JP6031255B2 - ミシン - Google Patents
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Description
図21は、下糸を上下方向に挟んで切断する糸切りメスの概略構成を示す斜視図であり、図22は糸切りメス単体の斜視図である。この糸切りメス100には、一対の動メス101,102が開閉自在に設けられていて、この動メス101,102の間に下糸を案内するためのガイド部材103が動メス101,102の上方に延在している。
本発明の課題は、一対の動メスと一体的なガイド部材を用いなくとも下糸を確実に切断することのできるミシンを提供することである。
布が載置される布送り台と、
ミシン上軸に連動して上下動し、前記布送り台に支持された布を縫製するミシン針と、
前記布送り台の下方に配置された糸を切断する糸切り装置とを備え、
前記糸切り装置は、
前記糸を切断するための下メスと、
前記下メスと協働して開閉することにより前記糸を切断する上メスとを備え、
前記布送り台は、
前記糸と前記布とを離間させるために上部に突出した段差部と、
前記上メスの動作経路となる溝とを備え、
前記溝の少なくとも一部は、前記段差部により構成されていることを特徴としている。
前記糸切り装置は、
前記上メス及び前記下メスを開閉するためのリンク機構と、
前記上メス、前記下メス及び前記リンク機構を支持する支持台とを備え、
ミシン機枠に対して、前記支持台を前後方向に沿って調整自在に支持することを特徴としている。
前記リンク機構は、
一端部が前記上メスの基端部に回転自在に連結され、他端部が前記支持台に設けられた壁部に回転自在に支持された基端部用リンク部材と、
前記基端部用リンク部材と平行になるように、一端部が前記上メスの中央部に回転自在に連結され、他端部が前記壁部に回転自在に支持された中央部用リンク部材と、を備え、
前記基端部用リンク部材、前記中央部用リンク部材、前記上メス及び前記壁部によって形成されたパンタグラフ機構によって、前記上メスが前記下メスとの間を開閉するように動くことを特徴としている。
前記リンク機構は、
前記壁部に回転自在に支持され、一端部に長孔が形成された長孔リンク部材と、
前記長孔リンク部材の前記長孔内を摺動する摺動部材と、
一端部が前記摺動部材に取り付けられ、他端部が中央部用リンク部材に回転自在に連結された下メス用リンク部材とを備え、
前記上メス、下メス用リンク部材、長孔リンク部材及び前記摺動部材によって形成されたトグル機構によって、前記パンタグラフ機構を駆動させることを特徴とするミシン。
前記下メス及び前記上メスの位置調整をするためのメス位置調整機構が、前記下メス用リンク部材及び前記基端部用リンク部材に対して設けられていることを特徴としている。
前記リンク機構の駆動源となるアクチュエータをさらに備え、
前記リンク機構は、
前記アクチュエータに追従し、当該アクチュエータの動力を前記長孔リンク部材に伝達するための伝達用リンク部材を備え、
前記支持台には、前記伝達用リンク部材の可動範囲を調整するストッパ部材が、位置調整自在に取り付けられていることを特徴としている。
前記支持台に固定され、前記アクチュエータを支持するブロック部材を有し、
前記支持台は、前記リンク機構を支持するための壁部と、前記壁部の下端部から水平に延在する底部とを備え、
前記底部又は前記ブロック部材には、前記糸の延在方向に沿う長孔が形成されており、前記長孔に対してガイド部材を挿通し、前記糸切り装置をスライドさせることで、前記糸の延在方向に沿って前記糸の切断位置を調整自在であることを特徴としている。
まず、構成を説明する。
図1,図2に示す第一実施形態に係るミシン10は、布Hにかがり縫目を施すととともにボタン穴Bを形成する自動制御のボタン穴かがり縫いミシンである。
上記アーム部13の前方頭部13aには、下端部にミシン針14を備えた針棒15が設けられている。この針棒15は、上記アーム部13に配設した図示しないミシン上軸及び該上軸により駆動される針棒上下駆動機構により上下動可能に設けられているとともに、図示しない針振り機構により左右方向(図2のX方向)に針振り運動可能に設けられている。すなわち、ミシン針14はミシン上軸に連動して上下動し、布送り台16に支持された布Hを縫製する。
また、針棒15およびルーパは、旋回パルスモータとタイミングベルトとを有する回動機構71に接続され、同期して垂直な軸回りを中心に回転し、これにより、ボタン穴の滴状の鳩目穴の周縁部に放射状の縫い目を形成する。
