JP5995407B2 - 色ムラを改善した偏光光学物品 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光機能により水面や雪面やガラス表面などの反射光をカットし、眩しさを和らげる眼用光学物品に関し、さらに詳しくは、偏光サングラスや偏光矯正めがね、偏光ゴーグル、偏光シールドなどとして使用される、色ムラを改善した偏光光学物品に関する。
偏光光学物品の偏光性能の基本は偏光子にある。一般的な偏光子は、ヨウ素や2色性色素でドーピングした1軸延伸樹脂シートである(特許文献1)。
偏光子は、光波の振動方向に関し、吸収軸と透過軸とが定義される。通常、1軸延伸樹脂シートの延伸方向が吸収軸、吸収軸と直角の方向、つまり、延伸方向と直角の方向が透過軸となる。
太陽光や蛍光灯の光波は360度の全方位にわたり振動するが、この光波を偏光子にかけると、吸収軸方向の光波成分は偏光子に吸収され、透過軸方向の光波成分は透過する選択現象が起こる。その結果、偏光子を透過した光波は、透過軸方向の成分だけに揃えられることになる。偏光度が100%の偏光子は、吸収軸方向の光波成分の100%が吸収され、透過軸方向の光波成分の100%が透過することを意味する。
1軸延伸樹脂シートのほか、一方向に分子配向したコーティング膜の偏光子もあるが、偏光原理は同じであり、また、薄膜であることからくる物理的な脆弱性も共通する。以下は、偏光子の代表として1軸延伸樹脂シートを取りあげ、説明する。
偏光子として使われる1軸延伸樹脂シートは、数10μm程度の薄膜であり、非常に脆弱であるので、偏光子だけを偏光光学物品にすること、例えばサングラスにすることは難しい。そのため、偏光子の少なくとも片側は、他の樹脂層で被覆されたり、積層されたりして物理強度を補強することが行われる。この補強樹脂部分を、保護シートと呼んだり、バックアップ樹脂部分と呼んだりする。
バックアップ樹脂部分は、射出成形されたり(特許文献2)、キャスト成形されたりして作られるが(特許文献3)、バックアップ樹脂部分によって、色ムラが発生するという新たな問題が生じた。
説明を分かりやすくするため、以下、偏光レンズの場合を中心に記述する。
偏光レンズのバックアップ樹脂側に、別の偏光子を重ねてクロスニコル状態にして偏光レンズを観察すると、ほとんどの場合、赤や緑や青などに色分かれ現象が観察される。本発明では、この色分かれ現象を色ムラと称することにする。この色ムラは、複屈折による偏光色(polarization calour)と呼ばれるものである。
色ムラには、発生原因的にみて2種類の原因が考えられる。その1つは、バックアップ樹脂部分を射出成形したり、押出成形したりした時にできる局所的な分子配向に基づく色ムラである。これを、配向複屈折による色ムラという。
局所的な分子配向は、成形条件(成形温度、成形速度、金型温度など)や金型条件(ゲート位置、金型の形状など)などによって、成形体のさまざまな位置に、発生量や大きさ、向きをさまざまに変えて現れるもので、その結果として配向複屈折に局所的な差を生じ、それが配光複屈折による光学歪みと言われるもので、色ムラとして検出される。
配向複屈折による光学歪みと色ムラは、ポリカーボネートやPMMA、透明ナイロンのような熱可塑性樹脂を射出成形したり、押出成形したりすると、偏光レンズにも、偏光レンズでない普通のレンズにも現れる(特許文献4)。
ただ、その観察方法は、偏光レンズの場合と普通レンズの場合とでは異なる。すなわち、偏光レンズの場合は、バックアップ側に偏光子1枚を重ねてクロスニコル状態にするのに対し、普通のレンズの場合は、2枚の偏光子の間にレンズを挟み、クロスニコル状態にする。配向複屈折による光学歪みがあれば、色ムラとして検出できる。
配向複屈折による色ムラを少なくするには、成形条件的な工夫が必要である。いずれも成形によって起こる局所的な分子配向を緩和する方法であり、射出成形速度や押出成形速度を遅くしたり、金型の冷却速度を遅くしたり、圧縮射出成形したりすることになるので、生産性が大幅に低下することは避けられず、コストアップにつながる。
すでに存在する配向複屈折による色ムラを、アニーリング処理によって配向緩和し、少なくする技術はあるが、熱可塑性樹脂では、配向緩和と同時にレンズの熱変形が起こることがある。
バックアップ樹脂部分をキャスト成形する場合は、キャスト成形法の特徴として、成形中に分子配向が起こりにくい。従って、バックアップ樹脂部分に配向複屈折が生じにくく、配向複屈折による光学歪みと色ムラは生じにくい。
配向複屈折による色ムラに対し、もう1つ、別の種類の色ムラがある。光弾性複屈折による光学歪みから生じる色ムラ(以下、光弾性複屈折による色ムラ)と呼ばれるものである。
光弾性複屈折による色ムラは、バックアップ樹脂部分に初めから存在する光学歪み、あるいは色ムラではない。例えば、偏光レンズをフレームに枠入れしたときに、レンズを締め付けるフレームの圧力によって偏光レンズに微小の変形が生じるが、その微小変形にともなう後天的な光学歪み、あるいは色ムラである。光弾性複屈折による色ムラの観察方法は、配向複屈折による色ムラの観察方法と同じである。
配向複屈折による光学歪みは、樹脂分子主鎖の配向性(配向の程度や向きや歪み)が関与する光学歪みであるのに対し、光弾性複屈折による光学歪みは、樹脂分子側鎖の歪みが関与する光学歪みと言われ、フレームへの枠入れの場合を例にとれば、フレームの締め付け圧力を緩めてやれば、あるいは、レンズにかかる圧力を均等にしてやれば、減少あるいは解消することができる。
光弾性複屈折による光学歪みと色ムラは、バックアップ樹脂の種類や成形法に関係なく発生する。すなわち、バックアップ樹脂部分が、押出成形した樹脂体であっても、射出成形した樹脂体であっても、キャスト成形した樹脂体であっても、あらゆる樹脂で発生する。
では、こうした配向複屈折や光弾性複屈折による光学歪みが眼鏡着用者に有害なのだろうか?
