JP5005885B2 - 水性ポリマー組成物分散物 - Google Patents
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Description
(1)水性溶媒中に、互いに異なる構成モノマー組成を有するコポリマーからなる二層を有する多層構造を有するポリマー粒子が分散した組成物であって、該ポリマー粒子を構成する二層のコポリマー層が
A)10〜55質量%の下記一般式(I)で表されるモノマー及び5〜40質量%の重合性カルボン酸及びその塩を主構成モノマーとするコポリマー及び
B)下記一般式(II)で表されるモノマーで表されるモノマーを主構成モノマーとするコポリマーである水性ポリマー組成物分散物を含有するメーク用化粧料。
(但し、式中、R 1 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R 2 は水酸基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R 3 は水素原子、炭素数6〜10の芳香族基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。mは4〜40の数値を表す。)
(式中、R 6 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R 7 は水素原子、炭素数6〜10の芳香族基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。nは4〜40の数値を表す。)
(4)(1)〜(3)何れか1項に記載の水性ポリマー組成物分散物を含有してなる化粧料。
(1)本発明の水性ポリマー組成物に用いられるコポリマーAの必須構成単位である一般式(I)で表されるモノマーから誘導される1種以上の構成単位
本発明の水性ポリマー組成物を構成するコポリマーAは、前記一般式(I)で表されるモノマーから誘導される1種以上の構成単位(以下、「構成単位(I)」ともいう)を必須構成単位として有する。ここで、R 1 で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、シクロプロピル基等が例示できる。本発明において、R 1 は水素原子又はメチル基であることが好ましい。また、R 2 で表されるアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、1−ヒドロキシ−2−メチルエチレン基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチレン基などが例示できるが、これらのうち、好ましくはエチレン基又はプロピレン基であり、より好ましくはエチレン基である。また、R 3 で表される基のうち、炭素数6〜10の芳香族基としては、フェニル基、ベンジル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基等が例示でき;炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ターシャリーブチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、オクチル基、2−エチルへキシル基、ラウリル基などが好適に例示でき;炭素数1〜12のアシル基としては、フォルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ラウロイル基などが好適に例示できる。これらのうち、R 3 で表される基として好ましくは炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル基である。ここで、mは4〜40の数値範囲であることが重要である。本発明においてmが上記範囲である構成単位(I)を、水性ポリマー組成物分散物を構成するコポリマーに用いることにより、優れた強度を有する被膜を形成できるコポリマーを製造することができる。mが4未満の場合はコポリマーの水溶性が低下し、被膜形成用組成物が調製できなくなるこ
とがある。反対に、mが40より大きすぎると水性ポリマー組成物分散物が形成する被膜の強度が低下してしまうので好ましくない。上記一般式(I)で表されるモノマーのうち、R 2 がプロピレン基であるモノマーとして具体的には、ポリプロピレングリコール(6)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(9)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(13)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(9)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(13)モノメタクリレート等が挙げられる。これらのポリマーの多くは市販品として入手可能である。一例を挙げると、商品名「ブレンマー」AP−400、AP−550、AP−800、PP−500、PP−800(いずれも日本油脂(株)製)等がある。なお、R 2 がエチレン基であるモノマーの具体例は後述する。