布送り台16は、全体として薄い矩形上の箱体をなし、ベッド部11内に設けられたX軸パルスモータおよびY軸パルスモータなどにより、左右方向(X方向)および前後方向(Y方向)に移動可能となっている。
この布送り台16は、所定の原点位置に位置決めされている状態で、その上面に載置された布Hにおけるボタン穴Bの形成予定位置の上下に布切りメス41とメス受け42とが臨むよう設定されている。縫製の後には、この位置でボタン穴Bが形成される。
また、布切りメス41の上方には、メス受け42が設けられている。メス受け42は、不図示のシリンダーやモーター等の駆動機器により上下動する。メス受け42は、布切り位置に布Hが到達した状態、つまりメス受け42と布切りメス41との間に布Hが配置された状態で、布切りメス41に向かって下降する。この下降によって、メス受け42と布切りメス41との間にセットされた布Hが押し切られ、ボタン穴Bがあけられる。なお、図2では、ミシン10において、縫製終了時の布送り台16の位置と、ベッド部11に固定された布切りメス41との関係を示している。
すなわち、布送り台16は、下糸(糸とも称する)と布Hとを離間させるために、上部に突出した段差部161と、X方向に沿って段差部161に形成されるとともに上メス52の動作経路となる溝163とを有している。
この下糸切り装置50を、布送り台16の下方に配置された糸を切断する糸切り装置と称する。
図4は下糸切り装置50を正面側から見た斜視図、図5は下糸切り装置50を背面側から見た斜視図、図6は下糸切り装置50の背面図である。
図4〜図6に示すように、下糸切り装置50には、糸を切断するための下メス51と、下メス51に回転自在に支持され、ほぼ上下方向に沿って開閉するとともに、下メス51と協働して糸を切断する上メス52と、駆動源となるアクチュエータとしてのエアシリンダ53と、エアシリンダ53の伸縮動作を下メス51及び上メス52に伝導し、これら下メス51及び上メス52を開閉するリンク機構54と、これらを支持する支持台55とを備えている。
すなわち、支持台55は、ミシン機枠に対して、前後方向(Y方向)に沿って調整自在に支持されている。また、支持台55は、リンク機構54を支持するための第一壁部551と、第一壁部551の下端部から水平に延在する底部553とを備えている。底部553には、前後方向に沿う複数の長孔554が形成されており、長孔554に対してガイド部材555を挿通し、糸切り装置50をベッド部11に対してスライドさせることで、前後方向に沿って糸の切断位置を調整自在である。
エアシリンダ53のロッド531が昇降すると、それに連動して第一リンク部材541が昇降し、糸切りレバー542が角部543を中心に回転するようになっている。
この摺動部材549が、糸切りレバー542の回転運動を第四リンク部材548に伝達するので、第四リンク部材548が糸切りレバー542の回転運動に追従して第三リンク部材546を揺動させる。第三リンク部材546の動作は上メス52を介して第二リンク部材545にも伝達されるので、第三リンク部材546とともに上メス52及び第二リンク部材545も揺動する。また、第四リンク部材548は下メス51も動作させるので、上メス52と下メス51とが開閉動作することになる。
すなわち、リンク機構54は、一端部が上メス52の基端部に回転自在に連結され、他端部が壁部551に回転自在に支持された基端部用リンク部材545と、基端部用リンク部材545と平行になるように、一端部が上メス52の中央部に回転自在に連結され、他端部が壁部に回転自在に支持された中央部用リンク部材546と、を備え、基端部用リンク部材545、中央部用リンク部材546、上メス52及び壁部551によって形成されたパンタグラフ機構によって、上メス52及び下メス51が開閉する。
また、リンク機構54は、一端部が壁部551に回転自在に支持され、他端部に長孔544が形成された長孔リンク部材542と、一端部が長孔リンク部材542の前記長孔544を介して下メス51に回転自在に連結されて、他端部が中央部用リンク部材546に回転自在に連結された下メス用リンク部材548とを備え、上メス52、下メス用リンク部材548及び長孔リンク部材542によって形成されたトグル機構によって、パンタグラフ機構も連動する。
図4〜図6は、下メス51及び上メス52が閉状態である場合を示している。この状態ではエアシリンダ53のロッド531が伸びている。ロッド531が縮むと、第一リンク部材541も下降して糸切りレバー542を矢印Y1方向に回転させる。この回転運動は摺動部材549を介して第四リンク部材548に伝わり、第四リンク部材548も矢印Y1方向へ移動する。これにより、第二リンク部材545、第三リンク部材546、下メス51及び上メス52も矢印Y1方向へ移動する。このとき、摺動部材549が長孔544内でスライドするため、下メス51と上メス52との位置関係が変化して、図8及び図9に示すように開状態となる。
