JP6042089B2 - 碾茶炉、及び荒茶製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、茶葉を乾燥させるベルトコンベヤ式の乾燥装置を備える碾茶炉、及びこの碾茶炉を用いる荒茶製造方法に関する。
碾茶の荒茶を製造する場合、まず、収穫された茶生葉は、篩分され、切れ葉が除去される。篩分された茶葉は、網胴回転攪拌型蒸機に投入され、胴部が回転することによって攪拌されながら、約10〜15秒の短時間蒸熱され、蒸葉となる。蒸葉は、四連の吹き上げかやで構成された散茶機で速やかに冷却される。散茶機において蒸葉は、蒸露を吹き飛ばされ、展開するのを促される。
次に、蒸葉は、乾燥されるために碾茶機へ投入される。碾茶機は、初期乾燥室と後期乾燥室とを備え、例えば上段、中段、下段の三段に配置されたコンベヤを有している。初期乾燥室は、150℃〜200℃に設定され、後期乾燥室は、80℃〜100℃に設定されている。下段のコンベヤは、初期乾燥室に設置され、上段および中段のコンベヤは、後期乾燥室に設置される。蒸葉は、散茶機から碾茶機に投入するために用意された固定式のかやで下段のコンベヤに均一に散布される。下段のコンベヤに載せられた茶葉は、初期乾燥室を約2分半〜5分くらいで通過し、下段のコンベヤの下流に用意されたかやの中を上段のコンベヤまで、送風機が発生する風の力で吹き上げられる。上段のコンベヤに撒布された茶葉は、上段のコンベヤを通過すると中段のコンベヤへ落とされる。茶葉は、上段および中段のコンベヤによって後期乾燥室内を約20分〜25分かけて搬送される。
以上のように乾燥されて碾茶機から出た茶葉は、木茎分離機において、葉部と茎部とに分離される。分離された葉と茎は、別々に通風乾燥機に入れられ、それぞれの適温で本乾燥される。
碾茶機の火炉は、鋳物製であって重油燃焼式のバーナーを備えており、下段のコンベヤに茶葉を投入する側の耐火煉瓦で囲われた地下1m〜1.5mに据えられる。バーナーの火焔によって加熱された高温ガスは、火炉から分岐した複数本の煙道に沿って下段から中段へと折り返され、碾茶機の側面に設けられた煙突から外部へ排気される。碾茶機に面した火炉の側壁は、断熱性能に優れた耐火煉瓦製である。碾茶機の乾燥室は、一般的に2〜4mの高さを有し、金網製のベルトの幅が180〜200cmで長さが10〜15mのベルトベルトコンベヤを3〜5段に設置する十分な広さを有している。乾燥室は、天井に換気口を有しており、自然対流によって上ってきた水蒸気をこの換気口から排出する。
ところで、上述のような標準的な碾茶機の一基当たりの生葉処理能力は、一時間当たり約100kg程度である。したがって、生産者として処理量を増やすためには、碾茶機の基数を増やす必要がある。また、一基当たりの処理量を増やす場合、火炉の温度を上げるとともに、コンベヤの速度を速くしなければならない。しかし、茶葉から蒸発する水分量が、排気量よりも多くなり、蒸れや乾燥不足が生じて、碾茶の品質が低下してしまう。
荒茶を製造する最終段階の乾燥工程で使用される製茶乾燥機がある。乾燥時間を短縮するあるいは多量の茶葉を乾燥するための乾燥機を開示する文献として、特許文献1や特許文献2が知られている。
特許文献1に開示された製茶乾燥機は、流動層乾燥部及びバンド型乾燥部と、これらに熱風を供給する熱風発生装置とを備える。流動層乾燥部は、搬送方向の両側部に配置された一対の無端チェーンと、このチェーンの間に架け渡された複数枚の多孔板と、これらを循環させる駆動装置とを、ハウジング内に備える。熱風発生装置は、ハウジングの側部に形成された送風口に接続されている。送風口は、チェーンと多孔板によってコンベヤのように構成された搬送路のほぼ全長に渡って形成されている。熱風発生装置で作られた熱風は、送風口を通して多孔板の下に供給される。多孔板の上に乗せられて搬送される茶葉は、熱風によって浮遊させられて乾燥される。バンド型乾燥部は、流動層乾燥部のコンベヤと同じ構成を有した複数のコンベヤを備え、コンベヤに平行に熱風が熱風発生装置から供給されている。
特許文献2に開示された乾燥機は、茶葉などの被乾燥物を乾燥させる乾燥処理装置と、乾燥処理装置で使用され加熱空気を作る加熱空気供給装置とを備える。乾燥処理装置は、上下に間隔を空けて三段に重ねて配置されたベルトコンベヤと、上段および中段のベルトコンベヤの直上に茶葉の搬送方向に間隔を空けて配置された攪拌装置とを備えている。攪拌装置は、ベルトコンベヤの上を搬送される被乾燥物の進行方向に対して水平に横切る向きに配置された回動軸と、この回動軸に沿って取り付けられた四枚の攪拌翼とを備える。それぞれの攪拌翼は、回動軸の両端寄りの角部が切り欠かれた台形に形成され、先端部が後方へ曲がっている。加熱空気供給装置は、ベルトコンベヤと攪拌装置が設置された乾燥室の側部に、下部でこの乾燥室と連通された加熱室を有している。加熱空気供給装置は、この加熱室を介して乾燥室へ加熱空気を供給している。攪拌装置は、攪拌翼を回転させることによって、ベルトコンベヤで搬送されてくる茶葉に、乾燥室内の加熱空気を噴きつける。このとき茶葉は、噴きつけられた加熱空気によって乾燥室の内部に撒き散らされる。また、攪拌翼の尖端が後方へ曲がっていることによって、茶葉はベルトコンベヤの上面から掻き上げられることが特許文献2に開示されている。このように特許文献2の乾燥機は、攪拌装置の攪拌翼によって、乾燥室中の加熱空気及びベルトコンベヤ上の茶葉を攪拌することによって、茶葉の乾燥を促進させている。
また、現在の緑茶の火入れ方法は、公知の緑茶の製造方法を経て作られた水分含有量が5%以下の荒茶に火入れを行って香ばしい香りを付けている。火入工程において使用される装置は、通風乾燥機、ドラム火入機、赤外線・遠赤外線火入機、マイクロ波照射火入機等であり、これらを単独または組み合わせて使用している。しかし、碾茶特有の甘香ばしい香味は、これらの装置を使っても再現することが難しく、従来の装置を使った製造方法によって未だ得られていない。また、現在の装置による製造方法では、苦渋味の溶出を少なくする荒茶の製造方法が確立されていない。
特開平6−70680号公報 特開2008−241053号公報
堀内邦彦編、「茶の湯と科学(茶道学大系(第八巻))」、株式会社淡交社、2000年9月1日、p.107−132
ところで、特許文献1に記載された製茶乾燥機において茶葉を多孔板で搬送する場合、茶葉は、熱風で多孔板から浮遊しているので、チェーンによって連れ回る多孔板とともに搬送され難い。この点に関し特許文献1では、多孔板の進行方向に前縁及び後縁に丸められた部分を備えており、この丸められた部分を突起として機能させ、茶葉を多孔板とともに搬送している(特許文献1の段落[0026]参照)。また、浮遊している茶葉を移動させるために、特許文献1では、移動方向に垂直な線状突起や多数の凸条部を多孔板全体に配置することが必要であることが明記されている(特許文献1の段落[0029]参照)。
また、特許文献2に記載された乾燥機の場合、攪拌翼によって加熱空気を茶葉に噴きつける程度の風を起こしているだけでなく、茶葉そのものを掬ってまき散らすように構成されている。つまり、この乾燥機中に設置される攪拌装置は、噴きつけるほど強い風が起きるくらいに攪拌翼を速く回転させている。蒸熱後に冷却された状態の水分の多い茶葉に対して強い風を起こす程度に速く攪拌翼を回転させると、茶葉を傷めてしまい、香味を損なうとともに苦渋味が強くなるかもしれない。
食品工業用抹茶を生産するうえで、品質を損なわずに生産コストを低減しかつ大量生産を可能にすることは、重要な技術である。生産コストを低減するためには、一基の碾茶炉の単位時間当たりの生産量を増大させなければならない。しかし、生産能力を高めるということは、製造方法が少なからず変わることを意味しており、製造方法が変わった結果、味が変わってしまうことも懸念される。碾茶の場合、特有の甘香ばしさを活かしつつ、苦渋味の溶出が少ないものが良質とされる。このような碾茶の生産量を増大させつつ、均質で安定した品質に仕上げることは、非常に難しい。
そこで、本発明は、単位時間当たりの処理量を増やしつつ、碾茶に特有の甘香ばしさを付香することのできる碾茶炉、およびこの碾茶炉を用いた荒茶製造方法を提供する。
本発明に係る一実施形態の碾茶炉は、乾燥室とベルトコンベヤと熱風発生装置と攪拌手段とを備える。乾燥室は、熱気で満たされる。ベルトコンベヤは、乾燥室内に少なくとも1段に配置されて網状のベルトでフレーク状の被乾燥物である茶葉を搬送する。熱風発生装置は、乾燥室内にベルトコンベヤの下から上へ熱風を発生させる。攪拌手段は、ベルトコンベヤのうち一番下の下段コンベヤの搬送方向に間隔を空けて配置され、近傍を通過する下段コンベヤ上の茶葉を下段コンベヤから浮き上がらせて攪拌する。
熱風発生装置は、燃焼式熱風発生火炉と熱風誘導管とを備える。燃焼式熱風発生火炉は、バーナーで空気を加熱して熱風を作る。熱風誘導管は、乾燥室内の下段コンベヤより低い位置に設置され、熱風を分配する複数の熱風口及びそれぞれの流量を調整する熱風導入弁を有する。この場合、攪拌手段は、熱風誘導管の熱風口、および乾燥室の熱気を吸い込み上方へ吹き出すブロワ、の少なくとも一方であって、下段コンベヤの下から熱風を吹き上げることによって直上区間を通過する茶葉を下段コンベヤから浮遊させる。または、熱風発生装置は、乾燥室内の熱気を吸い込みベルトコンベヤの下から上方へ噴き出す複数のブロワを含み、攪拌手段は、複数のブロワで構成される。いずれの場合も、ブロワは、熱源を備える補助バーナーであってもよい。
上述の攪拌手段は、下段コンベヤの上部に複数配置され、回転することによって茶葉を下段コンベヤ上から掬い上げる攪拌手であってもよい。攪拌手で掬い上げられることによって、茶葉は、下段コンベヤ上から浮きあがった状態となる。このとき、茶葉を効率よく攪拌するために、攪拌手は、ブロワの直上部、および、隣り合うブロワどうしの間の直上部の少なくとも一方に配置される。例えばこの攪拌手は、下段コンベヤの搬送方向に対して直交する向きに回転軸が配置され、この回転軸から放射状に延びた腕を有している。
