JP2018087978A - デジタル画像表示装置 - Google Patents

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JP2018087978A JP2017236618A JP2017236618A JP2018087978A JP 2018087978 A JP2018087978 A JP 2018087978A JP 2017236618 A JP2017236618 A JP 2017236618A JP 2017236618 A JP2017236618 A JP 2017236618A JP 2018087978 A JP2018087978 A JP 2018087978A
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政尚 工藤
Masanao Kudo
政尚 工藤
村上 英生
Hideo Murakami
英生 村上
佐々木 靖
Yasushi Sasaki
靖 佐々木
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

【課題】偏光サングラスを通してデジタル画像表示装置を見た場合であっても、色ムラを生じないデジタル画像表示装置を提供する。【解決手段】(1)画像表示セル4、(2)画像表示セル4より視認側に配置される偏光子8、(3)偏光子8より視認側に配置される透明成形体16、及び(4)偏光子8より視認側に配置される、3000nm以上150000nm以下のリタデーションを有する配向フィルム、を有するデジタル画像表示装置。【選択図】図1

Description

本発明はデジタル画像表示装置に関する。
デジタル画像表示装置は、デジタル情報を文字又は画像として表示する装置であり、テ
レビ又はコンピュータのディスプレイだけでなく、電話などの通信機器、家電機器、遊戯
機器、自動販売機、ATM、デジタルサイネージ、GPS、カーナビゲーションなど、日
常生活で文字又は画像が表示される部分に多く用いられている。
これらのデジタル画像表示装置として、液晶表示装置(LCD)又はエレクトロルミネ
ッセンス表示装置(ELD)が多く用いられている。LCD及びELDでは偏光子が用い
られており、人の目は偏光子を通して出光された偏光を有する光(偏光光)を見ている。
これらのデジタル画像表示装置においては、衝撃などに対する保護又は機器との一体感
のデザインのため、表示パネル(表示をになう部分)より視認側に、透明シート、透明カ
バー、透明筐体等の透明成形体が配置されていることも多い。
このような透明成形体は、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂のカレン
ダー加工シート、未延伸の押出成形シート、又は射出成形体であることが多い(特許文献
1参照)。これらの透明成形体は延伸されたものではなくても、成形時の流動又は歪みの
名残で分子が配向しており、特に射出成形体では分子が不規則な配向を有している。
このような偏光光を見るデジタル画像表示装置を、偏光サングラスを通して見た場合に
は、色合いのずれ(色ズレ)又は虹色のムラ(色ムラ)が生ずる等、視認性が非常に悪く
なる場合があった。
特開2012−218271号公報
本発明は、偏光サングラスを通してデジタル画像表示装置を見た場合であっても、色ズ
レ又は色ムラ(以下、これらをあわせて「色ムラ」という場合がある)を生じないデジタ
ル画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記問題を解決すべく日夜研究を重ねたところ、リタデーションが30
00nm以上150000nm以下に制御された配向フィルムを用いることにより、上記
課題の解決が可能であることを見出した。本発明者等は、斯かる知見に基づき更なる検討
と改良を重ね、本発明を完成するに至った。
代表的な本発明は、以下の通りである。
項1.
(1)画像表示セル、
(2)前記画像表示セルより視認側に配置される偏光子、
(3)前記偏光子より視認側に配置される透明成形体、及び
(4)前記偏光子より視認側に配置される、3000nm以上150000nm以下のリ
タデーションを有する配向フィルム、
を有するデジタル画像表示装置。
項2.
前記偏光子の偏光軸と前記配向フィルムの配向主軸とが形成する角が略45度である、項
1に記載のデジタル画像表示装置。
項3.
前記配向フィルムが、前記偏光子と前記透明成形体との間に配置される、項1又は2に記
載のデジタル画像表示装置。
本発明によれば、デジタル画像表示装置の視認性が改善される。特に、偏光フィルタを
介して視認した場合に生じる色ムラに代表される画質の低下が軽減される。
タッチパネル及び透明成形体を備えたデジタル画像表示装置の代表的な模式図である。
デジタル画像表示装置は、典型的に、画像表示セル、偏光板及び透明成形体を有する。
画像表示セルには、典型的に、液晶セル又は有機ELセルが用いられる。画像表示セルと
して液晶セルを用いた画像表示装置の代表的な模式図を図1に示す。
液晶表示装置(1)は、光源(2)、液晶セル(4)、機能層としてタッチパネル(6
)及び透明成形体(16)を有する。ここで、本書において、液晶表示装置の画像が表示
される側(ヒトが画像を視認する側)を「視認側」と呼び、視認側と反対側(即ち、液晶
表示装置において、通常、バックライト光源と呼ばれる光源が設定される側)を「光源側
」と称する。なお、図1では、右側が視認側であり、左側が光源側である。
液晶セル(4)の光源側及び視認側の両方にはそれぞれ偏光板(光源側偏光板(3)及
び視認側偏光板(5))が設けられている。各偏光板(3,5)は、典型的に、偏光子(
7,8)と呼ばれるフィルムの両側に偏光子保護フィルム(9a,9b,10a,10b
)が積層された構造を有する。図1の画像表示装置(1)には、視認側偏光板(5)より
視認側に、機能層としてタッチパネル(6)が設けられている。図1に示すタッチパネル
は、抵抗膜式のタッチパネルである。タッチパネル(6)は、2枚の透明導電性フィルム
(11,12)がスペーサー(13)を介して配置された構造を有する。透明導電性フィ
ルム(11,12)は、基材フィルム(11a,12a)と透明導電層(11b,12b
)とを積層したものである。また、タッチパネル(6)の光源側及び視認側には、接着層
を介して、透明基体である飛散防止フィルム(14,15)が設けられている。さらに、
この視認側基材フィルム(12a)より視認側にある飛散防止保護フィルム(15)(以
下、「視認側飛散防止フィルム」と称する)の視認側には、透明成形体(16)が設けら
れており、透明成形体(16)の視認側には、接着層を介して、保護フィルム(17)が
設けられている。
なお、図1においては、視認側偏光板(5)の視認側に設ける機能層としてタッチパネ
ル(6)を記載したが、タッチパネルに限定されるものではなく、フィルムを有する層で
あればどのような層であってもよい。また、タッチパネルとして、抵抗膜式のタッチパネ
ルを記載したが、投影型静電容量式等の他の方式のタッチパネルを使用することも可能で
ある。図1のタッチパネルは、透明導電性フィルムを2枚有する構造であるが、タッチパ
ネルの構造はこれに限定されず、例えば、透明導電性フィルム及び/又は飛散防止フィル
ムの数は1枚であってもよい。液晶表示装置(1)において、飛散防止フィルムは、タッ
チパネル(6)の両側に必ず配置しなければならないわけではなく、どちらか一方に配置
した構成でもよいし、又は両側に飛散防止フィルムを配置しない構成でもよい。飛散防止
フィルムは、接着層を介してタッチパネル上に配置されてもよく、接着層を介さずにタッ
チパネル上に配置されても良い。また、保護フィルム(17)は必ず配置しなければなら
ないわけではなく、配置しない構成としてもよい。
