JP4111892B2 - 水性ゲル型化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、水性ゲル型化粧料に関し、更に詳細には化粧効果の持続性向上用に好適な水性ゲル型化粧料に関する。
水を連続相とするゲル型化粧料、いわゆる、水性ゲル型化粧料は、取り分け夏用としては、その使用感触、とりわけ、清涼感から好まれつつある。しかしながら、連続相が水であり、形成する化粧膜が、汗等により破壊されやすく、肌に塗布した場合の化粧効果の持続性が充分でない場合が多いため、その使用感が特に好適な夏に使用するには、化粧効果の持続性を犠牲にせざるを得ない場合が少なくなく、その使用範囲が限られている。肌に塗布した場合の化粧効果の持続性を向上させるためには、フッ素化合物の配合という手法が有効であるが、従来のフッ素化合物は、水への溶解性、水との親和性が低いが故に、水性ゲル型化粧料には配合が困難であった(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)また、ポリマーエマルションを配合し、化粧膜の強度を向上させることにより化粧効果の持続性を向上させる方法も考えられるが、被膜感が強く水性ゲルの清涼感を損なってしまうことがあった(例えば、特許文献4を参照)
即ち、清涼感を中心とした好適な使用感触を維持しながら、肌に塗布した場合の化粧効果の持続性が著しく向上した水性ゲル型化粧料の開発が望まれているが、この様な化粧料は未だ得られていないのが現状であった。
一方、後記一般式(I)〜一般式(IV)で表される化合物は、ポリマー或いはコポリマーの原料として知られているものであり、そのうち、構成単位として一般式(I)及び一般式(II)(又は一般式(III))で表されるモノマーから誘導される構成単位を含むコポリマーを、疎水性の被膜形成剤としてネールカラーなどの化粧料に使用する技術は、既に知られている。しかしながら、これらの構成単位の構成比を変えて、水溶性コポリマーと為し、水性ゲル型化粧料に配合し、清涼感を中心とした好適な使用感触を維持し
ながら、肌に塗布した場合の化粧効果向上させることは全く知られていなかった。また、そのような化粧効果の持続性向上のためには、前記コポリマーのうち、構成単位として、1)一般式(I)で表されるモノマーから誘導されるものの一種以上を5〜9.8重量%、2)一般式(II)で表されるモノマーから誘導されるものの一種以上を30.2〜45重量%、及び3)一般式(IV)に表されるモノマーから誘導されるものの一種以上を50〜60重量%含有するコポリマーが特に好ましいことも知られていなかった。即ち、後記一般式(I)で表されるモノマーから誘導される構成単位の一種以上と、後記一般式(II)で表されるモノマーから誘導される構成単位の一種以上とを含み、且つ前記一般式(I)で表されるモノマーから誘導される構成単位の含有量が全構成単位の5〜25重量%であることを特徴とするコポリマーを含有する水性ゲル化粧料は全く知られていない。
特開2003−81756号公報 特開2000−256127号公報 特開平11−236317号公報 特開2000−26239号公報
本発明は、このような状況下なされたものであり、清涼感を中心とした好適な使用感触を維持しながら、肌に塗布した場合の化粧効果の持続性が著しく向上した水性ゲル型化粧料を提供することを課題とする。
本発明によれば、使用時の優れた清涼感が維持され且つ化粧効果の持続性が著しく向上した水性ゲル型化粧料を提供することができる。
本発明者らは、このような状況に鑑み、清涼感を中心とした好適な使用感触を維持しながら、肌に塗布した場合の化粧効果の持続性が著しく向上した水性ゲル型化粧料を提供する手段を求めて鋭意検討した結果、水溶性フッ素コポリマー、すなわち、特定の構成単位を特定量含有するコポリマーを配合した水性ゲル型化粧料により上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、以下の(1)〜(5)に示される技術に関するものである。
(1)1)一般式(I)で表されるモノマーから誘導される構成単位の一種以上を5〜9.8重量%、2)一般式(II)で表されるモノマーから誘導される構成単位の一種以上を30.2〜45重量%、及び3)一般式(IV)で表されるモノマーから誘導される構成単位の一種以上を50〜60重量%含有してなるコポリマーを含有する水性ゲル型化粧料。
Figure 0004111892
一般式(I)
(式(I)中、R 1 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R 2 は8〜21個の置換フッ素原子を有する炭素数5〜12のアルキル基を表す。)
Figure 0004111892
一般式(II)
(式(II)中、R 3 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R 4 は水酸基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R 5 は水素原子、炭素数6〜20の芳香族基、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、又は炭素数1〜20のアシル基を表す。nは4〜50の整数を表す。)
Figure 0004111892
一般式(IV)
(式(IV)中、R 8 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R 9 は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
(2)前記一般式(II)に表されるモノマーが、下記一般式(III)で表されるものであることを特徴とする、(1)に記載の水性ゲル型化粧料。