また、本発明に係る碾茶炉は、さらに補助ヒーターと、飛散防止コンベヤとを備えてもよい。補助ヒーターは、下段コンベヤの上方及び下方の少なくとも一方に設置され、下段コンベヤに向けて赤外線又は遠赤外線を照射する。飛散防止コンベヤは、補助ヒーターに茶葉を接触させないために、下段コンベヤ及び補助ヒーターの間に設置され、金網のベルトで作られ、茶葉が飛散するのを防止する。このとき、攪拌手段によって下段コンベヤから吹き上げられ浮遊した茶葉が攪拌手段の圏外へ確実に搬送されるように、飛散防止コンベヤは、下段コンベヤに向けて垂下する搬送板を備えるとよい。
本発明に係る碾茶炉は、さらに排気口と排気ファンと排気弁と排気制御部と温度調整機と統合制御装置とを備える。排気口は、乾燥室の天井部に設けられる。排気ファンは、この排気口に設置され、乾燥室の内部の空気を排出する。排気弁は、排気口の開度を調整する。排気制御部は、乾燥室の内部の温度及び湿度を検出し、排気ファン及び排気弁の少なくとも一方を制御して排気流量を調整する。排気制御部によって乾燥室内の湿った空気が強制排気され、茶葉から蒸発した水分が乾燥室内に留まることなく排出されるので、茶葉の乾燥効率が向上する。さらに温度調整機は、乾燥室内の温度を計測し、熱風発生装置の出力を調整する。熱風発生装置が燃焼式熱風発生火炉と熱風誘導管を含む場合、温度調整機は、燃焼式熱風発生火炉のバーナーの出力を調整するために、燃料供給量及び空気を供給する送風機の流量を制御するとともに、熱風誘導管の熱風口に設けられた熱風導入弁の開度を調整する。さらに温度調整機は、碾茶炉が補助ヒーターや補助バーナーを備えている場合、これらによって乾燥炉内に供給される熱量も加味して熱風発生装置を制御する。統合制御装置は、乾燥室内の温度及び湿度の分布が設定された条件となるように温度調整機及び排気制御部を連携して制御するとともに、茶葉の搬送速度が設定された速度となるようにベルトコンベヤの駆動も制御する。
本発明に係る碾茶炉において、ベルトコンベヤは、複数段で構成されていてもよい。例えば、ベルトコンベヤは、乾燥室の天井の直下に配置される上段コンベヤと、上段コンベヤ及び下段コンベヤの間に配置される中段コンベヤと、をさらに含む。そして、乾燥室は、複数の通気口を有した仕切板で内部が上部と下部とに分割され、上段コンベヤ及び中段コンベヤを上部に配置し、熱風誘導管、下段コンベヤ及び攪拌手段を下部に配置する。
本発明に係る荒茶製造方法は、本発明に係る上述の碾茶炉を用いる。そして、蒸熱したのち冷却散茶機で冷却した茶葉を下段コンベヤによって乾燥室内を搬送し、下段コンベヤで搬送途中の茶葉を攪拌手段で浮遊させ攪拌する。このとき、下段コンベヤに載せられる原料茶葉として、粗揉、揉捻、中揉の少なくともいずれか1つを経た後で60%〜10%の水分を含んでいる製造途中の茶葉を使用してもよい。
本発明に係る荒茶は、上記碾茶炉を使用した荒茶製造方法によって作る。
本発明に係る碾茶炉は、上記構成を備えることによって、フレーク状の被乾燥物である茶葉を短時間で効率よく乾燥させることができる。したがって、蒸熱及び冷却した後の湿った茶葉を乾燥させるためにこの碾茶炉を使用することによって、単位時間当たりの処理量が増える。また、この碾茶炉は、ベルトコンベヤの下から熱風が供給され、少なくとも1段に構成されるベルトコンベヤのうちの一番下の下段コンベヤにおいて茶葉を浮き上がらせて攪拌する攪拌手段を備えている。浮き上がらせて攪拌された茶葉に供給されたばかりの温度の高い熱風が当たることによって、個々の茶葉に均等に熱が加わり、乾燥の度合いも均一になる。そして、乾燥されると同時に入熱を受けることによって、茶葉中の糖とアミノ酸がストレッカー分解や軽度のメイラード反応によって、碾茶に特有の甘香ばしさを強調する。
さらに、本発明に係る碾茶炉を使用する荒茶製造方法によれば、碾茶炉における単位時間当たりの処理量が増えるため、荒茶の生産量が増える。これまでは、生産量の限界から、碾茶の荒茶は量産に向いていないとされて来たが、この碾茶炉を使用することによって乾燥処理量が増えるとともに、火入れによって加えていた碾茶に特有の甘香ばしい香味も同時に付香することが可能である。したがって、この荒茶製造方法によれば、碾茶に特有の甘香ばしい香味を付香した荒茶を安価に市場に提供することができ、食品工業用抹茶の生産拡大が期待されるようになる。また、荒茶製造方法では、精揉工程を含まずに、甘香ばしい香味を付香することができるため、精揉工程において生じる苦渋味が加わらない。
本発明に係る荒茶は、上述の碾茶炉を用い上述の荒茶製造方法によって作られるので、苦渋味が無く、甘香ばしい香味が付香される。
本発明の第1の実施形態の碾茶炉の概略を示す図。 本発明の第2の実施形態の碾茶炉の概略を示す図。 本発明の第3の実施形態の碾茶炉の概略を示す図。 本発明の第4の実施形態の碾茶炉の概略を示す図。 本発明の第5の実施形態の碾茶炉の概略を示す図。 本発明の第6の実施形態の碾茶炉の概略を示す図。
本発明に係る第1の実施形態の碾茶炉10について、図1を参照して説明する。図1に示す碾茶炉10は、燃焼式熱風発生火炉11と、熱風誘導管12と、乾燥室13と、ベルトコンベヤ14と、攪拌手段15とを備えている。燃焼式熱風発生火炉11及び熱風誘導管12は、熱風発生装置を構成する一形態であって、燃焼式熱風発生火炉11は、熱源であって、可燃性ガス、すなわち天然ガス、プロパンガス、またはいわゆる「都市ガス」などのガスを燃料としている。燃焼式熱風発生火炉11は、ガスをバーナー111で燃焼させ、炉部112でその火焔に送風機113によって空気を混合することで、熱風を作り出している。
熱風誘導管12は、燃焼式熱風発生火炉11の炉部112の下流に配置される。熱風誘導管12は、熱風を分配する複数の熱風口121、および、この熱風口121に設置されてそれぞれが放出する熱風の流量を調整する熱風導入弁122を有している。熱風導入弁122は、個別に開度が調整されることによって、熱風誘導管12が供給する熱風による温度分布を変更する。
乾燥室13は、下部に熱風誘導管12が配置され、熱風口121から供給される熱風によって内部が温められる。この乾燥室13は、さらに天井部131に設けられた複数の排気口132と、この排気口132のそれぞれに設置されて内部の空気を排出する排気ファン133と、排気口132の開度を調整する排気弁134と、内部の温度及び湿度を計測して排気ファン133及び排気弁134の少なくとも一方を制御して排気流量を調整する排気制御部135とを備える。排気口132、排気ファン133、及び排気弁134は、乾燥室13の中の温度分布が所望する状態になるように設けられていればよいので、図1に示すように複数設けられていてもよいし、1つだけでもよい。
ベルトコンベヤ14は、乾燥室13内の熱風誘導管12の上方に少なくとも1段に配置される。本実施形態の場合、ベルトコンベヤ14は、1段のみで構成されるので、ベルトコンベヤ14は、複数のうちの最も上流に配置される第1のコンベヤに相当し、多段に構成されるベルトコンベヤにおいては熱風誘導管12の直上に配置された一番下の下段コンベヤに相当する。このベルトコンベヤ14は、無端状に形成された金網のベルト141とこのベルト141を循環駆動する駆動機構142を備える。ベルトコンベヤ14は、金網である以外に、乾燥室13内の高温環境においても使用できる材料で作られた網状のものであればよいので、例えば炭素繊維や、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維等で作られた網であってもよい。ベルトコンベヤ14は、上流端143から下流端144まで茶葉Tを搬送する。ベルトコンベヤ14の上流端143及び下流端144は、乾燥室13の外にまで延びている。上流端143は、碾茶炉10の上流に配置される冷却散茶機20の出口に位置し、下流端144は、碾茶炉10で乾燥された茶葉Tを次工程の木茎分離機40へ移すための取出口に位置する。駆動機構142は、熱の影響を受けないために乾燥室13の外に配置されることが好ましい。本実施形態の場合、駆動機構142は、下流端144のローラのシャフトに接続されている。駆動機構142は、ベルトコンベヤ14の途中のスプロケットの軸に連動するように、乾燥室13の外に設置されていてもよい。
攪拌手段15は、ベルトコンベヤ14の搬送方向に間隔を空けて設置され、通過する茶葉Tをベルトコンベヤ14から浮き上がらせて攪拌する。
直上区間を通過する茶葉Tをこのベルトコンベヤ14の下から吹き上げて浮遊させることによって茶葉Tを攪拌する。第1の実施形態において、ベルトコンベヤ14は、1段で構成されているので、このベルトコンベヤ14は、第1のコンベヤであってかつ一番下の下段コンベヤに相当する。また、第1の実施形態において、攪拌手段15は、図1に示すようにベルトコンベヤ14の近くまで延びたノズル151を有した熱風口121である。攪拌手段15として利用される熱風口121の熱風導入弁122の開度は、他の熱風口121の熱風導入弁122の開度よりも大きく設定される。攪拌手段15として利用される熱風口121を流れる熱風の流量が増えるので、この攪拌手段15の直上区間を通過する茶葉Tは、吹き上げられて浮遊し、攪拌される。
攪拌手段15となる熱風口121は、常時、熱風導入弁122の開度が他の熱風口121よりも大きく設定され、ベルトコンベヤ14によって連続的に搬送されてくる茶葉Tを吹き上げるようにしてもよいし、断続的に熱風導入弁122の開度を大きくして直上区間に位置する茶葉Tをその区間ごとに吹き上げて攪拌するようにしてもよい。
