JP7151203B2 - 細胞培養培地添加剤、細胞培養培地及び細胞凝集塊の製造方法 - Google Patents

細胞培養培地添加剤、細胞培養培地及び細胞凝集塊の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、細胞培養培地添加剤、該添加剤を含む細胞培養培地、該該添加剤を用いた細胞凝集塊の製造方法に関する。
化学物質や医薬品等の薬効及び毒性評価、抗体などの有用物質の大量生産、再生医療等の分野で利用される動物細胞は、シャーレやマルチウェルプレート、袋状容器などの培養容器内で培養されることが多い。
培養容器内の細胞は、例えば、培養容器の表面に接着し、培養容器の培養面上で伸展することにより2次元的に増殖する。しかし、2次元的に増殖した細胞は生体内と環境が大きく異なるため、生体内における形態や機能を発現しない場合があり、3次元的な細胞凝集塊を形成させる方が、その機能維持に有利であると言われている。
そこで、細胞が接着しにくい培養容器による細胞凝集塊を形成する技術が開示されている。例えば、非特許文献1には、親水性のポリヒドロキシエチルメタクリレートを塗布した培養器具で、肝細胞がスフェロイドを形成することが報告されている。また、特許文献1には、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとブチルメタクリレートとの共重合体がコーティングされた培養容器が開示されている。
EXPERIMENTALCELLRESEARCH,200,326-332(1992)
国際公開第2005/001019号
しかし、非特許文献1や特許文献1に開示されるような技術では、培養容器の表面をコーティング剤で処理するためのコストや時間がかかってしまう。また、ポリスチレン表面に減圧した空気、アルゴンガス等の雰囲気下で高電圧をかけ、プラズマを発生させて表面にラジカルを生成させ、このラジカルに水蒸気や酸素を接触反応させ、水酸基やカルボキシル器などの親水性の官能基を生成させる方法も利用されているが、このような方法では、プラズマ処理後、ポリスチレン表面が徐々に疎水性に変化していき、親水性な表面状態を保持できず、3次元的な細胞凝集塊を形成することができないという問題があった。
上記事情に鑑み、本発明の目的は、コストや手間の増加を伴わずに3次元的な細胞凝集塊を作製するための、細胞培養培地添加剤、該添加剤を含む細胞培養培地、該該添加剤を用いた細胞凝集塊の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は以下の〔1〕~〔8〕に関する。
〔1〕 アクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)とを有する重合体(a)を含み、
該重合体(a)に含まれる、ポリエチレンオキサイド部分(A2)の質量/[アクリル系ポリマー部分(A1)の質量とポリエチレンオキサイド部分(A2)の質量との合計]が0.05~0.5である、細胞培養培地添加剤。
〔2〕 前記重合体(a)に含まれるアクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)とが、下記式(IA)、(IB)又は(IC)のいずれかの構造を介して結合してなる、〔1〕に記載の細胞培養培地添加剤。
Figure 0007151203000001
〔3〕 前記重合体(a)に含まれるアクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)とが、下記式(IA)の構造を介して結合してなる、〔1〕又は〔2〕に記載の細胞培養培地添加剤。
Figure 0007151203000002
〔4〕 前記重合体(a)中のアクリル系ポリマー部分(A1)が、水/1-オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上2以下であるアクリル系モノマーから形成される、〔1〕~〔3〕いずれか1項に記載の細胞培養培地添加剤。
〔5〕 前記重合体(a)が、下記一般式(II)で示されるポリエチレンオキサイド部分(A2)を有し、且つ質量平均分子量が5,000~10万である高分子アゾ重合開始剤を用いて前記アクリル系モノマーを重合してなる重合体である、〔4〕に記載の細胞培養培地添加剤。
Figure 0007151203000003
(一般式(II)中、m及びnは、それぞれ1以上の整数を示す。)
〔6〕 〔1〕~〔5〕いずれか1項に記載の細胞培養培地添加剤を含む細胞培養培地で細胞を培養して細胞凝集塊を形成する、細胞凝集塊の製造方法。
