JP6714233B2 - 葉物野菜の生産方法 - Google Patents

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Description

本発明は、葉物野菜の生産方法に関する。
グルタチオンは、L−システイン、L−グルタミン酸、グリシンの3種のアミノ酸からなるペプチドであり、人体だけではなく、他の動物、植物、微生物などの多くの生物生体内に存在し、活性酸素の除去作用、過酸化物の解毒作用等の機能が知られている。
グルタチオンは、L−システイン、L−グルタミン酸、グリシンの3種のアミノ酸からなるペプチド1分子単独で存在する還元型グルタチオンと、還元型グルタチオンの2分子がジスルフィド結合を介して結合した酸化型グルタチオンの、いずれかの形態で存在する。
酸化型グルタチオンは、植物生長促進の機能を有することから、肥料分野において有用であることが知られている。例えば、酸化型グルタチオンを植物に投与することにより、植物の種子または花の数等が増加することが報告されている(特許文献1)。また、酸化型グルタチオンを着蕾期の塊茎植物等に投与することにより、塊茎等の生長が促進されたことが報告されている(特許文献2)。さらに、酸化型グルタチオンをリーフレタスに投与した際に、生長と亜鉛含有量の変化が観察されたことが報告されている(特許文献3)。
国際公開第2008/072602号 特開2018−115116号公報 特開2017−63632号公報
本発明者らは、葉物野菜の生産における酸化型グルタチオンの施用時期を鋭意検討した結果、発芽した日から発芽後12日目に至るまでの育苗期間内に酸化型グルタチオンを施用すると、生産される葉物野菜の重量が顕著に増加することを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
従って、本発明は、生産効率の優れた葉物野菜の生産方法を提供する。
本発明によれば、少なくとも発芽した日から発芽後12日目に至るまでの育苗期間内において、葉物野菜の地下部に酸化型グルタチオンを施用する工程を含んでなる、葉物野菜を生産する方法が提供される。
さらに、本発明によれば、少なくとも発芽した日から発芽後12日目に至るまでの育苗期間内において、葉物野菜の地下部に酸化型グルタチオンを施用する工程を含んでなる、葉物野菜の収穫量を増加させる方法が提供される。
さらに、本発明によれば、葉物野菜の収穫量を増加させるための組成物であって、酸化型グルタチオンを含んでなり、少なくとも発芽した日から発芽後12日目に至るまでの育苗期間内において葉物野菜の地下部に酸化型グルタチオンを施用するための組成物が提供される。
本発明によれば、生産される葉物野菜の重量が増加する点で有利である。また、本発明によれば、生産される葉物野菜の最終重量を同一にした場合に必要な生産(栽培)日数を低減化することができる。
発明の具体的説明
1.葉物野菜を生産する方法
(1)葉物野菜の地下部への酸化型グルタチオンの施用
本明細書において「酸化型グルタチオン」とは、還元型グルタチオン(N−(N−γ−L−グルタミル−L−システイニル)グリシン)の2分子がジスルフィド結合を介して結合した化合物である。本発明においては、酸化型グルタチオンには、他の物質と結合しておらず、イオン化していない遊離体、酸化型グルタチオンと酸または塩基とで形成される塩、これらの水和物、これらの混合物等の各種形態が包含され得る。
上述の酸化型グルタチオンの塩としては、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩等の肥料として許容される塩であれば特に限定されない。酸化型グルタチオンの塩は、好ましくはアンモニウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩から選択される1種以上の塩である。
本発明の方法で生産される葉物野菜は、主に葉の部分を食用とする野菜であれば、その種類を問わない。本発明において生産される葉物野菜の例としては、フリルレタス、ロメインレタス、バタビアレタス、ロロビオンダ、ロロロッサ、バターヘッドレタス、またはオークリーフレタス等のリーフレタス;結球レタス;からし菜(わさび菜)、ミズナ、葉ダイコン、白菜非結球品種、白菜結球性ミニ品種、非結球性キャベツなどのアブラナ科の葉菜、フダンソウ(スイスチャード)、ホウレンソウ(主にサラダ用品種が好ましい)、またはシュンギク等のその他の葉物野菜等が挙げられる。これらの中で、フリルレタス、ロメインレタス、バタビアレタス、ロロビオンダ、ロロロッサ、バターヘッドレタス、またはオークリーフレタス等のリーフレタスが好ましい。葉物野菜の生産に用いられる葉物野菜の種子または発芽直後の苗は、当業者に公知の方法で入手することができる。
本明細書において「葉物野菜の地下部」とは、葉物野菜の植物体のうち、土壌または培地等に接しており、空気中に露出されていない部分をいう。この地下部には、葉物野菜の生長に必要な栄養分および水分を吸収する機能がある。本発明において酸化型グルタチオンは地下部から吸収される。本発明の好ましい一つの実施態様では、葉物野菜の地下部は根を含むものとされる。
本明細書において「葉物野菜の地上部」とは、葉物野菜の植物体のうち、土壌または培地等に接しておらず、空気中に露出されている部分をいう。この地上部には、葉物野菜の生長に必要な光合成を行う機能がある。また、この地上部は生産(栽培)された後、食用に供される部分である。本発明の好ましい一つの実施態様では、葉物野菜の地上部は葉を含むものとされる。
