JP5684461B2 - 偏光光学物品を製造する方法 - Google Patents

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    • B29D11/00644Production of filters polarizing

Description

本発明は、高い耐水性、高い耐衝撃性および高い偏光度を有する偏光光学物品、例えば、偏光ゴーグル、偏光サングラス、偏光度付きゴーグル、偏光度付きサングラス、偏光シールドなどの偏光光学物品を提供する技術に関する。
太陽光やライトの反射光による眩しさを防止する目的で、偏光性能を有する眼鏡やサングラスやゴーグルなどの偏光光学物品が使用されている。
こうした偏光光学物品として、偏光子シートの両面をガラスで覆った偏光性ガラスレンズが知られているが、衝撃に弱い欠点があった。
また、偏光子シートを2枚のポリカーボネートシートで挟持した積層構造のポリカーボネート系偏光板を射出成形機の金型にインサートし、バックアップ樹脂としてポリカーボネート樹脂を射出成形する、射出成形法偏光性ポリカーボネートレンズが知られている(特許文献1)。この方法は、高価なポリカーボネート系偏光板を使う必要があった。
これに対し、偏光子シートを2枚のセルローストリアセテートフィルムで挟持した積層構造の、安価なセルローストリアセテート系偏光板を用いる偏光レンズの製造方法が知られている。
すなわち、セルローストリアセテート系偏光板の1つの面にプラスチックフィルムを貼付、積層し、得られた積層体を射出成形機の金型にインサートし、プラスチックフィルム面にバックアップ樹脂を射出成形する光学用積層成形品の製造方法が提案されている(特許文献2)。
また、セルローストリアセテート系偏光板を用いる別の偏光レンズの製造方法として、セルローストリアセテート系偏光板の1つの面に熱可塑性樹脂フィルムを貼着積層し、ついで、得られた積層シートを射出成形機の金型にインサートし、熱可塑性樹脂フィルムを貼着した面とは反対側のもう1つの面にバックアップ樹脂を射出成形する積層成形品の製造方法が提案されている(特許文献3)。
また、射出成形法とは異なる方法としてキャスト成形法があり、偏光子シートを挿入したガラスモールドにモノマーを充填し、キャスト成形する、キャスト成形法偏光性レンズの製造方法が知られている(特許文献4)。
特開平8−52817号公報 特開2001−353747号公報 特開2006−150916号公報 特開2009−3303号公報
特許文献2に開示された方法は、貼付するプラスチックフィルムがバックアップ樹脂と熱接合するように、バックアップ樹脂側に配置されるために、この方法で製造する偏光光学物品の少なくとも1面は、耐水性の劣るセルローストリアセテートフィルムとなる。そのため、この方法で製造した偏光レンズや偏光サングラスは、水や汗にさらされると、表面から浸透した水分によって、偏光子シートとセルローストリアセテートフィルムの間の接着剤による接着力が弱まり、ついには、その界面で剥離するという問題があった。
特許文献3に開示された方法は、貼付する熱可塑性樹脂フィルムの反対側の、すなわち、セルローストリアセテート面にバックアップ樹脂を射出成形する方法である。この方法で得られる偏光光学物品は、偏光光学物品の両方の面とも、セルローストリアセテート以外の樹脂面となり、特許文献2に開示された方法に見られるように、耐水性の劣るセルローストリアセテートフィルムが表面にくることはない。しかし、この方法で製造した偏光光学物品でも、耐水性の劣る偏光子シートとセルローストリアセテートフィルムが偏光光学物品の端面に露出するため、端面から侵入した水分により偏光子とセルローストリアセテートフィルムがその界面で剥離するという問題があった。
また、特許文献4などに開示されたキャスト成形法による偏光レンズは、球面形状に曲げ加工した偏光子をガラスモールドに挿入する製造プロセスを採用している。しかし、偏光子シートは一般に数十μmの厚みしかなく、物理強度が弱く、かつ、耐湿寸法安定性が悪いため、手や機械による取扱いには細心の注意を要するという問題があった。
上述した課題に鑑み、本発明者らは、アシルセルロース系偏光板を含み、耐水性をも付与された偏光光学物品について鋭意検討した結果、アシルセルロース系偏光板を包埋して外部に露出しない技術を確立することによってかかる課題を解決することに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1] アシルセルロースシートで両方の面を挟持された偏光子シートからなるアシルセルロース系偏光板を内部に包埋して含む偏光光学物品;
[2] 該アシルセルロース系偏光板の全面がバックアップ樹脂層によって包埋された前記[1]記載の偏光光学物品;
[3] 該アシルセルロース系偏光板の1つの面に当該面と同形のアシルセルロース以外の樹脂シートが貼付され、該アシルセルロース系偏光板のもう1つの面ならびに外周面および樹脂シートの外周面にバックアップ樹脂が成形され、該アシルセルロース系偏光板の該もう1つの面ならびに外周面、および該樹脂シートと該バックアップ樹脂層とが密着または熱接合されてアシルセルロース系偏光板が包埋された前記[1]記載の偏光光学物品;
[4] 該アシルセルロース系偏光板の1つの面の少なくとも一部分にアシルセルロース以外の樹脂シートが貼付され、該アシルセルロース系偏光板のもう1つの面ならびに外周面および該1つの面の残りの面にバックアップ樹脂が成形され、該アシルセルロース系偏光板の該もう1つの面ならびに外周面、および該1つの面の残りの面、および該樹脂シートと該バックアップ樹脂層とが密着または熱接合されてアシルセルロース系偏光板が包埋された前記[1]記載の偏光光学物品;
[5] 該アシルセルロース系偏光板の1つの面に当該面と同形のアシルセルロース以外の樹脂シートが貼付され、該アシルセルロース系偏光板のもう1つの面にバックアップ樹脂が成形され、該アシルセルロース系偏光板の該もう1つの面と該バックアップ樹脂層とが密着または熱接合され、該アシルセルロース系偏光板の外周面、および該樹脂シートの外周面、および該バックアップ樹脂の外周面に耐久性被覆材が被覆されてアシルセルロース系偏光板が包埋された前記[1]記載の偏光光学物品;
[6] 該アシルセルロース系偏光板の1つの面に当該面と同形のアシルセルロース以外の第1の樹脂シートが貼付され、もう1つの面に当該面と同形のアシルセルロース以外の第2の樹脂シートが貼付され、該第2の樹脂シート面にバックアップ樹脂層が成形され、該第2の樹脂シート面と該バックアップ樹脂層とが密着または熱接合され、該アシルセルロース系偏光板の外周面、および該第1の樹脂シートの外周面、および該第2の樹脂シートの外周面、および該バックアップ樹脂の外周面に耐久性被覆材が被覆されてアシルセルロース系偏光板が包埋された前記[1]記載の偏光光学物品;
[7] 該アシルセルロース系偏光板の1つの面に当該面と同形のアシルセルロース以外の第1の樹脂シートが貼付され、もう1つの面に当該面と同形のアシルセルロース以外の第2の樹脂シートが貼付され、該第2の樹脂シート面ならびに外周面、および該アシルセルロース系偏光板の外周面、および該第1の樹脂シートの外周面にバックアップ樹脂層が成形され、該第2の樹脂シート面ならびに外周面、および該アシルセルロール系偏光板の外周面、および該第1の樹脂シートと該バックアップ樹脂層とが密着または熱接合されてアシルセルロース系偏光板が包埋された前記[1]記載の偏光光学物品;
[8] 該アシルセルロース系偏光板の1つの面の少なくとも一部分にアシルセルロース以外の第1の樹脂シートが貼付され、もう1つの面の少なくとも一部分にアシルセルロース以外の第2の樹脂シートが貼付され、該第2の樹脂シート面ならびに外周面ならびに残りの面、および該アシルセルロール系偏光板の外周面、および該第1の樹脂シートの外周面ならびに残りの面にバックアップ樹脂層が成形され、該第2の樹脂シート面ならびに外周面ならびに残りの面、および該アシルセルロース系偏光板の外周面、および該第1の樹脂シートならびに残りの面と該バックアップ樹脂層とが密着または熱接合されてアシルセルロース系偏光板が包埋された前記[1]記載の偏光光学物品;
[9] 該樹脂シートまたは第1の樹脂シートが、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびポリエステル系樹脂よりなる群から選択されるいずれか1の樹脂からなることを特徴とする前記[3]〜[8]のいずれか1に記載の偏光光学物品;
[10] 該樹脂シートまたは第1の樹脂シートが、キャスト成形法で製造されたシートであることを特徴とする前記[3]〜[9]のいずれか1に記載の偏光光学物品;
[11] 該樹脂シートまたは第1の樹脂シートが、延伸法で製造されたシートであることを特徴とする前記[3]〜[9]のいずれか1に記載の偏光光学物品;
[12] 該第2の樹脂シートが、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびポリエステル系樹脂よりなる群から選択されるいずれか1の樹脂からなることを特徴とする前記[6]〜[8]のいずれか1に記載の偏光光学物品;
[13] 該バックアップ樹脂層が、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびポリエステル系樹脂よりなる群から選択されるいずれか1の樹脂からなることを特徴とする前記[2]〜[12]のいずれか1に記載の偏光光学物品;
[14] 偏光子シートをアシルセルロースシートで保護するアシルセルロース系偏光板をモールドにセットし、キャスト成形法で製造する、該アシルセルロース系偏光板を内部に包埋する偏光光学物品;
[15] 1)偏光子シートの両方の面にアシルセルロースシートを貼付してアシルセルロース系偏光板を製造し、
2)該アシルセルロース系偏光板を加熱して球面またはシリンダー形状に曲げ加工し、
3)該アシルセルロース系偏光板の1つの面に第1のバックアップ樹脂を射出成形し、
4)該アシルセルロース系偏光板のもう1つの面に、該アシルセルロース系偏光板から突出するように第2のバックアップ樹脂を射出成形して、該1のバックアップ樹脂と該第2のバックアップ樹脂とを該アシルセルロース系偏光板の外周面において密着または熱接合して該アシルセルロース系偏光板を包埋する
工程を含む偏光光学物品を製造する方法;
[16] 1)偏光子シートの両方の面にアシルセルロースシートを貼付してアシルセルロース系偏光板を製造し、
2)該アシルセルロース系偏光板の1つの面に当該面と同形の樹脂シートを貼付し、
3)該アシルセルロース系偏光板を、該樹脂シートが凸面になるように加熱して球面またはシリンダー形状に曲げ加工し、
