JPH0951796A - フォルスコリンの製造方法 - Google Patents
フォルスコリンの製造方法Info
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- JPH0951796A JPH0951796A JP7230739A JP23073995A JPH0951796A JP H0951796 A JPH0951796 A JP H0951796A JP 7230739 A JP7230739 A JP 7230739A JP 23073995 A JP23073995 A JP 23073995A JP H0951796 A JPH0951796 A JP H0951796A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い生産性で安定にフォルスコリンを製造
し、その工業的な生産を可能とする。 【解決手段】 コレウス・フォルスコリィ(Coleu
s forskohlii Briq.)に、アグロバ
クテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium
rhizogenes)MAFF03−01724を
感染させ形質転換して誘導した毛状根を、培養してフォ
ルスコリンを製造する。
し、その工業的な生産を可能とする。 【解決手段】 コレウス・フォルスコリィ(Coleu
s forskohlii Briq.)に、アグロバ
クテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium
rhizogenes)MAFF03−01724を
感染させ形質転換して誘導した毛状根を、培養してフォ
ルスコリンを製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォルスコリンの
製造方法に関する。
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コレウス・フォルスコリィ(以下コレウ
スと称する)は、古来からインドで心臓病、呼吸器疾
患、腹痛、排尿痛、不眠症、ひきつけの発作など中枢神
経系の疾患の治療薬として利用されてきた。フォルスコ
リンは、その塊根に含まれる生理活性物質で、医薬品と
しての応用が研究されている。
スと称する)は、古来からインドで心臓病、呼吸器疾
患、腹痛、排尿痛、不眠症、ひきつけの発作など中枢神
経系の疾患の治療薬として利用されてきた。フォルスコ
リンは、その塊根に含まれる生理活性物質で、医薬品と
しての応用が研究されている。
【0003】フォルスコリンの生産については、化学合
成を利用した方法として、トランスデカリン誘導体から
の合成(特開平1−186833号公報)、9ーデオキ
シフォルスコリンからの合成(特開昭62−24998
1号公報)が出願されているが、主として原植物である
コレウスからの抽出に依存している。しかし、この植物
はインドから東アフリカに分布しており、日本には自生
しておらず、また栽培も行われていない。インドでは、
この植物の塊根を食用に供するために栽培しているとい
う報告があるが、これを本邦に安定に輸入できるかは疑
問である。
成を利用した方法として、トランスデカリン誘導体から
の合成(特開平1−186833号公報)、9ーデオキ
シフォルスコリンからの合成(特開昭62−24998
1号公報)が出願されているが、主として原植物である
コレウスからの抽出に依存している。しかし、この植物
はインドから東アフリカに分布しており、日本には自生
しておらず、また栽培も行われていない。インドでは、
この植物の塊根を食用に供するために栽培しているとい
う報告があるが、これを本邦に安定に輸入できるかは疑
問である。
【0004】本発明者らは、コレウスを国内で栽培する
ことに成功した。しかし、国内で栽培しても台風、大
雨、渇水などの異常気象まで考慮にいれたうえで、常に
安定な量を得るのは難しい。これらのことから、植物体
から抽出する以外の方法の開発が必要とされていた。そ
こで、コレウス植物の組織を人為的に制御できる環境下
で培養し、フォルスコリンを生産する方法が試みられて
きた。
ことに成功した。しかし、国内で栽培しても台風、大
雨、渇水などの異常気象まで考慮にいれたうえで、常に
安定な量を得るのは難しい。これらのことから、植物体
から抽出する以外の方法の開発が必要とされていた。そ
こで、コレウス植物の組織を人為的に制御できる環境下
で培養し、フォルスコリンを生産する方法が試みられて
きた。
【0005】植物培養細胞による生産については2例の
報告があり、フォルスコリン含量はそれぞれ0.005
42%(特開昭63−123391号公報)、乾燥細胞
1kgあたり0.2〜1g(Planta medic
a,54,200−204(1988))である。分化