本発明の方法において、酸化型グルタチオンは地下部に施用される。施用される酸化型グルタチオンの状態は、葉物野菜の地下部を経由して吸収されうる状態のものであればいずれの状態でもよい。本発明の方法で施用されうる酸化型グルタチオンの状態は、例えば、酸化型グルタチオンを水もしくは水溶性溶媒(メタノール、エタノール等)またはこれらの混合溶媒に溶解した酸化型グルタチオン含有溶液であってもよい。あるいは、酸化型グルタチオンの単体の、もしくは他の化合物との混合物である、粉末もしくは顆粒等の酸化型グルタチオン含有固形物であってもよい。
本発明の方法で施用される酸化型グルタチオンが酸化型グルタチオン含有溶液の状態である場合、この溶液は、酸化型グルタチオン以外に、水、メタノール、エタノール等の水溶性溶媒等の溶媒を含むことができる。さらに、この溶液は、界面活性剤(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩等)、分散安定化剤(カルボキシメチルセルロース、その塩等)、増粘剤、酸化防止剤等の成分を含んでいてもよい。
本発明の方法で施用される酸化型グルタチオンが酸化型グルタチオン含有溶液の状態である場合は、該溶液中の酸化型グルタチオンの含有濃度は、地下部を経由して葉物野菜に吸収されうる濃度のものであれば、特に限定されない。例えば、酸化型グルタチオンの遊離体換算で、2000ppm(w/v)〜10000ppm(w/v)が好ましく、4000ppm(w/v)〜8000ppm(w/v)が好ましく、5000ppm(w/v)〜7000ppm(w/v)がより好ましく、6000ppm(w/v)がさらに好ましい。
本発明のより好ましい実施態様では、施用される酸化型グルタチオンは水溶液の状態である。
本発明の方法における酸化型グルタチオンの状態が酸化型グルタチオン含有固形物である場合、この固形物は、界面活性剤(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、ヒマシ油カリ石けん等)、分散安定化剤(カルボキシメチルセルロース、その塩、等)、賦形剤(乳糖等)、崩壊剤、増粘剤、酸化防止剤等の成分を含んでいてもよい。該固形物中での酸化型グルタチオンの含有濃度は、葉物野菜の地下部から吸収されうる濃度のものであればよく、特に限定されないが、施用される時点において、酸化型グルタチオンの遊離体換算で例えば0.01〜50質量%となる濃度であることが好ましい。
本発明の好ましい実施態様では、上記酸化型グルタチオンの施用は、酸化型グルタチオンの吸収効率の観点から、酸化型グルタチオン含有培地中に葉物野菜の地下部を浸漬することにより実施することができる。また、同様の観点から、上記培地は肥料成分および酸化型グルタチオンの水溶液の状態である養液であることがより好ましい。
(2)葉物野菜の発芽した日から発芽後12日目に至るまでの育苗期間内における酸化型グルタチオンの施用
本発明の方法では、少なくとも発芽した日から発芽後12日目に至るまでの育苗期間内において、葉物野菜の地下部に酸化型グルタチオンを施用することにより、生産される葉物野菜の重量を増加させることができる。
従来から、酸化型グルタチオンが植物における種々の生長促進作用を有することは知られていたものの、その作用は酸化型グルタチオンの施用時期に大きく依存していた。本発明において、葉物野菜に対する酸化型グルタチオンの施用時期を検討したところ、発芽した日から発芽後12日目に至るまでの育苗期間内に酸化型グルタチオンを施用すると、生産される葉物野菜の重量が顕著に増加することが判明した。特定の理論に拘泥するものではないが、発芽後光合成作用が始まっており、本格的に生長する時期の準備段階にあたる育苗期間内に酸化型グルタチオンを施用すると、生長促進作用の一つである重量増加促進作用が効率的に誘導され、葉物野菜の収穫重量の増加につながるものと考えられる。
本発明における育苗期間は、葉物野菜が発芽した日から発芽後12日目に至るまでとされる。この発芽後12日目には、葉物野菜の一株当たりの重量(地上部および地下部の重量の総和)が0.2〜0.5gに到達しており、本葉が展開しきった状態となっている。
本発明の好ましい実施態様では、上記育苗期間内における酸化型グルタチオンの総施用量は、1株当たり0.375mg(以下「mg/株」と記述する)〜1.5mg/株とされ、より好ましくは0.375mg/株〜1.125mg/株、さらに好ましくは0.375mg/株〜0.75mg/株、さらにより好ましくは0.5625mg/株とされる。
本発明の好ましい実施態様では、上記育苗期間内における酸化型グルタチオンの施用期間は1〜5日とされ、好ましくは2〜5日、より好ましくは3〜5日、さらに好ましくは3〜4日、さらにより好ましくは3日とされる。本発明のより好ましい実施態様では、施用期間は、発芽した日から7日目以降の期間とされる。本発明のさらに好ましい実施態様では、上記施用期間中は、毎日、酸化型グルタチオンが施用される。本発明のさらに好ましい実施態様では、発芽した日から9日目から11日目までの毎日、酸化型グルタチオンが施用される。
