JP5944244B2 - 新規なコポリマー - Google Patents
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Description
(1)下記一般式(I)または(II)で表される疎水性モノマーから誘導される一種または二種以上の構成単位と下記A群からなる親水性モノマーから誘導される一種または二種以上の構成単位を必須構成単位として有し、他の構成単位を有していてもよいコポリマー。
一般式(I)
(一般式(I)中R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R2,R3は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数6〜22のアシル基を表す。Pは三価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
一般式(II)
(一般式(II)中R4は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R5,R6,R7は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数6〜22のアシル基を表す。Qは四価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
A群:重合性カルボン酸、下記一般式(III)で表される親水性モノマー
一般式(III)
(一般式(III)中R8は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R9は水酸基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R10は水素原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。nは6〜40の整数を表す。)
(2)一般式(I)で表される疎水性モノマーが下記一般式(IV)で表される疎水性モノマーであり、かつ、一般式(II)で表される疎水性モノマーが下記一般式(V)で表される疎水性モノマーであることを特徴とする(1)記載のコポリマー。
一般式(IV)
(一般式(IV)中R11は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R12,R13は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数10〜22のアシル基、または、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜9のアシル基を表す。Sは三価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
一般式(V)
(一般式(V)中R14は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R15,R16,R17は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数10〜22のアシル基、または、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜9のアシル基を表す。Tは四価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
(3)一般式(III)で表される親水性モノマーが、下記一般式(VI)で表される親水性モノマーであることを特徴とする(1)または(2)記載のポリマー。
一般式(VI)
(一般式(VI)中R18は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R19は水素原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。mは6〜40の整数を表す。)
(4)重合性カルボン酸がアクリル酸及び/またはメタクリル酸であることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載のコポリマー。
(5)三価アルコールがグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンからなる群から選択されることを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載のコポリマー。
(6)四価のアルコールがジグリセリン、ペンタエリスリトール、エリスリトール、D−トレイトール、L−トレイトールからなる群から選択される四価のアルコールであることを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載のコポリマー。
(7)疎水性モノマーから誘導される一種または二種以上の構成単位がコポリマーの全構成単位の1〜40質量%であり、かつ、親水性モノマーから誘導される一種または二種以上の構成単位がコポリマーの全構成単位の30〜95質量%であることを特徴とする、(1)〜(6)いずれかに記載のコポリマー。
<1> 本発明のコポリマーの必須構成単位である疎水性モノマーから誘導される構成単位。
本発明のコポリマーは下記一般式(I)又は一般式(II)で表される疎水性モノマーから誘導される構成単位(以下、単に、「構成単位I」または「構成単位II」と呼ぶこともある)の一種または二種以上を必須構成単位として含有する。
一般式(I)
(一般式(I)中R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R2,R3は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数6〜22のアシル基を表す。Pは三価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
一般式(II)
(一般式(II)中R4は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R5,R6,R7は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数6〜22のアシル基を表す。Qは四価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
一般式(IV)