<配向フィルムの位置>
デジタル画像表示装置には、種々の目的で配向フィルムが使用され得る。尚、本書にお
いて、配向フィルムとは、複屈折性を有する高分子フィルムのことを意味する。デジタル
画像表示装置は、視認性を改善するという観点から、液晶セル(4)より視認側にある偏
光子(8)(以下、「視認側偏光子」と称する)より視認側に3000nm以上1500
00nm以下のリタデーションを有するフィルムを有することが好ましい。本書において
、3000nm以上150000nm以下のリタデーションを有するフィルムを「高リタ
デーション配向フィルム」とも称する。図1の液晶表示装置において、高リタデーション
配向フィルムは、典型的に、視認側偏光子(8)の視認側にある、偏光子保護フィルム(
10b)(以下、「視認側偏光子保護フィルム」と称する)、スペーサー(13)より光
源側にある透明導電性フィルム(11)の基材フィルム(11a)(以下、「光源側基材
フィルム」と称する)、スペーサー(13)より視認側にある透明導電性フィルム(12
)の基材フィルム(12a)(以下、「視認側基材フィルム」と称する)、視認側偏光子
保護フィルム(10b)と光源側基材フィルム(11a)との間にある飛散防止フィルム
(14)(以下、「光源側飛散防止フィルム」と称する)、視認側飛散防止フィルム(1
5)及び透明成形体(16)の視認側にある保護フィルム(17)に使用され得る。
高リタデーション配向フィルムが設けられる位置は、視認側偏光子(8)より視認側で
ある限り特に制限されないが、視認側偏光子(8)と透明成形体(16)との間に設けら
れることが好ましい。デジタル画像表示装置に使用される高リタデーション配向フィルム
の数は任意であり、特に制限されないが、少なくとも1枚の高リタデーション配向フィル
ムが上記のような位置に使用されることが好ましい。
デジタル画像表示装置は、高リタデーション配向フィルム以外の配向物(配向フィルム
等)を有していてもよい。デジタル画像表示装置が他の配向物を有する場合には、該配向
物が視認側偏光子(8)と高リタデーション配向フィルムとの間に配置されないことが好
ましい。すなわち、高リタデーション配向フィルムは、視認側偏光子(8)により近い位
置に配置されるのが好ましく、この場合、高リタデーション配向フィルムは視認側偏光子
保護フィルム(10b)であってもよい。
また、デジタル画像表示装置は、高リタデーション配向フィルム以外のフィルムを有し
ていてもよい。他のフィルムが配向を有するフィルムである場合には、高リタデーション
配向フィルムよりも視認側に配置されることが好ましい。なお、この場合、他の配向フィ
ルムと透明成形体(16)との位置関係は特に制限されない。他のフィルムが、配向を有
さないフィルム(ゼロリタデーションフィルム)である場合には、その位置は特に限定さ
れず、視認側偏光子(8)と高リタデーション配向フィルムとの間であってもよい。
上記は単なる例示に過ぎない。例えば、上記において、飛散防止フィルムは、画像表示
装置に設けられ得る、任意の他の機能フィルムであり得る。また、本書において、単一の
部材に複数の配向フィルム(フィルム群)が使用される場合、それらは1枚のフィルムと
みなす。ここで、部材とは、例えば、偏光子保護フィルム、光源側飛散防止フィルム、光
源側基材フィルム、視認側基材フィルム、視認側飛散防止フィルム等の機能的及び/又は
目的の観点から別個の部材と判断されるものを意味する。
高リタデーション配向フィルムの配向主軸と視認側偏光子の偏光軸とが形成する角度(
高リタデーション配向フィルムと偏光子とが同一平面上にあると仮定する)は、特に制限
されないが、色ムラを低減するという観点から、45度に近いこと(略45度)が好まし
い。例えば、前記角度は、好ましくは45度±25度以下、好ましくは45度±20度以
下である。特に、デジタル画像表示装置をサングラス等の偏光フィルムを介して斜め方向
から観察する場合における色ムラを低減する観点から、前記角度は好ましくは45度±1
5度以下、好ましくは45度±10度以下、好ましくは45度±5度以下、好ましくは4
5度±3度以下、45度±2度以下、45度±1度以下、45度である。尚、本書におい
て、「以下」という用語は、「±」の次の数値にのみかかることを意味する。即ち、前記
「45度±15度以下」とは、45度を中心に上下15度の範囲の変動を許容することを
意味する。
上記のように偏光軸と配向主軸とが一定の角度を満たすように偏光子及び高リタデーシ
ョン配向フィルムを配置することは、例えば、切断された高リタデーション配向フィルム
をその配向主軸が偏光子の偏光軸と特定の角度になるように配置する方法や、高リタデー
ション配向フィルムを斜め延伸する方法により行うことができる。
特にパソコン等の液晶表示装置に使用される偏光板は、その偏光軸が、画面の縦方向又
は横と平行になる位置ではなく、斜め45度となるように配置されている場合が多い。デ
ジタル画像表示装置を横斜めから見る一般的な態様では、高リタデーション配向フィルム
の配向主軸が画面の縦方向と平行になるように、偏光軸と45度の関係で配置することが
好ましい。画像表示装置を縦斜めから見ることが多い態様(例えば、ディスプレイを見上
げて画面を見る態様、及び腰程度の高さで地面に水平に設置された画面を立った状態で斜
め上方から見る態様等)では、高リタデーション配向フィルムの配向主軸を画面の横方向
と平行になるように、偏光軸と45度の関係で配置することが好ましい。このようにする
ことで、画像表示装置を斜め方向からサングラス等の偏光フィルムを介して画面を観察す
る場合の色ムラをより低減することができる。
デジタル画像表示装置は、高リタデーション配向フィルムを2枚以上備えていても良い
。画像表示装置が、高リタデーション配向フィルムを2枚以上備える場合、2枚の高リタ
デーション配向フィルムが設けられる位置は特に制限されない。2枚の高リタデーション
配向フィルムがいずれも透明成形体より光源側に設けられる場合、2枚の高リタデーショ
ン配向フィルムの配向主軸は、互いに平行に近くすることが好ましい。例えば、2枚の高
リタデーション配向フィルムの配向主軸が形成する角度は、好ましくは0度±15度、好
ましくは0度±10度、好ましくは0度±5度、好ましくは0度±3度、好ましくは0度
±2度、好ましくは0度±1度、好ましくは0度である。略平行の関係から外れる場合に
は、2枚の高リタデーション配向フィルムのリタデーション差は好ましくは1800nm
以上、好ましくは2500nm以上、好ましくは3500nm以上、好ましくは4000
nm以上、好ましくは5000nm以上である。
<配向フィルムのリタデーション>
高リタデーション配向フィルムのリタデーションは、色ムラを低減するという観点から
、3000nm以上150000nm以下であることが好ましい。高リタデーション配向
フィルムのリタデーションの下限値は、好ましくは4500nm以上、好ましくは600
0nm以上、好ましくは8000nm以上、好ましくは10000nm以上である。一方
、高リタデーション配向フィルムのリタデーションの上限は、それ以上のリタデーション
を有する配向フィルムを用いたとしても更なる視認性の改善効果は実質的に得られず、ま
たリタデーションの高さに応じては配向フィルムの厚みも上昇する傾向があるため、薄型
化への要請に反し兼ねないという観点から、150000nmと設定されるが、更に高い
値とすることもできる。デジタル画像表示装置が2枚以上の高リタデーション配向フィル
ムを有する場合、それらのリタデーションは同一であっても異なっていても良い。
色ムラをより効果的に抑制するという観点から、高リタデーション配向フィルムは、そ
のリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)の比(Re/Rth)が
