JPWO2018221314A1 - 重合禁止剤および当該重合禁止剤を用いた(メタ)アクリル酸エステルの製造方法、精留物 - Google Patents

重合禁止剤および当該重合禁止剤を用いた(メタ)アクリル酸エステルの製造方法、精留物 Download PDF

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Abstract

本発明は、脱水エステル化反応、あるいはエステル交換反応により得られた(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物から、当該(メタ)アクリル酸エステルを精留するために用いられる重合禁止剤であって、前記重合禁止剤は、一般式(1):で表される化合物、および一般式(2):で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上である。当該重合禁止剤は、脱水エステル化反応、あるいはエステル交換反応によって得られた(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物から、当該(メタ)アクリル酸エステルを精留できる。

Description

本発明は、脱水エステル化反応、あるいはエステル交換反応により得られた(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物から、当該(メタ)アクリル酸エステルを精留するために用いられる重合禁止剤、および当該重合禁止剤を用いた(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。また、本発明は、脱水エステル化反応またはエステル交換反応により得られる(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留物に関する。
従来、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(以下、TEMPOとも称す)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(以下、HTEMPOとも称す)、4−(ベンゾイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシド(以下、BTEMPOとも称す)などの2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル系化合物は、安定な有機フリーラジカルの化合物であるため、(メタ)アクリル酸エステルなどの単量体の重合禁止剤として利用されている(特許文献1、2)。
一方、上記のような重合禁止剤が、単量体混合物中に多く含まれている場合、単量体を重合する際に重合阻害を引き起こすため、単量体混合物中の重合禁止剤を低減させる方法が知られている。
単量体混合物中の上記のような重合禁止剤を低減させる方法としては、酸を接触させる方法が開示されている(特許文献3)。当該方法は、単量体の回収率を高め、かつ上記のような重合禁止剤を低減できる点において、蒸留操作よりも適した方法であることが開示されている。
また、単量体混合物の蒸留方法として、特定のN−オキシル化合物を使用することが知られている(特許文献4)。
特公昭54−3853号公報 特公昭58−46496号公報 特開2002−284737号公報 国際公開第2016/047655号
一方、アルコールと(メタ)アクリル酸との脱水エステル化反応によって(メタ)アクリル酸エステルを製造する際、重合禁止剤として、HTEMPOを用いた場合、HTEMPOが有する水酸基により、HTEMPOと原料の(メタ)アクリル酸が脱水縮合反応してしまい、副生成物が生じる問題があった。また、アルコールと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとのエステル交換反応によって(メタ)アクリル酸エステルを製造する際、重合禁止剤として、BTEMPOを用いた場合、BTEMPOが有するエステル結合により、BTEMPOと原料の(メタ)アクリル酸アルキルエステルがエステル交換してしまい、副生成物が生じる問題があった。
また、上記のような脱水エステル化反応、あるいはエステル交換反応によって得られた(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物から、目的物である(メタ)アクリル酸エステルを蒸留(精留)する場合、上記の副生成物や、HTEMPOやBTEMPOなどの重合禁止剤が、目的物と一緒に留去してしまい、目的物(製品)を意図せずに着色させたり、目的物を重合させる際の阻害剤となる問題があった。とくに、目的物である(メタ)アクリル酸エステルが比較的高沸点(例えば、1気圧下で200℃以上)を有する場合、これらの問題が顕著であった。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、脱水エステル化反応、あるいはエステル交換反応によって得られた(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物から、当該(メタ)アクリル酸エステルを精留するための重合禁止剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、脱水エステル化反応、あるいはエステル交換反応によって得られた(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物から、当該重合禁止剤の存在下、当該(メタ)アクリル酸エステルを精留する工程を含む(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、脱水エステル化反応またはエステル交換反応により得られる(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留物を提供することを目的とする。
本発明は、脱水エステル化反応、あるいはエステル交換反応により得られた(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物から、当該(メタ)アクリル酸エステルを精留するために用いられる重合禁止剤であって、前記重合禁止剤は、一般式(1):
Figure 2018221314
(一般式(1)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基を表し、前記アルキル基、前記アルケニル基、前記シクロアルキル基、および前記アリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、および炭素数6〜20のアリール基のいずれか1つ以上で置換されていてもよい。)で表される化合物、および一般式(2):
Figure 2018221314
(一般式(2)中、Rは、単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基、または炭素数6〜20のアリーレン基を表し、前記アルキレン基、前記アルケニレン基、前記シクロアルキレン基、および前記アリーレン基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、および炭素数6〜20のアリール基のいずれか1つ以上で置換されていてもよい。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする重合禁止剤、に関する。
また、本発明は、脱水エステル化反応、あるいはエステル交換反応により得られた(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物から、重合禁止剤の存在下、当該(メタ)アクリル酸エステルを精留する工程を含む(メタ)アクリル酸エステルの製造方法であって、前記重合禁止剤は、一般式(1):
Figure 2018221314
(一般式(1)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基を表し、前記アルキル基、前記アルケニル基、前記シクロアルキル基、および前記アリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、および炭素数6〜20のアリール基のいずれか1つ以上で置換されていてもよい。)で表される化合物、および一般式(2):
Figure 2018221314
(一般式(2)中、Rは、単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基、または炭素数6〜20のアリーレン基を表し、前記アルキレン基、前記アルケニレン基、前記シクロアルキレン基、および前記アリーレン基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、および炭素数6〜20のアリール基のいずれか1つ以上で置換されていてもよい。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法、に関する。
また、本発明は、脱水エステル化反応またはエステル交換反応により得られる(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留物であって、前記(メタ)アクリル酸エステルは、分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能性モノマーであり、APHAが15以下であることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留物、に関する。
