JP5967780B2 - 植物のアミノ酸含量を高めるための化合物およびその利用 - Google Patents

植物のアミノ酸含量を高めるための化合物およびその利用 Download PDF

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Description

本発明は、植物のアミノ酸含量を高める化合物および該化合物を含む組成物、ならびにこれらの利用に関する。
アミノ酸は、食品のコク味や甘味などに深く関わるだけでなく、その生理活性が近年特に注目されている。それに伴い、アミノ酸含量を特徴にした種々の商品が開発されている。また、農産物においてもその栄養価について強い関心がもたれている。
植物の栽培条件の違いによって、植物のアミノ酸含量が変動することが知られている。例えば、非特許文献1には、キャベツにおける遊離アミノ酸の含量および組成が、収穫時期や窒素施肥条件によって変動することが記載されている。非特許文献2には、土壌や肥料の違いによってホウレンソウにおける遊離アミノ酸含量に差異が生じることが記載されている。
また、アミノ酸含量の高い野菜を生産する技術もまた知られている。例えば、特許文献1には、野菜の収穫期に窒素肥料の施肥を行うことによってアミノ酸含量の高い野菜を生産する方法が開示されている。特許文献2〜4には、特定の遺伝子で形質転換した植物において、遊離アミノ酸の含量が増大したことが開示されている。
日本国公開特許公報「特開平10−323128号公報(平成10年12月8日公開)」 日本国公開特許公報「特開2003−125661号公報(平成15年5月7日公開)」 日本国公開特許公報「特開2003−310072号公報(平成15年11月5日公開)」 国際公開公報「WO2003/000041号パンフレット(2003(平成15)年1月3日国際公開)」 日本国公開特許公報「特開2004−352679号公報(平成16年12月16日公開)」 日本国公開特許公報「特開2009−165494号公報(平成21年7月30日公開)」 日本国公開特許公報「特開2008−120815号公報(平成20年5月29日公開)」 国際公開公報「WO01/080638号パンフレット(2001(平成13)年11月1日国際公開)」 国際公開公報「WO2008/072602号パンフレット(2008(平成20)年6月19日国際公開)」 国際公開公報「WO2009/063806号パンフレット(2009(平成21)年5月22日国際公開)」
Bull. Hyogo Pre. Agri. Inst. (Agriculture) 50, 41-46 (2002) 日本家政学会誌 Vol.53, No.2, p.199-203 (2002)
しかしながら、アミノ酸含量が2倍以上に高められた植物を得るには、特許文献2〜4に記載されているような遺伝子組換え技術を用いることが必要であり、特許文献1に記載されているような生育管理のみによってアミノ酸含量を高めようとしても、その効果はわずかであった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、植物のアミノ酸含量を高める技術を開発するとともに、アミノ酸含量が向上した植物を簡便に製造する技術を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、その結果、一定条件下でグルタチオンを投与した植物を生育させることによって、植物体内のアミノ酸含量を飛躍的向上させることに成功した。この効果は、特許文献1に記載されているような、従来の窒素肥料では達成できないレベルであった。また、特許文献2〜4に記載されているように、遺伝子組換え技術によってアミノ酸含量が飛躍的に高められた植物がこれまでに作出されているが、生育管理のみによって植物のアミノ酸含量を飛躍的に高めた例は報告されていない。
本発明者らは、グルタチオンを用いて、カルスを効率よく短期間に再分化し得ること(特許文献5〜6等)、細胞または器官の分化を調節し得ること(特許文献7〜8等)、植物の収穫指数を向上させ得ること(特許文献9等)、植物の糖度を向上させること(特許文献10等)を見出している。しかし、グルタチオンを施用することによって植物のアミノ酸含量が高まるという報告はこれまでになされていない。また、植物のアミノ酸含量を容易に高め得ることは、当業者にとって予測可能な範囲を超えた、格別顕著な効果である。
本発明の組成物は、植物のアミノ酸含量を高めるために、アミノ酸含量亢進剤を含有していることを特徴としている。
本発明のキットは、植物のアミノ酸含量を高めるために、アミノ酸含量亢進剤、またはアミノ酸含量亢進剤を含有している組成物を備えていることを特徴としている。
本発明の組成物およびキットは、アミノ酸含量が向上した植物を製造するために用いられてもよい。
本発明の方法は、アミノ酸含量亢進剤、またはアミノ酸含量亢進剤を含有している組成物を植物に施用する工程を包含することを特徴としている。
本発明の製造方法は、アミノ酸含量亢進剤の存在下にて植物を栽培する工程を包含することを特徴としている。
本発明の植物は、上記製造方法によって製造されたことを特徴としている。
本発明は、遺伝子組換え技術の使用を必要としないばかりか、どのような植物種にも適用が可能であるため、活用可能な作物や果樹は多い。本発明は、農産物のアミノ酸含量を高めることによって、所望の農産物のブランド力を強化したり、新規ブランドの創出に寄与したりすることができる。
本発明を用いれば、農産物のアミノ酸の含量や組成を向上および/または改善することが可能となるので、農産物に大きな付加価値を与えることができる。例えば、本発明を用いれば、春菊、ホウレンソウ、小松菜、サラダ菜、中国菜心、キャベツ、ニンジン、チャ、エダマメなどの農産物のアミノ酸含量を高めることが期待され、高機能・高付加価値の特保野菜の開発等にも寄与し得る。また、農産物の代謝物を分析したり、炭素、窒素および/または硫黄の同位体を用いて分析したりすることによって、本発明を使用した植物を容易に特定することができるため、権利行使が容易である。
種々の栽培条件下にて生育させた、播種4週間後(a)または播種5週間後(b)の、シロイヌナズナ中に含有される全遊離アミノ酸含量を示すグラフである。 種々の栽培条件下にて生育させた、播種4週間後のシロイヌナズナ中に含有される種々のアミノ酸(プロリン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、グルタミン酸、メチオニン、ヒスチジン、アルギニン、GABA,ヒドロキシプロリン,ホモセリン)の生重量あたりの量を示すグラフ(a),および対照区(Cont)を1としたときの比率(b)である。 種々の栽培条件下にて生育させた、播種5週間後のシロイヌナズナ中に含有される種々のアミノ酸(アラニン、セリン、プロリン、バリン、チロシン、イソロイシン、ロイシン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、ヒスチジン、アルギニン、GABA,ヒドロキシプロリン,ホモセリン)の生重量あたりの量を示すグラフ(a)、及び対照区(Cont)を1としたときの比率(b)である。 グルタチオンを施用したシロイヌナズナにおける代謝物質の生成量の増減を示す図である。 グルタチオンを施用し、収穫前の光条件を調節したシロイヌナズナにおける、葉内の各アミノ酸の含量を示した図である。 グルタチオンを施用し、収穫前の光条件を調節したシロイヌナズナにおける、葉内のセリンの含量を示した図である。 グルタチオンを施用し、収穫前の光条件を調節したシロイヌナズナにおける、葉内のアスパラギンの含量を示した図である。 低温条件下にてグルタチオンを施用したホウレンソウにおける各遊離アミノ酸含量を、対照区を1として示した図である。 高温条件下にてグルタチオンを施用したホウレンソウにおける各遊離アミノ酸含量を、対照区を1として示した図である。 高温条件下にてグルタチオンを施用したコマツナにおける各遊離アミノ酸含量を、対照区を1として示した図である。 低温条件下にてグルタチオンを施用したコマツナにおける各遊離アミノ酸含量を、対照区を1として示した図である。 種々の濃度のグルタチオンを施用したキクナ(シュンギク)における各遊離アミノ酸含量を示した図である。 種々の濃度のグルタチオンを施用したキクナ(シュンギク)における各遊離アミノ酸含量を、対照区(cont)を1として換算した図である。 グルタチオン粒剤を施用したトマトにおける、果実の各遊離アミノ酸含量を示した図である。 グルタチオン粒剤を施用したニラにおけるアルギニンおよびリジンの含量を示した図である。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではないことを念のため付言しておく。
〔1.アミノ酸含量亢進剤〕
本明細書中で使用される場合、「アミノ酸含量亢進剤」は、植物のアミノ酸含量を高めることができる物質が意図され、グルタチオンの合成またはグルタチオン生成量を増大させる物質もまた、アミノ酸含量亢進剤に包含される。本発明において、アミノ酸含量亢進剤は、植物に接触させることによって植物に吸収されて作用する物質であることが好ましく、グルタチオンまたはその誘導体であることが好ましい。
後述する実施例に示されるように、通常の条件下にて栽培した植物または硝酸アンモニウムを施用して栽培した植物と比較して、酸化型グルタチオンまたは還元型グルタチオンを施用して栽培した植物では、全アミノ酸含量が顕著に増加していた。また、特定のアミノ酸(例えば、アラニン、セリン、プロリン、バリン、チロシン、イソロイシン、ロイシン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、メチオニン、ヒスチジン、アルギニン、GABA,ヒドロキシプロリン,ホモセリン)の含有量は、生育管理のみによって植物のアミノ酸含量を高めた従来技術に基づいて当業者が予測し得ない、格別顕著な程度に増加していた。