(一般式(IV)中R11は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R12,R13は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数10〜22のアシル基、または、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜9のアシル基を表す。Sは三価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
一般式(V)
(一般式(V)中R14は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R15,R16,R17は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数10〜22のアシル基、または、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜9のアシル基を表す。Tは四価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
a)三価アルコールをケタール化する。具体的な合成方法としては、例えば、特開2009−136749号公報の製造例1記載の方法が例示できる。
b)aで合成したケタール化された三価アルコールと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとのエステル交換でケタールの(メタ)アクリル酸エステルを合成し、得られたケタールの(メタ)アクリル酸エステルの脱ケトン反応を行い、三価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルを合成する。具体的な合成方法としては、例えば、特開2004−18389号公報の実施例1記載の方法が例示できる。
c)bで得られた三価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルと所定の分岐構造を有するカルボン酸又はその無水物又はそのクロライドとを反応させ、一般式(II)で表される疎水性モノマーを得る。
a)四価アルコールの三つのOH基をエステル化しマスキングする。
b)aで合成し化合物と(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸無水物又は(メタ)アクリル酸クロライドを反応させる。得られたエステルをさらに加水分解し、四価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルを合成する。
c)bで得られた四価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルと所定の分岐構造を有するカルボン酸又はその無水物又はそのクロライドとを反応させ、一般式(III)で表される疎水性モノマーを得る。
<製造例1>グリセリンモノアクリレートの合成
3Lの4つ口フラスコに、R)−(+)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール(東京化成工業(株)製)79.5g、メチルアクリレート258.0g、テトラメトキシチタン3.7gを仕込んだ。そして、反応液を撹拌し、液中に窒素ガスを導入しながら、105〜110℃で2.5時間エステル交換反応を行った。反応終了後、減圧蒸留による分取によりケタールアクリレート1(中間体1)を得た。
工程(1):カルシウム管、冷却管及びディーン−スターク(Dean−Stark)トラップを装着したナス型フラスコに、トリメチロールプロパン145.7g、アセトン300ml、p−トルエンスルホン酸1水和物3g及び石油エーテル300mLを加え、50℃に設定したオイルバス中で加熱還流させた。12時間後、新たに水分が生成しなくなったことを確認した後、反応混合物を室温まで冷却した。次いで、酢酸ナトリウム3gを加え、更に30分間攪拌した後、エバポレータにより石油エーテル及びアセトンを留去した。得られた粗生成物を減圧蒸留することにより、ケタール化されたトリメチロールプロパン(中間体2)を得た。
製造例2におけるトリメチロールプロパン、メチルアクリレート(アクリレート)、工程(1)で得られる中間体の仕込み量、工程(2)で得られる中間体の仕込み量を表1のように変更した以外は製造例2と同様の操作をおこなって、トリメチロールプロパンモノメタクリレートを合成した。三価のアルコール及びその仕込み量、工程(1)で得られる中間体及びその仕込み量、工程(2)で得られる中間体及びその仕込み量について表1に示す。
工程(A)攪拌器、冷却器付3Lの4つ口フラスコに、ペンタエリスリトール34.0g、オルトギ酸トリエチル(シグマ−アルドリッチ社製)37.0g、フタル酸ジオクチル(東京化成工業(株)製)750ml及びパラトルエンスルフォン酸(東京化成工業(株)製)0.1gをとり攪拌混合した。その後、140℃に加熱し、2.5時間反応を行った。反応終了後、減圧蒸留により精製を行って、中間体6を得た。
製造例4の工程(A)におけるペンタエリスリトール、工程(B)における工程(A)で得られる中間体の仕込み量及びアクリル酸クロライド、工程(C)における工程(B)で得られる中間体の仕込み量を表2のように変更した以外は製造例4と同様の操作をおこなって、四価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルを合成した。四価のアルコール及びその仕込み量、工程(A)で得られる中間体及びその仕込み量、工程(B)で得られる中間体及びその仕込み量、得られるモノ(メタ)アクリル酸エステルについて表2に示す。
* 1)東京化成工業(株)製
* 2)東京化成工業(株)製
攪拌機及び冷却管を備えた反応容器に、16−メチルヘプタデカン酸(シグマ−アルドリッチ社製)28.4g及び塩化チオニル35.7g(東京化成工業(株)製)、ベンゼン200mlをとり攪拌混合した。攪拌を続けながら、リフラックスを4時間行った後、減圧蒸留による精製を行って、16−メチルヘプタデカン酸クロライドを得た。
一般式(VII)
攪拌機及び冷却管を備えた反応容器に、16−メチルヘプタデカン酸(シグマ−アルドリッチ社製)28.4g及び塩化チオニル35.7g(東京化成工業(株)製)、ベンゼン200mlをとり攪拌混合した。攪拌を続けながら、リフラックスを4時間行った後、減圧蒸留による精製を行って、16−メチルヘプタデカン酸クロライドを得た。
一般式(VIII)
攪拌機及び冷却管を備えた反応容器に、19−メチルエイコサン酸(シグマ−アルドリッチ社製)32.7g及び塩化チオニル35.7g(東京化成工業(株)製)、ベンゼン200mlをとり攪拌混合した。攪拌を続けながら、リフラックスを4時間行った後、減圧蒸留による精製を行って、19−メチルエイコサン酸クロライドを得た。
一般式(IX)