非常に興味深いことに、米国では射出成形された、つまり、配向複屈折による光学歪みで充満したポリカーボネート製の矯正レンズが普及しており(恐らく、米国の全矯正レンズの50%以上のシェアー)、こうした配向複屈折による光学歪みが人間の目に有害であるなら、米国におけるポリカーボネート製の矯正レンズの普及は有り得なかった。
また、世界的にみて、プラスチック製の矯正レンズの大部分をキャスト成形レンズ(代表例はCR39レンズ)が占めるが、眼鏡枠に枠入れされたキャスト成形レンズをクロスニコル状態で観察すると、たいがいのレンズに光弾性光学歪みによる色ムラが見られる。
米国におけるポリカーボネート製の矯正レンズの普及や、キャスト成形した矯正レンズの世界的な普及から考えると、配向複屈折による光学歪みにしろ、光弾性複屈折による光学歪みにしろ、人間の目に、実質的に無害であると見なされる。
しかし、こうした複屈折による光学歪みが無害であっても、2枚の偏光子をクロスニコルすることによって、複屈折による光学歪みは色ムラとして容易に検出できる。
特許第2663440号 特開平8−52817号 特開2008−281791号 特開2002−187931号
例えば、ポリカーボネート製の偏光レンズに代表される射出成形法の偏光レンズは、配向複屈折による光学歪みと色ムラが見られる。
射出成形法で作られたポリカーボネート製の矯正レンズは、米国において、こうした光学歪みが存在した状態で使われている。また、配向複屈折による光学歪みのないキャスト成形法矯正レンズにおいても、一旦フレームに枠入れすると、光弾性複屈折による光学歪みが存在する状態でしばしば使われている。
配向複屈折や光弾性複屈折による光学歪みは、人間の目の健康に悪影響を与えるようには思えないが、観察しようと思えば、偏光子をクロスニコルにすることによって、色ムラとして観察できる。こうした色ムラは、カテゴリー的には、レンズ性能に属する問題ではない。
それにも拘わらず、一部のキャスト成形法の偏光レンズメーカーは、射出成形法の偏光レンズの色ムラを、あたかも重大な性能欠点であるかのごとく指摘することがある。
具体的には、営業用パンフレットや業界専門誌において、射出成形法で作った偏光レンズの配向複屈折による色ムラを、イメージの良くない形で強調する。
同じことがサングラスなど眼鏡の小売店でも起こる。店主に、クロスニコル状態のポリカーボネート製偏光レンズの色ムラを見せられた客は、色ムラのないキャスト成形法の偏光レンズに飛びつくかもしれない。その結果、客は、他に類例のないほど強靭で、飛びぬけて目の保護作用があるポリカーボネート製の偏光レンズを選ぶチャンスを失うという不利益をこうむることになる。
また、キャスト成形法の偏光レンズは、眼鏡枠に枠入れすると、光弾性複屈折による光学歪みと色ムラが発生する。
偏光レンズの配向複屈折による色ムラと光弾性複屈折による色ムラは、できたら見えにくくした方がよい。偏光光学物品の複屈折による色ムラ改善を鋭意検討した結果、本発明に至った。
上記課題を解決するために、次のような手段を発明するに至った。
まず、少なくとも直線偏光機能部分と位相差機能部分とバックアップ樹脂部分を持つ多層の偏光光学物品において、対物側から接眼側に向かって、直線偏光機能部分、位相差機能部分、およびバックアップ樹脂部分の順に配置したことを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品にすることにある。
さらには、直線偏光機能部分の吸収軸方向と位相差機能部分の遅相軸方向とが45°±20°以下の角度になるよう、直線偏光機能部分と位相差機能部分を配置したことを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品にすることにある。
さらには、直線偏光機能部分が直線偏光子であることを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品にすることにある。
さらには、直線偏光機能部分が、直線偏光子と直線偏光子保護機能部分からなる多層の偏光板であることを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品にすることにある。
さらには、偏光板の接眼側の保護機能部分が、位相差機能部分であることを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品にすることにある。
さらには、位相差機能部分が位相差シートであることを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品にすることにある。
さらには、位相差機能部分が、位相差シートと位相差シート保護機能部分からなる多層の位相差板であることを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品にすることにある。
さらには、位相差機能部分が、1000nm以上のリターデ−ションを有することを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品にすることにある。
さらには、直線偏光機能部分と位相差機能部分とが積層貼付体を形成し、積層貼付体の位相差機能側にバックアップ樹脂部分を接合配置したことを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品にすることにある。
さらには、対物側から接眼側に向かって、直線偏光機能部分と位相差機能部分と接合シートとが積層貼付体を形成し、積層貼付体の接合シート側にバックアップ樹脂部分を接合配置したことを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品にすることにある。
さらには、バックアップ樹脂部分が、インサート射出成形、あるいはインサートキャスト成形されていることを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品にすることにある。
さらには、バックアップ樹脂部分が、押出成形シートあるいはキャスト成形シートを曲げ加工して作ったレンズ状成形体、または、射出成形あるいはキャスト成形して作ったレンズ状成形体であることを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品にすることにある。
さらには、バックアップ樹脂部分が、積層貼付体の位相差機能側、または接合シート側に接着剤接合または熱接合することを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品にすることにある。
さらには、バックアップ樹脂部分が、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、およびポリウレタン樹脂のいずれかであることを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品にすることにある。
さらには、バックアップ樹脂部分がインサート射出成形されたポリカーボネート樹脂、またはポリカーボネート製のレンズ状成形体であり、位相差機能部分が8000nm以上のリタデ−ションを有することを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品にすることにある。
さらには、バックアップ樹脂部分が、インサートキャスト成形あるいはキャスト成形されたジエチレングリコールジアリルカーボネート樹脂(CR39)、チオウレタン樹脂、エピスルフィド樹脂、ポリウレタン樹脂、またはアクリル樹脂であることを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品にすることにある。
本発明の色ムラを改善した偏光光学物品は、直線偏光機能部分と位相差機能部分とバックアップ樹脂部分を基本的な構成要素にする。
直線偏光機能部分の説明
直線偏光機能部分の基本は直線偏光子である。直線偏光子は、通常、厚さ0.1mm以下の均一な樹脂シートである。ごく一般的には、ポリビニルアルコールやポリエチレンテレフタレートなど直鎖樹脂の1軸延伸シートである。
高い偏光度を得るために、ヨウ素または二色性染料でドープした樹脂シートを2〜5倍程度の高延伸倍率で1軸延伸する1軸延伸法の直線偏光子が一般的に用いられる。
ヨウ素を用いるヨウ素ドープ法は、染料を用いる染料ドープ法に比べ、高い偏光度が得られやすい特徴を持つ反面、昇華しやすいヨウ素を使用するため、耐熱性に劣る欠点がある。一方、染料ドープ法は、ヨウ素ドープ法より高い耐熱性を持つが、染料によって、あるいは色相によって偏光度が異なる問題がある。