生体内での解毒作用や抗酸化作用を有するグルタチオンは、γ−Glu−Cys−Glyからなるトリペプチドであり、植物における硫黄の貯蔵形態および輸送形態である。グルタチオンの誘導体としては、ホモグルタチオン、カルボキシプロピルグルタチオン、ジカルボキシエチルグルタチオン等が挙げられるが、グルタチオンと同様に植物のアミノ酸含量を高める機能を有していればこれらに限定されない。マメ科植物においてグルタチオンと同様の機能を有しているホモグルタチオンは、グルタチオンのGlyがβ−Alaに置換された化合物である。また、グルタチオンまたは上記誘導体のエステル体もまた、グルタチオンの誘導体に包含される。すなわち、本発明に使用されるアミノ酸含量亢進剤は、酸化型グルタチオン、還元型グルタチオン、ホモグルタチオン、カルボキシプロピルグルタチオン、ジカルボキシエチルグルタチオン、およびこれらのエステル体からなる群より選択される物質であり得る。
本発明に使用されるグルタチオンは、その製造条件は特に限定されず、人工的に合成されたものであっても、天然物由来のものであってもよい。また、その精製度は高くても低くてもよく、市販品が利用されてもよい。
グルタチオンまたはその誘導体は還元型であっても酸化型であってもよいが、多くの場合は酸化型であることが好ましい。
本発明者らは、植物の発芽、成長、開花のメカニズムについて、これまで研究を進めており、植物体の一部から誘導されたカルスを、グルタチオンを含有する再分化培地で培養することにより、発根を促進し、効率よく短期間でカルスから再分化体が得られること(特許文献5等)や、グルタチオンを用いて植物の栽培を行うことにより、当該栽培植物の種子の数や花の数を著しく増加させることができることや、植物ホルモン(例えば、ジベレリン)の合成機能又は応答機能に変異を有する植物体を、グルタチオンを用いて栽培することによって、わき芽を顕著に増加させることができ、それに伴って花(莢)の数も増加させることができること(特許文献8等)、植物体の糖度を向上させること(特許文献10等)を見出している。しかし、グルタチオンまたはその誘導体をアミノ酸含量亢進剤として用いる、すなわち、植物のアミノ酸含量を簡便に高めるために用いるという用途は、従来の当該物質の用途とは全く異質の新規用途である。また、アミノ酸含量が向上した植物が得られるという効果は、従来の用途からは全く予測できなかった。このように本発明は、本発明者らによる全く新たな発見に基づいて成されたものである。
このような用途を実現するためには、化合物としてのアミノ酸含量亢進剤が直接用いられても、アミノ酸含量亢進剤を含有している組成物が用いられてもよく、また、キットに備えられているアミノ酸含量亢進剤または組成物が用いられてもよい。一般に、組成物は「二種以上の成分が全体として均質に存在し、一物質として把握されるもの」が意図され、本明細書中で使用される場合、「組成物」は各種成分が一物質中に含有されている形態であることが意図される。また、本明細書中で使用される場合、「キット」は、組成物中に含有されるべき各種成分が別々の容器(例えば、ボトル、プレート、チューブ、ディッシュなど)に含まれておりかつ容器の全てが全体として1つに梱包されている形態であることが意図され、後述する支持体または培養容器を備えていてもよい。
アミノ酸含量亢進剤を用いれば、植物のアミノ酸含量を簡便に高めることができ、さらには、アミノ酸含量が向上した植物を製造することができる。例えば、アミノ酸含量亢進剤を培地に包含させて、当該培地を用いて植物を栽培しても、植物体の全体または一部(茎,葉など)に、液体形態の組成物としてアミノ酸含量亢進剤を散布,滴下,塗布してもよい。さらに、植物が水草のような水生植物である場合、底床添加剤として根から吸収させたり、固形剤を水中で除々に溶解させたりしてもよい。そのため、上述した従来技術と比較して、熟練した技、特殊な技術、特殊な生産装置等を要せず、植物のアミノ酸含量を簡便に高めることができ、そしてアミノ酸含量が向上した植物を極めて簡便に得ることができる。
本明細書中において使用される場合、「アミノ酸含量が向上した植物」は、アミノ酸含量亢進剤の非存在下にて栽培した同一種の植物と比較してアミノ酸含量が向上した植物が意図される。アミノ酸含量亢進剤を用いて植物を栽培すれば、アミノ酸含量亢進剤を用いずに栽培する場合に比べて、当該植物のアミノ酸含量を向上させることができる。なお、植物中のアミノ酸含量の測定方法については従来公知の手順に従えばよい。
アミノ酸含量亢進剤の使用濃度は、酸化型グルタチオン(GSSG)を液体形態の組成物として植物に施用する場合、0.2mM〜5mMが好ましく、0.5mM〜5mMがより好ましく、1mM〜5mMがさらに好ましく、2mM〜5mMがなおさらに好ましい。この範囲であれば、製造される植物のアミノ酸含量をより向上させることができる。液体形態の組成物は、アミノ酸含量亢進剤を、適当な溶媒(例えば、水など)に溶解させて調製され得る。水は、脱イオン水、蒸留水、逆浸透水、水道水などのいずれもが利用可能である。溶媒には、アミノ酸含量亢進剤以外の成分、例えば市販の各種肥料や界面活性剤等を含ませることも可能である。なお、この濃度は、適用する植物の種類や、適用時期等に応じて適宜変更することができる。
植物に適用するアミノ酸含量亢進剤の量は、その濃度や施用条件に応じて調節することができるが、その量については、実際に植物に供されるアミノ酸含量亢進剤の総量によって定義付けることができる。
例えば、植物を栽培するための支持体をアミノ酸含量亢進剤で湿潤させる方法として、アミノ酸含量亢進剤を含む溶液を支持体上部から散水する方法、アミノ酸含量亢進剤を含む溶液を満たした容器内に支持体を置床し底面から潅水させる方法などが例示される。支持体上部から散水する場合には、上部からの散水量はアミノ酸含量亢進剤の使用条件・ポット容積等の栽培条件に応じて適宜調整することができ、例えば1mMのGSSGを用いることを想定した場合には、1個体あたり5mL/回〜150mL/回が好ましく、8.5mL/回〜100mL/回がより好ましく、20mL/回〜50mL/回が更に好ましい。底面から潅水させる場合は、アミノ酸含量亢進剤を含む溶液が支持体に、実質的に均一に湿潤されればよいが、このような場合に使用する液量・濃度としては、土壌あたりに施用するアミノ酸含量亢進剤の量として定義付けることもできる。
液体形態の組成物を植物に直接散布する場合は、溶液を、スプレーなどを用いて、植物の一部または全体に、霧状に散布すればよい。溶液の散布量は、溶液中のアミノ酸含量亢進剤の濃度によって適宜設定される。散布回数は、1回でも2回以上であってもよいが、栽培開始時に散布することが好ましい。さらにアミノ酸含量亢進剤の使用条件に応じて、栽培期間中に適宜(例えば数日(2日〜7日)おき)追加で散布を行ってもよい。
なお、アミノ酸含量亢進剤を含む培地または溶液は、アミノ酸含量亢進剤が上記濃度範囲内に調整された後に植物に供給されることが好ましいが、植物に取り込まれる段階でアミノ酸含量亢進剤が培地または溶液と混合されていればよい。よって、アミノ酸含量亢進剤を含有しない培地または溶液と補助剤とが、同時にまたは連続的に、植物の外表面に直接的に供給されても、植物の近傍(支持体または用土)に供給されてもよい。このような手順を用いることによって、植物は、補助剤が混合された培地または溶液を取り込むことができる。
〔2.植物のアミノ酸含量を高めるための組成物〕
本発明は、植物のアミノ酸含量を高めるための組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)を提供する。本発明の組成物は、アミノ酸含量亢進剤を含有していればよい。
本発明の組成物を、上述したアミノ酸含量亢進剤と同様に用いれば、植物のアミノ酸含量を簡便に高めることができ、さらには、アミノ酸含量が向上した植物を製造することができる。
上述したように、本発明におけるアミノ酸含量亢進剤は、グルタチオンまたはその誘導体であることが好ましい。グルタチオンには、還元型グルタチオン(以下、「GSH」という。)及び酸化型グルタチオン(以下、「GSSG」という。)があるが、本発明に用いられるグルタチオンはいずれの型であってもよい。GSSGを用いた場合であってもGSHを用いた場合であっても、後述の実施例にて示すように、全アミノ酸の含有量が対照区と比べてより高い植物を得ることができる。なお、「酸化型グルタチオン」は、2分子の還元型グルタチオンがジスルフィド結合によってつながった分子であると定義付けられる。なお、GSHは、酸化されやすい性質を有していることが、当業者によく知られている。したがって、本発明の組成物にアミノ酸含量亢進剤としてGSHを含有させると、本発明の組成物には、GSSGが少なからず含まれている。つまり、本発明の組成物には、グルタチオンとして、GSHとGSSGとが混合した状態で含まれていてもよい。また、本発明の組成物にGSHを含有させ、その保存時もしくは使用時に、GSSGに酸化させた形態として利用しても、植物に施用した後にGSSGに酸化された形態として利用してもよい。なお、GSHをGSSGに酸化する方法は特に限定されるものではない。例えば、空気酸化により、GSHをGSSGに容易に変換することができる。また、従来公知のあらゆる人為的な方法で、GSHをGSSGに変換してもよい。