〔7〕 前記細胞培養培地における前記重合体(a)の濃度が0.01質量%以上1質量%以下である、〔6〕に記載の細胞凝集塊の製造方法。
〔8〕 〔1〕~〔5〕いずれか1項に記載の細胞培養培地添加剤を含む、細胞培養培地。
〔9〕 前記細胞培養培地中の前記重合体(a)の濃度が0.01質量%以上1質量%以下である、〔8〕に記載の細胞培養培地。
本発明の細胞培養培地添加剤はタンパク質に対する接着性が低いという性能を安定して発現できる。この細胞培養培地添加剤を培地に添加することで、コストや手間の増加を伴わずに簡便に細胞凝集塊の作製を行うことが可能になる。
すなわち、本発明により、コストや手間の増加を伴わずに3次元的な細胞凝集塊を作製するための、細胞培養培地添加剤、該添加剤を含む細胞培養培地、該該添加剤を用いた細胞凝集塊の製造方法を提供することができる。
<細胞培養培地添加剤>
本発明の細胞培養培地添加剤は、アクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)とを有する重合体(a)を含み、該重合体(a)に含まれる、ポリエチレンオキサイド部分(A2)の質量/[アクリル系ポリマー部分(A1)の質量とポリエチレンオキサイド部分(A2)の質量との合計]が0.05~0.5であることを特徴とする。このような重合体(a)を含むことで、細胞が基材に接着することなく、細胞同士が集まった3次元的な細胞凝集塊を形成する効果を発揮する。
<重合体(a)>
本発明における重合体(A)は、アクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)とを有する重合体であり、該重合体(a)に含まれる、ポリエチレンオキサイド部分(A2)の質量/[アクリル系ポリマー部分(A1)の質量とポリエチレンオキサイド部分(A2)の質量との合計]が0.05~0.5である。ポリエチレンオキサイド部分は、以下、PEG部分ということがある。
重合体(Aa)は、前記の部分を両方とも主鎖に有する構造、アクリル系ポリマー部分(A1)を主鎖とし、その側鎖部位にポリエチレンオキサイド部分(A2)を有する構造の少なくともいずれかを有し、前記構造を両方とも有していてもよい。
本発明では、アクリル系ポリマー部分(A1)とは、アクリロイル基及び又はメタクリロイル基を少なくとも一つ有する(メタ)アクリル系モノマーを全モノマーの内10%以上含むポリマー部分を指す。
アクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)とを有する重合体(a)は、アクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)とが、下記式(IA)、(IB)又は(IC)のいずれかの構造(結合構造)を介して結合されていることが好ましい。その合成方法については、後述するが、特に限定されない。なお、重合体(a)は、下記式(IA)~(IC)のいずれか一以上の結合構造を含むことが好ましいが、これら以外の結合構造を一部に含んでいてもよい。下記式(IA)の構造を介して結合してなる重合体であることがより好ましい。
Figure 0007151203000004
[主鎖部位にポリエチレンオキサイド部分(A2)を有する場合]
アクリル系ポリマー部分(A1)及びポリエチレンオキサイド部分(A2)を共に主鎖に有する重合体について、結合構造ごとに説明する。このような重合体は、後述するとおり、特定の官能基を有するラジカル開始剤を用いてアクリル系ポリマーを合成した後に、特定官能基を起点に、PEG部分(A2)を導入する方法、及び、アクリル系ポリマーを合成する際のラジカル重合開始剤として、下記式(II)で示される、PEG部分(A2)とアゾ基を含む構造単位を有する高分子アゾ重合開始剤を用いる方法、により得ることができる。
(式(IA)の構造を介して結合してなる場合)
上記の式(IA)で示される結合構造を有する重合体の合成方法の一例を挙げる。
例えば、ラジカル重合開始剤としてカルボキシル基を有する4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)を用いてアクリル系ポリマーを合成すると、末端にカルボキシル基を有するアクリル樹脂が得られる。これに、PEG部分(A2)を構成する原料としてポリエチレングリコールを加え、エステル化反応をさせることで、アクリル系ポリマー部分(A1)と、PEG部分(A2)とが上記式(IA)で結合してなる重合体を得ることができる。