なお、直線偏光子には、上述の1軸延伸法の直線偏光子に対し、コーティング法の直線偏光子も知られている。この方法は、液晶化合物や液晶樹脂を含む溶液をスピンコーティングして液晶部分を1方向に配向させたり、コーティング後に、偏光紫外線によって一方向に配向するようにラジカル重合させたりして作る直線偏光子である。
1軸延伸法の直線偏光子は、後述するように、キャスト成形法でバックアップ樹脂部分を形成する場合は、特に補強されることもなく、一枚のシートのまま使われることもある。
しかし、1軸延伸法の直線偏光子は、延伸方向にフィブリル化しやすいことや、温湿度変化に弱いことや、傷が付きやすいことなどから、直線偏光子と、それを保護する直線偏光子保護機能部分とを組み合わせることが、普通に行われている。
直線偏光子保護機能部分は、直線偏光子の片面あるいは両面に保護シートを積層して形成する。直線偏光子保護機能部分を備えた直線偏光子のことを、一般的には偏光板と呼び、その積層形態は、(保護シート−直線偏光子)であるか、(保護シート−直線偏光子−保護シート)のいずれかであることが一般的である。
保護シートは、押出成形法またはキャスト成形法で作られることが多い。
押出成形法の保護シートとしては、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン・メチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル・スチレン樹脂、ポリ−4−メチルペンテンー1樹脂、および可塑剤を加えたアシルセルロース樹脂のような透明熱可塑性樹脂のシートがあり、一軸延伸、あるいは二軸延伸されることがある。
特に好ましい透明熱可塑性樹脂としては、押出成形のしやすさや、高い透明性、および高い耐水性から、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、およびポリシクロオレフィン樹脂が挙げられる。
これらの樹脂には、紫外線吸収剤や酸化防止剤などの安定剤が添加されることが多い。
ポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノールAなど芳香族フェノール類を主体にする芳香族ポリカーボネート樹脂、および芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂のポリマーアロイが、直線偏光板の物理強度を強める上で好ましい。
なかでも、ビスフェノールA系のポリカーボネート樹脂が好ましく、その粘度平均分子量が15000以上、好ましくは18000以上のものが、偏光板の強度と靭性を高める上で優れる。
ポリアミド樹脂としては、脂環族あるいは脂肪族ジカルボン酸と、脂環族あるいは脂肪族ジアミンを主成分に縮重合したポリアミドのうち、硬さと強度と強靭性があり、非晶性で透明度の高いポリアミド樹脂が好ましい。
特に高透明性である必要性から、非晶性ナイロンあるいは透明ナイロンと言われているポリアミドが好ましく用いられる。その代表例として、エムス(EMS CHMEMIE)社の“グリルアミド(GRILAMID)”TR−55、“グリルアミド”TR−90、ヒュルス(HULS)社の“トロガミド(TROGAMID)”CX−7323や、それに類するものが挙げられる。
透明ナイロンは、一般的に、ポリカーボネート樹脂よりも配向複屈折による光学歪みが少ない特徴がある。また、ソルベントクラック耐性など耐溶剤性がポリカーボネート樹脂より高い傾向がある。
ポリエステル樹脂としては、テレフタル酸のような芳香族ジカルボン酸を主成分にしたポリエステル樹脂のうち、硬さ、強度、強靭性、および透明性に優れるものが好ましく用いられる。
ポリウレタン樹脂としては、芳香族ジイソシアネートや脂環族ジイソシアネートをジイソシアネート成分にしたポリウレタン樹脂のうち、硬さ、強度、強靭性、および、結晶化の起こりにくいポリウレタン樹脂が好ましく用いられる。
好ましいポリウレタン樹脂の例として、BASF社のポリエステル系ポリウレタン“エラストラン(ELASTOLLAN)”ET590、“エラストラン”ET595、“エラストラン”ET598や、同社のポリエーテル系ポリウレタン、ならびにそれらに類する樹脂が挙げられる。
ポリアクリル樹脂としては、メチルメタアクリレートやシクロヘキシルメタクリレートなどのメタクリレート系重合体、共重合体を含むアクリル樹脂、ならびにそれに類する樹脂が、硬さ、強度、透明性から好ましく挙げられる。
ポリシクロオレフィン樹脂は、総じて複屈折が小さい特徴があり、光学歪みの小さいシートが得られやすい。代表的なシクロオレフィン樹脂(および、シクロオレフィン共重合樹脂)としては、日本ゼオンの“ZEONEX”や“ZEONOR”、JSRの“ARTON”、日立化成の“OPTOREZ”、三井化学の“APEL”、積水化学の“ESSINA”や、それに類する樹脂が挙げられる。
キャスト成形法の保護シートとしては、アシルセルロース樹脂やポリシクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂などがあり、一般には、配向複屈折による光学歪みの小さい特徴がある。
キャスト成形法の保護シートの代表的な製法は、溶液流延法と板間重合法である。
溶液流延法の代表例は、アシルセルロースシートである。トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、トリプロピルセルロース、およびジプロピルセルロースのようなアシルセルロース類を、例えばアセトンや塩化メチレンの溶液にし、次いで、その溶液をベルトやドラムに流延し、加熱あるいは減圧処理により脱溶媒してシートにする。ポリシクロオレフィン樹脂も、溶液流延法でシートに作られることがある。
板間重合法としては、メチルメタクリレートやウレタンアクリレートなどを主体にする(メタ)アクリレート類を、2枚の平行なガラス板の間に封入し、熱重合か、電磁線重合を行い、アクリル樹脂シートを得る方法が代表例である。
このほか、ポリウレタン樹脂シートも板間重合法で作ることがある。板間重合法ポリウレタン樹脂シートは、トリレンジイソシアネート(TDI)、メタキシレンジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネートと、エチレングリコール、1,3−プロパングリコールなどの脂肪族グリコールやポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテル系グリコール、カプロラクトン系、アジペート系などのポリエステル系グリコールなどのポリオール類とを混合し、板間に充填し、熱重合して作る。
ポリオールの代わりに、アミンのようなイソシアネートと反応して樹脂になり得る化合物を用いることもある。
キャスト成形法の保護シートとしては、すでにシートの工業生産技術が確立されているものが好ましく、そのような例として、溶液流延法のトリアセチルセルロース(TAC)シートやポリシクロオレフィン樹脂シート、板間重合法のポリアクリル樹脂シートが挙げられる。
これらの樹脂には、紫外線吸収剤や酸化防止剤などの安定剤が添加されることが多い。
保護シートの好ましい厚さは、製造方法にかかわりなく、0.01〜1.0mm程度、より好ましくは0.02〜0.8mm程度である。0.01mm未満の厚さでは、直線偏光子の保護作用が不十分になる。一方、厚さが1.0mmを超えると、偏光光学物品が厚すぎるという美観的な問題が生じることがあり、あまり好ましくない。
直線偏光子を2枚の保護シートでサンドイッチにして作る偏光板の場合、それぞれの保護シートの樹脂の種類やシート成形法、延伸倍率、シート厚みなどが一致する必要はない。
キャスト成形法の保護シートは、一般に分子配向性が少ないが、押出成形法の保護シート、とりわけ延伸されているシートは分子配向性があるので、直線偏光子と保護シートとの貼り合わせに際し、延伸方向を合わせることが必要になる。
すなわち、特に、押出成形法で作られる対物側の保護シートにおいては、分子配向性がある方が偏光度ムラや色ムラを抑えるのに役立つので、延伸されていることが好ましい。そして、直線偏光子の延伸方向(あるいは吸収軸)と対物側の保護シートの延伸方向(あるいは遅相軸)とをほぼ一致させることが、偏光度の低下や、偏光度ムラや色ムラを抑えるのに役立つ。対物側の保護シートが二軸延伸の保護シートである場合は、延伸倍率の大きい方の延伸方向(あるいは遅相軸)と直線偏光子の延伸方向(吸収軸)をほぼ一致させることが好ましい。