本発明の一般式(1)で表される化合物、および一般式(2)で表される化合物は、その分子骨格中に水酸基やエステル結合を有さないため、上記のような原料や目的物と反応し難く、さらに、アミド結合を有するため熱安定性に優れ、かつ減圧下においても気化し難いため、脱水エステル化反応、あるいはエステル交換反応によって得られた(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物から、当該(メタ)アクリル酸エステルを精留(蒸留)するための重合禁止剤として有用である。とくに、比較的高沸点(例えば、1気圧下200℃以上)を有する(メタ)アクリル酸エステルを精留するための重合禁止剤として好適である。また、本発明の一般式(1)で表される化合物、および一般式(2)で表される化合物は、分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能性モノマーを精留するための重合禁止剤としても好適である。
また、本発明の一般式(1)で表される化合物、および一般式(2)で表される化合物は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル構造を有するので、上記の脱水エステル化反応、あるいは、とくにエステル交換反応の際の重合禁止剤として有用であるため、(メタ)アクリル酸エステルの合成工程と、精留(蒸留)工程を、当該重合禁止剤を用いて、一連の工程として行うことができる。よって、純度の高い(メタ)アクリル酸エステルの製品を工場で効率的に生産できる。
また、本発明の脱水エステル化反応またはエステル交換反応により得られる(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留物は、従来技術とは異なり、着色成分となりうる重合禁止剤をほぼ含まないことから、APHAが15以下となるため、当該(メタ)アクリル酸エステルが分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能性モノマーである場合、印刷用インク、光硬化性塗料用バインダー、接着剤、光硬化反応希釈剤、コーティング材などの組成物などに使用される原料モノマーとしての商品価値が高い。また、当該(メタ)アクリル酸エステルが分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ以上(好ましくは3つ以上)有する多官能性モノマーである場合、従来技術とは異なり、本発明の精留物は、脱水エステル化反応またはエステル交換反応、および蒸留操作等で副生するオリゴマー(原料由来および目的物由来の多量体、付加体、もしくは意図せず進行した重合物などの目的物よりも分子量の大きな成分などの不純物)が低減されているため、多官能性モノマーの純度が高く、かつ粘度が低いといった優れた特性を有することを見出した。このような特性は、上記のような組成物の粘度上昇によるハンドリング性を悪化させずに、当該組成物の多官能性モノマーの配合比率を高めることができる点において、有用である。
製造例1で得られた一般式(3)で表される4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルの赤外吸収スペクトルである。 製造例2で得られた一般式(4)で表されるN,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)コハク酸ジアミドの構造の赤外吸収スペクトルである。 製造例3で得られた一般式(5)で表される4−オクタノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルの赤外吸収スペクトルである。 製造例4で得られた一般式(6)で表されるN,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)フマル酸ジアミドの構造の赤外吸収スペクトルである。 製造例5で得られた一般式(7)で表されるN,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)テレフタル酸ジアミドの構造の赤外吸収スペクトルである。
本発明の重合禁止剤は、一般式(1):
Figure 2018221314
(一般式(1)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基を表し、前記アルキル基、前記アルケニル基、前記シクロアルキル基、および前記アリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、および炭素数6〜20のアリール基のいずれか1つ以上で置換されていてもよい。)で表される化合物、および一般式(2):
Figure 2018221314
(一般式(2)中、Rは、単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基、または炭素数6〜20のアリーレン基を表し、前記アルキレン基、前記アルケニレン基、前記シクロアルキレン基、および前記アリーレン基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、および炭素数6〜20のアリール基のいずれか1つ以上で置換されていてもよい。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上であり、脱水エステル化反応、あるいはエステル交換反応により得られた(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物から、当該(メタ)アクリル酸エステルを精留するために用いられる。
<一般式(1)で表される化合物>
前記一般式(1)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基を表し、(メタ)アクリル酸エステルへの溶解性と使用する温度で気化し難い観点から、炭素数6〜15のアルキル基、炭素数2〜9のアルケニル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基であることが好ましい。また、前記アルキル基、前記アルケニル基、前記シクロアルキル基、および前記アリール基は、無置換であってもよいが、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、および炭素数6〜20のアリール基のいずれか1つ以上で置換されていてもよく、(メタ)アクリル酸エステルへの溶解性や相溶性の観点から、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基、および炭素数6〜14のアリール基のいずれか1つ以上で置換されていてもよい。なお、Rは、減圧下においても気化し難い観点から、Rの合計炭素数が4以上であることが好ましく、6以上であることがより好ましく、そして、(メタ)アクリル酸エステルや溶媒への溶解性や相溶性が悪くなり過ぎないことや分子量が大きくなることによる使用量の増大を防ぐ観点から、Rの合計炭素数が20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−シンナモイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−クロトニルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−プロピオニルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ブチリルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−イソブチリルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−バレリルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−イソバレリルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ピバロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−カプロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルなどが挙げられ、これらの中でも、汎用原料より比較安価に合成できる観点から、4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−プロピオニルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルが好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物は、その製造方法が特に限定されるものではないが、例えば、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと、ハロゲン化物やエステル化物を反応(アミド化反応)してアミド体を得る工程(以下、工程1−1とも称す)と、得られたアミド体を酸化剤により酸化反応する工程(以下、工程1−2とも称す)により得ることができる。
前記ハロゲン化物やエステル化物としては、例えば、ベンゾイルクロライド、シンナモイルクロライド、クロトニルクロライド、ナフチルクロライド、tert−ブチルクロライドなどのハロゲン化物やメチルベンゾエート、メチルシンナモエートなどのエステル化物などが挙げられ、これらの中でも、比較的安価に入手可能な観点から、ベンゾイルクロライドやメチルベンゾエートが好ましい。
前記酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過蟻酸、過酢酸などが挙げられ、これらの中でも、取り扱いが容易且つ比較的安価に入手可能な観点から、過酸化水素が好ましい。
前記工程1−1において、ベンゾイルクロライドなどのハロゲン化物やメチルベンゾエートなどのエステル化物は、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1モルに対して、目的物の収率性を高める観点から、1.0モル以上反応させることが好ましく、1.05モル以上反応させることがより好ましく、そして、2.0モル以下反応させることが好ましく、1.5モル以下で反応させることがより好ましい。