この碾茶炉10は、さらに、ベルトコンベヤ14の少なくとも上方に設置される補助ヒーターを備える。本実施形態では、碾茶炉10は、上方に設置される上側補助ヒーター161及び下方に設置される下側補助ヒーター162の両方を備える。そして、攪拌手段15によって吹き上げられた茶葉Tが上側補助ヒーター161に接触して焦げたり、排気口132から排出されたりしないように、ベルトコンベヤ14と上側補助ヒーター161との間に、飛散防止コンベヤ17を設置する。
飛散防止コンベヤ17は、ベルトコンベヤ14と同様の金網のベルト171で構成され、下面側がベルトコンベヤ14の上面と同じ方向へほぼ同じ速度で同期して移動する。したがって、駆動機構は、ベルトコンベヤ14の駆動機構142に機械的例えば、チェーンとスプロケットによって連結されていてもよいし、同じ速度で循環するように個別にサーボモータで駆動されるように構成されていてもよい。
上側補助ヒーター161及び下側補助ヒーター162は、ベルトコンベヤ14に向けて赤外線又は遠赤外線を照射する。上側補助ヒーター161及び下側補助ヒーター162は、熱量の調整が可能な電気式のヒーターである。ベルトコンベヤ14で搬送される茶葉Tは、赤外線又は遠赤外線によって加熱されることによって、火入れした場合と同じ作用を受ける。つまり、茶葉Tは、含有水分量が多い段階で赤外線又は遠赤外線を照射されながら乾燥されることによって、茶葉中においてストレッカー分解やメイラード反応が促進され、甘香ばしい香味を付香される。
上側補助ヒーター161及び下側補助ヒーター162は、赤外線又は遠赤外線を照射できればよいので、電気式のヒーターに限らず、ガス式のヒーターであってもよい。また、茶葉Tがベルトコンベヤ14のメッシュを通り貫けて下側補助ヒーター162に落下すると焦げ臭が付くので、補助ヒーターは、上側補助ヒーター161のみにしてもよい。下側補助ヒーター162を設置する場合は、茶葉Tが乗らないように下側補助ヒーター162とベルトコンベヤ14の間に風を送ったり、ベルトコンベヤ14の真下の位置から外して斜めに赤外線又は遠赤外線を照射したりするとよい。
また、飛散防止コンベヤ17は、ベルトコンベヤ14から浮遊した茶葉Tを確実に下流側へ搬送するために、ベルト171からベルトコンベヤ14に向かって垂直に延びた輸送板172を備えていてもよい。この輸送板172は、飛散防止コンベヤ17のベルト171が折り返される端部でベルト171に沿って倒れる可倒式または折畳式に構成されていてもよい。輸送板172は、飛散防止コンベヤ17のベルト171から垂下するように配置される。したがって、飛散防止コンベヤ17に対する輸送板172の連結部は、回動自在なヒンジでもよい。輸送板172が可倒式に構成される場合、ベルト171を熱風が通過するように、ベルト171と同様の金網で構成されるか、櫛状に形成される。
第1の実施形態の碾茶炉10は、さらに温度調整機18を備える。温度調整機18は、乾燥室13の中の温度を計測し、燃焼式熱風発生火炉11のバーナー111の出力、熱風誘導管の熱風導入弁122の開度、上側補助ヒーター161及び下側補助ヒーター162の出力、の少なくとも1つを調整する。なお、図1中において、温度調整18は、燃焼式熱風発生火炉11側の熱風導入弁122及び下側補助ヒーター162にのみ接続されている図となっているが、実際にはすべての熱風導入弁122、上側補助ヒーター161及び下側補助ヒーター162に接続されている。
乾燥室13の中の温度を計測するためのセンサは、各熱風口121、炉部112、ベルトコンベヤ14の上部および下部もしくはベルト141に挟まれる中間の位置にベルト141に沿って数か所、上側補助ヒーター161及び下側補助ヒーター162のそれぞれ、各排気口132にそれぞれ配置されることが好ましい。さらに、ベルトコンベヤ14によって搬送されている茶葉Tそのものの温度を、赤外線センサを内蔵する放射温度計によって計測してもよい。温度調整機18は、バーナー111の出力を調整するために、燃料の供給量及び送風機113の風量を制御する。
さらにこの碾茶炉10は、統合制御装置100を備える。この統合制御装置100は、乾燥室13内の温度分布が設定された温度分布となるように温度調整機18と排気制御部135とを連係して制御するとともに、茶葉Tの乾燥時間が設定された時間となるようにベルトコンベヤ14及び飛散防止コンベヤ17の移動速度を制御する。温度を計測するためのセンサは、上述した位置の全てに無くてもよい。碾茶炉10を連続運転する場合、各センサによって計測される温度変化の相関関係が分かれば、いくつかの代表点を基に温度調整機18及び排気制御部135で乾燥室13内部の温度分布を制御することも可能である。
以上のように構成された碾茶炉10は、冷却散茶機20の下流に配置されている。冷却散茶機20は、さらにその上流に設置された蒸熱機30によって蒸された茶葉を速やかに冷却するために設置されている。蒸熱機30において蒸熱された茶葉Tは、冷却散茶機20のメッシュのコンベヤ21に移されたのち、四連のかや22を順番に送風機23によって吹き上げられ、冷やされるとともに蒸露が除去される。碾茶炉10のベルトコンベヤ14の上流端143は、四連のうちの最後のかや22で吹き上げられた茶葉Tの落下地点に配置され、冷やされた茶葉Tが散布される。なお、冷却散茶機20は、四連のかや22である以外に温風や熱風(130℃程度)を茶葉に当て、蒸葉の表面についた水分が蒸発するときの気化熱によって茶葉を冷却するタイプの冷却機であってもよい。
ベルトコンベヤ14に載せられた茶葉Tは、下流端144に向かって搬送される。この間、茶葉Tは、燃焼式熱風発生火炉11によって作られた熱風で乾燥される。ベルトコンベヤ14で搬送される茶葉Tは、攪拌手段15となる熱風口121の直上区間を通過する際に、熱風口121から噴出する熱風によって吹き上げられ、浮遊するとともに攪拌され、ベルトコンベヤ14に落下する。これによって、茶葉Tは、重なり合っていた部分が散らされ、上側補助ヒーター161および下側補助ヒーター162から照射される赤外線又は遠赤外線が均一に当たるようになる。
このとき、茶葉Tを吹き上げるための熱風は、熱風口121から垂直に吹き上げるのではなく、ベルトコンベヤ14の進行方向に沿って前方へ茶葉Tを吹き上げるように斜めに噴出させてもよい。茶葉Tが浮き上がった位置に対して落下する位置が前方になることで、茶葉Tは、ベルトコンベヤ14によって確実に搬送される。
茶葉Tは、乾燥室13の中をベルトコンベヤ14によって搬送される間に、ベルトコンベヤ14上でこの浮遊と落下を繰り返されることで、攪拌され、乾燥される。茶葉Tは、ベルトコンベヤ14の下流端144に近づくにつてれ、乾燥が進み軽くなる。そこで、上流側に位置する攪拌手段15として利用される熱風口121の熱風導入弁122の開度よりも、下流側に位置する攪拌手段15として利用される熱風口121の熱風導入弁122の開度を小さくし、茶葉Tが飛散防止コンベヤ17とベルトコンベヤ14の間で程よく浮遊するように制御する。
ベルトコンベヤ14の上方及び下方に設置された上側補助ヒーター161及び下側補助ヒーター162から照射される赤外線又は遠赤外線に晒されることによって、ベルトコンベヤ14の上で浮遊と落下を繰り返し攪拌された茶葉Tは、乾燥が促進されるとともに、火入れに相当する熱処理が施される。茶葉Tが乾燥されることによって蒸発した水分は、乾燥室13の天井部131に設けた排気口132から排気ファン133によって強制排気される。したがって、乾燥室13内部が蒸れない、つまり、茶葉Tが蒸れることはない。また強制排気したことによって、新たな乾いた熱風が乾燥室13内部へ供給されやすくなる。したがって、碾茶炉10はさらに茶葉Tを乾燥させる能力が向上する。
この碾茶炉10は、ベルトコンベヤ14と上側補助ヒーター161との間に飛散防止コンベヤ17を備えている。攪拌手段15によって浮遊した茶葉Tは、上側補助ヒーター161に接触しないので、茶葉Tに焦げた臭いが付くことはない。このように、上記構成を備える碾茶炉10は、茶葉Tを効率よく乾燥でき、単位時間当たりの処理量が増えるとともに、火入れに相当する熱処理を乾燥と同時に茶葉Tに施すことで、碾茶に特有の甘香ばしい香味を付香することができる。また、この碾茶炉10によって作られた荒茶は、碾茶に特有な甘香ばしい香味を存し、苦渋味の溶出が少ない。
また、この碾茶炉10の乾燥室13に供給される熱風は、ガスを燃料として燃焼させて空気を加熱して作られている。熱風には燃焼残渣や臭い成分が含まれないので、火焔で熱せられた空気をそのまま利用しても茶葉Tに異味や異臭が付かない。ガスを燃焼させた火焔の熱をそのまま利用して熱風を作る点において燃料の効率が良い。また、ガスを燃料とする燃焼式熱風発生火炉を採用した場合、重油火炉のような煙道や煙突が必要ないので、その分だけ碾茶炉10を小さくすることができる。
そして、本実施形態の碾茶炉10は、ベルトコンベヤ14が1段であるが、乾燥能力が優れている。したがって、この碾茶炉10で乾燥させた茶葉Tを木茎分離機40によって葉部と茎部に篩分けし、それぞれ茶葉通風乾燥機51及び茎通風乾燥機52によって後期乾燥及び本乾燥を行うことで、粗揉、揉捻、中揉などの揉み工程を経ていない碾茶荒茶を作ることができる。つまり、この碾茶炉10は、蒸熱機30から茶葉通風乾燥機51及び茎通風乾燥機52までを含む荒茶製造装置や製造ラインに組み込んだ場合、省コスト及び省スペースであることに寄与する。
第1の実施形態における荒茶製造方法によれば、この碾茶炉10を用い、燃焼式熱風発生火炉11で作った熱風を乾燥室13に送り、ベルトコンベヤ14の上部および下部に設置した上側補助ヒーター161及び下側補助ヒーター162によって赤外線又は遠赤外線をベルトコンベヤ14で搬送される茶葉Tに照射する。このとき、攪拌手段15によってベルトコンベヤ14上の茶葉Tを熱風で吹き上げて浮遊させながら攪拌することによって、碾茶荒茶を製造する。そして、天井部131の排気口132に設けた排気ファン133によって乾燥室13の内部の湿った空気を強制排気する。