ただし、ポリスチレンやPMMAのように、延伸方向が遅相軸にならず、進相軸となる保護シートでは、その逆にすることが好ましい。
偏光板の直線偏光子と保護シートは、接着剤または粘着剤を用いて貼付するのが一般的である。接着剤または粘着剤は、水、熱、光などに対する長期の耐久性が必要である。接着剤について例を挙げると、イソシアネート化合物、ポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ワックスなどがある。粘着剤としては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
接着剤層または粘着剤層の厚さは、通常0.1〜100μm、好ましくは0.5〜80μmである。接着剤層または粘着剤層の厚さが0.1μm未満では、接合力が低く、100μmを超えると偏光板の端面から接着剤や粘着剤がしみ出ることがある。
偏光板の好ましい厚さは0.1〜3mm、より好ましくは0.2〜2.6mmである。
1mm未満の偏光板は作りにくく、3mmを超えると、偏光光学物品が厚すぎるとい
う美観的な問題が生じることがあり、あまり好ましくない。
代表的な偏光板として、(ポリカーボネート保護シート−直線偏光子)、(ポリカーボネート保護シート−直線偏光子−ポリカーボネート保護シート)、(TAC保護シート−直線偏光子)、(TAC保護シート−直線偏光子−TAC保護シート)の積層構造体を挙げられる。
なお、コーティング法の直線偏光子についても、必要に応じて、上記と同様の保護シートを積層することがある。
位相差機能部分の説明
位相差機能部分の一般的な形態は、樹脂製の位相差シートである。位相差シートに用いられる樹脂としては、ポリカーボネート樹脂やポリビニルアルコール樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アセチルセルロース樹脂、ポリアリレートなどの液晶ポリマー、ポリスルホン樹脂などが一般的である。
これらの樹脂には、偏光子を作成するのに用いる2色性色素や、特開2010−215878号公報に記載されるようなリターデーション発現剤が加えられていてもよい。また、紫外線吸収剤や酸化防止剤などの安定化剤が添加されることがある。
位相差シートは、通常は押出成形したシートを、1軸方向ないしは2軸方向に延伸したシートである。
位相差シートの延伸倍率は、求められる位相差(リターデーション)の程度によって決められるべきものであるが、一般的には高延伸倍率であるほど、高リターデーションが得られる。
たいていの直鎖高分子化合物は、主鎖方向と、主鎖に直角方向の屈折率が異なる。位相差シートの延伸方向(普通は遅相軸方向になる)、つまり主鎖方向の屈折率をNとし、延伸方向に直角方向(普通は進相軸方向になる)の屈折率をNとすると、複屈折ΔNは(1)式で定義される。
ΔN=N−N (1)
直線偏光子と位相差シートを、それぞれの延伸方向に対し45°の角度をつけて貼付すると、直線偏光子の方から位相差シートに入射する直線偏光は、位相差シートによって、再び遅相軸方向と、進相軸方向の光波に分解されることになり、遅相軸方向と進相軸方向の屈折率の違いが、それぞれの光波に伝搬速度の違いをもたらす。
その結果、遅相軸方向と進相軸方向の光波の位相がずれ、位相差シートを通過した直線偏光子は、円偏光や楕円偏光になる。位相のずれ量を長さ(距離)で表したものがリターデーション(位相差シートの厚さ方向のリターデーションを指す)である。
リターデーションR[nm]は、複屈折ΔNと位相差シートの厚さd[nm]の積となり、(2)式で表される。
R=ΔN×d (2)
本発明では、位相差シートのリターデーションRは、少なくとも1000nm以上、さらには5000nm以上であることが、色ムラを見えにくくする効果を高める。リターデーションRが1000nm未満であると、偏光光学物品に現れる配向複屈折による色ムラと光弾性複屈折による色ムラを見えにくくする効果が弱くなる。
リターデーションRが大きければ大きいほど、偏光光学物品に現れる配向複屈折による色ムラと光弾性複屈折による色ムラを見えにくくする効果は大きくなるが、高リターデーションは測定が難しくなるので、リターデーションRの上限を決めるのは困難である。
ここでは、リターデーションRの上限を(3)式に定義する偏光度Pで置き換えることにし、位相差シートの偏光度が5%以下、好ましくは3%以下であることを上限にする。位相差シートの偏光度が5%を超えると、偏光光学物品に現れる配向複屈折による色ムラと光弾性複屈折による色ムラを見えにくくする効果が弱くなる。
P=(Imax−Imin1/2/(Imax+Imin1/2 (3)
ここで、Imaxは、同じ位相差シートから切り出した2枚の測定サンプルについて、遅相軸を平行に重ねて測定した可視光線透過率である。Iminは、遅相軸と進相軸を直角に重ねて測定した可視光線透過率である。
リターデーションに関する(2)式の原理から、延伸方向に合わせて位相差シートを積層すれば、リターデーションRを加算できるので、位相差シートの積層によって、位相差機能部分のリターデーションRを大きくすることができる。
位相差シートの厚さは、0.005〜2.0mm程度、より好ましくは0.02〜1.5mm程度である。0.005mm未満の厚さでは、製造しにくく、厚さが2.0mmを超えると、偏光光学物品が厚すぎるという美観的な問題が生じることがあり、あまり好ましくない。
しかし、厚さが2mmを超えても、色ムラを減らすことにおいては、なんの障害ももたらさないので、その意味においては、位相差シートの厚さに上限はない。
位相差シートの厚さは、求められるリターデーションRの程度によって決められるべきものである。
位相差機能部分は、位相差シートの片面あるいは両面に保護シートを積層した積層体、すなわち、位相差板である場合もある。位相差板の保護シートとして使われるシートは、トリアセチルセルロース(TAC)やポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロオレフィン樹脂のような配向複屈折による色ムラの少ない樹脂シートが好ましく、厚さ0.01〜1.0mm程度のシートが、接着剤または粘着剤を介して、積層貼付される。
0.01mm未満の厚さでは、製造しにくく、厚さが1.0mmを超えると、偏光光学物品が厚すぎるという美観的な問題が生じることがあり、あまり好ましくない。
ここで用いられる接着剤または粘着剤は、水、熱、光などに対する長期の耐久性が必要である。接着剤について例を挙げると、ポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ワックスなどがある。粘着剤としては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
また、位相差シートに対し、コーティング法の位相差膜が知られている。コーティング法の位相差膜は、液晶化合物や液晶樹脂や複屈折の大きい樹脂を含む溶液をスピンコーティングして化合物や樹脂分子を1方向に配向させたり、コーティング後に、偏光紫外線によって一方向に配向するようにラジカル重合させたりして作る位相差膜である。これらに対しても、必要に応じて、上記と同様の保護シートを積層することが行われる。
直線偏光機能部分と位相差機能部分の配置角度
本発明を達成するためには、直線偏光機能部分の吸収軸方向と位相差機能部分の遅相軸方向とが45°±20°以下、好ましくは45°±10°以下、さらに好ましくは45°±5°以下の角度で、直線偏光機能部分と位相差機能部分を配置することが求められる。
直線偏光機能部分の吸収軸方向と位相差機能部分の遅相軸方向とが45°±20°を超えると、偏光光学物品に現れる配向複屈折による色ムラと光弾性複屈折による色ムラを見えにくくする効果が弱くなる。
本発明で好適に用いられる直線偏光機能部分と位相差機能部分の積層貼付体の構成例を次に挙げる。
(直線偏光子−位相差シート)
(直線偏光子−保護シート−位相差シート)
(直線偏光子−保護シート−位相差シート−保護シート)
(直線偏光子−保護シート−保護シート−位相差シート)
(直線偏光子−保護シート−保護シート−位相差シート−保護シート)
(保護シート−直線偏光子−位相差シート)
(保護シート−直線偏光子−保護シート−位相差シート)
(保護シート−直線偏光子−保護シート−位相差シート−保護シート)
(保護シート−直線偏光子−保護シート−保護シート−位相差シート)
(保護シート−直線偏光子−保護シート−保護シート−位相差シート−保護シート)
直線偏光機能部分と位相差機能部分は、接着剤または粘着剤を介して、積層貼付されるのが普通である。