Figure 0004111892
一般式(III)
(式(III)中、R6は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R7は水素原子、炭素数6〜20の芳香族基、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、又は炭素数1〜20のアシル基を表す。qは8〜40の整数を表す。)
(3)更に、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸(C10〜30)アルキル及び生理的に許容されるこれらの塩から選択される1種乃至は2種以上を含有することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の水性ゲル型化粧料。
(4)メークアップ化粧料であることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の水性ゲル型化粧料。
(5)夏用であることを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の水性ゲル型化粧料。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の水性ゲル型化粧料は、一般式(I)で表されるモノマーから誘導される構成単位(以下、「構成単位(I)」という)の一種以上と、一般式(II)で表されるモノマーから誘導される構成単位(以下、構成単位(II)」という)の一種以上とを、構成単位として含むコポリマーを必須成分として含有するものである。
1)構成単位(I)
本発明の水性ゲル型化粧料の必須成分であるコポリマーの必須構成単位の一つは、以下の一般式(I)で表されるモノマーから誘導される構成単位(I)である。
Figure 0004111892
一般式(I)
ここで、式(I)中、 1 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、 2 は8〜21個の置換フッ素原子を有する炭素数5〜12のアルキル基を表す。 1 のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、シクロプロピル基等が例示できる。 1 として好ましいものは、水素原子又はメチル基である。
2 で表される8〜21個の置換フッ素原子を有する炭素数5〜12のアルキル基としては、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル基、1H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキシル基、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル基、1H,1H−トリデカフルオロヘプチル基、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル基、1H、1H、11H−エイコサフルオロウンデシル基等が好ましく例示できる。
このような一般式(I)で表される化合物は、アクリル酸又はα−アルキルアクリル酸から誘導される酸クロリドと、フッ素原子を含むアルコールとをアルカリ存在下縮合することにより得ることができる。また、このような一般式(I)で表される化合物の中には既に市販されているものがあり、それを利用することもできる。このような市販品の例としては、商品名「ビスコート8F」、「ビスコート8FM」、「ビスコート17F」、「ビスコート17FM」(いずれも大阪有機化学製)等が挙げられる。
本発明の水性ゲル型化粧料の必須成分であるコポリマーにおいて、上記構成単位(I)は1種のみでもよいが、該一般式(I)を満たすものであれば2種以上を組み合わせて構成単位とすることもできる。
本発明の水性ゲル型化粧料の必須成分であるコポリマーにおいては、前記構成単位(I)の1種以上を、該コポリマーを構成する全構成単位に対して、総量で5〜25重量%、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは5〜9.8重量%、更に好ましくは7〜9.8重量%含有する。
これは、一般式(I)で表されるモノマーから誘導される構成単位(I)が少なすぎると肌に塗布した場合の化粧効果の持続性が充分に向上しないことがあり、多すぎると、水溶性が低下し、製剤化が好適に行えない場合があるからである。このような理由から、一般式(I)で表されるモノマーから誘導される構成単位(I)は上記範囲内に含有量を定めるのが好ましい。
2)構成単位(II)
本発明の水性ゲル型化粧料の必須成分であるコポリマーの必須構成単位のもう一つは、以下の一般式(II)で表されるモノマーから誘導される構成単位(II)である。
Figure 0004111892
一般式(II)
式(II)中、 3 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、 4 は水酸基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、 5 は水素原子、炭素数6〜20の芳香族基、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、又は炭素数1〜20のアシル基を表す。nは4〜50の整数を表す。
3 のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、シクロプロピル基が例示できる。 3 として好ましくは、水素原子又はメチル基である。 4 のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、1−ヒドロキシ−2−メチルエチレン基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチレン基などが好ましく例示できる。これらのうち、好ましいものはエチレン基又は2−ヒドロキシプロピレン基である。