本発明の好ましい実施態様では、上記育苗期間内における酸化型グルタチオンの1日当たりの施用量は、1株当たり0.125mg/株〜0.5mg/株とされ、より好ましくは0.125mg/株〜0.375mg/株、さらに好ましくは0.125mg/株〜0.25mg/株、さらにより好ましくは0.1875mg/株とされる。
(3)発芽した日から12日目以降の生育期間内における酸化型グルタチオンの施用
本発明の方法において、酸化型グルタチオンを上記育苗期間内に施用することに加え、発芽した日から12日目以降の生育期間内にさらに酸化型グルタチオンを施用することができる。これにより生産される葉物野菜の重量を増加させることができる。
本発明の好ましい実施態様では、上記生育期間内における酸化型グルタチオンの総施用量は、1株当たり0.263mg/株〜2.63mg/株とされ、より好ましくは0.263mg/株〜1.98mg/株、さらに好ましくは0.67mg/株〜1.98mg/株、さらにより好ましくは1.31mg/株とされる。
本発明の好ましい実施態様では、上記生育期間内における酸化型グルタチオンの施用期間は、葉物野菜が発芽した日から数えて12日目から葉物野菜の重量(地上部および地下部の重量の総和)が1株当たり28〜40gに到達する日までとされる。
本発明の好ましい実施態様では、酸化型グルタチオンの施用は、上記生育期間内において、1日で、または複数日に分けて実施することができる。
本発明のより好ましい実施態様では、上記生育期間内において、酸化型グルタチオンの施用は複数日に分けて実施される。
本発明のさらに好ましい実施態様では、上記生育期間内において、酸化型グルタチオンの施用は3日に分けて実施される。
本発明のよりさらに好ましい実施態様では、上記生育期間内において、発芽した日から12日目、葉物野菜の重量(地上部および地下部の重量の総和)が1株当たり2.9〜5.3gに到達する日、および葉物野菜の重量(地上部および地下部の重量の総和)が1株当たり28〜40gに到達する日に、酸化型グルタチオンが施用される。
本発明の好ましい実施態様では、上記生育期間内における酸化型グルタチオンの1日当たりの施用量は、葉物野菜1株当たり0.046mg/株〜1.5mg/株とされ、より好ましくは0.046mg/株〜1.13mg/株、さらに好ましくは0.12mg/株〜1.13mg/株、さらにより好ましくは0.23mg/株〜0.75mg/株とされる。
本発明のより好ましい実施態様では、上記発芽した日から12日目における酸化型グルタチオンの1日当たりの施用量は、葉物野菜1株当たり0.046mg/株〜0.46mg/株とされ、より好ましくは0.046mg/株〜0.35mg/株、さらに好ましくは0.12mg/株〜0.35mg/株、さらにより好ましくは0.23mg/株とされる。
本発明のより好ましい実施態様では、上記葉物野菜の重量(地上部および地下部の重量の総和)が1株当たり2.9〜5.3gに到達する日における酸化型グルタチオンの1日当たりの施用量を葉物野菜1株当たり0.067mg/株〜0.67mg/株とされ、より好ましくは0.067mg/株〜0.5mg/株、さらに好ましくは0.17mg/株〜0.5mg/株、さらにより好ましくは0.33mg/株とされる。
本発明のより好ましい実施態様では、上記葉物野菜の重量(地上部および地下部の重量の総和)が1株当たり28〜40gに到達する日における酸化型グルタチオンの1日当たりの施用量を葉物野菜1株当たり0.15mg/株〜1.5mg/株とされ、より好ましくは0.15mg/株〜1.13mg/株、さらに好ましくは0.38mg/株〜1.13mg/株、さらにより好ましくは0.75mg/株とされる。
本発明のさらに好ましい実施態様では、酸化型のグルタチオンを上記育苗期間内に施用することに加え、上記生育期間内にさらに施用する場合において、上記育苗期間内における酸化型グルタチオンの総施用量を1株当たり0.375mg/株〜1.5mg/株とされ、より好ましくは0.5625mg/株〜1.5mg/株、さらに好ましくは0.75mg/株〜1.5mg/株、さらにより好ましくは1.125mg/株とされる。
本発明のさらに好ましい実施態様では、酸化型のグルタチオンを上記育苗期間内に施用することに加え、上記生育期間内にさらに施用する場合において、上記育苗期間内における酸化型グルタチオンの1日当たりの施用量を1株当たり0.125mg/株〜0.5mg/株とされ、より好ましくは0.1875mg/株〜0.5mg/株、さらに好ましくは0.25mg/株〜0.5mg/株、さらにより好ましくは0.375mg/株とされる。
(4)その他の生産条件
本発明における葉物野菜の生産方法は、露地栽培等の通常の開放環境下または閉鎖環境下のいずれにおいても実施することができる。本発明の方法による葉物野菜の生産にあたり、当業者であれば、これらの環境条件を適宜選択することができる。本発明の好ましい実施態様では、葉物野菜の生産方法は、閉鎖環境下において実施される。閉鎖環境下においては、外界の環境変化に左右されず一定の生産効率および品質を確保することができる。さらに、閉鎖環境には、温室などの半完全閉鎖系環境、または栽培環境を外部と完全に遮断して環境条件を厳密に管理する完全閉鎖系環境が含まれる。
本明細書において「培地」とは、葉物野菜の生産(栽培)に必要な栄養成分(窒素、リン酸、カリ等)および水分を葉物野菜に保持供給する機能を有するものをいい、液体状であると固形状であるとを問わない。例えば、開放環境や半完全閉鎖系環境において使用される土壌や固形担体、半完全閉鎖環境や完全閉鎖系環境において使用される養液等が挙げられる。本発明の好ましい実施態様では、葉物野菜の地下部は培地中に浸漬されている。
