、クレブシエラ、アシネトバクター、エンテロバクター、シトロバクター、ステノトロフモナス、シュードモナス、リゾビウム、カピリアビダス属に属する細菌が好ましい場合もある。
さらにこのうちでも、アクチノバクテリア門ミクロバクテリウム、プロテオバクテリア門オクロバクテラム、アシドヴォラックス、エロモナス、クレブシエラ、アシネトバクター、エンテロバクター、シトロバクター、ステノトロフモナス、シュードモナス、リゾビウム、カピリアビダス属に属する細菌が好ましい。
最小生育阻止濃度(MIC)とは、抗生物質、殺菌剤が微生物の増殖を阻害する最小濃度(静菌、防腐効果)をいい、最小殺菌濃度(MBC)とは、これらが微生物を殺滅する最小濃度をいう。MIC及びMBCは、当業者にとって周知の方法によって求めることができ、例えば埼玉県産業技術センター研究報告書 第8巻(2010)、“抗菌剤の簡易評価法の開発”や、CHEMOTHERAPY、JAN.1990、p102−105、抗菌製品技術協議会、試験法「(3)最小殺菌濃度測定法I(2012年度版)」などに記載されている方法が挙げられる。
本願では、バイオフィルム除去対象となる細菌の各有機酸MBCを求め、MBC未満の濃度において、前記細菌が生育することを確認する試験を行った。すなわち、試験対象となる各有機酸のMBC未満での生育が確認でき、かつバイオフィルム除去効果が確認できた場合には、その有機酸は、当該細菌を殺菌してバイオフィルムを除去するのではなく、殺菌以外の作用にて形成されたバイオフィルムを除去できる有機酸であることが明らかになる。
本願では、バイオフィルム除去対象となる細菌の各有機酸MBCを求め、MBC未満の濃度において、前記細菌が生育することを確認する試験を行った。すなわち、試験対象となる各有機酸のMBC未満での生育が確認でき、かつバイオフィルム除去効果が確認できた場合には、その有機酸は、当該細菌を殺菌してバイオフィルムを除去するのではなく、殺菌以外の作用にて形成されたバイオフィルムを除去できる有機酸であることが明らかになる。
(使用形態)
本発明のバイオフィルム除去剤の使用量は用途、剤型により適宜決定することができるが、バイオフィルムへ作用させる場面においては、通常、水溶液の状態で用いられ、その濃度は、バイオフィルム形成細菌と接触する時点の有効成分の濃度として0.001〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.05〜1重量%の範囲である。バイオフィルム形成細菌と接触する時点の濃度とは、バイオフィルムの存在している水溶液中に添加されたときの当該水溶液中における有効成分の濃度をいう。
したがって、バイオフィルム除去剤として有効成分が高濃度で調整されたものであって、使用時にバイオフィルムを含む水溶液中に添加することで希釈され、上記濃度範囲に入るようなものであってもよい。また、使用時にいったん適当な濃度まで希釈され、さらにバイオフィルムを含む水溶液中に添加されることで最終的に上記濃度範囲に入るようなものであってもよい。また、スポンジなどに含浸させてバイオフィルムを除去する場合、あるいはバイオフィルムの付着した膜を容器中に入れて、バイオフィルム除去剤を含む溶液に浸漬させて除去するような場合には、スポンジに含浸させる有効成分濃度や前記容器中に添加された有効成分濃度が前記濃度範囲のものであればよいことになる。
また、さらに、本発明のバイオフィルム除去剤中の有効成分濃度は、バイオフィルム形成細菌に対して殺菌作用を実質的に示さない濃度(最小殺菌濃度、以下単にMBCということがある)未満でも十分にバイオフィルム除去効果に優れるという性質を有している。MBCは常法に従い、測定して求めることができる。
本発明のバイオフィルム除去剤の使用量は用途、剤型により適宜決定することができるが、バイオフィルムへ作用させる場面においては、通常、水溶液の状態で用いられ、その濃度は、バイオフィルム形成細菌と接触する時点の有効成分の濃度として0.001〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.05〜1重量%の範囲である。バイオフィルム形成細菌と接触する時点の濃度とは、バイオフィルムの存在している水溶液中に添加されたときの当該水溶液中における有効成分の濃度をいう。
