JP2789879B2 - 植物カルス細胞分化剤の製造法 - Google Patents
植物カルス細胞分化剤の製造法Info
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- JP2789879B2 JP2789879B2 JP3242621A JP24262191A JP2789879B2 JP 2789879 B2 JP2789879 B2 JP 2789879B2 JP 3242621 A JP3242621 A JP 3242621A JP 24262191 A JP24262191 A JP 24262191A JP 2789879 B2 JP2789879 B2 JP 2789879B2
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- Japan
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- cell differentiation
- differentiation agent
- plant callus
- enterobacter
- microorganism
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- Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物カルス細胞分化剤
の製造法に関する。更に詳しくは、微生物を培養して植
物カルス細胞分化剤を製造する方法に関する。
の製造法に関する。更に詳しくは、微生物を培養して植
物カルス細胞分化剤を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】分化した植物組織の一部(外植片)を適当
な培地に移して培養すると脱分化が起こり、細胞分裂を
くり返して無定形の組織塊である植物カルスを生ずる。
外植片からカルスを誘導し、増殖するには、一般に基本
培地に植物ホルモンであるサイトカイニン類(カイネチ
ンなど)またはオーキシン類(2,4-ジクロロフェノキシ酢
酸、インドール酢酸、インドール酪酸など)が添加され
て用いられる。
な培地に移して培養すると脱分化が起こり、細胞分裂を
くり返して無定形の組織塊である植物カルスを生ずる。
外植片からカルスを誘導し、増殖するには、一般に基本
培地に植物ホルモンであるサイトカイニン類(カイネチ
ンなど)またはオーキシン類(2,4-ジクロロフェノキシ酢
酸、インドール酢酸、インドール酪酸など)が添加され
て用いられる。
【0003】このように、現在植物カルス細胞の再分化
には、種々の植物ホルモンが使用されているが、その際
厳密な濃度のコントロールが要求され、そのため多くの
実験例を必要とし、また培地の選択が難しいなどの難点
がある。
には、種々の植物ホルモンが使用されているが、その際
厳密な濃度のコントロールが要求され、そのため多くの
実験例を必要とし、また培地の選択が難しいなどの難点
がある。
【0004】本発明者は先に、このような難点のみられ
ない植物カルス細胞分化剤の製造法として、微生物を培
養して植物カルス細胞分化剤を製造する方法を提案して
いる(特開昭63-207,379号公報)。
ない植物カルス細胞分化剤の製造法として、微生物を培
養して植物カルス細胞分化剤を製造する方法を提案して
いる(特開昭63-207,379号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この提案された方法で
は、微生物としてエンターバクター属に属するEnte
ro−bacter cloacae No.11−5
(FERM P−8884)が用いられ、その培養は好
ましくはトリプトファンの存在下において行われ、得ら
れた植物カルス細胞分化剤は、イネカルス細胞やレッド
キャベツカルス細胞の再分化に有効である。
は、微生物としてエンターバクター属に属するEnte
ro−bacter cloacae No.11−5
(FERM P−8884)が用いられ、その培養は好
ましくはトリプトファンの存在下において行われ、得ら
れた植物カルス細胞分化剤は、イネカルス細胞やレッド
キャベツカルス細胞の再分化に有効である。
【0006】 本発明の目的は、エンターバクター属に
属する他の微生物を用い、その培養をアデニンの存在下
で行い、ワサビカルス細胞、カーネーションカルス細
胞、ダイズカルス細胞などの再分化に有効な植物カルス
細胞分化剤の製造法を提供することにある。
属する他の微生物を用い、その培養をアデニンの存在下
で行い、ワサビカルス細胞、カーネーションカルス細
胞、ダイズカルス細胞などの再分化に有効な植物カルス
細胞分化剤の製造法を提供することにある。
【0007】
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
下記の微生物をアデニンの存在下で培養し、培養液中の
菌を死滅させた後、植物カルス細胞分化剤を採取する植
物カルス細胞分化剤の製造法によって達成される。