本発明の組成物には、アミノ酸含量亢進剤の作用効果が損なわれない範囲であれば、他の成分を含有させてもよい。例えば、本発明の組成物は、水または従来公知の液体担体等に溶解されて、液剤、乳剤、ゲル状剤等の形態で提供されてもよい。そのような液体担体として、キシレン等の芳香族炭化水素類;エタノール、エチレングリコール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等が挙げられるが、これらに限定されない。また、本発明の組成物は、アミノ酸含量亢進剤を固形の担体成分に担持させた、固形剤、粉剤等であってもよい。そのような固形の担体成分としては、タルク、クレー、バーミキュライト、珪藻土、カオリン、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、白土、シリカゲル等の無機物;小麦粉、澱粉等の有機物等を例示できるが、これらに限定されない。また、本発明の組成物は、他の補助剤が適宜配合されていてもよい。そのような補助剤として、例えばアルキル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等の陰イオン界面活性剤;高級脂肪族アミンの塩類等の陽イオン界面活性剤;ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコールアシルエステル、ポリオキシエチレングリコール多価アルコールアシルエステル、セルロース誘導体等の非イオン界面活性剤;ゼラチン、カゼイン、アラビアゴム等の増粘剤;増量剤、結合剤等が挙げられる。
後述する実施例に示されるように、本発明の組成物の形態は、特に限定されず、液体、錠剤、散剤または顆粒剤の形態であり得る。例えば、液体形態にて提供される場合、本発明の組成物を、植物を生育させるときに用いる培地等に含有させてもよいし、生長点、芽、葉、茎等の植物の一部又は全体に散布、滴下、塗布してもよい。なお、本明細書中において使用される場合、植物を栽培するための「培地」は、土壌、土壌改良剤を包含する。
また、本発明の組成物は、錠剤、散剤または顆粒剤にて提供される場合、植物を生育させるときに用いる培地に含有させてもよいし、水上栽培する植物に適用する場合に水中に入れて徐々に溶解させてもよい。水に溶解させるための固形剤等として提供して、使用するときに水に溶解させるようにしてもよい。また、本発明の組成物を、従来公知の肥料、植物ホルモン等の薬剤と混合して植物に与えてもよい。
なお、後述する実施例に示されるように、本発明の組成物を施用して栽培した植物は、窒素肥料(硝酸アンモニウム)を施用して栽培した植物と比較して、アミノ酸含量が顕著に高い。このことは、アミノ酸含量を高めるには、従来の窒素肥料を併用することを必ずしも要しないということを示している。このように、本発明の組成物は、窒素源を含有していなくてもよい。
本発明はまた、植物のアミノ酸含量を高めるためのキット(以下、「本発明のキット」ともいう。)を提供する。本発明のキットは、アミノ酸含量亢進剤を含有している組成物(本発明の組成物)、またはアミノ酸含量亢進剤を備えていればよい。また、本発明のキットは、アミノ酸含量が向上した植物を製造するために用いられてもよい。
本発明のキットは、これらの物質以外の他の成分を備えていてもよい。アミノ酸含量亢進剤、及び上記他の成分は、適切な容量及び/又は形態で含有した一つの容器に入れられて提供されてもよいし、それぞれ別の容器に入れられて提供されてもよい。また、植物を生育させるための器具、培地等を備えていてもよい。さらに、植物のアミノ酸含量を高めるという用途を実現するために、本発明のキットは、植物のアミノ酸含量を高めるための使用手順を記載した指示書、あるいはアミノ酸含量が向上した植物を製造するための使用手順を記載した指示書を備えていることが好ましい。「指示書」は、紙またはその他の媒体に書かれていても印刷されていてもよく、あるいは磁気テープ、コンピューター読み取り可能ディスクまたはテープ、CD−ROMなどのような電子媒体に付されてもよい。本発明のキットは、上述した組成物を構成するために用いられてもよく、上述した組成物に含まれる物質を別々に備えていても、上述した組成物とさらなる成分とを別々に備えていてもよい。
本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を植物に施用する時期は特に限定されず、植物が、アミノ酸含量亢進剤を常に吸収し得る条件下で、本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を施用してもよいし、栽培期間を通して、間欠的にアミノ酸含量亢進剤を吸収し得る条件(例えば、週1回や週2回といった間隔で施用する条件)下で、本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を施用してもよく、特定の生育時期にのみ、本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を施用してもよい。本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を間欠的に施用することにより、アミノ酸含量亢進剤の使用量を減少させることができ、植物栽培にかかるコストを低減することができる。なお、本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を間欠的に施用する場合、一定の時間間隔で施用することが好ましいが、これに限定されず、不定の時間間隔で施用してもよい。例えば、本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を、植物の種子を播種した時点から与えてもよい。具体的には、播種後2ヶ月〜半年弱程度で収穫時期に達する植物に本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を与える場合、播種した日に与えてもよく、好ましくは播種した日〜播種後4週間、より好ましくは播種した日〜播種後7週間、さらに好ましくは播種した日から収穫の日まで、定期的に与えることがさらに好ましい。この場合、本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を与える間隔としては特に限定されないが、一週間に1回〜4回が好ましく、2〜3回がより好ましい。
また、本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を施用する時間間隔は特に限定されるものではなく、施用されるアミノ酸含量亢進剤の濃度、対象となる植物、及び本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を施用する時期等に応じて決定すればよい。一般的には、適用対象となる植物が草本植物の場合、週1回〜週2回とするか、追肥時期と同時期に行うことが好ましい。
アミノ酸含量が向上した収穫物として種子や果実を想定する場合、栄養生長期から生殖成長期への転換時期の前後(栄養生長期から生殖成長期への転換時期を含む)、もしくは、その後の花芽形成期、もしくは目的収穫物への転流が起きる時期に施用することが好ましい。このような構成によれば、特定の時期にのみ本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を用いるため、植物栽培にかかるコストを低減することができる。
特定の時期にのみ、本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を施用する場合、特定の時期の一定期間、植物がアミノ酸含量亢進剤を常に吸収し得る条件下で本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を施用してもよいし、特定の時期の一定期間、間欠的にアミノ酸含量亢進剤を吸収し得る条件下で本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を施用してもよい。特定の時期の一定期間、間欠的に本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を施用することにより、植物の栽培コストをより一層低減することができる。
施用されるアミノ酸含量亢進剤の量は、特に限定されず、植物の種類に応じて適宜設定すればよいが、GSSGをアミノ酸含量亢進剤として施用する場合、栽培期間を通して1個体当たりに施用するGSSGが0.02mmol以上、0.5mmol以下となるように提供されることが好ましく、0.05mmol以上、0.5mmol以下とすることがより好ましい。また、このようにして施用されるアミノ酸含量亢進剤は、前述した使用濃度の範囲において使用されることがより好ましいが、これに限らない。
また、播種した後であって、苗を作出した後等、ある程度生育させた後から、所定の期間、本発明の組成物を施用してもよい。例えば、スイートコーン等のイネ科植物に本発明の組成物を施用する場合、苗を育てた後に、本発明の組成物を施用してもよい。この場合、作出した苗を植える培地に予め本発明の組成物を含有させていてもよく、当該培地に苗を植えた後、定期的に本発明の組成物を培地に施用してもよい。苗を植え替えた後に、本発明の組成物を培地に提供する場合、より具体的な施用の時期としては特に限定されないが、例えば、苗を植え替えた後から、収穫するまでの間に、一週間に1回〜4回与えることが好ましく、2〜3回がより好ましい。使用量としては、特に限定されず、植物の種類に応じて適宜設定すればよい。