したがって、バイオフィルム除去剤として有効成分が高濃度で調整されたものであって、使用時にバイオフィルムを含む水溶液中に添加することで希釈され、上記濃度範囲に入るようなものであってもよい。また、使用時にいったん適当な濃度まで希釈され、さらにバイオフィルムを含む水溶液中に添加されることで最終的に上記濃度範囲に入るようなものであってもよい。また、スポンジなどに含浸させてバイオフィルムを除去する場合、あるいはバイオフィルムの付着した膜を容器中に入れて、バイオフィルム除去剤を含む溶液に浸漬させて除去するような場合には、スポンジに含浸させる有効成分濃度や前記容器中に添加された有効成分濃度が前記濃度範囲のものであればよいことになる。
また、さらに、本発明のバイオフィルム除去剤中の有効成分濃度は、バイオフィルム形成細菌に対して殺菌作用を実質的に示さない濃度(最小殺菌濃度、以下単にMBCということがある)未満でも十分にバイオフィルム除去効果に優れるという性質を有している。MBCは常法に従い、測定して求めることができる。
本発明のバイオフィルム除去剤を作用させておく時間は、付着しているバイオフィルムの量、バイオフィルム除去剤を作用させる有効成分の濃度、作用温度、物理力の有無により異なるが、通常は数秒から数時間の範囲である。
本発明のバイオフィルム除去剤の剤型としては、用途、目的に応じて、水、エタノール、イソプロパノールなどの溶剤に溶かした溶液、あるいは固体、ゲル状、乳化・分散状、粉末状、エアゾールなどが挙げられ、これらから適宜選択することができ、作用濃度に合わせた製品形態はもちろんのこと、高濃度の製品形態にしておき、使用場面において希釈して使用することも可能である。
本発明のバイオフィルム除去剤は、本発明の目的を損なわない範囲で、増粘剤、粘度調整剤、pH調整剤、溶剤、香料、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、蛍光剤、賦形剤、ソイルリリース剤、漂白剤、漂白活性化剤、粉末化剤、造粒剤、コーティング剤などを配合することができる。
本発明品はバイオフィルムが形成され問題となるような広い分野に使用することが可能である。例えば食品製造又は飲料製造プラント、台所、厨房、浴室、トイレ、キッチンなどの排水溝、排水管に応用できる。また、産業用の冷却タワーなどの冷却水系、水処理膜、脱塩装置、製紙工場などの循環水系路に応用できる。また、バイオフィルムが形成しやすい医療機器、例えば内視鏡やカテーテル、人工透析機等の洗浄剤にも応用できる。更に、高い安全性を有することから、身体を対象とした洗浄剤、歯磨き剤、口腔ケア剤、入れ歯ケア剤、コンタクトレンズ洗浄剤などに使用することも可能である。
以下本発明について実施例をもとに具体的に説明するが、本発明はなんらこれらに限定されるものではない。
以下本発明について実施例をもとに具体的に説明するが、本発明はなんらこれらに限定されるものではない。
1.バイオフィルム除去評価試験
(1)供試菌
Pseudomonas aeruginosa PAO1 NBRC106052株、および表1〜4に記載された各種菌株を用いた。
(2)評価対象物質
各表1〜4の有機酸。表中の濃度は、培地への添加後の最終濃度を示す。なお、有機酸の最終濃度である0.1%は、後述するように、供試菌の最終殺菌濃度(MBC)未満である。
(3)実験手順
(i)各供試菌は、TSB(Triptic Soy Broth, Bacto:Difco Laboratories)培地にグルコースを終濃度1%としたものを用い、120rpmの条件で前培養液を調整した。
(ii)各前培養液濃度が0.1%(v/v)となるように、それぞれの培地で希釈し、96穴プレートに150μL分注した。
(iii)各種細菌によるバイオフィルムの形成(前培養)を行った。
(a)Pseudomonas aeruginosa PAO1、Ocrobacterium pseudointermedium、Rhizobium sp、Acidovorax temperans、Cupriavidus gilardii、Aeromonas hydrophila、Klebsiella sp、Acinetobacter baumanii、Microbacterium barkeriは、37℃、600rpmの条件で17時間培養し、バイオフィルムを形成させた。