本発明のより好ましい実施態様では、培地は栄養成分を水に溶解した養液である。養液を用いた葉物野菜の生産は、一般に水耕栽培と呼ばれ、当業者に公知の方法により実施することができる。水耕栽培において、養液中の各栄養成分の濃度を容易に制御することができる。また、養液中の栄養成分の濃度を一定に保持することもできる。本発明の方法における養液の栄養成分は、通常の葉物野菜の水耕栽培で使われている通常の配合割合の養液を使用することができる。本発明の方法において使用される養液は、例えば、葉物野菜の水耕栽培向けの多量必須元素および微量必須元素を含有してもよい。このうち、多量必須元素は、例えば、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄の6元素である。また、微量必須元素は、例えば、鉄、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、ホウ素、塩素の7元素である。
本発明のより好ましい実施態様では、葉物野菜の生産方法は、完全閉鎖系環境下において実施することができる。完全閉鎖系環境下においては、生産された葉物野菜が均一の品質を有するといった有利な点がある。
本発明の好ましい実施態様において、本発明の方法は植物工場で実施することができる。ここで、植物工場とは、植物の生育環境を制御して栽培を行う施設のうち、栽培環境および生育のモニタリングを基礎として環境制御と生育予測を行うことにより、植物の周年生産を可能とする栽培施設をいう。本発明の方法を植物工場において実施することにより、葉物野菜に対する酸化型グルタチオンの施用量や施用タイミングを定量的かつ周期的に制御できることで、一定品質の葉物野菜を大量に生産することができる。
2.本発明の方法により生産された葉物野菜
本発明の別の態様として、本発明の方法により生産された葉物野菜が提供される。本発明の方法により生産された葉物野菜は、酸化型グルタチオンの吸収によって惹起された当該葉物野菜中の生理状態を遺伝子発現分析または代謝産物のメタボローム解析等によって決定し、その結果を比較することにより、酸化型グルタチオンを施用しない葉物野菜と区別することができる。また、本発明の方法により生産された葉物野菜は、当該葉物野菜の酸化型グルタチオンの吸収によって惹起された呈味の変化を調べることにより、酸化型グルタチオンを施用しない葉物野菜と区別することができる。
3.葉物野菜の収穫量を増加させる方法
本発明の別の態様として、少なくとも発芽した日から発芽後12日目に至るまでの育苗期間内において、葉物野菜の地下部に酸化型グルタチオンを施用する工程を含んでなる、葉物野菜の収穫量を増加させる方法が提供される。
本発明の方法において、葉物野菜の収穫量の増加は、葉物野菜の地上部の重量の増加であることが好ましい。
本発明の方法において、葉物野菜の地上部の重量の増加率が5%以上であることが好ましく、6%以上であることがより好ましく、8%以上であることがさらに好ましく、10%以上であることがさらにより好ましく、12%以上であることが特に好ましい。ここで、酸化型グルタチオンを施用して生産した葉物野菜の地上部の重量の平均値をAとし、酸化型グルタチオンを施用しない以外は同じ条件で生産した葉物野菜の地上部の重量の平均値をBとすると、増加率は、以下の式で表される。
[数1]
増加率=(A−B)/B×100
本発明の方法によれば、同じ日数で栽培した場合に生産される葉物野菜の重量が増加する点で有利である。また、本発明によれば、生産される葉物野菜の最終重量を同一にした場合に必要な生産(栽培)日数を減らすことができる。
4.葉物野菜の収穫量を増加させるための組成物
本発明の別の態様として、葉物野菜の収穫量を増加させるための組成物であって、酸化型グルタチオンを含んでなり、少なくとも発芽した日から発芽後12日目に至るまでの育苗期間内において葉物野菜の地下部に酸化型グルタチオンを施用するための組成物が提供される。
本発明の好ましい一つの実施態様では、上記葉物野菜の収穫量を増加させるための組成物には、葉物野菜用肥料組成物または葉物野菜用生長促進剤が含まれる。
本発明の葉物野菜用肥料組成物は、酸化型グルタチオンを含んでなるものである。また、上述した酸化型グルタチオンの作用を損なわない限り、酸化型グルタチオンの他に、葉物野菜一般に用いられる肥料成分をさらに含んでいてもよい。ここで、肥料成分とは、窒素、リン、カリウム、ケイ素、マグネシウム、カルシウム、マンガン、ホウ素、鉄等の葉物野菜に利用される元素を指す。本発明の葉物野菜用肥料組成物における酸化型グルタチオンの他の肥料成分は、葉物野菜に利用可能な形態である、肥料成分元素を含有する有機化合物、無機化合物またはそれらの組合せを利用することができる。本発明に用いられる肥料成分としては、窒素、リン、カリウム、ケイ素、マグネシウム、カルシウム、マンガン、ホウ素および鉄からなる群から選択される少なくとも1種を少なくとも含むことが好ましく、窒素、リンおよびカリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含んでなることがより好ましく、窒素、リンおよびカリウムの3種の組合せを少なくとも含むことがさらに好ましい。
本発明の葉物野菜用肥料組成物は、上記の葉物野菜の生産方法、あるいは葉物野菜の収穫量を増加させる方法において使用してもよい。