5 の基のうち、炭素数6〜20の芳香族基としては、フェニル基、ベンジル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基等が例示できる。
炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ターシャリーブチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、オクチル基、2−エチルへキシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基などが好適に例示できる。炭素数1〜20のアシル基としては、アセチル基、ブテノイル基、カプリロイル基、カプリノイル基、ベンゾイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基などが好適に例示できる。
これらのうち、 5 の基として特に好ましいものは、炭素数1〜12のアルキル基(脂肪族炭化水素基)である。nは4〜50の整数であり、好ましくは8〜40である。
このような一般式(II)で表されるモノマーのうち特に好ましいものとして、一般式(III)で表されるものが挙げられる。
Figure 0004111892
一般式(III)
(式(III)中、R6は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R7は水素原子、炭素数6〜20の芳香族基、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、又は炭素数1〜20のアシル基を表す。qは8〜40の整数を表す。)
このような一般式(III)で表されるモノマーを具体的に例示すれば、ポリエチレングリコール(9)モノアクリレート、ポリエチレングリコール(9)モノメタクリレート、メチルポリオキシエチレン(9)アクリレート、メチルポリオキシエチレン(9)メタクリレート、オクチルフェニルポリオキシエチレン(10)アクリレート、オクチルフェニルポリオキシエチレン(10)メタクリレート、ノニルフェニルポリオキシエチレン(15)アクリレート、ノニルフェニルポリオキシエチレン(15)メタクリレート、オレイルポリオキシエチレン(18)アクリレート、オレイルポリオキシエチレン(18)メタクリレート、ポリエチレングリコール(23)モノアクリレート、ポリエチレングリコール(23)モノメタクリレート、メチルポリオキシエチレン(23)アクリレート、メチルポリオキシエチレン(23)メタクリレート、セチルポリオキシエチレン(23)アクリレート、セチルポリオキシエチレン(23)メタクリレート、ドデシルポリオキシエチレン(23)アクリレート、ドデシルポリオキシエチレン(23)メタクリレート、ラウロイルポリオキシエチレン(10)アクリレート、ラウロイルポリオキシエチレン(10)メタクリレート、ステアロイルポリオキシエチレン(40)アクリレート、ステアロイルポリオキシエチレン(40)メタクリレート等があげられる。なお、カッコ内の数字はnの値を示す。
これらのモノマーは、対応するポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリエチレングリコールモノエステルとアクリル酸又はメタクリル酸のクロライド、無水物とのエステル化反応により高収率で得ることができる。既に市販品も多数存在するので、かかる市販品を利用することも可能である。
本発明の水性ゲル型化粧料の必須成分であるコポリマーにおいて、上記構成単位(II)は1種のみでもよいが、該一般式(II)を満たすものであれば2種以上を組み合わせることもできる。
前記コポリマーにおいては、構成単位(II)の割合は、該コポリマーを構成する全構成単位に対して、総量で20〜80重量%(平均重量百分率)とするのが好ましく、より好ましくは25重量%〜75%、更に好ましくは30.2〜45重量%である。
これは、一般式(II)で表されるモノマーから誘導される構成単位(II)が少なすぎると、コポリマーの水溶性が低く、製剤化が好適に行えない場合が有り、多すぎると、本発明の水性ゲル型化粧料が形成する化粧膜と汗等との親和性が良好になり、結果として、化粧効果の持続性が充分に向上しない場合があるからである。このような理由から、一般式(II)で表されるモノマーから誘導される構成単位(II)は上記範囲内に含有量を定めるのが好ましい。
3)その他の構成単位
本発明の水性ゲル型化粧料の必須成分であるコポリマーは、上記構成単位(I)及び(II)以外に、種々の構成単位を含有することができる。
そのなかで、一般式(IV)で表されるモノマーから誘導される構成単位(以下、「構成単位(IV)」という)を含有することが好ましい。
Figure 0004111892
一般式(IV)
ここで、式(IV)中、 8 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、 9 は炭素数1〜3のアルキル基を表す。 8 で表される基のうち、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、シクロプロピル基が例示できる。 8 の好ましいものとしては、水素原子又はメチル基が挙げられる。 9 で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、シクロプロピル基が例示でき、これらのうちではメチル基が好ましい。
