JP2006182814A5 - - Google Patents
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本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、水性溶媒中に、互いに異なる構成モノマー組成を有するコポリマーからなる二層構造を有するポリマー粒子が分散した組成物であって、該ポリマー粒子を構成する二層のコポリマー層を重合性カルボン酸及びその塩と特定の親水性モノマー及び疎水性モノマーを特定の構成比率下で共重合することにより、上記特性を有する水性ポリマー組成物分散物が得られることを見いだし、かかる知見に基づき本発明を完成させた。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
(1)水性溶媒中に、互いに異なる構成モノマー組成を有するコポリマーからなる二層を有する多層構造を有するポリマー粒子が分散した組成物であって、該ポリマー粒子を構成する二層のコポリマー層が
A)10〜55質量%の下記一般式(I)で表されるモノマー及び5〜40質量%の重合性カルボン酸及びその塩を主構成モノマーとするコポリマー及び
B)下記一般式(II)で表されるモノマーで表されるモノマーを主構成モノマーとするコポリマーであることを特徴とする水性ポリマー組成物分散物。
(1)水性溶媒中に、互いに異なる構成モノマー組成を有するコポリマーからなる二層を有する多層構造を有するポリマー粒子が分散した組成物であって、該ポリマー粒子を構成する二層のコポリマー層が
A)10〜55質量%の下記一般式(I)で表されるモノマー及び5〜40質量%の重合性カルボン酸及びその塩を主構成モノマーとするコポリマー及び
B)下記一般式(II)で表されるモノマーで表されるモノマーを主構成モノマーとするコポリマーであることを特徴とする水性ポリマー組成物分散物。
(但し、式中、R 1 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R 2 は水酸基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R 3 は水素原子、炭素数6〜10の芳香族基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。mは4〜40の数値を表す。)
(式中、R 6 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R 7 は水素原子、炭素数6〜10の芳香族基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。nは4〜40の数値を表す。)
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)本発明の水性ポリマー組成物に用いられるコポリマーAの必須構成単位である一般式(I)で表されるモノマーから誘導される1種以上の構成単位
本発明の水性ポリマー組成物を構成するコポリマーAは、前記一般式(I)で表されるモノマーから誘導される1種以上の構成単位(以下、「構成単位(I)」ともいう)を必須構成単位として有する。ここで、R 1 で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、シクロプロピル基等が例示できる。本発明において、R 1 は水素原子又はメチル基であることが好ましい。また、R 2 で表されるアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、1−ヒドロキシ−2−メチルエチレン基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチレン基などが例示できるが、これらのうち、好ましくはエチレン基又はプロピレン基であり、より好ましくはエチレン基である。また、R 3 で表される基のうち、炭素数6〜10の芳香族基としては、フェニル基、ベンジル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基等が例示でき;炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ターシャリーブチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、オクチル基、2−エチルへキシル基、ラウリル基などが好適に例示でき;炭素数1〜12のアシル基としては、フォルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ラウロイル基などが好適に例示できる。これらのうち、R 3 で表される基として好ましくは炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル基である。ここで、mは4〜40の数値範囲であることが重要である。本発明においてmが上記範囲である構成単位(I)を、水性ポリマー組成物分散物を構成するコポリマーに用いることにより、優れた強度を有する被膜を形成できるコポリマーを製造することができる。mが4未満の場合はコポリマーの水溶性が低下し、被膜形成用組成物が調製できなくなるこ
とがある。反対に、mが40より大きすぎると水性ポリマー組成物分散物が形成する被膜の強度が低下してしまうので好ましくない。上記一般式(I)で表されるモノマーのうち、R 2 がプロピレン基であるモノマーとして具体的には、ポリプロピレングリコール(6)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(9)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(13)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(9)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(13)モノメタクリレート等が挙げられる。これらのポリマーの多くは市販品として入手可能である。一例を挙げると、商品名「ブレンマー」AP−400、AP−550、AP−800、PP−500、PP−800(いずれも日本油脂(株)製)等がある。なお、R 2 がエチレン基であるモノマーの具体例は後述する。