また、収穫時期から逆算して、本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を与える時期を設定してもよい。例えば、収穫時期の10日前から与えたり、20日前から与えたりする等のように設定してもよい。ここで言う収穫時期とは、種子が収穫物である場合には種子収穫の時期であり、葉が収穫物である場合には葉の収穫時期を指し、収穫物の様態を問わない。
種子や果実を収穫物とする場合には、花をつける時期に基づいて、本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を与える時期を設定してもよい。例えば、つぼみの時期に施用してもよいし、花弁が散った後に施用してもよいし、つぼみの時期から果実が実るまでの間、開花した時期から果実が実るまでの間、花弁が散ってから果実が実るまでの間に、本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を施用してもよく、花序に塗布してもよい。
なお、アミノ酸含量亢進剤を含む溶液を首尾よく調製する目的で利用される場合、本発明の組成物は、錠剤、散剤または顆粒剤の形態であることが好ましい。そして、得られた溶液中のアミノ酸含量亢進剤の最終濃度が上述した範囲内になるように、アミノ酸含量亢進剤が組成物中に含有されていることが好ましい。
このように、栽培している間に本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を施用する場合、上述のように肥料及び/又は植物ホルモン等の薬剤と当該組成物とを混合して植物に施用してもよい。この場合、当該肥料等と組成物との混合物を与える時期としては特に限定されず、上述の例示に従ってもよいし、肥料等を与える好ましい時期に従ってもよい。
本明細書中において、「植物」は、植物全体、植物器官(例えば葉、花弁、茎、根、種子など)、植物組織(例えば表皮、師部、柔組織、木部、維管束、柵状組織、海綿状組織など)または植物培養細胞、あるいは種々の形態の植物細胞(例えば、懸濁培養細胞)、プロトプラスト、葉の切片、カルスなどが意図される。
本発明の適用対象となる植物としては、特に制限されず、種々の単子葉植物、双子葉植物、樹木等の植物全般に適用することができる。例えば、単子葉植物としては、例えばウキクサ属植物(ウキクサ)及びアオウキクサ属植物(アオウキクサ,ヒンジモ)が含まれるうきくさ科植物;カトレア属植物、シンビジウム属植物、デンドロビューム属植物、ファレノプシス属植物、バンダ属植物、パフィオペディラム属植物、オンシジウム属植物等が含まれる、らん科植物;がま科植物、みくり科植物、ひるむしろ科植物、いばらも科植物、ほろむいそう科植物、おもだか科植物、とちかがみ科植物、ほんごうそう科植物、イネ科植物(スイートコーン等のトウモロコシ等)、かやつりぐさ科植物、やし科植物、さといも科植物、ほしぐさ科植物、つゆくさ科植物、みずあおい科植物、いぐさ科植物、びゃくぶ科植物、ゆり科植物、ひがんばな科植物、やまのいも科植物、あやめ科植物、ばしょう科植物、しょうが科植物、かんな科植物、ひなのしゃくじょう科植物等を例示することができる。
また、双子葉植物としては、例えばアサガオ属植物(アサガオ)、ヒルガオ属植物(ヒルガオ,コヒルガオ,ハマヒルガオ)、サツマイモ属植物(グンバイヒルガオ、サツマイモ)、ネナシカズラ属植物(ネナシカズラ、マメダオシ)が含まれるひるがお科植物;ナデシコ属植物(カーネーション等)、ハコベ属植物、タカネツメクサ属植物、ミミナグサ属植物、ツメクサ属植物、ノミノツヅリ属植物、オオヤマフスマ属植物、ワチガイソウ属植物、ハマハコベ属植物、オオツメクサ属植物、シオツメクサ属植物、マンテマ属植物、センノウ属植物、フシグロ属植物、ナンバンハコベ属植物が含まれるなでしこ科植物;もくまもう科植物、どくだみ科植物、こしょう科植物、せんりょう科植物、やなぎ科植物、やまもも科植物、くるみ科植物、かばのき科植物、ぶな科植物、にれ科植物、くわ科植物、いらくさ科植物、かわごけそう科植物、やまもがし科植物、ぼろぼろのき科植物、びゃくだん科植物、やどりぎ科植物、うまのすずくさ科植物、やっこそう科植物、つちとりもち科植物、たで科植物、あかざ科植物、ひゆ科植物、おしろいばな科植物、やまとぐさ科植物、やまごぼう科植物、つるな科植物、すべりひゆ科植物、もくれん科植物、やまぐるま科植物、かつら科植物、すいれん科植物、まつも科植物、きんぽうげ科植物、あけび科植物、めぎ科植物、つづらふじ科植物、ろうばい科植物、くすのき科植物、けし科植物、ふうちょうそう科植物、あぶらな科植物、もうせんごけ科植物、うつぼかずら科植物、べんけいそう科植物、ゆきのした科植物、とべら科植物、まんさく科植物、すずかけのき科植物、ばら科植物、まめ科植物、かたばみ科植物、ふうろそう科植物、あま科植物、はまびし科植物、みかん科植物、にがき科植物、せんだん科植物、ひめはぎ科植物、とうだいぐさ科植物、あわごけ科植物、つげ科植物、がんこうらん科植物、どくうつぎ科植物、うるし科植物、もちのき科植物、にしきぎ科植物、みつばうつぎ科植物、くろたきかずら科植物、かえで科植物、とちのき科植物、むくろじ科植物、あわぶき科植物、つりふねそう科植物、くろうめもどき科植物、ぶどう科植物、ほるとのき科植物、しなのき科植物、あおい科植物、あおぎり科植物、さるなし科植物、つばき科植物、おとぎりそう科植物、みぞはこべ科植物、ぎょりゅう科植物、すみれ科植物、いいぎり科植物、きぶし科植物、とけいそう科植物、しゅうかいどう科植物、さぼてん科植物、じんちょうげ科植物、ぐみ科植物、みそはぎ科植物、ざくろ科植物、ひるぎ科植物、うりのき科植物、のぼたん科植物、ひし科植物、あかばな科植物、ありのとうぐさ科植物、すぎなも科植物、うこぎ科植物、せり科植物、みずき科植物、いわうめ科植物、りょうぶ科植物、いちやくそう科植物、つつじ科植物、やぶこうじ科植物、さくらそう科植物、いそまつ科植物、かきのき科植物、はいのき科植物、えごのき科植物、もくせい科植物、ふじうつぎ科植物、りんどう科植物、きょうちくとう科植物、ががいも科植物、はなしのぶ科植物、むらさき科植物、くまつづら科植物、しそ科植物、なす科植物(トマト等)、ごまのはぐさ科植物、のうぜんかずら科植物、ごま科植物、はまうつぼ科植物、いわたばこ科植物、たぬきも科植物、きつねのまご科植物、はまじんちょう科植物、はえどくそう科植物、おおばこ科植物、あかね科植物、すいかずら科植物、れんぷくそう科植物、おみなえし科植物、まつむしそう科植物、うり科植物、ききょう科植物、きく科植物等を例示できる。また、本発明の対象となる植物は、上記例示した植物の野生型のみならず、変異体や形質転換体であってもよい。
なお、後述する実施例に示されるように、植物におけるアミノ酸含量が向上する部位は特に限定されず、収穫物であってもそれ以外の部位(例えば、アミノ酸を抽出する目的のみに利用される器官または組織)であってもよい。「収穫物」とは、その植物において食糧となる部分、例えば、実を食する植物の場合は実、種子を食する植物の場合は種子、茎を食する植物の場合は茎、根を食する植物の場合は根、花を食する植物の場合は花、葉を食する植物の場合は葉等が意図されるが、これらに限定されない。
〔3.植物のアミノ酸含量を高める方法、およびアミノ酸含量が向上した植物を製造する方法〕
本発明は、植物のアミノ酸含量を高める方法(以下、「本発明の方法」という。)を提供する。本発明の方法は、本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を植物に施用する工程を包含すればよい。
アミノ酸含量亢進剤は、植物に接触させることで植物に吸収させることができるので、上記工程は、アミノ酸含量亢進剤を目的の植物に接触させる工程でも、アミノ酸含量亢進剤を目的の植物に吸収させる工程でもあり得る。アミノ酸含量亢進剤を植物に吸収させる手順としては特に限定されず、例えば、本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を含有する培地(土壌及び土壌改良剤を含む)で植物を栽培することによって根から吸収させてもよいし、植物を栽培する間に本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を粒剤または液肥として与えたり、吹き付けたり、塗布したりすることによって植物がアミノ酸含量亢進剤を吸収するようにしてもよい。また、イオン交換樹脂等の吸着体に本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を吸着させて、これを土壌に埋設する等、培地中に配置した上で、当該植物を栽培してもよい。すなわち、本発明の方法は、アミノ酸含量亢進剤の存在下にて植物を栽培する工程をさらに包含する。なお、本発明の方法における工程の具体的な手順については、上述したような、本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤の使用形態に準じればよい。
また、施用するアミノ酸含量亢進剤の濃度は、植物のアミノ酸含量を高めることができる範囲内において、高濃度であっても低濃度であってもよく、提供される間隔、時期、期間等を適宜設定することによって所望の効果を導き得る。例えば、植物に接触させるアミノ酸含量亢進剤の濃度範囲は、0.2mM〜5mMが好ましく、0.5mM〜5mMがより好ましく、1mM〜5mMがさらに好ましく、2mM〜5mMがなおさらに好ましい。