一般式(IV)で表されるモノマーを具体的に例示すれば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル等が挙げられ、ほとんどが市販品として入手可能である。
本発明の水性ゲル型化粧料の必須成分であるコポリマーにおいて、構成単位として前記構成単位(IV)を含める場合、該構成単位(IV)は1種のみでもよいが、一般式(IV)を満たすものであれば2種以上を組み合わせることもできる。
前記コポリマーにおいて、構成単位(IV)の1種以上を含める場合、該構成単位の好ましい含有量は、コポリマーを構成する全構成単位に対して、総量で50〜60重量%である。構成単位(IV)を上記割合で含有することにより、コポリマーの作る被膜の強度を向上させることができる。
本発明の水性ゲル型化粧料の必須成分であるコポリマーでは、これらの構成単位以外に、通常共重体で使用されるモノマーから誘導されるものを任意に構成単位として、本発明の効果を損なわない範囲に於いて含有することができる。かかる任意の構成単位を誘導するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の重合性カルボン酸、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、アクリル酸モノアルキルアミド、メタクリル酸モノアルキルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド類、(メタ)アクリル酸nブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸nヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸nオクチル、(メタ)アクリル酸2エチルヘキシル等の炭素数4以上のアルキル基(脂肪族炭化水素基)を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル、2ヒドロキエチル(メタ)アクリレート、2ヒドロキプロピル(メタ)アクリレート、4ヒドロキ
ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドキロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、1H,1H−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H−ヘキサフルオロイソロピル(メタ)アクリレート等の7個以下の置換フッ素原子を有するフルオロアルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル等が例示できる。
本発明の水性ゲル型化粧料の必須成分であるコポリマーは、上記構成単位(I)及び(II)、さらに場合により構成単位(IV)並びに他の構成単位を、その骨格中に含有する共重合体であり、通常はその構成単位がランダムに結合したランダム共重合体であるが、ブロック共重合体あるいはグラフト共重合体であってもよい。また、その平均分子量は、特に制限はないが、好ましくは、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)で測定したポリエチレングリコール換算の重量平均分子量が5,000〜300,000、より好ましくは、7,000〜200,000程度である。
本発明の水性ゲル型化粧料の必須成分であるコポリマーの製造方法は特に限定されないが、各構成単位を誘導するモノマーを溶媒中で混合し、アクリル系モノマーの重合で通常用いられる方法にしたがって、重合反応を行うことにより得ることができる。
本発明の水性ゲル型化粧料は、必須成分である上記コポリマーと、通常化粧料で使用される他の任意の成分とから構成される。
ここで、上記コポリマーは、唯一種を含有することもできるし、二種以上を組み合わせて含有することもできる。
本発明の水性ゲル型化粧料に於けるコポリマーの好ましい含有量は、総量で0.1〜50重量%であり、更に好ましくは1〜40重量%である。コポリマーの含有量が少なすぎると、フッ素含有化合物を配合した化粧料の化粧効果の持続性を十分に向上させることができない場合があり、多すぎると製剤化が困難になる場合がある。又、この様に本発明の水性ゲルに上記コポリマーを含有させる場合には、予め、該コポリマーを水性担体に溶解させた状態で含有させることが好ましい。この様な形態で含有させるためには、該コポリマーを共重合する製造過程において、含水アルコールを溶媒として用い、出来たコポリマーから完全に溶媒除去することなく用いることが好ましい。
本発明の水性ゲル型化粧料においは、通常水性ゲル化粧料に配合し得る上記コポリマー以外の任意の成分を配合することが可能である。これらの任意の成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコン、フェメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、ポリエーテル変性シリコーンなどのシリコーン類、ホホバ油、カルナウバワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、オレイン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、リンゴ酸ジイソステアレートなどのエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの脂肪酸類、ベヘニルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール類、ヒマシ油、椰子油、水添椰子油、椿油、小麦胚芽油、イソステアリン酸トリグリセライド、イソオクタン酸トリグリセライド、オリーブオイル等