した組織での研究も行われている。Jayanti S
enらはコレウスの不定根を培養して、乾燥重の0.0
9%のフォルスコリンを生産している。さらにKrom
bholzらは、コレウスをアグロバクテリウム・リゾ
ゲネス菌株15834で形質転換して得た毛状根を培養
し、乾燥細胞1kgあたり800mg(0.08%)の
フォルスコリンを生産したことを報告している。(Pl
anta medica,58,328−333(19
92))
報告があり、フォルスコリン含量はそれぞれ0.005
42%(特開昭63−123391号公報)、乾燥細胞
1kgあたり0.2〜1g(Planta medic
a,54,200−204(1988))である。分化
した組織での研究も行われている。Jayanti S
enらはコレウスの不定根を培養して、乾燥重の0.0
9%のフォルスコリンを生産している。さらにKrom
bholzらは、コレウスをアグロバクテリウム・リゾ
ゲネス菌株15834で形質転換して得た毛状根を培養
し、乾燥細胞1kgあたり800mg(0.08%)の
フォルスコリンを生産したことを報告している。(Pl
anta medica,58,328−333(19
92))
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、フォル
スコリン生産に毛状根を利用した方法についてはすでに
報告がある。しかし、さらに生産性の優れたフォルスコ
リンの生産法が望まれている。そこで本発明の目的はフ
ォルスコリン生産性のさらに高い毛状根を培養し、より
効率的なフォルスコリンの製造方法を提供することにあ
る。
スコリン生産に毛状根を利用した方法についてはすでに
報告がある。しかし、さらに生産性の優れたフォルスコ
リンの生産法が望まれている。そこで本発明の目的はフ
ォルスコリン生産性のさらに高い毛状根を培養し、より
効率的なフォルスコリンの製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはコレウス・
フォルスコリィの毛状根培養についての研究を重ねた結
果、日本国内で発見、単離されたAgrobacter
ium rhizogenes MAFF03−017
24によって形質転換した毛状根のフォルスコリン生産
性が高いことを見いだし、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明のフォルスコリンの製造方法は、コレウス・
フォルスコリィ(Coleus forskohlii
Briq.)に、アグロバクテリウム・リゾゲネス
(Agrobacterium rhizogene
s)MAFF03−01724を感染させ形質転換して
誘導した毛状根を、培養することを特徴とする。
フォルスコリィの毛状根培養についての研究を重ねた結
果、日本国内で発見、単離されたAgrobacter
ium rhizogenes MAFF03−017
24によって形質転換した毛状根のフォルスコリン生産
性が高いことを見いだし、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明のフォルスコリンの製造方法は、コレウス・
フォルスコリィ(Coleus forskohlii
Briq.)に、アグロバクテリウム・リゾゲネス
(Agrobacterium rhizogene
s)MAFF03−01724を感染させ形質転換して
誘導した毛状根を、培養することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明、すなわちフォルスコリン
の製造方法は、毛状根の作出、毛状根の培養、フォルス
コリンの精製の3つの段階からなるが、これらの操作に
ついての制限はない。以下具体的に本発明について説明
する。
の製造方法は、毛状根の作出、毛状根の培養、フォルス
コリンの精製の3つの段階からなるが、これらの操作に
ついての制限はない。以下具体的に本発明について説明
する。
【0009】毛状根の作出にあたっては、無菌の植物を
材料とすることが望ましい。形質転換収量後にアグロバ
クテリウム・リゾゲネス MAFF03−01724菌
(以下、Ag菌と呼ぶ)以外の微生物が存在しない方が
除菌が容易だからである。Ag菌は、農林水産省生物資
源研究所から微生物遺伝子源株アグロバクテリウム・リ
ゾゲネスMAFF03−01724株として入手するこ
とができる。無菌植物の作出は種子あるいは生長点を含
む植物体切片をまず滅菌液で処理し、滅菌終了後に滅菌
液を完全に洗い落としてから、あらかじめ調製しておい
た植物培養用培地に置床する方法が用いられる。滅菌液
としてはさらし粉溶液、次亜塩素酸ナトリウム溶液、過
酸化水素水、昇汞水、抗生物質溶液などがある。滅菌液
の濃度と滅菌時間は材料植物の汚染の程度によって加減
する。