、好ましくは0.2以上であり、好ましくは0.5以上、好ましくは0.6以上である。
厚さ方向リタデーションは、フィルム厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz
及び△Nyzにそれぞれフィルム厚みdを掛けて得られるリタデーションの平均値を意味
する。Re/Rthが大きいほど、複屈折の作用は等方性を増し、画面への色ムラの発生
をより効果的に抑制することができる。尚、本書において、単に「リタデーション」と記
載する場合は、面内リタデーションを意味する。
Re/Rthの最大値は2.0(即ち、完全な1軸対称性フィルム)であるが、完全な
1軸対称性フィルムに近づくにつれて配向方向と直交する方向の機械的強度が低下する傾
向がある。よって、ポリエステルフィルムのRe/Rthの上限は、好ましくは1.2以
下、好ましくは1.0以下である。上記比率が1.0以下であっても、デジタル画像表示
装置に求められる視野角特性(左右180度、上下120度程度)を満足することが可能
である。
配向フィルムのリタデーションは、公知の手法に従って測定することができる。具体的
には、2軸方向の屈折率と厚みを測定して求めることができる。また、商業的に入手可能
な自動複屈折測定装置(例えば、KOBRA−21ADH:王子計測機器株式会社製)を
用いて求めることもできる。
高リタデーション配向フィルムは、公知の手法を適宜選択して製造することができる。
例えば、高リタデーション配向フィルムは、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリスチレン樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン
樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、シクロオレフィン樹脂、液晶性ポリマー樹脂、
及びセルロース系樹脂に液晶化合物を添加した樹脂から成る群より選択される一種以上を
用いて製造することができる。従って、高リタデーション配向フィルムは、ポリエステル
フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、シンジオタクチックポリ
スチレンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンサルファイド
フィルム、シクロオレフィンフィルム、液晶性フィルム、セルロース系樹脂に液晶化合物
が添加されたフィルムであり得る。
高リタデーション配向フィルムの好ましい原料樹脂は、ポリカーボネート及び/又はポ
リエステル、シンジオタクチックポリスチレンである。これらの樹脂は透明性に優れると
ともに、熱的、機械的特性にも優れており、延伸加工によって容易にリタデーションを制
御することができる。ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートに代表
されるポリエステルは固有複屈折が大きく、フィルムの厚みが薄くても比較的容易に大き
なリタデーションが得られるので好ましい。特に、ポリエチレンナフタレートは、ポリエ
ステルの中でも固有複屈折率が大きいことから、リタデーションを特に高くしたい場合や
、リタデーションを高く保ちながらフィルム厚みを薄くしたい場合に好適である。ポリエ
ステル樹脂を代表例として、より具体的な高リタデーション配向フィルムの製造方法を後
述する。
他の配向フィルムは、公知の手法を適宜選択して製造することができる。例えば、ポリ
エステル樹脂、アセテート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、環状ポリオレフィン等)、(メタ)アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩
化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアリレート樹脂
、及びポリフェニレンサルファイド樹脂、酢酸セルロース樹脂(トリアセチルセルロース
等)等からなる群から選択される樹脂を原料として得ることができる。これらの中でも、
ポリエステル樹脂及びポリオレフィン樹脂が好ましく、好ましくはポリエステル樹脂であ
り、更に好ましくはポリエチレンテレフタレート及び/又はポリプロピレン樹脂である。
<配向フィルムの製造方法>
以下に、ポリエステルフィルムを例に、高リタデーション配向フィルムを含む配向フィ
ルムの製造方法を説明する。ポリエステルフィルムは、任意のジカルボン酸とジオールと
を縮合させて得ることができる。ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフ
タル酸、オルトフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ
ルカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、アン
トラセンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキ
サヒドロイソフタル酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハ
ク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、
トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、セバシン酸、スベリン
酸、ドデカジカルボン酸等を挙げることができる。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,3−プロパンジオール
、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサジオール、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン等を挙げることができる。
ポリエステルフィルムを構成するジカルボン酸成分とジオール成分はそれぞれ1種又は
2種以上を用いても良い。ポリエステルフィルムを構成する具体的なポリエステル樹脂と
しては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられ、好ましくはポリエチレ
ンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートであり、好ましくはポリエチレンテレフ
タレートである。ポリエステル樹脂は他の共重合成分を含んでも良く、機械強度の点から
は共重合成分の割合は3モル%以下が好ましく、好ましくは2モル%以下、更に好ましく
は1.5モル%以下である。これらの樹脂は透明性に優れるとともに、熱的、機械的特性
にも優れる。また、これらの樹脂は、延伸加工によって容易にリタデーションを制御する
ことができる。
ポリエステルフィルムは、一般的な製造方法に従って得ることができる。具体的には、
ポリエステル樹脂を溶融し、シート状に押出し成形された無配向ポリエステルをガラス転
移温度以上の温度において、ロールの速度差を利用して縦方向に延伸した後、テンターに
より横方向に延伸し、熱処理を施すことにより配向ポリエステルフィルムが挙げられる。
ポリエステルフィルムは、一軸延伸フィルムであっても、二軸延伸フィルムであっても良
い。上記高リタデーション配向フィルムは斜め45度に延伸されたものであってもよい。
ポリエステルフィルムを得るための製造条件は、公知の手法に従って適宜設定すること
が出来る。例えば、縦延伸温度及び横延伸温度は、通常80〜130℃であり、好ましく
は90〜120℃である。縦延伸倍率は、通常1.0〜3.5倍であり、好ましくは1.