前記工程1−1において、反応性を向上させる観点から、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、t−ブトキシカリウムなどのアルコキシド触媒やトリエチルアミン、ピリジン、炭酸カリウムなどの塩基性触媒を用いることが好ましい。
前記工程1−1の反応温度は、原料や後述する有機溶媒などによって異なるので一概に決定できないが、通常、30℃以上150℃以下程度である。また、前記工程1−1の反応時間は、原料や反応温度などによって異なるので一概には決定できないが、通常、6時間以上50時間以下程度である。
前記工程1−2において、前記酸化剤は、前記アミド体1モルに対して、目的物の収率性を高める観点から、1.5モル以上反応させることが好ましく、2.0モル以上反応させることがより好ましく、そして、5.0モル以下反応させることが好ましく、3.0モル以下で反応させることがより好ましい。
前記工程1−2において、過酸化水素などの酸化剤の急激な分解を制御したり、酸化反応を促進させる観点から、タングステン酸ナトリウムなどの触媒やエチレンジアミンテトラ酢酸・二ナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸などの助触媒を用いることが好ましい。
前記工程1−2の反応温度は、目的物の収率性を高める観点から、25℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがより好ましく、そして、50℃以下であることが好ましく、45℃以下であることがより好ましい。
前記工程1−2の反応時間は、原料や反応温度などによって異なるので一概には決定できないが、通常、目的物の収率性を高める観点から、8時間以上であることが好ましく、12時間以上であることがより好ましく、そして、30時間以下であることが好ましく、24時間以下であることがより好ましい。
前記工程1−1および1−2は、常圧下で、窒素気流下又は窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
前記工程1−1および1−2は、有機溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒は特に制限されないが、反応系内で不活性な有機溶媒であることが好ましい。有機溶媒としては、ヘキサン、トルエンなどの非極性化合物;アセトン、アセトニトリルなどの極性化合物が挙げられる。有機溶媒は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。なお、酸化反応の工程では、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒を使用してもよい。
前記工程1−1および1−2において、前記有機溶媒の使用量は特に制限されないが、通常、原料の合計量100重量部に対して200〜600重量部程度である。
さらに、前記一般式(1)で表される化合物を高純度で精製分離するために、混合溶媒(水溶液と有機溶媒)、純水洗浄、ガラスチューブオーブン、蒸留、晶析、ゲルカラムクロマトグラフィーなどの精製工程を用いてもよい。
得られた目的物の同定は、ガスクロマトグラフィー(GC)、液体クロマトグラフィー(LC)、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS)、核磁気共鳴分光法(NMR)、赤外分光法(IR)、融点測定装置などを用いて行うことができる。
<一般式(2)で表される化合物>
前記一般式(2)中、Rは、単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基、または炭素数6〜20のアリーレン基を表し、(メタ)アクリル酸エステルへの溶解性と使用する温度で気化し難い観点から、単結合、炭素数1〜9のアルキレン基、炭素数2〜9のアルケニレン基、炭素数4〜10のシクロアルキレン基、または炭素数6〜14のアリーレン基であることが好ましい。また、前記アルキレン基、前記アルケニレン基、前記シクロアルキレン基、および前記アリーレン基は、無置換であってもよいが、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、および炭素数6〜20のアリール基のいずれか1つ以上で置換されていてもよく、(メタ)アクリル酸エステルへの溶解性や相溶性の観点から、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基、および炭素数6〜14のアリール基のいずれか1つ以上で置換されていてもよい。
前記一般式(2)で表される化合物としては、例えば、N,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)シュウ酸ジアミド、N,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)マロン酸ジアミド、N,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)コハク酸ジアミド、N,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)グルタル酸ジアミド、N,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)アジピン酸ジアミド、N,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)セバシン酸ジアミド、N,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)フタル酸ジアミド、N,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)イソフタル酸ジアミド、N,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)テレフタル酸ジアミドなどが挙げられ、これらの中でも、汎用原料より比較安価に合成できる観点から、N,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)コハク酸ジアミド、N,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)フタル酸ジアミドが好ましい。
前記一般式(2)で表される化合物は、その製造方法が特に限定されるものではないが、例えば、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと、ジハロゲン化物やジエステル化物を反応(アミド化反応)してジアミド体を得る工程(以下、工程2−1とも称す)と、得られたジアミド体を酸化剤により酸化反応する工程(以下、工程2−2とも称す)により得ることができる。
前記ジハロゲン化物やジエステル化物としては、例えば、アジピン酸ジクロリド、コハク酸ジクロリド、フタル酸ジクロリド、シュウ酸ジメチル、コハク酸ジメチル、アジピン酸ジエチルなどが挙げられ、これらの中でも、比較的安価に入手可能な観点から、コハク酸ジクロリドが好ましい。
前記工程2−1において、ジハロゲン化物やジエステル化物は、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1モルに対して、目的物の収率性を高める観点から、0.5モル以上反応させることが好ましく、0.55モル以上反応させることがより好ましく、そして、1.0モル以下反応させることが好ましく、0.75モル以下で反応させることがより好ましい。
また、前記工程2−2において、前記酸化剤は、前記ジアミド体1モルに対して、目的物の収率性を高める観点から、3.0モル以上反応させることが好ましく、4.0モル以上反応させることがより好ましく、そして、10.0モル以下反応させることが好ましく、6.0モル以下で反応させることがより好ましい。
なお、前記工程2−1および2−2におけるその他の製造条件は、上記の工程1−1および1−2と同様である。
さらに、前記一般式(2)で表される化合物を高純度で精製分離するために、混合溶媒(水溶液と有機溶媒)、純水洗浄、ガラスチューブオーブン、蒸留、晶析、ゲルカラムクロマトグラフィーなどの精製工程を用いてもよい。
得られた目的物の同定は、ガスクロマトグラフィー(GC)、液体クロマトグラフィー(LC)、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS)、核磁気共鳴分光法(NMR)、赤外分光法(IR)、融点測定装置などを用いて行うことができる。
<脱水エステル化反応工程、およびエステル交換反応工程>
前記脱水エステル化反応は、従来から知られている一般的な方法であり、アルコールと(メタ)アクリル酸を、酸性触媒(パラトルエンスルホン酸、硫酸など)の存在下、脱水エステル化反応を行い、(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物を製造する方法である。また、必要に応じ、脱水エステル化反応中に発生した水を系外に除去する工程を設けてもよく、脱水エステル化反応の工程の後、中和工程や水洗工程を設けてもよい。
また、前記エステル交換反応は、従来から知られている一般的な方法であり、アルコールと(メタ)アクリル酸アルキルエステルを、触媒(ジオクチル錫オキシドなどの錫系化合物、テトライソプロピルチタネートなどのチタン化合物、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムなどのジチオカルバミン酸金属塩、ナトリウムメチラートなどの金属アルコラート、水酸化リチウムや水酸化カルシウムなどの水酸化物、亜鉛アセチルアセトナートなどのアセチルアセトナート錯体など)の存在下、エステル交換反応を行い、(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物を製造する方法である。また、必要に応じ、エステル交換中に副生したアルコールを系外に除去する工程を設けてもよい。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルなどが挙げられ、これらの中でも、反応生成物と効率良く分離する観点から、(メタ)アクリル酸メチルが好ましい。