栽培期間を通して施用するアミノ酸含量亢進剤の総量が特定の範囲内である場合に、植物のアミノ酸含量を高めることができる。栽培期間を通して植物に与えるアミノ酸含量亢進剤の総量は、GSSGの量に換算することができる。例えば、4週間の栽培期間に使用するGSSGの量は、植物1個体当たり12.5mg〜300mgの範囲内であることが好ましく、土壌1L当たり60mg〜1450mgの範囲内であることが好ましい。GSSGを施用して植物を栽培する期間は、特に限定されないが、収穫の4週間(28日)前から収穫時点までであることが好ましい。なお、アミノ酸含量亢進剤の吸着体等を土壌に埋設し使用する場合には、植物体との接触時間が長くなり、液肥として土壌や植物に使用する場合よりも少量の施用で効果を発揮することができる。
もちろん、本発明の方法が適用された植物においてアミノ酸含量が向上している。このことを確認するために、本発明の方法は、アミノ酸含量亢進剤を施用した植物におけるアミノ酸含量を測定する工程をさらに包含してもよい。また、後述する実施例5に示されるように、本発明の方法によって、植物の、目的とする収穫物におけるアミノ酸含量が向上している。このことを確認するために、本発明の方法は、アミノ酸含量亢進剤を施用した植物の、目的とする収穫物におけるアミノ酸含量を測定する工程をさらに包含してもよい。なお、植物におけるアミノ酸含量の測定方法については従来公知の手順に従えばよく、後述する実施例に記載の手順であってもよい。
本発明の方法は、本発明による効果(すなわち、植物のアミノ酸含量を高める効果)を制御するために、本発明が適用された植物の収穫時期の光条件を制御する工程をさらに包含してもよい。後述する実施例に示されるように、アミノ酸含量亢進剤の施用と収穫前の光照射とを組み合わせることによって収穫物中の含量が上昇するアミノ酸や含量が低下するアミノ酸が存在する。上記構成によれば、目的のアミノ酸の含量を首尾よく増加させたり、収穫物中のアミノ酸の含量比を所望の値に調節したりすることができる。なお、光条件の制御は、明条件下から暗条件下への変更であっても暗条件下から明条件下への変更であっても、明条件下での光量の変更であってもよく、収穫物を収穫する前に行われればよく、制御の開始の8時間以上後でありかつ制御の終了までに収穫が行われれば、開始時期および制御期間は特に限定されない。また、制御の開始は、植物へのアミノ酸含量亢進剤の施用を開始する前であっても後であってもよく、アミノ酸含量亢進剤の施用を開始した後に行われることが好ましい。
本発明の方法はまた、本発明による効果(すなわち、植物のアミノ酸含量を高める効果)を制御するために、本発明が適用された植物の栽培時期の温度条件を制御する工程をさらに包含してもよい。後述する実施例に示されるように、植物の生育に最適な温度範囲外の温度にて生育を行った場合であっても、アミノ酸含量亢進剤を施用しかつ温度条件を制御することによって植物におけるアミノ酸含量を向上させることができる。なお、温度条件の制御は、高温条件から低温条件への変更であっても低温条件から高温条件への変更であってもよく、播種(好ましくは発芽)の後に制御が開始され、制御の終了までに収穫が行われれば、開始時期および制御期間は特に限定されない。また、制御の開始は、植物へのアミノ酸含量亢進剤の施用を開始する前であっても後であってもよく、アミノ酸含量亢進剤の施用を開始した後に行われることが好ましい。
本発明はさらに、アミノ酸含量が向上した植物を製造する方法(以下、「本発明の製造方法」という。)を提供する。本発明の製造方法は、上述した本発明の方法を用いることを特徴としており、本発明の組成物またはアミノ酸含量亢進剤を植物に施用する工程、およびアミノ酸含量亢進剤の存在下にて植物を栽培する工程を包含すればよい。また、本発明の製造方法は、アミノ酸含量亢進剤を施用した植物におけるアミノ酸含量を測定する工程をさらに包含することが好ましく、アミノ酸含量亢進剤を施用した植物の、目的とする収穫物におけるアミノ酸含量を測定する工程をさらに包含することもまた好ましい。
また、本発明の製造方法によって製造された植物においてアミノ酸含量が向上したことを確認するために、本発明の製造方法は、アミノ酸含量亢進剤の非存在下にて栽培した植物と比較してアミノ酸含量が向上した植物を選択する工程をさらに包含することがより好ましい。上記構成を有することにより、目的の植物を首尾よく選抜することができる。
また、本発明の製造方法によって製造された植物であるか否かを、代謝物質の生成量または遺伝子の発現量に基づいて調べることができる。すなわち、本発明の製造方法によって製造された植物を首尾よく選抜するために、後述するようなアミノ酸含量亢進剤の存在下にて栽培した植物に特徴的なプロファイルを有する植物を選択する工程を包含してもよく、ここで用いられるプロファイルは、代謝物質の生成量をプロファイリングした代謝物質生成量プロファイルであっても、遺伝子の発現量をプロファイリングした遺伝子発現量プロファイルであってもよい。この場合、予め取得された代謝物質生成量プロファイルまたは遺伝子発現量プロファイルとの比較に基づいて目的の植物が選択されればよいが、植物における代謝物質生成量プロファイルまたは遺伝子発現量プロファイルを取得する工程をさらに包含してもよい。
代謝物質生成量プロファイルを取得する方法は特に限定されず、代謝物質の量を測定するための従来公知の手法を用いることができ、例えばメタボローム解析等による網羅的解析を行うことが好ましい。例えば、代謝物質生成量プロファイルは、例えば以下のように取得することができる。CE−TOFMSを用いて測定したサンプル間での各代謝物質の生成量の増減の傾向を数値化し、類似した結果を示したものをグループ分けする階層的クラスタリング(HCA:Hierarchical Cluster Analysis)を用いることによって、多数の代謝物質をその生成量のパターンに従って分類し、その分類結果を樹形図にて示すことができる(図4参照)。また、増減の程度をHaet Mapの様式にて示すことによって、代謝物質の分類をより視覚的に表すことも可能である。このようにして得られる樹形図およびHeat Mapは、施用される条件ごとに特有の傾向を含んでいるため、例えば、本発明の方法によって得られる植物体と対照区の植物体とを容易に区別することができる。
本発明はさらに、アミノ酸含量が向上した植物(以下、「本発明の植物」という。)を提供する。本発明の植物は本発明の製造方法により得られた植物である。本発明の植物は、「本発明の適用対象となる植物」として先に列挙したものであれば特に限定されず、陸生植物であっても水生植物であってもよく、水生植物としては藻類であることが好ましい。
前述したように、本発明の植物は、メタボローム解析等を用いて取得した代謝物質生成量プロファイルを比較することによって特定され得る。アミノ酸含量亢進剤を用いた場合、例えば、図4に示されるように、アミノ酸含量亢進剤(例えばGSSG)を施用して栽培した植物での代謝物質生成量プロファイル(本発明の代謝物質生成量プロファイルともいう。)は、他の方法によって栽培された植物にて取得した代謝物質生成量プロファイルと異なる。よって、調査対象の植物の代謝物質生成量プロファイルを取得し、それを予め取得した本発明の代謝物質生成量プロファイルと比較することにより、本発明の製造方法によって得られた植物であるか否かを簡便かつ明確に判定することができる。
代謝物質生成量プロファイルを調べる方法以外にも、例えば、DNAマイクロアレイ等を用いて遺伝子発現量プロファイルを取得し、これを比較することによっても、本発明の製造方法によって得られた植物であるか否かを簡便かつ明確に判定することができる。アミノ酸含量亢進剤を用いた場合、例えば、アミノ酸含量亢進剤(例えばGSSG)を施用して栽培した植物の遺伝子発現量プロファイル(本発明の遺伝子発現量プロファイルともいう。)は、他の方法で栽培された植物にて取得した遺伝子発現量プロファイルと異なり得る。よって、調査対象の植物の遺伝子発現量プロファイルを取得し、それを予め取得した本発明の遺伝子発現量プロファイルと比較することにより、本発明の製造方法によって得られた植物であるか否かを簡便かつ明確に判定することができる。さらに他の例として、グルタチオン結合タンパク質の2次元電気泳動像から予め調べたパターン変化と比較することによって、GSSGを施用したか否かを判断することができる。また、植物内における目的遺伝子をPCR法、サザンハイブリダイゼーション法、ノーザンハイブリダイゼーション法等によって確認することで、本発明の植物が遺伝子導入(形質転換)によって得られた植物でないことを確認することができる。さらに別の方法としては、植物中のアミノ酸含量亢進剤の量および割合のうちの少なくとも一方を調べることにより、本発明の方法で得られた植物を本発明の方法以外の方法で得られた植物と明確に区別することができる。このような方法は単独で行ってもよいし、複数を組み合わせて行ってもよい。複数を組み合わせて行うことにより、本発明の植物と、本発明の方法以外の方法で得られた植物とをより明確に区別することができる。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。また、本明細書中に記載された文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
〔1:シロイヌナズナにおける全遊離アミノ酸含量へのグルタチオンの影響〕
シロイヌナズナを、100μE/mの強さの光で16時間明期/8時間暗期の日長条件下にて22℃で育成した。培地には、下層にバーミキュライト(旭工業)2、中層にクレハ育苗培土(クレハ)1、上層にバーミキュライト(旭工業)1の割合で重層して形成される土壌を用いて生育実験を行った。