材料とすることが望ましい。形質転換収量後にアグロバ
クテリウム・リゾゲネス MAFF03−01724菌
(以下、Ag菌と呼ぶ)以外の微生物が存在しない方が
除菌が容易だからである。Ag菌は、農林水産省生物資
源研究所から微生物遺伝子源株アグロバクテリウム・リ
ゾゲネスMAFF03−01724株として入手するこ
とができる。無菌植物の作出は種子あるいは生長点を含
む植物体切片をまず滅菌液で処理し、滅菌終了後に滅菌
液を完全に洗い落としてから、あらかじめ調製しておい
た植物培養用培地に置床する方法が用いられる。滅菌液
としてはさらし粉溶液、次亜塩素酸ナトリウム溶液、過
酸化水素水、昇汞水、抗生物質溶液などがある。滅菌液
の濃度と滅菌時間は材料植物の汚染の程度によって加減
する。
【0010】滅菌処理の効率をあげるために、材料植物
の切片を事前に洗剤で洗浄したり、70%アルコール処
理したり、滅菌操作中に超音波処理すること、滅菌液に
界面活性剤を添加すること、減圧処理することもでき
る。細菌の付着の少ない材料を使って滅菌処理の効率を
あげることができる。この目的のために、温室や人工気
象器の様な清浄な環境で生育させた材料を利用すること
は、非常に有効な手段である。このようにして得られた
無菌植物から毛状根を誘導するために、本発明ではAg
菌を接種する。接種方法についても限定はないが、直接
法、リーフディスク法、共存培養法などが知られてい
る。
の切片を事前に洗剤で洗浄したり、70%アルコール処
理したり、滅菌操作中に超音波処理すること、滅菌液に
界面活性剤を添加すること、減圧処理することもでき
る。細菌の付着の少ない材料を使って滅菌処理の効率を
あげることができる。この目的のために、温室や人工気
象器の様な清浄な環境で生育させた材料を利用すること
は、非常に有効な手段である。このようにして得られた
無菌植物から毛状根を誘導するために、本発明ではAg
菌を接種する。接種方法についても限定はないが、直接
法、リーフディスク法、共存培養法などが知られてい
る。
【0011】直接法は操作が簡便な方法で、鋭いメスや
針の先に菌液をつけて植物に傷つけながら接種する。リ
ーフディスク法では、まず植物体の葉や茎より切片を切
り出し、水あるいは植物組織培養用の培地で数分から数
日間前培養する。その後Ag菌を添加してさらに数分か
ら数日間培養することによってAg菌を接種する。接種
の終了した植物切片は抗生物質を含む植物組織培養培地
に置床する。共存培養法では植物から調製したプロトプ
ラストを用いてリーフディスク法と同様の操作で接種を
行う。これらの操作で使用するAg菌については、アセ
トシリンゴンなどの毛状根誘導促進物質であらかじめ処
理しておくこともできる。
針の先に菌液をつけて植物に傷つけながら接種する。リ
ーフディスク法では、まず植物体の葉や茎より切片を切
り出し、水あるいは植物組織培養用の培地で数分から数
日間前培養する。その後Ag菌を添加してさらに数分か
ら数日間培養することによってAg菌を接種する。接種
の終了した植物切片は抗生物質を含む植物組織培養培地
に置床する。共存培養法では植物から調製したプロトプ
ラストを用いてリーフディスク法と同様の操作で接種を
行う。これらの操作で使用するAg菌については、アセ
トシリンゴンなどの毛状根誘導促進物質であらかじめ処
理しておくこともできる。
【0012】接種後に毛状根が発生してくるが、この毛
状根は植物ゲノムDNAにAg菌のRiプラスミドのT
−DNAが組み込まれている。したがって、不要となっ
たAg菌を取り除く必要がある。この除菌には、固体培
地上で毛状根を培養する過程において抗生物質などの抗
菌剤を添加する方法や、Ag菌の増殖していない毛状根
の先端部分を新鮮培地に繰り返し継代していく方法があ
る。
状根は植物ゲノムDNAにAg菌のRiプラスミドのT
−DNAが組み込まれている。したがって、不要となっ
たAg菌を取り除く必要がある。この除菌には、固体培
地上で毛状根を培養する過程において抗生物質などの抗
菌剤を添加する方法や、Ag菌の増殖していない毛状根
の先端部分を新鮮培地に繰り返し継代していく方法があ
る。
【0013】本法で使用するAg菌 MAFF03−0
1724株の感染によって誘導される毛状根は、ミキモ
ピン(非タンパク質性のアミノ酸)を特異的に生産す
る。このミキモピンはコレウス、Ag菌それぞれ単独で
は生産せず、遺伝子の組換が起きて始めて生産される物
質である。この物質の有無(高圧ろ紙電気泳動による検
出が可能)を指標としてして毛状根の確認を行うことが
できる。
1724株の感染によって誘導される毛状根は、ミキモ
ピン(非タンパク質性のアミノ酸)を特異的に生産す
る。このミキモピンはコレウス、Ag菌それぞれ単独で
は生産せず、遺伝子の組換が起きて始めて生産される物
質である。この物質の有無(高圧ろ紙電気泳動による検
出が可能)を指標としてして毛状根の確認を行うことが