なお、段差部161は、前後方向に沿って複数の固定穴が設けられている。段差部161は、不図示の取り付けねじにより、布送り板を介して布送り台16に固定されている。そして、固定穴を選択して、段差部161を前後方向Yに沿って取り付け位置を変更できる。変更された段差部161の溝163に上メス52が挿入できるように、下糸切り装置50の位置を調整してもよい。
また、布送り台16の溝163内には、開状態の上メス52が収容されているため、その上メス52の刃先が下糸T2と布Hとの隙間を通過可能な位置に配置されている。そして、下糸切り装置50が閉状態に移行する際には、図13に示すように上メス52が溝163によって案内されながら徐々に下メス51との距離を縮めていき、最終的に上メス52と下メス51とが閉状態となることで下糸T2が切断される。
また、上メス52及び下メス51はパンタグラフ機構によって開閉するので、簡易な構成で上メス52及び下メス51を開閉することができる。
さらに、パンタグラフ機構がトグル機構を備えているので、切断にかける外力が小さくとも確実に糸を切断することができる。
例えば、上記第一実施形態によれば、下糸切り装置50の駆動源がエアシリンダ53である場合を例示して説明したが、例えばモータやソレノイド等のその他のアクチュエータを駆動源にすることも可能である。
以下、第二実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において上記実施形態と同一部分や同一機能の部品については同一の数字を用いてその説明をできる限り省略した。また、第一実施形態と区別するため、第二実施形態の部品の数字の末尾にaを加えた。
また、右側の段差部161aの内側端部は、全体として湾曲した凹形状になっているのに対し、左側の段差部161bの内側端部は、手前側の端部のみが湾曲し、それ以外の部分は直線状となる凹形状に形成されている。これにより、上メス52の動作経路の延長線上の領域を空間とすることができ、左側の段差部161bと上メス52との干渉を防止している。
図16は糸切り装置50Aの分解斜視図、図17は下糸切り装置50Aを正面側から見た斜視図、図18は下糸切り装置50Aを背面側から見た斜視図、図19は下糸切り装置50Aの背面図である。
図16〜図19に示すように、下糸切り装置50Aには、糸を切断するための下メス51aと、下メス51aに回転自在に支持され、ほぼ上下方向に沿って開閉するとともに、下メス51aと協働して糸を切断する上メス52aと、駆動源となるアクチュエータとしてのエアシリンダ53aと、エアシリンダ53aの伸縮動作を下メス51a及び上メス52aに伝導し、これら下メス51a及び上メス52aを開閉するリンク機構54aと、これらを支持する支持台55aとを備えている。
支持台55aは、リンク機構54aを支持するための壁部551aと、壁部551aの下端部から水平に延在する底部553aとを備えている。
底部553aには、エアシリンダ53aを底部553aに固定するためのブロック部材556aが取付けられている。
ブロック部材556aは、貫通孔557aに挿通された補助ネジ558aによって支持台55aの底部553aに固定される。ブロック部材556aのエアシリンダ53aに対向する面には、エアシリンダ53aを固定するためのネジ穴(図示省略)が形成されている。
ブロック部材556aには、Y方向(前後方向)に長孔556abが形成されている。また、支持台55aの底部553aには、Y方向(糸が延在する方向、又は前後方向)に沿った長孔554aが形成されている。
そして、支持台55aは長孔554a、556abにより、Y方向に沿って位置調整され、固定ネジ55aにより、所定位置でミシン機枠に固定する。
なお、長孔554aはブロック部材556aに、556abは支持台55aにそれぞれ形成したが、ブロック部材556aまたは支持台55aに複数の長孔を設けて支持台55aを位置調整することも容易に考えられる。
また、エアシリンダ53aには、ブロック部材556aのネジ穴に対向するように貫通孔533aが形成されている。この貫通孔533aを介してブロック部材556aのネジ穴(図示省略)に固定ネジ534aを螺合することで、ブロック部材556aにエアシリンダ53aが固定される。
第一リンク部材(伝達用リンク部材)541aは、係合片532aを介してエアシリンダ53aの伸縮動作に追従し、当該エアシリンダ53aの動力を糸切りレバー542aに伝達するものである。この第一リンク部材541aの他端部には、突起541bが形成されている。