また、本発明の化粧料を構成する水性コポリマーAは、重合性カルボン酸及びその塩から誘導される1種以上の構成単位を必須構成単位として有する。重合性カルボン酸を具体的に例示すれば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられ、ほとんどが市販品として入手可能である。 本発明に用いられるコポリマーAに含まれる重合性カルボン酸及びその塩から誘導される構成単位は1種のみでもよいが、重合性カルボン酸及びその塩から誘導される構成単位を満たすものであれば2種以上の重合性カルボン酸及びその塩から誘導される構成単位を組み合わせて有していてもよい。本発明では、重合性カルボン酸及びその塩から誘導される構成単位の1種以上を、該水性コポリマーを構成する全構成単位に対して総量で5〜40質量%、好ましくは5〜35%、更に好ましくは10〜30質量%有する。重合性カルボン酸及びその塩から誘導される構成単位は、化粧料の形成する化粧膜と肌との親和性を担うものであり、また塗布時のべたつきを担うものでもある。コポリマーAの全構成単位に対する該構成単位の含有量を上記範囲とすることにより、塗布時にべたつかず、肌との密着性が良好で、衣服等に移りにくい化粧膜を形成できる化粧料を調製することができる。重合性カルボン酸及びその塩から誘導される構成単位の含有量が上記範囲より少なすぎると重合時の樹脂の親水性が低すぎて、反応しない。反対に上記範囲より多すぎると化粧膜の親水性高すぎて、化粧膜塗布時にべたついてしまうので好ましくない。
コポリマーAは、上記の必須構成単位(I)、(III)及び重合性カルボン酸及びその塩から誘導される構成単位以外に、通常共重合体を構成しうるモノマーから誘導される任意の構成単位を、本発明の化粧料の機能や効果を損なわない範囲で有することができる。かかる任意の構成単位としては、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、アクリル酸モノアルキルアミド、メタクリル酸モノアルキルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリル酸−nデシル(メタ)アクリル酸−nドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の炭素数9以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;酢酸ビニル;ビニルピロリドン;スチレン;α−メチルスチレン;アクリロニトリル等が例示できる。これらのモノマーの殆どは市販品として入手可能である。
本発明に用いられるコポリマーは、上記構成単位(I)、(III)及び重合性カルボン酸及びその塩から誘導される構成単位、並びに必要に応じて他の任意の構成単位を、その骨格中に含有する共重合体である。上記コポリマーは通常はその構成単位がランダムに結合したランダム共重合体であるが、ブロック共重合体又はグラフト共重合体であってもよい。本発明に用いられる水性コポリマーAの分子量は特に限定されないが、ゲルパーミエイションカラムを装着した高速液体クロマトグラフィーで測定したポリエチレングリコール換算重量平均分子量が5000〜200000000の範囲であることが好ましく、10000〜15000000であることがさらに好ましい。本発明におけるコポリマーAの製造方法は特に限定されないが、例えば各構成単位を誘導するモノマーを溶媒中で混合し、アクリル系モノマーの重合で通常用いられる方法に従って重合反応を行う方法により得ることができる。
本発明の水性ポリマー組成物分散物を構成するコポリマーBは、下記一般式(II)で表される疎水性モノマーから誘導される1種以上の構成単位(以下、「構成単位(II)」ともいう)を必須構成単位として有する。ここで、R 4 で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、シクロプロピル基等が例示できる。本発明において、R 4 は水素原子又はメチル基であることが好ましい。また、R 5 で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基が例示できる。上記一般式(II)で表されるモノマーを具体的に例示すれば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸2−エチルへキシル等が挙げられ、ほとんどが市販品として入手可能である。この場合、コポリマーが有する構成単位(II)は1種のみでもよいが、2種以上を組み合わせて有していてもよい。本発明では構成単位(II)の割合は、コポリマーBを構成する全構成単位に対して総量で5〜95質量%であり、好ましくは10〜90質量%であり、さらに好ましくは15〜85質量%であることが重要である。構成単位(II)を上記割合で含有することにより、化粧料の形成する化粧膜に被膜強度を付与でき、物理的な耐久性を向上させることができる。更に、本発明の水性ポリマー組成物で用いるコポリマーBは、上記の必須構成単位(II)から誘導される構成単位以外に、通常共重合体を構成しうるモノマーから誘導される任意の構成単位を、本発明の化粧料の機能や効果を損なわない範囲で有することができる。かかる任意の構成単位としては、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、アクリル酸モノアルキルアミド、メタクリル酸モノアルキルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリル酸−nデシル(メタ)アクリル酸−nドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の炭素数9以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;酢酸ビニル;ビニルピロリドン;スチレン;α−メチルスチレン;アクリロニトリル等が例示できる。これらのモノマーの殆どは市販品として入手可能である。