本発明の葉物野菜用生長促進剤は、酸化型グルタチオンを含んでなるものである。また、上述した酸化型グルタチオンの作用を損なわない限り、酸化型グルタチオンの他に、さらに、植物ホルモンおよび/または生長促進剤を含んでいてもよい。ここで、植物ホルモンには、例えば、ジベレリンが挙げられる。また、生長促進剤には、例えば、安息香酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ピペコリン酸等が挙げられる。
本発明の生長促進剤は、上記の葉物野菜の生産方法、あるいは葉物野菜の収穫量を増加させる方法において使用してもよい。
また、一つの実施態様によれば、本発明には、以下の[1]〜[20]が包含される。
[1]少なくとも発芽した日から発芽後12日目に至るまでの育苗期間内において、葉物野菜の地下部に酸化型グルタチオンを施用する工程を含んでなる、葉物野菜を生産する方法。
[2]前記葉物野菜の地下部が根を含んでなる、[1]に記載の方法。
[3]前記育苗期間内における前記酸化型グルタチオンの総施用量が、1株当たり0.375〜1.5mgである、[1]または[2]に記載の方法。
[4]前記育苗期間内における酸化型グルタチオンの施用期間が、1〜5日である、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]前記施用期間が、発芽した日から7日目以降の期間である、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]前記施用期間において酸化型グルタチオンを毎日施用する、[4]または[5]に記載の方法。
[7]前記育苗期間内における前記酸化型グルタチオンの1日当たりの施用量が、1株当たり0.125〜0.5mgである、[4]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]前記酸化型グルタチオンの施用が、酸化型グルタチオン含有培地中に葉物野菜の地下部を浸漬することを含んでなる、[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9]前記酸化型グルタチオン含有培地が養液である、[8]に記載の方法。
[10]発芽した日から12日目以降の生育期間内にさらに酸化型グルタチオンを施用する、[1]〜[9]のいずれかに記載の方法。
[11]前記生育期間内における前記酸化型グルタチオンの総施用量が、1株当たり0.263〜2.63mgである、[10]に記載の方法。
[12]前記生育期間内における酸化型グルタチオンの施用期間が、発芽した日から12日目から葉物野菜の重量(地上部および地下部の重量の総和)が1株当たり28〜40gに到達する日までである、[10]または[11]に記載の方法。
[13]前記生育期間内において、酸化型グルタチオンの施用を1日でまたは複数日に分けて実施する、[10]〜[12]のいずれかに記載の方法。
[14]酸化型グルタチオンの施用を、発芽した日から12日目、葉物野菜の重量(地上部および地下部の重量の総和)が1株当たり2.9〜5.3gに到達する日、および葉物野菜の重量(地上部および地下部の重量の総和)が1株当たり28〜40gに到達する日に実施する、[10]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[15]前記生育期間内における前記酸化型グルタチオンの1日当たりの施用量が、1株当たり0.046〜1.5mgである、[10]〜[14]のいずれかに記載の方法。
[16]閉鎖環境下で行われる、[1]〜[15]のいずれかに記載の方法。
[17]植物工場で行われる、[1]〜[16]のいずれかに記載の方法。
[18]前記葉物野菜が、リーフレタス、結球レタス、アブラナ科の葉菜、からし菜(わさび菜)、ミズナ、葉ダイコン、白菜非結球品種、白菜結球性ミニ品種、非結球性キャベツ、フダンソウ(スイスチャード)、ホウレンソウおよびシュンギクからなる群から選択される、[1]〜[17]のいずれかに記載の方法。
[19]少なくとも発芽した日から発芽後12日目に至るまでの育苗期間内において、葉物野菜の地下部に酸化型グルタチオンを施用する工程を含んでなる、葉物野菜の収穫量を増加させる方法。
[20]葉物野菜の収穫量を増加させるための組成物であって、酸化型グルタチオンを含んでなり、少なくとも発芽した日から発芽後12日目に至るまでの育苗期間内において葉物野菜の地下部に酸化型グルタチオンを施用するための、組成物。
本発明について、実施例を用いて詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.フリルレタスの水耕栽培方法
完全閉鎖系の環境下において、フリルレタス(リーフレタス(Lactuca sativa var. crispa)の一種)の種子を含水環境下に播種し、レタスの水耕栽培一般に用いられる発芽条件下でインキュベーションした。発芽後、フリルレタスの苗の下部に容器を配置して当該容器に養液を充たし、当該養液に当該フリルレタスの苗の根部が浸漬するように保持し、完全閉鎖系の環境下において水耕栽培を継続した。ここで、前記養液は、市販の水耕栽培用肥料(窒素、リン酸、カリ等を含む)を水で溶解して調製した。照射する人工光源としては、4000KのLEDを使用した。フリルレタスの水耕栽培期間中の1日を、人工光源をフリルレタスに照射する明期と、照射しない暗期に分け、その時間配分は、明期16時間、暗期8時間とした。温度は18〜25℃、湿度は50〜90%とした。なお、農薬は一切使用しなかった。