あるいは、上記の式(IA)で示される結合構造を有する重合体は、アクリル系ポリマーを合成する際のラジカル重合開始剤として、下記式(II)で示される、PEG部分(A2)とアゾ基を含む構造単位を有する高分子アゾ重合開始剤を用いて好ましく合成することができる。高分子アゾ重合開始剤は、高分子セグメントとアゾ基(-N=N-)が繰り返し結合した構造を有しており、本実施形態では、高分子セグメントとしてPEG部分(A2)を含む高分子アゾ開始剤を用いることで、容易にブロック重合体を合成できる。
Figure 0007151203000005

(一般式(II)中、m及びnは、それぞれ1以上の整数を示す。)
高分子アゾ重合開始剤を用いる場合、該開始剤中に含まれるアゾ基のモル数に対する、アクリル系モノマーの全モル数の比率を適宜変更することによって、ブロック重合体の質量平均分子量の調整ができる。例えば、高分子アゾ重合開始剤中に含まれるアゾ基のモル数に対する、アクリル系モノマーの全モル数の比率が200であると、200量体のアクリル系ポリマーがPEG鎖の間に組み込まれることになり、ポリマーの絡み合いによる高い凝集力を付与することができる。
高分子アゾ重合開始剤の質量平均分子量は、5,000~10万程度であることが好ましく、1万~5万程度であることがより好ましい。また、該開始剤のPEG部分の分子量は、800~1万程度であることが好ましく、1,000~8,000程度であることがより好ましい。また、好ましくはmは15~200、より好ましくはmは20~100であり、好ましくはnは3~50、より好ましくはnは4~30である。
前記高分子アゾ重合開始剤は、PEG部分(A2)を有しているため、水、アルコール、及び有機溶剤に可溶であり、溶液重合、乳化重合、又は分散重合によりブロック重合体の合成が可能である。また、分子鎖骨格中に重合開始部分(ラジカル発生部分:―N=N-)を有しているため、別途重合開始剤を使用する必要がなく、さらには末端反応性マクロモノマーに比べてラジカルの反応性、及び安定性が高いという特徴を有している。
前記高分子アゾ重合開始剤は、・C(CH)CN-(CH-COO-(CHCHO)-CO-(CH-C(CH)CN・にて示されるようなラジカルを生じ、後述するアクリル系モノマーを重合させる。そして、アクリル系モノマーから形成されるアクリル系ポリマー部分(A1)と前記ラジカル由来の部分とが結合した主鎖を形成し、ブロック重合体を形成する。PEG部分(A2)は、ラジカルの一部に由来する。
高分子アゾ重合開始剤の具体例としては、和光純薬製の高分子アゾ開始剤VPE-0201(上記式(II)の(CHCHO)の部分の分子量が約2000、nが6程度)などが例示される。
高分子アゾ重合開始剤の他に、2,2’-アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ開始剤や、過酸化ベンゾイルのうようなの有機過酸化物開始剤を併用することができる。これらの開始剤を併用することにより、開始効率を高め、効率よくアクリル系ポリマー部分(A1)にPEG部分(A2)に組み込むことができ、残留モノマーを減らすことができる。
重合体(a)合成時には、用途に応じてラウリルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、α-メチルスチレンダイマー、リモネン等の連鎖移動剤を使用して、分子量や末端構造を制御しても良い。
(式(IB)の構造を介して結合してなる場合)
次に、アクリル系ポリマー部分(A1)と、PEG部分(A2)とが上記式(IB)の構造を介して結合してなるブロック重合体の合成方法について説明する。
例えば、アクリル系ポリマー部分(A1)とPEG部分(A2)とが、上記式(IB)の構造を介して結合してなるブロック重合体は、アクリル系モノマーを、ヒドロキシ基を有するアゾ重合開始剤を用いて重合し、末端にヒドロキシ基を有するアクリル系ポリマーブロックを得る工程、及び前記アクリル系ポリマーブロック及びポリエチレングリコールと、2官能のイソシアネート化合物とをウレタン化反応させる工程を含む方法により製造することができる。
例えば、ラジカル重合開始剤としてヒドロキシル基を有する2,2’-アゾビス[N-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチルプロパンアミド]を用いてアクリル系ポリマーを合成すると、末端にヒドロキシル基を有するアクリル樹脂が得られる。これに、PEG部分を構成する原料としてポリエチレングリコールを加え、2官能イソシアネート化合物を用いてウレタン化反応させることで、アクリル系ポリマー部分(A1)と、PEG部分(A2)とが上記式(IB)の構造を介して結合してなるブロック重合体を得ることができる。