ここで用いられる接着剤または粘着剤は、水、熱、光などに対する長期の耐久性が必要である。接着剤について例を挙げると、ポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ワックスなどがある。粘着剤としては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
本発明によって、配向複屈折と光弾性複屈折による色ムラが見えにくくなる理由はよく分からないが、リターデーションが大きくなるにつれ、偏光色自体が薄くなる傾向が見られることが考えられる。
さらには、色ムラの原因になるバックアップ樹脂部分や保護シートの複屈折ムラ、これと同義のリターデーションムラよりも、位相差シートのリターデーションがはるかに大きくなり、バックアップ樹脂部分や保護シートに生じたリターデーションムラは、それよりはるかに大きい位相差シートのリターデーションによって、その存在が分かりにくくなるように思われる。
接合シートの説明
本発明の偏光光学物品は、直線偏光機能部分と位相差機能部分に加えて、さらにバックアップ樹脂部分で構成される。バックアップ樹脂部分は、位相差機能部分を中に挟み、直線偏光機能部分の反対側に配置される。
位相差機能部分とバックアップ樹脂部分は、なんらかの方法で接合一体化していなければならない。
接合一体化の方法としては、位相差機能部分へバックアップ樹脂をインサート射出成形法で射出成形して、位相差機能部にバックアップ樹脂部分を熱接合する方法がある(インサート射出成形法とする)。
さらには、位相差機能部分を装填したキャスト成形用モールドにキャスト成形用モノマーを充填して、熱重合するか電磁線重合して、位相差機能部分とバックアップ樹脂部分を重合接合する方法がある(インサートキャスト成形法とする)。
さらには、予め別工程でシート化したバックアップ樹脂部分を位相差機能部分に接着剤、あるいは粘着剤によって貼付する方法がある(平板の貼付法)。平板の貼付法では、貼付後に曲げ加工し、レンズ状にする。
さらには、予め別工程でシート化したバックアップ樹脂部分をレンズ状成形体に曲げ加工したもの、あるいは、予め別工程でレンズ状成形体にしたものを、位相差機能部分に接着剤、あるいは粘着剤によって貼付する方法がある(レンズ状成形体の貼付法)。
平板の貼付法とレンズ状成形体の貼付法を併せて、貼付法と呼ぶことがある。
貼付法は、接着剤、あるいは粘着剤の選択を誤らなければ、接合一体化の問題は少ないが、インサート射出成形法とインサートキャスト成形法では、接合一体化しにくいことがある。その場合は、位相差機能部分とバックアップ樹脂部分の間に、両者を接合する機能を持つ接合シートを挿入する方法がある。
インサート射出成形法の場合は、接合シートを予め位相差機能部分に積層貼付しておくのが好ましい。接合シートは、バックアップ樹脂との熱接合の適合性を必要とするため、化学的に同系統の樹脂である場合が好ましい。あるいは、多くの樹脂と高い熱接合性を示すポリウレタン樹脂である場合が好ましい。
接合シートは、厚さ0.01〜1.0mm程度が好ましい。ここで、接合シートの厚さが0.01mm未満では、製造しにくく、かつ、熱接合力が劣る傾向がある。また、厚さが1.0mmを超えると、偏光光学物品が厚すぎるという美観的な問題が生じることがあり、あまり好ましくない。
接合シートは、接着剤または粘着剤を介して、位相差機能部分へ積層貼付される。用いる接着剤または粘着剤は、水、熱、光などに対する長期の耐久性が必要であり、また、バックアップ樹脂をキャスト成形する場合は、キャスト成形用モノマーに溶解しないことが必要である。
接着剤について例を挙げると、ポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ワックスなどがある。粘着剤としては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
インサートキャスト成形法の場合は、接合シートは、バックアップ樹脂と重合接合する必要があるため、キャスト成形用モノマーとの化学的な親和性が高いことが好ましい。
あるいは、接合シートは、キャスト成形用モノマーと化学結合することが好ましい。あるいは、接合シートは、キャスト成形用モノマーが含浸しやすい性質があり、いわゆるアンカー(錨)効果を生じやすいものが好ましい。
インサートキャスト成形用の代表的な接合シートとしては、キャスト成形用モノマーと化学的に同系統の樹脂やアクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリウレタン樹脂などがある。キャスト成形用モノマーの含浸しやすさから、直鎖高分子のシートであることが好ましい。
接合シートは、厚さ0.01〜1.0mm程度が好ましく、接着剤または粘着剤を介して、位相差機能部分へ積層貼付される。
ここで、接合シートの厚さが0.01mm未満では、製造しにくく、かつ、熱接合力が劣る傾向がある。また、厚さが1.0mmを超えると、偏光光学物品が厚すぎるという美観的な問題が生じることがあり、あまり好ましくない。
接合シートと位相差機能部分を貼付するのに用いる接着剤または粘着剤は、水、熱、光などに対する長期の耐久性が必要である。また、インサートキャスト成形法の場合は、キャスト成形用モノマーに溶解しないことが必要である。
接着剤について例を挙げると、ポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ワックスなどがある。粘着剤としては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
インサート射出成形法、インサートキャスト成形法のいずれの場合でも、接合シートは、延伸されていない方が、曲げ加工やバックアップ射出成形の際に熱収縮を起こさないので、レンズに歪みが生じにくいので好ましい。接合シートには、紫外線吸収剤や酸化防止剤などの安定剤が添加されることがある。
接合シートは、位相差板の保護シートを兼ねることができる。本発明で好適に用いられる直線偏光機能部分と位相差機能部分と接合シートをこの順で貼付した接合シート付き積層貼付体の構成例を次に挙げる。
(直線偏光子−位相差シート−接合シート)
(直線偏光子−保護シート−位相差シート−接合シート)
(直線偏光子−保護シート−位相差シート−保護シート−接合シート)
(直線偏光子−保護シート−保護シート−位相差シート−接合シート)
(直線偏光子−保護シート−保護シート−位相差シート−保護シート−接合シート)

(保護シート−直線偏光子−位相差シート−接合シート)
(保護シート−直線偏光子−保護シート−位相差シート−接合シート)
(保護シート−直線偏光子−保護シート−位相差シート−保護シート−接合シート)
(保護シート−直線偏光子−保護シート−保護シート−位相差シート−接合シート)
(保護シート−直線偏光子−保護シート−保護シート−位相差シート−保護シート−接合シート)
なお、位相差機能部分と、インサート射出成形法によるバックアップ樹脂部分の熱接合性は、位相差機能部分側に設けた熱接合用コーティング層によって補完することができる。
かかる熱接合用コーティング層に用いる樹脂としては、ポリウレタン樹脂やポリチオウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、合成ゴムなどが挙げられる。
熱接合用コーティング層は、熱接合用コーティング層に用いる樹脂の加熱溶融体や、溶液、エマルジョンなどを、グラビアコーティング法やオフセットコーティング法などの一般的な塗布方法により、上記した直線偏光機能部分と位相差機能部分からなる積層貼付体の熱接合面、あるいは、直線偏光機能部分と位相差機能部分と接合シートからなる積層貼付体の熱接合面、あるいは、それらの熱接合面となる位相差シートや保護シートや接合シートに均一に塗布して形成する。
熱接合用コーティング層の厚さは、通常0.1〜500μm、好ましくは0.5〜400μmである。熱接合用コーティング層の厚さが0.1μm未満では接着力が低く、500μmを超えると、バックアップ樹脂をインサート射出成形した時、偏光光学物品の端面から熱接合用コーティング層が滲み出たり、はみ出したりすることがある。
曲げ加工の説明
上記した直線偏光機能部分と位相差機能部分からなる積層貼付体、あるいは、直線偏光機能部分と位相差機能部分と接合シートからなる接合シート付き積層貼付体は、レンズ状に曲げ加工し、曲げ加工体にしておくことが好ましい。曲げ加工体の形状には、球面形状、楕円球面形状、トーリック形状などがある。
特開平1−22538号公報に示されるような方法を含め、曲げ加工の方法は特に限定しない。通常は、対物側、すなわち直線偏光機能部分が凸面、接眼側、すなわち位相差機能部分、あるいは接合シートが凹面になるように曲げ加工する。