糸切りレバー(長孔リンク部材)542aは、くの字形状で、その中央部に突起部543aが形成されている。突起部543aの貫通孔には支持軸570が挿通される。支持軸570の一端側は、壁部551aに固定保持される。このため、糸切りレバー(長孔リンク部材)542aは、支持軸570を介して、壁部551aに回転自在に支持されている。くの字状の糸切りレバー(長孔リンク部材)542aは、一端部542aaに長孔544aが形成され、他端部542abが第一リンク部材(伝達用リンク部材)541aに回転自在に連結されている。
エアシリンダ53aのロッド531aが昇降すると、それに連動して第一リンク部材541aが昇降し、糸切りレバー542aが支持軸570を中心に回転するようになっている。
これら第二リンク部材(基端部用リンク部材)545aと第三リンク部材(中央部用リンク部材)546aは、壁部551aの外側(図16では壁部551aを基準に左側)で、互いに平行になるように配置されている。
第二リンク部材(基端部用リンク部材)545aは板状の部材である。第二リンク部材545aの一端部545aaは、段ネジ(支持軸)571を介して、上メス52aの基端部に回転自在に連結されている。また、第二リンク部材545aの他端部545abは、回転軸545cを介して、壁部551aに回転自在に支持されている。
また、壁部551aの第二リンク部材545aの他端部が支持される部分には、上下方向に沿って延在する長孔551bが形成されている。この長孔551bに沿って第二リンク部材545aの他端部の回転軸545cを上下方向に移動させることで、上メス52aの位置を調整できるようになっている。
第三リンク部材(中央部用リンク部材)546aは、三角形状で、一端部には軸体546bが固定され、他端部547abには支持穴が、中央部547acには連結穴が形成されている。
第三リンク部材546aの一端部の軸体546bに対して上メス52aの中央部がスラストカラー60aを介して回転自在に連結されている。
軸体546bが第三リンク部材546aに一体化されているので強度を向上させることができ、またスラストカラー60aによって上メス52aのガタツキを防止している。
一方、第三リンク部材546aの他端部547abは段ネジ572により、壁部551aに回転自在に支持されている。
第三リンク部材546aの中央部547acは、外側に向けて突出した凸部である。この中央部547acには、第三リンク部材546aと下メス51aとを連結する第四リンク部材(下メス用リンク部材)548aが段ネジ61aを介して回動自在に連結されている。下メス51aは、段ネジ61aによって、第三リンク部材546aと、第四リンク部材548aに挟持されて連結されている。このため、下メス51aのガタツキが防止される。
段ネジ61aはその軸62aがネジ頭63aに対して偏心している。また段ネジ61aの軸62aは下メス51の基端部を通過し、イモネジ64aによって第四リンク部材548aに固定されている。ここで、イモネジ64aによる固定を解除し、段ネジ61aのネジ頭63aを回転させれば軸62aがネジ頭63aの回転軸を中心に回転し、軸62aの位置が変動する。この変動によって下メス51aの基端部の位置も変動して、下メス51の先端部の開閉位置が調整されることになる。
また、角駒549aは、段ネジ549cと第四リンク部材548aの一端部とに挟持されるので、Y方向へのガタツキが防止されることになる。
また、角駒549aは、糸切りレバー542aの回転運動を第四リンク部材548aに伝達する。そして、第四リンク部材548aが糸切りレバー542aの回転運動に追従して第三リンク部材546aを揺動させる。第三リンク部材546aの揺動は上メス52aを介して第二リンク部材545aにも伝達され、上メス52a及び第二リンク部材545aも揺動する。また、第四リンク部材548aは下メス51aも動作させるので、下メス51aと上メス52aが開閉動作することになる。図20においては、下メス51aと上メス52aとが開状態である場合を示している。
また、基部81aには、上下方向に延在する一対の長孔84aが形成されていて、この長孔84aに固定ネジ85aを挿通し、壁部551aに螺合させることで基部81aが壁部551aに固定される。また、固定ネジ85aを介して長孔84aに沿って基部81aを昇降させることで、ストッパ部材80a全体の上下位置を調整できるようになっている。