下記の微生物をアデニンの存在下で培養し、培養液中の
菌を死滅させた後、植物カルス細胞分化剤を採取する植
物カルス細胞分化剤の製造法によって達成される。
【0009】 [微生物1] Enterobacter agglomerans
No.305−05(FERM P−12404)静岡
県天城湯ヶ島町の温泉水中から採取 [微生物2] Enterobacter sp No.203−05
(FERM P−12405)長野県小谷村の温泉水中
から採取 [微生物3] Enterobacter sp No.310−03
(FERM P−12409)石川県白峰村の温泉水中
から採取 [微生物4] Enterobacter sp No.308−03
(FERM P−12408)石川県白峰村の温泉水中
から採取 [微生物5] Enterobacter sp No.315−05
(FERM P−12407)石川県吉野谷村の温泉水
中から採取 [微生物6] Enterobacter sp No.213−09
(FERM P−12406)長野県安曇村の温泉水中
から採取
No.305−05(FERM P−12404)静岡
県天城湯ヶ島町の温泉水中から採取 [微生物2] Enterobacter sp No.203−05
(FERM P−12405)長野県小谷村の温泉水中
から採取 [微生物3] Enterobacter sp No.310−03
(FERM P−12409)石川県白峰村の温泉水中
から採取 [微生物4] Enterobacter sp No.308−03
(FERM P−12408)石川県白峰村の温泉水中
から採取 [微生物5] Enterobacter sp No.315−05
(FERM P−12407)石川県吉野谷村の温泉水
中から採取 [微生物6] Enterobacter sp No.213−09
(FERM P−12406)長野県安曇村の温泉水中
から採取
【0010】 これらの温泉水からの各微生物の分離
は、L−ブイヨン(トリプトン1%、酵母エキス0.5
%、NaCl 0.5%、殺菌前のpH7.2)5ml
を試験管に入れ、これに温泉水1mlを添加して、40
℃(微生物3〜6)または37℃(微生物1、2)で2
4時間振とう培養することにより行われた。
は、L−ブイヨン(トリプトン1%、酵母エキス0.5
%、NaCl 0.5%、殺菌前のpH7.2)5ml
を試験管に入れ、これに温泉水1mlを添加して、40
℃(微生物3〜6)または37℃(微生物1、2)で2
4時間振とう培養することにより行われた。
【0011】 これらの各微生物は、下記表1に示され
るような菌学的性質を有し、このような菌学的性質に基
いて、Bergey’s Mannualof Det
erminative Bacteriology第9
版により検索した結果、エンターバクター属に属する菌
であることが確認された。
るような菌学的性質を有し、このような菌学的性質に基
いて、Bergey’s Mannualof Det
erminative Bacteriology第9
版により検索した結果、エンターバクター属に属する菌
であることが確認された。
【0012】
【表1】
【0013】
【0014】なお、糖からの酸の生成では、次の培地
で、添加濃度1%で試験された。 ペプトン2g、NaCl 5g、K2HPO4 0.3g、炭水化物10g、ブ
ロムチモールブルー0.08g、寒天15g、蒸留水1000ml(pH
7.1)
で、添加濃度1%で試験された。 ペプトン2g、NaCl 5g、K2HPO4 0.3g、炭水化物10g、ブ
ロムチモールブルー0.08g、寒天15g、蒸留水1000ml(pH
7.1)
【0015】 各微生物の培養は、任意の培地を用い、
振とう条件下で40℃または37℃で約72〜90時間
程度行われる。その際、培地1リットル当り約0.5〜
5mg程度のアデニンを添加しておくと、それから得ら
れる植物カルス細胞分化剤の再分化作用は一層高められ
る。培養後は、培養液に塩酸によって代表される無機酸
などを加えて菌を死滅させ、その上澄液を細胞分化剤と
して採取する。
振とう条件下で40℃または37℃で約72〜90時間
程度行われる。その際、培地1リットル当り約0.5〜
5mg程度のアデニンを添加しておくと、それから得ら
れる植物カルス細胞分化剤の再分化作用は一層高められ
る。培養後は、培養液に塩酸によって代表される無機酸
などを加えて菌を死滅させ、その上澄液を細胞分化剤と
して採取する。
【0016】かかる植物カルス細胞分化剤を用いての植
物カルス細胞の再分化は Murashige& Skoog 培地(1962)
などを基本培地に用い、これに上記細胞分化剤を基本培
地1リットル当り約4〜16ml添加したものに、ワサビカ
ルス細胞、カーネーションカルス細胞、ダイズカルス細
胞などの植物カルス細胞をピンセットなどで移し、光の
照射下(約10〜16時間明条件下)に、25〜30℃で約1〜2ヶ
月間培養することにより行われる。
物カルス細胞の再分化は Murashige& Skoog 培地(1962)