(b)Aeromonas salmonicida、Enterobacter asburiae、Citrobacter freundii、Stenotrophmonas maltophilia、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas veroniiは、30℃、600rpmの条件で17時間培養し、バイオフィルムを形成させた。
(iv)各穴の培養液を除去し、それぞれ蒸留水で2回リンスした。
(v)それぞれの無菌培地(pH=7.0)を各穴に200μL添加したものをネガティブコントロールとした。また、表1〜4に示された評価対象物質を培地に添加し、塩酸で培地pH=5.0に調整したものを評価対象とした。ただし、実施例2,3においては、表2,3に示すpHに調整した。
(vi)各菌は、前培養と同じ温度で3.5時間、600rpmで振盪し評価対象物質を含む培地とバイオフィルムを接触させた後、各穴の培地を除去し、蒸留水で二回リンスした。
(vii)各穴内に付着しているバイオフィルムにクリスタルバイオレット水溶液(0.4w/v%,20w/v%メタノール)250μLを加え、2分間静置、染色した後、蒸留水で三回リンスし、バイオフィルムに結合していないクリスタルバイオレット水溶液を除去した。
(viii)各穴に250μLのエタノールを添加、1時間静置し、染色されたバイオフィルムからクリスタルバイオレットを溶出させ、波長595nmで吸光度を測定した。
(vix)ネガティブコントロール測定値および各評価系列は5穴の平均値を測定値とし、下記計算式からバイオフィルムの除去率を算出した。算出された値について、下記判定基準に基づいて評価した。
バイオフィルム除去率(%)={1 −(評価対象測定値/ネガティブコントロール測定値)}×100
<判定基準>
◎ 除去効果が高い(除去率40%以上)
○ 除去効果がある(除去率20%以上〜40%未満)
× 除去効果がない(除去率20%未満)
(1)供試菌
Pseudomonas aeruginosa PAO1 NBRC106052株、および表1〜4に記載された各種菌株を用いた。
(2)評価対象物質
各表1〜4の有機酸。表中の濃度は、培地への添加後の最終濃度を示す。なお、有機酸の最終濃度である0.1%は、後述するように、供試菌の最終殺菌濃度(MBC)未満である。
(3)実験手順
(i)各供試菌は、TSB(Triptic Soy Broth, Bacto:Difco Laboratories)培地にグルコースを終濃度1%としたものを用い、120rpmの条件で前培養液を調整した。
(ii)各前培養液濃度が0.1%(v/v)となるように、それぞれの培地で希釈し、96穴プレートに150μL分注した。
(iii)各種細菌によるバイオフィルムの形成(前培養)を行った。
(a)Pseudomonas aeruginosa PAO1、Ocrobacterium pseudointermedium、Rhizobium sp、Acidovorax temperans、Cupriavidus gilardii、Aeromonas hydrophila、Klebsiella sp、Acinetobacter baumanii、Microbacterium barkeriは、37℃、600rpmの条件で17時間培養し、バイオフィルムを形成させた。
(b)Aeromonas salmonicida、Enterobacter asburiae、Citrobacter freundii、Stenotrophmonas maltophilia、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas veroniiは、30℃、600rpmの条件で17時間培養し、バイオフィルムを形成させた。
(iv)各穴の培養液を除去し、それぞれ蒸留水で2回リンスした。
(v)それぞれの無菌培地(pH=7.0)を各穴に200μL添加したものをネガティブコントロールとした。また、表1〜4に示された評価対象物質を培地に添加し、塩酸で培地pH=5.0に調整したものを評価対象とした。ただし、実施例2,3においては、表2,3に示すpHに調整した。
(vi)各菌は、前培養と同じ温度で3.5時間、600rpmで振盪し評価対象物質を含む培地とバイオフィルムを接触させた後、各穴の培地を除去し、蒸留水で二回リンスした。
(vii)各穴内に付着しているバイオフィルムにクリスタルバイオレット水溶液(0.4w/v%,20w/v%メタノール)250μLを加え、2分間静置、染色した後、蒸留水で三回リンスし、バイオフィルムに結合していないクリスタルバイオレット水溶液を除去した。
