JP6004784B2 - 新規な四価アルコールのエステル - Google Patents

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Description

本発明は、新規な四価アルコールのエステル、更に詳細には、硬化組成物用樹脂を形成するモノマーとして好適な新規な四価アルコールのエステルに関する。
種々の基材に対するハードコート材、有機デバイス用封止材等の表面保護材料には、表面保護のための表面硬度はもちろんのこと、複雑な基材の表面構造にフィットするための柔軟性が必要とされている。また、柔軟性ばかりでなく、基材表面を均一に被覆するためには、硬化時に体積収縮を起こさないことも要求されている。
ところで、(メタ)アクリル酸誘導体モノマーは反応性が高く、重合反応による硬化が比較的良好で、硬化剤、すなわち、重合開始剤を選択することにより、UV照射により、高温を必要としない硬化が可能であり、種々の、(メタ)アクリル酸誘導体モノマーを含有する硬化組成物が用いられてきた。しかしながら、これらのモノマーは、硬化後の保護被膜が柔軟性(かとう性)は有するものの、硬化時に保護膜が体積収縮を起こすという課題が生じる場合があった。
体積収縮を小さくするためには、立体障害が大きい分岐構造を有するアクリルモノマーを硬化組成物に用いる手法がある(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。しかしながら、これらのアクリルモノマーを含有する硬化性組成物が形成する保護膜では、柔軟性が低下するという課題が生じる場合があった。すなわち、柔軟性が高く、硬化時に体積収縮を起こさない保護膜を与える、硬化組成物用のアクリル誘導体モノマーの開発が望まれていた。
一方、四価アルコールの水酸基の一つが(メタ)アクリロイル基によって置換され、残りの三つの水酸基が特定の分岐構造を有するアシル基で置換されたエステルは、既存文献に未記載の化合物であり、該化合物を硬化組成物に用いた場合、柔軟性があり、硬化時に体積収縮をおこさない保護膜を与えることは知られていなかった。
特開平07−82216号公報 特開平07−82216号公報 特開平10−279527号公報
本発明は、柔軟性があり、硬化時に体積収縮をおこさない保護膜を与える硬化組成物用の樹脂を形成するモノマーとして好適なアクリル誘導体モノマーを提供することを課題とする。
このような状況を鑑み、本発明者等は、柔軟性があり、硬化時に体積収縮をおこさない保護膜を与える硬化組成物用のアクリル誘導体モノマーを求めて鋭意研究した結果、四価アルコールの水酸基の一つが(メタ)アクリロイル基によって置換され、残りの三つの水酸基が特定の分岐構造を有するアシル基で置換されたエステルが、柔軟性があり、硬化時に体積収縮をおこさない保護膜を与える硬化組成物用として好適であることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)下記一般式(I)で表される四価アルコールのエステル。
一般式(I)
(I)

(一般式(I)中R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R,R,Rは同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数6〜22のアシル基を表す。Pは四価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
(2)下記一般式(II)で表されることを特徴とする(1)記載のエステル。
一般式(II)
(II)

(一般式(II)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R,R,Rは同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数10〜22のアシル基を表す。Qは四価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
(3)下記一般式(III)で表されることを特徴とする(1)記載のエステル。
一般式(III)
(III)

(一般式(III)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R10,R11,R12は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜9のアシル基を表す。Sは四価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
(4)四価のアルコールがジグリセリン、ペンタエリスリトール、エリスリトール、D−トレイトール、L−トレイトールからなる群から選択される四価のアルコールであることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載のエステル。
本発明よれば、柔軟性があり、硬化時に体積収縮をおこさない保護膜を与える硬化組成物用の樹脂を形成するモノマーとして好適なアクリル誘導体モノマーが提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は下記一般式(I)で表される新規な四価アルコールのエステルである。
一般式(I)
(I)