前記脱水エステル化反応は、通常、反応温度が30〜150℃であることが好ましく、50〜120℃であることがより好ましい。また、反応時間は、原料や反応温度によっても異なるが、通常、48時間以内であることが好ましく、生産性や重合抑制の観点から30時間以内であることがより好ましい。
前記エステル交換反応は、通常、反応温度が30〜150℃であることが好ましく、60〜120℃であることがより好ましい。また、反応時間は、原料や反応温度によっても異なるが、通常、48時間以内であることが好ましく、生産性や重合抑制の観点から30時間以内であることがより好ましい。
前記脱水エステル化反応、あるいはエステル交換反応は、有機溶媒中で行ってもよく、前記有機溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、これらの中でも、留去のし易さの観点から、n−ヘキサンやシクロヘキサンが好ましい。
前記脱水エステル化反応、あるいはエステル交換反応は、原料や目的物の重合を防止する観点から、重合禁止剤存在下で行うことが好ましい。前記重合禁止剤としては、例えば、前記一般式(1)で表される化合物;前記一般式(2)で表される化合物;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルなどのN−オキシラジカル系化合物;4−メトキシフェノール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−N,N−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルカテコール、4,4’−チオ−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)などのフェノール系化合物;メトキノン、ハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、ベンゾキノンなどのキノン系化合物;塩化第一銅;ジメチルジチオカルバミン酸銅などのジアルキルジチオカルバミン酸銅;フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフチルアミン,N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミノ化合物;1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのヒドロキシアミン系化合物などが挙げられる。前記重合禁止剤は、前記エステル交換反応の工程後、続いて、前記(メタ)アクリル酸エステルを精留できる観点から、前記一般式(1)で表される化合物、前記一般式(2)で表される化合物が好ましい。ただし、前記重合禁止剤は、前記脱水エステル化反応の場合、N−オキシル部位が失活するため、当該部位を有さない重合禁止剤が好ましい。
前記重合禁止剤の使用量は特に制限されないが、(メタ)アクリル酸エステル100重量部に対して0.001重量部以上であることが好ましく、0.002重量部以上であることがより好ましく、そして、5重量部以下であることが好ましく、0.1重量部以下であることがより好ましい。
前記脱水エステル化反応、あるいはエステル交換反応により、(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物を得ることができる。前記(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物は、目的物である(メタ)アクリル酸エステルのほか、原料の一部、副生成物などが含まれる。
前記(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリレート類であれば、何ら限定されるものではないが、前記一般式(1)で表される化合物および/または一般式(2)で表される化合物の存在下、比較的高沸点の前記(メタ)アクリル酸エステルを効率よく精留することができる観点から、1気圧下で200℃以上の沸点を有するものであることが好ましく、1気圧下で220℃以上の沸点を有するものであることがより好ましく、あるいは、1.4kPa下で100℃以上の沸点を有するものであることが好ましく、1.4kPa下で110℃以上の沸点を有するものであることがより好ましく、1.4kPa下で120℃以上の沸点を有するものであることがさらに好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、分子内に(メタ)アクリロイル基を1つ有する単官能性モノマーとして、イソステアリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、3,5,5−トリメチルヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキル基含有(メタ)アクリレート;2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−フェノキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(ノニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−[2−(ノニルフェノキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレートなどの芳香族含有モノマー、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどの鎖状エーテル基含有モノマー;イソボルニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの脂環構造含有モノマー;(5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキサン−4−イル)メチル(メタ)アクリレートなどの環状エーテル基含有モノマーなどが挙げられる。また、前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能性モノマーとして、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングチコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ有する多官能性モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する多官能性モノマーなどが挙げられる。とくに、前記(メタ)アクリル酸エステルが、分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ以上(好ましくは3つ以上)有する多官能性モノマーの場合、得られる(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留物は、従来技術と比較して、多官能性モノマーの純度が高く、かつ粘度が低いといった優れた特性を有する。
<(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留工程>
前記(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物から、前記(メタ)アクリル酸エステルを精留する方法は、前記一般式(1)で表される化合物および/または一般式(2)で表される化合物の存在下、当該(メタ)アクリル酸エステルを蒸留する方法である。前記精留する方法としては、例えば、前記(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物を濃縮(原料や溶媒を留去)した後、得られた濃縮液を減圧下で加熱することによって行うことができる。前記濃縮は、原料や溶媒などの特性(揮発性や耐熱性など)を考慮し、その加熱温度、その減圧度など適宜調整することができる。
前記精留は、加熱して行うことが好ましく、目的物である(メタ)アクリル酸エステルの特性によって異なり一概に決定することはできないが、通常、(メタ)アクリル酸エステルの重合反応を抑制する観点から、加熱温度が50〜220℃であることが好ましく、80〜170℃であることがより好ましい。
前記精留は、減圧下で行うことが好ましい。前記加熱温度によって異なるので一概に決定することはできないが、通常、前記加熱温度が170℃を超えないようにする観点から、50kPa以下であることが好ましく、10kPa以下であることがより好ましい。また、工場の設備を考慮した生産性の観点からは、10〜0.01kPaであることが好ましく、5〜0.01kPaであることがより好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物および/または一般式(2)で表される化合物の使用量は、(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物中の原料や(メタ)アクリル酸エステルなどの二重結合部位を有する化合物100重量部に対して、0.001重量部以上であることが好ましく、0.002重量部以上であることがより好ましく、そして、5重量部以下であることが好ましく、0.1重量部以下であることがより好ましい。
上記のように精留して、(メタ)アクリル酸エステルを回収する。この回収された(メタ)アクリル酸エステルは、着色や不純物が少なく、高品質の製品となる。とくに、当該精留方法は、比較的高沸点を有する(メタ)アクリル酸エステルを高純度で回収するのに有用である。
本発明の脱水エステル化反応またはエステル交換反応により得られる(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留物は、APHAが15以下である。前記APHA(色数)は、JIS K 0071−1:1998に準じて求められる。ただし、標準比色液の調製は、No.500の標準液を必要な倍率に希釈して、No.5刻みでそれぞれのAPHA標準比色液を調製し、これと比色した。