(viii)各穴に250μLのエタノールを添加、1時間静置し、染色されたバイオフィルムからクリスタルバイオレットを溶出させ、波長595nmで吸光度を測定した。
(vix)ネガティブコントロール測定値および各評価系列は5穴の平均値を測定値とし、下記計算式からバイオフィルムの除去率を算出した。算出された値について、下記判定基準に基づいて評価した。
バイオフィルム除去率(%)={1 −(評価対象測定値/ネガティブコントロール測定値)}×100
<判定基準>
◎ 除去効果が高い(除去率40%以上)
○ 除去効果がある(除去率20%以上〜40%未満)
× 除去効果がない(除去率20%未満)
2.MBC(最小殺菌濃度)未満での生育確認試験
各供試菌の各有機酸のMBCについては、周知の抗菌剤の評価方法により求め、当該MBC未満で細菌が生存するかどうかを確認した。下記方法によりMBCを求めた結果、MBC未満の濃度として0.1%を採用し、生育確認試験に用いた。
(1) MIC試験
以下の試験の結果、目視で白濁した有機酸希釈列のうち最も低い濃度をMICとした。
有機酸を感受性試験用ブイヨン培地で段階的に希釈し、合計10mLの有機酸希釈列(ただし目的濃度の1.1倍)を調製した。そこに108cfu/mLに調製した菌液を20μL添加し、96穴マイクロプレートミキサーで37℃、24時間振とう培養(2,000rpm)した。
(2) MBC試験
以下の試験の結果、目視で白濁した有機酸希釈列のうち最も低い濃度をMBCとした。
MIC試験後の有機酸希釈列を2μL採取し、同上培地200μLの入った96穴マイクロプレートに移し37℃、24時間マイクロプレートミキサーで振とう培養(2,000rpm)した。
各供試菌の各有機酸のMBCについては、周知の抗菌剤の評価方法により求め、当該MBC未満で細菌が生存するかどうかを確認した。下記方法によりMBCを求めた結果、MBC未満の濃度として0.1%を採用し、生育確認試験に用いた。
(1) MIC試験
以下の試験の結果、目視で白濁した有機酸希釈列のうち最も低い濃度をMICとした。
有機酸を感受性試験用ブイヨン培地で段階的に希釈し、合計10mLの有機酸希釈列(ただし目的濃度の1.1倍)を調製した。そこに108cfu/mLに調製した菌液を20μL添加し、96穴マイクロプレートミキサーで37℃、24時間振とう培養(2,000rpm)した。
(2) MBC試験
以下の試験の結果、目視で白濁した有機酸希釈列のうち最も低い濃度をMBCとした。
MIC試験後の有機酸希釈列を2μL採取し、同上培地200μLの入った96穴マイクロプレートに移し37℃、24時間マイクロプレートミキサーで振とう培養(2,000rpm)した。
[実施例1]各種有機酸のバイオフィルム除去効果とLogPow値との関係
表1に示す各種の有機酸を評価物質として、供試菌としてバイオフィルム形成細菌のモデル細菌であるPseudomonas aeruginosa PA01を用いて前記バイオフィルム除去評価試験およびMBC未満での生育確認試験を行った。
結果を表1に示す。表中の有機酸の各LogPow値(オクタノール/水分配係数)は、原子タイプの線形和と考えるLOGP値の予測手法XLOGP3(J Chem Inf Model. 2007 Nov-Dec; 47(6):2140-8.)による値を採用した。
本結果によれば、バイオフィルム除去効果がある有機酸は、−0.2以上かつ3.7未満のLogPow値を有するものであることが判明した。0.2未満または3.7以上の有機酸は、バイオフィルム除去効果がない、あるいはむしろ増加させるものであることがわかった。
また、いずれの有機酸を添加した場合でも、MBC未満での生育確認試験において生存が観察された。したがって、0.1%という最小殺菌濃度(MBC)未満の添加によって生存が確認されていることから、バイオフィルム形成細菌を殺滅せずに、かつ、形成されたバイオフィルムを除去することができることがわかった。
以上より、バイオフィルムの形成される水環境において、存在する細菌の生態系には影響を及ぼさずに不要なバイオフィルムのみを効果的に除去できるという効果があるといえる。
表1に示す各種の有機酸を評価物質として、供試菌としてバイオフィルム形成細菌のモデル細菌であるPseudomonas aeruginosa PA01を用いて前記バイオフィルム除去評価試験およびMBC未満での生育確認試験を行った。