攪拌機及び冷却管を備えた反応容器に、2,2−ジメチルオクタン酸(シグマ−アルドリッチ社製)17.2g及び塩化チオニル35.7g(東京化成工業(株)製)、ベンゼン200mlをとり攪拌混合した。攪拌を続けながら、リフラックスを4時間行った後、減圧蒸留による精製を行って、2,2−ジメチルオクタン酸クロライドを得た。
一般式(X)
攪拌装置を備えた反応容器中で、グリセリルモノアクリレート(製造例1で得た化合物)29.2、トリエチルアミン50.0gをテトラヒドロフラン500mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、2−エチルヘキサン酸クロライド(シグマ−アルドリッチ社製)65.1gをテトラヒドロフラン100mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈殿を濾過し、濾液からロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が、一般式(XI)で表される、本発明のコポリマーの必須構成単位を誘導する疎水性モノマー(疎水性モノマー5)であることが確認された。
一般式(XI)
攪拌装置を備えた反応容器中で、ペンタエリスリトールモノメタクリレート(製造例5で得た化合物)40.8g、トリエチルアミン50.0gをテトラヒドロフラン500mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、3,5,5−トリメチルヘキサン酸クロライド(シグマ−アルドリッチ社製)106.0gをテトラヒドロフラン200mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈殿を濾過し、濾液からロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が、一般式(XII)で表される、本発明のコポリマーの必須構成単位を誘導する疎水性モノマー(疎水性モノマー6)であることが確認された。
一般式(XII)
攪拌機及び冷却管を備えた反応容器に、2−ブチル−2−エチルオクタン酸(シグマ−アルドリッチ社製)22.8g及び塩化チオニル35.7g(東京化成工業(株)製)、ベンゼン200mlをとり攪拌混合した。攪拌を続けながら、リフラックスを4時間行った後、減圧蒸留による精製を行って、2−ブチル−2−エチルオクタン酸クロライドを得た。
一般式(XIII)
攪拌機及び冷却管を備えた反応容器に、19−メチルエイコサン酸(シグマ−アルドリッチ社製)32.7g及び塩化チオニル35.7g(東京化成工業(株)製)、ベンゼン200mlをとり攪拌混合した。攪拌を続けながら、リフラックスを4時間行った後、減圧蒸留による精製を行って、19−メチルエイコサン酸クロライドを得た。
一般式(XIV)
本発明のコポリマーは重合性カルボン酸、その塩又は下記一般式(III)で表されるモノマーからなる群から選択される親水性モノマーから誘導される構成単位の一種または二種以上を必須構成単位として含有する。
一般式(III)
(一般式(III)中R8は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R9は水酸基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R10は水素原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。nは6〜40の整数を表す。)
一般式(VI)
(一般式(VI)中R18は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R19は水素原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。mは6〜40の整数を表す。)
これら上記の親水性モノマーは、対応するポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリエチレングリコールモノエステルとアクリル酸又はメタクリル酸のクロライド又は無水物とのエステル化反応により高収率で得ることができる。また、既に市販品も多数存在するので、かかる市販品を利用することも可能である。このような市販品としては、具体的に、商品名ブレンマー、AE−400、PE−350、AME−400、PME−400、PME−1000、ALE−800、PSE−1300等(いずれも日本油脂(株)製)等が例示できる。
本発明のコポリマーは、上記の構成単位I及び構成単位IIから選択される一種又は二種以上の必須構成単位、親水性モノマーから誘導される必須構成単位以外に、通常共重合体で使用されるモノマーから誘導される単位を、発明の効果を損なわない範囲で任意の構成単位として含有することができる。かかる任意の構成単位としては、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、アクリル酸モノアルキルアミド、メタクリル酸モノアルキルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2エチルヘキシル、メタクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル等(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸の環状アルキルエステル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル等のモノマーから誘導される構成単位が例示できる。これらのモノマーの殆どは市販品として入手可能である。
本発明のコポリマーは、上記構成単位I及び/又は構成単位II及び親水性のモノマーから誘導される必須構成単位、並びに必要に応じて任意の構成単位を、その骨格中に含有する共重合体である。また、本発明のコポリマーは通常はその構成単位がランダムに結合したランダム共重合体であるが、ブロック共重合体又はグラフト共重合体であってもよい。
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、疎水性モノマー1(製造例8)30.0g、メトキシポリエチレングリコール(23)メタクリレート(日本油脂(株)製、商品名「ブレンマーPME−1000」)90.0g、イソプロピルアルコール300ml、りん酸塩緩衝溶液(pH6.8)(ナカライテスク(株)製)300mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。これに過硫酸アンモニウム2.0gを水20mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、65℃で16時間反応を行った。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.0に調整し、ロータリーエバポレーターでイソプロピルアルコールを除去し、本発明のコポリマー1の水溶液を得た。
