JP6445826B2 - ホスホン酸誘導体、不飽和基含有ホスホン酸誘導体及びこれらの製造方法 - Google Patents

ホスホン酸誘導体、不飽和基含有ホスホン酸誘導体及びこれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ホスホン酸誘導体、不飽和基含有ホスホン酸誘導体及びこれらの製造方法に関するものである。
リン酸エステル系の各種化合物は、従来から基材密着性の向上や難燃性の付与という目的で、アクリル系重合体の共重合体成分として使用されたり、エネルギー線硬化性樹脂組成物の成分として配合されたりしてきた。
このような化合物の一例であるリン酸エステル系の(メタ)アクリレートは、原料・合成法の関係上、不飽和基を2個有するジ(メタ)アクリレートが副生してしまう。このようなジ(メタ)クリレートを含有する(メタ)アクリレートは、架橋反応を生じるため、多量に使用することができない。よって、得られた重合体の物性を充分に向上させることが困難であった。
更に、リン酸エステル化合物中のC−O−P結合は、加水分解を受けやすいため使用時の安定性においても改善が求められている。
本発明者らは、このような問題を改善するために、ホスホン酸誘導体において、種々の検討を行った。すなわち、ホスホン酸は、C−O−P結合ではなく、C−P結合を有するものであるから、耐加水分解性が向上する。
よって、このようなホスホン酸誘導体において、純度が高い化合物が得られれば、アクリル樹脂の重合モノマーやエネルギー線硬化性樹脂組成物の成分として有用である。
非特許文献1においては、アンモニウムビスジエチルホスホン酸(メタ)アクリレートの製造方法が記載されている。しかし、当該文献に記載された化合物は、プロパノールアミン誘導体であり、原料が高価で工業的に入手困難なものを使用していることから、樹脂原料として実用化するのは困難である。
非特許文献2においても、不飽和結合を有するホスホン酸誘導体が開示されている。しかし、当該化合物の製造においては、ホルムアルデヒドが必要とされる。ホルムアルデヒドは安定性が低く、人体にも悪影響を有する化合物であるから、これを使用する化合物はその製造において、管理された設備が必要とされてしまう。
非特許文献3においても、不飽和基を有するホスホン酸誘導体が記載されている。しかし、亜リン酸トリエチルを使用してホスホン酸基を形成するものであるから、合成方法が根本的に相違しており、得られる化合物の化学構造も完全に相違するものである。
その他、非特許文献4においても、ホスホン酸誘導体が記載されている。しかし、当該文献においては、医薬品の中間体製造において記載されているものであり、ホスホン酸誘導体自体の樹脂原料等の化学工業的有用性について検討するものではない。
European Polymer Journal 44(2008)1771−1781 Polymer 54(2013) 3188−3108 European Polymer Journal 48(2012) 318−330 Journal of Medical Chemistry 55(2012)、6209−6223
本発明は上記に鑑み、安価な原料を使用して、安全性の高い反応によって高純度で製造することができ、反応性官能基を有するために、種々の反応において原料として使用することができるホスホン酸誘導体、不飽和基を有するホスホン酸誘導体及びそれらの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、下記式(A)又は(B)であらわされる構造を有する不飽和基含有ホスホン酸誘導体でもある。
本発明のホスホン酸誘導体は、安価にかつ安全に製造することができる。更に、純度が高い化合物を得ることができるから、ポリマー原料、エネルギー線硬化塗料の成分として使用した際に、配合量を高めることができるため、基材密着性の向上や難燃性の付与を行うことができる。更に、加水分解を受けにくいため、使用時の安定性においても優れている。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のホスホン酸誘導体は、ホスホン酸基と水酸基との両方を有する化合物である。このため、ホスホン酸基による密着性や難燃性を有し、かつ、水酸基を利用して各種化合物に誘導することができる。
本発明は、下記一般式(1)又は(2)であらわされるエタノールアミン構造を有するものである。
すなわち、エタノールアミン構造を基本構造とするものであるから、安全性が高く、工業的にも純度が高く安価なものを容易に入手することができる。更に、その誘導体の種類も多数存在することから、目的に応じて種々の構造を選択することができる。更に、得られた化合物の安定性も高い。
上記一般式(1)におけるR,Rのいずれか一方が以下で詳述するホスホン酸基を有する構造でない場合、これらは炭素数1〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基であることが好ましい。また、R,Rの両方が以下で詳述する上記一般式(3)で表される構造、又は、上記一般式(3)で表される構造を1又は2以上有する構造であってもよい。