結果を表1に示す。表中の有機酸の各LogPow値(オクタノール/水分配係数)は、原子タイプの線形和と考えるLOGP値の予測手法XLOGP3(J Chem Inf Model. 2007 Nov-Dec; 47(6):2140-8.)による値を採用した。
本結果によれば、バイオフィルム除去効果がある有機酸は、−0.2以上かつ3.7未満のLogPow値を有するものであることが判明した。0.2未満または3.7以上の有機酸は、バイオフィルム除去効果がない、あるいはむしろ増加させるものであることがわかった。
また、いずれの有機酸を添加した場合でも、MBC未満での生育確認試験において生存が観察された。したがって、0.1%という最小殺菌濃度(MBC)未満の添加によって生存が確認されていることから、バイオフィルム形成細菌を殺滅せずに、かつ、形成されたバイオフィルムを除去することができることがわかった。
以上より、バイオフィルムの形成される水環境において、存在する細菌の生態系には影響を及ぼさずに不要なバイオフィルムのみを効果的に除去できるという効果があるといえる。
[実施例2] pHの違いによる有機酸のバイオフィルム除去効果確認試験(1)
表1においてバイオフィルム除去効果のあった有機酸のうち、代表例としてピメリン酸を選択し、供試菌としてPseudomonas aeruginosa PAO1を用いて、pH条件の違いによるバイオフィルム除去試験を行った。前述の「バイオフィルム除去評価試験方法」の(v)では塩酸により培地のpHを5に調整しているが、本実施例では、下記表2に示すpHに調整した。
結果を表2に示す。
本結果によれば、培地pHが6以上であるとバイオフィルム除去効果がなく、培地pHが6未満であればピメリン酸のバイオフィルム除去効果に優れることがわかった。
表1においてバイオフィルム除去効果のあった有機酸のうち、代表例としてピメリン酸を選択し、供試菌としてPseudomonas aeruginosa PAO1を用いて、pH条件の違いによるバイオフィルム除去試験を行った。前述の「バイオフィルム除去評価試験方法」の(v)では塩酸により培地のpHを5に調整しているが、本実施例では、下記表2に示すpHに調整した。
結果を表2に示す。
本結果によれば、培地pHが6以上であるとバイオフィルム除去効果がなく、培地pHが6未満であればピメリン酸のバイオフィルム除去効果に優れることがわかった。
[実施例3] pHの違いによる有機酸のバイオフィルム除去効果確認試験(2)
表1においてバイオフィルム除去効果のあった有機酸のうち、ピメリン酸以外の有機酸である、アゼライン酸、セバシン酸、ソルビン酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、オクタン酸についても、実施例2と同様の試験を行った。
結果を表3に示す。
本結果によれば、いずれの有機酸についても、培地pHが6以上であるとバイオフィルム除去効果がないことがわかった。また、培地pHが5.5については、一部の有機酸には効果があるが、一部の有機酸には効果がないことがわかった。したがって、バイオフィルムの除去効果におよぼす酸性条件は、pH6以上では効果はなく、6未満であれば効果があり、さらに5.5未満であることが望ましく、5.0以下であればよりいっそう望ましいともいえる。そして、限界点については、各有機酸の種類により当業者が適宜その効果に応じて設定することができる。
表1においてバイオフィルム除去効果のあった有機酸のうち、ピメリン酸以外の有機酸である、アゼライン酸、セバシン酸、ソルビン酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、オクタン酸についても、実施例2と同様の試験を行った。
結果を表3に示す。
本結果によれば、いずれの有機酸についても、培地pHが6以上であるとバイオフィルム除去効果がないことがわかった。また、培地pHが5.5については、一部の有機酸には効果があるが、一部の有機酸には効果がないことがわかった。したがって、バイオフィルムの除去効果におよぼす酸性条件は、pH6以上では効果はなく、6未満であれば効果があり、さらに5.5未満であることが望ましく、5.0以下であればよりいっそう望ましいともいえる。そして、限界点については、各有機酸の種類により当業者が適宜その効果に応じて設定することができる。