のトリグリセライド類、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコール、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリエキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレート、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、アルキルベタイン等の両性界面活性剤類、結晶セルロースや架橋型メチルポリシロキサン、ポリエチレン粉末、アクリル樹脂粉体等の有機粉体類、タルク、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、紺青、群青、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ等の表面処理されていても良い粉体類、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー及び/又はその塩、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、レチノール、レチノイン酸、トコフェロール、リボフラビン、ピリドキシン、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル塩などのビタミンやグリチルリチン酸塩、グリチルレチン、ウルソール酸、オレアノール酸などのテルペン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストリオールなどのステロイド類などの有効成分、フェノキシエタノール、パラベン類、ヒビテングルコネート、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤、ジメチルアミノ安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤などが好ましく例示できる。これらは用途などに応じて適宜選択される。ここで、本発明に言う水性ゲル化粧料とは、水分を50重量%以上含有する化粧料であって、ゲル状の粘流動特性を有するものの総称を意味し、一層の溶液でも、二層の分散剤形であっても、乳化剤形であっても構わない。前記ゲル状の性状を持たせるためには、水溶性のゲル化剤を含有することが好ましく、かかる水溶性のゲル化剤としては、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸(C10〜30)アルキル及び生理的に許容されるこれらの塩から選択される1種乃至は2種以上が好ましく例示できる。これらのゲル化剤は何れも化粧料用の汎用原料であり、市販されている。これらの成分の、本発明の水性ゲル化粧料に於ける好ましい含有量は、0.05〜5重量%である。本発明の水性ゲル化粧料としては、化粧料で知られているものであれば、種類を問わず、基礎化粧料、メークアップ化粧料、毛髪化粧料、身体用化粧料何れもが適用可能である。この中で特に好ましいものは、メークアップ用の化粧料である。これは、メークアップ化粧料に於いては、化粧持ちの良し悪しが如実に効果として現れるからである。
本発明の水性ゲル型化粧料は、これらの必須成分及び任意成分を常法に従って処理することにより製造することができる。本発明の水性ゲル型化粧料の必須成分であるコポリマーは、本質的には、水溶性であり、水性ゲル型化粧料にコポリマーを含有させる方法としては、予めコポリマーを溶解した水溶液を作成しておき、これと水性ゲル型化粧料を構成する他の成分と混合させるのが好ましい。かくして得られた本発明の水性ゲル型化粧料は、肌に塗布した場合に清涼感に優れ、化粧膜にフッ素コポリマーを含有することにより化粧効果の持続性が向上する。
1)構成単位(I)を誘導する一般式(I)で表されるモノマーの製造例
製造例1
フルオロアルコールとしての1H,1H,2H,2H−ノナフルオロ−1−ヘキサノール52.8g、トリエチルアミン50gをテトラヒドロフラン500mlに溶解した。氷冷、攪拌を行いながら、この溶液に、酸クロライドとしてのアクリル酸クロライド18.1gをテトラヒドロフラン100mlに溶解した溶液を、2時間かけて滴下した。滴下終了後生成した白色沈澱を濾過し、ロータリーエバポレーターを用いて濾液からテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去した。NMR測定により得られた化合物が1H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキシルアクリレートであることが確認された。
製造例2〜5
製造例1に準じて原料を変え、一般式(I)で表されるモノマーを製造した。結果を表1に示す。
Figure 0004111892
2)構成単位(II)を誘導する一般式(II)で表されるモノマーの製造例
製造例6
ポリエチレングリコール化合物としてのポリエチレングリコール#400 80g、トリエチルアミン50gをテトラヒドロフラン500mlに溶解した。氷冷、攪拌を行いながら、この溶液に、酸クロライドとしてのメタクリル酸クロライド10.5gをテトラヒドロフラン100mlに溶解した溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後生成した白色沈澱を濾過し、ロータリーエバポレーターを用いて濾液からテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去した。NMR測定により得られた化合物がポリエチレングリコール(9)モノメタクリレートであることが確認された。
製造例7〜11