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、疎水性モノマー2(製造例9)18.0g、メトキシポリエチレングリコール(23)メタクリレート(日本油脂(株)製、商品名「ブレンマーPME−1000」)90.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)12.0g、イソプロピルアルコール300ml、りん酸塩緩衝溶液(pH6.8)(ナカライテスク(株)製)300mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。これに過硫酸アンモニウム2.0gを水20mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、60℃で18時間反応を行った。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.0に調整し、ロータリーエバポレーターでイソプロピルアルコールを除去し、本発明のコポリマー2の水溶液を得た。
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに疎水性モノマー5(製造例12)36.0g、アクリル酸(東京化成工業(株)製)84.0g、エチルアルコール300mlと0.05M炭酸ナトリウム水溶液30ml及び0.1M炭酸水素ナトリウム溶液270mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。これに過硫酸アンモニウム2.0gを水20mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、60℃で20時間反応を行った。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.0に調整し、ロータリーエバポレーターでエチルアルコールを除去し、本発明のコポリマー3の水溶液を得た。
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、疎水性モノマー4(製造例11)24.0g、メトキシポリエチレングリコール(9)メタクリレート(日本油脂(株)製、商品名「ブレンマーPME−400」)72.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)24.0g、イソプロピルアルコール300ml、0.2M塩化カリウム水溶液75ml、0.2N塩酸15.8ml及び水209.2mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。これに過硫酸アンモニウム2.0gを水20mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、70℃で14時間反応を行った。反応終了後、水酸化カリウム水溶液を用いてpHを7.0に調整し、ロータリーエバポレーターでエチルアルコールを除去し、本発明のコポリマー4の水溶液を得た。
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、疎水性モノマー3(製造例10)9.0g、ポリエチレングリコール(10)モノアクリレート(日本油脂(株)製、商品名「ブレンマーAE−400」)45.0g、メチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)6.0g、エチレングリコールモノメチルエーテル180ml及び0.002N塩酸120mを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。これに過硫酸アンモニウム1.0gを水10mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、65℃で16時間反応を行った。反応終了後、水酸化カリウム水溶液を用いてpHを7.0に調整し、ロータリーエバポレーターでイソプロピルを除去し、本発明のコポリマー5の水溶液を得た。
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、疎水性モノマー6(製造例13)24.0g、メトキシポリエチレングリコール(9)アクリレート(日本油脂(株)製、商品名「ブレンマーAME−400」)90.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(東京化成工業(株)製)6.0g、イソプロピルアルコール300ml、りん酸塩緩衝溶液(pH6.8)(ナカライテスク(株)製)300mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。これに過硫酸アンモニウム2.0gを水20mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、65℃で16時間反応を行った。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.0に調整し、ロータリーエバポレーターでイソプロピルアルコールを除去し、本発明の水溶性コポリマー6の水溶液を得た。
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに疎水性モノマー8(製造例15)12.0g、アクリル酸(東京化成工業(株)製)100.8g、エチルアルコール300mlと0.05M炭酸ナトリウム水溶液30ml及び0.1M炭酸水素ナトリウム溶液270mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。これに過硫酸アンモニウム2.0gを水20mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、60℃で20時間反応を行った。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.0に調整し、ロータリーエバポレーターでエチルアルコールを除去し、本発明のコポリマー7の水溶液を得た。