上記の荒茶製造方法の場合、茶葉Tは攪拌手段15によって断続的に吹き上げられて浮遊するので、茶葉Tがその都度攪拌され熱風に晒されることで乾燥が促進される。つまり、この碾茶炉10が単位時間あたりに茶葉Tを乾燥できる処理量は増大する。そして、この荒茶製造方法によれば、碾茶炉10の乾燥能力が高くなることによって、碾茶荒茶の生産効率が向上する。また、複数の攪拌手段15がベルトコンベヤ14の搬送方向に間隔を空けて配置されており、断続的に浮遊と落下が繰り返されることで攪拌されるので、ベルトコンベヤ14上で静止している間に、上側補助ヒーター161及び下側補助ヒーター162によって火入れに相当する熱処理が施され、碾茶に特有の甘香ばしい香味ができ上がった碾茶荒茶に付香される。
さらに、第1の実施形態における碾茶炉10は排気ファン133によって乾燥室13内の空気を強制排気するので、この碾茶炉10を使用する荒茶製造方法の場合、茶葉Tの乾燥効率が向上する。つまり、茶葉Tの乾燥工程を短縮できる、もしくは、乾燥工程における処理量を増やすことができる。
上記第1の実施形態の碾茶炉10を乾燥炉として利用し、従来の緑茶製造方法による粗揉後、揉捻後、中揉後のいずれかの茶葉を原料として供給して揉み茶荒茶を作る荒茶製造方法としてもよい。この場合、碾茶炉10のベルトコンベヤ14には、粗揉工程、揉捻工程または中揉工程後の茶葉が載せられるので、冷却散茶機20は不要である。粗揉後、揉捻後、中揉後の茶葉の水分含有量は、60%〜10%である。
この碾茶炉10は、乾燥能力が高いので、粗揉工程、揉捻工程または中揉工程を経た茶葉をこの碾茶炉10によって乾燥すると、ベルトコンベヤ14を多段式にしなくても十分な乾燥が施され、揉み茶荒茶として荒茶が完成する。つまり、木茎分離工程や、その後の本乾燥の茶葉通風乾燥工程及び茎通風乾燥工程が不要となる。そして、この荒茶製造方法によって作られる揉み茶荒茶は、精揉工程を経ていない。さらに本実施形態の碾茶炉10によって、水分含有量が多い段階の茶葉を乾燥させると、茶葉は、上側補助ヒーター161及び下側補助ヒーター162が照射する赤外線又は遠赤外線を受けながら乾燥される。
その結果、この荒茶製造方法によって製造された揉み茶荒茶は、ストレッカー分解や軽度のメイラード反応が茶葉に作用して甘香ばしい香味が強調されるとともに、精揉工程を経ていないことによって苦渋味が軽減される。
以下に、本発明の第2から第6の実施形態の碾茶炉についてそれぞれ図を参照して説明する。このとき第1の実施形態の碾茶炉の構成と同じ機能を有する構成は、各実施形態の説明及び図中において同一の符号を付し、詳細な説明は第1の実施形態の記載を参酌することとする。
本発明に係る第2の実施形態の碾茶炉10について、図2を参照して説明する。図2に示す碾茶炉10は、1段のベルトコンベヤ14を乾燥室13に有している。この実施形態において、ベルトコンベヤ14は、冷却散茶機20で冷やされた湿った茶葉Tが最初に載せられる第1のコンベヤであって、熱風誘導管12の上方に配置される複数段のベルトコンベヤのうちで最下部に配置される下段コンベヤに相当する。
第2の実施形態の碾茶炉10は、攪拌手段15として複数のブロワ152を備える。各ブロワ152は、ベルトコンベヤ14の搬送方向に間隔を空けて配置される。ブロワ152は、乾燥室13内の熱気を吸い込み、ベルトコンベヤ14の下から熱風を吹き上げる。このとき、ブロワ152は、熱風を連続的に噴き出していてもよいし断続的に噴き出していてもよい。このブロワ152は、ベルトコンベヤ14を搬送される茶葉Tに対して、第1の実施形態における攪拌手段15として利用された熱風口121と同様に作用する。つまり、ブロワ152は、ベルトコンベヤ14の下から熱風で茶葉Tを吹き上げ、浮遊させて攪拌する。複数ある熱風口121のいくつかを攪拌手段15として利用する第1の実施形態の碾茶炉10と異なり、ブロワ152が乾燥室13内の熱気を独自に吸い込み噴き出すので、攪拌手段15として噴き出す熱風の流量を制御しやすい。ブロワ152は、温度調整機18に接続され、熱風導入弁122、上側補助ヒーター161、下側補助ヒーター162、燃焼式熱風発生火炉11とともに制御される。
また、ブロワ152は、燃焼式熱風発生火炉11や上側補助ヒーター161及び下側補助ヒーター162とは別に、熱源を個別に備えた補助バーナーであってもよい。補助バーナーは、電熱線または小型のガス燃焼炉を熱源として採用する。ブロワ152として補助バーナーを備える場合、補助バーナーは、攪拌手段15として機能するだけでなく、燃焼式熱風発生火炉の熱風の流量を補う機能も有することとなる。補助バーナーの吸気は乾燥室13の外から取り込んでもよい。補助バーナーが乾燥室13の外から吸気する場合、乾燥室13に供給される熱風の流量が増える。したがって、排気ファン133の排気流量を増やして乾燥室13内の湿った空気をより多く排出することで、茶葉Tの乾燥が促進される。つまり、碾茶炉10において茶葉Tを乾燥させる処理能力が向上するので、この碾茶炉10を使用した荒茶の製造方法は、生産量が増大する。
温度調整機18は、燃焼式熱風発生火炉11のバーナー111及び送風機113、各熱風導入弁122、各ブロワ152、各上側補助ヒーター161、各下側補助ヒーター162を制御し、乾燥室13内に入る熱量を調整する。排気制御部135は、第1の実施形態と同様に、各排気ファン133及び各排気弁134を制御し、乾燥室13から排出される熱量及び湿度(水分)を調整する。統合制御装置100は、乾燥室13内の温度分布が設定された温度分布となるように排気制御部135と温度調整機18を制御し、茶葉Tの乾燥時間が設定された時間になるように、ベルトコンベヤ14及び飛散防止コンベヤ17の移動速度を制御する。
上記以外の第2の実施形態の碾茶炉10の構成及びその構成を備えていることに伴う作用や効果は、第1の実施形態の碾茶炉10と同じであるので、第1の実施形態の対応する記載を参酌するものとする。
本発明に係る第3の実施形態の碾茶炉10について、図3を参照して説明する。図3に示す碾茶炉10は、第1及び第2の実施形態の碾茶炉10と同様に、1段のベルトコンベヤ14を乾燥室13に有している。この実施形態において、ベルトコンベヤ14は、冷却散茶機20で冷やされた湿った茶葉Tが最初に載せられる第1のコンベヤであって、熱風誘導管12の上方に配置される複数段のベルトコンベヤのうちで最下部に配置される下段コンベヤに相当する。
第3の実施形態の碾茶炉10は、攪拌手段15として複数の攪拌手153を備える。この攪拌手153は、ベルトコンベヤ14の搬送方向に対して直交する向きに回転軸153Aが配置され、この回転軸153Aから放射状に延びた腕153Bを回転軸153Aの全長に渡ってほぼ等間隔に多数有している。攪拌手153は、ベルトコンベヤ14の上部に配置され、回転することによって茶葉Tをベルトコンベヤ上から掬い上げる。つまり、攪拌手153は、ベルトコンベヤ14によって搬送される茶葉Tの進行方向に対して反対向きに腕153Bを重なった茶葉Tの間に差し入れて茶葉Tを掬い上げ、回転軸153Aの上を越えてベルトコンベヤ14の上にばら撒く。
攪拌手153が回転することによって茶葉Tを掬い上げやすいように、個々の腕153Bの先端の形状は、鍬やスコップのように幅を有していたり、回転方向に向かって少し湾曲していたり、していてもよい。また、ベルトコンベヤ14の上流側と下流側では茶葉Tの乾燥の度合いが異なる。そこで、茶葉Tを掬い上げる攪拌手153の腕153Bの先端の形状を変える、あるいは、腕153Bの本数を変えるなど、ベルトコンベヤ14の位置に適した攪拌手153をそれぞれ配置するとよい。
また、第3の実施形態の碾茶炉10では、いくつかの攪拌手153のほぼ真下の位置にブロワ152が配置されている。このブロワ152は、熱源を有した補助バーナー114である。補助バーナー114は、熱風導入弁122、上側補助ヒーター161、下側補助ヒーター162、燃焼式熱風発生火炉11とともに温度調整機18によって制御される。攪拌手153によって掬い上げられた茶葉Tに補助バーナー114から噴き出される熱風が当たることによって、茶葉Tの乾燥が促進される。第3の実施形態では、補助バーナー114が下方に配置されていない位置、すなわち隣り合う補助バーナー114の間の位置の直上部にも攪拌手153が配置されている。この攪拌手153の上流側及び下流側には、それぞれ上側補助ヒーター161及び下側補助ヒーター162が配置されている。上側補助ヒーター161及び下側補助ヒーター162によって赤外線又は遠赤外線が照射される区間においても茶葉Tを攪拌するので、茶葉Tの一つ一つに熱線が照射され易く、茶葉Tの乾燥が均質に進む。
温度調整機18は、燃焼式熱風発生火炉11、熱風導入弁122、上側補助ヒーター161、下側補助ヒーター162、補助バーナー114を制御して乾燥室13内に入る熱量を制御する。排気制御部135は、排気ファン133及び排気弁134を制御して乾燥室13から排出される熱量及び湿度(水分)を制御する。統合制御装置100は、乾燥室13内の温度分布が設定された温度分布になるように温度調整機18及び排気制御部を連携させて制御し、茶葉Tの乾燥時間が設定された時間になるようにベルトコンベヤ14の駆動機構142及び各攪拌手153の回転速度を制御する。
上記以外の第3の実施形態の碾茶炉10の構成及びその構成を備えていることに伴う作用や効果は、第1の実施形態の碾茶炉10や第2の実施形態の碾茶炉10と同じであるので、第1及び第2の実施形態の対応する記載をそれぞれ参酌するものとする。