本発明に用いられる水性コポリマーは、上記構成単位(II)から誘導される構成単位、及び他の任意の構成単位を、その骨格中に含有する共重合体である。上記コポリマーは通常はその構成単位がランダムに結合したランダム共重合体であるが、ブロック共重合体又はグラフト共重合体であってもよい。本発明に用いられるコポリマーBの分子量は特に限定されないが、ゲルパーミエイションカラムを装着した高速液体クロマトグラフィーで測定したポリエチレングリコール換算重量平均分子量が5000〜200000000の範囲であることが好ましく、10000〜15000000であることがさらに好ましい。本発明におけるコポリマーBの製造方法は特に限定されないが、例えばコポリマーAを水性溶媒中に混合し、コポリマーBの構成成分を滴下して重合させるという、多層重合で通常用いられる方法に従って重合反応を行う方法により得ることができる。
本発明の水性ポリマー組成物は上記コポリマーAの1種又は2種以上とコポリマーBの1種又は2種以上とを含有する。本発明の水性ポリマー組成物分散物に於けるコポリマーA及びコポリマーBの含有量は総量で1〜50質量%であり、好ましくは2〜45質量%であり、より好ましくは3〜40質量%である。水性ポリマー組成物におけるコポリマーAとコポリマーBの含有量が少なすぎると、調整した水性ポリマー組成物が被膜を形成できない場合があり、多すぎると製剤化が困難になる場合がある。さらにコポリマーAとコポリマーBの比が90:10〜10:90、好ましくは80:20〜20:80さらに好ましくは70:30〜30:70の範囲にあることが重要である。コポリマーAの比率がこの範囲より大きすぎると形成する膜の水に対する耐久性が低下し、膜が物理的に弱くなることがあり、小さすぎると反応途中で不溶化を起こし、製造することができない場合があり好ましくない。本発明の水性ポリマー組成物にはコポリマーA及びコポリマーB以外にも、更に必要に応じエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2ペンタンジオール、グリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール、増粘剤、pH調整剤、可塑剤、防腐剤、抗酸化剤等を含んでいても良い。本発明の水性ポリマー組成物は、前記コポリマーAからなる層と、コポリマーBからなる層との少なくとも2つの層を有する多層構造を取ることが好ましい。この場合に於いて、コポリマーAからなる層が、コポリマーBからなる層の外側に位置するような多層構造を取ることが好ましい。この様な水性ポリマー組成物の好ましい形態としては、コポリマーBからなるコアと、コポリマーAからなるシェルを有するコアシェル構造を取ることが特に好ましい。
本発明の化粧料は、上記本発明の水性ポリマー組成物、すなわち上記コポリマーAの1種又は2種以上とコポリマーBの1種又は2種以上とを含有する。上記本発明の水性ポリマー組成物を含有する形態としては、前記水性ポリマー組成物分散物の形態で含有することが、安定性の面で好ましい。かかる水性ポリマー組成物を、水性ポリマー組成物分散物の形態で含有する、化粧料は、水に対する充分な溶解性を有し、且つ塗布時のべたつきがなく、被膜強度に優れた被膜を形成することができる。本発明の化粧料に於ける水性ポリマー組成物の好ましい含有量は、高分子のみの質量の総量で0.1〜50質量%であり、より好ましくは1〜35質量%である。水性ポリマー組成物分散物の含有量が少なすぎると、形成する化粧被膜が被膜強度を充分付与できない場合があり、多すぎると製剤化が困難になる場合がある。
ポリエチレングリコール化合物としてのポリエチレングリコール#1000を103g及びトリエチルアミン50gをテトラヒドロフラン500mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、この溶液に酸クロライドとしてのメタクリル酸クロライド5.2gをテトラヒドロフラン100mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈澱を濾過し、ロータリーエバポレーターを用いて濾液からテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が上記一般式(I)で表される親水性モノマーであるポリエチレングリコール(23)モノメタクリレートであることが確認された。
親水性モノマーの製造例1において、ポリエチレングリコール化合物及び酸クロライドの種類及び量を表1に示すように変更した以外は、上記製造例1と同様の方法により上記一般式(II)で表される親水性モノマーを得た。
上記水性ポリマー組成物分散物1、タルク及び水を、コポリマー濃度が10質量%、タルク濃度が20質量%となるように混合し、コーティング組成物を調製した。刷毛を用いてこのコーティング組成物をスライドグラス上に塗布し、60℃で8時間乾燥して試験用塗膜とした。得られた試験用塗膜上に目の粗い麻布を置き、麻布の上に更に種々の重さの分銅を軽いものから順に置いた。このような荷重条件下、塗膜上で麻布を動かし、塗膜に傷が生じる荷重を求め被膜強度とした。結果を表2に示す。
上記水性ポリマー組成物分散物1、タルク及び水を、コポリマー濃度が10質量%、タルク濃度が30質量%となるように混合し、コーティング組成物を調製した。刷毛を用いてこのコーティング組成物を厚さ0.2mmのスチレンフィルム上に2回重ねて塗布し、40℃で12時間乾燥して試験用塗膜とした。この試験用塗膜を折り曲げたり伸ばしたりする作業を繰り返し、スチレンフィルム上のコーティング面に亀裂が生じるまでの折り曲げ回数を求めた。結果を表2に示す。コーティング膜に亀裂が生じるまでの回数が多いほどそのコーティング膜の柔軟性が高いことを示す。