4)該アシルセルロース系偏光板のもう1つの面および外周面にバックアップ樹脂を射出成形して、該樹脂シートと該バックアップ樹脂とを該アシルセルロース系偏光板の外周面において密着または熱接合して該アシルセルロース系偏光板を包埋する
工程を含む偏光光学物品を製造する方法;
[17] 1)偏光子シートの両方の面にアシルセルロースシートを貼付してアシルセルロース系偏光板を製造し、
2)該アシルセルロース系偏光板の1つの面の一部分に樹脂シートを貼付し、
3)該アシルセルロース偏光板を、該樹脂シートが凸面になるように加熱して球面またはシリンダー形状に曲げ加工し、
4)該アシルセルロース偏光板のもう1つの面および外周面ならびに該1つの面の残りの部分にバックアップ樹脂を射出成形して、該第1の樹脂シートと該バックアップ樹脂とを該アシルセルロース系偏光板の該1つの面において密着または熱接合して該アシルセルロース系偏光板を包埋する
工程を含む偏光光学物品を製造する方法;
[18] 1)偏光子シートの両方の面にアシルセルロースを貼付してアシルセルロース系偏光板を製造し、
2)該アシルセルロース系偏光板の1つの面に当該面と同形のアシルセルロース以外の樹脂シートを貼付し、
3)該アシルセルロース系偏光板を、該樹脂シートが凸面になるように加熱して球面またはシリンダー形状に曲げ加工し、
4)該アシルセルロース系偏光板のもう1つの面にバックアップ樹脂を射出成形して、該もう1つの面と該バックアップ樹脂とを密着または熱接合し、
5)該アシルセルロース系偏光板の外周面および該樹脂シートの外周面および該バックアップ樹脂の外周面に耐水性被覆材を被覆して該アシルセルロース系偏光板を包埋する
工程を含む偏光光学物品を製造する方法;
[19] 1)偏光子シートの両方の面にアシルセルロースを貼付してアシルセルロース系偏光板を製造し、
2)該アシルセルロース系偏光板の1つの面に当該面と同形のアシルセルロース以外の第1の樹脂シートを貼付し、
3)該アシルセルロース系偏光板のもう1つの面に当該面と同形のアシルセルロース以外の第2の樹脂シートを貼付し、
4)該アシルセルロース系偏光板を、該第1の樹脂シートが凸面になるように加熱して球面またはシリンダー形状に曲げ加工し、
5)該第2の樹脂シート面にバックアップ樹脂を射出成形して、該第2の樹脂シート面と該バックアップ樹脂とを密着または熱接合し、
6)該アシルセルロース系偏光板の外周面および該第1の樹脂シートの外周面および該第2の樹脂シートの外周面および該バックアップ樹脂の外周面に耐水性被覆材を被覆して該アシルセルロース系偏光板を包埋する
工程を含む偏光光学物品を製造する方法;
[20] 1)偏光子シートの両方の面にアシルセルロースシートを貼付してアシルセルロース系偏光板を製造し、
2)該アシルセルロース系偏光板の1つの面に当該面と同形のアシルセルロース以外の第1の樹脂シートを貼付し、
3)該アシルセルロース系偏光板のもう1つの面に当該面と同形のアシルセルロース以外の第2の樹脂シートを貼付し、
4)該アシルセルロース系偏光板の該第2の樹脂シート面および該アシルセルロース系偏光板の外周面にバックアップ樹脂を成形し、ついで
5)該アシルセルロース系偏光板の外周面において、該第1の樹脂シートと該第2の樹脂シートとバックアップ樹脂とを密着または熱接合して該アシルセルロース系偏光板を包埋する
工程を含む偏光光学物品を製造する方法;
[21] 1)偏光子シートの両方の面にアシルセルロースシートを貼付してアシルセルロース系偏光板を製造し、
2)該アシルセルロース系偏光板の1つの面の少なくとも一部分にアシルセルロース以外の第1の樹脂シートを貼付し、
3)該アシルセルロース系偏光板のもう1つの面の少なくとも一部分にアシルセルロース以外の第2の樹脂シートを貼付し、
4)該アシルセルロース系偏光板の該第2の樹脂シート面ならびに残りの面、および該アシルセルロース系偏光板の外周面、および該第1の樹脂シートの残りの面にバックアップ樹脂を成形し、ついで
5)該アシルセルロース系偏光板の外周面および該1つの面および該もう1つの面において、該第1の樹脂シートと該第2の樹脂シートとバックアップ樹脂とを密着または熱接合して該アシルセルロース系偏光板を包埋する
工程を含む偏光光学物品を製造する方法;
[22] 樹脂シートが貼付されたアシルセルロース系偏光板を打ち抜いた後に、該アシルセルロース系偏光板にバックアップ樹脂を成形する前記[16]、[18]〜[20]のいずれか1に記載の偏光光学物品を製造する方法
を提供する。
上記技術的課題を解決する本発明の技術手段は、偏光子シートの両方の面がアシルセルロースシートで保護されたアシルセルロース系偏光板をさらなるシートによって包埋して含む偏光光学物品を提供することにある。
本発明の他の技術手段は、偏光子シートをアシルセルロースシートで保護するアシルセルロース系偏光板を金型にインサートし、インサート成形法で製造する偏光光学物品において、該アシルセルロース系偏光板の前面、および後面に、バックアップ樹脂を射出成形し、該アシルセルロース系偏光板を内部に包埋する偏光光学物品にすることにある。
本発明の他の技術手段は、偏光子をアシルセルロースシートで保護するアシルセルロース系偏光板を金型にインサートし、インサート成形法で製造する偏光光学物品において、該アシルセルロース系偏光板の少なくとも1の面にアシルセルロース以外の第1の樹脂シートを貼付し、該第1の樹脂シートとは反対側の面にバックアップ樹脂を射出成形し、該第1の樹脂シートの端部とバックアップ樹脂とを密着、あるいは熱接合し、該アシルセルロース系偏光板を内部に包埋する偏光光学物品にすることにある。
本発明の他の技術手段は、偏光子をアシルセルロースシートで保護するアシルセルロース系偏光板を金型にインサートし、インサート成形法で製造する偏光光学物品において、該アシルセルロース系偏光板の少なくとも1つの面にアシルセルロース以外の第1の樹脂シートを貼付し、該第1の樹脂シートとは反対側の面にバックアップ樹脂を射出成形して作った、該アシルセルロース系偏光板の端面がレンズ表面に露出する偏光光学物品を耐水性被覆材で被覆する偏光光学物品にすることにある。
本発明の他の技術手段は、偏光子をアシルセルロースシートで保護するアシルセルロース系偏光板を金型にインサートし、インサート成形法で製造する偏光光学物品において、該アシルセルロース系偏光板の少なくとも1つの面にアシルセルロース以外の第1の樹脂シートを貼付し、該第1の樹脂シートとは反対側の面に、アシルセルロース以外の第2の樹脂シートを貼付し、第2の樹脂シートにバックアップ樹脂を射出成形し、第1の樹脂シートの端部とバックアップ樹脂とを密着、あるいは熱接合し、該アシルセルロース系偏光板を内部に包埋する偏光光学物品にすることにある。
本発明の他の技術手段は、偏光子をアシルセルロースシートで保護するアシルセルロース系偏光板を金型にインサートし、インサート成形法で製造する偏光光学物品において、該アシルセルロース系偏光板の少なくとも1つの面にアシルセルロース以外の第1の樹脂シートを貼付し、該第1の樹脂シートとは反対側の面に、アシルセルロース以外の第2の樹脂シートを貼付し、該第2の樹脂シートにバックアップ樹脂を射出成形して作った、該アシルセルロース系偏光板の端面がレンズ表面に露出する偏光光学物品を耐水性被覆材で被覆する偏光光学物品にすることにある。
本発明の他の技術手段は、第1の樹脂シートが、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂のいずれかのシートであることを特徴にする偏光光学物品にすることにある。
本発明の他の技術手段は、第1の樹脂シートが、キャスト成形法で作られたシートであることを特徴にする偏光光学物品にすることにある。
本発明の他の技術手段は、第1の樹脂シートが、延伸法で作られたシートであることを特徴にする偏光光学物品にすることにある。
本発明の他の技術手段は、第2の樹脂シートが、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂のいずれかのシートであることを特徴にする偏光光学物品にすることにある。
本発明の他の技術手段は、バックアップ樹脂が、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂のいずれかであることを特徴にする偏光光学物品にすることにある。
本発明の他の技術手段は、偏光子をアシルセルロースシートで保護するアシルセルロース系偏光板をモールドにセットし、キャスト成形法で製造する、該アシルセルロース系偏光板を内部に包埋する偏光光学物品にすることにある。
本明細書中において、シートまたは偏光板の「面」とは、長尺または円形のシートまたは偏光板の一番大きな面積を有する相反する2つの面のうちのいずれか1つの面をいい、「外周面」とは、該2つの面と直角をなす面をいう。
また、本明細書中において「密着」とは圧力をかけて複数の材料をくっつけることをいい、「熱接合」とは加熱下で複数の材料の接合する面を融解させてくっつけることをいう。
本明細書中において、「包埋する」とは、対象物が他の材料によって封じ込められることをいい、ここで対象物を封じ込めるために使用される他の材料には1または2種以上の材料が含まれる。
安価なアシルセルロース系偏光板、なかでもトリアセチルセルロース系偏光板(以下、本明細書中において「TAC偏光板」という)を用い、高い耐水性、高い耐衝撃性、高い偏光度の偏光光学物品(例えば、偏光ゴーグル、偏光サングラス、偏光度付きゴーグル、偏光度付きサングラス、偏光シールド)を安価に提供できる。
実施例1〜11で用いたTAC偏光板の断面図。 第2−1と第2−2の製造法で用いた第1の樹脂シートを貼付したTAC偏光板の断面図。 第3の製造法で用いた第1の樹脂シートと第2の樹脂シートを貼付したTAC偏光板の断面図。 実施例1の偏光光学物品の断面図。 実施例2〜11の偏光光学物品の見取り図(形状Aは、第1の樹脂シート、第2の樹脂シートを貼付したTAC偏光板の切り取り形状。球面形状Bは、曲げ加工した同偏光板の球面形状)。 実施例2〜7の偏光光学物品のX−X´断面図。 実施例8の偏光光学物品のX−X´断面図。 実施例9〜11の偏光光学物品のX−X´断面図。
本発明は、第1の態様において、アシルセルロース系偏光板を包埋して含む偏光光学物品を提供する。
本発明の偏光光学物品に用いるアシルセルロース系偏光板は、1の偏光子シートの両方の面を2のアシルセルロースシートで挟持および保護する積層構造体である。
偏光子シートの主成分は、通常、ポリビニルアルコールまたはその変性体である。
偏光子シートは、通常、湿式法で製造する。