規制部82aには、上下方向に延在するガイド穴83aが形成されていて、このガイド穴83aに第一リンク部材541aの突起541bが係合している。ストッパ部材80aの上下位置を調整することで、ガイド穴83aの上端位置も調整されるため、第一リンク部材541aの突起541bの上死点、つまり第一リンク部材541aの上側の可動範囲を変更することができる。
このように、第一リンク部材(伝達用リンク部材)541aの可動範囲を調整するストッパ部材80aが支持台55aに対して位置調整自在に取り付けられているので、ストッパ部材80aの位置を調整することにより第一リンク部材541aの可動範囲を調整することができる。
布が載置される布送り台16,16aと、
ミシン上軸に連動して上下動し、布送り台16,16aに支持された布Hを縫製するミシン針14と、
布送り台16,16aの下方に配置された糸(下糸T2)を切断する糸切り装置50,50aとを備え、
糸切り装置50,50aは、
糸を切断するための下メス51,51aと、
下メス51,51aと協働して開閉することにより前記糸を切断する上メス52,52aとを備え、
布送り台16,16aは、
糸T2と布Hとを離間させるために上部に突出した段差部161,161aと、
上メス52,52aの動作経路となる溝163,163aとを備え、
溝163,163aの少なくとも一部は、段差部161,161aにより構成されていることを特徴とする。
このように、布送り台16,16aに、糸と布Hとを離間させるために上部に突出した段差部161,161aが設けられており、この段差部161,161aが、上メス52,52aの動作経路となる溝163,163aの一部を形成しているので、段差部161,161aにより形成された糸と布Hの隙間に上メス52、52aを案内することができ、糸T2を確実に切断することができる。
上メス52,52a及び下メス51,51aを開閉するためのリンク機構54,54aと、
上メス52,52a、下メス51,51a及びリンク機構54,54aを支持する支持台55,55aとを備え、
ミシン機枠11に対して、支持台55,55aを前後方向(Y方向)に沿って調整自在に支持する。
このため、糸切り装置50,50aを、糸の延在する前後方向に沿ってスライドすることで、糸の切断位置を調整できる。
一端部が上メス52,52aの基端部に回転自在に連結され、他端部が壁部551,551aに回転自在に支持された基端部用リンク部材545,545aと、
基端部用リンク部材545,545aと平行になるように、一端部が上メス52,52aの中央部に回転自在に連結され、他端部が壁部551,551aに回転自在に支持された中央部用リンク部材546,546aと、を備え、
基端部用リンク部材545,545a、中央部用リンク部材546,546a、上メス52,52a及び壁部551,551aによって形成されたパンタグラフ機構によって、上メス52,52a及び下メス51,51aが開閉する構成とした。
このような構成により、簡易な構成で上メス52,52a及び下メス51,51aを開閉することができる。
前記壁部51,551aに回転自在に支持され、一端部に長孔544,544aが形成された長孔リンク部材542,542aと、
前記長孔リンク部材542,542aの長孔544,544a内を摺動する摺動部材549,549aと、
一端部が前記長孔リンク部材542,542aの前記長孔544,544aを介して前記下メス51,51aに回転自在に連結されて、他端部が中央部用リンク部材546,546aに回転自在に連結された下メス用リンク部材548、548aとを備え、
前記上メス52,52a、下メス用リンク部材548,548a、長孔リンク部材542,542a及び摺動部材549,549aによって形成されたトグル機構によって、パンタグラフ機構を駆動させる構成とした。
このような構成により、パンタグラフ機構がトグル機構によって駆動されるので、切断にかける外力が小さくとも確実に糸を切断することができる。
このような構成により、下メス51a及び上メス52aの位置調整を容易に行うことができる。
リンク機構は、アクチュエータ53,53aに追従し、当該アクチュエータ53,53aの動力を長孔リンク部材542a,542aに伝達するための伝達用リンク部材541,541aを備え、
支持台55aには、伝達用リンク部材541aの可動範囲を調整するストッパ部材80aが、位置調整自在に取り付けられる構成とした。
支持台55、55aは、リンク機構を支持するための壁部551,551aと、壁部551,551aの下端部から水平に延在する底部553,553aとを備え、