前記APHAは、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。なお、従来技術のように、(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物に、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(HTEMPO)を50ppm含む場合、溶解する(メタ)アクリル酸エステルの種類にもよるが、そのAPHAは、30程度になってしまう。
また、本発明の脱水エステル化反応またはエステル交換反応により得られる(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留物は、上記の一般式(1)で表される化合物、および/または一般式(2)で表される化合物を、(メタ)アクリル酸エステルを精留するための重合禁止剤として用いることが好ましいが、これ以外の化合物として、例えば、原料や目的物と反応し難い観点から分子骨格中に水酸基やエステル結合を有さず、かつ揮発し難く、熱安定に優れる重合禁止剤を使用すれば、APHAが15以下である(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留物を得ることが可能である。
また、本発明の脱水エステル化反応またはエステル交換反応により得られる(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留物は、前記精留物中、前記多官能性モノマーのガスクロマトグラフィーによる純度が95%以上であり、かつゲル浸透クロマトグラフィーによるオリゴマーの割合が5%以下であることが好ましい。当該オリゴマーは、脱水エステル化反応またはエステル交換反応、および蒸留操作等で副生する不純物(原料由来および目的物由来の多量体、付加体、もしくは意図せず進行した重合物などの目的物よりも分子量の大きな成分)を意味する。
前記精留物は、前記精留物中、前記多官能性モノマーのガスクロマトグラフィーによる純度が97%以上であることが好ましく、98%以上であることがより好ましく、99%以上であることがさらに好ましい。また、前記精留物中、ゲル浸透クロマトグラフィーによるオリゴマーの割合は、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることがさらに好ましい。
また、前記精留物は、前記精留物中、ガスクロマトグラフィーによる前記オリゴマーの割合は、5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。前記オリゴマーは精留物に含まれないことが好ましいが、現実の生産性を考慮して、例えば、ガスクロマトグラフィーによる前記オリゴマーの割合は、下限値としては、0.1%以上、あるいは0.2%以上が例示できる。
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。
<製造例1>
<前記一般式(1)で表される化合物の製造>
トルエン存在下、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン15.6g、20%ナトリウムメチラート5.8gに安息香酸メチル13.6gを滴下し、100℃で40時間加熱攪拌し、反応終了してアミド体を含むトルエン溶液を得た。得られたアミド体23.4gを含むトルエン溶液に、エチレンジアミンテトラ酢酸・2ナトリウム塩0.5g、タングステン酸ナトリウム0.2gにメタノールを追加し、そこへ35%過酸化水素20gを2時間で滴下し、その後40℃で20時間加熱攪拌した。メタノールを留去した後、n−ブタノールを加え、有機層を水洗した。得られた有機層をn−ヘキサンにて再結晶して下記の一般式(3)で表される4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルを得た。
Figure 2018221314
なお、上記の一般式(3)で表される4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルの構造は、Agilent Technologies 5975C inert XL EI/CI MSD(アジレントテクノロジー(株)製)を用いたガスクロマトグラフ質量分析測定、及び、Perkin Elmer Spectrum 100 FT−IR Spectrometer((株)パーキンエルマー製)を用いた赤外吸収スペクトル測定(ATR法)により同定した。得られた赤外吸収スペクトルを図1に示す。
[ピークの帰属]
MS m/z:77、105、124、140、155、189、245、275(M
特性吸収帯(cm−1):3276、3074、2976、2933、1635、1540、1331、1241、1176、1078、701
<製造例2>
<前記一般式(2)で表される化合物の製造>
トルエン存在下、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン31.3g、20%ナトリウムエチラート15gにコハク酸ジエチル19.2gを滴下し、110℃で20時間加熱攪拌した。反応終了後、硫酸水溶液でナトリウムエチラートを中和洗浄した後、溶媒を留去してジアミド体の結晶を得た。得られたジアミド体5g、エチレンジアミンテトラ酢酸・2ナトリウム塩0.14g、タングステン酸ナトリウム0.04gにメタノールを加え、35%過酸化水素7.9gを1時間で滴下し、その後40℃で17時間加熱攪拌した。メタノールを留去した後、トルエンで抽出して炭酸ナトリウム水、水で洗浄後、溶媒を留去して下記の一般式(4)で表されるN,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)コハク酸ジアミド(粘稠物)を得た。
Figure 2018221314
なお、上記の一般式(4)で表されるN,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)コハク酸ジアミドの構造は、Agilent Technologies 5975C inert XL EI/CI MSD(アジレントテクノロジー(株)製)を用いたガスクロマトグラフ質量分析測定、及び、Perkin Elmer Spectrum 100 FT−IR Spectrometer((株)パーキンエルマー製)を用いた赤外吸収スペクトル測定(ATR法)により同定した。得られた赤外吸収スペクトルを図2に示す。
[ピークの帰属]
MS m/z:68、84、98、109、124、140、167、223、253
特性吸収帯(cm−1):2978、2944、1698、1376、1206、1159、664
<製造例3>
<前記一般式(1)で表される化合物の製造>
トルエン存在下、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン7g、n−オクタノイルクロライド7.3gを滴下し、4〜25℃で5時間攪拌し、反応終了してアミド体を含むトルエン溶液を得た。得られたアミド体12.7gを含むトルエン溶液を10%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、エチレンジアミンテトラ酢酸・2ナトリウム塩0.25g、タングステン酸ナトリウム0.08gにメタノールを追加し、そこへ35%過酸化水素13gを20分で滴下し、その後40℃で27時間加熱攪拌した。有機層を水洗し、トルエンを留去して下記の一般式(5)で表される4−オクタノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(粘稠物のちに結晶化)を得た。
Figure 2018221314
なお、上記の一般式(5)で表される4−オクタノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルの構造は、Thermo SCIENTIFIC LTQ XL/DIONEX Ulti Mate 3000(サーモサイエンティフィック社製)を用いた液体クロマトグラフ質量分析測定、及び、Perkin Elmer Spectrum 100 FT−IR Spectrometer((株)パーキンエルマー製)を用いた赤外吸収スペクトル測定(ATR法)により同定した。得られた赤外吸収スペクトルを図3に示す。
[ピークの帰属]
MS m/z:155、198、267、282、297(M
特性吸収帯(cm−1):3279、2962、2923、1647、1547、1356、1334、1235、1187、983、766、683、592
<製造例4>
<前記一般式(2)で表される化合物の製造>
トルエン存在下、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン17g、トルエン102gにフマリルクロライド8.6gを滴下し、3〜13℃で4時間攪拌した。反応終了後、5%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、結晶をろ別してジアミド体の中和結晶を得た。得られたジアミド体20g、エチレンジアミンテトラ酢酸・2ナトリウム塩0.57g、タングステン酸ナトリウム0.18gにメタノール、追加でn−ブタノールを加え、35%過酸化水素30gを50分で滴下し、その後40℃で43時間加熱攪拌した。スラリー反応液の結晶をろ別した後、水でリンス洗いし、水分を留去して下記の一般式(6)で表されるN,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)フマル酸ジアミド(橙色粉体)を得た。
Figure 2018221314