(1)本発明の水性ポリマー組成物に用いられるコポリマーAの必須構成単位である一般式(I)で表されるモノマーから誘導される1種以上の構成単位
本発明の水性ポリマー組成物を構成するコポリマーAは、前記一般式(I)で表されるモノマーから誘導される1種以上の構成単位(以下、「構成単位(I)」ともいう)を必須構成単位として有する。ここで、R 1 で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、シクロプロピル基等が例示できる。本発明において、R 1 は水素原子又はメチル基であることが好ましい。また、R 2 で表されるアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、1−ヒドロキシ−2−メチルエチレン基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチレン基などが例示できるが、これらのうち、好ましくはエチレン基又はプロピレン基であり、より好ましくはエチレン基である。また、R 3 で表される基のうち、炭素数6〜10の芳香族基としては、フェニル基、ベンジル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基等が例示でき;炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ターシャリーブチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、オクチル基、2−エチルへキシル基、ラウリル基などが好適に例示でき;炭素数1〜12のアシル基としては、フォルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ラウロイル基などが好適に例示できる。これらのうち、R 3 で表される基として好ましくは炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル基である。ここで、mは4〜40の数値範囲であることが重要である。本発明においてmが上記範囲である構成単位(I)を、水性ポリマー組成物分散物を構成するコポリマーに用いることにより、優れた強度を有する被膜を形成できるコポリマーを製造することができる。mが4未満の場合はコポリマーの水溶性が低下し、被膜形成用組成物が調製できなくなるこ
とがある。反対に、mが40より大きすぎると水性ポリマー組成物分散物が形成する被膜の強度が低下してしまうので好ましくない。上記一般式(I)で表されるモノマーのうち、R 2 がプロピレン基であるモノマーとして具体的には、ポリプロピレングリコール(6)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(9)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(13)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(9)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(13)モノメタクリレート等が挙げられる。これらのポリマーの多くは市販品として入手可能である。一例を挙げると、商品名「ブレンマー」AP−400、AP−550、AP−800、PP−500、PP−800(いずれも日本油脂(株)製)等がある。なお、R 2 がエチレン基であるモノマーの具体例は後述する。
上記一般式(I)で表される親水性モノマーから誘導される構成単位の中でも特に好ましいものとして、一般式(III)で表される親水性モノマーから誘導される構成単位が挙げられる。このような一般式(III)で表されるモノマーを具体的に例示すれば、ポリエチレングリコール(4.5)モノアクリレート、ポリエチレングリコール(4.5)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(10)モノアクリレート、ポリエチレングリコール(8)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(23)モノアクリレート、ポリエチレングリコール(23)モノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(9)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(4)メタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(9)メタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(23)メタクリレート、オレイロキシポリエチレングリコール(18)メタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(4)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(18)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(4)メタクリレート、ラウロイロキシポリエチレングリコール(10)メタクリレート等が挙げられる。なお、カッコ内の数字はnの値を示す。なお、一般式(I)において述べたように、一般式(III)においても同様に、優れた強度を有する被膜を形成できる水性コポリマーを製造するためにはnは4〜40の数値範囲であることが重要である。