0倍〜3.0倍である。また、横延伸倍率は、通常2.5〜6.0倍であり、好ましくは
3.0〜5.5倍である。
リタデーションを特定範囲に制御することは、延伸倍率や延伸温度、フィルムの厚みを
適宜設定することにより行うことができる。例えば、縦延伸と横延伸の延伸倍率差が高い
ほど、延伸温度が低いほど、フィルムの厚みが厚いほど高いリタデーションを得やすくな
る。逆に、縦延伸と横延伸の延伸倍率差が低いほど、延伸温度が高いほど、フィルムの厚
みが薄いほど低いリタデーションを得やすくなる。また、延伸温度が高いほど、トータル
延伸倍率が低いほど、リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)が
低いフィルムが得やすくなる。逆に、延伸温度が低いほど、トータル延伸倍率が高いほど
、リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)が高いフィルムが得ら
れる。更に、熱処理温度は、通常140〜240℃が好ましく、好ましくは180〜24
0℃である。
ポリエステルフィルムにおけるリタデーションの変動を抑制する為には、フィルムの厚
み斑が小さいことが好ましい。リタデーション差をつけるために縦延伸倍率を低くすると
、縦厚み斑の値が高くなる場合がある。縦厚み斑の値は延伸倍率のある特定の範囲で非常
に高くなる領域があるため、そのような範囲を外すように製膜条件を設定することが望ま
しい。
配向ポリエステルフィルムの厚み斑は5.0%以下であることが好ましく、4.5%以
下であることがさらに好ましく、4.0%以下であることがよりさらに好ましく、3.0
%以下であることが特に好ましい。フィルムの厚み斑は、任意の手段で測定することがで
きる。例えば、フィルムの流れ方向に連続したテープ状サンプル(長さ3m)を採取し、
市販される測定器(例えば、(株)セイコー・イーエム製電子マイクロメータ ミリトロ
ン1240)を用いて、1cmピッチで100点の厚みを測定し、厚みの最大値(dma
x)、最小値(dmin)、平均値(d)を求め、下記式にて厚み斑(%)を算出するこ
とができる。
厚み斑(%)=((dmax−dmin)/d)×100
<デジタル画像表示セル及び光源>
デジタル画像表示装置は、典型的に画像表示セルとして液晶セル又は有機ELセルを備
え得る。また、デジタル画像表示装置は、色ムラを抑制するという観点から、連続的で幅
広い発光スペクトルを有する白色光源を有することが好ましい。デジタル画像表示装置が
液晶セルを備える場合、デジタル画像表示装置は、そのような光源を画像表示セルとは独
立した光源として備えることが好ましい。一方、有機ELセルの場合は、それ自体が光源
の機能を有するため、有機ELセル自体が、連続的で幅広い発光スペクトルを有する光を
放つことが好ましい。連続的で幅広い発光スペクトルを有する光源の方式及び構造は特に
制限されず、例えば、エッジライト方式又は直下型方式であり得る。「連続的で幅広い発
光スペクトル」とは、少なくとも450〜650nmの波長領域、好ましくは可視光の領
域において光の強度がゼロになる波長領域が存在しない発光スペクトルを意味する。可視
光領域とは、例えば、400〜760nmの波長領域であり、360〜760nm、40
0〜830nm、又は360〜830nmであり得る。
連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源としては、例えば、白色発光ダイオー
ド(白色LED)を挙げることができる。白色LEDには、蛍光体方式のもの(即ち、化
合物半導体を使用した青色光、もしくは紫外光を発する発光ダイオードと蛍光体を組み合
わせることにより白色を発する素子)及び有機発光ダイオード(Organic lig
ht−emitting diode:OLED)等を挙げることができる。連続的で幅
広い発光スペクトルを有し、且つ、発光効率にも優れているという観点から、化合物半導
体を使用した青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光
体とを組み合わせた発光素子からなる白色発光ダイオードが好ましい。
液晶セルは、液晶表示装置において使用され得る任意の液晶セルを適宜選択して使用す
ることができ、その方式や構造は特に制限されない。例えば、VAモード、IPSモード
、TNモード、STNモードやベンド配向(π型)等の液晶セルを適宜選択して使用でき
る。よって、液晶セルは、公知の液晶材料及び今後開発され得る液晶材料で作製された液
晶を適宜選択して使用することができる。一実施形態において好ましい液晶セルは、透過
型の液晶セルである。
有機ELセルは、当該技術分野において知られる有機ELセルを適宜選択して使用する
ことができる。有機ELセルは、発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)であり、
典型的に透明基材上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層した構造を有する。
有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等から
なる正孔注入層とアントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体、及び、
このような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体等を挙げることができ
る。このように、有機ELセルは、画像表示セルとしての機能と光源としての機能を兼ね
備えるため、画像表示装置が有機ELセルを備える場合、独立した光源は不要である。即
ち、画像表示装置における光源と画像表示装置は、それらの機能が発揮される限り、互い
に独立した存在であっても、一体の形態であってもよい。
画像表示セルとして有機ELセルを用いる場合、デジタル画像表示装置における偏光板
は必須ではない。しかし、有機発光層の厚みが10nm程度ときわめて薄いために、外光
が金属電極で反射して再び視認側へ出射され、外部から視認したとき、有機EL表示装置
の表示面が鏡面のように見える場合がある。このような外光の鏡面反射を遮蔽するために
、有機ELセルの視認側に、偏光板及び1/4波長板を設けることが好ましい。よって、
画像表示装置が、有機ELセル及び偏光板を有する場合には、図1における液晶セル(4
)を有機ELセルと考え、視認側偏光板(5)を偏光板として考えれば、液晶表示装置(
1)における配向フィルムの位置関係をそのまま適用することができる。
<偏光板及び偏光子保護フィルム>
偏光板は、フィルム状の偏光子の両側を2枚の保護フィルム(「偏光子保護フィルム」
と称する場合もある)で挟んだ構造を有する。偏光子は、当該技術分野において使用され
る任意の偏光子(又は偏光フィルム)を適宜選択して使用することができる。代表的な偏
光子としては、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム等にヨウ素等の二色性材料を染
着させたものを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、公知及び今後開
発され得る偏光子を適宜選択して用いることができる。
PVAフィルムは、市販品を用いることができ、例えば、「クラレビニロン((株)クラ
レ製)」、「トーセロビニロン(東セロ(株)製)]、「日合ビニロン(日本合成化学(株)
製)]等を用いることができる。二色性材料としてはヨウ素、ジアゾ化合物、ポリメチン
染料等を挙げることができる。
偏光子は、任意の手法で得ることができ、例えば、PVAフィルムを二色性材料で染着
させたものをホウ酸水溶液中で一軸延伸し、延伸状態を保ったまま洗浄及び乾燥を行うこ
とにより得ることができる。一軸延伸の延伸倍率は、通常4〜8倍程度であるが特に制限
されない。他の製造条件等は公知の手法に従って適宜設定することができる。
視認側偏光子の視認側の保護フィルム(視認側偏光子保護フィルム)は、上述のように
、高リタデーション配向フィルム、低リタデーション配向フィルム又は偏光子保護フィル
ムとして従来から使用される任意のフィルムであり得るが、これらに限定されるものでは
ない。
視認側偏光子の光源側の保護フィルム及び光源側偏光子の保護フィルムの種類は任意で
あり、従来から保護フィルムとして使用されるフィルムを適宜選択して使用することがで
きる。取り扱い性及び入手の容易性といった観点から、例えば、トリアセチルセルロース
(TAC)フィルム、アクリルフィルム、及び環状オレフィン系フィルム(例えば、ノル
ボルネン系フィルム)、ポリプロピレンフィルム、及びポリオレフィン系フィルム(例え
ば、TPX)等から成る群より選択される一種以上の複屈折性を有さないフィルムを用い
ることが好ましい。
一実施形態において、視認側偏光子の光源側保護フィルム及び光源側偏光子の視認側保