(一般式(I)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R,R,Rは同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数6〜22のアシル基を表す。Pは四価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
ここで、Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基等が例示できる。本発明において、Rは水素原子又はメチル基であることが好ましい。
また、R,R,Rで表される環構造を含まない、分岐を有する炭素数6〜22のアシル基としては、2−メチルペンタノイル基、3−メチルペンタノイル基、4−メチルペンタノイル基、2−エチルブタノイル基、2−エチルブタノイル基、2,2−ジメチルブタノイル基、3,3−ジメチルブタノイル基、2−メチルヘキサノイル基、4−メチルヘキサノイル基、5−メチルヘキサノイル基、2,2−ジメチルペンタノイル基、4,4−ジメチルペンタノイル基、2−メチルヘプタノイル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンタノイル基、2,2−ジメチルヘキサノイル基、2,2,3−トリメチルペンタノイル基、2−メチルオクタノイル基、3,5,5−トリメチルヘキサノイル基、2−メチルノナノイル基、4−メチルノナノイル基、8−メチルノナノイル基、4−エチルオクタノイル基、2−エチルオクタノイル基、2−ブチルヘキサノイル基、2−tert−ブチルヘキサノイル基、2,2−ジエチルヘキサノイル基、2,2−ジメチルオクタノイル基、3,7−ジメチルオクタノイル基、ネオデカノイル基、7−メチルデカノイル基、2−メチル−2−エチルオクタノイル基、2−メチルウンデカノイル基、10−メチルウンデカノイル基、2,2ジメチルデカノイル基、2−エチルデカノイル基、2−ブチルオクタノイル基、ジエチルオクタノイル基、2−tert−ブチル−2,2,4−トリメチルペンタノイル基、10−メチルドデカノイル基、3−メチルドデカノイル基、4−メチルドデカノイル基、11−メチルドデカノイル基,10−エチルウンデカノイル基、12−メチルトリデカノイル基、2−ブチルデカノイル基、2−ヘキシルオクタノイル基、2−ブチル−2−エチルオクタノイル基、12−メチルテトラデカノイル基、14−メチルペンタデカノイル基、2−ブチルドデカノイル基、2−ヘキシルデカノイル基、16−メチルヘプタデカノイル基、2,2−ジメチルヘキサノイル基、2−ブチルヘキサデカノイル基、2−ヘキシルドデカノイル基、2,4,10,14−テトラメチルペンタノイル基、18−メチルノナデカノイル基、3,7,11,15−テトラ−メチルヘキサデカノイル基、19−メチルエイコサノイル基等を例示することができる。
上記一般式(I)で表される四価アルコールのエステルの中でも特に好ましいものとして、下記一般式(II)又は(III)で表される四価アルコールのエステルが挙げられる。
一般式(II)
(II)

(一般式(II)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R,R,Rは同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数10〜22のアシル基を表す。Qは四価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
一般式(III)
(III)