[実施例4]
表1においてバイオフィルム除去効果のあった無水マレイン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、オクタン酸について、供試菌としてPseudomonas aeruginosa PAO1に換えて製紙工場の各工程、分離膜、歯垢、海洋など幅広く採取し分離した各種の菌について、バイオフィルム除去評価試験およびMBC未満での生育確認試験を行った。
結果を表4に示す。比較のために、表1においてバイオフィルム除去効果のなかったコハク酸およびオレイン酸についても同様に試験を行った。
各菌の採取および分離は常法に従って行い、バイオフィルム形成能を有する菌株を選抜した。また、菌の属種は、16srDNAの解析を行い、表中かっこ内に記載した菌株の16srDNAとの同一性により同定した。
本結果によれば、本発明の特定範囲のLogPowを有する有機酸は、Pseudomonas aeruginosa PAO1によるバイオフィルムだけではなく、幅広くバイオフィルム除去効果を有しており、特に、製紙工場の分離膜などに形成されるバイオフィルム形成細菌に対して高い除去効果を有することがわかった。
また、いずれの有機酸を添加した場合でも、いずれの菌種に対してもMBC未満での生育確認試験において生存が観察された。したがって、0.1%という最小殺菌濃度(MBC)未満の添加によって生存が確認されていることから、バイオフィルム形成細菌を殺滅せずに、かつ、形成されたバイオフィルムを除去することができることがわかった。
表1においてバイオフィルム除去効果のあった無水マレイン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、オクタン酸について、供試菌としてPseudomonas aeruginosa PAO1に換えて製紙工場の各工程、分離膜、歯垢、海洋など幅広く採取し分離した各種の菌について、バイオフィルム除去評価試験およびMBC未満での生育確認試験を行った。
結果を表4に示す。比較のために、表1においてバイオフィルム除去効果のなかったコハク酸およびオレイン酸についても同様に試験を行った。
各菌の採取および分離は常法に従って行い、バイオフィルム形成能を有する菌株を選抜した。また、菌の属種は、16srDNAの解析を行い、表中かっこ内に記載した菌株の16srDNAとの同一性により同定した。
本結果によれば、本発明の特定範囲のLogPowを有する有機酸は、Pseudomonas aeruginosa PAO1によるバイオフィルムだけではなく、幅広くバイオフィルム除去効果を有しており、特に、製紙工場の分離膜などに形成されるバイオフィルム形成細菌に対して高い除去効果を有することがわかった。
また、いずれの有機酸を添加した場合でも、いずれの菌種に対してもMBC未満での生育確認試験において生存が観察された。したがって、0.1%という最小殺菌濃度(MBC)未満の添加によって生存が確認されていることから、バイオフィルム形成細菌を殺滅せずに、かつ、形成されたバイオフィルムを除去することができることがわかった。
本発明によれば、比較的低極性の有機酸という扱いやすい成分を有効成分とすることにより、効率的なバイオフィルム除去剤を提供することができる。特に、製紙工場の製紙工程や水分離膜、冷却塔などの水に接する経路で形成されるバイオフィルムに対して有効な除去剤を提供することができる。また、本発明のバイオフィルム除去剤は、対象とするバイオフィルム形成細菌を殺滅しないような低濃度でもバイオフィルム除去効果を有することから、使用する水環境の菌相への影響を考慮する必要もなく安心である。また、このような有機酸を含む排水の水処理においても従来通りに処理することが可能である。
Claims (14)
- オクタノール/水分配係数が−0.2以上でありかつ3.7未満である、有機酸、有機酸の塩またはエステルからなる群より選ばれる1種以上を有効成分として含有するバイオフィルム除去剤。
- pH6未満の酸性領域下で使用される請求項1に記載のバイオフィルム除去剤。
- 有機酸が、パラフィン系炭化水素のカルボン酸又はオレフィン系炭化水素のカルボン酸である請求項1または2に記載のバイオフィルム除去剤。
- 有効成分が、バイオフィルム形成細菌に対して殺菌作用を実質的に示さない濃度(最小殺菌濃度(MBC))未満で使用される請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオフィルム除去剤。