なお、上記の一般式(6)で表されるN,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)フマル酸ジアミドの構造は、Thermo SCIENTIFIC LTQ XL/DIONEX Ulti Mate 3000(サーモサイエンティフィック社製)を用いた液体クロマトグラフ質量分析測定、及び、Perkin Elmer Spectrum 100 FT−IR Spectrometer((株)パーキンエルマー製)を用いた赤外吸収スペクトル測定(ATR法)により同定した。得られた赤外吸収スペクトルを図4に示す。
[ピークの帰属]
MS m/z:155、392、408、424(M
特性吸収帯(cm−1):3427、3244、2982、2953、1633、1545、1340、1200、1179、969
<製造例5>
<前記一般式(2)で表される化合物の製造>
トルエン存在下、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン12.3g、トルエン74gにテレフタル酸クロライド8gのトルエン溶液を滴下し、3〜27℃で4時間攪拌した。反応終了後、2%水酸化ナトリウム水溶液で中和しトルエン希釈した後、結晶をろ別してジアミド体の中和粘稠結晶を得た。得られたジアミド体17g、エチレンジアミンテトラ酢酸・2ナトリウム塩0.57g、タングステン酸ナトリウム0.18gにメタノール、n‐ブタノールを加え、35%過酸化水素45gを45分で滴下し、その後40℃で55時間加熱攪拌した。スラリー反応液の結晶をろ別した後、水でリンス洗いし、水分を留去して下記の一般式(7)で表されるN,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)テレフタル酸ジアミド(橙色粉体)を得た。
Figure 2018221314
なお、上記の一般式(7)で表されるN,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)テレフタル酸ジアミドの構造は、Thermo SCIENTIFIC LTQ XL/DIONEX Ulti Mate 3000(サーモサイエンティフィック社製)を用いた液体クロマトグラフ質量分析測定、及び、Perkin Elmer Spectrum 100 FT−IR Spectrometer((株)パーキンエルマー製)を用いた赤外吸収スペクトル測定(ATR法)により同定した。得られた赤外吸収スペクトルを図5に示す。
[ピークの帰属]
MS m/z:140、425、427、442、458(M
特性吸収帯(cm−1):3432、3318、2973、2938、1628、1550、1336、1240、1179、864、724
<実施例1>
<(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の製造>
攪拌機、分留塔、冷却器、温度計、ガス導入管、サンプリング口を備えた3Lガラス製反応器に、2−フェノキシエタノール1000g(7.24mol)、アクリル酸メチル1246g(14.47mol)、ノルマルヘキサン100g、ジオクチル錫オキシド5.2g、重合防止剤として上記の製造例1で得られた4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルを0.7gを仕込み、大気圧下、液中に3ml/minのエアを吹き込みながら80〜95℃まで加熱昇温し、分留塔上部から出てくるメタノールを抜き出しながらエステル交換反応を20時間行い、(メタ)アクリル酸エステルとして2−フェノキシエチルアクリレートを含む組成物を製造した。反応終了後の反応液をGC(ガスクロマトグラフィー)分析した結果、2−フェノキシエチルアクリレートへの転化率は99.8%以上であった。
<GC(ガスクロマトグラフィー)条件>
GC分析は、Agilents社製6850型を用いて以下の測定条件で行った。
注入口は、ヒーター温度260℃、スプリット比は、50:1、圧力50kPaに設定した。検出器は、FIDを使用し、ヒーター温度280℃に設定した。GCカラムは、Agilent社製のHP−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)を使用した。オーブンは、初期温度80℃で5分間保持し、その後毎分12℃で260℃まで昇温した。打ち込み量は、0.2μlとした。
転化率は、(メタ)アクリル酸エステルの面積/((メタ)アクリル酸エステルの面積+原料アルコールの面積)×100の計算式にて面積百分率から算出した。
<(メタ)アクリル酸エステルの精留>
上記で得られた2−フェノキシエチルアクリレートを含む組成物を減圧下(1.0kPa)、80℃以下で濃縮して過剰のアクリル酸メチル、ノルマルヘキサンを留去した。さらに減圧下(0.1kPa)、150℃で、精留を行い、2−フェノキシエチルアクリレートを220g得た。この化合物のGC(ガスクロマトグラフィー)純度は99.7%、紫外線(UV)検出によるLC(液体クロマトグラフィー)面積百分率純度は99.3%、色数はAPHA5以下の無色透明液体であった。
<GC(ガスクロマトグラフィー)条件>
GC分析は、Agilents社製6850型を用いて以下の測定条件で行った。
注入口は、ヒーター温度260℃、スプリット比は、50:1、圧力50kPaに設定した。検出器は、FIDを使用し、ヒーター温度280℃に設定した。GCカラムは、Agilent社製のHP−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)を使用した。オーブンは、初期温度80℃で5分間保持し、その後毎分12℃で260℃まで昇温した。打ち込み量は、0.2μlとした。
GC純度は、(メタ)アクリル酸エステルの面積%を採用した。
<LC(液体クロマトグラフィー)条件>
LC分析は、Waters社製2695型+2996型Photodiode Array Detectorを用いて以下の測定条件で行った。
移動相は、アセトニトリル:蒸留水(リン酸pH4)=4:1 (vol/vol)を使用し、検出器は、波長225nmに設定した。オーブン温度は40℃、流量は、毎分0.5mlに設定した。LCカラムは、資生堂社製のCAPCELL PAK C18 TYPE:MGII(長さ150mm、内径4.6mm、粒子径5μm)を使用した。被検体は、移動相に0.2%の濃度に溶解させ、10μl注入した。
LC純度は、(メタ)アクリル酸エステルの面積%を採用した。
<実施例2>
<(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の製造、および(メタ)アクリル酸エステルの精留>
実施例1の4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルの代わりに、上記の製造例2で得られたN,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)コハク酸ジアミドを用いた以外は実施例1と同様に反応した結果、2−フェノキシエチルアクリレートを含む組成物を製造した。この化合物のGC純度は99.3%、紫外線(UV)検出によるLC面積百分率純度は99.4%、色数はAPHA5以下の無色透明液体であった。
<実施例3>
<(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の製造>
攪拌機、分留塔、冷却器、温度計、ガス導入管、サンプリング口を備えた1Lガラス製反応器に、イソステアリルアルコール383g(1.42mol)、アクリル酸メチル165g(1.92mol)、ノルマルヘキサン51g、70%テトラメトキシチタン0.3g、重合防止剤として上記の製造例1で得られた4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルを0.2g仕込み、大気圧下、液中に4ml/minのエアを吹き込みながら90〜105℃まで加熱昇温し、分留塔上部から出てくるメタノールを抜き出しながらエステル交換反応を20時間行い、(メタ)アクリル酸エステルとしてイソステアリルアクリレートを含む組成物を製造した。反応終了後の反応液をGC分析した結果、イソステアリルアクリレートへの転化率は99.8%以上であった。
<(メタ)アクリル酸エステルの精留>
上記で得られたイソステアリルアクリレートを含む組成物を減圧下(1.0kPa)、80℃以下で濃縮して過剰のアクリル酸メチル、ノルマルヘキサンを留去した。さらに減圧下(0.1kPa)、160℃で、精留を行い、イソステアリルアクリレートを430g得た。この化合物のGC純度は99.5%、紫外線(UV)検出によるLC面積百分率純度は99.3%、色数はAPHA5以下の無色透明液体であった。
<実施例4>
<(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の製造、(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留>
実施例1の4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルの代わりに、上記の製造例3で得られた4−オクタノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルを用いた以外は実施例1と同様に精留した結果、2−フェノキシエチルアクリレートのGC純度は99.6%、紫外線(UV)検出によるLC面積百分率純度は99.3%、色数はAPHA5以下の無色透明液体であった。
<実施例5>
<(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の製造、(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留>
実施例1の4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルの代わりに、上記の製造例4で得られたN,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)フマル酸ジアミドを用いた以外は実施例1と同様に精留した結果、2−フェノキシエチルアクリレートのGC純度は99.8%、紫外線(UV)検出によるLC面積百分率純度は99.4%、色数はAPHA5以下の無色透明液体であった。