(一般式(III)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R10,R11,R12は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜9のアシル基を表す。Sは四価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
ここで、R,Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基等が例示できる。本発明において、R,Rは水素原子又はメチル基であることが好ましい。
,R,Rで表される、環構造を含まない、分岐を有する炭素数10〜22のアシル基としては、2−メチルノナノイル基、4−メチルノナノイル基、8−メチルノナノイル基、4−エチルオクタノイル基、2−エチルオクタノイル基、2−ブチルヘキサノイル基、2−tert−ブチルヘキサノイル基、2,2−ジエチルヘキサノイル基、2,2−ジメチルオクタノイル基、3,7−ジメチルオクタノイル基、ネオデカノイル基、7−メチルデカノイル基、2−メチル−2−エチルオクタノイル基、2−メチルウンデカノイル基、10−メチルウンデカノイル基、2,2ジメチルデカノイル基、2−エチルデカノイル基、2−ブチルオクタノイル基、ジエチルオクタノイル基、2−tert−ブチル−2,2,4−トリメチルペンタノイル基、10−メチルドデカノイル基、3−メチルドデカノイル基、4−メチルドデカノイル基、11−メチルドデカノイル基,10−エチルウンデカノイル基、12−メチルトリデカノイル基、2−ブチルデカノイル基、2−ヘキシルオクタノイル基、2−ブチル−2−エチルオクタノイル基、12−メチルテトラデカノイル基、14−メチルペンタデカノイル基、2−ブチルドデカノイル基、2−ヘキシルデカノイル基、16−メチルヘプタデカノイル基、2,2−ジメチルヘキサノイル基、2−ブチルヘキサデカノイル基、2−ヘキシルドデカノイル基、2,4,10,14−テトラメチルペンタノイル基、18−メチルノナデカノイル基、3,7,11,15−テトラ−メチルヘキサデカノイル基、19−メチルエイコサノイル基等を例示することができる。
また、R10,R11,R12で表される、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜9のアシル基としては、2,2−ジメチルブタノイル基、3,3−ジメチルブタノイル基、2,2−ジメチルペンタノイル基4,4−ジメチルペンタノイル基、2,2−ジメチルヘキサノイル基、2,2,3−トリメチルペンタノイル基、3,5,5−トリメチルヘキサノイル基等を例示することができる。
さらに、P,Q,Sで表される、四価アルコールから誘導される基は、四価アルコールから、OH基が離脱した基であれば特に限定されないが、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、エリスリトール、D−トレイトール、L−トレイトールからなる群から選択される四価アルコールから、OH基が離脱した基が好適に例示できる。
本発明の四価アルコールのエステルは例えば、以下の方法で合成することが可能である。
なお、ステップa)及びb)の具体的な方法に関しては、US特許4,405,798、Anne Buyle Padias, H. K. Hall Jr. Macromolecules 15, 217(1982)等に記載されている。
a)四価アルコールの三つのOH基をエステル化しマスキングする。
b)aで合成し化合物と(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸無水物又は(メタ)アクリル酸クロライドを反応させる。得られたエステルをさらに加水分解し、四価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルを合成する。
c)bで得られた四価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルと所定の分岐構造を有するカルボン酸又はその無水物又はそのクロライドとを反応させ、本発明の四価アルコールのエステルを得る。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明がこれら実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
<製造例1>ペンタエリスリトールモノアクリレートの合成
工程(1)攪拌器、冷却器付3Lの4つ口フラスコに、ペンタエリスリトール34.0g、オルトギ酸トリエチル(シグマ−アルドリッチ社製)37.0g、フタル酸ジオクチル(東京化成工業(株)製)750ml及びパラトルエンスルフォン酸(東京化成工業(株)製)0.1gをとり攪拌混合した。その後、140℃に加熱し、2.5時間反応を行った。反応終了後、減圧蒸留により精製を行って、一般式(IV)で表される、4−(ヒドロキシメチル)−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン(化合物1)を得た。
一般式(IV)
(IV)
工程(2)攪拌装置を備えた反応容器中で、工程(1)で得た化合物1を29.2g、トリエチルアミン50.0gをテトラヒドロフラン300mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、アクリル酸クロライド(東京化成工業(株)製)18.1gをテトラヒドロフラン100mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈殿を濾過し、濾液からロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して一般式(V)で表される4−(アクリロキシメチル)−2.6.7−トリオキサシクロ [2,2,2]オクタン(化合物2)を得た。
一般式(V)
(V)
工程(3)攪拌器、冷却器付の容器中で、40.0gの工程(2)で得た化合物2を水300mlに攪拌溶解した。その後、攪拌を続けながら、70℃で6時間反応を行った後、水を蒸発除去し、乾燥を行って、一般式(VI)で表されるペンタエリスリトールモノアクリレートを得た。
一般式(VI)
(VI)
<製造例2〜6>
製造例1の工程(1)におけるペンタエリスリトール、工程(2)における工程(1)で得られる化合物の仕込み量及び(メタ)アクリル酸クロライド、工程(3)における工程(2)で得られる化合物の仕込み量を表1のように変更し、四価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルを合成した。四価のアルコール及びその仕込み量、工程(1)で得られる化合物及びその仕込み量、工程(2)で得られる化合物及びその仕込み量、得られるモノ(メタ)アクリル酸エステルについて表1に示す。また、製造例2〜6の反応工程をスキーム1〜5に示す。
* 1)東京化成工業(株)製
* 2)東京化成工業(株)製
スキーム1 製造例2の反応工程
スキーム2 製造例3の反応工程
スキーム3 製造例4の反応工程
スキーム4 製造例5の反応工程
スキーム5 製造例6の反応工程
<実施例1>
攪拌機及び冷却管を備えた反応容器に、16−メチルヘプタデカン酸(シグマ−アルドリッチ社製)28.4g及び塩化チオニル35.7g(東京化成工業(株)製)、ベンゼン200mlをとり攪拌混合した。攪拌を続けながら、リフラックスを4時間行った後、減圧蒸留による精製を行って、16−メチルヘプタデカン酸クロライドを得た。
攪拌装置を備えた反応容器中で、ペンタエリスリトールモノアクリレート(製造例1で得た化合物)19.0g、トリエチルアミン30.0gをテトラヒドロフラン500mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、上記で得た16−メチルヘプタデカン酸クロライド90.9gをテトラヒドロフラン200mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈殿を濾過し、濾液からロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が、一般式(VII)で表される、本発明の四価アルコールのエステルであることが確認された。
一般式(VII)
(VII)
<実施例2>
攪拌装置を備えた反応容器中で、ジグリセリンモノアクリレート(製造例4で得た化合物)44.0g、トリエチルアミン50.0gをテトラヒドロフラン500mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、2−エチルヘキサン酸クロライド(シグマ−アルドリッチ社製)97.6gをテトラヒドロフラン200mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈殿を濾過し、濾液からロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が、一般式(VIII)で表される、本発明の四価アルコールのエステルであることが確認された。
一般式(VIII)
(VIII)
<実施例3>
攪拌機及び冷却管を備えた反応容器に、2−ブチル−2−エチルオクタン酸(シグマ−アルドリッチ社製)22.8g及び塩化チオニル35.7g(東京化成工業(株)製)、ベンゼン200mlをとり攪拌混合した。攪拌を続けながら、リフラックスを4時間行った後、減圧蒸留による精製を行って、2−ブチル−2−エチルオクタン酸クロライドを得た。
攪拌装置を備えた反応容器中で、エリスリトールモノアクリレート(製造例5で得た化合物)17.6g、トリエチルアミン30.0gをテトラヒドロフラン300mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、上記で得た2−ブチル−2−エチルオクタン酸クロライド74.0gをテトラヒドロフラン200mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈殿を濾過し、濾液からロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が、一般式(IX)で表される、本発明の四価アルコールのエステルであることが確認された。
一般式(IX)
(IX)
<実施例4>
攪拌装置を備えた反応容器中で、ペンタエリスリトールモノメタクリレート(製造例2で得た化合物)40.8g、トリエチルアミン50.0gをテトラヒドロフラン500mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、3,5,5−トリメチルヘキサン酸クロライド(シグマ−アルドリッチ社製)106.0gをテトラヒドロフラン200mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈殿を濾過し、濾液からロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が、一般式(X)で表される、本発明の四価アルコールのエステルであることが確認された。
一般式(X)
(X)
<実施例5>
攪拌機及び冷却管を備えた反応容器に、19−メチルエイコサン酸(シグマ−アルドリッチ社製)32.7g及び塩化チオニル35.7g(東京化成工業(株)製)、ベンゼン200mlをとり攪拌混合した。攪拌を続けながら、リフラックスを4時間行った後、減圧蒸留による精製を行って、19−メチルエイコサン酸クロライドを得た。
攪拌装置を備えた反応容器中で、ジグリセリンモノメタクリレート(製造例3で得られた化合物)23.4g、トリエチルアミン50.0gをテトラヒドロフラン300mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、上記で得た19−メチルエイコサン酸クロライド103.5gをテトラヒドロフラン200mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈殿を濾過し、濾液からロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が、一般式(XI)で表される、本発明の四価アルコールのエステルであることが確認された。
一般式(XI)
(XI)
<実施例6>
攪拌機及び冷却管を備えた反応容器に、2,2−ジメチルオクタン酸(シグマ−アルドリッチ社製)17.2g及び塩化チオニル35.7g(東京化成工業(株)製)、ベンゼン200mlをとり攪拌混合した。攪拌を続けながら、リフラックスを4時間行った後、減圧蒸留による精製を行って、2,2−ジメチルオクタン酸クロライドを得た。
攪拌装置を備えた反応容器中で、エリスリトールモノメタクリレート(製造例6で得られた化合物)19.0g、トリエチルアミン30.0gをテトラヒドロフラン300mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、上記で得た2,2−ジメチルオクタン酸クロライド57.2gをテトラヒドロフラン100mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈殿を濾過し、濾液からロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が、一般式(XII)で表される、本発明の四価アルコールのエステルであることが確認された。
一般式(XII)
(XII)