本実験では、植物に対して、水のみ(Cont)、1mMの酸化型グルタチオン(GSSG)溶液、2mMの還元型グルタチオン(GSH)溶液、又は3mMの硝酸アンモニウム(NHNO)を与えた。具体的には、65mm(W)×65mm(D)×50mm(H)程度のポットに3個体となるようにして、1週間に一回、ポットあたり25mLの溶液を根に与えた。
アミノ酸含量の測定には、播種の4週間後の植物と播種の5週間後の植物を用いた。なお、検体として、葉(又は地上部)を用い、CE−TOFMS(キャピラリー電気泳動−飛行時間型質量分析計:Agilent CE-TOFMS system(Agilent technologies社))のカチオンモード、アニオンモードによる測定を実施した。検出されたピークに対しm/Zと泳動時間を元にデータベースに照合し、アミノ酸の検索・同定・定量を行った。
CE−TOFMSに用いた検体は以下のように調製した。まず、葉試料と内部標準物質50μMを含んだ500μLのメタノール溶液を破砕用チューブに入れ、液体窒素により凍結し、卓上破砕機を用いて破砕した。これに500μLのクロロホルム及び200μLのMilli−Q水を加えて撹拌し、遠心分離(2300×g、4℃、5分間)を行った。遠心分離後、水相を限外ろ過チューブ(MILLIPORE、ウルトラフリーMC UFC3 LCC 遠心フィルターユニット 5kDa)400μL×1本に移し取った。これを遠心分離(9100×g、4℃、120分間)し、水相の限外ろ過処理を行った。ろ液を乾固させ、50μLのMilli−Q水に溶解し、測定に供した。
CE−TOFMSを用いて定量したアミノ酸含量の結果を図1に示す。図1(a)に示されるように、播種の4週間後の植物における全遊離アミノ酸含量を比較したとき、水のみを与えた対照区(1)の全遊離アミノ酸含量に対し、GSSG処理区(2)又はGSH処理区(3)の全遊離アミノ酸含量はそれぞれ約2.8倍または約2.9倍となっており、著しい上昇がみられた。また、窒素源として硝酸アンモニウム処理区(4)においては、アミノ酸含量に上昇はみられなかった。
播種の5週間後の植物では、全ての条件で、全遊離アミノ酸含量が播種の4週間後の植物のものと比べて低下していたが、図1(b)に示されるように、水のみを与えた対照区(1)の全遊離アミノ酸含量に対し、GSSG処理区(2)又はGSH処理区(3)の全遊離アミノ酸含量はそれぞれ約2.0倍又は約2.4倍となっており、著しい上昇がみられた。また、窒素源として硝酸アンモニウム処理区(4)においては、播種の4週間後の植物の場合と異なりアミノ酸含量がやや上昇していた(約1.37倍)が、グルタチオン処理区よりは明らかに少なかった。
〔2:シロイヌナズナにおける各遊離アミノ酸含量へのグルタチオンの影響〕
図2(a)は、上記と同様の条件のアミノ酸含量亢進剤の存在下で、播種後4週間生育し、CE−TOFMSにて定量したシロイヌナズナの各遊離アミノ酸の量を示したものである。各アミノ酸の絶対量は、アミノ酸ごとに大きく異なるが、図2に示したいずれのアミノ酸も対照区(Cont)に比べ、GSSG処理区及びGSH処理区で大きな増加がみられた。図2(b)に示されるように、いくつかのアミノ酸について、その含量に著しい増加(約1.5倍〜約30倍)がみられた。具体的には、プロリン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、グルタミン酸、メチオニン、ヒスチジン、アルギニンの含量において明らかな増加がみられ、特にアスパラギン、グルタミン、アルギニンにおいて顕著な増加がみられた。また、GABA,ヒドロキシプロリン,ホモセリン等のタンパク質を構成する主要なαアミノ酸以外のアミノ酸についても増加がみられた。なお、窒素肥料の添加(NHNO)では、アミノ酸含量の増加が殆どみられなかった。
図3(a)は、上記と同様の条件のアミノ酸含量亢進剤の存在下で、播種後5週間生育し、CE−TOFMSにて定量したシロイヌナズナの各遊離アミノ酸の量を示したものである。各アミノ酸の絶対量は、アミノ酸ごとに大きく異なるが、図3に示したいずれのアミノ酸も対照区(Cont)に比べ、GSSG処理区及びGSH処理区で大きな増加がみられた。図3(b)に示されるように、いくつかのアミノ酸について、その含量に著しい増加(約1.5倍〜約20倍)がみられた。具体的には、アラニン、セリン、プロリン、バリン、チロシン、イソロイシン、ロイシン、アスパラギン、リジン、グルタミン、ヒスチジン、アルギニンの含量において明らかな増加がみられ、特にプロリン、アスパラギン、グルタミン、アルギニンに顕著な増加がみられた。また、GABA,ヒドロキシプロリン,ホモセリン等のタンパク質を構成する主要なαアミノ酸以外のアミノ酸についても増加がみられた。なお、窒素肥料の添加(NHNO)では、対照区と比較してアミノ酸含量の増加が殆どみられなかった。
〔3:シロイヌナズナの代謝物質生成量プロファイルへのグルタチオンの影響〕
図4は、シロイヌナズナに酸化型グルタチオン(GSSG)と還元型グルタチオン(GSH)を処理したときの代謝物質生成量プロファイルを上記アミノ酸分析と同時に作成し、これを比較解析したものである。CE−TOFMSでは、アミノ酸以外にも多くの代謝物質を検出することが可能であるが、ここでは、CE−TOFMSで得られた132個の候補物質を定量した結果において、測定したサンプル間での各代謝物質量の増減の傾向を数値化し、類似した結果を示したものをグループ分けする階層的クラスタリング(HCA:Hierarchical Cluster Analysis)を用いて分類した。測定した代謝物質の生成量を、図4の樹形図に示すように分類した。さらに、増減の程度をHaet Mapの様式にて示すことによって代謝物質の分類をより視覚的に表した。階層的クラスタリングおよびHeat Mapの作成には、SampleStat ver3.13およびPeakStat ver.3.17(共に、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社製)を用いた。図4から、GSH処理区にて特徴的に増加する代謝物質のクラスターやGSSG処理区にて特徴的に増加するクラスターを認めることができる。このように、グルタチオン施用区からは特徴的な代謝物質の生成プロファイルを得られることが示され、グルタチオンを処理しアミノ酸が向上した植物と、未処理の植物を区別することが可能であることが分かった。
〔光条件によるグルタチオンのアミノ酸含量向上効果の制御〕
実施例1と同様の栽培条件で生育させたシロイヌナズナにおいて、光(100μE/m/s)を照射する前(L0)の葉と、8時間の光照射後(L8)の葉におけるアミノ酸含量を比較した。アミノ酸含量の計測を実施例1と同様に行った。対照区(Cont)、1mM GSSG処理区、2mM GSH処理区、3mM硝酸アンモニウム(NHNO)処理区における、葉内の各アミノ酸含量を図5に示した。
グルタチオンによる各遊離アミノ酸含量の向上の程度が、サンプリング時の光条件によって異なっていた。例えば、図5に示されるように、β−アラニン、グリシン、プロリン、スレオニン、セリン、グルタミン酸については、光照射8時間後(L8)の葉における含量が、光照射前(L0)の葉における含量よりも上昇していた。一方、ロイシン、バリン、ヒスチジン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、アルギニン、グルタミンについては、光照射前(L0:暗条件)にサンプリングした葉における含量が、光照射8時間後(L8)の葉における含量よりも向上していた。
光照射によって含量が上昇するアミノ酸の例として、セリンの含量(nmol/gFW)を図6に示す。図6に示されているように、酸化型グルタチオンまたは還元型グルタチオンの処理を光照射と組み合わせることによって、葉におけるセリン含量が顕著に向上している。このような顕著な効果は、対照区および硝酸アンモニウム施肥区において観察されなかった。
光照射によって含量が低下するアミノ酸の例として、アスパラギンの含量(nmol/gFW)を図7に示す。図7に示されているように、アスパラギンの含量は、酸化型グルタチオンまたは還元型グルタチオンを施用することによって大きく向上するが、その効果は光照射前の方が大きい。このような効果は、対照区および硝酸アンモニウム施肥区において観察されなかった。
これらの結果から、グルタチオンの施用に加えて、収穫時期の光条件を制御することによって、アミノ酸の含量をさらに向上させることが可能であることがわかった。
〔栽培温度条件によるグルタチオンのアミノ酸含量向上効果の制御〕
〔1:ホウレンソウの栽培温度制御による各遊離アミノ酸含量への影響〕
アカザ科の野菜であるホウレンソウの、グルタチオンを施用する場合の栽培条件を検討した。ホウレンソウは、播種後、発芽の揃ったものを選び、インキュベーター(明期:14時間/暗期:10時間、光強度:約250μE/m/s)の中で栽培し、28日後にサンプリングした。栽培温度として、低温条件LT(Low Temperature:明期20℃/暗期15℃)と高温条件HT(High Temperature:明期25℃/暗期20℃)の2種類を設定した。なお、ホウレンソウの生育適温範囲は、本試験における低温条件であるが、高温条件においても問題なく生育させることが可能である。
培地には、下層にバーミキュライト(旭工業)2、中層にクレハ育苗培土(クレハ)1、上層にバーミキュライト(旭工業)1の割合で重層して形成される土壌を用いた。
本実験では、植物に対して、水のみ(Cont)、1mM酸化型グルタチオン(GSSG)溶液、2mM還元型グルタチオン(GSH)溶液を与えた。具体的には、65mm(W)×65mm(D)×50mm(H)程度のポットあたり1個体となるようにして、1週間に一回、ポットあたり25mLの溶液を根に与えた。