2.試験例1
フリルレタスに、発芽した日から9〜11日目の3日間酸化型グルタチオンを施用した場合の収穫量を確認した。
試験区1−1および対照区1−1
試験区1−1では、上述の「1.フリルレタスの水耕栽培方法」に記載された方法によりフリルレタスの水耕栽培を行い、フリルレタスが発芽した日から9〜11日目の合計3日間の間に、1日1回、養液1L当たり1.5mlのグルタチオン水溶液(市販の酸化型グルタチオン試薬を使用した。酸化型グルタチオン濃度は6000ppm;以下同様である。)を添加した新しい養液と交換した。この1日1回当たりの添加量は、フリルレタス1株当たり0.1875mg(以下、「0.1875mg/株」のように表記する)の酸化型グルタチオン量に相当する。したがって、試験区1−1では、合計で養液1L当たり4.5mlのグルタチオン水溶液を養液に添加した。この合計量は、0.5625mg/株の酸化型グルタチオン量に相当する。
対照区1−1では、グルタチオン水溶液の添加を行わなかったこと以外は試験区1−1と同条件により、フリルレタスの水耕栽培を同時に行った。
試験区1−1および対照区1−1で水耕栽培されたフリルレタスを、それぞれ無作為に13株収穫し、収穫されたフリルレタスの地上部の重量を測定し、その平均値を算出した。さらに、対照区1−1で得られたフリルレタスの地上部の重量の平均値を100とした場合の試験区1−1で得られたフリルレタスの地上部の重量の平均値の相対値を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0006714233
なお、試験区1−1と対照区1−1とを比較すると、1株あたり18.1gの収穫重量が増加したが、これは植物工場において1万株のフリルレタスを生産する場合は、181kgの増収となる。
試験区1−2および対照区1−2
試験区1−2では、フリルレタスが発芽した日から9〜11日目の合計3日間の間に、1日1回、養液1L当たり3.0mlのグルタチオン水溶液を添加した新しい養液と交換した以外は試験区1−1と同様の方法でフリルレタスの水耕栽培を行った。この1日1回当たりの添加量は、0.375mg/株の酸化型グルタチオン量に相当する。したがって、試験区1−2では、合計で養液1L当たり9.0mlのグルタチオン水溶液を養液に添加した。この合計量は、1.125mg/株の酸化型グルタチオン量に相当する。
対照区1−2では、グルタチオン水溶液の添加を行わなかったこと以外は試験区1−2と同条件により、フリルレタスの水耕栽培を同時に行った。
試験区1−2および対照区1−2で水耕栽培されたフリルレタスの地上部の重量測定、重量の相対値の算出は、試験区1−1と同様の手法により実施した。その結果、試験区1−1と同様の重量増加が認められた。
上述した通り、試験区1−1および試験区1−2では、フリルレタスが発芽した日から9〜11日目の3日間に、養液1L当たり1.5〜3.0mlのグルタチオン水溶液を3回添加した結果、フリルレタスの収穫重量が増加した。
なお、試験区1−1と同様の条件でフリルレタスを水耕栽培して収穫されたフリルレタスの味覚および風味に関する官能試験を行ったところ、試験区と対照区で特に大きな差は生じなかった。ただし、いくつかの栽培例で、対照区と比較して試験区の方に甘味を感じることがあった。
3.試験例2
フリルレタスに、発芽した日から12日目以降酸化型グルタチオンを施用した場合の収穫量を確認した。
試験区2−1および対照区2−1
試験区2−1では、上述の「1.フリルレタスの水耕栽培方法」に記載された方法によりフリルレタスの水耕栽培を行い、フリルレタスが発芽した日から12日目(ポスト1回目添加)(発芽した日から12日目以降の添加を「ポスト…添加」と称する。本明細書において同じ。)、フリルレタスの一株当りの重量(フリルレタスの地上部および地下部の重量の総和とする。)が2.9〜5.3gに到達した日(ポスト2回目添加)、およびフリルレタスの一株当りの重量(地上部および地下部の重量の総和)が28〜40gに到達した日(ポスト3回目添加)に、それぞれの1回の添加において、養液1L当たり0.5mlのグルタチオン水溶液を添加した新しい養液と交換した。該ポスト1〜3回目の添加量は、それぞれ、0.23mg/株(ポスト1回目添加)、0.33mg/株(ポスト2回目添加)、0.75mg/株(ポスト3回目添加)の酸化型グルタチオン量に相当する。したがって、試験区2−1では、合計で1.5ml/Lのグルタチオン水溶液を養液に添加した。この合計量は、1.31mg/株の酸化型グルタチオンに相当する。
対照区2−1では、グルタチオン水溶液の添加を行わなかったこと以外は試験区2−1と同条件により、フリルレタスの水耕栽培を試験区2−1と同時に行った。
試験区2−1および対照区2−1で水耕栽培されたフリルレタスの地上部の重量測定、重量の相対値の算出は、試験例1と同様にして行った。結果を表2に示す。
試験区2−2および対照区2−2