本発明に係る第4の実施形態の碾茶炉10について、図4を参照して説明する。図4に示す碾茶炉10は、上段コンベヤ14T、中段コンベヤ14M、下段コンベヤ14Bの3段に構成されたベルトコンベヤ14を乾燥室13の中に備えている。このベルトコンベヤ14は、少なくとも1段に配置されるベルトコンベヤの一形態として、上段、中段、下段の3段に構成配置されているのであって、4段又は5段、あるいはそれ以上の多段に構成されていてもよい。また循環するコンベヤの往路と復路の両方を茶葉Tの搬送に使用するベルトコンベヤであってもよい。このコンベヤの場合は、1つのコンベヤで2段分の機能を果たす。
上段コンベヤ14T及び中段コンベヤ14Mは、それぞれ駆動機構を備えている。これらの駆動機構は、下段コンベヤ14Bの駆動機構142と共通に設けられていてもよい。つまり、上段コンベヤ14T及び中段コンベヤ14Mは、下段コンベヤ14Bの駆動機構142の同じモータからスプロケットおよびチェーンや変速機などの動力伝達手段を介して、駆動されてもよい。乾燥室13は、複数の通気口136aを有した仕切板136によって、上部13Uと下部13Lとに分割されている。上部13Uに上段コンベヤ14T及び中段コンベヤ14Mが配置され、下部13Lに下段コンベヤ14Bが配置されている。
乾燥室13の上部13Uは、天井部131に第1の実施形態の乾燥室13と同様の排気口132が設けられ、それぞれに排気ファン133及び排気弁134が設置されている。上段コンベヤ14Tは、天井部131の直下に配置され、中段コンベヤ14Mは、上段コンベヤ14Tと仕切板136との間に配置されている。乾燥室13は、仕切板136に設けられた複数の通気口136aのそれぞれに、通気弁136bを有している。この通気弁136bは、乾燥室13内の温度を制御する温度調整機18に接続され、センサで検出される温度や湿度の情報を基に開度が調整される。仕切板136と中段コンベヤ14Mとの間には、補助バーナー114、すなわち熱源を備えたブロワが設置されている。熱源は、電熱線であってもよいし、ガス燃焼式であってもよい。補助バーナー114は、温度調整機18に接続され、上部13Uの温度及び湿度の調整に使用される。
乾燥室13の下部13Lは、下段コンベヤ14B及び攪拌手段15を配置しており、第1の実施形態の乾燥室13の天井部131よりも下の部分、上側補助ヒーター161から熱風誘導管12までの範囲と同じ構成を有している。したがって、第4の実施形態における攪拌手段15は、ノズル151を有した熱風口121である。この熱風口121は、第1の実施形態において攪拌手段15として機能した熱風口121と同様に構成されている。下段コンベヤ14Bの上方に配置される上側補助ヒーター161は、仕切板136の下面に取り付けられている。また、下段コンベヤ14Bと上側補助ヒーター161との間には、飛散防止コンベヤ17が設置されている。
碾茶炉10は、下段コンベヤ14Bの下流端144Bが突き出た乾燥室13の側部に、風送コンベヤ19を備えている。風送コンベヤ19は、下段コンベヤ14Bよりも低い位置から上段コンベヤ14Tよりも高い位置まで一続きに形成された搬送室191と、下端に設置された送風機192とで構成される。上段コンベヤ14Tの上流端143Tは、下段コンベヤ14Bの下流端144Bと同じ乾燥室13の側部から風送コンベヤ19側に突出している。下段コンベヤ14Bの下流端144Bまで搬送された茶葉Tは、下流端144Bからこぼれ落ちると、送風機192によって搬送室191内を上部まで吹き上げられる。吹き上げられた茶葉Tは、上段コンベヤ14Tの上流端143Tに乗る。搬送室191は、茶葉Tが上段コンベヤ14Tに乗るように送風機192によって作られる空気の流れを乱すことなく案内する誘導板などを内部に備えている。下段コンベヤ14Bから上段コンベヤ14Tへ茶葉Tを移動させる手段として、風送コンベヤ19に代えて、バケットを有した縦型コンベヤを採用してもよい。
上段コンベヤ14Tによって乾燥室13内を搬送された茶葉Tは、上段コンベヤ14Tの下流端144Tから中段コンベヤ14Mの上流端143Mへ移る。中段コンベヤ14Mを下流端144Mまで搬送された茶葉Tは、最後に取出口13Aから排出される。図4中において、取出口13Aは、搬送室191内で送風機の気流に晒される位置に図示されているが、実際には搬送室191内の気流に影響されないように設けられるか、搬送室191とは独立して茶葉Tを取り出せるように配置される。取出口13Aから出された茶葉Tは、第1の実施形態の場合と同様に、木茎分離機40によって葉部と茎部に選別される。そして、葉部は、茶葉通風乾燥機51に、茎部は、茎通風乾燥機52によってさらに乾燥される。
この実施形態において、冷却散茶機20で冷やされた湿った茶葉Tが最初に載せられる第1のコンベヤは、熱風誘導管12の上方に配置される複数段のベルトコンベヤ14のうちで最下部に配置される下段コンベヤ14Bである。下段コンベヤ14Bを通過した茶葉Tが次に移されるのは、複数段に構成されたベルトコンベヤ14の最上部にある上段コンベヤ14Tである。そして、茶葉Tは、最後に中段コンベヤ14Mを通過して碾茶炉10の外に取出される。乾燥室13の下部13Lで行われる乾燥を初期乾燥とすると、乾燥室13の上部13Uで行われる乾燥は、後期乾燥に相当する。
第4の実施形態の場合、排気制御部135は、排気ファン133及び排気弁134を制御して乾燥室13から排出される熱量及び湿度(水分)を調整する。温度調整機18は、燃焼式熱風発生火炉11、熱風導入弁122、上側補助ヒーター161、下側補助ヒーター162、補助バーナー114、通気弁136bを制御し、乾燥室13に入る熱量を調整する。統合制御装置100は、排気制御部135及び温度調整18を連携させて制御するとともに、茶葉Tの乾燥時間が設定された時間になるように、かつ、茶葉Tが下段コンベヤ14Bから上段コンベヤ14Tへ、上段コンベヤ14Tから中段コンベヤ14Mへ移される際に偏りが生じないように、下段コンベヤ14B、飛散防止コンベヤ17、中段コンベヤ14M、上段コンベヤ14T、及び送風機192による茶葉Tの移動速度を制御する。
冷却散茶機20に続いて最初に通過するベルトコンベヤ14が下段コンベヤ14Bであるので、熱風誘導管12の乾いた熱風に晒されることで、茶葉Tの乾燥が急速に進む。また、下段コンベヤの次に通過するベルトコンベヤ14は、上段コンベヤ14Tである。乾燥室13の上部13Uの天井部131の直下は、熱風が上がってくることによって比較的高い温度に維持されている。したがって、茶葉Tは、下段コンベヤ14Bの次に上段コンベヤ14Tに移されることによって、さらに乾燥が進む。また、乾燥室13の上部13Uの内部の熱気が含む水分量は、仕切板136側よりも温度が高い天井部131側の方が多いと考えられる。天井部131側の熱気は排気口132から排出されるので、仕切板136側まで下りてくることはない。さらに、最後に茶葉Tが通過する中段コンベヤ14Mは、補助バーナー114を直下に有している。乾燥室13内の熱気が再加熱されて相対湿度が低下した乾燥した熱気が補助バーナー114によって加えられる。したがって、茶葉Tが最後に中段コンベヤ14Mを通過することで、乾燥室13の上部13Uにおいて比較的水分量が少なく相対湿度も低い熱気に晒されるので、上段コンベヤ14Tよりもさらに乾燥が進む。つまり、第4の実施形態の碾茶炉10において、茶葉Tは、下段コンベヤ14B、上段コンベヤ14T、中段コンベヤ14Mの順に乾燥室13を搬送されることで、前段のコンベヤにおいて乾燥された茶葉Tから放出された水分の影響を受けにくく、効率よく乾燥が進む。
第4の実施形態の碾茶炉10について、上述した以外の効果や上述した以外の構成に伴う効果は、第1の実施形態の碾茶炉10と同じであるので、第1の実施形態の記載を参酌するものとする。また、第4の実施形態の碾茶炉10を使用する荒茶製造方法並びに第4の実施形態の碾茶炉10を経て製造される荒茶に係る効果も第1の実施形態において詳述したとおりである。
本発明に係る第5の実施形態の碾茶炉10について、図5を参照して説明する。図5に示す碾茶炉10は、第4の実施形態と同様に、3段に構成されたベルトコンベヤ14を乾燥室13の中に備えている。乾燥室13は、仕切板136で上部13Uと下部13Lに分割されている。上部13Uに上段コンベヤ14T及び中段コンベヤ14Mが配置され、下部13Lに下段コンベヤ14B及び攪拌手段15が配置されている。第5の実施形態における攪拌手段15は、第2の実施形態における碾茶炉10の攪拌手段15と同じであり、下段コンベヤ14Bの下に設置されるブロワ152である。
乾燥室13の上部13Uは、第4の実施形態と同じ構成である。乾燥室13の下部13Lは、第2の実施形態の碾茶炉10の乾燥室13の内部とほぼ同じ構成である。つまり、この碾茶炉10は、第2の実施形態における碾茶炉10のベルトコンベヤ14に対して配置された攪拌手段15となるブロワ152、上側補助ヒーター161と下側補助ヒーター162、及び、ベルトコンベヤ14と上側補助ヒーター161との間に配置された飛散防止コンベヤ17を、下段コンベヤ14Bに対して配置している。また、統合制御装置100は、第4の実施形態と同様に接続され、各部を制御する。
上記以外の乾燥室13の下部13Lの構成は、第2の実施形態の碾茶炉10の乾燥室13の構成と同じである。また、3段に構成されたベルトコンベヤ14に係る構成は、第4の実施形態の碾茶炉10と同じである。したがって、それぞれの構成の詳細、並びに、これらに伴う効果については、対応する記載を参酌するものとする。また、第5の実施形態の碾茶炉10を使用する荒茶製造方法、並びに、第5の実施形態の碾茶炉10を経て製造される荒茶に係る効果も、第2の実施形態及び第4の実施形態に詳述したことを合わせたものとなる。