これら上記の親水性モノマーは、対応するポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリエチレングリコールモノエステルとアクリル酸又はメタクリル酸のクロライド又は無水物とのエステル化反応により高収率で得ることができる。また、既に市販品も多数存在するので、かかる市販品を利用することも可能である。一例を挙げると、商品名ブレンマーAE−200、AE−400、PE−200、PE−350、AME−400、PME−200、PME−400、PME−1000、ALE−200、ALE−800、PLE−200等(いずれも日本油脂(株)製)がある。本発明に用いられるコポリマーAに含まれる構成単位(I)または(III)は一種のみでもよいが、上記一般式(I)または(III)を満たすものであれば2種以上の構成単位(I)または(III)を組み合わせて有していてもよい。本発明では、構成単位(I)または(III)の1種以上を、該コポリマーAを構成する全構成単位に対して総量で10から55質量%、好ましくは15から55質量%、更に好ましくは20〜55%含有する。上記一般式(I)又は(III)で表されるモノマーから誘導される構成単位は水性ポリマー組成物分散物が形成する被膜の強度やべたつきに影響し、コポリマーAの全構成単位に対する構成単位(I)または(III)の含有量を上記範囲にすることにより、優れた感触と強度を有する化粧膜を形成できる化粧料を製造することができる。構成単位(I)または(III)の含有量が上記範囲より少なすぎると化粧膜の強度が十分でなく、反対に多すぎると塗布時のべたつきがましてしまうことがあるので好ましくない。
(5)発明の水性ポリマー組成物に用いられるコポリマーBの必須構成単位である一般式(II)で表される疎水性モノマーから誘導される1種以上の構成単位
本発明の水性ポリマー組成物分散物を構成するコポリマーBは、下記一般式(II)で表される疎水性モノマーから誘導される1種以上の構成単位(以下、「構成単位(II)」ともいう)を必須構成単位として有する。ここで、R 4 で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、シクロプロピル基等が例示できる。本発明において、R 4 は水素原子又はメチル基であることが好ましい。また、R 5 で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基が例示できる。上記一般式(II)で表されるモノマーを具体的に例示すれば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸2−エチルへキシル等が挙げられ、ほとんどが市販品として入手可能である。この場合、コポリマーが有する構成単位(II)は1種のみでもよいが、2種以上を組み合わせて有していてもよい。本発明では構成単位(II)の割合は、コポリマーBを構成する全構成単位に対して総量で5〜95質量%であり、好ましくは10〜90質量%であり、さらに好ましくは15〜85質量%であることが重要である。構成単位(II)を上記割合で含有することにより、化粧料の形成する化粧膜に被膜強度を付与でき、物理的な耐久性を向上させることができる。更に、本発明の水性ポリマー組成物で用いるコポリマーBは、上記の必須構成単位(II)から誘導される構成単位以外に、通常共重合体を構成しうるモノマーから誘導される任意の構成単位を、本発明の化粧料の機能や効果を損なわない範囲で有することができる。かかる任意の構成単位としては、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、アクリル酸モノアルキルアミド、メタクリル酸モノアルキルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリル酸−nデシル(メタ)アクリル酸−nドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の炭素数9以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;酢酸ビニル;ビニルピロリドン;スチレン;α−メチルスチレン;アクリロニトリル等が例示できる。これらのモノマーの殆どは市販品として入手可能である。
本発明の水性ポリマー組成物分散物を構成するコポリマーBは、下記一般式(II)で表される疎水性モノマーから誘導される1種以上の構成単位(以下、「構成単位(II)」ともいう)を必須構成単位として有する。ここで、R 4 で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、シクロプロピル基等が例示できる。本発明において、R 4 は水素原子又はメチル基であることが好ましい。また、R 5 で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基が例示できる。上記一般式(II)で表されるモノマーを具体的に例示すれば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸2−エチルへキシル等が挙げられ、ほとんどが市販品として入手可能である。この場合、コポリマーが有する構成単位(II)は1種のみでもよいが、2種以上を組み合わせて有していてもよい。本発明では構成単位(II)の割合は、コポリマーBを構成する全構成単位に対して総量で5〜95質量%であり、好ましくは10〜90質量%であり、さらに好ましくは15〜85質量%であることが重要である。構成単位(II)を上記割合で含有することにより、化粧料の形成する化粧膜に被膜強度を付与でき、物理的な耐久性を向上させることができる。更に、本発明の水性ポリマー組成物で用いるコポリマーBは、上記の必須構成単位(II)から誘導される構成単位以外に、通常共重合体を構成しうるモノマーから誘導される任意の構成単位を、本発明の化粧料の機能や効果を損なわない範囲で有することができる。かかる任意の構成単位としては、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、アクリル酸モノアルキルアミド、メタクリル酸モノアルキルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリル酸−nデシル(メタ)アクリル酸−nドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の炭素数9以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;酢酸ビニル;ビニルピロリドン;スチレン;α−メチルスチレン;アクリロニトリル等が例示できる。これらのモノマーの殆どは市販品として入手可能である。