試験区2−2では、上述の「1.フリルレタスの水耕栽培方法」に記載された方法によりフリルレタスの水耕栽培を行い、フリルレタスが発芽した日から12日目(ポスト1回目添加)およびフリルレタスの一株当りの重量(地上部および地下部の重量の総和)が2.9〜5.3gに到達した日(ポスト2回目添加)に、それぞれの1回の添加において、養液1L当たり0.5mlのグルタチオン水溶液を添加した新しい養液と交換した。さらにフリルレタスの一株当りの重量(地上部および地下部の重量の総和)が28〜40gに到達した日(ポスト3回目添加)に、養液1L当たり15mlのグルタチオン水溶液を添加した。該ポスト1〜3回目の添加量は、それぞれ、0.23mg/株(ポスト1回目添加)、0.33mg/株(ポスト2回目添加)、22.5mg/株(ポスト3回目添加)の酸化型グルタチオン量に相当する。したがって、試験区2−2では、合計で16ml/Lのグルタチオン水溶液を養液に添加した。この合計量は、23.1mg/株の酸化型グルタチオン量に相当する。
対照区2−2では、グルタチオン水溶液の添加を行わなかったこと以外は試験区2−2と同条件により、フリルレタスの水耕栽培を試験区2−2と同時に行った。
試験区2−2および対照区2−2で水耕栽培されたフリルレタスの地上部の重量測定、重量の相対値の算出は、試験区1−1と同様の手法により実施した。結果を表2に示す。
試験区2−3
試験区2−3では、上述の「1.フリルレタスの水耕栽培方法」に記載された方法によりフリルレタスの水耕栽培を行い、フリルレタスが発芽した日から12日目(ポスト1回目添加)に、養液1L当たり0.5mlのグルタチオン水溶液を添加した新しい養液と交換した。また、フリルレタスの一株当りの重量(地上部および地下部の重量の総和)が2.9〜5.3gに到達した日(ポスト2回目添加)に、養液1L当たり1mlのグルタチオン水溶液を添加した新しい養液と交換した。さらに、フリルレタスの一株当りの重量(地上部および地下部の重量の総和)が28〜40gに到達した日(ポスト3回目添加)に、養液1L当たり5mlのグルタチオン水溶液を添加した新しい養液と交換した。該ポスト1〜3回目の添加量は、それぞれ、0.23mg/株(ポスト1回目添加)、0.67mg/株(ポスト2回目添加)、7.5mg/株(ポスト3回目添加)の酸化型グルタチオン量に相当する。したがって、試験区2−3では、合計で6.5ml/Lのグルタチオン水溶液を養液に添加した。この合計量は、8.4mg/株の酸化型グルタチオン量に相当する。
対照区2−3では、グルタチオン水溶液の添加を行わなかったこと以外は試験区2−3と同条件により、フリルレタスの水耕栽培を試験区2−2と同時に行った。
試験区2−3および対照区2−3で水耕栽培されたフリルレタスの地上部の重量測定、重量の相対値の算出は、試験区1−1と同様の手法により実施した。結果を表2に示す。
Figure 0006714233
表2によれば、フリルレタスが発芽した日から12日目日以降の生育期間内のみにグルタチオン水溶液を添加した場合、フリルレタスの増収効果は認められなかった。
4.試験例3
フリルレタスに、発芽した日から9〜11日目の3日間に酸化型グルタチオンを施用し、さらに発芽した日から12日目およびそれ以降にグルタチオン水溶液を複数回に分けて施用した場合の収穫量を確認した。
試験区3−1
試験区3−1では、上述の「1.フリルレタスの水耕栽培方法」に記載された方法によりフリルレタスの水耕栽培を行い、フリルレタスが発芽した日から9〜11日目の合計3日間の間に、1日1回、養液1L当たり3.0mlのグルタチオン水溶液を添加した新しい養液と交換した。この1日1回当たりの添加量は、0.375mg/株の酸化型グルタチオン量に相当する。さらに、試験区3−1では、フリルレタスが発芽した日から12日目(ポスト1回目添加)、フリルレタスの一株当りの重量(地上部および地下部の重量の総和)が2.9〜5.3gに到達した日(ポスト2回目添加)、およびフリルレタスの一株当りの重量(地上部および地下部の重量の総和)が28〜40gに到達した日(ポスト3回目添加)に、それぞれの1回の添加において、養液1L当たり0.5mlのグルタチオン水溶液を添加した新しい養液と交換した。該ポスト1〜3回目の添加量は、0.23mg/株(ポスト1回目)、0.33mg/株(ポスト2回目)、0.75mg/株(ポスト3回目)の酸化型グルタチオン量に相当する。
対照区3−1では、グルタチオン水溶液の添加を行わなかったこと以外は試験区3−1と同条件により、フリルレタスの水耕栽培を試験区3−1と同時に行った。
試験区3−1および対照区3−1で水耕栽培されたフリルレタスの地上部の重量測定、重量の相対値の算出は、試験例1と同様にして行った。結果を表3に示す。
試験区3−2および対照区3−2
試験区3−2では、上述の「1.フリルレタスの水耕栽培方法」に記載された方法によりフリルレタスの水耕栽培を行い、フリルレタスが発芽した日から9〜11日目の合計3日間の間に、1日1回、養液1L当たり1.5mlのグルタチオン水溶液を添加した新しい養液と交換した。この1日1回当たりの添加量は、0.1875mg/株の酸化型グルタチオン量に相当する。さらに、試験区3−2では、フリルレタスが発芽した日から12日目(ポスト1回目添加)、フリルレタスの一株当りの重量(地上部および地下部の重量の総和)が2.9〜5.3gに到達した日(ポスト2回目添加)およびフリルレタスの一株当りの重量(地上部および地下部の重量の総和)が28〜40gに到達した日(ポスト3回目添加)に、それぞれ1回の添加において、養液1L当たり0.5mlのグルタチオン水溶液を添加した新しい養液と交換した。該ポスト1〜3回目の添加量はそれぞれ、0.23mg/株(ポスト1回目添加)、0.33mg/株(ポスト2回目添加)、0.75mg/株(ポスト3回目添加)の酸化型グルタチオン量に相当する。