護フィルムは、光学補償機能を有する光学補償フィルムであることが好ましい。そのよう
な光学補償フィルムは液晶の各方式に合わせて適宜選択することができ、例えば、トリア
セチルセルロース中に液晶化合物(例えば、ディスコティック液晶化合部及び/又は複屈
折性化合物)を分散させた樹脂、環状オレフィン樹脂(例えば、ノルボルネン樹脂)、プ
ロピオニルアセテート樹脂、ポリカーボネートフィルム樹脂、アクリル樹脂、スチレンア
クリロニトリル共重合体樹脂、ラクトン環含有樹脂、及びイミド基含有ポリオレフィン樹
脂等なら成る群より選択される1種以上から得られるものを挙げることができる。
光学補償フィルムは、商業的に入手可能であるため、それらを適宜選択して使用するこ
とも可能である。例えば、TN方式用の「ワイドビュー−EA」及び「ワイドビュー−T
」(富士フイルム社製)、VA方式用の「ワイドビュー−B」(富士フイルム社製)、V
A−TAC(コニカミノルタ社製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン社製)、「アー
トン」(JSR社製)、「X−plate」(日東電工社製)、並びにIPS方式用の「
Z−TAC」(富士フイルム社製)、「CIG」(日東電工社製)、「P−TAC」(大
倉工業社製)等が挙げられる。
偏光子保護フィルムは偏光子上に直接又は接着剤層を介して積層することができる。接
着性向上の点から、接着剤を介して積層することが好ましい。接着剤としては、特に制限
されず任意のものを使用できる。接着剤層を薄くする観点から、水系のもの(即ち、接着
剤成分を水に溶解したもの又は水に分散させたもの)が好ましい。例えば、偏光子保護フ
ィルムとしてポリエステルフィルムを用いる場合は、主成分としてポリビニルアルコール
系樹脂、ウレタン樹脂などを用い、接着性を向上させるために、必要に応じてイソシアネ
ート系化合物、エポキシ化合物などを配合した組成物を接着剤として用いることができる
。接着剤層の厚みは10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下が
さらに好ましい。
偏光子保護フィルムとしてTACフィルムを用いる場合、ポリビニルアルコール系の接
着剤を用いて張り合わせることができる。偏光子保護フィルムとして、アクリルフィルム
、環状オレフィン系フィルム、ポリプロピレフィルム、又はTPX等の透湿性の低いフィ
ルムを用いる場合は、接着剤として光硬化性接着剤を用いることが好ましい。光硬化性樹
脂としては、例えば、光硬化性エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤との混合物などを挙
げることができる。
偏光子保護フィルムの厚みは任意であり、例えば、15〜300μmの範囲、好ましく
は30〜200μmの範囲で適宜設定できる。
<透明成形体>
透明成形体は、透明性を有する熱可塑性樹脂から、公知の手法を適宜選択して製造する
ことができる。透明成形体の原料樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、
アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリメチルペンテン(PMP)等が挙げられる。
透明成形体は、上記の偏光子等と積層する部分(表示部分)を有していればどのような
形状でもよく、例えば、フィルム又はシート等の平面状、曲面状、筐体又は筐体の一部で
あり得る。
透明成形体は、典型的に、その表示部分にリタデーションが150nm以上ある部分が
存在する。
透明成形体の表示部分の厚みは任意であるが、例えば0.1〜5mmである。
透明成形体の製造方法は、特に限定されず、熱可塑性樹脂組成物について一般に採用さ
れている成形法を任意に採用することができる。例えば、透明成形体が未延伸シートであ
る場合には、溶融押出し法、カレンダー成形法、射出成形法、シートのプレス成形法、真
空成形法、圧空成形法等を挙げることができる。透明成形体は多層シートであってもよく
、延伸又は未延伸フィルムをインモールド成形、インサート成形等したものであってもよ
い。
透明成形体は、例えば、以下のようにデジタル画像表示装置に組み込むことができる。
透明成形体がシート状である場合には、デジタル画像表示装置の上に保護シートとして積
層することにより組み込むことができる。透明成形体が筐体又は筐体の一部である場合に
は、その中に光源、画像表示セル、偏光板等が組み込まれる。また、透明成形体が表面カ
バーである場合には、デジタル画像表示装置の上に設置される。
<タッチパネル、透明導電性フィルム、基材フィルム、飛散防止フィルム>
デジタル画像表示装置は、タッチパネルを備え得る。タッチパネルの種類及び方式は特
に制限されないが、例えば、抵抗膜方式タッチパネル及び静電容量方式タッチパネルを挙
げることができる。タッチパネルは、その方式に関係なく、通常、1枚又は2枚以上の透
明導電性フィルムを有する。透明導電性フィルムは、基材フィルム上に透明導電層が積層
された構造を有する。上述したように、基材フィルムとして、高リタデーション配向フィ
ルム又は低リタデーション配向フィルムを用いることができる。また、これらのフィルム
を基材フィルムとして用いない場合は、従来から基材フィルムとして用いられる他のフィ
ルム若しくはガラス板等の剛性板を用いることができる。
基材フィルムとして従来から用いられる他のフィルムとしては、透明性を有する各種の
樹脂フィルムを挙げることができる。例えば、ポリエステル樹脂、アセテート樹脂、ポリ
エーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ
オレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂
、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアリレート樹脂、及びポリフェニ
レンサルファイド樹脂等から成る群から選択される1種以上の樹脂から得られるフィルム
を使用することができる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、
及びポリオレフィン樹脂が好ましく、好ましくはポリエステル樹脂である。
基材フィルムの厚みは任意であるが、15〜500μmの範囲が好ましい。
基材フィルムは、表面に予めスパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線
照射、化成、酸化等のエッチング処理や下塗り処理を施してもよい。これにより、基材フ
ィルム上に設けられる透明導電層等との密着性を向上させることができる。また、透明導
電層等を設ける前に、必要に応じて基材フィルムの表面を溶剤洗浄や超音波洗浄などによ
り除塵、清浄化してもよい。
透明導電層は、直接基材フィルムに積層されても良いが、易接着層及び/又は種々の他
の層を介して積層することが出来る。他の層としては、例えば、ハードコート層、インデ
ックスマッチング(IM)層、及び低屈折率層等を挙げることができる。代表的な透明導
電性フィルムの積層構造としては、次の6パターンを挙げることが出来るが、これらに限
定されるわけではない。
(1)基材フィルム/易接着層/透明導電層
(2)基材フィルム/易接着層/ハードコート層/透明導電層
(3)基材フィルム/易接着層/IM(インデックスマッチング)層/透明導電層
(4)基材フィルム/易接着層/ハードコート層/IM(インデックスマッチング)層/透明
導電層
(5)基材フィルム/易接着層/ハードコート層(高屈折率でIMを兼ねる)/透明導電層
(6)基材フィルム/易接着層/ハードコート層(高屈折率)/低屈折率層/透明導電性薄膜
IM層は、それ自体が高屈折率層/低屈折率層の積層構成(透明導電性薄膜側が低屈折
率層)であるため、これを用いることにより、液晶表示画面を見た際にITOパターンを
見え難くすることができる。上記(6)のように、IM層の高屈折率層とハードコート層
を一体化させることもでき、薄型化の観点から好ましい。
上記(3)〜(6)の構成は、静電容量式のタッチパネルにおける使用に特に適してい
る。また、上記(2)〜(6)の構成は、基材フィルムの表面にオリゴマーが析出するこ
とが防止できるという観点で好ましく、基材フィルムのもう一方の片面にもハードコート
層を設けることが好ましい。
基材フィルム上の透明導電層は、導電性金属酸化物により形成される。透明導電層を構
成する導電性金属酸化物は特に限定されず、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アンチ
モン、チタン、珪素、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、金、銀、銅、パラジ
ウム、タングステンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の導電性金属酸化物