ウレタン化反応の際用いられる2官能イソシアネート化合物としては、例えば、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。
(式(IC)の構造を介して結合してなる場合)
さらに、アクリル系ポリマー部分(A1)と、PEG部分(A2)とが上記式(IC)の構造を介して結合してなるブロック重合体の合成方法について説明する。
例えば、アクリル系ポリマー部分とポリエチレンオキサイド部分とが、上記式(IC)の構造により結合してなるブロック重合体は、アクリル系モノマーを、カルボキシル基を有するアゾ重合開始剤を用いて重合し、カルボキシル基を有するアクリル系ポリマーブロックを得る工程、及び前記アクリル系ポリマーブロックにポリエチレングリコールをエステル化反応させる工程を含む方法により製造することができる。
例えば、ラジカル重合開始剤として2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]4水和物を用いてアクリル系ポリマーを合成すると、末端にカルボキシル基を有するアクリル樹脂が得られる。これに、PEG部分を構成する原料としてポリエチレングリコールを加え、エステル化反応をさせることで、アクリル系ポリマー部分(A1)と、PEG部分(A2)とが上記式(IC)の構造を介して結合してなるブロック重合体を得ることができる。
なお、式(IB)~(IC)のいずれかの構造を介して結合してなるブロック重合体を得る際に、上記のような高分子ではないアゾ重合開始剤を用いる場合も、高分子アゾ重合開始剤を用いる際に併用し得るものとして記載した「他の開始剤」も適宜併用することができる。また、連鎖移動剤も適宜使用できる。
[側鎖部位にポリエチレンオキサイド部分(A2)を有する場合]
次に、アクリル系ポリマー部分(A1)を主鎖とし、その側鎖部位にポリエチレンオキサイド部分(A2)を有する重合体について説明する。このような重合体は、ポリエチレンオキサイドを有する(メタ)アクリル系モノマーを他のモノマーと共重合することで得ることができる。
ポリエチレンオキサイドを有する(メタ)アクリル系モノマーとしては特に限定はされないが、例えば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n-ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n-ペンタキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
などが挙げられる。
なお、これらのモノマーは、アクリル系ポリマー部分(A1)も形成するが、ポリエチレンオキサイド部分(A2)も形成するものである。そこで、これらのモノマーは、アクリル系ポリマー部分(A1)には含めないこととする。
<水/1-オクタノール分配係数(LogP)>
本発明では、アクリル系ポリマー部分(A1)が、水/1-オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上2以下であるアクリル系モノマーから形成されることが望ましい。LogPの平均値が0以上である場合、親水性であるポリエチレンオキサイド部分(A2)に対してアクリル系ポリマー部分(A1)が疎水性となるため、重合体(a)が疎水性相互作用を発現することができる。また、LogPの平均値が2以下であることにより、重合体(a)を培地に添加した際に析出せず、可溶性を示すようになる。
LogPは、化学物質の性質を表す数値の一つであり、添加量に依存しない一定の値である。対象とする物質が、水と1-オクタノールの混合液において、水相とオクタノール相が接した系中で平衡状態にある場合を対象として、各相の濃度をその常用対数で示したものである。LogPが大きくなると、比較的に疎水性が増大する傾向があり、LogPが小さくなると、比較的に親水性が増大する傾向がある。
LogPの測定は、一般にJIS日本工業規格Z7260-107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。また、LogPは実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。LogPの計算に用いる方法やソフトウェアについては公知のものを用いることができるが、本発明ではCambridgeSoft社のシステム:ChemdrawPro11.0に組み込まれたプログラムを用い、LogPを求めている。