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、疎水性モノマー7(製造例14)15.0g、ポリエチレングリコール(9)モノメタクリレート(日本油脂(株)製、商品名「ブレンマーPE−400」)45.0g、酢酸エチル180ml及びエチルアルコールを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。これに過酸化ベンゾイル0.5gをエチルアルコール10mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、8時間、リフラックスを行った。反応終了後、水300mlを添加し、ロータリーエバポレーターで酢酸エチル及びエチルアルコールを除去し、本発明のコポリマー8の水溶液を得た。
特開2005−213448号公報実施例1と同様の操作をおこなって、コポリマー9の水溶液を得た。ただし、1,3−ブチレングリコールは添加しなかった。
特開H10−101742号公報実施例1と同様の操作をおこなって。コポリマー10を得た。
下記、表3の組成でモデル水性塗料を作成し、スライドグラス上に均一に塗布した。塗布後、スライドグラスを60℃で4時間乾燥し、形成された塗膜の状態を肉眼で観察した。また、赤外線水分計(FD−800 (株)ケット化学研究所製)で塗膜中の残存水分量を測定した。結果を表4に示す。なお、表3中の数字は質量%を意味する。
試験例1で作成した塗膜を流水下、指で塗擦しながら、被膜が完全に消失するまでの塗擦回数を求め、耐水性を評価した。塗擦回数が多いほど耐水性に優れることを示す。結果を表4に示す。
試験例1で作成したモデル水性塗料を厚さ0.2mmのスチレンフィルム上に塗布し、40℃で16時間乾燥して、試験用塗膜とした。この試験用塗膜を折り曲げたり伸ばしたりする作業を繰り返し、スチレンフィルム上のコーティング面に亀裂が生じるまでの折り曲げ回数を求めた。結果を表3に示す。コーティング膜に亀裂が生じるまでの回数が多いほどその塗膜の柔軟性が高いことを示す。結果を表4に示す。
Claims (6)
- 下記一般式(I)または(II)で表される疎水性モノマーから誘導される一種または二種以上の構成単位と下記A群からなる親水性モノマーから誘導される一種または二種以上の構成単位を必須構成単位として有し、他の構成単位を有していてもよく、前記疎水性モノマーから誘導される一種または二種以上の構成単位がコポリマーの全構成単位の1〜40質量%であり、かつ、前記親水性モノマーから誘導される一種または二種以上の構成単位がコポリマーの全構成単位の30〜95質量%であることを特徴とする、コポリマー。
一般式(I)
(一般式(I)中R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R2,R3は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数6〜22のアシル基を表す。Pは三価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
一般式(II)
(一般式(II)中R4は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R5,R6,R7は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数6〜22のアシル基を表す。Qは四価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
A群:重合性カルボン酸、下記一般式(III)で表される親水性モノマー
一般式(III)
(一般式(III)中R8は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R9は水酸基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R10は水素原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。nは6〜40の整数を表す。) - 一般式(I)で表される疎水性モノマーが下記一般式(IV)で表される疎水性モノマーであり、かつ、一般式(II)で表される疎水性モノマーが下記一般式(V)で表される疎水性モノマーであることを特徴とする請求項1記載のコポリマー。
一般式(IV)
(一般式(IV)中R11は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R12,R13は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数10〜22のアシル基、または、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜9のアシル基を表す。Sは三価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
一般式(V)
(一般式(V)中R14は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R15,R16,R17は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数10〜22のアシル基、または、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜9のアシル基を表す。Tは四価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。) - 一般式(III)で表される親水性モノマーが、下記一般式(VI)で表される親水性モノマーであることを特徴とする請求項1または2記載のコポリマー。
一般式(VI)
(一般式(VI)中R18は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R19は水素原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。mは6〜40の整数を表す。) - 重合性カルボン酸がアクリル酸及び/またはメタクリル酸であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のコポリマー。
- 三価アルコールがグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のコポリマー。
- 四価のアルコールがジグリセリン、ペンタエリスリトール、エリスリトール、D−トレイトール、L−トレイトールからなる群から選択される四価のアルコールであることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のコポリマー。
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