実施例1と同様に、検体として葉(又は地上部)を用い、CE−TOFMS(キャピラリー電気泳動−飛行時間型質量分析計:Agilent CE-TOFMS system(Agilent technologies社))のカチオンモード、アニオンモードによる測定を実施した。検出されたピークに対しm/Zと泳動時間を元にデータベースに照合し、アミノ酸の検索・同定・定量を行った。得られた結果を図8および図9に示す。
図8および図9は、グルタチオン処理を行ったホウレンソウのアミノ酸含量を、対照区を1として示したものである。図8に示されるように、低温条件においては、グルタチオンによる効果は一部のアミノ酸にて観察されるにとどまり、その効果は小さかった。一方、図9に示されるように、高温条件においては、各種のアミノ酸含量が向上していた。ホウレンソウにおいては、酸化型グルタチオンを施用することによって、チロシン、グリシン、ホモセリン、フェニルアラニンのアミノ酸含量が5倍以上に向上していることが示された。また、ホウレンソウにおいては、酸化型グルタチオンを還元型グルタチオンよりも好ましく使用し得ることがわかった。
〔2:コマツナの栽培温度制御による各遊離アミノ酸含量への影響〕
アブラナ科の野菜であるコマツナの、グルタチオンを施用する場合の栽培条件を検討した。コマツナは、播種後、発芽の揃ったものを選び、インキュベーター(明期:14時間/暗期:10時間、光強度:約250μE/m/s)の中で栽培し、28日後にサンプリングした。栽培温度として、低温条件LT(Low Temperature:明期20℃/暗期15℃)と高温条件HT(High Temperature:明期25℃/暗期20℃)の2種類を設定した。なお、コマツナの生育適温範囲は、本試験における高温条件であるが、低温条件においても問題なく生育させることが可能である。
培地には、下層にバーミキュライト(旭工業)2、中層にクレハ育苗培土(クレハ)1、上層にバーミキュライト(旭工業)1の割合で重層して形成される土壌を用いた。
本実験では、植物に対して、水のみ(Cont)、1mM酸化型グルタチオン(GSSG)溶液、2mM還元型グルタチオン(GSH)溶液を与えた。具体的には、65mm(W)×65mm(D)×50mm(H)程度のポットあたり1個体となるようにして、1週間に一回、ポットあたり25mLの溶液を根に与えた。
実施例1と同様に、検体として葉(又は地上部)を用い、CE−TOFMS(キャピラリー電気泳動−飛行時間型質量分析計:Agilent CE-TOFMS system(Agilent technologies社))のカチオンモード、アニオンモードによる測定を実施した。検出されたピークに対しm/Zと泳動時間を元にデータベースに照合し、アミノ酸の検索・同定・定量を行った。得られた結果を図10および図11に示す。
図10および図11は、グルタチオン処理を行ったコマツナのアミノ酸含量を、対照区を1として示したものである。図10に示されるように、高温条件においては、グルタチオンによるアミノ酸含量向上の効果はβアラニン、アスパラギン、グルタミン等の一部のアミノ酸にとどまった。一方、図11に示されるように、低温条件においては、より多くのアミノ酸の含量が向上していた。コマツナにおいては、還元型グルタチオンを施用することによって、アスパラギン酸、トレオニン、GABA、イソロイシン、アスパラギン、グルタミン、アルギニンのアミノ酸含量が2倍以上に向上していることが示された。また、コマツナにおいては、還元型グルタチオンを酸化型グルタチオンよりも好ましく使用し得ることがわかった。
以上の結果から、栽培温度の管理を行うことによって、グルタチオンによるアミノ酸含量向上効果をより効果的に発揮させることができることが明らかとなった。
〔アミノ酸含量を向上させるためのグルタチオンの使用濃度の検討〕
キク科の野菜であるキクナ(シュンギク)に種々の濃度のグルタチオンを施用する場合の、アミノ酸含量への影響を検証した。キクナは、播種後、発芽の揃ったものを選び、インキュベーター(明期:14時間20℃/暗期:10時間15℃、光強度:約250μE/m/s)の中で栽培し、28日後にサンプリングした。培地には、下層にバーミキュライト(旭工業)2、中層にクレハ育苗培土(クレハ)1、上層にバーミキュライト(旭工業)1の割合で重層して形成される土壌を用いた。
本実験では、植物に対して、水のみ(Cont)、0.1mM、0.2mM、0.5mM、1mM、2mM、5mMの酸化型グルタチオン(GSSG)溶液を与えた。具体的には、65mm(W)×65mm(D)×50mm(H)程度のポットあたり1個体となるようにして、1週間に一回、ポットあたり25mLの溶液を根に与えた。
実施例1と同様に、検体として葉(又は地上部)を用い、CE−TOFMS(キャピラリー電気泳動−飛行時間型質量分析計:Agilent CE-TOFMS system(Agilent technologies社))のカチオンモード、アニオンモードによる測定を実施した。検出されたピークに対しm/Zと泳動時間を元にデータベースに照合し、アミノ酸の検索・同定・定量を行った。得られた結果を図12aおよび図12bに示す。
図12aに示されるように、キクナに対してGSSGを施用することにより、検出し得なかったシステインを除く、ほぼ全ての遊離アミノ酸の含量が変動していた。GSSGが0.1mMの際には、リジン、トリプトファン、グリシン、グルタミンを除くアミノ酸含量は低下しており、全遊離アミノ酸含量が低下していた。0.2mM〜5mMの条件で使用した場合には、対照区の全遊離アミノ酸含量に対して、処理区の遊離アミノ酸含量が濃度依存的に上昇していた。低濃度のGSSGを用いた場合に効果の少ないアミノ酸についても、高濃度でGSSGを使用することによってその含量を向上させ得ることが示された。
図12bは、対照区の遊離アミノ酸含量を1とした場合の、各濃度での処理区における遊離アミノ酸含量の比を示したものである。図12bに示されるように、5mMのGSSGを使用した場合には、全遊離アミノ酸含量は24.8倍となり、格別に顕著な効果を示した。また、グリシン、アスパラギン、ヒスチジン、ホモセリン、グルタミン、アルギニンについては、5mMのGSSGを使用した場合に含量が約100倍以上に上昇し、アルギニンについては最大となる1070倍という顕著な上昇を示した。
以上の結果から、アミノ酸含量の向上を目的としてグルタチオンを使用する場合には、アミノ酸含量亢進剤を0.2mM〜5mMの範囲内で使用することが好ましいことが示された。
〔果実におけるアミノ酸含量向上効果の検証〕
ナス科野菜であるミニトマト(品種:シャンデリア)に対するグルタチオンの効果を検証した。市販されている苗を購入し、これを実験に用いた。購入後、苗を1/2000a(アール)ポットに植え替え、6週間馴化栽培した。栽培土壌として、下層にバーミキュライト(旭工業)6L、中層にクレハ育苗培土(クレハ)3L、上層にバーミキュライト(旭工業)3Lを重層して形成される土壌を用いた。
馴化栽培した後、その時点で着果しているトマト果実を全て除去した。1%の酸化型グルタチオン又は1%の還元型グルタチオンを含む粒剤状に加工した担体(以下、GSSG粒剤又はGSH粒剤という。)をそれぞれ20gずつ、各ポットの地表面に撒き、この日を実験0日目とした。また、どちらの粒剤も用いない対照区を用意した。実験開始から8日後、20日後、36日後、50日後に追肥を行った。追肥には、くみあいS604号(N16%)を一回あたり6kg/a(1個体あたり3g(N480mg))となるように用いた。実験開始から20日後、29日後、57日後に赤く成熟しているトマト果実を回収し、サンプルとした。
実施例1と同様に、回収した果実を検体として用い、CE−TOFMS(キャピラリー電気泳動−飛行時間型質量分析計:Agilent CE-TOFMS system(Agilent technologies社))のカチオンモード、アニオンモードによる測定を実施した。検出されたピークに対しm/Zと泳動時間を元にデータベースに照合し、アミノ酸の検索・同定・定量を行った。得られた結果を図13に示す。
図13は、対照区の果実の各アミノ酸含量に対する、GSSG粒剤又はGSH粒剤を施用した場合の果実におけるアミノ酸含量の比を示している。GSSG粒剤を用いた場合には、粒剤処理の20日後に回収した果実においてアミノ酸含量の増加が認められた。さらに、粒剤処理の29日後に回収した果実では、全てのアミノ酸の含量が向上しており、全遊離アミノ酸含量は2.2倍となっていた。一方、GSH粒剤を用いた場合でも、粒剤処理の20日後にはいくつかのアミノ酸の含量の増加が認められ、29日後には全てのアミノ酸含量が向上していた。GSH粒剤を処理した際の全遊離アミノ酸含量は、対照区の1.5倍であり、GSSG粒剤の方が好ましく使用し得ることがわかった。
粒剤処理後57日後に回収した果実では、アミノ酸含量が対照区での含量に近づいており、0日目に施用した粒剤の効果が薄まっていることが示唆された。
また、粒剤処理後20日目に追肥した窒素肥料の効果を検証したところ、対照区では全遊離アミノ酸含量が低下しているのに対して、GSSG粒剤を用いた場合には、アミノ酸含量が向上していた。
以上の結果から、本発明の方法は、作物の葉だけでなく果実においても、アミノ酸含量を向上させることも可能であることが示された。また、本発明に用いられるグルタチオンは、剤形に依存せず、液肥の他に、グルタチオンを保持する粒剤等を用い得ることが示された。
〔ニラにおけるアミノ酸含量向上効果の検証〕