が用いられる。当該金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子を
含んでいてもよい。好ましい透明導電層は、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO
)層及びアンチモンドープ酸化スズ(ATO)層であり、好ましくはITO層である。ま
た、透明導電層は、Agナノワイヤー、Agインク、Agインクの自己組織化導電膜、網
目状電極、CNTインク、導電性高分子であってもよい。
透明導電層の厚みは特に制限されないが、10nm以上であることが好ましく、15〜
40nmであることがより好ましく、20〜30nmであることがさらに好ましい。透明
導電層の厚みが15nm以上であると、表面抵抗が例えば1×103Ω/□以下の良好な
連続被膜が得られ易い。また、透明導電層の厚みが40nm以下であると、より透明性の
高い層とすることができる。
透明導電層は、公知の手順に従って形成することができる。例えば、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法を例示できる。透明導電層は、アモルファスであ
ってもよく、結晶性のものであってもよい。結晶性の透明導電層を形成する方法としては
、一旦基材上にアモルファス膜を形成した後、該アモルファス膜を可撓性透明基材ととも
に加熱・結晶化することによって形成することが好ましい。
本発明の透明導電性フィルムは、透明導電層の面内の一部が除去されてパターン化され
たものであってもよい。透明導電層がパターン化された透明導電性フィルムは、基材フィ
ルム上に透明導電層が形成されているパターン形成部と、基材フィルム上に透明導電層を
有していないパターン開口部とを有する。パターン形成部の形状は、例えば、ストライプ
状の他、スクエア状等が挙げられる。
タッチパネルには、上記透明基体として1枚又は2枚以上の飛散防止フィルムを有する
ことが好ましい。飛散防止フィルムは、上述した高リタデーション配向フィルム又は低リ
タデーション配向フィルムであり得る。また、飛散防止フィルムは、従来から飛散防止フ
ィルムとして用いられる各種のフィルム(例えば、上記基材フィルムについて記載した透
明樹脂フィルム)を用いることもできる。飛散防止フィルムが2枚以上設けられる場合、
それらは同一の材料から形成されていてもよく、異なっていても良い。
偏光子保護フィルム、基材フィルム、及び飛散防止フィルムは、本発明の効果を妨げな
い範囲で、各種の添加剤を含有させることができる。例えば、紫外線吸収剤、無機粒子、
耐熱性高分子粒子、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物、帯電防
止剤、耐光剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤、界面活性剤等が挙げられ
る。また、高い透明性を奏するためにはポリエステルフィルムに実質的に粒子を含有しな
いことも好ましい。「粒子を実質的に含有させない」とは、例えば無機粒子の場合、ケイ
光X線分析で無機元素を定量した場合に重量で50ppm以下、好ましくは10ppm以
下、特に好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。
透明成形体または配向フィルムは、種々の機能層を有していても良い。そのような機能
層としては、例えば、ハードコート層、防眩層、反射防止層、低反射層、低反射防眩層、
反射防止防眩層、帯電防止層、シリコーン層、粘着層、防汚層、耐指紋層、撥水層、及び
ブルーカット層等からなる群より選択される1種以上を用いることができる。防眩層、反
射防止層、低反射層、低反射防眩層、反射防止防眩層を設けることにより、斜め方向から
観察したときの色斑が改善されるという効果も期待できる。
配向フィルムは、例えば以下のような構成で透明成形体に張り合わせて使うことができ
る。
・(視認側)ハードコート層/配向フィルム/粘着層/透明成形体(光源側)
・(視認側)ハードコート層/配向フィルム/ハードコート層/粘着層/透明成形体(光源側

・(視認側)反射防止層や防眩層等の機能層/配向フィルム/粘着層/透明成形体(光源側

・(視認側)反射防止層や防眩層等の機能層/配向フィルム/ハードコート層/粘着層/透明
成形体(光源側)
・(視認側)透明成形体/粘着層/配向フィルム(光源側)
・(視認側)透明成形体/粘着層/ハードコート層/配向フィルム(光源側)
・(視認側)透明成形体/粘着層/反射防止層や防眩層等の機能層/配向フィルム(光源側

・(視認側)透明成形体/粘着層/配向フィルム/ハードコート層(光源側)
・(視認側)透明成形体/粘着層/ハードコート層/配向フィルム/ハードコート層(光源側

・(視認側)透明成形体/粘着層/反射防止層や防眩層等の機能層/配向フィルム/ハードコ
ート層(光源側)
種々の機能層を設けるに際して、配向フィルムの表面に易接着層を有することが好まし
い。その際、反射光による干渉を抑える観点から、易接着層の屈折率を、機能層の屈折率
と配向フィルムの屈折率の相乗平均近傍になるように調整することが好ましい。易接着層
の屈折率の調整は、公知の方法を採用することができ、例えば、バインダー樹脂に、チタ
ンやジルコニウム、その他の金属種を含有させることで容易に調整することができる。
(ハードコート層)
ハードコート層は、硬度及び透明性を有する層であれば良く、通常、紫外線又は電子線
で代表的には硬化させる電離放射線硬化性樹脂、熱で硬化させる熱硬化性樹脂等の各種の
硬化性樹脂の硬化樹脂層として形成されたものが利用される。これら硬化性樹脂に、適宜
柔軟性、その他物性等を付加する為に、熱可塑性樹脂等も適宜添加してもよい。硬化性樹
脂のなかでも、代表的であり且つ優れた硬質塗膜が得られる点で好ましいのが電離放射線
硬化性樹脂である。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、従来公知の樹脂を適宜採用すれば良い。なお、電
離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性二重結合を有するラジカル重合性化合物、エポ
キシ化合物等の様なカチオン重合性化合物等が代表的に用いられ、これら化合物はモノマ
ー、オリゴマー、プレポリマー等としてこれらを単独で、或いは2種以上を適宜組み合わ
せて用いることができる。代表的な化合物は、ラジカル重合性化合物である各種(メタ)
アクリレート系化合物である。(メタ)アクリレート系化合物の中で、比較的低分子量で
用いる化合物としては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メ
タ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウ
レタン(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
モノマーとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー;或
いは、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート等の多官能モノマー等も適宜用いられる。(メタ)アクリレート
とは、アクリレート或いはメタクリレートを意味する。
電離放射線硬化性樹脂を電子線で硬化させる場合、光重合開始剤は不要であるが、紫外
線で硬化させる場合は、公知の光重合開始剤を用いる。例えば、ラジカル重合系の場合は
、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベン
ゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることができる。カチオン
重合系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、
芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は
混合して用いることができる。
ハードコート層の厚みは、適宜の厚さとすればよく、例えば0.1〜100μmである
が、通常は1〜30μmとする。また、ハードコート層は公知の各種塗工法を適宜採用し
て形成することができる。
電離放射線硬化性樹脂には、適宜物性調整等の為に、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等
も適宜添加することができる。熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、各々、例えば、
アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
ハードコート層に耐光性を付与し、日光等に含まれる紫外線による変色、強度劣化、亀