上記水性ポリマー組成物分散物1、タルク及び水を、コポリマー濃度が10質量%、タルク濃度が20質量%となるように混合し、コーティング組成物を調製した。内側上腕部に、指で0.1gを10平方センチメートルに塗布をし、塗布時におけるべたつき感を評価パネルにより官能評価した。5名の熟練評価者により、以下に示した5段階の評価基準により、べたつき感を評価した。評価スコアは5名の平均値とした。すなわち、このスコア値が高いほど塗布時にべたつかないことを表している。結果を表2に示す。
評価基準
1 非常にべたつく。
2 明らかにべたつく。
3 ややべたつく。
4 ほとんどべたつかない。
5 まったくべたつかない。
上記組成物1、タルク及び水を、コポリマー濃度が10質量%、タルク濃度が20質量%となるように混合し、コーティング組成物を調製した。刷毛を用いてこのコーティング組成物をスライドグラス上に塗布し、40℃相対湿度30%で一時間乾燥し試験膜を作成した。この試験膜の粘着性をハンディー圧縮試験器KES-G5((株)カトーテック製)を用いて評価した。粘着性は装置のヘッドを塗布膜から引き剥がす際の粘着力(g)で表した。すなわち、この値が高いほど塗布膜の粘着性が高いことを表している。結果を表2に示す。
酸アンモニウム(和光純薬工業(株)製)0.5gを溶かしたものを滴下し、4時間反応させた。更に、90℃で加熱し、反応終了後、反応液を室温に戻し、本発明の水性ポリマー組成物分散物10を得た。得られた水性ポリマー組成物分散物10について、実施例1と同様に被膜の強度試験、柔軟性試験べたつき官能評価試験、及び粘着性試験を行った。結果を表2に示す。
還流冷却機、滴下ロート、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を備えた反応器に、イソプロピルアルコール400gを秤込み、窒素ガスを吹き込み溶存酸素を除去した。滴下ロートよりイソプロピルアルコール30g、メチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)60.0g、メトキシポリエチレングリコール(9)メタクリレート(日本油脂(株)製、商品名「ブレンマーPME−400」)30.0g、2−エチルヘキシルアクリレート(東京化成工業(株)製)10g、α、α‘―アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク(株)製)2gを、攪拌下80℃まで昇温した反応器に滴下した。モノマー滴下終了後2時間80℃で攪拌し、α、α’−アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク(株)製)0.2gをイソプロビルアルコール10gに溶解させた液を滴下した。3時間80℃で攪拌を続けた後、α、α‘―アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク(株)製)0.2gをイソプロピルアルコール10gで溶解させた液を滴下し、更に5時間80℃で攪拌を続けた。反応終了後、反応液を室温に戻し、水を加え、減圧濃縮し固形分20質量%の親水性樹脂分散組成物13を得た。還流冷却機、滴下ロート、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を備えた反応器に、この親水性樹脂分散組成物13を240g、水60gを秤込み、窒素ガスを吹き込み溶存酸素を除去した。滴下ロートより、メチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)100g、2−エチルへキシルメタクリレート(東京化成工業(株)製)20gを、攪拌下80℃まで昇温した反応器に滴下した、同時に水15gに過硫酸アンモニウム(和光純薬工業(株)製)0.5gを溶かしたものを滴下したが、反応途中で全体が固化し水性ポリマー組成物分散物は得られなかった。
得られたクリーム1を手首内側に塗布した。手首の屈伸を激しく繰り返しながら、肌上の化粧膜の状態を拡大ビデオスコープにて観察した。これより、肌上の化粧膜に亀裂が生じる、又は化粧膜がしわ部分に偏在し始めるまでの手首の屈伸回数を求めた。この回数が多いほど、化粧膜が強固でかつ柔軟性に富み、肌の動きよって破壊され難いことを示している。結果を表6に示す。
Claims (2)
- 水性溶媒中に、互いに異なる構成モノマー組成を有するコポリマーからなる二層を有する多層構造を有するポリマー粒子が分散した組成物であって、該ポリマー粒子を構成する二層のコポリマー層が
A)10〜55質量%の下記一般式(I)で表されるモノマー及び5〜40質量%の重合性カルボン酸及びその塩を主構成モノマーとするコポリマー及び
B)下記一般式(II)で表されるモノマーで表されるモノマーを主構成モノマーとするコポリマーである水性ポリマー組成物分散物を含有するメーク用酸化チタン配合化粧料。
一般式(I)
(但し、式中、R1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R2は水酸基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R3は水素原子、炭素数6〜10の芳香族基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。mは4〜40の数値を表す。)
一般式(II)
(但し、式中、R4は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R5は炭素数1から10の直鎖状または分岐状のアルキル基を表す。)
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