製造例6に準じて、原料を変えて一般式(II)に表されるモノマーを作成した。結果を表2に示す。
Figure 0004111892
3)本発明の水性ゲル型化粧料の必須成分であるコポリマーの製造例
製造例12
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(大阪有機化学製、商品名「ビスコート17F」)12.7g、メチルポリオキシエチレン(23)メタクリレート(新中村化学製、商品名「NKエステルM−230G」)52.7g、メチルメタクリレート(東京化成製)69.7g、及びイソプロピルアルコール300ml、水200mlからなる混合溶媒を採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。過硫酸アンモニウム2.3gを水20mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、65℃で16時間反応を行った。反応終了後、ロータリーエバポレーターでイソプロピルアルコールを除去して本発明のコポリマー1の水溶液を得た。
製造例13
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレート(製造例2の化合物)1.2g、1H、1H、11H−エイコサフルオロウンデシルアクリレート(製造例5の化合物)3.0g、ステアロイルポリオキシエチレン(40)アクリレート(製造例11の化合物)22.8g、エチルアクリレート33.0g、及びエチルアルコール200ml、水100mlからなる混合溶媒を採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。過硫酸アンモニウム1.0gを水10mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、70℃で12時間反応を行った。反応終了後、ロータリーエバポレーターでイソプロピルアルコールを除去して本発明のコポリマー2の水溶液を得た。
製造例14
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、1H,1H−トリデカフルオロヘプチルアクリレート(製造例3の化合物)3.1g、メチルポリオキシエチレン(9)アクリレート(新中村化学製、商品名「NKエステルAM−90G」)9.5g、オレイルポリオキシエチレン(18)メタクリレート(製造例8の化合物)12.0g、メタクリル酸イソプロピル(東京化成製)35.4g、及び酢酸エチル300mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。過酸化ベンゾイル0.5gを酢酸エチル10mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、8時間のリフラックスにより反応を行った。反応終了後、水をこの溶液に添加し、フラッシングを行って本発明のコポリマー3の水溶液を得た。
製造例15
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、1H、1H、11H−エイコサフルオロウンデシルアクリレート(製造例5の化合物)4.8g、ステアロイルポリオキシエチレン(40)アクリレート(製造例11の化合物)22.2g、メチルメタクリレート(東京化成製)24.0g、エチルメタクリレート(東京化成製)9.0g、及びイソプロピルアルコール200ml、水100mlからなる混合溶媒を採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。過硫酸アンモニウム1.0gを水10mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、70℃で18時間反応を行った。反応終了後、ロータリーエバポレーターでイソプロピルアルコールを除去して本発明のコポリマー4の水溶液を得た。
製造例16
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、1H,1H−ペンタデカフルオロオクチルメタクリレート(製造例4の化合物)8.0g、ラウロイルポリオキシエチレン(10)アクリレート(製造例10の化合物)32.0g及びイソプロピルアルコール200mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。過酸化ベンゾイル0.5gをイソプロピルアルコール10mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、80℃で8時間反応を行った。反応終了後、大量のn−へキサンにこの溶液に添加し、生成した沈殿を乾燥した後水に溶解して本発明のコポリマー5の水溶液を得た。
製造例17
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、1H,1H−トリデカフルオロヘプチルアクリレート(製造例3の化合物)9.0g、ポリエチレングリコール(9)モノメタクリレート(製造例6の化合物)36.0g、メタクリル酸nブチル(東京化成製)15.0g及び酢酸エチル300mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。過酸化ベンゾイル0.5gを酢酸エチル10mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、8時間のリフラックスにより反応を行った。反応終了後、水をこの溶液に添加し、フラッシングを行って本発明のコポリマー6の水溶液を得た。
製造例18