単子葉植物(ひがんばな科)であるニラにおけるアミノ酸含量向上効果を検証した。ニラ植物を、セルトレー(128穴)に、種子を3粒/穴の条件にて2011年6月8日に播種し、これらを生育させた後、ポット(1/5000a(アール))に、6本/株の条件にて2011年9月12日に移植した。土壌として、まさ土:パーライト:ピートモスを2:1:1にて混合したものを3L/ポットにて使用した。また、基肥には、固形30号(N−P−K:10−10−10)を4g/ポットにて使用した。ポット上で溶液土耕栽培を行い、追肥として、大塚養液土耕5号(N−P−K:12−20−20)をEC0.6〜1.0dS/mに希釈したものを、一日に2〜3回、潅水と同時に供した。
グルタチオンを、GSSG粒剤を4.8g/ポットにて、2012年7月31日に施用した。粒剤の施用から4週間後に採取した可食部を、アミノ酸含量の測定に供した。可食部を検体として用いて、実施例1と同様に、CE−TOFMS(キャピラリー電気泳動−飛行時間型質量分析計:Agilent CE-TOFMS system(Agilent technologies社))のカチオンモード、アニオンモードによる測定を実施した。検出されたピークに対しm/Zと泳動時間を元にデータベースに照合し、アミノ酸の検索・同定・定量を行った。得られた結果を図14に示す。
図14は、GSSG処理を行ったニラにおける、アルギニン含量およびリジン含量を示している。GSSG未処理区(control)と比較して、GSSG粒剤処理区(GSSG)では、アルギニン含量が1.8倍、リジン含量が1.6倍に向上していた。このことから、単子葉植物であるニラにおいても、グルタチオン処理によってアミノ酸含量を向上させることができることがわかった。
このように、本発明は以下の態様であり得る:
[1]アミノ酸含量亢進剤を含有している、植物のアミノ酸含量を高めるための組成物。
[2]上記アミノ酸含量亢進剤がグルタチオンまたはその誘導体である、1の組成物。
[3]上記アミノ酸含量亢進剤が酸化型グルタチオンもしくは還元型グルタチオンまたはこれらのエステル体である、1または2の組成物。
[4]液体、錠剤、散剤または顆粒剤の形態である、1〜3の組成物。
[5]窒素源を含有していない、1〜4の組成物。
[6]アミノ酸含量が向上した植物を製造するために用いられる、1〜5の組成物。
[7]アミノ酸含量亢進剤、またはアミノ酸含量亢進剤を含有している組成物を備えている、植物のアミノ酸含量を高めるためのキット。
[8]植物のアミノ酸含量を高めるための使用手順を記載した指示書を備えている、7のキット。
[9]アミノ酸含量が向上した植物を製造するために用いられる、7または8のキット。
[10]アミノ酸含量亢進剤、またはアミノ酸含量亢進剤を含有している組成物を植物に施用する工程を包含する、植物のアミノ酸含量を高める方法。
[11]アミノ酸含量亢進剤の存在下にて植物を栽培する工程をさらに包含する、10の方法。
[12]0.1mM〜5mMの濃度範囲のアミノ酸含量亢進剤を植物に接触させる、11の方法。
[13]植物1個体当たりに施用するアミノ酸含量亢進剤の総量が、12.5mg〜300mgの範囲内である、11または12の方法。
[14]土壌1L当たりに施用するアミノ酸含量亢進剤の総量が、60mg〜1450mgの範囲内である、11〜13の方法。
[15]アミノ酸含量亢進剤を施用した植物におけるアミノ酸含量を測定する工程をさらに包含する、10〜14の方法。
[16]アミノ酸含量亢進剤を施用した植物の、目的とする収穫物におけるアミノ酸含量を測定する工程をさらに包含する、10〜15の方法。
[17]上記施用する工程が、連続的または間欠的に行われる、10〜16の方法。
[18]植物の収穫時期の光条件を制御する工程をさらに包含する、10〜17の方法。
[19]植物の栽培時期の温度条件を制御する工程をさらに包含する、10〜18の方法。
[20]10〜19の方法を用いる、アミノ酸含量が向上した植物を製造する方法。
[21]アミノ酸含量亢進剤の非存在下にて栽培した植物と比較してアミノ酸含量が向上した植物を選択する工程をさらに包含する、20の方法。
[22]アミノ酸含量亢進剤の非存在下にて栽培した植物と比較して、目的とする収穫物におけるアミノ酸含量が向上した植物を選択する工程をさらに包含する、20または21の方法。
[23]アミノ酸含量亢進剤の存在下にて栽培した植物に特徴的な代謝物質生成量プロファイルまたは遺伝子発現量プロファイルを有する植物を選択する工程をさらに包含する、20〜22の方法。
[24]植物における代謝物質生成量プロファイルまたは遺伝子発現量プロファイルを取得する工程をさらに包含する、23の方法。
[25]適用対象の植物が陸生植物である、1〜24の方法。
[26]適用対象の植物が水生植物である、1〜24の方法。
[27]上記水生植物が藻類である、26の方法。
[28]20〜27の方法によって製造された、植物。
[29]適用対象の植物が陸生植物である、28の植物。
[30]適用対象の植物が水生植物である、28の植物。
[31]上記水生植物が藻類である、30の方法または植物。
なお、上記1〜31において用いられるアミノ酸含量亢進剤によって植物中の含量が向上されるアミノ酸は植物種によって異なり、特に限定されないが、GABA,グルタミン酸、βアラニン、アスパラギン酸、アラニン、リジン、スレオニン、ヒドロキシプロリン、ロイシン、セリン、トリプトファン、バリン、チロシン、フェニルアラニン、プロリン、イソロイシン、グリシン、アスパラギン、ヒスチジン、ホモセリン、グルタミンおよびアルギニンからなる群より選択されるアミノ酸の少なくとも1つであることが好ましく、プロリン、イソロイシン、グリシン、アスパラギン、ヒスチジン、ホモセリン、グルタミンおよびアルギニンからなる群より選択されるアミノ酸の少なくとも1つであることがより好ましく、アルギニンであることが特に好ましい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の組成物によれば、アミノ酸含量が向上した植物を容易に製造することができるので、本発明は、農業、食品産業等の産業に利用可能性がある。適用範囲は、植物・農産物全般に渡り、極めて広いと思われる。昨今の健康志向を考慮すれば、アミノ酸含量が向上した植物の市場性は高い。

Claims (15)

  1. 酸化型グルタチオン、還元型グルタチオン、ホモグルタチオン、カルボキシプロピルグルタチオン、ジカルボキシエチルグルタチオン、およびこれらのエステル体からなる群より選択される化合物を含有している、植物のアミノ酸含量を高めるための組成物。
  2. 窒素源を含有していない、請求項1に記載の組成物。
  3. 含量が高められるアミノ酸が、GABA,グルタミン酸、βアラニン、アスパラギン酸、アラニン、リジン、スレオニン、ヒドロキシプロリン、ロイシン、セリン、トリプトファン、バリン、チロシン、フェニルアラニン、プロリン、イソロイシン、グリシン、アスパラギン、ヒスチジン、ホモセリン、グルタミンおよびアルギニンからなる群より選択されるアミノ酸の少なくとも1つである、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 酸化型グルタチオン、還元型グルタチオン、ホモグルタチオン、カルボキシプロピルグルタチオン、ジカルボキシエチルグルタチオン、およびこれらのエステル体からなる群より選択される化合物、または当該化合物を含有している組成物を備えている、植物のアミノ酸含量を高めるためのキット。
  5. 請求項1、2および3のいずれか一項に記載の組成物または請求項4に記載のキットの、アミノ酸含量が向上した植物を製造するための、使用。
  6. 酸化型グルタチオン、還元型グルタチオン、ホモグルタチオン、カルボキシプロピルグルタチオン、ジカルボキシエチルグルタチオン、およびこれらのエステル体からなる群より選択される化合物、または当該化合物を含有している組成物を植物に施用する工程を包含する、植物のアミノ酸含量を高める方法。
  7. 前記化合物または前記組成物の存在下にて植物を栽培する工程をさらに包含する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記化合物または前記組成物を施用した植物におけるアミノ酸含量を測定する工程をさらに包含する、請求項6または7に記載の方法。
  9. 植物の収穫時期の光条件を制御する工程をさらに包含する、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 植物の栽培時期の温度条件を制御する工程をさらに包含する、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 請求項6〜10のいずれか一項に記載の方法を用いる、アミノ酸含量が向上した植物を製造する方法。
  12. 前記化合物または前記組成物の非存在下にて栽培した植物と比較してアミノ酸含量が向上した植物を選択する工程をさらに包含する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記化合物または前記組成物の存在下にて栽培した植物に特徴的な代謝物質生成量プロファイルまたは遺伝子発現量プロファイルを有する植物を選択する工程をさらに包含する、請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記光条件を制御する工程の開始8時間以上後でありかつ前記工程の終了までに植物の収穫が行われる、請求項9に記載の方法。
  15. 前記温度条件を制御する工程が、前記植物に施用する工程よりも後に行われる、請求項10に記載の方法。
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