水/1-オクタノール分配係数(LogP)が0以上2以下であるモノマーとしては、特に限定はされないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチルアクリレート等のアルキルエステル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルメトキシメチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシメチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、2-(2-メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-[2-(2-エトキシエトキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有モノマー;
(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、ブタジエン、イソプレンなどのビニル基含有モノマー; N-ビニルピロリドン、N-ビニル-ε-カプロラクタム、1-ビニルイミダゾール、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-カルボキシエチル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端にカルボキシル基を有するアルキレンオキサイド付加系コハク酸(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有モノマーなどが挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。これらの化合物のうち、特に2-メトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートが経済性や操作性の点から好ましい。
本発明では、使用するアクリル系モノマーのLogPが0~2の範囲であれば、ホモポリマー部分の原料として使用することができる。また、使用する(メタ)アクリル系モノマーのLogPが0~2の範囲外であっても、その他の(メタ)アクリル系モノマーを含めたLogPの質量平均値が0~2の範囲であれば、コポリマー部分の原料として使用することができる。
LogPが0~2の範囲外のモノマーの中で、例えば、アルキル基の炭素数が5~20のアクリレート、アルキル基の炭素数が4~20のメタクリレート、スチレンなどのビニル基含有モノマー、マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマー、4-ヒドロキシスチレン、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有モノマーなどが挙げられる。
重合体(A)を構成する親水性に富むポリエチレンオキサイド部分(A2)と疎水性に富むアクリル系ポリマー部分(A1)のバランスにより、細胞の凝集塊形成性を効果的に制御し得る。重合体(A)は、ポリエチレンオキサイド部分(A2)の質量/[アクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)との合計の質量]は、0.05~0.5であることが好ましく、0.1~0.4であることがより好ましい。即ち、5~50質量%であることが好ましく、10~40質量%であることがより好ましい。
<分子量>
重合体(a)の質量平均分子量Mwは、10,000~300,000であることが好ましい。分子量が10,000未満である場合や300,000より大きい場合、感度よく分析を行えなくなる可能性がある。また、分子量が300,000より大きい場合、粘度が高く、使用上問題が生じる可能性がある。
<質量平均分子量(Mw)の測定方法>
Mwの測定は昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「GPC-101」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーである。本発明における測定は、カラムに「KF-805L」(昭和電工社製:GPCカラム:8mmID×300mmサイズ)を直列に2本接続して用い、試料濃度1wt%、流量1.0ml/min、圧力3.8MPa、カラム温度40℃の条件で行い、質量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。データ解析はメーカー内蔵ソフトを使用して検量線及び分子量、ピーク面積を算出し、保持時間15~30分の範囲を分析対象として質量平均分子量を求めた。
<細胞凝集塊の製造方法>