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(大阪有機化学製、商品名「ビスコート17F」)6.0g、1H,1H−トリフルオロエチルメタクリレート(大阪有機化学製、商品名「ビスコート3FM」)18.0g、メチルポリオキシエチレン(23)メタクリレート(新中村化学製、商品名「NKエステルM−230G」)24.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成製)12.0g及びイソプロピルアルコール180ml、水120mlからなる混合溶媒を採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。過硫酸アンモニウム1.0gを水10mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、70℃で12時間反応を行った。反応終了後、ロータリーエバポレーターでイソプロピルアルコールを除去して本発明のコポリマー7の水溶液を得た。
製造例19
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルアクリレート(製造例5の化合物)1.2g、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート(大阪有機化学製、商品名「ビスコート8FM」)1.6g、オレイルポリオキシエチレン(18)メタクリレート(製造例8の化合物)26.0g、スチレン(東京化成製)11.2g及びトルエン250mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。アゾビスイソブチロニトリル0.5gをトルエン10mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、70℃で8時間反応を行った。反応終了後、水をこの溶液に添加し、フラッシングを行って本発明のコポリマー8の水溶液を得た。
製造例20
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、1H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキシルアクリレート(製造例1の化合物)3.6g、ノニルフェニルポリオキシエチレン(15)アクリレート(製造例7の化合物)18.0g、ポリオキシエチレン(23)モノメタクリレート(製造例9の化合物)18.0g、エチルアクリレート(東京化成製)20.4g及びエチルアルコール150ml、水150mlからなる混合溶媒を採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。過硫酸カリウム1.0gを水10mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、80℃で12時間反応を行った。反応終了後、ロータリーエバポレーターでエチルアルコールを除去して本発明のコポリマー9の水溶液を得た。
製造例21
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(大阪有機化学製「ビスコート17F」)5.6g、メチルポリオキシエチレン(23)メタクリレート(新中村化学製「NKエステルM−230G」)24.0g、メチルメタクリレート(東京化成製)18.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成製)12.0g及びイソプロピルアルコール180ml、水120mlからなる混合溶媒を採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。過硫酸アンモニウム1.0gを水10mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、70℃で12時間反応を行った。反応終了後、ロータリーエバポレーターでイソプロピルアルコールを除去して本発明のコポリマー10水溶液を得た。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明がこれら実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
<実施例1〜4、比較例1>
下記に示す処方に従って、本発明の水性ゲル型化粧料であるファンデーションを作成した。即ち、表3の成分1〜15の混合物(イ)を攪拌混合し均一溶液とした後、成分16〜19の混合物(ロ)を添加し、ディスパー(高速分散機)で強力に攪拌混合した。成分20及び21を混合して均一溶液としたもの(ハ)を、攪拌を行いながら、(イ)と(ロ)の混合物に加えた後静置し水性ゲルを得た。
なお、以下、水性ゲル型化粧料の処方実施例及び比較例を記載した表中の数値はいずれも重量%を表す。
Figure 0004111892
表中セテス−30はPOE(30)セチルエーテルを表し、カルボマーはカルボキシビニルポリマーを表す。
<実施例5〜8、比較例2>
下記に示す処方に従って、本発明の水性ゲル型化粧料であるUVプロテクター(紫外線防御用ファンデーション)を作成した。即ち、表4の成分1〜15の混合物(イ)を攪拌混合し均一溶液とした後、成分16(ロ)を添加し、ディスパー(高速分散機)で強力に攪拌混合した。成分17及び18を混合して均一溶液としたもの(ハ)を、攪拌を行いながら、(イ)と(ロ)の混合物に加えた後静置し水性ゲルを得た。
Figure 0004111892
<実施例9〜12、比較例3>
下記に示す処方に従って、本発明の水性ゲル型化粧料であるアイカラーを作成した。即ち、表5の成分1〜14の混合物(イ)を攪拌混合し均一溶液とした後、成分15〜20(ロ)を添加し、ディスパー(高速分散機)で強力に攪拌混合した。成分21及び22を混合して均一溶液としたもの(ハ)を、攪拌を行いながら、(イ)と(ロ)の混合物に加えた後静置し水性ゲルを得た。