偏光子シートの一般的な製法は、ポリビニルアルコールまたはその変性体の水溶解物を、スリット状口金を通して凝固浴の中に押し出し、シート状に製膜する。ついで、延伸浴を通し、4倍前後の延伸倍率で1軸延伸する。
高い偏光度を得るために、1軸延伸する前の段階、あるいは1軸延伸中または1軸延伸した後の段階で、ヨウ素または二色性染料を偏光子シートにドープすることができる。
本発明で用いる偏光子シートには、ヨウ素ドーピング法または染料ドーピング法のいずれの方法をも適用できる。ヨウ素を用いるヨウ素ドーピング法は、染料ドーピング法と比べて、偏光子シートに固有の着色を与えることが少ないうえ、高い偏光度が得られやすいので好ましい。
さらに、ヨウ素でドーピングする前、ドーピング中またはドーピング後に染料で染色することによって、高い偏光度を付与し、かつ、サングラスなどに適する色相にすることも可能である。反面、ヨウ素ドーピング法によりドープした偏光子シートは耐熱性に劣る欠点がある。
一方、染料ドーピング法によりドーピングした偏光子シートは、ヨウ素ドーピング法による偏光子シートよりも高い耐熱性を有するが、染料によって偏光度が異なるので、色相によっては、偏光度が異なることがある。また、ヨウ素ドーピング法に比べると、偏光度がやや劣る傾向にあると言われている。
一方、偏光子シートの耐水性を高めるために、凝固浴または延伸浴に、ポリビニルアルコールと錯体を形成するホウ酸やアルミニウム化合物のような無機化合物を添加することができる。
本発明で用いる偏光子シートは、約0.1mm以下の厚さのシートであり、偏光度が約80%以上、好ましくは約95%以上であることが好ましい。
本発明で用いるアシルセルロースシートは、好ましくはアセチルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロースなどのセルロースの脂肪酸エステルから製造される。なかでも、高い熱可塑性と溶媒への高い溶解性から、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、モノアセチルセルロースのようなアセチルセルロースが好ましく、トリアセチルセルロースを主成分にするアセチルセルロースが最も好ましい。
アシルセルロースシートの製法としては、一般に、押し出し成形法と、アシルセルロースを溶解した溶液を流延し、脱溶媒するキャスト製膜法が知られている。
押し出し成形法は、溶融したアシルセルロースを、押し出し成形機のスリット状口金からシート状に押し出し、引き取る製膜方法である。熱可塑性を高めるために、製膜前のアシルセルロースに可塑剤を加えることができる。また、口金から押し出したシートを、長手方向に延伸することもできる。
キャスト製膜法について、その製法の一つの態様を述べる。まず、原料であるアシルセルロースを、アセトンのような、低沸点で、かつアシルセルロースが高濃度に溶解する溶剤に溶解する。ついで、その溶液をベルトまたは平板の上へ流延し、加熱あるいは減圧処理により脱溶媒して、アシルセルロースシートにする。キャスト製膜法によれば、アシルセルロース分子に特定の向きの分子配向が与えられないので、光学的に均質なシートを製造することができる。そのため、キャスト製膜法により製造したアシルセルロースは、偏光子シートの保護シートとして好ましい。
アシルセルロースシートは、好ましくは約0.01〜1.5mm、より好ましくは約0.02〜1.2mmの厚さである。厚さが約0.01mm未満の場合はアシルセルロースシートの調製自体が困難になり、一方、厚さが約1.5mmを超える場合は偏光板の曲げ加工(後述)において、曲げにくくなる傾向がある。また、特にキャスト製膜法では、厚さが約1.5mmを超えると溶媒の除去が難しくなり、設備費が高額になる。
本発明で用いるアシルセルロース系偏光板は、偏光子シートとアシルセルロースシートとを接着剤または粘着剤を用いて貼り合わせて製造する。
本発明で用いる代表的な接着剤には、ポリビニルアルコール系、イソシアネート系、ポリウレタン系、ポリチオウレタン系、エポキシ系、酢酸ビニル系、アクリル系またはワックス系接着剤がある。
また、本発明で用いる代表的な粘着剤には、酢酸ビニル系、アクリル系粘着剤がある。
これらの接着剤あるいは粘着剤は、グラビアコーティング法、オフセットコーティング法、スクリーン印刷法など、通常用いられている塗布方法により、偏光子シート、アシルセルロースシートまたはその両方の貼り合わせる面に塗布する。接着剤あるいは粘着剤の塗布面で両者を積層し、貼り合せる。
アシルセルロース系偏光板は、好ましくは約100μm〜3.5mm程度、より好ましくは約200μm〜1.5mm程度の厚さである。厚さが約100μm未満の場合は偏光板の製造が困難になり、一方、厚さが約3.5mmを超える場合は、後述するように、偏光板を球面形状あるいはシリンダー形状に曲げ加工することが困難になる。
本発明で用いるバックアップ樹脂層は、好ましくはポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂またはポリエステル系樹脂からなる。
このうち、ポリカーボネート系樹脂としては、例えば、ポリビスフェノールAを骨格成分にするポリカーボネート、1,1'−ジヒドロキシジフェニル−フェニルメチルメタン、1,1'−ジヒドロキシジフェニル−ジフェニルメタンまたは1,1'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニル−2,2−プロパンを骨格成分にするポリカーボネートまたはそれらの共重合ポリカーボネートなどが含まれる。なかでも、良好な透明性と耐衝撃性から、ポリビスフェノールAを骨格成分にするポリカーボネートが好ましい。
また、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂としては、例えば、メチルメタアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどの単重合体またはそれらの共重合体などが含まれる。なかでも、複屈折が小さく、光学的異方性が少ないこと、入手が容易で、押し出し成形しやすいことから、ポリメチルメタアクリレートが好ましい。
また、ポリアミド系樹脂としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、m−キシリレンアミン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、3,3−ジメチル−4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタンまたはトリメチルヘキサメチレンジアミンなどのジアミン成分と、アジピン酸、ドデカン二酸、イソフタル酸またはテレフタル酸などのジカルボン酸成分との重縮合物、またはカプロラクタムなどラクタム類の重縮合物などが含まれる。なかでも、特に高透明性である必要性から、非晶性ナイロンまたは透明ナイロンといわれているポリアミドが好ましく、商業的に入手可能なエムス(EMS CHMEMIE)社の“グリルアミド(GRILAMID)”TR−55、“グリルアミド”TR−90、および、エボニック(Evonik)社の“トロガミド(TROGAMID)”CX−7323などが好ましい。
また、ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ジイソシアネートとジオールのウレタン重合体などが含まれる。
このうち、ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、メタキシレンジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイソシアネートおよび1,5−ナフタレンジイソシアネートに代表される芳香族ジイソシアネート類、および、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添TDIおよび水添MDIに代表される脂肪族ジイソシアネート類などが含まれる。これらのジイソシアネートは単独または混合して用いることができる。なかでも、黄変性が低いため、脂肪族ジイソシアネート類が好ましい。
一方、ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコールおよび1,6−ヘキシレングリコールに代表される脂肪族グリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・プロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールに代表されるポリエーテル系グリコール類、カプロラクトン系、アジペート系およびコポリエステル系に代表されるポリエステル系グリコール類、カーボナート系グリコール類、および、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物に代表される芳香族グリコール類などが含まれる。これらのジオールは、単独または混合して用いることができる。なかでも、無黄変性や耐加水分解性、透明性(非晶性)から、ポリエーテル系グリコール類およびポリエステル系グリコール類が好ましく、商業的に入手可能なBASF社のポリエステル系ポリウレタン“エラストラン(ELASTOLLAN)”ET590、“エラストラン”ET595、“エラストラン”ET598や、同社のポリエーテル系ポリウレタンなどが好ましい。
また、ポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸とジオールとのエステル重合体などが含まれる。ここで、ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸およびイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸などが含まれ、ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ブチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが含まれる。高い透明性が得られることから、ポリエチレンテレフタレートおよびその共重合物、および、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合物が好ましい。
本発明で用いるバックアップ樹脂層は、アシルセルロース系偏光板の全面を包埋するように成形する場合、アシルセルロース系偏光板の1つの面および外周面を包埋するように成形する場合などがある。