更に、本発明のホスホン酸誘導体は、下記一般式(3)で表される構造を有する。

(式中、R,Rは、メチル基又はエチル基であり、同一であっても相違していてもよい)
すなわち、窒素原子及びメチレン鎖を介してホスホン酸基が導入されたものである。このような構造であることから、加水分解を受けにくいこと、原料として使用する成分として純度が高いものを使用すれば、不純物の混入が生じにくく、安定して高純度のものが容易に得られること、等の点で好ましいものである。
上記一般式(3)におけるOR、ORは、メトキシ基又はエトキシ基である。OR、ORは、同一であっても相違していてもよいが、同一であることが好ましい。
上記一般式(3)で表される構造は、一般式(1)(2)で表される構造式中の窒素原子上に直接結合して、
という一般式であらわされる構造を有するものであってもよいし、その他の炭化水素基等を介して存在するNが一般式(3)で置換される、
のような構造であってもよい。式中、R20は、特に限定されるものではないが、炭素数1〜10の飽和又は不飽和の炭化水素鎖であることが好ましい。
式中、R,R21は、炭素数1〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基であってもよく、R,R21中が、炭素数1〜10の飽和又は不飽和の炭化水素基が、更に上記一般式(3)で表される構造で置換されたものであってもよい。
上記構造において、RとR21とが結合していて、環状構造を形成したものであってもよい。
(式中、R20,R21は,炭素数1〜10の飽和又は不飽和の炭化水素鎖であることが好ましい)
また、−NR,R構造におけるR,Rの両方を上記一般式(3)の構造としたしたような、
という構造であってもよい。
上記一般式(3)で表される構造は、分子中に1〜3個の範囲内で存在することが好ましい。使用する目的・用途に応じ、必要とされる難燃性等の水準に応じて、導入数を決定することができる。
このような本願発明のホスホン酸誘導体の具体的な構造式の例を以下に示す。なお、本発明は以下に例示した化合物に限定されるものではない。
これらの化合物は、水酸基を他の化合物と反応させることによって、更に他の官能基を分子中に導入することができる。また、一般式(1)で表される化合物を樹脂製造やその他の化合物製造に際して原料として使用することもできる。
このような反応を行う場合、水酸基と反応させる官能基としては特に限定されるものではなく、カルボキシル基、イソシアネート基、エポキシ基等、水酸基と反応する官能基を有する化合物と反応させることができる。
なかでも、一般式(1)で表される化合物を(メタ)アクリル酸又はその誘導体と反応させて得られた不飽和基含有ホスホン酸誘導体は、不飽和基を有するものであることから、アクリル樹脂等の重合に際してモノマーとして使用することで、アクリル樹脂に基材密着性の向上や難燃性の付与を行うことができる。また、エネルギー線硬化型の塗料組成物に配合することもできる。このような不飽和基含有ホスホン酸誘導体も本発明の一つである。
上記不飽和基含有ホスホン酸誘導体は、上述したホスホン酸誘導体と同様の構造を有するものであり、より具体的な化合物としては、上記ホスホン酸誘導体として例示した各化合物の水酸基を(メタ)アクリレート化したものを挙げることができる。このような化合物は、上述した一般式(4)(5)で表される化合物である。
上述した一般式(4)(5)で表される不飽和基含有ホスホン酸誘導体以外に、上述した一般式(6)(7)で表される不飽和基含有ホスホン酸誘導体も、本発明の一つである。一般式(6)(7)で表される不飽和基含有ホスホン酸誘導体は、一般式(1)(2)で表されるホスホン酸誘導体の水酸基にウレタン結合を介して(メタ)アクリレート化したものである。このような化合物も、上述した一般式(4)(5)で表される不飽和基含有ホスホン酸誘導体同様、アクリル樹脂等の重合に際してモノマーとして使用することで、アクリル樹脂に基材密着性の向上や難燃性の付与を行うことができる。また、エネルギー線硬化型の塗料組成物に配合することもできる。
上記一般式(4)(5)(6)(7)の一般式であらわされる不飽和基含有ホスホン酸誘導体は、エネルギー線硬化型塗料組成物において、エネルギー硬化型単量体の一部として使用することもできる。このような用途に使用した場合、得られた硬化塗膜において、不飽和基含有ホスホン酸誘導体が重合反応によって樹脂の一部となるため、長期間にわたって安定して基材密着性や難燃性を向上させることができるものである。
上記不飽和基含有ホスホン酸誘導体は、アクリル樹脂の重合に際して、不飽和基含有単量体として使用することによって、樹脂に対して密着性や難燃性を付与することができるものである。
上述した一般式(1)、一般式(2)で表される化合物の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、以下に詳述する方法によって製造することができる。
一般式(1)で表される化合物は、目的とする化合物に対応する構造であって、下記一般式(6)で表される化合物又は下記一般式(7)で表される化合物
(式中、R,R,Rは、目的とする化合物中の−CHCH−P(=O)(OR)(OR)基を水素に置換した構造である)