対照区3−2では、グルタチオン水溶液の添加を行わなかったこと以外は試験区3−2と同条件により、フリルレタスの水耕栽培を試験区3−2と同時に行った。
試験区3−2および対照区3−2で水耕栽培されたフリルレタスの地上部の重量測定、重量の相対値の算出は、試験例1と同様にして行った。結果を表3に示す。
Figure 0006714233
表3によれば、試験区3−1および試験区3−2では、フリルレタスが発芽した日から9〜11日目の3日間とフリルレタスが発芽した日から12日目以降にそれぞれグルタチオン水溶液を複数回に分けて添加した結果、収穫されるフリルレタスの重量は増加した。
さらに、フリルレタスが発芽した日から9〜11日目の3日間のグルタチオンの添加量を1日1回、養液1L当たり5.0mlにする以外、試験区3−1と同様の方法により試験を行った。その結果、フリルレタスの増収効果は認められなかった
なお、試験区3−1と対照区3−1とを比較すると、1株あたり11g収穫重量が増加したが、これは植物工場において1万株のフリルレタスを生産する場合は、110kgの増収となる。

Claims (17)

  1. 少なくとも発芽した日から発芽後12日目に至るまでの育苗期間内において、葉物野菜の地下部に酸化型グルタチオンを施用する工程を含んでなる、完全閉鎖系環境下において葉物野菜を生産する方法であって、
    前記育苗期間内における前記酸化型グルタチオンの総施用量が1株当たり0.375〜1.5mgである、方法
  2. 前記葉物野菜の地下部が根を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記育苗期間内における酸化型グルタチオンの施用期間が、1〜5日である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記施用期間が、発芽した日から7日目以降の期間である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記施用期間において酸化型グルタチオンを毎日施用する、請求項またはに記載の方法。
  6. 前記育苗期間内における前記酸化型グルタチオンの1日当たりの施用量が、1株当たり0.125〜0.5mgである、請求項のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記酸化型グルタチオンの施用が、酸化型グルタチオン含有培地中に葉物野菜の地下部を浸漬することを含んでなる、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記酸化型グルタチオン含有培地が養液である、請求項に記載の方法。
  9. 発芽した日から12日目以降の生育期間内にさらに酸化型グルタチオンを施用する、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記生育期間内における前記酸化型グルタチオンの総施用量が、1株当たり0.263〜2.63mgである、請求項に記載の方法。
  11. 前記生育期間内における酸化型グルタチオンの施用期間が、発芽した日から12日目から葉物野菜の重量(地上部および地下部の重量の総和)が1株当たり28〜40gに到達する日までである、請求項または10に記載の方法。
  12. 前記生育期間内において、酸化型グルタチオンの施用を1日でまたは複数日に分けて実施する、請求項11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 酸化型グルタチオンの施用を、発芽した日から12日目、葉物野菜の重量(地上部および地下部の重量の総和)が1株当たり2.9〜5.3gに到達する日、および葉物野菜の重量(地上部および地下部の重量の総和)が1株当たり28〜40gに到達する日に実施する、請求項12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記生育期間内における前記酸化型グルタチオンの1日当たりの施用量が、1株当たり0.046〜1.5mgである、請求項13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 植物工場で行われる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記葉物野菜が、リーフレタス、結球レタス、アブラナ科の葉菜、からし菜(わさび菜)、ミズナ、葉ダイコン、白菜非結球品種、白菜結球性ミニ品種、非結球性キャベツ、フダンソウ(スイスチャード)、ホウレンソウおよびシュンギクからなる群から選択される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 少なくとも発芽した日から発芽後12日目に至るまでの育苗期間内において、葉物野菜の地下部に酸化型グルタチオンを施用する工程を含んでなる、完全閉鎖系環境下において葉物野菜の収穫量を増加させる方法であって、
    前記育苗期間内における前記酸化型グルタチオンの総施用量が1株当たり0.375〜1.5mgである、方法
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