本発明で用いるバックアップ樹脂は、プラ1レンズ、度付きレンズ、セミフィニッシュレンズなどの製造するレンズの用途により、一様な厚さにしたり、レンズ光路差を均一にして光学性能を良好にするためにレンズの部分によって変化させることができるが、一般的には0.5〜3.0mmの厚さである。厚さが約0.5mm未満の場合は成形性が悪くなり、一方、厚さが約3.0mmを超える場合は屈折力が生じて光学性能が低下する。
本発明で用いる第1の樹脂シートまたは第2の樹脂シートとしては、例えば、キャスト成形法で成形したキャスト法シート、および、熱可塑性樹脂の押し出し成形法で成形した押し出し法シートなどが含まれる。
第1の樹脂シートと第2の樹脂シートとは、同じ材料または異なる材料からなる場合がある。
このうち、キャスト法シートには2種類あり、アシルセルロース溶液からアシルスセルロースシートを製膜するときに用いたのと同じ方法による流延/脱溶媒法シートと、対置した2枚のガラス板の間にモノマーを充填し、重合する板間重合法シートとが含まれる。
このうち、流延/脱溶媒法シートとしては、例えば、アンダマンタン環やシクロペンタン環を主鎖に有する主鎖炭化水素樹脂やポリイミドなどのシートが含まれる。
また、板間重合法シートとしては、例えば、ポリメチルメタクリレートのような(メタ)アクリレート類やウレタン(メタ)アクリレート類のシートまたはポリウレタン樹脂などのシートが含まれる。
板間重合法は、流延/脱溶媒法と比べて、設備的また技術的に簡便な方法であり、本発明では板間重合法シートが好ましく用いられる。
キャスト法シートは、後述する押し出し法シートと比べて、ランダムな分子配向になりやすく、光学的に均一なシートが得られやすい。そのため、本発明の偏光光学物品は、キャスト法シートを第1の樹脂シートとする場合は、偏光度の低下が少なく、好ましい。
一方、押し出し法シートは、押し出し成形機のスリット状口金から熱可塑性樹脂をシート状に押し出し、引き取った樹脂シートである。
好ましく用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、メチルメタアクリレートやシクロヘキシルメタクリレートなどの単重合体または共重合体を含むポリ(メタ)アクリレート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン・メチルメタクリレート系樹脂、アクリロニトリル・スチレン系樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、アンダマンタン環やシクロペンタン環を主鎖に有する主鎖炭化水素系樹脂、および、これらの間の透明性ポリマーアロイなどが含まれる。
なかでも、透明性、無色性、耐衝撃性、耐熱性、硬度などの観点から、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびポリエステル系樹脂、および、これらの間の透明性ポリマーアロイが好ましい。
押し出し法シートとして用いられるポリカーボネート系樹脂としては、例えば、ポリビスフェノールAを骨格成分にするポリカーボネート、1,1'−ジヒドロキシジフェニル−フェニルメチルメタン、1,1'−ジヒドロキシジフェニル−ジフェニルメタン、1,1'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニル−2,2−プロパンを骨格成分にするポリカーボネート、および、これらの共重合ポリカーボネートなどが含まれる。なかでも、良好な透明性と耐衝撃性の観点から、ポリビスフェノールAを骨格成分にするポリカーボネートが好ましい。また、良好な耐衝撃性と耐薬品性の観点から、ポリビスフェノールAを骨格成分にするポリカーボネートとポリエチレングリコールテレフタレートとのポリマーアロイも好ましい。
押し出し法シートとして用いられるポリ(メタ)アクリレート系樹脂としては、例えば、メチルメタアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどの単重合体およびそれらの共重合体などが含まれる。なかでも、複屈折が小さく、光学的異方性が少ないこと、入手が容易で、押し出し成形しやすいことから、ポリメチルメタアクリレートが好ましい。
押し出し法シートとして用いられるポリアミド系樹脂としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、m−キシリレンアミン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、3,3−ジメチル−4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタンおよびトリメチルヘキサメチレンジアミンなどのジアミン成分と、アジピン酸、ドデカン二酸、イソフタル酸およびテレフタル酸などのジカルボン酸成分との重縮合物、および、カプロラクタムなどラクタム類の重縮合物などが含まれる。なかでも、高透明性である必要性から、非晶性ナイロンあるいは透明ナイロンといわれているポリアミドが好ましく、商業的に入手可能なエムス(EMS CHMEMIE)社の“グリルアミド(GRILAMID)”TR−55、“グリルアミド”TR−90、エボニック(Evonik)社の“トロガミド(TROGAMID)”CX−7323などが好ましい。透明ナイロンは、一般的に、ポリカーボネート系樹脂よりも光学的異方性が少ない特徴がある。また、耐溶剤性がポリカーボネート系樹脂より高い傾向がある。
押し出し法シートとして用いられるポリウレタン系樹脂としては、例えば、ジイソシアネートとジオールとのウレタン重合体などが含まれる。
このうち、ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、メタキシレンジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイソシアネートおよび1,5−ナフタレンジイソシアネートに代表される芳香族ジイソシアネート類、および、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添TDIおよび水添MDIに代表される脂肪族ジイソシアネート類などが含まれる。これらのジイソシアネートは単独または混合して用いることができる。黄変性が低いため、脂肪族ジイソシアネート類が好ましい。
一方、ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコールおよび1,6−ヘキシレングリコールに代表される脂肪族グリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・プロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールに代表されるポリエーテル系グリコール類、カプロラクトン系、アジペート系およびコポリエステル系に代表されるポリエステル系グリコール類、カーボナート系グリコール類、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物に代表される芳香族グリコール類などが含まれる。これらのジオールは、単独または混合して用いることができる。無黄変性や耐加水分解性、透明性(非晶性)から、ポリエーテル系グリコール類およびポリエステル系グリコール類が好ましく、商業的に入手可能なBASF社のポリエステル系ポリウレタン“エラストラン(ELASTOLLAN)”ET590、“エラストラン”ET595、“エラストラン”ET598や、同社のポリエーテル系ポリウレタンが好ましい。
押し出し法シートとして用いられるポリエステル系樹脂には、例えば、ジカルボン酸とジオールのエステル重合体などが含まれる。このうち、ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸およびイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸が含まれ、一方、ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ブチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが含まれる。高い透明性が得られることから、ポリエチレンテレフタレートおよびその共重合物、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合物が好ましい。
本発明で用いる第1の樹脂シートおよび第2の樹脂シートは、通常、約0.01〜2.0mm、好ましくは約0.03〜1.5mmの厚さである。厚さが約0.01mm未満の場合は、樹脂シートとバックアップ樹脂層との熱接合性や密着性が低くなりやすく、偏光光学物品の中にアシルセルロース系偏光板を包埋しにくくなり、一方、厚さが約2.0mmを超える場合は、後述する偏光板の曲げ加工時に加える熱が行き渡りにくく、曲げ加工が困難になる場合がある。
また、これら樹脂シートには、染料や顔料のほか、フォトクロミック色素や赤外線吸収色素などの機能性色素を含有することができる。
さらに、本発明の偏光光学物品は、所望により、少なくともいずれかの側の表面をハードコート加工することもできる。ハードコートとしては、シラン系、エポキシ系などの熱硬化型ハードコート、アクリル系、エポキシ系などの活性光線硬化型ハードコートなど一般に用いられているいずれのタイプのハードコートが含まれる。ハードコートは、通常、約0.5〜15μm程度の膜厚にするが、密着性向上などを目的に、アクリレート系などのプライマーコート層をコートした上にハードコート層を付与することもできる。本発明においては、これらプライマーコートおよびハードコートのいずれか一方または両方を耐水性被覆材という場合がある。
また、本発明の偏光光学物品は、所望により、少なくともいずれかの側の表面を反射防止加工することもできる。反射防止加工は、通常はハードコートの上へ、真空蒸着法などにより、2〜8層程度の無機質膜を光学膜厚で積層するか、湿式法で1〜3層程度の有機膜を光学膜厚で積層する。
また、本発明の偏光光学物品は、所望により、少なくともいずれかの側の表面を防曇加工することもできる。防曇加工は、通常はポリビニルアルコール系やポリビニルピロリドン系などの親水性樹脂を、約1〜50μm程度の膜厚で付与する。また、本発明の偏光光学物品は、所望により、少なくともいずれかの側の表面を防汚加工することもできる。防汚加工は、通常は反射防止膜の指紋汚れなど有機物質による汚染を防止し、汚染しても容易に拭き取れるようにすることを目的にする。真空蒸着法または湿式法で、フッ素系有機化合物を数10nmからμmオーダまでの膜厚で付与するのが一般的である。