の−NHR基又は−NH基に対して、下記一般式(8)
で表される化合物を反応させることによって得ることができる。
上記反応を化学反応式で示したものが、下記化学反応式(1)、化学反応式(2)である。
上記製造方法は、反応が定量的に進行して、副生物が実質的に生じないため、単官能の化合物を得ようとした場合に多官能の化合物を生じる等の問題も生じないし、高収率で目的の化合物を得ることができる。また、触媒の使用も必要はないため、反応後に未反応成分や触媒等を除去するための精製を行うことは必ずしも必要ない、という利点も有する。
上記反応の反応条件は特に限定されず、例えば、水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒中に溶解した溶液の状態で、理論値に合わせた等量比で混合し、これを室温〜100℃に加熱して行うことができる。
なお、上記反応において、触媒等は特に必要とされないが、触媒を添加することを妨げるものではない。
更に、一般式(1)又は(2)で表される本発明のホスホン酸誘導体に対して、(メタ)アクリル酸又はそのエステル形成性誘導体を反応させることによって、一般式(4)(5)で表される本発明の不飽和基含有ホスホン酸誘導体を製造することができる。
当該(メタ)アクリル酸の誘導体は、水酸基と反応をしてエステル結合を形成することができる誘導体であれば、特に限定されず、酸無水物、酸塩化物等を使用することができる。当該反応の反応条件は特に限定されず、通常のエステル化反応の条件において行うことができる。
上記反応の反応条件は特に限定されず、例えば、有機溶媒溶液中で、理論値に合わせた等量比で混合し、これを60〜80℃に加熱して行うことができる。
上記反応において、触媒等は特に必要とされないが、触媒などを添加することを妨げるものではない。
また、一般式(1)又は(2)で表される本発明のホスホン酸誘導体に対して、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート(下記一般式(11)で示される化合物)を反応ささせることによって、上記一般式(6)又は一般式(7)で表される化合物を得ることができる。このような反応の条件等は特に限定されるものではなく、イソシアネート基と水酸基とが反応する通常の条件において行うことができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げてさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1)
(下記一般式による化合物101の合成)
50mlのナスフラスコにN−メチルエタノールアミン 1.1gとビニルホスホン酸ジメチル 2.0gをとり、6mlのメタノールを加えて、室温で一晩撹拌した。反応終了後、溶剤を減圧下留去し目的物を3.1g得た。
得られた化合物について、NMR測定を行った。測定溶媒はCDClを使用し、基準物質は、1H NMRにおいてはTMSとした。
1H NMR δ=3.75(6H,d), 3.62(2H,t), 2.72(2H,tt), 2.53(2H,t), 2.28(3H,s), 2.00(2H,tt),
31P NMR δ= 34.96
なお、31P NMRの測定結果においては、単一ピークのみが観察されたことから、不純物は実質的に存在しない。
参考例2)
(上記反応によって得られた化合物101を原料とする下記一般式による化合物102の合成)
50mlのナスフラスコに化合物101 1.7gと無水メタクリル酸 1.3gをとり、ついでテトラヒドロフラン 5mlとトリエチルアミン 1gを加え、室温で一晩撹拌した。反応終了後、イオン交換水に反応混合物を注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせてイオン交換水で2回洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させてセライト濾過した。得られた有機層の溶媒を減圧下留去し目的物を2.0g得た。
得られた化合物について、NMR測定を行った。測定溶媒はCDCl3を使用し、基準物質は、1H NMRにおいてはTMSとした。
1H NMR δ= 6.11(1H,s), 5.57(1H,s), 4.25(2H,t), 3.74(6H,d), 2.76(2H,m), 2.71(2H,t), 2.32(3H,s), 1.98(2H,m), 1.95(3H,s)
31P NMR δ= 33.80
なお、31P NMRの測定結果においては、単一ピークのみが観察されたことから、不純物は実質的に存在しない。
参考例3)
(下記一般式による化合物103の合成)
50mlのナスフラスコにN−エチルエタノールアミン 3.9gとビニルホスホン酸ジメチル 6.0gをとり、15mlのメタノールを加えて、室温で一晩撹拌した。反応終了後、溶剤を減圧下留去し目的物を8.9g得た。
得られた化合物について、NMR測定を行った。測定溶媒はCDCl3を使用し、基準物質は、1H NMRにおいてはTMSとした。