Figure 0004111892
<実施例13〜15、比較例4>
下記に示す処方に従って、本発明の水性ゲル型化粧料である口紅を作成した。即ち、表6の成分1〜13の混合物(イ)を攪拌混合し均一溶液とした後、成分14〜19(ロ)を添加し、ディスパー(高速分散機)で強力に攪拌混合した。成分20及び21を混合して均一溶液としたもの(ハ)を、攪拌を行いながら、(イ)と(ロ)の混合物に加えた後静置し水性ゲルを得た。
Figure 0004111892
<実施例16〜18、比較例5>
下記に示す処方に従って、本発明の水性ゲル型化粧料であるリップグロスを作成した。即ち、表7の成分1〜13の混合物(イ)、及び成分14、15の混合物(ロ)をそれぞれ攪拌混合し均一溶液とした。(イ)を攪拌しながら(ロ)を加えた後、静置し水性ゲルを得た。
Figure 0004111892
<試験例1;水性ゲル型化粧料の化粧持ち試験>
腕の内側部位に実施例1〜18及び比較例1〜5の水性ゲル型化粧料を塗布した。5分間放置した後、腕に流水をかけながら、不織布で塗布部位を擦り、塗布したメークアップ化粧料が完全に除去されるまでの時間を測定した。結果を表8に示す。表中の数値は塗布したメークアップ化粧料が完全に除去されるまでの時間(秒)である。
<試験例2;水性ゲル型化粧料塗布時の清涼感の評価>
腕の内側部位に実施例1〜22及び比較例1〜5の水性ゲル型化粧料を塗布し、このとき感じる清涼感をパネラー20名で評価した。清涼感は以下に示す規準に従い5段階のスコアで評価した。結果を表8に示す。表中の数値はパネラー20名の平均スコアを表す。
1:清涼感を全く感じない。
2:清涼感を僅かに感じる。
3:清涼感をやや感じる。
4:清涼感を明確に感じる。
5:清涼感をかなり感じる。
Figure 0004111892
<試験例3;水性ゲル型UVプロテクターのUVカット効果の評価>
腕の内側部位に実施例5〜8及び比較例2の水性ゲル型UVプロテクターを塗布した。5分間放置した後、腕に流水をかけながら、10秒間不織布で塗布部位を擦った。更に5分間放置し腕を乾燥させた後、塗布部位にUVランプをあてた。
このとき比較例2では塗布部位がUV光を全く反射させなかったのに対し、実施例5〜8では塗布部位がUV光を反射させた。すなわち、比較例2ではUVカット効果が失われていたのに対して、実施例5〜8ではUVカット効果が維持されていた。
これより、本発明の水性ゲル型化粧料は何れも、使用時の優れた清涼感を維持しつつ、化粧効果の持続性が著しく向上していることが判る。
本発明は、化粧持ちを向上させる作用を有する水性ゲル化粧料に応用できる。

Claims (5)

  1. 1)一般式(I)で表されるモノマーから誘導される構成単位の一種以上を5〜9.8重量%、2)一般式(II)で表されるモノマーから誘導される構成単位の一種以上を30.2〜45重量%、及び3)一般式(IV)で表されるモノマーから誘導される構成単位の一種以上を50〜60重量%含有してなるコポリマーを含有する水性ゲル型化粧料。
    Figure 0004111892
    一般式(I)
    (式(I)中、R1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R2は8〜21個の置換フッ素原子を有する炭素数5〜12のアルキル基を表す。)
    Figure 0004111892
    一般式(II)
    (式(II)中、R3は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R4は水酸基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R5は水素原子、炭素数6〜20の芳香族基、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、又は炭素数1〜20のアシル基を表す。nは4〜50の整数を表す。)
    Figure 0004111892
    一般式(IV)
    (式(IV)中、R8は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R9は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
  2. 前記一般式(II)に表されるモノマーが、下記一般式(III)で表されるものであることを特徴とする、請求項に記載の水性ゲル型化粧料。
    Figure 0004111892
    一般式(III)
    (式(III)中、R6は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R7は水素原子、炭素数6〜20の芳香族基、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、又は炭素数1〜20のアシル基を表す。qは8〜40の整数を表す。)
  3. 更に、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸(C10〜30)アルキル及び生理的に許容されるこれらの塩から選択される1種乃至は2種以上を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料。
  4. メークアップ化粧料であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の化粧料。
  5. 夏用であることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の化粧料。
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