底部553,553a又はブロック部材556abには、糸の延在方向(Y方向)に沿う長孔554,554aが形成されており、長孔554,554aに対してガイド部材555aを挿通し、糸切り装置50,50aをスライドさせることで、糸の延在方向に沿って糸の切断位置を調整自在な構成とした。
11 ベッド部(ミシン機枠)
12 縦胴部
13 アーム部
13a 前方頭部
14 ミシン針
15 針棒
16,16a 布送り台
50,50a 下糸切り装置(糸切り装置)
51,51a 下メス
52,52a 上メス
53,53a エアシリンダ(アクチュエータ)
54 リンク機構
55 支持台
71 回動機構
161 段差部
162 孔部
163 溝
531 ロッド
532 係合片
541,541a 第一リンク部材(伝達用リンク部材)
542,542a 糸切りレバー(長孔リンク部材)
543 角部
544 長孔
545,545a 第二リンク部材(基端部用リンク部材)
546,546a 第三リンク部材(中央部用リンク部材)
547 凸部
548,548a 第四リンク部材(下メス用リンク部材)
549,549a 摺動部材
551,551a 第一壁部(壁部)
552 第二壁部
553,553a 底部
554,554a 長孔
555,555a 固定ネジ(ガイド部材)
B ボタン穴
H 布
T1 上糸
T2 下糸(糸)
Claims (7)
- 布が載置される布送り台と、
ミシン上軸に連動して上下動し、前記布送り台に支持された布を縫製するミシン針と、
前記布送り台の下方に配置された糸を切断する糸切り装置とを備え、
前記糸切り装置は、
前記糸を切断するための下メスと、
前記下メスと協働して開閉することにより前記糸を切断する上メスとを備え、
前記布送り台は、
前記糸と前記布とを離間させるために上部に突出した段差部と、
前記上メスの動作経路となる溝とを備え、
前記溝の少なくとも一部は、前記段差部により構成されていることを特徴とするミシン。 - 請求項1記載のミシンにおいて、
前記糸切り装置は、
前記上メス及び前記下メスを開閉するためのリンク機構と、
前記上メス、前記下メス及び前記リンク機構を支持する支持台とを備え、
ミシン機枠に対して、前記支持台を前後方向に沿って調整自在に支持することを特徴とするミシン。 - 請求項2記載のミシンにおいて、
前記リンク機構は、
一端部が前記上メスの基端部に回転自在に連結され、他端部が前記支持台に設けられた壁部に回転自在に支持された基端部用リンク部材と、
前記基端部用リンク部材と平行になるように、一端部が前記上メスの中央部に回転自在に連結され、他端部が前記壁部に回転自在に支持された中央部用リンク部材と、を備え、
前記基端部用リンク部材、前記中央部用リンク部材、前記上メス及び前記壁部によって形成されたパンタグラフ機構によって、前記上メスが前記下メスとの間を開閉するように動くことを特徴とするミシン。 - 請求項3記載のミシンにおいて、
前記リンク機構は、
前記壁部に回転自在に支持され、一端部に長孔が形成された長孔リンク部材と、
前記長孔リンク部材の前記長孔内を摺動する摺動部材と、
一端部が前記摺動部材に取り付けられ、他端部が中央部用リンク部材に回転自在に連結された下メス用リンク部材とを備え、
前記上メス、下メス用リンク部材、長孔リンク部材及び前記摺動部材によって形成されたトグル機構によって、前記パンタグラフ機構を駆動させることを特徴とするミシン。 - 請求項4記載のミシンにおいて、
前記下メス及び前記上メスの位置調整をするためのメス位置調整機構が、前記下メス用リンク部材及び前記基端部用リンク部材に対して設けられていることを特徴とするミシン。 - 請求項4又は5に記載のミシンにおいて、
前記リンク機構の駆動源となるアクチュエータをさらに備え、
前記リンク機構は、
前記アクチュエータに追従し、当該アクチュエータの動力を前記長孔リンク部材に伝達するための伝達用リンク部材を備え、
前記支持台には、前記伝達用リンク部材の可動範囲を調整するストッパ部材が、位置調整自在に取り付けられていることを特徴とするミシン。 - 請求項4〜6のいずれか一項に記載のミシンにおいて、
前記支持台に固定され、前記アクチュエータを支持するブロック部材を有し、
前記支持台は、前記リンク機構を支持するための壁部と、前記壁部の下端部から水平に延在する底部とを備え、
前記底部又は前記ブロック部材には、前記糸の延在方向に沿う長孔が形成されており、前記長孔に対してガイド部材を挿通し、前記糸切り装置をスライドさせることで、前記糸の延在方向に沿って前記糸の切断位置を調整自在であることを特徴とするミシン。
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