1H NMR =3.75(6H,d), 3.59(2H,t), 2.81(2H,m), 2.57(4H,m), 1.96(2H,tt), 1.04(3H,t),
31P NMR = 34.82
なお、31P NMRの測定結果においては、単一ピークのみが観察されたことから、不純物は実質的に存在しない。
(実施例4)
(上記反応によって得られた化合物103を原料とする下記一般式による化合物104の合成)
50mlのナスフラスコに化合物103 1.7gと無水メタクリル酸 1.2gをとり、ついでテトラヒドロフラン 5mlとトリエチルアミン 0.9gを加え、室温で一晩撹拌した。反応終了後、イオン交換水に反応混合物を注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせてイオン交換水で2回洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させてセライト濾過した。得られた有機層の溶媒を減圧下留去し目的物を2.2g得た。
得られた化合物について、NMR測定を行った。測定溶媒はCDCl3を使用し、基準物質は、1H NMRにおいてはTMSとした。
1H NMR 6.10(1H,s), 5.57(1H,s), 4.21(2H,t), 3.74(6H,d), 2.85(2H,m), 2.75(2H,t), 2.58(2H,q), 1.95(5H,m), 1.04(3H,t)
31P NMR δ=34.02
なお、31P NMRの測定結果においては、単一ピークのみが観察されたことから、不純物は実質的に存在しない。
(実施例5)
(上記反応によって得られた化合物103を原料とする下記一般式による化合物105の合成)
50mlのナスフラスコに化合物103 1.0gと無水メタクリル酸 0.6gをとり、ついでテトラヒドロフラン 2mlとトリエチルアミン 0.5gを加え、室温で一晩撹拌した。反応終了後、イオン交換水に反応混合物を注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせてイオン交換水で2回洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させてセライト濾過した。得られた有機層の溶媒を減圧下留去し目的物105を0.8g得た。
得られた化合物について、NMR測定を行った。測定溶媒はCDCl3を使用し、基準物質は、1H NMRにおいてはTMSとした。
1H NMR δ=6.41(1H,d), 6.13(1H,q), 5.83(1H,d), 4.22(2H,t), 3.74(6H,d), 2.84(2H,q), 2.74(2H,t), 2.58(2H,q), 1.94(2H,tt), 1.04(3H,t)
31P NMR δ= 34.05
なお、31P NMRの測定結果においては、単一ピークのみが観察されたことから、不純物は実質的に存在しない。
参考例6)
(下記一般式による化合物106の合成)
50mlのナスフラスコに1−ピペラジンエタノール 1.0gとビニルホスホン酸ジメチル 1.0gをとり、3mlのメタノールを加えて、室温で一晩撹拌した。反応終了後、溶剤を減圧下留去し目的物105を1.9g得た。
得られた化合物について、NMR測定を行った。測定溶媒はCDCl3を使用し、基準物質は、1H NMRにおいてはTMSとした。
1H NMR δ= 3.75(6H,d), 3.62(2H,t), 2.66(2H,q), 2.54(10H,m), 1.98(2H,tt)
31P NMR δ= 33.75
なお、31P NMRの測定結果においては、単一ピークのみが観察されたことから、不純物は実質的に存在しない。
参考例7)
(上記反応によって得られた化合物106を原料とする下記一般式による化合物107の合成)
50mlのナスフラスコに化合物106 1.9gと無水メタクリル 1.2gをとり、ついでテトラヒドロフラン 5mlとトリエチルアミン0.9gを加え、室温で一晩撹拌した。反応終了後、イオン交換水に反応混合物を注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせてイオン交換水で2回洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させてセライト濾過した。得られた有機層の溶媒を減圧下留去し目的物を2.3g得た。
得られた化合物について、NMR測定を行った。測定溶媒はCDCl3を使用し、基準物質は、1H NMRにおいてはTMSとした。
1H NMRδ=6.11(1H,s), 5.57(1H,s), 4.25(2H,t), 3.74(6H,d), 2.76(2H,m), 2.71(2H,t), 2.32(3H,s), 1.98(2H,m), 1.95(3H,s)
31P NMR δ= 33.80
なお、31P NMRの測定結果においては、単一ピークのみが観察されたことから、不純物は実質的に存在しない。
参考例8)
(化合物108の合成)
50mlのナスフラスコに2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.3gとビニルホスホン酸ジメチル 1.0gをとり、3mlのメタノールを加えて、室温で一晩撹拌した。反応終了後、溶剤を減圧下留去し目的物を0.4g得た。