<試験例1>硬化組成物の硬化時における体積収縮率の測定
実施例1〜6の四価アルコールエステル、比較例1としてメタクリル酸nドデシル(DMAと省略 東京化成工業(株)製)、比較例2として特開平07−82216号公報実施例1記載の方法で得たアクリル酸エステル(C13−Aと省略)、硬化剤としてのトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPAと省略 大阪有機化学工業(株)製)及び光重合開始剤としてのIrgacure 184(IR184と省略)チバガイギー社製を表2記載の組成で混合し、UV硬化組成物を調製した。なお、表2中の数字は質量%を意味する。
次に、このUV硬化組成物をシャーレーに10mlとり、そこへ紫外線を320mJ/cm光量で照射し、硬化組成物を硬化させた。硬化後の体積を測定し、硬化時の収縮率を求めた。結果を表3に示す。
<試験例2>硬化被膜の表面硬度
試験例1で硬化させた硬化物の表面硬度を1H〜6Hの鉛筆を用い、鉛筆硬度試験(旧 JIS K5400)を実施した。結果を表3に示す。
<試験例3>硬化被膜のかとう性(柔軟性)
試験例1で用いたUV硬化組成物をテフロン(登録商標)フィルム上に塗布し、試験例1と同様の条件で紫外線を照射し、硬化膜を調製した。この硬化膜を前後に曲げ、膜表面にクラックが入るまでこの操作を繰り返し、クラックが生じる折り曲げ回数を被膜の柔軟性とした。折り曲げ回数が多いほど柔軟性が高いことを意味する。結果を表3に示す。