<実施例6>
<(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の製造、(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留>
実施例3の4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルの代わりに、上記の製造例5で得られたN,N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4)テレフタル酸ジアミドを用いた以外は実施例3と同様に精留した結果、イソステアリルアクリレートのGC純度は99.7%、紫外線(UV)検出によるLC面積百分率純度は99.3%、色数はAPHA5以下の無色透明液体であった。
<実施例7>
<(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の製造>
攪拌機、分留塔、冷却器、温度計、ガス導入管、サンプリング口を備えた2Lガラス製反応器に、1,4−ブタンジオール150g(1.66mol)、アクリル酸メチル573g(6.66mol)、シクロヘキサン200g、ジオクチル錫オキシド0.47g、重合防止剤として上記の製造例1で得られた4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.16gを仕込み、大気圧下、液中に5ml/minのエアを吹き込みながら80〜95℃まで加熱昇温し、分留塔上部から出てくるメタノールを抜き出しながらエステル交換反応を12時間行い、(メタ)アクリル酸エステルとして1,4−ブタンジオールジアクリレートを含む組成物を製造した。反応終了後の反応液をGC分析した結果、1,4−ブタンジオールジアクリレートへの転化率は99.5%以上であった。
<(メタ)アクリル酸エステルの精留>
上記で得られた1,4−ブタンジオールジアクリレートを含む組成物を減圧下(1.0kPa)、80℃以下で濃縮して過剰のアクリル酸メチル、シクロヘキサンを留去した。さらに減圧下(0.1kPa)、140℃で、精留を行い、1,4−ブタンジオールジアクリレートを162g得た。この化合物のGC純度は99.3%、紫外線(UV)検出によるLC面積百分率純度は98.7%、色数はAPHA5以下の無色透明液体であった。示差屈折計(RI)検出器によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)面積百分率純度は98.3%であり、オリゴマーのピークは検出されなかった。また、25℃において、粘度4.1mPa・sであった。なお、GCによるオリゴマーの割合(目的物よりも保持時間の遅い領域すべての検出ピークの合計の面積%)は、0.3%であった。
<GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)条件>
GPC分析は、東ソー株式会社製HLC−8220GPCを用いて以下の測定条件で行った。
移動相は、テトラヒドロフランを使用し、流量は、毎分1.0mlに設定した。検出器は、示差屈折計(RI)検出器を使用した。GPCカラムは、東ソー株式会社製のTSKgel G4000HXL、G3000HXL、G2000HXL、G1000HXLを各1本接続して使用し、オーブン温度は40℃に設定した。被検体は、移動相に2.5mg/mlの濃度に溶解させ、50μl注入した。GPCによるオリゴマーの割合は、該当する目的物よりも保持時間の早い領域すべての検出ピークの合計の面積%を採用した。
<粘度測定>
粘度は、東機産業株式会社製TVE−25L E型粘度計を用いて、測定する(メタ)アクリル酸エステルの粘度にもよるが、25℃にて標準コーンローター(1°34′×R24)、回転数10、50または100rpmの条件で測定した。
<実施例8>
<(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の製造>
攪拌機、分留塔、冷却器、温度計、ガス導入管、サンプリング口を備えた2Lガラス製反応器に、1,6−ヘキサンジオール150g(1.27mol)、アクリル酸メチル437g(5.08mol)、シクロヘキサン200g、ジオクチル錫オキシド0.36g、重合防止剤として上記の製造例1で得られた4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.14gを仕込み、大気圧下、液中に5ml/minのエアを吹き込みながら80〜95℃まで加熱昇温し、分留塔上部から出てくるメタノールを抜き出しながらエステル交換反応を11時間行い、(メタ)アクリル酸エステルとして1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを含む組成物を製造した。反応終了後の反応液をGC分析した結果、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートへの転化率は99.9%以上であった。
<(メタ)アクリル酸エステルの精留>
上記で得られた1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを含む組成物を減圧下(1.0kPa)、80℃以下で濃縮して過剰のアクリル酸メチル、シクロヘキサンを留去した。さらに減圧下(0.1kPa)、150℃で、精留を行い、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを215g得た。この化合物のGC純度は99.0%、紫外線(UV)検出によるLC面積百分率純度は97.9%、色数はAPHA5以下の無色透明液体であった。示差屈折計(RI)検出器によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)面積百分率純度は99.7%であり、オリゴマーのピークは検出されなかった。また、25℃において、粘度5.3mPa・sであった。なお、GCによるオリゴマーの割合(目的物よりも保持時間の遅い領域すべての検出ピークの合計の面積%)は、0.6%であった。
<実施例9>
<(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の製造>
攪拌機、分留塔、冷却器、温度計、ガス導入管、サンプリング口を備えた2Lガラス製反応器に、トリメチロールプロパン150g(1.12mol)、アクリル酸メチル577g(6.71mol)、シクロヘキサン240g、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジクロロジスタンオキサン10.4g、重合防止剤として上記の製造例1で得られた4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.17gを仕込み、大気圧下、液中に3ml/minのエアを吹き込みながら80〜95℃まで加熱昇温し、分留塔上部から出てくるメタノールを抜き出しながらエステル交換反応を29時間行い、(メタ)アクリル酸エステルとしてトリメチロールプロパントリアクリレートを含む組成物を製造した。反応終了後の反応液をGC分析した結果、トリメチロールプロパントリアクリレートへの転化率は99.1%以上であった。
<(メタ)アクリル酸エステルの精留>
上記で得られたトリメチロールプロパントリアクリレートを含む組成物を減圧下(1.0kPa)、80℃以下で濃縮して過剰のアクリル酸メチル、トリメチロールプロパンを留去した。さらに減圧下(0.1kPa)、170℃で、精留を行い、トリメチロールプロパントリアクリレートを226g得た。この化合物のGC純度は98.6%、紫外線(UV)検出によるLC面積百分率純度は98.7%、色数はAPHA5以下の無色透明液体であった。示差屈折計(RI)検出器によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)面積百分率純度は98.9%であり、オリゴマーのピークは検出されなかった。また、25℃において、粘度43.5mPa・sであった。なお、GCによるオリゴマーの割合(目的物よりも保持時間の遅い領域すべての検出ピークの合計の面積%)は、0.2%であった。
<比較例1>
<(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の製造、および(メタ)アクリル酸エステルの精留>
実施例1の4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルの代わりに、4−アセチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルを0.55g用いて実施例1と同様の操作を行ない、2−フェノキシエチルアクリレートの留分を得た。この留分は、色数がAPHA50の橙色液体であった。
<比較例2>
実施例3の4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルの代わりに、4−アセチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルを0.18g用いて実施例3と同様の操作を行ない、イソステアリルアクリレートの留分を得た。この留分は、色数がAPHA70の橙色液体であった。
<比較例3>
実施例1の4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルの代わりに、N−(1,3−ジメチルブチル)−N´−フェニル−p−フェニレンジアミンを2.40g用いて実施例1と同様の操作を行なったが、蒸留初期に重合反応を起こし、蒸留製品を得られなかった。
<比較例4>
実施例1の4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルの代わりに、フェノチアジンを4.20g用いて実施例1と同様の操作を行なったが、蒸留初期に重合反応を起こし、蒸留製品を得られなかった。