また、本発明の偏光光学物品は、所望により、少なくともいずれかの側の表面をミラー加工することもできる。ミラー加工は、通常はハードコートの上へ、真空蒸着法により、アルミニウムや銀、金、白金などの金属膜を付与するのが一般的である。
本発明の偏光光学物品は、原則、枠入れ加工は行わずに使用することが本来の発明の目的に合致する。かりに枠入れ加工を行う場合でも、アシルセルロース系偏光板の外周面が露出しない段階で止めておくのが好ましい。枠入れ加工によってアシルセルロース系偏光板の外周面が露出した場合は、少なくともアシルセルロース系偏光板の外周面を耐水性被覆材で被覆することが必要になる。すなわち、枠入れ加工後の偏光光学物品を、一般的にはディッピング法によって、プライマーコートやハードコートに代表される耐水性被覆材で覆うことが必要になる。
本発明は、第2の態様において、上記した偏光光学物品の製造方法を提供する。
本発明の偏光光学物品の製造方法は、
1)偏光子シートの両方の面にアシルセルロースシートを貼付してアシルセルロース系偏光板を製造する工程、および
2)該アシルセルロース系偏光板の両方の面および外周面にバックアップ樹脂、樹脂シートおよび/または耐水性被覆材を成形、貼付および/または被覆して該アシルセルロース系偏光板を包埋する工程
を含む。
パックアップ樹脂の射出成形または樹脂シートの貼付工程は、曲げ加工する前後に、アシルセルロース系偏光板のいずれかまたは両方の面に行うことができる。
また、アシルセルロース系偏光板にキズが付くのを防止するために、曲げ加工する前に、アシルセルロース系偏光板のいずれかまたは両方の面に保護シートを貼付することもできる。
アシルセルロース系偏光板を本発明の偏光光学物品に適用する態様として、次の3ケースが考えられる。
すなわち、アシルセルロース系偏光板をそのまま用いる場合(ケース1)と、アシルセルロース系偏光板の1つの面に、予めアシルセルロース以外の第1の樹脂シートを貼付する場合(ケース2)と、アシルセルロース系偏光板の両方の面に、予めアシルセルロース以外の第1の樹脂シートおよび第2の樹脂シートをそれぞれ貼付する場合(ケース3)である。
ケース1では、アシルセルロース系偏光板の1つの面または両方の面に、バックアップ樹脂やキャスト成形樹脂との熱接合性または親和性を増す目的で、接着剤または粘着剤を塗布することがある。
製法の一つの態様を述べれば、横長の口金からシート状に押し出した溶融樹脂を回転ロールに受け、冷却、固化する。
樹脂シートには、延伸するものとしないものの2種類がある。すなわち、冷却、固化過程で、いずれの方向にも延伸しない無延伸法シートと、いずれかの方向に延伸する延伸法シートである。
無延伸法シートは、シートのあらゆる場所において、本来、ランダムな分子配向になるはずであるが、押し出しから冷却過程において、シートが受けるせん断力や冷却速度が局所的に異なるため、必ずしもそうはならない。すなわち、長尺方向および厚み方向の分子配向が局所的に異なるため、光学的な意味での均質シートにならない。こうした光学的に不均質なシートをアシルセルロース系偏光板の対物側に貼付すると、ゴーグルやサングラスの偏光度を低下するおそれがある。
そのため、特に対物側に貼付する第1の樹脂シートは、分子配向性が実質的に無いか、一定方向にそろえられていることが好ましい。
延伸法シートには、1軸方向(縦方向)にのみ延伸する1軸延伸シートと、2軸方向(縦横方向)に延伸する2軸延伸シートがある。
1軸延伸シートと2軸延伸シートはシート内の分子配向を延伸方向にそろえることができるので、対物側に貼付する第1の樹脂シートとして好ましい。
1軸延伸シートの場合は、偏光子の延伸方向と、第1の樹脂シートの延伸方向を一致させることによって、偏光度の低下を防ぐことができる。
また、2軸延伸シートの場合は、偏光子の延伸方向と、第1の樹脂シートの2軸の延伸方向のいずれかの方向とを一致させることによって、偏光度の低下を防ぐことができる。
延伸法シートは、延伸倍率が高いほど分子配向がシャープになるため、1軸または2軸の延伸方法に関係なく、約1.5倍以上の延伸倍率のシートであることが好ましい。第1の樹脂シートと第2の樹脂シートに用いる樹脂シートは、キャスト法シートと押し出し法シートのいずれであってもよい。
先述のケース2では、アシルセルロース系偏光板の1つの面に、樹脂シートを貼付する。
先述のケース3では、アシルセルロース系偏光板の両方の面に、それぞれ、第1の樹脂シートおよび第2の樹脂シートを貼付する。
第1の樹脂シートと第2の樹脂シートとは、樹脂と延伸倍率が同一のものであってもよいし、樹脂のみ同一で延伸倍率の異なるものであってもよいし、樹脂も延伸倍率も異なるものであってもよい。
貼付には、接着剤または粘着剤を用いる。接着剤としては、例えば、イソシアネート系、ポリウレタン系、ポリチオウレタン系、エポキシ系、酢酸ビニル系、アクリル系、ワックス系接着剤などが含まれる。また、粘着剤としては、例えば、酢酸ビニル系、アクリル系などが含まれる。
接着剤または粘着剤には、染料や顔料のほか、フォトクロミック色素や赤外線吸収色素などの機能性色素が含まれてもよい。
接着剤または粘着剤は、グラビアコーティング法、オフセットコーティング法など通常の方法を用いて塗布する。
第1の樹脂シートを貼付するにあたり、第1の樹脂シートが押し出し法シートであり、かつ、1軸延伸か2軸延伸されており、第1の樹脂シートを本発明の偏光光学物品の対物側に用いる場合は、偏光子の延伸方向と第1の樹脂シートの延伸方向が一致するように貼付することが、偏光度を高めるため好ましい。
本発明の偏光光学物品は、主に、サングラスや矯正レンズ、ゴーグルまたは顔面シールドとして使われるため、該偏光光学物品は、レンズ形状やシリンダー形状であることが好ましい。
この目的のために、アシルセルロース系偏光板、第1の樹脂シートを貼付したアシルセルロース系偏光板、または、第1の樹脂シートおよび第2の樹脂シートを貼付したアシルセルロース系偏光板は、予めレンズ形状やシリンダー形状などへ、用途に合った形状になるように曲げ加工する。
曲げ加工は、アシルセルロース系偏光板自体、第1の樹脂シートを貼付したアシルセルロース系偏光板、または、第1および第2の樹脂シートを貼付したアシルセルロース系偏光板を金型に入れ、加熱条件下でプレス加工するか、減圧吸引加工するか、あるいは両者の組み合わせで加工する。
プレス加工、減圧吸引加工のいずれにおいても、偏光子シート、アシルセルロースシート、第1および第2の樹脂シートの少なくともいずれかのシートのガラス転移温度よりも高い金型温度や環境温度にする必要がある。
ケース1では、アシルセルロース系偏光板のいずれの面が凸面になってもよい。ケース2とケース3では、一般に、第1の樹脂シートが凸面側にくるようにする。
本発明の偏光光学物品の製造方法には各種の実施態様がある。
代表的な方法は、射出成形機を用いる。射出成形機の金型内にインサートした曲げ加工ずみのアシルセルロース系偏光板に、バックアップ樹脂を射出成形する、いわゆるインサート射出成形法と呼ばれる手法である。
インサート射出成形法には、いくつかの方法がある。球面レンズを製造する場合の方法について、いくつかを例示する。
第1の製造方法
金型直径よりも小さな径のアシルセルロース系偏光板を用意し、球面形状に曲げ加工する。「金型直径よりも小さな径のアシルセルロース系偏光板」とは、曲げ加工した後の見かけの直径が金型直径よりも小さいことを意味する(以下同じ)。
曲げ加工した該アシルセルロース系偏光板を、凸面を下にして、縦型射出成形機の金型の中央に、水平にセットする(横型射出成形機の場合は、垂直にセットする。以下同じ)。金型を閉じ、後面にバックアップ樹脂を射出成形する。出来上がったものは、凸面が偏光板、凹面がバックアップ樹脂のレンズ状物であり、かつ、アシルセルロース系偏光板径よりもバックアップ樹脂部の径が大きいので、偏光板の外縁部にバックアップ樹脂がリング状に延在する。
上記成形体を射出成形機の金型にセットし、今度は凸面側にバックアップ樹脂を射出成形する。
その結果、アシルセルロース系偏光板の外縁部のリング状部分において、レンズ後面のバックアップ樹脂と前面のバックアップ樹脂が接合されることになり、内部にアシルセルロース系偏光板を包埋する偏光光学物品が製造される。水や湿度に弱いアシルセルロース系偏光板をバックアップ樹脂に包埋することによって、雨や汗などの外部環境から守ることができる。
第2−1の製造方法
金型直径よりも小さな径のアシルセルロース系偏光板を用意し、該アシルセルロース系偏光板の直径よりわずかに大きいか、同じか、わずかに小さい第1の樹脂シートを、該アシルセルロース偏光板の中央に貼付する。該アシルセルロース系偏光板に事前に該第1の樹脂シートを貼付しておき、打ち抜き加工すれば、該アシルセルロース系偏光板と該第1の樹脂シートの直径が同じにできる。
その結果、アシルセルロース系偏光板と第1の樹脂シートの直径差により、第1の樹脂シートがアシルセルロース系偏光板に対し、わずかに余るか、ちょうど良いか、わずかに足りない積層体が製造される。第1の樹脂シートを貼付した反対側の面には、バックアップ樹脂との接合性を増す目的で、接着剤が塗布されていてもよい。
該積層体を、第1の樹脂シート側が凸面にくるように球面またはシリンダー形状に曲げ加工する。曲げ加工した該積層体の凸面を下にして、該積層体を縦型射出成形機の金型の中央に、水平にセットする。金型を閉じ、後面にバックアップ樹脂を射出成形する。
偏光板の径よりもバックアップ樹脂部の径が大きいので、出来上がったものは、偏光板の外縁部にバックアップ樹脂がリング状に延在するレンズとなる。なおかつ、第1の樹脂シートの端部とバックアップ樹脂とが密着するか、熱接合することになる。
第1の樹脂シートがアシルセルロース系偏光板に対し、わずかに足りない積層体では、バックアップ樹脂が第1の樹脂シート側へ回りこんで、第1の樹脂シートの端部とバックアップ樹脂と密着するか熱接合する。
その結果、第1の樹脂シートがアシルセルロース系偏光板に対し、わずかに足りない積層体であっても、アシルセルロース系偏光板がバックアップ樹脂と第1の樹脂シートに包埋された状態の偏光光学物品が製造される。この場合の包埋は、アシルセルロース系偏光板が第1の樹脂シートとバックアップ樹脂の中に閉じ込められた状態を意味し、水や湿度に弱いアシルセルロース系偏光板を雨や汗などの外部環境から守ることができる。
第2−2の製造方法
金型直径とほぼ等しい径のアシルセルロース系偏光板を用意し(該アシルセルロース系偏光板に、事前に該第1の樹脂シートを貼付しておき、打ち抜き加工すれば、該アシルセルロース系偏光板と該第1の樹脂シートの直径が同じにできる)、該アシルセルロース系偏光板の直径とほぼ同等の第1の樹脂シートを、該アシルセルロース偏光板の中央に貼付して積層体にする。「金型直径とほぼ等しい径のアシルセルロース系偏光板」とは、曲げ加工した後の見かけの直径が金型直径とほぼ等しいことを意味する。
