JP6034659B2 - ラミネートチューブ用積層体 - Google Patents
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Description
また、金属又は無機化合物を蒸着したバリア層を有する積層体を紙と張り合わせて形成する液体用紙容器において、紙容器を形成する際に蒸着層で発生するクラックを防止するため、蒸着層に延伸プラスチックフィルムを積層する技術が知られている(特許文献2)。
特許文献2:特開2010−89821号公報
本発明者らが、ラミネートチューブ用積層体に生ずる黒い筋状の線について調べたところ、金属蒸着樹脂層の金属蒸着面に生じたクラックが原因であることが判明した。
特許文献1には、白色系顔料を含むポリオレフィン樹脂層を厚くすることにより、変形に対する優れた復元性を発揮することが記載されている。そこで、本発明者らは、酸化チタンや酸化亜鉛等の白色系顔料を含むポリオレフィン樹脂層の厚みを大きくしてみたが、クラックを解消することはできなかった。
また、特許文献2を考慮して、金属蒸着樹脂層の蒸着面に延伸プラスチックを積層したところ、紙層を含まないラミネートチューブ用積層体においては、黒い筋状の線の発生を抑えることはできなかった。
上記構成において、好ましくは、表層樹脂層の厚みが80μm以上200μm以下、かつ隠蔽層の厚みが60μm以上120μm以下、かつ、最内層樹脂層の厚みが80μm以上170μm以下である。
本発明のラミネートチューブ用積層体は、図1に示すように、表層樹脂層1と最内層樹脂層5との間に、金属蒸着樹脂層2と、金属蒸着樹脂層2の内側に配置された隠蔽層3と、隠蔽層3の内側に配置された無機化合物蒸着樹脂層4とを含み、表層樹脂層1の厚みH1は、隠蔽層3の厚みH2以上、かつ最内層樹脂層5の厚みH3以上であることを特徴とする。
なお、本明細書において、内側とは、各層の位置関係を示すものであり、最内層樹脂層5側の位置を意味する。
表層樹脂層1、最内層樹脂層5及び隠蔽層3に用いられるポリオレフィン樹脂は、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を用いることができる。
蒸着基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン、ポリビニルアルコール(PVA)等を延伸してフィルム化したものが好ましい。
金属化合物としては、アルミニウム、錫、インジュウム、ニッケル、チタン、クロム等の金属や金属酸化物を用いることができる。
金属蒸着樹脂層2はガスバリア性や水蒸気バリア性を備えており、金属蒸着樹脂層2の厚みは、12μm以上25μm以下が好ましい。
なお、金属蒸着樹脂層2に設けられた金属蒸着薄膜21は、表層樹脂層1とは接しない面、すなわち、隠蔽層3側に配置するのが好ましい。表層樹脂層1に接しない面に設けることで、金属蒸着樹脂層2の厚み分が表層樹脂層1に加わることになり、折り曲げに対する剛性が増すので、黒い筋状の線の発生が抑えられること(詳しくは、後述する)及び金属蒸着樹脂層2上に、表層樹脂層1を押し出して積層する場合、金属蒸着膜21が熱により劣化することを防止するためである。
隠蔽層3の機能は、金属蒸着樹脂層2の金属光沢性を与えること及びラミネートチューブ用積層体の変形に対する復元性を効果的に発揮させることである。特許文献2には、ラミネートチューブ用積層体において、隠蔽層3の層厚を最も厚くすることが望ましいことが開示されているが、後述するように、この層の層厚だけを厚くしても、黒い筋状の線の発生を抑えることはできない。
隠蔽層3は、延伸したフィルムであってもよく、無延伸の樹脂層であってもよいが、延伸してフィルム化したものが好ましい。延伸したフィルムを用いる場合、隠蔽層3の厚みを調節するために、同種又は異種の樹脂からなる厚み調節層(図示省略)を積層した複層構造としてもよい。厚み調節層は、延伸したフィルムは又は無延伸の樹脂層であってもよい。厚み調節層には、白色系顔料を含ませる必要はなく、例えば、金属蒸着樹脂層2と接する側の層のみを白色系顔料を含むフィルムとし、ポリオレフィン樹脂の無延伸樹脂を積層してもよい。
隠蔽層3の厚みは、ラミネートチューブ用積層体の総厚みを大きくすることなく、金属光沢付与、変形に対する復元性を考慮して、40μm以上250μm以下とするのが好ましく、より好ましくは、60μm以上120μm以下とする。
無機化合物蒸着樹脂層4の厚みは、12μm以上25μm以下が好ましい。