裂発生等を防止する為には、電離放射線硬化性樹脂中に紫外線吸収剤を添加することも好
ましい。紫外線吸収剤を添加する場合、該紫外線吸収剤によってハードコート層の硬化が
阻害されることを確実に防ぐ為、電離放射線硬化性樹脂は電子線で硬化させることが好ま
しい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等
の有機系紫外線吸収剤、或いは粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化チタン、
酸化セリウム等の無機系紫外線吸収剤等、公知の物の中から選択して用いれば良い。紫外
線吸収剤の添加量は、電離放射線硬化性樹脂組成物中に0.01〜5質量%程度である。
耐光性をより向上させる為に、紫外線吸収剤と併用して、ヒンダードアミン系ラジカル捕
捉剤等のラジカル捕捉剤を添加するのが好ましい。なお、電子線照射は加速電圧70kV
〜1MV、照射線量5〜100kGy(0.5〜10Mrad)程度である。
(防眩層)
防眩層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良く、一般的に、樹脂中に防眩剤を
分散した層として形成される。防眩剤としては、無機系又は有機系の微粒子が用いられる
。これら微粒子の形状は、真球状、楕円状等である。微粒子は、好ましくは透明性のもの
が良い。この様な微粒子は、例えば、無機系微粒子としてはシリカビーズ、有機系微粒子
としては樹脂ビーズが挙げられる。樹脂ビーズとしては、例えば、スチレンビーズ、メラ
ミンビーズ、アクリルビーズ、アクリルースチレンビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポ
リエチレンビーズ、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒドビーズなどが挙げられる。微粒
子は、通常、樹脂分100質量部に対し、2〜30質量部、好ましくは10〜25質量部
程度添加することができる。
防眩剤を分散保持する上記樹脂は、ハードコート層と同じ様に、なるべく硬度が高い方
が好ましい。よって、上記樹脂として、例えば、上記ハードコート層で述べた電離放射線
硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂等を用いることができる。
防眩層の厚みは、適宜の厚さとすればよく、通常は1〜20μm程度とする。防眩層は
公知の各種塗工法を適宜採用して形成することができる。なお、防眩層を形成する為の塗
液中には、防眩剤の沈殿を防ぐ為に、シリカ等の公知の沈降防止剤を適宜添加することが
好ましい。
(反射防止層)
反射防止層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良い。一般に、反射防止層は少
なくとも低屈折率層からなり、更に低屈折率層と(該低屈折率層より屈折率が高い)高屈
折率層とを交互に隣接積層し且つ表面側を低屈折率層とした多層の層からなる。低屈折率
層及び高屈折率層の各厚みは、用途に応じた適宜厚みとすれば良く、隣接積層時は各々0
.1μm前後、低屈折率層単独時は0.1〜1μm程度であることが好ましい。
低屈折率層としては、シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率物質を樹脂中に含有さ
せた層、フッ素系樹脂等の低屈折率樹脂の層、低屈折率物質を低屈折率樹脂中に含有させ
た層、シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率物質からなる層を薄膜形成法(例えば、
蒸着、スパッタ、CVD、等の物理的又は化学的気相成長法)で形成した薄膜、酸化ケイ
素のゾル液から酸化ケイ素ゲル膜を形成するゾルゲル法で形成した膜、或いは、低屈折率
物質として空隙含有微粒子を樹脂中に含有させた層等が挙げられる。
上記空隙含有微粒子とは、内部に気体を含む微粒子、気体を含む多孔質構造の微粒子等
のことであり、微粒子固体部分の本来の屈折率に対して、該気体による空隙によって微粒
子全体としては、見かけ上屈折率が低下した微粒子を意味する。この様な空隙含有微粒子
としては、特開2001−233611号公報に開示のシリカ微粒子等が挙げられる。ま
た、空隙含有微粒子としては、シリカの様な無機物以外に、特開2002−805031
号公報等に開示の中空ポリマー微粒子も挙げられる。空隙含有微粒子の粒径は、例えば5
〜300nm程度である。
高屈折率層としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の高屈折率物質を樹
脂中に含有させた層、フッ素非含有樹脂等の高屈折率樹脂の層、高屈折率物質を高屈折率
樹脂中に含有させた層、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の高屈折率物質から
なる層を薄膜形成法(例えば、蒸着、スパッタ、CVD、等の物理的乃至は化学的気相成
長法)で形成した薄膜等が挙げられる。
(帯電防止層)
帯電防止層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良く、一般的に、樹脂中に帯電
防止層を含有させた層として形成される。帯電防止層としては、有機系や無機系の化合物
が用いられる。例えば、有機系化合物の帯電防止層としては、カチオン系帯電防止剤、ア
ニオン系帯電防止剤、両性系帯電防止剤、ノニオン系帯電防止剤、有機金属系帯電防止剤
等が挙げられ、またこれら帯電防止剤は低分子化合物として用いられるほか、高分子化合
物としても用いられる。また、帯電防止剤としては、ポリチオフェン、ポリアニリン等の
導電性ポリマー等も用いられる。また、帯電防止剤として例えば金属酸化物からなる導電
性微粒子等も用いられる。導電性微粒子の粒径は透明性の点で、例えば平均粒径0.1n
m〜0.1μm程度である。なお、該金属酸化物としては、例えば、ZnO、CeO
Sb、SnO、ITO(インジウムドープ酸化錫)、In、Al
ATO(アンチモンドープ酸化錫)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)等が挙げら
れる。
帯電防止層を含有させる上記樹脂としては、例えば、上記ハードコート層で述べた様な
、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂等が使用される他、帯電防止層を
中間層として形成して帯電防止層自体の表面強度が不要な場合には、熱可塑性樹脂等も使
用される。帯電防止層の厚みは、適宜厚さとすればよく、通常は0.01〜5μm程度と
する。帯電防止層は公知の各種塗工法を適宜採用して形成することができる。
(防汚層)
防汚層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良く、一般的に、樹脂中に、シリコ
ーンオイル、シリコーン樹脂等の珪素系化合物;フッ素系界面活性剤、フッ素系樹脂等の
フッ素系化合物;ワックス等の防汚染剤を含む塗料を用いて公知の塗工法で形成すること
ができる。防汚層の厚みは、適宜厚さとすればよく、通常は1〜10μm程度とすること
が出来る。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によっ
て制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施す
ることも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
試験例1:色ムラの評価
下記構成のタッチパネル及び透明成形体を備えたデジタル画像表示装置を常法に従って
作製し、視認側表面に、視認側表面と平行になるように偏光フィルムを配置して白画像を
表示させた。前記平行状態を維持したまま偏光フィルムの偏光軸と画像表示装置の視認側
偏光子の偏光軸とが形成する角が0°、45°、又は90°となるように偏光フィルムの
位置を変え、各点において偏光フィルムを介して白画像を眺めて色ムラ発生の有無及び程
度を確認し、下記の基準に従って評価した。
<評価基準>
◎: 正面から観察したときに、色ムラが観察されない。
○: 正面から観察したときに、薄く色ムラが観察されるが視認性に問題なし。
×: 正面から観察したときに、色ムラが観察される。
<画像表示装置の構成>
(1)バックライト光源:白色LED
(2)画像表示セル:液晶セル
(3)偏光板:PVAとヨウ素からなる偏光子の偏光子保護フィルムとしてTACフィル
ムが使用された偏光板。
(4)タッチパネル:下記配向フィルム1〜4のいずれかの上にITOからなる透明導電
層を設けて作成した透明導電性フィルム(視認側)と、ガラス基材の上にITOからなる
透明導電層を設けたITOガラス(光源側)とを、スペーサーを介して配置した構造を有
する抵抗膜方式タッチパネル。
配向フィルム1