本実施形態に係る細胞凝集塊の製造方法では、前述の共重合体(a)を含む細胞培養培地添加剤を細胞培養培地に添加する。共重合体を培地に添加することにより、細胞が培養容器に接着しなくなる。そのため、本実施形態に係る製造方法では、静置培養にて細胞凝集塊を容易に形成することができる。
本発明において共重合体(a)の添加量は、細胞培養培地に対して0.01質量%以上5質量%以下の範囲で使用することが好ましく、共重合体(a)の添加量が培地に対して0.05質量%より多い場合に細胞凝集塊を特に良好に形成することができる。また、培地への溶解性の観点から、共重合体(a)の添加量は培地に対して1質量%以下であることが好ましい。
本実施形態に係る細胞凝集塊の製造方法を適用可能な動物細胞は特に限定されない。このような動物細胞としては、例えば、ヒト、マウス、ラットなどの哺乳類由来細胞が挙げられる。
本実施形態に利用可能な細胞培養培地は特に限定されない。このような培地としては、例えば、市販されている各種培地(αMEM、MEM、DMEM、IMDEM、RPMI1640、DMEM/F12等)や、これらの組み合わせが挙げられる。
細胞培養培地には、必要に応じて、各種増殖因子(上皮成長因子やインスリン様成長因子、神経成長因子、肝細胞増殖因子、血管内皮増殖因子、塩基性繊維芽細胞増殖因子、トランスフェリン、ステロイドホルモン、2-メルカプトエタノール等)や各種動物血清(ウシ胎児血清(FBS)やウシ血清等)、血清代替物などが添加される。
本実施形態に適用可能な培養容器としては、一般的な培養容器を採用することができる。このような培養容器としては、例えば、マルチウェルプレート、シャーレ、袋状容器や培養フラスコが挙げられる。これらの培養容器の材質としては、例えば、ポリスチレンが挙げられる。
本実施形態における培養条件は、通常の動物細胞の培養条件でよく、例えば、5%CO雰囲気で、温度が37℃である条件とすることができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。尚、実施例及び比較例における「部」は「質量部」を表し、molとは物質量を表し、mol%は全単量体中の物質量の割合を表す。
<細胞培養培地添加剤の製造>
[実施例1]
(細胞培養培地添加剤1)
温度計、撹拌機、窒素導入管、還流冷却器、滴下管を備えた反応容器に、窒素気流下、有機溶媒としてメチルエチルケトン(以下、MEKと略す)150質量部を仕込み、撹拌下80℃で30分加熱した。滴下管にモノマーとしてメトキシエチルアクリレートを80質量部、2‐エチルヘキシルアクリレートを20質量部、重合開始剤としてVPE-0201(和光純薬工業社製:PEG部分含有マクロアゾ開始剤)を25質量部、溶媒としてMEKを10質量部仕込み、2時間かけて滴下した。滴下終了後6時間加熱撹拌した。その後、室温に冷却し反応を停止した。その後、ダイヤフラムポンプでMEKを除去し、重合体(a-1)を得た。得られた重合体のMwは57,400であった。
ここで、重合体(a-1)は、アクリル系ポリマー部分(A1)及びPEG部分(A2)を主鎖に有し、(A1)と(A2)とが、式(IA)の結合構造を介してなる重合体であり、(A1)を形成するアクリル系モノマーの水/1-オクタノール分配係数(LogP)の平均値は、1.1である。
なお、25℃のリン酸緩衝生理食塩水(以下PBSという)99g中に、得られた重合体(a-1)を1g入れて撹拌して溶解させた後、25℃で24時間放置して、PBSで1質量%に希釈された細胞培養培地添加剤1を得た。
その結果、重合体(a-1)の分離、析出ともに見られず、完全に溶解可能であり、PBSに対して可溶であることが示された。
[実施例2~6、比較例1~2]
(細胞培養培地添加剤2~6、9~10)
表1に示す配合組成で、実施例1と同様の方法で重合体(a-2~6、9~10)を合成した後、PBSに溶解させて、PBSで1質量%に希釈された細胞培養培地添加剤2~6、9~10を得た。
ここで、重合体(a-2~6)は、アクリル系ポリマー部分(A1)及びPEG部分(A2)を主鎖に有し、(A1)と(A2)とが、式(IA)の結合構造を介してなる重合体である。重合体(a-4)は、さらに側鎖部位にポリエチレンオキサイド部分(A2)を有する。
また、重合体(a-9)は、PEG部分(A2)を有しないものである。
また、重合体(a-10)は、アクリル系ポリマー部分(A1)及びPEG部分(A2)を主鎖に有し、(A1)と(A2)とが、式(IA)の結合構造を介してなる重合体であるが、A2/[A1+A2]が0.67であり本願発明の範囲外のものである。
[実施例7]
(細胞培養培地添加剤7))