バックアップ樹脂部分の説明
バックアップ樹脂部分の形成法としては、先述のように、インサート射出成形法、インサートキャスト成形法、貼付法(平板の貼付法とレンズ状成形体の貼付法)がある。
インサート射出成形法で成形するバックアップ樹脂部分の説明
インサート射出成形法は、射出成形機の金型に、上記の曲げ加工体を挿入(インサート)し、凹面側の位相差機能部分、あるいは接合シートにバックアップする樹脂を射出成形する方法である。
生産性の高さや成形品の精密性などから、基本的には特開平11−245259号公報に示されるようなインサート射出成形法が好ましい。
すなわち、上記の曲げ加工体の凹面側にバックアップ樹脂部分を熱接合するように、曲げ加工体を金型に配置し、バックアップ樹脂をインサート射出成形する方法である。
インサート射出成形法に用いるバックアップ樹脂は、曲げ加工体の凹面側との熱接合性のよいもので、かつ、硬度と曲げ剛性と耐衝撃性の高い透明性樹脂であることが好ましい。
代表的な樹脂として、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン・メチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル・スチレン樹脂、ポリ−4−メチルペンテンー1樹脂、可塑剤を加えたアシルセルロース樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂には、紫外線吸収剤や酸化防止剤などの安定剤が添加されることが多い。
特に、高透明性と耐熱性、物理的強度、射出成形のしやすさやから、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、およびポリシクロオレフィン樹脂が好ましい。
ポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノールAなど芳香族フェノール類を主体にする芳香族ポリカーボネート樹脂、および芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂のポリマーアロイが、直線偏光板の物理強度を強める上で好ましい。
なかでも、ビスフェノールA系のポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が15000以上、好ましくは18000以上のものが、偏光板の強度と靭性において優れる。
ポリアミド樹脂としては、脂環族あるいは脂肪族ジカルボン酸と、脂環族あるいは脂肪族ジアミンを主成分に縮重合したポリアミドのうち、硬さや強度や強靭性があり、非晶性で透明度の高いポリアミド樹脂が好ましい。
特に高透明性である必要性から、非晶性ナイロンあるいは透明ナイロンと言われているポリアミドが好ましく用いられる。その代表例として、エムス(EMS CHMEMIE)社の“グリルアミド(GRILAMID)”TR−55、“グリルアミド”TR−90、ヒュルス(HULS)社の“トロガミド(TROGAMID)”CX−7323などが挙げられる。透明ナイロンは、一般的に、ポリカーボネート樹脂よりは光学的異方性が少ない特徴がある。また、ソルベントクラック耐性など耐溶剤性がポリカーボネート樹脂より高い傾向がある。
ポリエステル樹脂としては、テレフタル酸のような芳香族ジカルボン酸をジカルボン酸類の主成分にしたポリエステル樹脂が、硬さや強度、強靭性、および透明性から好ましく用いられる。
ポリウレタン樹脂としては、芳香族ジイソシアネートや脂環族ジイソシアネートをジイソシアネート成分にしたポリウレタン樹脂のうち、硬さや強度、強靭性があり、結晶化の起こりにくい、透明性の高いポリウレタン樹脂が好ましい。
好ましい例として、BASF社のポリエステル系ポリウレタン“エラストラン(ELASTOLLAN)”ET590、“エラストラン”ET595、“エラストラン”ET598や、同社のポリエーテル系ポリウレタンが挙げられる。
ポリアクリル樹脂としては、メチルメタアクリレートやシクロヘキシルメタクリレートなどのメタクリレート系重合体、共重合体を含むアクリル樹脂が、硬さや強度、透明性から挙げられる。
ポリシクロオレフィン樹脂は、総じて複屈折が小さい特徴があり、光学異方性の小さいシートが得られやすい。代表的なシクロオレフィン樹脂(および、シクロオレフィン共重合樹脂)として、日本ゼオンの“ZEONEX”や“ZEONOR”、JSRの“ARTON”、日立化成の“OPTOREZ”、三井化学の“APEL”、積水化学の“ESSINA”が挙げられる。
インサート射出成形法では、偏光レンズ全域にわたり、バックアップ樹脂部分の厚さがほぼ同じである偏光プラノレンズと偏光セミレンズ、バックアップ樹脂部分の厚さがレンズの部位によって異なる偏光矯正レンズが作られる。偏光セミレンズは、バックアップ樹脂部分を研磨して使用するので、偏光プラノレンズよりもレンズが厚い。
偏光プラノレンズでは、バックアップ樹脂部分を成形した後のレンズの中心厚さは、0.7〜3mm程度、好ましくは0.8〜2.8mmであることが推奨される。中心厚さが0.7mm未満ではインサート射出成形しにくいのと、十分な耐衝撃強度を得られにくいことがある。また、中心厚さが3mmを超えると、偏光光学物品が厚すぎるという美観的な問題が生じることがあり、あまり好ましくない。
偏光プラノレンズは、レンズの厚さが大きくなるにつれ、レンズ端部を通る視線にマイナスサイドの屈折力がつくため、視覚が歪むことがある。その対応として、フロントカーブ(対物側のレンズカーブ)とバックカーブ(接眼側のレンズカーブ)の中心をずらしたり、曲率半径を変更したりする光学設計によって、レンズ端面に向って徐々に厚みを減らす方法によって、わずかにプラスサイドの屈折力をつけ、偏光プラノレンズに生じるマイナスサイドの屈折力をキャンセルすることが好ましく行われている。
偏光矯正レンズの場合は、レンズ度数によって異なるが、レンズ中心が薄くなるマイナス度数はレンズ強度が弱くなりやすい。そのため、偏光矯正レンズのレンズ中心厚さは、少なくとも0.3mmが必要である。レンズ中心厚さが0.3mm未満では、レンズの耐衝撃強度が低下し、打撃により、レンズが割れたり、孔があいたりする傾向が強くなる。
偏光セミレンズの場合は、矯正度数にあわせてバックアップ樹脂部分が研磨される。
インサートキャスト成形法によるバックアップ樹脂部分の説明
代表的なインサートキャスト成形法は、曲げ加工体を挿入(インサート)したガラスモールドに、液状のモノマーを充填し、曲げ加工体の凹面側にバックアップ樹脂を熱重合、あるいは電磁線重合する方法である。
用いるモノマーとしては、CR39(ジエチレングリコールジアリルカーボネート)、三井化学製のもののようなチオウレタン系レンズ用モノマー類、三菱瓦斯化学製のもののようなエピスルフィッド系レンズ用モノマー類、メチルメタクリレートやウレタンアクリレートなどを主体にする(メタ)アクリレート類、ならびに、トリレンジイソシアネート(TDI)、メタキシレンジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類やヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類などのポリウレタン用イソシアネート化合物と、エチレングリコール、1,3−プロパングリコールなどの脂肪族グリコール類やポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテル系グリコール類、カプロラクトン系、アジペート系などのポリエステル系グリコール類などポリウレタン用ポリオール化合物との混合物がある。
これらのモノマーには、紫外線吸収剤や酸化防止剤などの安定剤が添加されることがある。
インサートキャスト成形法による偏光プラノレンズを作る場合のレンズ厚さは、上述したインサート射出成形法による偏光プラノレンズとほぼ同じである。また、インサートキャスト成形法による偏光矯正レンズを作る場合のレンズ厚さは、上述したインサート射出成形法による偏光矯正レンズとほぼ同じである。インサートキャスト成形法の場合も、偏光セミレンズが作られる。
貼付法によるバックアップ樹脂部分の説明
貼付法によるバックアップ樹脂部分の製法には、上述の通り、平板の貼付法とレンズ状成形体の貼付法の二通りがある。
平板の貼付法は、予めバックアップ樹脂を押出成形、あるいはキャスト成形してシート化し、次いで曲げ加工してレンズ状成形体を作り、それを上述した曲げ加工体に接着剤、あるいは粘着剤によって貼付する方法である。