<比較例5>
実施例1の4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルの代わりに、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルを0.70g用いて実施例1と同様の操作を行い、2−フェノキシエチルアクリレートの留分を得た。この留分は、色数がAPHA40の橙色液体であった。また、2−フェノキシエチルアクリレートの重合反応を抑えることができず、重量換算による収率は65%であった。
<比較例6>
実施例1の4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルの代わりに、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルを0.14g用いて実施例1と同様の操作を行い、2−フェノキシエチルアクリレートの留分を得た。この留分は、色数がAPHA50の橙色液体であった。
<比較例7>
攪拌機、ディーン・スターク装置、冷却器、温度計、ガス導入管、サンプリング口を備えた1Lガラス製反応器に、1,6−ヘキサンジオール190g(1.60mol)、アクリル酸246g(3.41mol)、シクロヘキサン360g、パラトルエンスルホン酸14g、重合防止剤としてハイドロキノンを0.3g仕込み、大気圧下、液中に3ml/minのエアを吹き込みながら70〜95℃まで加熱昇温し、留出液から分離してくる水を抜き出しながら脱水エステル化反応を15時間行い、(メタ)アクリル酸エステルとして1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを含む組成物を製造した。反応終了後、反応混合物を15%水酸化ナトリウム水溶液、水の順で充分洗浄し、その後、シクロヘキサンを減圧下留去して、脱水エステル化法による1,6−ヘキサンジオールジアクリレートの濃縮品を得た。この化合物のGC純度は91.4%、紫外線(UV)検出によるLC面積百分率純度は92.7%、色数はAPHA25以下の微橙色液体であった。示差屈折計(RI)検出器によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)面積百分率純度は90.1%であり、オリゴマーの割合は9.6%であった。また、25℃において、粘度6.0mPa・sであった。なお、GCによるオリゴマーの割合(目的物よりも保持時間の遅い領域すべての検出ピークの合計の面積%)は、7.1%であった。
<比較例8>
トリメチロールプロパン140g(1.04mol)、アクリル酸260g(3.61mol)を用いて比較例7と同様の操作を行ない、脱水エステル化法によるトリメチロールプロパントリアクリレートの濃縮品を得た。この化合物のGC純度は90.0%、紫外線(UV)検出によるLC面積百分率純度は78.0%、色数はAPHA25以下の微橙色液体であった。示差屈折計(RI)検出器によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)面積百分率純度は75.5%であり、オリゴマーの割合は23.7%であった。また、25℃において、粘度72.0mPa・sであった。なお、GCによるオリゴマーの割合(目的物よりも保持時間の遅い領域すべての検出ピークの合計の面積%)は、7.0%であった。
上記の実施例7〜9の精留物および比較例7〜8の濃縮品の結果において、目的物(多官能性モノマー)の純度およびオリゴマーの割合を以下の表に記載する。なお、精留物および濃縮品には、目的物およびオリゴマー以外として、精製工程で除去しきれなかった未反応の原料や反応中間物(例えば、モノエステル)等が含まれると推認される。
Figure 2018221314

Claims (11)

  1. 脱水エステル化反応、あるいはエステル交換反応により得られた(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物から、当該(メタ)アクリル酸エステルを精留するために用いられる重合禁止剤であって、
    前記重合禁止剤は、一般式(1):
    Figure 2018221314
    (一般式(1)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基を表し、前記アルキル基、前記アルケニル基、前記シクロアルキル基、および前記アリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、および炭素数6〜20のアリール基のいずれか1つ以上で置換されていてもよい。)で表される化合物、および
    一般式(2):
    Figure 2018221314
    (一般式(2)中、Rは、単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基、または炭素数6〜20のアリーレン基を表し、前記アルキレン基、前記アルケニレン基、前記シクロアルキレン基、および前記アリーレン基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、および炭素数6〜20のアリール基のいずれか1つ以上で置換されていてもよい。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする重合禁止剤。
  2. 前記(メタ)アクリル酸エステルは、1.4kPa下での沸点が、100℃以上であることを特徴とする請求項1記載の重合禁止剤。
  3. 前記(メタ)アクリル酸エステルは、分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能性モノマーであることを特徴とする請求項1または2記載の重合禁止剤。
  4. 前記(メタ)アクリル酸エステルは、分子内に(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する多官能性モノマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の重合禁止剤。
  5. 脱水エステル化反応、あるいはエステル交換反応により得られた(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物から、重合禁止剤の存在下、当該(メタ)アクリル酸エステルを精留する工程を含む(メタ)アクリル酸エステルの製造方法であって、
    前記重合禁止剤は、一般式(1):
    Figure 2018221314
    (一般式(1)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基を表し、前記アルキル基、前記アルケニル基、前記シクロアルキル基、および前記アリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、および炭素数6〜20のアリール基のいずれか1つ以上で置換されていてもよい。)で表される化合物、および
    一般式(2):
    Figure 2018221314
    (一般式(2)中、Rは、単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基、または炭素数6〜20のアリーレン基を表し、前記アルキレン基、前記アルケニレン基、前記シクロアルキレン基、および前記アリーレン基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、および炭素数6〜20のアリール基のいずれか1つ以上で置換されていてもよい。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  6. 前記(メタ)アクリル酸エステルは、1.4kPa下での沸点が、100℃以上であることを特徴とする請求項5記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  7. 前記(メタ)アクリル酸エステルは、分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能性モノマーであることを特徴とする請求項5または6記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  8. 前記(メタ)アクリル酸エステルは、分子内に(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する多官能性モノマーであることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  9. 脱水エステル化反応またはエステル交換反応により得られる(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留物であって、
    前記(メタ)アクリル酸エステルは、分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能性モノマーであり、
    APHAが15以下であることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留物。
  10. 前記(メタ)アクリル酸エステルは、分子内に(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する多官能性モノマーであることを特徴とする請求項9記載の(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物の精留物。
  11. 前記精留物中、前記多官能性モノマーのガスクロマトグラフィーによる純度が95%以上であり、かつゲル浸透クロマトグラフィーによるオリゴマーの割合が5%以下であることを特徴とする請求項9または10記載の精留物。
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