などを基本培地に用い、これに上記細胞分化剤を基本培
地1リットル当り約4〜16ml添加したものに、ワサビカ
ルス細胞、カーネーションカルス細胞、ダイズカルス細
胞などの植物カルス細胞をピンセットなどで移し、光の
照射下(約10〜16時間明条件下)に、25〜30℃で約1〜2ヶ
月間培養することにより行われる。
【0017】
【発明の効果】本発明により、上記の如き各種植物カル
ス細胞分化剤として有効な、植物ホルモン様の活性を有
する物質が、微生物の培養物から得られる。この細胞分
化剤は、その濃度のコントロールおよび培地の選択の点
において従来の植物ホルモンの場合程厳格さを要せず、
またその活性も大である。
ス細胞分化剤として有効な、植物ホルモン様の活性を有
する物質が、微生物の培養物から得られる。この細胞分
化剤は、その濃度のコントロールおよび培地の選択の点
において従来の植物ホルモンの場合程厳格さを要せず、
またその活性も大である。
【0018】次に、実施例について本発明を説明する。
【0019】 参考例1〜6 前記微生物1〜6を、次の組成を有するL−ブイヨン培
地(10ml)を用いて、振とう回数120rpmで振
とうさせながら、40℃で70時間培養した。 トリプトン 10.0g 酵母エキス 5.0g NaCl 5.0g 蒸留水(pH7.0) 1000ml
地(10ml)を用いて、振とう回数120rpmで振
とうさせながら、40℃で70時間培養した。 トリプトン 10.0g 酵母エキス 5.0g NaCl 5.0g 蒸留水(pH7.0) 1000ml
【0020】 これらの培養液に、1N塩酸500μl
を加えて菌を死滅させ、遠心機(10000rpm、1
0分間、4℃)で集菌し、上澄液を採取して、細胞分化
剤I〜VIとした。
を加えて菌を死滅させ、遠心機(10000rpm、1
0分間、4℃)で集菌し、上澄液を採取して、細胞分化
剤I〜VIとした。
【0021】 実施例1 微生物2を用いた培養の際、最終濃度が0.5mg/m
lになる量のアデニンが培地成分として更に添加されて
用いられ、細胞分化剤IIaを得た。
lになる量のアデニンが培地成分として更に添加されて
用いられ、細胞分化剤IIaを得た。
【0022】 実施例2 微生物4を用いた培養の際、最終濃度が0.5mg/m
lになる量のアデニンが培地成分として更に添加されて
用いられ、細胞分化剤IVaを得た。
lになる量のアデニンが培地成分として更に添加されて
用いられ、細胞分化剤IVaを得た。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】 以上の各参考例および実施例で得られた
細胞分化剤を、Murashige & Skoog培
地(培地1リットル当りmeso−イノシトール100
mg、しょ糖30gおよびチアミン塩酸塩0.4mgを
添加;MS培地)1リットル当り4ml添加し、ワサビ
カルス細胞またはカーネーションカルス細胞の再分化テ
ストを行った。
細胞分化剤を、Murashige & Skoog培
地(培地1リットル当りmeso−イノシトール100
mg、しょ糖30gおよびチアミン塩酸塩0.4mgを
添加;MS培地)1リットル当り4ml添加し、ワサビ
カルス細胞またはカーネーションカルス細胞の再分化テ
ストを行った。
【0028】再分化テストは、約100mgのカルス細胞を
用い、25℃、30日間、4000ルックスのライトを連続的に
照射しながら行い、4サンプル中何個のサンプルが分化
(根分化)したかを観察することによって行われ、次の表
3に示されるような結果を得た。
用い、25℃、30日間、4000ルックスのライトを連続的に
照射しながら行い、4サンプル中何個のサンプルが分化
(根分化)したかを観察することによって行われ、次の表
3に示されるような結果を得た。
【0029】
【表3】
【0030】 比較例 各参考例および実施例で用いられた細胞分化剤の代わり
に、MS培地に対してそれぞれ1ppmの(ア)2,4
−ジクロロフェノキシ酢酸、(イ)インドール酢酸、
(ウ)ナフチル酢酸、(エ)6−ベンジルアデニンまた
は(オ)カイネチンである植物ホルモンを用いて、上記
2種の植物カルス細胞の再分化テストを行った。
に、MS培地に対してそれぞれ1ppmの(ア)2,4
−ジクロロフェノキシ酢酸、(イ)インドール酢酸、
(ウ)ナフチル酢酸、(エ)6−ベンジルアデニンまた
は(オ)カイネチンである植物ホルモンを用いて、上記
2種の植物カルス細胞の再分化テストを行った。
【0031】 ワサビカルス細胞に対しては、(ア)、
(エ)が0、(イ)、(オ)が1、(ウ)が2という分
化サンプル数が得られたが、カーネーションカルス細胞
に対しては、いずれも0であった。
(エ)が0、(イ)、(オ)が1、(ウ)が2という分
化サンプル数が得られたが、カーネーションカルス細胞