〈構成単位(I)を誘導する一般式(I)で表される親水性モノマーの製造例1〉
ポリエチレングリコール化合物としてのポリエチレングリコール#1000を103g及びトリエチルアミン50gをテトラヒドロフラン500mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、この溶液に酸クロライドとしてのメタクリル酸クロライド5.2gをテトラヒドロフラン100mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈澱を濾過し、ロータリーエバポレーターを用いて濾液からテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が上記一般式(I)で表される親水性モノマーであるポリエチレングリコール(23)モノメタクリレートであることが確認された。
ポリエチレングリコール化合物としてのポリエチレングリコール#1000を103g及びトリエチルアミン50gをテトラヒドロフラン500mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、この溶液に酸クロライドとしてのメタクリル酸クロライド5.2gをテトラヒドロフラン100mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈澱を濾過し、ロータリーエバポレーターを用いて濾液からテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が上記一般式(I)で表される親水性モノマーであるポリエチレングリコール(23)モノメタクリレートであることが確認された。
(被膜のべたつき感評価)
上記水性ポリマー組成物分散物1、タルク及び水を、コポリマー濃度が10質量%、タルク濃度が20質量%となるように混合し、コーティング組成物を調製した。内側上腕部に、指で0.1gを10平方センチメートルに塗布をし、塗布時におけるべたつき感を評価パネルにより官能評価した。5名の熟練評価者により、以下に示した5段階の評価基準により、べたつき感を評価した。評価スコアは5名の平均値とした。すなわち、このスコア値が高いほど塗布時にべたつかないことを表している。結果を表2に示す。
評価基準
1 非常にべたつく。
2 明らかにべたつく。
3 ややべたつく。
4 ほとんどべたつかない。
5 まったくべたつかない。
上記水性ポリマー組成物分散物1、タルク及び水を、コポリマー濃度が10質量%、タルク濃度が20質量%となるように混合し、コーティング組成物を調製した。内側上腕部に、指で0.1gを10平方センチメートルに塗布をし、塗布時におけるべたつき感を評価パネルにより官能評価した。5名の熟練評価者により、以下に示した5段階の評価基準により、べたつき感を評価した。評価スコアは5名の平均値とした。すなわち、このスコア値が高いほど塗布時にべたつかないことを表している。結果を表2に示す。
評価基準
1 非常にべたつく。
2 明らかにべたつく。
3 ややべたつく。
4 ほとんどべたつかない。
5 まったくべたつかない。
(被膜の粘着性評価)
上記組成物1、タルク及び水を、コポリマー濃度が10質量%、タルク濃度が20質量%となるように混合し、コーティング組成物を調製した。刷毛を用いてこのコーティング組成物をスライドグラス上に塗布し、40℃相対湿度30%で一時間乾燥し試験膜を作成した。この試験膜の粘着性をハンディー圧縮試験器KES-G5((株)カトーテック製)を用いて評価した。粘着性は装置のヘッドを塗布膜から引き剥がす際の粘着力(g)で表した。すなわち、この値が高いほど塗布膜の粘着性が高いことを表している。結果を表2に示す。
上記組成物1、タルク及び水を、コポリマー濃度が10質量%、タルク濃度が20質量%となるように混合し、コーティング組成物を調製した。刷毛を用いてこのコーティング組成物をスライドグラス上に塗布し、40℃相対湿度30%で一時間乾燥し試験膜を作成した。この試験膜の粘着性をハンディー圧縮試験器KES-G5((株)カトーテック製)を用いて評価した。粘着性は装置のヘッドを塗布膜から引き剥がす際の粘着力(g)で表した。すなわち、この値が高いほど塗布膜の粘着性が高いことを表している。結果を表2に示す。
還流冷却機、滴下ロート、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を備えた反応器に、イソプロピルアルコール400gを秤込み、窒素ガスを吹き込み溶存酸素を除去した。滴下ロートよりイソプロピルアルコール30g、メチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)60.0g、オレイロキシポリエチレングリコール(18)モノメタクリレート(製造例2の化合物)20.0g、クロトン酸(東京化成工業(株)製)10.0g、2−エチルヘキシルアクリレート(東京化成工業(株)製)10g、α、α'―アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク(株)製)2gを、攪拌下80℃まで昇温した反応器に滴下した。