レンズ状成形体の貼付法は、バックアップ樹脂を射出成形、あるいはキャスト成形して、直接、レンズ状成形体を作り、それを上述した曲げ加工体に接着剤、あるいは粘着剤によって貼付する方法である。
貼付法に適する熱可塑性樹脂は、上述のインサート射出成形法に適する樹脂とほぼ同じである。
また、貼付法に適するキャスト成形用モノマーは、上述のインサートキャスト成形法に適するモノマーとほぼ同じである。
平板の貼付法のシートは、積層貼付体を曲げ加工体にするのと同様の方法で曲げ加工し、レンズ状成形体にする。レンズ状成形体のレンズ形状やカーブは、貼付相手の曲げ加工体とほぼ同じであることが好ましい。
曲げ加工体とレンズ状成形体とは、曲げ加工体の凹面側に、レンズ状成形体の凸面側を重ね、接着剤または粘着剤で貼付する。
貼付するのに用いる接着剤または粘着剤は、水、熱、光などに対する長期の耐久性があることが必要である。
接着剤について例を挙げると、ポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ワックスなどがある。粘着剤としては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
貼付法で偏光プラノレンズを作る場合のレンズ厚さは、上述したインサート射出成形法による偏光プラノレンズとほぼ同じである。また、偏光矯正レンズを作る場合のレンズ厚さは、上述したインサート射出成形法による偏光矯正レンズとほぼ同じである。
色ムラを改善した偏光光学物品の高次加工の説明
本発明の偏光レンズに代表される偏光光学物品は、その表面にハードコート加工することができる。ハードコートとしては、シラン系、エポキシ系などの熱硬化型ハードコートと、アクリル系、エポキシ系などの電磁線硬化型ハードコートが一般的である。
ハードコートは通常0.5〜15μm程度の膜厚で付与するが、密着性や耐衝撃性の向上を目的に、ポリアクリレート系やポリウレタン系などのプライマーコート層をレンズ表面に設け、プライマーコート層の上にハードコート層を設けることも行われる。
また、本発明の偏光光学物品は、反射防止加工やメタリック加工、防曇加工、防汚加工を行うことができる。
実施例1
2色染料で染色したポリビニルアルコールのシートを一軸方向に4.3倍延伸して、厚さ約30μm、偏光度98%のポリビニルアルコール直線偏光子を調製した。
直線偏光子の保護シートとして、粘度平均分子量が約25000のポリカーボネート樹脂を押出成形して、一軸方向に2倍延伸して厚さ0.2mmのポリカーボネート保護シートを調製した。
該ポリカーボネート保護シートの片面にウレタン系接着剤を厚さ25μm程度塗布した。該ポリカーボネート保護シートの延伸方向と該ポリビニルアルコール直線偏光子の延伸方向を一致させた状態で、両者を貼付し、片面がポリカーボネート保護シート、もう片面がポリビニルアルコール直線偏光子からなる直線偏光機能部分を調製した。
位相差機能部分として、粘度平均分子量が約20000のポリカーボネート樹脂をシート状に押出成形したものを、さらに1軸方向に2.4倍延伸して、厚さ0.1mm、波長589nmで測定したリターデーション値が6600nmであるポリカーボネート位相差シートを調製した。
次いで、該ポリカーボネート位相差シートに、ウレタン系接着剤を厚さ10μm程度塗布した。
次いで、該ポリビニルアルコール直線偏光子の延伸方向と該ポリカーボネート位相差シートの延伸方向の間に45°の角度をつけ、該ポリビニルアルコール直線偏光子と該ポリカーボネート位相差シートを貼付して、直線偏光機能部分と位相差機能部分からなる積層貼付体を調製した。該積層貼付体を打抜機で打ち抜いて、円形の積層貼付体を調製した。
次いで、直線偏光機能部分が凸面、位相差機能部分が凹面となるように該円形の積層貼付体を曲げ加工して、曲率半径が約87mmの曲げ加工体を調製した。
6C(カーブ)、すなわち、曲率半径87mmの円形金型を取り付けたインサート射出成形機の凹面金型に該曲げ加工体の凸面側(直線偏光機能部分側)をセットし、凹面側(位相差機能部分側)に、ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量25000)をインサート射出成形し、バックアップ樹脂部分を形成した。
出来上がったものは、色ムラを改善した偏光プラノレンズであり、約86mmの直径と、6Cの球面を持ち、バックアップ部分の厚さが1.3mmであった。
色ムラの評価結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において調製した位相差シート(リターデーション値は6600nm)の延伸方向をそろえて3枚重ね、ウレタン系接着剤で貼付し(各位相差シート間の該接着剤の厚さは10μm程度)、位相差シート3層からなる位相差機能部分を調製した。該位相差機能部分のリターデーション値は、前記式(2)に従って、19800nmと計算される。
該位相差機能部分を、実施例1で調製した直線偏光機能部分に、実施例1と同様にして貼付し、直線偏光機能部分と位相差機能部分からなる積層貼付体を調製した。実施例1と同様にして、該積層貼付体を打抜機で打ち抜いて、円形の積層貼付体を調製した。
得られた円形の積層貼付体を、実施例1と同様にして曲げ加工し、曲げ加工体を調製した。該曲げ加工体の位相差機能部分側に、実施例1と同様にしてバックアップ樹脂をインサート射出成形した。
出来上がったものは、色ムラを改善した偏光プラノレンズであり、約86mmの直径と、6Cの球面を持ち、バックアップ部分の厚さが1.3mmであった。
色ムラの評価結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において調製した位相差シート(リターデーション値は6600nm)の延伸方向をそろえて8枚重ね、ウレタン系接着剤で貼付し(各位相差シート間の該接着剤の厚さは10μm程度)、位相差シート8層からなる位相差機能部分を調製した。該位相差機能部分のリターデーション値は、前記式(2)に従って、52800nmと計算される。
該位相差機能部分を、実施例1で調製した直線偏光機能部分に、実施例1と同様にして貼付して、直線偏光機能部分と位相差機能部分からなる積層貼付体を調製した。実施例1と同様にして、該積層貼付体を打抜機で打ち抜いて、円形の積層貼付体を調製した。
得られた円形の積層貼付体を、実施例1と同様にして曲げ加工して、曲げ加工体を調製した。該曲げ加工体の位相差機能部分側に、実施例1と同様にしてバックアップ樹脂をインサート射出成形した。
出来上がったものは、色ムラを改善した偏光プラノレンズであり、約86mmの直径と、6Cの球面を持ち、バックアップ部分の厚さが1.3mmであった。
色ムラの評価結果を表1、表2に示す。
実施例4
押出成形した厚さ0.2mmの無延伸ポリメチルメタクリレートシートを接合シートとする。
該接合シートにウレタン系接着剤を厚さ25μm程度塗布した。実施例3で調製した積層貼付体の位相差機能部分側に、該接合シートを貼付して、接合シート付き積層貼付体を調製した。得られた接合シート付き積層貼付体は、直線偏光機能部分と位相差機能部分と接合シートがこの順で積層したものである。実施例1と同様にして、該積層貼付体を打抜機で打ち抜いて、円形の接合シート付き積層貼付体を調製した。
得られた円形の接合シート付き積層貼付体を実施例1と同様にして曲げ加工し、直線偏光機能部分が凸面、接合シートが凹面となる、曲率半径が約87mmの曲げ加工体を調製した。曲げ加工体を調製した。
6C(カーブ)、すなわち、曲率半径87mmの金型を取り付けたインサート射出成形機の凹面金型に該曲げ加工体の凸面側(直線偏光機能部分側)をセットし、凹面側(接合シート側)に、ポリメチルメタクリレート樹脂をインサート射出成形し、バックアップ樹脂部分を成形した。
出来上がったものは、色ムラを改善した偏光プラノレンズであり、約86mmの直径と、6Cの球面を持ち、バックアップ部分の厚さが1.1mmであった。
色ムラの評価結果を表1、表2に示す。
実施例5
2枚のガラス板の間にCR39モノマーを充填して、板間キャスト成形して、厚さ0.3mmのCR39シートを調製した。このシートを接合シートとする。
該接合シートにウレタン系接着剤を厚さ25μm程度塗布した。実施例3で調製した積層貼付体の位相差機能部分側に、該接合シートを貼付して、接合シート付き積層貼付体を調製した。得られた接合シート付き積層貼付体は、直線偏光機能部分と位相差機能部分と接合シートがこの順で積層したものである。実施例1と同様にして、接合シート付き積層貼付体を打抜機で打ち抜いて、円形の積層貼付体を調製した。