該積層体を、第1の樹脂シートが凸面にくるように球面またはシリンダー形状に曲げ加工する。曲げ加工した該積層体の凸面を下にして、縦型射出成形機の金型の中央に、水平にセットする。金型を閉じ、後面にバックアップ樹脂を射出成形する。
偏光板の径とバックアップする樹脂の径がほぼ等しいので、出来上がったものは、アシルセルロース系偏光板の外周面が露出した偏光光学物品になる。
この状態では、アシルセルロース系偏光板の露出面が水に弱いので、アシルセルロース系偏光板の少なくとも外周面だけは耐水性被覆材で被覆することが好ましい。被覆材がプライマーコートやハードコートの場合であって、該偏光光学物品の全体をディッピング法によって被覆する場合は、本発明の好ましい実施態様の1つである。
その結果、アシルセルロース系偏光板の外周面を、第1の樹脂シートとバックアップ樹脂と被覆材とで包埋する偏光光学物品が製造される。
この場合の包埋は、アシルセルロース系偏光板がバックアップ樹脂と第1の樹脂シートと耐水性被覆材との中に閉じ込められた状態を意味し、水や湿度に弱いアシルセルロース系偏光板を、雨や汗などの外部環境から守ることができる。
第2−2の製造方法では、第1の樹脂シートのほか、第2の樹脂シートが貼付されていてもよい。
第3の製造方法
第2−1の製造方法と同様にして、金型直径よりも小さな径のアシルセルロース系偏光板を用意し、該アシルセルロース系偏光板の直径よりもわずかに大きいか、ほほ同じか、わずかに小さい第1の樹脂シートを、該アシルセルロース系偏光板の中央に貼付して積層体を製造する。
第1の樹脂シートとは反対側の面に、該アシルセルロース系偏光板の直径とほぼおなじ直径の第2の樹脂シートを貼付する。その結果、アシルセルロース系偏光板を第1の樹脂シートおよび第2の樹脂シートで挟持した積層体が製造される。該アシルセルロース系偏光板に、事前に該第1の樹脂シートと該第2の樹脂シートを貼付しておき、打ち抜き加工すれば、該アシルセルロース系偏光板と該第1の樹脂シートと該第2の樹脂シートの直径が一致した積層体にできる。
該積層体を、第1の樹脂シートが凸面にくるように球面またはシリンダー形状に曲げ加工する。曲げ加工した該積層体の凸面を下にして、縦型射出成形機の金型の中央に水平にセットする。金型を閉じ、後面にバックアップ樹脂を射出成形する。
積層体の径よりもバックアップ樹脂部の径が大きいので、出来上がったものは、偏光板の外縁部に、バックアップ樹脂がリング状に延在するレンズとなる。なおかつ、第2−1の製造方法と同様、第1の樹脂シートの端部とバックアップ樹脂とが密着するか、熱接合することになる。
第2の樹脂シートとバックアップ樹脂が熱接合する場合は、積層体とバックアップ樹脂との強固な接合が得られるのが、第3の製造方法の特徴である。
その結果、バックアップ樹脂と第1の樹脂シートと第2の樹脂シートの中に、アシルセルロース系偏光板が包埋された偏光光学物品が製造される。
この場合の包埋は、アシルセルロース系偏光板がバックアップ樹脂と第1の樹脂シートと第2の樹脂シートの中に閉じ込められた状態を意味し、水や湿度に弱いアシルセルロース系偏光板を、雨や汗などの外部環境から守ることができる。
縦型射出成形機は、インサートを金型の中央に水平にセットする方式であり、重力を利用してインサートを金型に安定セットするので、有利な方法である。そのため、第1〜3の製造方法では、いずれも縦型射出成形機を使用する例を示した。
しかし、インサートを垂直にセットする横型射出成形機でも、例えば、金型にインサートを減圧吸引して固定する方法をとれば、インサートを金型に安定セットできるので、横型射出成形機も使用可能である。
本発明の偏光光学物品のバックアップ樹脂として、好ましく用いられる熱可塑性樹脂は、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、メチルメタアクリレートやシクロヘキシルメタクリレートなどの単重合体、共重合体を含むポリ(メタ)アクリレート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン・メチルメタクリレート系樹脂、アクリロニトリル・スチレン系樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、アンダマンタン環やシクロペンタン環を主鎖に持つ主鎖炭化水素系樹脂と、これらの間の透明性ポリマーアロイなどが挙げられる。なかでも、透明性、無色性、耐衝撃性、耐熱性、硬度などから、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂と、これらの透明性ポリマーアロイがとくに好ましく用いられる。
いずれも、基本的には、第1の樹脂シートおよび第2の樹脂シートに用いられる樹脂であれば、好適に用いられる。
第1の樹脂シートとバックアップ樹脂、第2の樹脂シートとバックアップ樹脂とは、その境界面や端部において熱接合する方が、偏光光学物品の中にアシルセルロース系偏光板を包埋し、水や汗や湿度を遮蔽する効果が高まるので、第1の樹脂シートとバックアップ樹脂、第2の樹脂シートとバックアップ樹脂とは、化学的に同系統の素材である場合や、化学的に同系統でなくても、相互に熱接合する関係にある場合が好ましい組み合わせとなる。
本発明の第1〜第3の製造方法は、特に偏光レンズの製造に適する。ただし、出来上がったレンズは眼鏡フレームに枠入れするために、レンズの周囲を研磨すると、せっかく包埋したアシルセルロース系偏光板の端面が露出し、雨や汗や湿度からアシルセルロース系偏光板を保護できなくおそれが高い。
そのため、第1〜第3の製造方法では、枠入れのための研磨はアシルセルロース系偏光板の外周面が露出しないところまでで止めておく。
本発明が最も適する偏光光学物品は、枠入れのためにレンズ周囲を研磨する必要のない形状のものである。その代表例は、レンズとフレームとが一体的に成形される眼鏡タイプのもの、あるいは、レンズとフレームとが一体的に成形されるアイカップタイプのも、あるいは、レンズとフレームとが一体的に成形されるゴーグルタイプのものである。
実施態様の1つとして、本発明の製造方法にはいわゆるキャスト成形法と呼ばれる方法がある。
キャスト成形法にも、いくつかの方法がある。本発明の偏光光学物品のうち、球面形状レンズを製造する方法について、いくつかの例を示す。
第4の製造方法:曲げ加工後の直径がガラスモールドのプレート直径よりいくぶん小さいアシルセルロース系偏光板を曲げ加工して、球面形状にする。「ガラスモールドのプレート直径よりいくぶん直径の小さいアシルセルロース系偏光板」とは、曲げ加工した後の見かけの直径が、ガラスモールドのプレート直径よりいくぶん小さい意味である。
ガラスモールドのプレートの凹面側に何滴かのレンズ成形用モノマーを垂らし、その面の中央に、曲げ加工した該偏光板の凸面を密着させる。モノマーの界面張力によって、該偏光板とガラスモールドのプレートの界面に広がり、偏光板がガラスモールドのプレートに密着する。
偏光板の密着したガラスモールドのプレートに、もう1枚のガラスモールドのプレートを対置し、2枚のガラスモールドのプレートの外周に粘着テープを巻き、レンズ成形用のガラスモールドを組み立てる。出来上がったガラスモールドの中に、レンズ成形用モノマーを充填し、重合し、レンズを成形する。
その結果、内部にアシルセルロース系偏光板を包埋するキャスト成形法レンズが製造される。この場合の包埋は、アシルセルロース系偏光板がレンズ成形用モノマーの重合体の中に閉じ込められた状態を意味し、水や湿度に弱いアシルセルロース系偏光板を、雨や汗などの外部環境から守ることができる。
第5の製造方法:曲げ加工後の直径がガラスモールドのプレート直径よりいくぶん小さいアシルセルロース系偏光板を曲げ加工して、球面形状にする。
曲げ加工したアシルセルロース系偏光板を中空に固定できる構造をそなえた2枚のガラスモールドのプレートの間に、該アシルセルロース系偏光板を挿入し、該アシルセルロース系偏光板を固定する。ガラスモールドのプレートの周囲を粘着テープで巻いて、レンズ成形用のガラスモールドを組み立てる。
出来上がったガラスモールドのなかに、レンズ成形用モノマーを充填し、重合し、レンズを成形する。
その結果、内部にアシルセルロース系偏光板を包埋するキャスト成形法レンズが製造される。この場合の包埋は、アシルセルロース系偏光板がレンズ成形用モノマーの重合体の中に閉じ込められた状態を意味し、水や湿度に弱いアシルセルロース系偏光板を、雨や汗などの外部環境から守ることができる。
第4および第5の製造方法も、偏光レンズの製造に適する。ただし、この場合も、出来上がったレンズを眼鏡フレームに枠入れするために、レンズの周囲を研磨すると、せっかく包埋したアシルセルロース系偏光板の端面が露出し、雨や汗や湿度からアシルセルロース系偏光板を保護できなくおそれが高い。
そのため、枠入れのための研磨はアシルセルロース系偏光板の外周面が露出しないところまでで止めておく。
実施例1 第1の製造法例
1軸延伸法と染料ドーピング法で調製された厚さ約30μmのポリビニルアルコールシート(3)の両方の面を2枚のセルローストリアセテートシート(1aおよび1b)(厚さ約100μm。キャスト製膜法で調製)で侠持し、接着剤(2aおよび2b)で貼付した、全体の厚さ約450μmのアシルセルロース系偏光板(4a)(住友化学製。以下TAC偏光板と呼称する)を用意した。
TAC偏光板の両方の面に、ポリエステル系ポリウレタン接着剤を約20μmの厚さで塗布し、リリース機能のあるポリプロピレン保護シートを貼付した。
つづいて、このTAC偏光板を直径78mmの円形に切り取り、約125℃の条件で8カーブの球面形状に曲げ加工した。つづいて、凹面側のポリプロピレン保護シートを剥離除去した。
つづいて、直径83mm、かつ8カーブの球面形状を有する金型をそなえた縦型射出成形機の凹面金型の中央に、該曲げ加工したTAC偏光板をインサートとして、水平にセットした。
凹面金型と凸面金型を重ね合わせて金型を閉じ、TAC偏光板の凹面側に、高い耐衝撃性で知られるポリカーボネート樹脂をバックアップ樹脂として射出成形した。出来上がったものは、凸面がTAC偏光板、凹面が厚さ約1mmのポリカーボネート樹脂のレンズ状物であり、かつ、偏光板の外縁部に、約4mm幅のポリカーボネート樹脂のリングが延在した。
つづいて、該レンズ状物の凸面側のポリプロピレン保護シートを剥離、除去する。該レンズ状物を縦型成形機の凸面金型の中央に吸引固定し、凸面側にポリカーボネート樹脂をバックアップ樹脂として射出成形した。