モノマー滴下終了後2時間80℃で攪拌し、α、α'−アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク(株)製)0.2gをイソプロビルアルコール10gに溶解させた液を滴下した。3時間80℃で攪拌を続けた後、α、α'―アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク(株)製)0.2gをイソプロピルアルコール10gで溶解させた液を滴下し、更に5時間80℃で攪拌を続けた。反応終了後、反応液を室温に戻し、28%アンモニア水(ナカライテスク(株)製)を加えて中和し、水を加え、減圧濃縮し固形分20質量%の親水性樹脂分散組成物10を得た。還流冷却機、滴下ロート、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を備えた反応器に、この親水性樹脂分散組成物10を240g、水60gを秤込み、窒素ガスを吹き込み溶存酸素を除去した。滴下ロートより、エチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)100g、ノルマルブチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)20gを、攪拌下80℃まで昇温した反応器に滴下した、同時に水15gに過硫
酸アンモニウム(和光純薬工業(株)製)0.5gを溶かしたものを滴下し、4時間反応させた。更に、90℃で加熱し、反応終了後、反応液を室温に戻し、本発明の水性ポリマー組成物分散物10を得た。得られた水性ポリマー組成物分散物10について、実施例1と同様に被膜の強度試験、柔軟性試験べたつき官能評価試験、及び粘着性試験を行った。結果を表2に示す。
酸アンモニウム(和光純薬工業(株)製)0.5gを溶かしたものを滴下し、4時間反応させた。更に、90℃で加熱し、反応終了後、反応液を室温に戻し、本発明の水性ポリマー組成物分散物10を得た。得られた水性ポリマー組成物分散物10について、実施例1と同様に被膜の強度試験、柔軟性試験べたつき官能評価試験、及び粘着性試験を行った。結果を表2に示す。
還流冷却機、滴下ロート、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を備えた反応器に、イソプロピルアルコール400gを秤込み、窒素ガスを吹き込み溶存酸素を除去した。滴下ロートよりイソプロピルアルコール30g、メチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)60.0g、ラウロキシポリエチレングリコール(10)モノアクリレート(上記製造例3で得られた化合物)20.0g、イタコン酸(東京化成工業(株)製)10.0g、2−エチルヘキシルアクリレート(東京化成工業(株)製)10g、α、α'―アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク(株)製)2gを、攪拌下80℃まで昇温した反応器に滴下した。モノマー滴下終了後2時間80℃で攪拌し、α、α'−アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク(株)製)0.2gをイソプロビルアルコール10gに溶解させた液を滴下した。3時間80℃で攪拌を続けた後、α、α'―アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク(株)製)0.2gをイソプロピルアルコール10gで溶解させた液を滴下し、更に5時間80℃で攪拌を続けた。反応終了後、反応液を室温に戻し、28%アンモニア水(ナカライテスク(株)製)を加えて中和し、水を加え、減圧濃縮し固形分20質量%の親水性樹脂分散組成物11を得た。還流冷却機、滴下ロート、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を備えた反応器に、この親水性樹脂分散組成物11を240g、水60gを秤込み、窒素ガスを吹き込み溶存酸素を除去した。滴下ロートより、メチルアクリレート(東京化成工業(株)製)100g、2−エチルへキシルメタクリレート(東京化成工業(株)製)20gを、攪拌下80℃まで昇温した反応器に滴下した、同時に水15gに過硫酸アンモニウム(和光純薬工業(株)製)0.5gを溶かしたものを滴下し、4時間反応させた。更に、90℃で加熱し、反応終了後、反応液を室温に戻し、本発明の水性ポリマー組成物分散物11を得た。得られた水性ポリマー組成物分散物11について、実施例1と同様に被膜の強度試験、柔軟性試験べたつき官能評価試験、及び粘着性試験を行った。結果を表2に示す。
Claims (2)
- 水性溶媒中に、互いに異なる構成モノマー組成を有するコポリマーからなる二層を有する多層構造を有するポリマー粒子が分散した組成物であって、該ポリマー粒子を構成する二層のコポリマー層が
A)10〜55質量%の下記一般式(I)で表されるモノマー及び5〜40質量%の重合性カルボン酸及びその塩を主構成モノマーとするコポリマー及び
B)下記一般式(II)で表されるモノマーで表されるモノマーを主構成モノマーとするコポリマーであることを特徴とする水性ポリマー組成物分散物。
(但し、式中、R 1 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R 2 は水酸基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R 3 は水素原子、炭素数6〜10の芳香族基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。mは4〜40の数値を表す。)
(但し、式中、R 4 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R 5 は炭素数1から10の直鎖状または分岐状のアルキル基を表す。)
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