本発明に係る第6の実施形態の碾茶炉10について、図6を参照して説明する。図6に示す碾茶炉10は、第4及び第5の実施形態と同様に、3段に構成されたベルトコンベヤ14を乾燥室13の中に備えている。乾燥室13は、仕切板136で上部13Uと下部13Lに分割されており、上部13Uに上段コンベヤ14T及び中段コンベヤ14Mを配置し、下部13Lに下段コンベヤ14B及び攪拌手段15を配置している。第6の実施形態における攪拌手段15は、第3の実施形態における碾茶炉10の攪拌手段15と同じであり、下段コンベヤ14Bの上に配置される攪拌手153である。
乾燥室13の上部13Uは、第4の実施形態と同じ構成である。乾燥室13の下部13Lは、第3の実施形態の碾茶炉10の乾燥室13の内部とほぼ同じ構成である。つまり、この碾茶炉10は、第3の実施形態における碾茶炉10のベルトコンベヤ14に対して配置された攪拌手段15となる攪拌手153、及び、上側補助ヒーター161と下側補助ヒーター162を、下段コンベヤ14Bに対して配置している。そして、第1、第2、第4、第5の実施形態の碾茶炉10が備える飛散防止コンベヤ17は、第3の実施形態と同様に設置していない。
排気制御部135は、排気ファン133及び排気弁134を制御して乾燥室13から排出される熱量及び湿度(水分)を調整する。温度調整機18は、燃焼式熱風発生火炉11、熱風導入弁122、上側補助ヒーター161、下側補助ヒーター162、通気弁136b、乾燥室13の上部13Uの補助バーナー114、乾燥室13の下部13Lの補助バーナー114を制御して、乾燥室13に入る熱量を調整する。統合制御装置100は、温度調整18及び排気制御部135を連携して制御し、乾燥室13内の温度分布が設定された温度分布になるように調整するとともに、茶葉Tの乾燥時間が設定された時間になるように、かつ、下段コンベヤ14Bから上段コンベヤ14Tへ、上段コンベヤ14Tから中段コンベヤ14Mへ茶葉Tが移されるときに偏りが生じないように、下段コンベヤ14B、攪拌手153、送風機192、上段コンベヤ14T、中段コンベヤ14Mの搬送速度を調整する。
上記以外の乾燥室13の下部13Lの構成は、第3の実施形態の碾茶炉10の乾燥室13の構成と同じである。また、3段に構成されたベルトコンベヤ14に係る構成は、第4の実施形態の碾茶炉10と同じである。したがって、それぞれの構成の詳細、並びに、これらに伴う効果については、対応する記載を参酌するものとする。また、第6の実施形態の碾茶炉10を使用する荒茶製造方法、並びに、第6の実施形態の碾茶炉10を経て製造される荒茶に係る効果も、第3の実施形態及び第4の実施形態に詳述したことを合わせたものとなる。
以上、第1から第6の実施形態のいずれの碾茶炉10においても、荒茶を生産する工程における乾燥工程に適用することによって、単位時間当たりの乾燥処理能力が格段に向上する。したがって、これまで生産の能力が低く生産量が少ないことに起因して単価が高かった碾茶の荒茶を、低コストで大量に生産できるようになる。このとき、第1から第6の実施形態のいずれの碾茶炉10においても共通して、碾茶に特有の甘香ばしい香味を荒茶に付香することが可能である。またこれらの碾茶炉10を経て作られる荒茶は、精揉工程を経ないため苦渋味の溶出も少ない。荒茶の製造過程においてこの碾茶炉10を採用することで、今までよりも量産性に優れ、生産コストが低減されたことによって、食品工業用抹茶生産の拡大が期待される。そして、上述の碾茶炉10によって生産された荒茶は、清涼飲料として販売される緑茶を抽出するために使用されたり、ティーバッグの原料茶として利用されたりすることによって、碾茶に特有な甘香ばしさを強調するとともに苦渋味の少ない味わいの緑茶をより多くの人に提供することができる。
茶葉は、蒸熱後の含有水分量が多い段階で加熱処理されると、茶葉中の糖とアミノ酸がストレッカー分解や軽度のメイラード反応によって、甘香ばしさを生じると考えられている。本発明に係る第1から第6の実施形態の碾茶炉10は、いずれも茶葉Tに水分量の多い段階、すなわち第1から第3の実施形態ではベルトコンベヤ14において、第4から第6の実施形態では下段コンベヤ14Bにおいて、補助ヒーター161,162によって加熱されるとともに急速に乾燥が進む。その結果、本発明に係る碾茶炉10を経て生産された荒茶は、碾茶に特有の甘香ばしさを付香される。
そして、第1から第6のいずれの実施形態においても碾茶炉10に投入する原料茶葉として、揉み工程を経ていない茶葉を使って碾茶荒茶を作る場合でも、粗揉、揉捻、中揉の少なくとも1つを経た茶葉を使って揉み茶荒茶を作る場合でも、碾茶炉10によって乾燥されることで、甘香ばしい香味を付香された茶葉を得ることができる。つまり本発明に係る碾茶炉10は、碾茶荒茶を作るためのみに使用される碾茶専用の乾燥炉としてのみ機能するのではなく、揉み茶荒茶を作るための乾燥炉としても優れた機能を発揮する。この点において、本発明に係る碾茶炉10は、揉み茶荒茶を製造する過程で用いられる乾燥炉の機能も含む。
なお、第1から第6の実施形態のいずれの碾茶炉10においても、燃焼式熱風発生火炉11によってガスを燃焼させて熱風を作る代わりに、電気ヒーターに送風機で空気を送り、乾燥室13に供給する空気を直接的に加熱する電気式熱風発生炉によって熱風を作ってもよい。また従来のように、重油を燃料として使用する重油火炉を熱源として使用してもよい。重油火炉を使用する場合、重油火炉によって発生する火焔及び煙を、乾燥室13の下部に設置された煙道に通し、煙道が発する輻射熱によって、乾燥室13内の空気が間接的に加熱される。このとき、乾燥室13内に熱風を積極的に発生させるために、乾燥室13内の熱気を吸い込みベルトコンベヤ14の下から熱風を吹き上げる送風機を設置する。送風機によって発生する熱風が、第1から第3の実施形態のベルトコンベヤ14または第4から第6の実施形態の下段コンベヤ14B上の茶葉Tを吹き上げ攪拌する程度に風力を有している場合、この送風機は、第2及び第5の実施形態のブロワ152のように、攪拌手段15として機能する。また、送風機によって発生する熱風が、茶葉Tを浮遊させる十分な風力を有していない場合、第3及び第6の実施形態の攪拌手153と同様の攪拌手段15を設置し、茶葉Tを攪拌する。
このように従来から使用されている重油火炉を熱源として使用する碾茶炉に、第2及び第5の実施形態のブロワ152を設置して茶葉Tを浮き上がらせたり、茶葉Tが吹き上がらない程度の熱風をブロワ152や補助バーナー114で発生させその雰囲気中において第3及び第6の実施形態の攪拌手153で茶葉Tを浮き上がらせたりするなど、攪拌手段15を適用して、茶葉Tをベルトコンベヤから浮き上がらせて攪拌する、すなわち茶葉Tが熱風に晒された状態で浮き上げられ攪拌されることは、本発明に含まれる。
上記の第1から第6の実施形態の碾茶炉10を発明するに際し、実証試験を実施しているので、以下に記す。
福寿園CHA研究センター内の温室栽培茶園で平成24年3月5日に収穫した二番茶の茶生葉を計量し、一試験区あたり40gとしてNo.1からNo.15の試験区を設定した。それぞれ蒸篭で30秒間蒸熱し、これを原料茶として使用した。各試験区について、蒸熱後の重量(g)、蒸熱後処理の有無、初期乾燥の条件、初期乾燥の加熱時間(分)を表1に示す。
Figure 0006042089
碾茶炉の初期乾燥を再現するために、温風式恒温機(クアナ技研社製)を使って機内温度を150℃に設定して加熱し、赤外線電気ストーブ(東芝製セラミックヒーター SF−812H 1200W)の電熱部の照射方向を上方に向けて恒温機の底部に設置し、その上に鉄板をかぶせた火炉を仮設した。蒸葉は、鉄板の上方へ30cmの高さに配置した金網棚に均一に散布した。初期乾燥時間は、2.5分とした。碾茶炉の後期乾燥の再現は、[試験区4]および[試験区15]を除いて、温風式恒温機(クアナ技研社製)を使って機内温度を100℃、乾燥時間を20分間に設定した。茎葉分離後の本乾燥は、すべての試験区について、同恒温機で機内温度を100度、乾燥時間を60分間とした。
[実験用碾茶炉における試験条件について]
[試験区1]の条件は、従来の碾茶機によって行われる初期乾燥に該当する。恒温機内の温度を150℃に昇温し、恒温機の温風をカットし、電気ストーブの熱源に切り替えてから、初期乾燥を2.5分間行ったものを[試験区1]とした。この方法で作った茶が碾茶としての品質を有しているか適性を見るために、温風式恒温機(クアナ技研社製)を使って、蒸葉を100℃で60分間、通風乾燥したものを[試験区4]とした。比較対照は[試験区1]である。
[熱風の効果の確認]
碾茶炉10の燃焼式熱風発生火炉11及び補助バーナー114から噴き出される熱風を再現するために、温風式恒温機(クアナ技研社製)の温度を150℃に設定し、恒温機内で発生する熱風量を最大にして代用したものを[試験区2]とし、熱風の効果を確認するために、恒温機内150℃に昇温後、蒸葉を投入して送風を止め、茶葉を乾燥したものを[試験区3]とした。
[赤外線照射の効果の確認]
補助ヒーター161,162による赤外線又は遠赤外線照射の効果を実証するために、赤外線電気ストーブ(東芝製のセラミックヒーター SF−812H 1200W)の電熱部の照射方向を下方に向けて恒温機内最上段に設置し、その下方へ30cmの位置に設置された金網棚の上に蒸葉を広げ、2.5分間、赤外線を照射したものを[試験区5]とした。比較対照は[試験区4]である。
[攪拌手による攪拌効果の確認]
攪拌手153によって茶葉を浮かせて攪拌する効果を実証するために、赤外線を照射してから1分経過時および2分経過時に軽く蒸葉を手で攪拌して、赤外線が均一に照射されるようにしたものを[試験区6]とした。比較対照は[試験区4]である。
[排気ファンによる強制排気効果の確認]