得られた円形の接合シート付き積層貼付体を実施例1と同様にして曲げ加工し、直線偏光機能部分が凸面、接合シートが凹面となる、曲率半径が約87mmの曲げ加工体を調製した。
インサートキャスト成形するために、6C(カーブ)、すなわち、曲率半径87mmの円形ガラスモールドを一組用意した。すなわち、レンズの凸面側を成形する凹面形状のガラスモールド(Aモールドとする)と、レンズの凹面側を成形する凸面形状のガラスモールド(Bモールドとする)である。
Aモールドの凹面に重合開始剤入りのCR39モノマーを1滴垂らし、該曲げ加工体の凸面側を押し付け、Aモールドの凹面と該曲げ加工体の凸面を、CR39モノマーの界面張力を利用して密着貼付して、Aモールドと曲げ加工体の貼付体を調製した。
次いで、該貼付体の凹面側に、Bモールドの凸面側を対置した。次いで、A、B両モールドの周囲をガスケットテープで固定、密封した。形成された密封空間に、重合開始剤入りのCR39モノマーを充填した。次いで、バックアップ樹脂部分を熱重合して、インサートキャスト成形した。
キャスト成形後にガラスモールドを除去すると、色ムラを改善した偏光プラノレンズが出来上がった。得られたレンズは、約86mmの直径と、6Cの球面を持ち、バックアップ部分の厚さが1mmであった。
色ムラの評価結果を表1、表2に示す。
実施例6
実施例5で用いた6Cのプラノレンズ成形用のガラスモールと、CR39モノマーを用いて、CR39製レンズ状成形体をキャスト成形した。出来上がったCR39製レンズ状成形体は、厚さ1mmのプラノレンズであった。
該レンズ状成形体の凸面に、ウレタン系接着剤をスピンコーティングして、厚さ約30μmの接着剤層を形成した。実施例5で調製した曲げ加工体の凹面側を、該レンズ状成形体のウレタン系接着剤塗布面に重ね、貼付した。出来上がったものは、該レンズ状成形体をバックアップ樹脂部分とする、直径が約86ミリメートルの色ムラを改善した偏光プラノレンズであった。
色ムラの評価結果を表1、表2に示す。
比較例1
粘度平均分子量が約20000のポリカーボネート樹脂をシート状に押出成形したものを、さらに一軸方向に1.4倍延伸して、厚さ0.1mm、波長589nmで測定したリターデーション値が700nmであるポリカーボネート位相差シートを調製した。
実施例1で用いたリターデーション値が6600nmの位相差シートの代わりに該ポリカーボネート位相差シートを用いる以外は、実施例1と同様にして、約86mmの直径と、6Cの球面を持ち、バックアップ部分の厚さが1.3mmである偏光レンズを調製した。
色ムラの評価結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、ポリビニルアルコール直線偏光子の延伸方向とポリカーボネート位相差シートの延伸方向の間に18°の角度をつける以外は実施例1と同様にして、約86mmの直径と、6Cの球面を持ち、バックアップ部分の厚さが1.3mmである偏光レンズを調製した。
色ムラの評価結果を表1に示す。
比較例3
実施例5と同様にして、ただし、位相差機能部分がない接合シート付き積層貼付体を調製した。すなわち、実施例1で調製したポリビニルアルコール直線偏光子に、実施例5で板間キャスト成形して調製した厚さ0.3mmのCR39製の接合シートを、実施例5と同様にして貼付した。
位相差機能部分がない接合シート付き積層貼付体を、実施例5と同様にしてインサートキャスト成形し、約86mmの直径と、6Cの球面を持ち、バックアップ部分の厚さが1mmであるCR39製の偏光プラノレンズを調製した。
色ムラの評価結果を表1、表2に示す。
Figure 0005995407
色ムラの観察方法:偏光レンズのバックアップ樹脂部分側に実施例1で調製したポリビニルアルコール直線偏光子を重ね、偏光レンズの直線偏光子とクロスニコル状態(透過軸が直交状態)にして、透過光の色ムラを観察する。次いで、クロスニコル状態を崩し、透過軸の角度をさまざまに変えて、透過光の色ムラを観察する。
判定: ◎ 色ムラなし、あるいは、殆どない。
○ 色ムラが気にならない程度にある。
△ 色ムラが少し認められる。
× 色ムラが目立つ。
Figure 0005995407
枠入れ方法:普通のレンズコバ擦り機で偏光レンズのコバ擦りをおこない、チタン製フレームに枠入れする。
色ムラの観察方法:表1と同じ。
判定:表1と同じ。

Claims (14)

  1. 少なくとも直線偏光機能部分と位相差機能部分とバックアップ樹脂部分を持つ多層の偏光光学物品において、対物側から接眼側に向かって、直線偏光機能部分、位相差機能部分、バックアップ樹脂部分の順に配置したことを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品であって、該直線偏光機能部分の吸収軸方向と該位相差機能部分の遅相軸方向の角度が45°±20°であり、該位相差機能部分が、1000nm以上のリターデ−ションを有することを特徴とする、偏光光学物品。
  2. 直線偏光機能部分が直線偏光子であることを特徴とする請求項1記載の色ムラを改善した偏光光学物品。
  3. 直線偏光機能部分が、直線偏光子と直線偏光子保護機能部分からなる多層の偏光板であることを特徴とする請求項1記載の色ムラを改善した偏光光学物品。
  4. 偏光板の接眼側の保護機能部分が、位相差機能部分であることを特徴とする請求項3記載の色ムラを改善した偏光光学物品。
  5. 位相差機能部分が位相差シートであることを特徴とする請求項1または4記載の色ムラを改善した偏光光学物品。
  6. 位相差機能部分が、位相差シートと位相差シート保護機能部分からなる多層の位相差板であることを特徴とする請求項1または4記載の色ムラを改善した偏光光学物品。
  7. 直線偏光機能部分と位相差機能部分からなる積層貼付体と、該積層貼付体の位相差機能側にバックアップ樹脂部分が接合配置されていることを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品であって、該直線偏光機能部分の吸収軸方向と該位相差機能部分の遅相軸方向の角度が45°±20°であり、該位相差機能部分が、1000nm以上のリターデ−ションを有することを特徴とする、偏光光学物品。
  8. 対物側から接眼側に向かって、直線偏光機能部分と位相差機能部分と接合シートからなる積層貼付体を有し、積層貼付体の接合シート側にバックアップ樹脂部分が接合配置されていることを特徴とする色ムラを改善した偏光光学物品であって、該直線偏光機能部分の吸収軸方向と該位相差機能部分の遅相軸方向の角度が45°±20°であり該位相差機能部分が、1000nm以上のリターデ−ションを有することを特徴とする、偏光光学物品。
  9. バックアップ樹脂部分が、インサート射出成形、あるいはインサートキャスト成形してなるバックアップ樹脂部分であることを特徴とする請求項1または7記載の色ムラを改善した偏光光学物品。
  10. バックアップ樹脂部分が、押出成形シートあるいはキャスト成形シートを曲げ加工してなるレンズ状成形体、または、射出成形あるいはキャスト成形してなるレンズ状成形体であることを特徴とする請求項1または8記載の色ムラを改善した偏光光学物品。
  11. バックアップ樹脂部分が、積層貼付体の位相差機能側、または接合シート側での接着剤接合または熱接合にてなることを特徴とする請求項7または8記載の色ムラを改善した偏光光学物品。
  12. バックアップ樹脂部分が、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、およびポリウレタン樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項1および9〜10いずれか1記載の色ムラを改善した偏光光学物品。
  13. バックアップ樹脂部分がインサート射出成形してなるポリカーボネート樹脂、またはポリカーボネート製のレンズ状成形体であり、位相差機能部分が8000nm以上のリタデーションを有することを特徴とする請求項1および7〜8いずれか1記載の色ムラを改善した偏光光学物品。
  14. バックアップ樹脂部分が、インサートキャスト成形あるいはキャスト成形してなるジエチレングリコールジアリルカーボネート樹脂(CR39)、チオウレタン樹脂、エピスルフィド樹脂、ポリウレタン樹脂、またはアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1および9〜10いずれか1記載の色ムラを改善した偏光光学物品。
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