固有粘度0.62dl/gのPET樹脂ペレットを135℃で6時間減圧乾燥(1To
rr)した後、押出機に供給し、285℃で溶解した。このポリマーを、ステンレス焼結
体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、口金よりシート状にして
押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻
きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。
上記未延伸フィルムをテンター延伸機に導き、フィルムの端部をクリップで把持しなが
ら、温度125℃の熱風ゾーンに導き、幅方向に4.0倍に延伸した。次に、幅方向に延
伸された幅を保ったまま、温度225℃、30秒間で処理し、さらに幅方向に3%の緩和
処理を行い、フィルム厚み約100μmの一軸配向の配向フィルム1を得た。リタデーシ
ョン値は10200nmであった。Rthは、13233nm、Re/Rth比は0.7
71であった。
配向フィルム2
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、フィルムの厚みを約80μmとする以外
は、配向フィルム1と同様にして一軸配向の配向フィルム2を得た。リタデーション値は
8300nmであった
配向フィルム3
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、フィルムの厚みを約50μmとする以外
は、配向フィルム1と同様にして一軸配向の配向フィルム3を得た。リタデーション値は
5200nmであった。Rthは6600nm、Re/Rth比は0.788であった。
配向フィルム4
未延伸フィルムを、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し
、その後周速差のあるロール群で走行方向に2.0倍延伸した後、配向フィルム1と同様
の方法で幅方向に4.0倍延伸した以外は配向フィルム1と同様にして、フィルム厚み約
50μmの二軸配向の配向フィルム4を得た。リタデーション値は3200nmであった
。Rthは7340nm、Re/Rth比は0.436であった。
(5)透明成形体:下記の方法で製造した樹脂板を用いた。
樹脂として、熱変形温度140℃の住友ダウ(株)製のポリカーボネート樹脂「カリバ
ー301−10」を用いた。
上記樹脂を押出機にて溶融混練し、フィードブロック及びダイの順に供給した。そして
、ダイから押出した溶融樹脂を、対向配置した第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間に
挟みこんで成形及び冷却し、厚さ0.5mmを有する単層構成の樹脂板を得た。
尚、リタデーション(Re)は、次の通り測定した。即ち、二枚の偏光板を用いて、フ
ィルムの配向主軸方向を求め、配向主軸方向が直交するように4cm×2cmの長方形を
切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Nx
,Ny)、及び厚さ方向の屈折率(Nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T
)によって求め、前記二軸の屈折率差の絶対値(|Nx−Ny|)を屈折率の異方性(△
Nxy)として求めた。フィルムの厚みd(nm)は電気マイクロメータ(ファインリュ
ーフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率の異
方性(△Nxy)とフィルムの厚みd(nm)の積(△Nxy×d)より、リタデーショ
ン(Re)を求めた。
また、リタデーションの測定と同様の方法でNx、Ny、Nzとフィルム厚みd(nm
)を求め、(△Nxz×d)、(△Nyz×d)の平均値を算出して厚さ方向リタデーシ
ョン(Rth)を求めた。
評価結果を下記の表1に示す。尚、画像表示装置において、視認側基材フィルムは、そ
の配向主軸と視認側偏光子の偏光軸とが形成する角が45度となるように配置した。
Figure 2018087978
試験例2:色ムラの評価
下記構成のタッチパネル及び透明成形体を備えたデジタル画像表示装置を常法に従って
作製し、視認側表面に、視認側表面と平行になるように偏光フィルムを配置して白画像を
表示させた。前記平行状態を維持したまま偏光フィルムの偏光軸と画像表示装置の視認側
偏光子の偏光軸とが形成する角が0°、45°、又は90°となるように偏光フィルムの
位置を変え、各点において偏光フィルムを介して白画像を眺めて色ムラ発生の有無及び程
度を確認し、下記の基準に従って評価した。
<評価基準>
◎: 正面から観察したときに、色ムラが観察されない。
○: 正面から観察したときに、薄く色ムラが観察されるが視認性に問題なし。
×: 正面から観察したときに、色ムラが観察される。
<画像表示装置の構成>
(1)バックライト光源:白色LED
(2)画像表示セル:液晶セル
(3)偏光板:PVAとヨウ素からなる偏光子の偏光子保護フィルムとしてTACフィル
ムが使用された偏光板。
(4)タッチパネル:ITOガラスを用いた抵抗膜方式のタッチパネル。
(5)透明成形体の光源側に粘着層を介して、試験例1の配向フィルム1、2、3又は4
を貼り合わせた。
(6)試験例1と同一の透明成形体
評価結果を下記の表2に示す。尚、画像表示装置において、配向フィルムは、その配向
主軸と視認側偏光子の偏光軸とが形成する角が45度となるように配置した。
Figure 2018087978
試験例3:色ムラの評価
下記構成のタッチパネル及び透明成形体を備えたデジタル画像表示装置を常法に従って
作製し、視認側表面に、視認側表面と平行になるように偏光フィルムを配置して白画像を
表示させた。前記平行状態を維持したまま偏光フィルムの偏光軸と画像表示装置の視認側
偏光子の偏光軸とが形成する角が0°、45°、又は90°となるように偏光フィルムの
位置を変え、各点において偏光フィルムを介して白画像を眺めて色ムラ発生の有無及び程
度を確認し、下記の基準に従って評価した。
<評価基準>
◎: 正面から観察したときに、色ムラが観察されない。
○: 正面から観察したときに、薄く色ムラが観察されるが視認性に問題なし。
×: 正面から観察したときに、色ムラが観察される。
<画像表示装置の構成>
(1)バックライト光源:白色LED
(2)画像表示セル:液晶セル
(3)偏光板:PVAとヨウ素からなる偏光子の偏光子保護フィルムとしてTACフィル
ムが使用された偏光板。
(4)タッチパネル:ITOガラスを用いた抵抗膜方式のタッチパネル。
(5)試験例1と同一の透明成形体
(6)透明成形体の視認側に粘着層を介して、試験例1の配向フィルム1を貼り合わせた
評価結果を下記の表3に示す。尚、画像表示装置において、配向フィルムは、その配向
主軸と視認側偏光子の偏光軸とが形成する角が45度となるように配置した。
Figure 2018087978
上記表1〜3に示される通り、3000nm以上150000nm以下のリタデーショ
ンを有する配向フィルムを視認側偏光子より視認側、特に視認側偏光子と透明成形体との
間に設けることにより、色ムラの発生が抑制されることが確認された。
1 液晶表示装置
2 光源
3 光源側偏光板
4 液晶セル
5 視認側偏光板
6 タッチパネル
7 光源側偏光子
8 視認側偏光子
9a 偏光子保護フィルム
9b 偏光子保護フィルム
10a 偏光子保護フィルム
10b 視認側偏光子保護フィルム
11 光源側透明導電性フィルム
11a 光源側基材フィルム
11b 透明導電層
12 視認側透明導電性フィルム
12a 視認側基材フィルム
12b 透明導電層
13 スペーサー
14 光源側飛散防止フィルム
15 視認側飛散防止フィルム
16 透明成形体
17 保護フィルム

Claims (4)

  1. (1)画像表示セル、
    (2)前記画像表示セルより視認側に配置される偏光板、
    (3)前記偏光板より視認側に配置される透明成形体、及び
    (4)前記偏光板より視認側に配置される、3000nm以上150000nm以下のリタデーションを有する配向フィルム、
    を有し、前記透明成形体は、画像表示装置の表示部分にリタデーションが150nm以上ある部分が存在する、デジタル画像表示装置。
  2. 前記配向フィルムのリタデーションが6000nm以上150000nm以下である、請求項1に記載のデジタル画像表示装置。
  3. 前記偏光板が有する偏光子の偏光軸と前記配向フィルムの配向主軸とが形成する角が略45度である、請求項1又は2に記載のデジタル画像表示装置。
  4. 請求項1に記載のデジタル画像表示装置の製造方法であって、前記透明成形体が未延伸体であって、溶融押出し法、カレンダー成形法、射出成形法、プレス成形法、真空成形法、又は圧空成形法により製造される、製造方法。
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