温度計、撹拌機、窒素導入管、還流冷却器、滴下管を備えた反応容器に、窒素気流下、有機溶媒としてMEK130質量部を仕込み、撹拌下80℃で30分加熱した。滴下管にモノマーとしてメトキシエチルアクリレートを100質量部、重合開始剤として、VA-086(和光純薬工業社製:水酸基含有アゾ開始剤)を16.2質量部、溶媒としてMEKを10質量部仕込み、2時間かけて滴下した。滴下終了後5時間熟成させた後、室温に冷却し反応を停止し、末端が水酸基のアクリル樹脂を得た。その後、PEG2000(日油株式会社製、ポリエチレングリコール、Mn=2,000、水酸基価=56)を40質量部、イソホロンジイソシアネートを16質量部、及び触媒としてテトラブチルオルソチタネートを0.1質量部仕込み、85℃まで昇温し、3時間反応した後、温度を低下させた。内温が50℃まで低下したところにMEKを加えて希釈することで、固形分10質量%の重合体(a-7)の溶液を得た。得られた重合体のMwは10,200、Tgは8℃であった。
得られた重合体(a-7)について、細胞培養培地添加剤1と同様に、ダイヤフラムポンプでMEKを除去した後、PBSに溶解させて、PBSで1質量%に希釈された細胞培養培地添加剤7を得た。
なお、重合体(a-7)は、アクリル系ポリマー部分(A1)及びPEG部分(A2)を主鎖に有し、(A1)と(A2)とが、式(IB)の結合構造を介してなる重合体であり、(A1)を形成するアクリル系モノマーの水/1-オクタノール分配係数(LogP)の平均値は、0.48である。
[実施例8]
(細胞培養培地添加剤8))
温度計、撹拌機、窒素導入管、還流冷却器、滴下管を備えた反応容器に、窒素気流下、有機溶媒としてMEK130質量部を仕込み、撹拌下80℃で30分加熱した。滴下管にモノマーとしてメトキシエチルアクリレートを100質量部、重合開始剤としてVA‐057(和光純薬工業社製:カルボン酸基含有アゾ開始剤)を10質量部、溶媒としてMEKを10質量部仕込み、2時間かけて滴下した。滴下終了後5時間熟成させた後、室温に冷却し反応を停止し、末端がカルボン酸のアクリル樹脂を得た。その後、PEG2000(日油株式会社製、ポリエチレングリコール、Mn=2,000、水酸基価=56)を46質量部、及び触媒としてテトラブチルオルソチタネートを0.1質量部仕込み、85℃まで昇温し、MEKの流出を確認してから、温度を120℃に昇温し、その後、30分ごとに10℃ずつ昇温しながら脱水反応を続けた。温度が230℃になった後、そのままの温度で3時間反応をつづけ、約2kPaの真空化で1時間保持し、さらに約1kPaの真空化で2~3時間反応させ、温度を低下させた。内温が100℃まで低下したところにMEKを加えて希釈することで、固形分10質量%の重合体(a-8)の溶液を得た。得られた重合体のMwは9,500、Tgは3℃であった。
得られた重合体(a-8)について、細胞培養培地添加剤1と同様に、ダイヤフラムポンプでMEKを除去した後、PBSに溶解させて、PBSで1質量%に希釈された細胞培養培地添加剤8を得た。
ここで、重合体(a-8)は、(A1)及び(A2)を主鎖に有し、アクリル系ポリマーブロック(A1)とポリエチレンオキサイドブロック(A2)とが、式(IC)の結合構造を介してなる重合体であり、アクリル系ポリマーブロック(A1)を形成するモノマーの水/1-オクタノール分配係数(LogP)の平均値は、0.48である。
<細胞培養培地添加剤の評価>
得られた細胞培養培地添加剤について、以下の評価を実施した。結果を表1に示す。
[細胞凝集塊の形成性]
培地にはダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)にウシ胎児血清(FBS)を10%添加したものを使用した(以下、「10%FBS-DMEM培地」とも呼ぶ。)。10%FBS-DMEM培地にマウス線維芽細胞用細胞株(NIH/3T3細胞)を加え、NIH/3T3の濃度が100,000cells/mlとなる細胞懸濁液を作製した。
得られた細胞懸濁液100μlを、滅菌されたポリスチレン製のU底96ウェルプレートの各ウェルに播種した。さらに、得られた細胞培養培地添加剤を、重合体(a)の濃度が0.05質量%及び0.5質量%になるようにそれぞれ添加し、ピペッティングした。その後、5%CO/37℃のインキュベーターで5日目まで培養した。
細胞凝集塊の形成性は、5日目の細胞培養状態を透過式光学顕微鏡40倍で写真撮影し、細胞の形態を目視観察することによって評価した。
a:1つのスフェロイドを形成 :良好
b:複数個のスフェロイドを形成 :使用不可
c:スフェロイドを形成しない :不良
Figure 0007151203000006