出来上がったものは、TAC偏光板が偏光光学物品の中央にあり、TAC偏光板の凸面側と凹面側とが、それぞれ厚さ約1mmのポリカーボネート樹脂で覆われ、かつ、TAC偏光板の外縁部を、約4mm幅でポリカーボネート樹脂に隈取された偏光光学物品である。
出来上がった偏光光学物品の偏光度は96.1%であった。また、該光学物品を室温の水に72時間浸漬したところ、TAC偏光板が剥離することはなく、雨や汗などの外部環境からTAC偏光板をよく保護していることが分かった。
実施例2 第2−1の製造法例
実施例2においては、レンズとフレームとが一体的に成形される1眼のゴーグルタイプの偏光光学物品で例示する。
第1の樹脂シートとして、押し出し成形法で作った厚さ約100μmの無延伸ポリカーボネート樹脂シートを準備しておき、その1つの面に、貼付用接着剤としてポリエステル系ポリウレタンを約20μmの厚さで塗布した。
該第1の樹脂シートの接着剤面を実施例1で用いたTAC偏光板に重ね合わせ、貼付して積層体を製造した。
ついで、該積層体の第1の樹脂シートとは反対側の面に、ポリエーテル系ポリウレタン接着剤を約20μmの厚さで塗布し、その部分に、リリース機能のあるポリプロピレン保護シートを貼付した。
ついで、該積層体の偏光子の延伸方向と、ゴーグルの左右の眼を結ぶ方向とを一致するようにして、両眼の視野部と鼻部の窪みのある形状Aを打ち抜き法で切り取った(図5参照)。
ついで、ポリカーボネート樹脂シート(第1の樹脂シート)が凸面にくるように、該積層体を、約125℃の条件で曲げ加工し、ゆるい球面形状Bにした(図5参照)。ついで、ポリプロピレン保護シートを剥離除去した。
ついで、形状Aよりわずかに大きく、かつ球面形状Bと同じ曲面を有する金型をそなえた縦型射出成形機の凹面金型の中央に、ポリカーボネート樹脂シート(第1の樹脂シート)を凸面にする該積層体をインサートとして、水平にセットする。
凹面金型と凸面金型を重ね合わせて金型を閉じ、TAC偏光板の凹面側(接着剤塗布面)にポリカーボネート樹脂をバックアップ樹脂として射出成形した。
出来上がった偏光光学物品のレンズ部分は、TAC偏光板が偏光光学物品の中央にあり、凸面がポリカーボネートの第1の樹脂シート、凹面が厚さ約1.5mmのポリカーボネート樹脂、かつ、TAC偏光板の端部周辺も、約2.5mm幅でポリカーボネート樹脂が充填する偏光光学物品になった。
ポリカーボネートの第1の樹脂シートの端部とポリカーボネートのバックアップ樹脂とはよく熱接合しており、TAC偏光板がポリカーボネート樹脂シートと、バックアップ成形したポリカーボネート樹脂の中に完全に包埋されていた。
出来上がった偏光光学物品の偏光度は96.3%であった。また、この偏光光学物品を室温の水に72時間浸漬したところ、TAC偏光板が剥離することはなく、雨や汗などの外部環境からTAC偏光板をよく保護していることが分かった。
実施例3 第2−1の製造法例
第1の樹脂シートとして、3倍に1軸延伸した厚さ約100μmのポリカーボネート樹脂シートを用い、かつ、ゴーグルの左右の眼を結ぶ方向と偏光子の延伸方向とポリカーボネート樹脂シート(第1の樹脂シート)の延伸方向が一致するように貼付し、打ち抜き法で切り取った以外は、実施例2と同様の方法で偏光光学物品を製造した。
出来上がった偏光光学物品の偏光度は98.6%であった。また、この偏光光学物品を室温の水に72時間浸漬したところ、TAC偏光板が剥離することはなかった。
実施例4 第2−1の製造法例
第1の樹脂シートとして、ポリカーボネート樹脂シートの代わりに厚さ約100μmのポリウレタン樹脂シートを用いた以外は、実施例2と同様の方法で偏光光学物品を製造した。該ポリウレタン樹脂シートは、ポリエステル系ポリウレタン(BASF社の“エラストラン”ET590)をシート状に押し出し成形した厚さ約200μmの無延伸シートである。
出来上がった偏光光学物品のレンズ部分は、TAC偏光板が偏光光学物品の中央にあり、凸面がポリウレタンの第1の樹脂シート、凹面が厚さ約1.5mmのポリカーボネート樹脂、かつ、TAC偏光板の外縁部も、約2.5mm幅でポリカーボネート樹脂が延在する偏光光学物品であった。
ポリウレタンの第1の樹脂シートの端部とポリカーボネートのバックアップ樹脂とは、よく熱接合しており、TAC偏光板が、ポリウレタンの第1の樹脂シートとポリカーボネート樹脂の中に完全に包埋されていた。
出来上がった偏光光学物品の偏光度は97.3%であった。また、この偏光光学物品を室温の水に72時間浸漬したところ、TAC偏光板が剥離することはなかった。
実施例5 第2−1の製造法例
第1の樹脂シートとして、ポリカーボネート樹脂シートの代わりに厚さ約120μmのPMMA樹脂シートを用い、バックアップ樹脂としてPMMA樹脂を用いた以外は、実施例2と同様の方法で偏光光学物品を製造した。該PMMA樹脂シートは、厚さ約300μmの板間重合シートである。
出来上がった偏光光学物品のレンズ部分は、TAC偏光板が偏光光学物品の中央にあり、凸面がPMMAの第1の樹脂シート、凹面が厚さ約1.5mmのPMMA樹脂になっており、かつ、TAC偏光板の外縁部に、約2.5mm幅でPMMA樹脂が延在する偏光光学物品であった。
出来上がった偏光光学物品は、偏光度が98.6%であり、かつ、PMMAの第1の樹脂シートの端部とPMMAのバックアップ樹脂とは、両者の境界でよく熱接合していた。この偏光光学物品を室温の水に72時間浸漬したところ、TAC偏光板が剥離することはなく、雨や汗などの外部環境からTAC偏光板をよく保護していることが分かった。
実施例6 第2−1の製造法例
実施例2においては、第1の樹脂シートとして、ポリカーボネート樹脂シートの代わりに厚さ約100μmのポリエチレンテレフタレート樹脂シートを用いる以外は、実施例2と同様の方法で偏光光学物品を製造した。該ポリエチレンテレフタレート樹脂シートは、縦横方向へ、それぞれ約3.5倍に2軸延伸された、厚さ約80μmのシートである。ただし、ゴーグルの左右の眼を結ぶ方向と偏光子の延伸方向と、2軸延伸されたポリエチレンテレフタレート樹脂シートのどちらかの延伸方向が一致するように貼付し、切り取った。
出来上がった偏光光学物品のレンズ部分は、TAC偏光板が偏光光学物品の中央にあり、凸面がポリエチレンテレフタレートの第1の樹脂シート、凹面が厚さ約1.5mmのポリカーボネート樹脂、かつ、TAC偏光板の外縁部を、約2.5mm幅でポリカーボネート樹脂が延在する偏光光学物品であった。
出来上がった偏光光学物品は、偏光度が98.1%であり、かつ、ポリエチレンテレフタレートの第1の樹脂シートの端部とポリカーボネートのバックアップ樹脂とが両者の境界でよく密着していた。この偏光光学物品を室温の水に72時間浸漬したところ、TAC偏光板が剥離することはなく、雨や汗などの外部環境からTAC偏光板をよく保護していることが分かった。
実施例7 第2−1の製造法例
実施例2において、第1の樹脂シートとして、押し出し成形法で作った厚さ約100μmのポリウレタン(BASF社のELASTOLLAN ET590)樹脂シートを準備しておき、その1つの面に、貼付用接着剤としてポリエステル系ポリウレタンを約20μmの厚さで塗布した。
該第1の樹脂シートの接着剤面を実施例1で用いたTAC偏光板に重ね合わせ、貼付して積層体を製造した。
ついで、該積層体の第1の樹脂シートとは反対側の面に、ポリエーテル系ポリウレタン接着剤を約20μmの厚さで塗布し、その部分に、リリース機能のあるポリプロピレン保護シートを貼付した。
ついで、該積層体の偏光子の延伸方向とゴーグルの左右の眼を結ぶ方向とを一致させて、両眼部と鼻部の窪みのある形状Aを打ち抜き法で切り取った(図5参照)。
ついで、ポリウレタン樹脂シート(第1の樹脂シート)が凸面になるように、該積層体を、約125℃の条件で曲げ加工し、ゆるい球面形状Bにした(図5参照)。ついで、ポリプロピレン保護シートを剥離除去した。
ついで、形状Aよりわずかに大きく、かつ球面形状Bと同じ曲面を有する金型を備えた縦型射出成形機の凹面金型の中央に、ポリウレタン樹脂シート(第1の樹脂シート)を凸面にする該積層体をインサートとして、水平にセットする。
凹面金型と凸面金型を重ね合わせて金型を閉じ、TAC偏光板の凹面側(接着剤塗布面)に、高い耐衝撃性で知られる透明ナイロン樹脂(エムス社の“グリルアミド”TR−90)をバックアップ樹脂として射出成形した。
出来上がった偏光光学物品のレンズ部分は、TAC偏光板が偏光光学物品の中央にあり、凸面がポリウレタンの第1の樹脂シート、凹面が厚さ約1.5mmの透明ナイロン樹脂、かつ、TAC偏光板の外縁部を、約2.5mm幅で透明ナイロン樹脂が延在する偏光光学物品であった。
ポリウレタンの第1の樹脂シートと透明ナイロンのバックアップ樹脂とはよく密着しており、TAC偏光板がポリウレタン樹脂シートと透明ナイロン樹脂の中に完全に包埋されていた。
出来上がった偏光光学物品の偏光度は97.1%であった。また、この偏光光学物品を室温の水に72時間浸漬したところ、TAC偏光板が剥離することはなかった。
実施例8 第2−2の製造法例
ポリカーボネート樹脂シートとTAC偏光板を貼り合せた積層体を製造し、該積層体の曲げ加工後の直径が、縦型射出成形機の金型直径とほぼ同一にする以外は、実施例2と同様にして偏光光学物品を製造した。
出来上がった偏光光学物品は、TAC偏光板を真中にはさみ、凸面がポリカーボネートの第1の樹脂シート、凹面が厚さ約1.5mmのポリカーボネート樹脂からなるサンドイッチ構造をしていた。
偏光光学物品の外周面は、TAC偏光板の外周面がそのまま露出していた。
ついで、該偏光光学物品の全体をポリウレタン系プライマーコート液にディッピングして、厚さ約10μmのプライマーコートを偏光光学物品の全面に付与した。ついで、シラン系のハードコート液にディッピングし、120℃、2時間処理して硬化し、厚さ約7μmのハードコートを偏光光学物品の全面に付与した。
出来上がった偏光光学物品の偏光度は96.3%であった。また、この偏光光学物品を室温の水に72時間浸漬したところ、TAC偏光板が剥離することはなく、雨や汗などの外部環境からTAC偏光板をよく保護していることが分かった。
実施例9 第3の製造法例
実施例2と同様、レンズとフレームを一体成形する1眼のゴーグルタイプの偏光光学物品で例示する。
第1の樹脂シートとして、3倍に1軸延伸した厚さ約200μmのポリカーボネート樹脂シートを用意し、第2の樹脂シートとして、押し出し成形法で製造した厚さ約200μmの無延伸ポリカーボネート樹脂シートを用意した。
第1の樹脂シートに厚さ約30μmのアクリル系粘着剤を塗布し、第1の樹脂シートの延伸方向がTAC偏光板の偏光子の延伸方向と一致するように、第1の樹脂シートをTAC偏光板に貼付した。