乾燥室13の天井部131に設ける排気ファン133による強制排気の効果を実証するために、温風式恒温機(クアナ技研社製)の排気口に換気扇(アピックスインターナショナル製 AFM−180)を取り付けて強制排気した。恒温機の機内温度を150℃に設定して加熱し、赤外線電気ストーブ(東芝製セラミックヒーター SF−812H 1200W)の電熱部の照射方向を上方に向け恒温機の底部に設置し、その上に鉄板を被せた仮設の火炉とした。蒸葉は、鉄板の上方へ30cmの位置に設置された金網棚に均一に散布し、初期乾燥時間を2.5分としたものを[試験区7]とした。比較対照は、従来の碾茶機で初期乾燥した場合を模擬した[試験区1]とした。
[熱風による浮遊攪拌効果の確認]
熱風でベルトコンベヤ14(下段コンベヤ14B)上の茶葉を吹き上げて浮遊させて攪拌した場合の効果を実証するために、温風式恒温機(クアナ技研社製)を使って機内温度を150℃に設定し、赤外線電気ストーブ(東芝製セラミックヒーター SF−812H 1200W)の電熱部の照射方向を上方に向けて恒温機の底部に設置し、その上に鉄板を被せて、仮設の火炉とした。蒸葉は、鉄板の上方へ30cmの位置に設置された金網棚に均一に散布し、加熱開始から1分経過時及び2分経過時にヘア・ドライヤー(コイズミカーリングドライヤー JNT−0793)の熱風を蒸葉に当てて15秒間茶葉を浮遊させ攪拌し、初期乾燥時間を2.5分としたものを[試験区8]とした。比較対照は、従来の碾茶機で初期乾燥した場合を模擬した[試験区1]とした。
[第3及び第6の実施形態の碾茶炉の効果の確認]
第3及び第6の実施形態の碾茶炉10による効果を実証するために、熱風機能、赤外線照射機能、攪拌手機能、強制排気機能を組み合わせた実験を行った。温風式恒温機(クアナ技研社製)の排気口に換気扇(アピックスインターナショナル製 AFM−180)を取り付け、機内温度を150℃に設定加熱し、赤外線電気ストーブ(東芝製セラミックヒーター SF−812H 1200W)の電熱部の照射方向を下方に向けて恒温機内の最上段に設置し、その下方へ30cmの位置に設置された金網棚の上に蒸葉を均一に散布した。加熱開始から1分経過時に軽く茶葉を手で攪拌して赤外線が均一に照射されるようにして2.5分間赤外線を照射したものを[試験区9]とした。この[試験区9]に対して攪拌をしなかったものを[試験区10]とした。比較対照は、従来の碾茶機で初期乾燥した場合を模擬した[試験区1]とした。
[第1、第2、第4及び第5の実施形態の碾茶炉の効果の確認]
第1、第2、第4及び第5の実施形態の碾茶炉10による効果を実証するために、茶葉浮遊機能、熱風機能、赤外線照射機能、強制排気機能を組み合わせた実験を行った。温風式恒温機(クアナ技研社製)の排気口に換気扇(アピックスインターナショナル製 AFM−180)を取り付け、機内温度を150℃に設定加熱し、赤外線電気ストーブ(東芝製セラミックヒーター SF−812H 1200W)の電熱部の照射方向を下方に向けて恒温機内の最上段に設置し、その下方へ30cmの位置に設置した金網棚の上に蒸葉を均一に散布した。赤外線を照射し始めてから1分経過時にヘア・ドライヤー(コイズミカーリングドライヤー JNT−0793)の熱風を蒸葉に当てて15秒間茶葉を浮遊させて攪拌し、初期乾燥時間を2.5分としたものを[試験区11]とした。比較対照は、従来の碾茶機で初期乾燥した場合を模擬した[試験区1]とした。
[揉み茶荒茶の茶葉に対し攪拌手を有した碾茶炉の効果の確認]
粗揉、揉捻、中揉の少なくともいずれかを経て茶葉の含有水分量が60〜10%である茶葉を原料に第3の実施形態の碾茶炉10で乾燥する場合における効果を実証するために、蒸葉を焙炉上で手揉みし、乾燥を進め、乾燥重量が蒸葉の50〜60%になった時に、[試験区9]の設定と同様の熱風機能、赤外線照射機能、攪拌手機能、強制排気機能を組み合わせた揉み茶荒茶の乾燥機として碾茶炉を使用する場合の実験を行ったものを[試験区12]とした。
[揉み茶荒茶の茶葉に対し熱風で吹き上げる碾茶炉の効果の確認]
粗揉、揉捻、中揉の少なくともいずれかを経て茶葉の含有水分量が60%〜10%である茶葉を原料に第1または第2の実施形態の碾茶炉10の機能を実証するために、蒸葉を焙炉上で手揉みし、乾燥を進め、乾燥重量が50〜60%になった時に、[試験区11]の設定と同様の茶葉浮遊機能、熱風機能、赤外線照射機能、強制排気機能を組み合わせた緑茶の乾燥機として碾茶炉を使用する場合の実験を行ったものを[試験区13]とした。
[試験区12]及び[試験区13の対照試験について]
[試験区14]は、[試験区12]と比較することで赤外線照射機能の効果を確認するとともに、[試験区13]と比較することで茶葉浮遊機能の効果を確認するために作った揉み茶荒茶であり、蒸葉を焙炉上で手揉みをし、乾燥を進め、乾燥重量が蒸葉の50〜60%になった時に、150℃の熱風中に2.5分間茶葉を入れて初期乾燥を行った。その後、後期乾燥を100℃で20分したのち、100℃で60分の本乾燥を行った。[試験区15]は、[試験区12]から[試験区14]の対照試験として、通常の精揉まで焙炉上で手揉みし、100℃で60分の本乾燥をして作った揉み茶荒茶である。
[試験区1]〜[試験区11]までの碾茶荒茶及び[試験区12]〜[試験区15]の揉み茶荒茶は、各6号篩でカットした。各試験区の初期乾燥後の重量(g)及び重量(%)、後期乾燥後の重量(g)、本乾燥後の重量(g)をそれぞれ表2に示す。
Figure 0006042089
品質評価は、通常の茶の官能審査方法を採用し、熟練した3名の官能審査員による合議によって審査を行った。形状、色沢、香気、水色、滋味の5項目の対象区を各10点満点として点数を付け、摘要を付け加えた。このとき碾茶については形状が同一であるため評価を省いた。その結果を表3に示す。
Figure 0006042089
[試験区1]と[試験区4]について
現行の碾茶炉を再現した[試験区1]と100℃で60分の通風乾燥をした[試験区4]を比較すると、[試験区1]は、碾茶に特有な甘香ばしさを有しているが、[試験区4]は、生臭く碾茶品質には達していなかった。これにより[試験区1]の設定を碾茶炉同等と評価した。
[試験区2]と[試験区3]について
150℃の熱風中に茶葉を投入した[試験区2]は、比較対照の[試験区1]と比較して色沢が青く冴え、香りはこもった香りが無く爽快であったが、やや甘香ばしさには乏しかった。初期乾燥後の重量減は、56.5%に達し、[試験区1]の78.5%と比較して乾燥効率が改善されている。150℃の無風中に茶葉を投入した[試験区3]は、比較対照の[試験区1]と比較して蒸れ香があり水色も赤水であった。[試験区3]の初期乾燥後の重量は、82%であり、乾燥が進んでいないことから、[試験区2]の熱風の効果が実証された。
[試験区5]と[試験区6]について
茶葉に赤外線を照射した[試験区5]と赤外線照射中に攪拌した[試験区6]を比較する。[試験区5]は赤外線照射によって火香が入り、茎や葉脈基部で葉傷みが進み滋味を悪くした。[試験区6]は、赤外線照射中で茶葉を攪拌したことによって赤外線照射が茶葉の表面に均一に行われたため、良好な甘香が得られた。このように赤外線照射は、茶葉に甘香ばしさを付香し、茶葉の攪拌をすることで均一な赤外線照射が行われることが実証された。また、重量減少度は、[試験区5]で79.3%、[試験区6]で86.3%であった。赤外線照射だけでも乾燥効率を高めることが実証された。
[試験区7]と[試験区8]について
現行の碾茶炉に排気ファンを取り付けて強制排気した[試験区7]及び現行の碾茶炉に熱風を入れて茶葉を浮遊させた[試験区8]を、比較対照の[試験区1]と比較する。重量は、「試験区1」が78.5%であったのに対し、[試験区7]は75%と減少度が改善し、品質評価も滋味でやや爽快とされ、やや改善があった。これにより強制排気の乾燥効率の改善効果は、実証された。今回の実証試験では、茶葉が少量であるため、軽微な改善ではあったが、実機では大量に生産されるため、強制排気の効果は、大きいと考えられる。また、[試験区8]では、重量減少度が73.8%に改善し、品質は、色沢が青みを帯び、甘香味と爽快さが強調され、格段に評価点を挙げている。これにより、茶葉を熱風中に浮遊させることは、品質、乾燥効率ともに、著しく改善できることが実証された。
[試験区9]、[試験区10]及び[試験区11]について
150℃の温風と強制排気と赤外線照射及び茶葉攪拌を行った[試験区9]と、これに対して茶葉攪拌を行わなかった[試験区10]、及び茶葉攪拌の代わりに、熱風を茶葉に当てて浮遊させた[試験区11]を比較対照の[試験区1]と比べる。重量の減少度は、それぞれ[試験区9]が50%、[試験区10]が47.5%、[試験区11]が41.8%であった。熱風、強制排気、赤外線照射、茶葉攪拌または浮遊、の4つの機能を組み合わせることによって、[試験区1]が78.5%であったことから大きく改善され、乾燥効率が高まることが実証された。
品質の点では、茶葉を攪拌しながら赤外線照射を行う[試験区9]が、均一な赤外線照射を受けて甘香が強調された。これに対して攪拌をしない[試験区10]は、2.5分間、茶葉の固定表面に赤外線照射を受けるので、火入れが進み過ぎて強い火香に変化し、滋味も火入れ味に変わっていた。[試験区11]は、色沢が青く、香気、滋味ともに甘香ばしさが強調されながら爽快性があり、水色も青く優秀な品質であった。
これらの結果から、4つの機能を組み合わせることで品質を落とさずに乾燥効率を高めることができ、甘香ばしさを強調できることが実証された。
[試験区12,13,14]と[試験区15]について