無機化合物蒸着薄膜41は無機化合物蒸着樹脂層4のうち、最内層樹脂層5とは接しない面、すなわち、隠蔽層3側に配置するのが好ましい。無機化合物蒸着樹脂層4に最内層樹脂層5を押出して積層する場合、無機化合物蒸着薄膜41が熱により劣化することを防止するためである。
表層樹脂層の層厚が隠蔽層の層厚と比較して同等厚み以上であることにより、表層樹脂層側に曲げる際に抵抗がかかり、ラミネートチューブ用積層体が曲がりにくくなるため、クラックが低減していると考えられる。
表層樹脂層の層厚が最内層樹脂層の層厚と比較して同等厚み以上であることにより、表層樹脂層に曲げる際に抵抗がかかり、ラミネートチューブ用積層体が曲がりにくくなるため、クラックが低減していると考えられる。
なお、ラミネートチューブ用積層体の総厚みは、機械適性と実用性を勘案すると、200μm以上450μm以下が好ましい。
表層樹脂層の厚みを30μm〜200μm、隠蔽層の厚みを60μm〜120μm、最内層樹脂層の厚みを80μm〜170μmに調整したラミネートチューブ用積層体を作製して、積層体を揉んだときの黒い筋状の線が発生するか否かを調べた。
表層樹脂層及び最内層樹脂層として、上記厚みを有するLLDPEフィルムを用いた。隠蔽層は、乳白LDPEフィルム(酸化チタン着色、厚さ60μm又は80μm)を用い、さらに厚みを補充するため、LDPE樹脂を積層した。金属蒸着層には、東レフィルム加工のVM−PET(アルミ蒸着PET、厚み12μm)、無機化合物蒸着樹脂層として、三菱樹脂のテックバリア(シリカ蒸着PET、厚み12μm)を使用した。
表層樹脂層と金属樹脂層とを接着剤を介して積層し(積層体a)、さらに隠蔽層と無機化合物蒸着樹脂層とを接着剤を介して積層し(積層体b)、積層体aと積層体bと最内層とをそれぞれアンカー剤を介して積層した。
接着剤には三井化学のA310:A−3:酢酸エチル=10:1:9.54の比率のものを用いた。各層を接着した後40℃、72hの雰囲気下でエージングしサンプルを作製した。アンカー剤は東洋モートンのTM−569とCAT−R37を使用した。なお、ラミネートチューブ用積層体の厚みは、実用化に適した200μm〜450μmとした。
カッターでLLDPE層に切れ目を入れ、酢酸エチルを浸み込ませながら、表層樹脂層を剥がし、マイクロスコープにてアルミ蒸着PETの上から折り曲げた部分を観察した。結果を表1に示す。
隠蔽層を厚くしても、表層樹脂層が隠蔽層より薄い場合には、クラックが発生していることから、隠蔽層を厚くしてもクラック発生を抑制できないことがわかる。
また、最内樹脂層が表層樹脂層より厚い場合には、クラックが発生しており、最内樹脂層の厚みを厚くしてもクラックの発生を抑制することはできない。
すなわち、クラックの発生は、表層樹脂層の厚みが要因であり、表層樹脂層の厚みが、隠蔽層の厚み以上で、かつ最内層樹脂層の厚み以上である場合に、クラックが発生していないことが分かる。
なお、隠蔽層を厚くすることにより、表層樹脂層及び最内樹脂層が厚くなり、結果として、ラミネートチューブ用積層体の層厚みが実用範囲外になるため、表層樹脂層≧最内層樹脂層≧隠蔽層の関係を満たすように各層の厚みを設定することが好ましいことがわかる。
また、結果の一例として、図2及び図3にマイクロスコープ像を示す。図2は、表層樹脂層の厚みを110μm、最内層樹脂層の厚みを110μmとし、隠蔽層の厚みを60μmとした際の本発明の実施例1に従う実験結果を示し、図3は、表層樹脂層の厚みを60μm、最内層樹脂層の厚みを110μm、隠蔽層の厚みを60μmとした比較例を示す。図2では黒い筋は発生していないのに対し、図3ではアルミ蒸着PET上にクラックが黒い筋として観察されていることがわかる。
2: 金属蒸着樹脂層
21: 金属蒸着薄膜
3: 隠蔽層
4: 無機化合物蒸着樹脂層
41: 無機化合物蒸着薄膜
5: 最内層樹脂層
H1: 表層樹脂層の厚み
H2: 隠蔽層の厚み
H3: 最内層樹脂層の厚み
Claims (2)
- 複数の樹脂層を有する積層体であって、表層樹脂層と最内層樹脂層との間に、金属蒸着樹脂層と、該金属蒸着樹脂層の内側に配置された隠蔽層と、該隠蔽層の内側に配置された無機化合物蒸着樹脂層とを含み、
上記表層樹脂層の厚みは、上記隠蔽層の厚み以上、かつ上記最内層樹脂層の厚み以上であることを特徴とする、ラミネートチューブ用積層体。 - 前記表層樹脂層の厚みが80μm以上200μm以下、かつ前記隠蔽層の厚みが60μm以上120μm以下、かつ、前記最内層樹脂層の厚みが80μm以上170μm以下である、請求項1に記載のラミネートチューブ用積層体。
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