得られた化合物について、NMR測定を行った。測定溶媒はCDCl3を使用し、基準物質は、1H NMRにおいてはTMSとした。
1H NMR δ= 3.75(18H,d), 3.56(2H,t), 2.83(6H,m), 2.56(6H,m), 1.95(6H,m),
31P NMR δ=34.13
なお、31P NMRの測定結果においては、単一ピークのみが観察されたことから、不純物は実質的に存在しない。
参考例9)
(上記反応によって得られた化合物108を原料とする下記一般式による化合物109の合成)
50mlのナスフラスコに化合物108 0.4gと無水メタクリル酸 0.1gをとり、ついでテトラヒドロフラン5mlとトリエチルアミン0.1gを加え、室温で一晩撹拌した。反応終了後、イオン交換水に反応混合物を注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせてイオン交換水で2回洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させてセライト濾過した。得られた有機層の溶媒を減圧下留去し目的物を0.4g得た。
得られた化合物について、NMR測定を行った。測定溶媒はCDCl3を使用し、基準物質は、1H NMRにおいてはTMSとした。
1H NMR δ=6.10(1H,s), 5.58(1H,s), 4.19(2H,t), 3.74(18H,d), 2.85(2H,m), 2.76(4H,m), 2.59(2H,m), 2.52(2H,m), 1.95(9H,m)
31P NMR δ= 33.64
なお、31P NMRの測定結果においては、単一ピークのみが観察されたことから、不純物は実質的に存在しない。
参考例10)
(化合物110の合成)
50mlのナスフラスコにジエタノールアミン 0.8gとビニルホスホン酸ジメチル 1.0gをとり、3mlのメタノールを加えて、室温で一晩撹拌した。反応終了後、溶剤を減圧下留去し目的物を1.8g得た。
得られた化合物について、NMR測定を行った。測定溶媒はCDCl3を使用し、基準物質は、1H NMRにおいてはTMSとした。
1H NMR δ= 3.78(6H,d), 3.60(4H,q), 2.85(2H,m), 2.63(4H,q), 1.97(2H,m),
31P NMR δ=35.79
なお、31P NMRの測定結果においては、単一ピークのみが観察されたことから、不純物は実質的に存在しない。
参考例11)
(上記反応によって得られた化合物110を原料とする下記一般式による化合物111の合成)
50mlのナスフラスコに化合物110 1.8gと無水メタクリル 1.2gをとり、ついでテトラヒドロフラン 5mlとトリエチルアミン 0.5gを加え、室温で一晩撹拌した。反応終了後、イオン交換水に反応混合物を注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせてイオン交換水で2回洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させてセライト濾過した。得られた有機層の溶媒を減圧下留去し目的物を1.6g得た。
得られた化合物について、NMR測定を行った。測定溶媒はCDCl3を使用し、基準物質は、1H NMRにおいてはTMSとした。
1H NMR δ=6.09(2H,s), 5.57(2H,s), 4.21(4H,t), 3.74(6H,d), 2.90(2H,m), 2.84(2H,m), 1.99(2H,m), 1.94(6H,s),
31P NMR δ= 33.46
なお、31P NMRの測定結果においては、単一ピークのみが観察されたことから、不純物は実質的に存在しない。
(重合反応)
冷却管・温度計・窒素封入管を備えた4つ口の50mlフラスコに実施例5で得られた化合物0.5gとメタクリル酸メチル4.5gをとり、ついでメチルイソブチルケトン7.0mlを加え、窒素を封入しながら30分間室温で撹拌した後70℃に加温した。次に、V-59(和光純薬(株)製;重合開始剤)0.15gをメチルイソブチルケトン0.5mlに溶解し、フラスコ内に投入し、70℃で5時間反応させた。反応終了後、得られたポリマー溶液をn-ヘキサン中に滴下し、ポリマーの再沈殿操作を実施した。沈殿したポリマーを濾別により回収し、更にn-ヘキサンにて洗浄を行いポリマーに付着している未反応モノマーを除去した。得られたポリマーについて、31PNMR測定を行い、Pのピークを検出した。このことから、ポリマー中にPの導入を確認したと同時に重合性の確認も同時に実施できた。なお、測定溶媒はCDCl3を使用した。
本発明のホスホン酸誘導体、不飽和基含有ホスホン酸誘導体は、エネルギー線硬化型塗料組成物の単量体成分、アクリル樹脂に使用される単量体として使用することができる。

Claims (1)

  1. 下記式(A)または(B)であらわされる構造を有する不飽和基含有ホスホン酸誘導体。
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