に対しては、いずれも0であった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12N 1/20 C12R 1:01) (C12P 1/00 C12R 1:01) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 1/00 - 1/38 C12N 5/00 - 5/28 C12P 1/00 A01N 63/02 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)
Claims (1)
- 【請求項1】 エンターバクター属に属する微生物 E
nterobacter agglomerans N
o.305−05(FERM P−12404)、En
terobacter sp No.203−05(F
ERMP−12405)、Enterobacter
sp No.310−03(FERM P−1240
9)、Enterobacter sp No.308
−03(FERMP−12408)、Enteroba
cter sp No.315−05(FERM P−
12407)またはEnterobacter spN
o.213−09(FERM P−12406)をアデ
ニンの存在下で培養し、培養液中の菌を死滅させた後、
植物カルス細胞分化剤を採取することを特徴とする植物
カルス細胞分化剤の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3242621A JP2789879B2 (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | 植物カルス細胞分化剤の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3242621A JP2789879B2 (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | 植物カルス細胞分化剤の製造法 |
Related Child Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10051466A Division JP3013835B2 (ja) | 1998-02-17 | 1998-02-17 | 植物カルス細胞分化剤の製造法 |
JP10051465A Division JP2998736B2 (ja) | 1998-02-17 | 1998-02-17 | 植物カルス細胞分化剤の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0549470A JPH0549470A (ja) | 1993-03-02 |
JP2789879B2 true JP2789879B2 (ja) | 1998-08-27 |
Family
ID=17091783
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3242621A Expired - Lifetime JP2789879B2 (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | 植物カルス細胞分化剤の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2789879B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001080638A1 (fr) * | 2000-04-25 | 2001-11-01 | Okayama Prefecture | Systemes de commande de differenciation des cellules ou des organes et procede de commande de morphogenese mettant en oeuvre lesdits systemes de commande |
JP2001302427A (ja) * | 2000-04-25 | 2001-10-31 | Nok Corp | 植物生長促進剤およびこれを用いた植物生長促進方法 |
CN105010339B (zh) | 2006-12-11 | 2020-06-26 | 国立研究开发法人科学技术振兴机构 | 植物生长调整剂及其利用 |
JP5967780B2 (ja) | 2011-12-12 | 2016-08-10 | 岡山県 | 植物のアミノ酸含量を高めるための化合物およびその利用 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0797985B2 (ja) * | 1987-02-20 | 1995-10-25 | エヌオーケー株式会社 | 植物カルス細胞分化剤の製造法 |
-
1991
- 1991-08-28 JP JP3242621A patent/JP2789879B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0549470A (ja) | 1993-03-02 |
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