- バイオフィルム形成細菌が、製紙工程、分離膜または冷却水工程に出現する細菌である請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイオフィルム除去剤。
- バイオフィルム形成細菌が、グラム陰性細菌である請求項1〜5のいずれか1項に記載のバイオフィルム除去剤。
- バイオフィルム形成細菌が、アクチノバクテリア門ミクロバクテリウム、デイノコッカス門デイノコッカス、プロテオバクテリア門オクロバクテラム、アシドヴォラックス、エロモナス、クレブシエラ、アシネトバクター、エンテロバクター、シトロバクター、ステノトロフモナス、シュードモナス、リゾビウム、カピリアビダス属に属する細菌である請求項1〜5のいずれか1項に記載のバイオフィルム除去剤。
- バイオフィルムの除去方法であって、
以下のバイオフィルム除去剤を、バイオフィルム形成細菌と接触させる工程を含む前記方法。
バイオフィルム除去剤;
オクタノール/水分配係数が−0.2以上であり、かつ3.7未満である、有機酸、有機酸の塩またはエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を有効成分とする - 前記工程が、pH6未満の酸性領域下で行われる工程である請求項8に記載の方法。
- 有機酸が、パラフィン系炭化水素のカルボン酸又はオレフィン系炭化水素のカルボン酸である請求項8又は9に記載のバイオフィルム除去方法。
- 前記工程が、有効成分が、バイオフィルム形成細菌に対して殺菌作用を実質的に示さない濃度(最小殺菌濃度(MBC))でバイオフィルムを形成する細菌と接触させる工程である、請求項8〜10のいずれか1項に記載のバイオフィルム除去方法。
- バイオフィルム形成細菌が、製紙工程、分離膜または冷却水工程に出現する細菌である請求項8〜11のいずれか1項に記載のバイオフィルム除去方法。
- バイオフィルム形成細菌が、グラム陰性細菌である請求項8〜12のいずれか1項に記載のバイオフィルム除去方法。
- バイオフィルム形成細菌が、アクチノバクテリア門ミクロバクテリウム、デイノコッカス門デイノコッカス、プロテオバクテリア門オクロバクテラム、アシドヴォラックス、エロモナス、クレブシエラ、アシネトバクター、エンテロバクター、シトロバクター、ステノトロフモナス、シュードモナス、リゾビウム、カピリアビダス属に属する細菌である請求項8〜12のいずれか1項に記載のバイオフィルム除去方法。
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JP2019183021A (ja) * | 2018-04-12 | 2019-10-24 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | バイオフィルム形成抑制コート剤及びバイオフィルム形成抑制積層体 |
CN113811514A (zh) * | 2019-05-10 | 2021-12-17 | 花王株式会社 | 生物膜的除去方法 |
-
2013
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KR20180024196A (ko) * | 2016-08-29 | 2018-03-08 | 롯데케미칼 주식회사 | 분리막의 세정 방법 |
KR101967510B1 (ko) * | 2016-08-29 | 2019-04-09 | 롯데케미칼 주식회사 | 분리막의 세정 방법 |
JP2019183021A (ja) * | 2018-04-12 | 2019-10-24 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | バイオフィルム形成抑制コート剤及びバイオフィルム形成抑制積層体 |
CN113811514A (zh) * | 2019-05-10 | 2021-12-17 | 花王株式会社 | 生物膜的除去方法 |
CN113811514B (zh) * | 2019-05-10 | 2023-09-19 | 花王株式会社 | 生物膜的除去方法 |
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