表3から明らかなように、本発明のエステルを含有する硬化組成物が形成する被膜は、表面硬度が高く、且つ硬化時の体積収縮率が低く、柔軟な被膜を与えることが実証された。
本発明のエステルは硬化組成物用モノマーとして有用である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表される四価アルコールのエステルを含むラジカル硬化性組成物からなる被膜形成剤。
    一般式(I)
    (I)

    (一般式(I)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R,R,Rは同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数6〜22のアシル基を表す。Pは四価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
  2. 前記四価アルコールのエステルが下記一般式(II)で表されることを特徴とする請求項1記載の被膜形成剤。
    一般式(II)
    (II)

    (一般式(II)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R,R,Rは同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数10〜22のアシル基を表す。Qは四価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
  3. 前記四価アルコールのエステルが下記一般式(III)で表されることを特徴とする請求項1記載の被膜形成剤。
    一般式(III)
    (III)

    (一般式(III)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R10,R11,R12は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜9のアシル基を表す。Sは四価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
  4. 四価アルコールがジグリセリン、ペンタエリスリトール、エリスリトール、D−トレイトール、L−トレイトールからなる群から選択される四価のアルコールであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の被膜形成剤。
JP2012146189A 2012-06-29 2012-06-29 新規な四価アルコールのエステル Active JP6004784B2 (ja)

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