厚さ約30μmのアクリル系粘着剤を塗布した第2の樹脂シートを、TAC偏光板の、第1の樹脂シートを貼付していない側に貼付した。
出来上がったものは、1つの面に1軸延伸したポリカーボネートの第1の樹脂シート、もう1つの面に無延伸ポリカーボネートの第2の樹脂シートを積層したTAC偏光板である。
ついで、偏光子ならびに第1の樹脂シートの延伸方向と、ゴーグルの左右の眼を結ぶ方向とを一致させて、両眼の視野部と鼻部の窪みのある形状Aを打ち抜き法で切り取った(図5参照)。
ついで、該積層体を、第1の樹脂シートが凸面になるように、約125℃の条件で曲げ加工し、ゆるい球面形状Bにした(図5参照)。
ついで、形状Aよりわずかに大きく、かつ球面形状Bと同じ曲面を有する金型を備えた縦型射出成形機の凹面金型の中央に、該積層体をインサートとして、水平にセットする。
凹面金型と凸面金型を重ね合わせて金型を閉じ、凹面側の第2の樹脂シートに、ポリカーボネート樹脂をバックアップ樹脂として射出成形した。
出来上がった偏光光学物品のレンズ部分は、TAC偏光板が偏光光学物品の中央にあり、凸面がポリカーボネートの第1の樹脂シート、凹面が厚さ約1.5mmのポリカーボネート樹脂、かつ、TAC偏光板の外縁部を、約2.5mm幅でポリカーボネート樹脂が延在する偏光光学物品であった。
ポリカーボネートの第1の樹脂シートとポリカーボネートのバックアップ樹脂、ポリカーボネートの第2の樹脂シートとポリカーボネートのバックアップ樹脂とは、互いによく熱接合していた。TAC偏光板は、ポリカーボネートの第1の樹脂シートとポリカーボネート樹脂(第2の樹脂シートとバックアップ樹脂)の中に完全に包埋されていた。
出来上がった偏光光学物品の偏光度は98.4%であった。また、この偏光光学物品を室温の水に72時間浸漬したところ、TAC偏光板が剥離することはなかった。
実施例10 第3の製造法例
第1の樹脂シートとして、1軸延伸したポリカーボネート樹脂シートの代わりに、厚さ約200μmの無延伸ポリカーボネート樹脂シートを用いる以外は、実施例9と同様の方法で偏光光学物品を製造した。
製造した偏光光学物品の偏光度は96.3%であった。また、この偏光光学物品を室温の水に72時間浸漬したところ、TAC偏光板が剥離することはなかった。
実施例11 第3の製造法例
第1の樹脂シートと第2の樹脂シートとして、1軸延伸したポリカーボネート樹脂シートの代わりに、実施例5で用いた板間重合したPMMAシートを、バックアップ樹脂として実施例5で用いたPMMA樹脂を用いる以外は、実施例9とほぼ同様の方法で偏光光学物品を製造した。
製造した偏光光学物品は、偏光度が98.6%であり、かつ、PMMAの第1の樹脂シートとPMMAのバックアップ樹脂とは、両者の境界でよく熱接着していた。この偏光光学物品を室温の水に72時間浸漬したところ、TAC偏光板が剥離することはなく、外部環境からTAC偏光板をよく保護していることが分かった。
比較例1
実施例1で作った偏光光学物品の周囲を端部から約10mm削り、TAC偏光板の外周面を露出させた。
このものを室温の水に浸漬したところ、24時間でTAC偏光板に水の侵入がみられた。42時間後には、光学物品の半分ほどが剥離した。この結果、TAC偏光板が、雨や汗などの外部環境から十分に保護されていないことが分かった。
比較例2
実施例8で作った偏光光学物品の、プライマーコートとハードコートを行わないものを室温の水に浸漬した。24時間でTAC偏光板に水の侵入がみられた。42時間後には、光学物品の半分ほどが剥離した。この結果、TAC偏光板が、雨や汗などの外部環境から十分に保護されていないことが分かった。
1a、1b アシルセルロースシート
2a、2b 接着剤
3 偏光子シート
4a TAC偏光板
4b 第2−1と第2−2の製造法で用いた第1の樹脂シートを貼付したTAC偏光板
4c 第3の製造法で用いた第1の樹脂シートと第2の樹脂シートを貼付したTAC偏光板
5 接着剤
6 第1の樹脂シート
7 接着剤
8 第2の樹脂シート
9a、9b バックアップ樹脂
10 バックアップ樹脂の接合面
11 実施例1の偏光光学物品の断面
12 第1の樹脂シートとバックアップ樹脂の接合面
13 接着剤
14 バックアップ樹脂
15 実施例2〜7の偏光光学物品
16 プライマーコートとハードコート
17 実施例8の偏光光学物品
18 第1の樹脂シートとバックアップ樹脂の接合面
19 第2の樹脂シートとバックアップ樹脂の接合面
20 バックアップ樹脂
21 実施例9〜11の偏光光学物品

Claims (9)

  1. 1)偏光子シートの両方の面にアシルセルロースシートを貼付してアシルセルロース系偏光板を製造し、
    2)該アシルセルロース系偏光板を加熱して球面、シリンダー形状またはレンズ形状に曲げ加工し、
    3)該アシルセルロース系偏光板の1つの面に第1のバックアップ樹脂を射出成形し、
    4)該アシルセルロース系偏光板のもう1つの面に、該アシルセルロース系偏光板から突出するように第2のバックアップ樹脂を射出成形して、該1のバックアップ樹脂と該第2のバックアップ樹脂とを該アシルセルロース系偏光板の外周面において密着または熱接合して該アシルセルロース系偏光板を包埋する
    工程を含む偏光光学物品を製造する方法。
  2. 1)偏光子シートの両方の面にアシルセルロースシートを貼付してアシルセルロース系偏光板を製造し、
    2)該アシルセルロース系偏光板の1つの面に当該面と同形の樹脂シートを貼付し、
    3)該アシルセルロース系偏光板を、該樹脂シートが凸面になるように加熱して球面、シリンダー形状またはレンズ形状に曲げ加工し、
    4)該アシルセルロース系偏光板のもう1つの面および外周面にバックアップ樹脂を射出成形して、該樹脂シートと該バックアップ樹脂とを該アシルセルロース系偏光板の外周面において密着または熱接合して該アシルセルロース系偏光板を包埋する
    工程を含む偏光光学物品を製造する方法。
  3. 1)偏光子シートの両方の面にアシルセルロースシートを貼付してアシルセルロース系偏光板を製造し、
    2)該アシルセルロース系偏光板の1つの面の一部分に樹脂シートを貼付し、
    3)該アシルセルロース偏光板を、該樹脂シートが凸面になるように加熱して球面、シリンダー形状またはレンズ形状に曲げ加工し、
    4)該アシルセルロース偏光板のもう1つの面および外周面ならびに該1つの面の残りの部分にバックアップ樹脂を射出成形して、該樹脂シートと該バックアップ樹脂とを該アシルセルロース系偏光板の該1つの面において密着または熱接合して該アシルセルロース系偏光板を包埋する
    工程を含む偏光光学物品を製造する方法。
  4. 1)偏光子シートの両方の面にアシルセルロースを貼付してアシルセルロース系偏光板を製造し、
    2)該アシルセルロース系偏光板の1つの面に当該面と同形のアシルセルロース以外の樹脂シートを貼付し、
    3)該アシルセルロース系偏光板を、該樹脂シートが凸面になるように加熱して球面、シリンダー形状またはレンズ形状に曲げ加工し、
    4)該アシルセルロース系偏光板のもう1つの面にバックアップ樹脂を射出成形して、該もう1つの面と該バックアップ樹脂とを密着または熱接合し、
    5)該アシルセルロース系偏光板の外周面および該樹脂シートの外周面および該バックアップ樹脂の外周面に耐水性被覆材を被覆して該アシルセルロース系偏光板を包埋する
    工程を含む偏光光学物品を製造する方法。
  5. 1)偏光子シートの両方の面にアシルセルロースを貼付してアシルセルロース系偏光板を製造し、
    2)該アシルセルロース系偏光板の1つの面に当該面と同形のアシルセルロース以外の第1の樹脂シートを貼付し、
    3)該アシルセルロース系偏光板のもう1つの面に当該面と同形のアシルセルロース以外の第2の樹脂シートを貼付し、
    4)該アシルセルロース系偏光板を、該第1の樹脂シートが凸面になるように加熱して球面、シリンダー形状またはレンズ形状に曲げ加工し、
    5)該第2の樹脂シート面にバックアップ樹脂を射出成形して、該第2の樹脂シート面と該バックアップ樹脂とを密着または熱接合し、
    6)該アシルセルロース系偏光板の外周面および該第1の樹脂シートの外周面および該第2の樹脂シートの外周面および該バックアップ樹脂の外周面に耐水性被覆材を被覆して該アシルセルロース系偏光板を包埋する
    工程を含む偏光光学物品を製造する方法。
  6. 1)偏光子シートの両方の面にアシルセルロースシートを貼付してアシルセルロース系偏光板を製造し、
    2)該アシルセルロース系偏光板の1つの面に当該面と同形のアシルセルロース以外の第1の樹脂シートを貼付し、
    3)該アシルセルロース系偏光板のもう1つの面に当該面と同形のアシルセルロース以外の第2の樹脂シートを貼付し、
    4)該アシルセルロース系偏光板の該第2の樹脂シート面および該アシルセルロース系偏光板の外周面にバックアップ樹脂を射出成形し、ついで
    5)該アシルセルロース系偏光板の外周面において、該第1の樹脂シートと該第2の樹脂シートとバックアップ樹脂とを密着または熱接合して該アシルセルロース系偏光板を包埋する
    工程を含む偏光光学物品を製造する方法。
  7. 1)偏光子シートの両方の面にアシルセルロースシートを貼付してアシルセルロース系偏光板を製造し、
    2)該アシルセルロース系偏光板の1つの面の少なくとも一部分にアシルセルロース以外の第1の樹脂シートを貼付し、
    3)該アシルセルロース系偏光板のもう1つの面の少なくとも一部分にアシルセルロース以外の第2の樹脂シートを貼付し、
    4)該アシルセルロース系偏光板の該第2の樹脂シート面ならびに残りの面、および該アシルセルロース系偏光板の外周面、および該第1の樹脂シートの残りの面にバックアップ樹脂を射出成形し、ついで
    5)該アシルセルロース系偏光板の外周面および該1つの面および該もう1つの面において、該第1の樹脂シートと該第2の樹脂シートとバックアップ樹脂とを密着または熱接合して該アシルセルロース系偏光板を包埋する
    工程を含む偏光光学物品を製造する方法。
  8. 樹脂シートが貼付されたアシルセルロース系偏光板を打ち抜いた後に、該アシルセルロース系偏光板にバックアップ樹脂を射出成形する請求項2または4に記載の偏光光学物品を製造する方法。
  9. 第1の樹脂シートおよび第2の樹脂シートが貼付されたアシルセルロース系偏光板を打ち抜いた後に、該アシルセルロース系偏光板にバックアップ樹脂を射出成形する請求項5または6に記載の偏光光学物品を製造する方法。
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