表1中の略称を以下に示す。
MEA:メトキシエチルアクリレート、LogP=0.48
BA:ブチルアクリレート、LogP=1.88
MMA:メチルメタクリレート、LogP=1.11
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート、LogP=0.42
AA:アクリル酸、LogP=0.38
BMA:ブチルメタクリレート、LogP=2.23
2EHA: 2-エチルヘキシルアクリレート、LogP=3.53
ISTA:イソステアリルアクリレート、LogP=7.47
PME:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマーPME-1000、日油株式会社製)
VPE-0201:一般式(II)で示される部位を有する、ポリエチレンオキサイド部分(A2)を有し且つ質量平均分子量が5,000~10万である高分子アゾ重合開始剤(和光純薬工業株式会社製)
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
VA-086:水酸基含有アゾ開始剤(和光純薬工業社製)
VA-057:カルボン酸基含有アゾ開始剤(和光純薬工業社製)
PEG2000:日油株式会社製、ポリエチレングリコール、Mn=2,000、水酸基価=56
IPDI:イソホロンジイソシアネート
Figure 0007151203000007
表2に示すように、本発明の細胞培養培地添加剤を用いることで1つのスフェロイドを形成し、細胞凝集塊の形成性が良好であることが示された。これは本発明の細胞培養培地添加剤に含まれる重合体(a)がタンパク質と適切に吸着することで、細胞同士の接着が優先され、細胞と基材との接着性が阻害されたためであると考えられる。
それに対して、ポリエチレンオキサイド部位(A2)を有しない重合体を使用した比較例1は、細胞凝集塊が形成されなかった。これは、ポリエチレンオキサイド部位(A2)を有さない重合体が強力にタンパク質と吸着反応を起こしてしまったため細胞同士の接着自体を阻害してしまったためであると考えられる。
また、ポリエチレンオキサイド部位の質量/[アクリル系ポリマー部位とポリエチレンオキサイド部位との合計の質量]が0.5よりも大きい重合体を使用した比較例2は、細胞凝集塊ができなかった。これは、重合体の水溶性が高く、細胞に十分に作用しなかったため、細胞と基材との接着が優先されたためであると考えられる。

Claims (6)

  1. アクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)とを有する重合体(a)を含む、細胞培養培地添加剤を含み、
    該重合体(a)に含まれる、ポリエチレンオキサイド部分(A2)の質量/[アクリル系ポリマー部分(A1)の質量とポリエチレンオキサイド部分(A2)の質量との合計]が0.05~0.5であり、
    細胞培養培地中の前記重合体(a)の濃度が、0.01質量%以上1質量%以下である、細胞培養培地。
  2. 前記重合体(a)に含まれるアクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)とが、下記式(IA)、(IB)又は(IC)のいずれかの構造を介して結合してなる、請求項1に記載の細胞培養培地。
    Figure 0007151203000008
  3. 前記重合体(a)に含まれるアクリル系ポリマー部分(A1)とポリエチレンオキサイド部分(A2)とが、下記式(IA)の構造を介して結合してなる、請求項1又は2に記載の細胞培養培地。
    Figure 0007151203000009
  4. 前記重合体(a)中のアクリル系ポリマー部分(A1)が、水/1-オクタノール分配係数(LogP)の平均値が0以上2以下であるアクリル系モノマーから形成される、請
    求項1~3いずれか1項に記載の細胞培養培地。
  5. 前記重合体(a)が、下記一般式(II)で示される、ポリエチレンオキサイド部分(A2)を有し、且つ質量平均分子量が5,000~10万である高分子アゾ重合開始剤を用いて前記アクリル系モノマーを重合してなる重合体である、請求項4に記載の細胞培養培地。
    Figure 0007151203000010
    (一般式(II)中、m及びnは、それぞれ1以上の整数を示す。)
  6. 請求項1~5いずれか1項に記載の細胞培養培地で細胞を培養して細胞凝集塊を形成する、細胞凝集塊の製造方法。
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