粗揉葉を150℃の熱風と強制排気と赤外線照射及び茶葉攪拌を行う[試験区12]と、粗揉葉を150℃の熱風と強制排気と赤外線照射及び茶葉を熱風で浮遊させる[試験区13]と、粗揉葉を150℃の熱風と強制排気を行う[試験区14]と、これらの比較対照として精揉葉を100℃で60分間、通風乾燥して作った通常の煎茶である[試験区15]を比較評価する。[試験区12]では、苦渋味が少なく、甘香ばしさが強調された。[試験区13]では、苦渋味が少なく[試験区12]よりもさらに甘香ばしさがあった。[試験区14]では、苦渋味が少なく、僅かに甘香ばしさが強調されていた。[試験区12,13,14]は、ともに形状は大型で、色沢は青浅く、通常の煎茶に比べて評価を落としている。しかし、この発明の碾茶炉によって生産しようとする荒茶は、形状・色沢の評価を重要視するリーフ需要を対象としておらず、形状、色沢を重要視しないドリンクやティーバッグの原料茶を対象としているため、この2つの評価が悪化してもかまわない。
このように、[試験区12,13,14]は、精揉まで揉み上げていないので、苦渋味が少なく。また、熱風、赤外線照射、茶葉攪拌または茶葉浮遊を組み合わせることで、甘香ばしさを強調した荒茶を製造することを実証できた。
なお、本発明に係る碾茶炉は、茶葉を乾燥させるために使用されるものであるが、湿ったフレーク状の被乾燥物を連続的に加熱乾燥処理する乾燥機としても利用できる。被乾燥物どうしが多数重なりあった状態であっても、攪拌手段を有しているので、個々の被乾燥物が熱風に晒され易い。単にベルトコンベヤで搬送しながら熱風にさらして乾燥する乾燥機に比べて、乾燥処理が促進されるとともに、単位時間当たりの被乾燥物の処理量も増えるため、生産効率が向上し、生産コスト削減の一助となる。
なお、本明細書において、粗揉、揉捻、中揉など揉み工程を経ずに乾燥されて作られる荒茶を「碾茶荒茶」、揉み工程を経て乾燥されて作られる荒茶を「揉み茶荒茶」と称し、製造工程の違いを区別している。いずれの荒茶も本発明に係る第1から第6の実施形態の碾茶炉10によって乾燥されることで、甘香ばしい香味が付香された荒茶である点において共通しているので、碾茶荒茶及び揉み茶荒他の両方に共通する事項は、単に「荒茶」として区別していない。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
熱気で満たされた乾燥室と、
前記乾燥室内に少なくとも1段に配置されて網状のベルトで茶葉を搬送するベルトコンベヤと、
前記乾燥室内に前記ベルトコンベヤの下から上へ熱風を発生させる熱風発生装置と、
前記ベルトコンベヤのうち一番下の下段コンベヤの搬送方向に間隔を空けて配置されて通過する前記茶葉を前記下段コンベヤから浮き上がらせて攪拌する攪拌手段とを備えることを特徴とする碾茶炉。
[2]
前記熱風発生装置は、
バーナーで空気を加熱して熱風を作る燃焼式熱風発生火炉と、前記乾燥室内の前記下段コンベヤより低い位置に設置され前記熱風を分配する複数の熱風口及びそれぞれの流量を調整する熱風導入弁を有した熱風誘導管とを備えることを特徴とする[1]に記載された碾茶炉。
[3]
前記熱風発生装置は、前記乾燥室内の前記熱気を吸い込み前記ベルトコンベヤの下から上方へ噴き出すブロワを複数含み、
前記攪拌手段は、複数の前記ブロワで構成されることを特徴とする[1]に記載された碾茶炉。
[4]
前記攪拌手段は、前記熱風口、及び、前記乾燥室内の熱気を吸い込み上方へ噴き出すブロワ、の少なくとも一方であって、前記下段コンベヤの下から前記熱風を吹き上げて直上区間を通過する茶葉を前記下段コンベヤから浮遊させることを特徴とする[2]に記載された碾茶炉。
[5]
前記ブロワは、熱源を備える補助バーナーであることを特徴とする[3]または[4]に記載された碾茶炉。
[6]
前記攪拌手段は、前記下段コンベヤの上部に複数配置され、回転することによって前記茶葉を前記下段コンベヤ上から掬い上げる攪拌手であることを特徴とする[1]に記載された碾茶炉。
[7]
前記下段コンベヤの少なくとも上方に設置されて前記下段コンベヤに向けて赤外線又は遠赤外線を照射する補助ヒーターをさらに備えることを特徴とする[1]から[6]のいずれか1つに記載された碾茶炉。
[8]
前記乾燥室の天井部に設けられた排気口と、
この排気口に設置されて前記乾燥室の内部の空気を排出する排気ファンと、
前記排気口の開度を調整する排気弁と、
前記乾燥室の内部の温度及び湿度を検出して前記排気ファン及び前記排気弁の少なくとも一方を制御して排気流量を調整する排気制御部と、
前記乾燥室内の温度を計測し、前記熱風発生装置の出力を調整する温度調整機と、
前記乾燥室内の温度及び湿度の分布が設定された条件となるように前記温度調整機及び前記排気制御部を連携して制御するとともに、前記茶葉の搬送速度が設定された速度となるようにベルトコンベヤの駆動を制御する統合制御装置と、を備えることを特徴とする[1]に記載された碾茶炉。
[9]
前記ベルトコンベヤは、前記下段コンベヤと、前記乾燥室の天井の直下に配置される上段コンベヤと、前記上段コンベヤ及び前記下段コンベヤの間に配置される中段コンベヤと、を少なくとも含み、
前記乾燥室は、複数の通気口を有した仕切板で内部が上部と下部とに分割され、前記上段コンベヤ及び前記中段コンベヤを上部に配置し、前記熱風発生装置、前記下段コンベヤ及び攪拌手段を下部に配置することを特徴とする[1]から[8]のいずれか1つに記載された碾茶炉。
[10]
[1]から[9]のいずれか1つに記載の碾茶炉を用いる荒茶製造方法であって、
蒸熱した茶葉を前記下段コンベヤで前記乾燥室内を搬送し、
前記下段コンベヤで搬送途中の前記茶葉を前記攪拌手段で浮遊させ攪拌することを特徴とする荒茶製造方法。
[11]
前記下段コンベヤに載せられる前記茶葉は、粗揉、揉捻、中揉の少なくともいずれか1つを経た後で60%〜10%の水分を含んでいる製造途中の茶葉であることを特徴とする[10]に記載された荒茶製造方法。
[12]
[10]または[11]に記載された荒茶製造方法によって生産されることを特徴とする荒茶。
10…碾茶炉、11…燃焼式熱風発生火炉、111…バーナー、12…熱風誘導管、121…熱風口、122…熱風導入弁、13…乾燥室、13U…上部、13L…下部、131…天井部、132…排気口、133…排気ファン、134…排気弁、135…排気制御部、136…仕切板、136a…通気口、14…ベルトコンベヤ、14T…上段コンベヤ、14M…中段コンベヤ、14B…下段コンベヤ、141…ベルト、15…攪拌手段、152…ブロワ、153…攪拌手、161…上側補助ヒーター、162…下側補助ヒーター、17…飛散防止コンベヤ、18…温度調整機、T…茶葉。

Claims (7)

  1. 熱気で満たされた乾燥室と、
    前記乾燥室内に配置され、熱風を吹き付ける複数の第1の区間および熱風を吹き付けない複数の第2の区間を交互に通過させて茶葉を搬送する孔の開いたコンベヤと、
    記コンベヤの下に配置され、前記コンベヤによって前記各第1の区間を通して搬送されている前記茶葉に前記孔を介して下から熱風を吹き付けて、前記茶葉を前記コンベヤから一旦浮き上がらせて前記コンベヤに落とすことで複数回攪拌する複数の攪拌手段と、
    前記コンベヤの搬送方向に沿って前記各拌手段の下流側で前記コンベヤに落とされて前記各第2の区間を通して搬送されている前記茶葉に赤外線又は遠赤外線を照射する複数の補助ヒーターと、
    を備えることを特徴とする碾茶炉。
  2. 前記コンベヤの上部に複数配置され、回転することによって前記茶葉を前記コンベヤ上から掬い上げる攪拌手をさらに有することを特徴とする請求項1に記載された碾茶炉。
  3. 前記複数の拌手段によって前記コンベヤから浮き上がった茶葉を前記搬送方向に搬送する複数の輸送板をさらに有することを特徴とする請求項1に記載された碾茶炉。
  4. 前記乾燥室の天井部に設けられた排気口と、
    この排気口に設置されて前記乾燥室の内部の空気を排出する排気ファンと、
    前記排気口の開度を調整する排気弁と、
    前記乾燥室の内部の温度及び湿度を検出して前記排気ファン及び前記排気弁の少なくとも一方を制御して排気流量を調整する排気制御部と
    備えることを特徴とする請求項1に記載された碾茶炉。
  5. 熱気で満たされた乾燥室と、前記乾燥室内に配置され、熱風を吹き付ける複数の第1の区間および熱風を吹き付けない複数の第2の区間を交互に通過させて茶葉を搬送する孔の開いたコンベヤと、前記コンベヤの下に配置され、前記コンベヤによって前記各第1の区間を通して搬送されている前記茶葉に前記孔を介して下から熱風を吹き付けて攪拌する複数の攪拌手段と、前記コンベヤの搬送方向に沿って前記各拌手段の下流側で前記各第2の区間を通して搬送されている前記茶葉を加熱する複数の補助ヒーターと、を備える碾茶炉を用いる荒茶製造方法であって、
    蒸熱した茶葉を前記コンベヤで前記複数の第1の区間および前記複数の第2の区間を交互に通過させて前記乾燥室内を搬送する搬送工程と、
    前記コンベヤで前記各第1の区間を通して搬送されている前記茶葉を前記複数の攪拌手段の熱風により前記コンベヤから一旦浮き上がらせて前記コンベヤに落とすことで複数回攪拌する拌工程と、
    前記各拌手段で拌して前記コンベに落とされて前記各第2の区間を通して搬送されている前記茶葉に前記補助ヒーターを介して赤外線又は遠赤外線を照射する照射工程と、
    を有することを特徴とする荒茶製造方法。
  6. 前記コンベヤに載せられる前記茶葉は、粗揉、揉捻、中揉の少なくともいずれか1つを経た後で0%〜0%の水分を含んでいる製造途中の茶葉であることを特徴とする請求項に記載された荒茶製造方法。
  7. 前記複数の拌手段によって前記コンベヤから浮き上がった状態の茶葉を前記搬送方向に搬送する第2の搬送工程をさらに有することを特徴とする請求項に記載された荒茶製造方法。
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