できる。
【0014】本発明では毛状根の培養には、通常の植物
組織培養で用いられている培地を利用することができ
る。例えば、Woody plant(以下WP)培
地、Murashige & Skoog(以下MS)
培地、B5培地、White培地、Nitsch &
Nitsch培地などがあげられるが、WP培地、MS
培地、B5培地が毛状根の生長に適していることから好
ましい。以下に各培地組成を示す。
組織培養で用いられている培地を利用することができ
る。例えば、Woody plant(以下WP)培
地、Murashige & Skoog(以下MS)
培地、B5培地、White培地、Nitsch &
Nitsch培地などがあげられるが、WP培地、MS
培地、B5培地が毛状根の生長に適していることから好
ましい。以下に各培地組成を示す。
【0015】
【表1】表1:Woody plant培地の組成 (無機塩類) NH4NO3 400 mg/l Ca(NO3)2・4H2O 556 mg/l K2SO4 990 mg/l CaCl2・2H2O 96 mg/l MgSO4・7H2O 370 mg/l KH2PO4 170 mg/l MnSO4・H2O 22.3 mg/l ZnSO4・7H2O 8.6 mg/l H3BO3 6.2 mg/l Na2MoO4・2H2O 0.25mg/l CuSO4・5H2O 0.25mg/l FeSO4・7H2O 27.8 mg/l Na2-EDTA 37.3 mg/l (有機物組成) チアミン塩酸 1 mg/l ニコチン酸 0.5 mg/l ピリドキシン塩酸 0.5 mg/l グリシン 2 mg/lミオイノシトール 100 mg/l
【0016】
【表2】表2:Murashige & Skoog培地の組成 (無機塩類) NH4NO3 1650 mg/l KNO3 1900 mg/l CaCl2・2H2O 440 mg/l MgSO4・7H2O 370 mg/l KH2PO4 170 mg/l Ma2-EDTA 37.3 mg/l FeSO4・7H2O 27.8 mg/l H3BO3 6.2 mg/l MnSO4・4H2O 22.3 mg/l ZnSO4・7H2O 8.6 mg/l KI 0.83mg/l Na2MoO4・2H2O 0.25mg/l CuSO4・5H2O 0.025mg/l CoCl2・6H2O 0.025mg/l (有機物組成) ミオイノシトール 100 mg/l ニコチン酸 0.5 mg/l ピリドキシン塩酸 0.5 mg/l チアミン塩酸 0.1 mg/lグリシン 2 mg/l
【0017】
【表3】表3:B5培地の組成 (無機塩類) NaH2PO4・H2O 150 mg/l KNO3 2500 mg/l (NH4)2SO4 134 mg/l MgSO4・7H2O 250 mg/l CaCl2・2H2O 150 mg/l Fe-EDTA 28 mg/l MnSO4・H2O 10 mg/l H3BO3 3 mg/l ZnSO4・7H2O 2 mg/l Na2MoO4・2H2O 0.25 mg/l CuSO4 0.025 mg/l CoCl2・6H2O 0.025 mg/l KI 0.75 mg/l (有機物組成) ニコチン酸 1 mg/l チアミン塩酸 10 mg/l ピリドキシン塩酸 1 mg/lミオイノシトール 100 mg/l
【0018】
【表4】表4:White培地の組成 (無機塩類) Ca(NO3)2・4H2O 300 mg/l KNO3 80 mg/l KCl 65 mg/l NaH2PO4・H2O 16.5 mg/l MgSO4・7H2O 720 mg/l Na2SO4 200 mg/l Fe2(SO4)3 2.5 mg/l MnSO4・4H2O 7 mg/l H3BO3 1.5 mg/l ZnSO4・7H2O 3 mg/l KI 0.75mg/l (有機物組成) グリシン 3.0 mg/l ニコチン酸 0.5 mg/l ピリドキシン塩酸 0.1 mg/l チアミン塩酸 0.1 mg/l システイン塩酸 1.0 mg/lパントテン酸カルシウム 1.0 mg/l
【0019】
【表5】表5:Nitsch & Nitsch培地の組成 (無機塩類) KNO3 950 mg/l NH4NO3 720 mg/l KH2PO4 68 mg/l CaCl2・2H2O 166 mg/l MgSO4・7H2O 185 mg/l FeSO4・7H2O 27.8 mg/l Na2-EDTA 37.3 mg/l MnSO4・4H2O 25 mg/l ZnSO4・4H2O 10 mg/l H3BO3 10 mg/l Na2MoO4・2H2O 0.25mg/l CuSO4・5H2O 0.025mg/l (有機物組成) ビオチン 0.05mg/l グリシン 2 mg/l ニコチン酸 5 mg/l ミオイノシトール 100 mg/l ピリドキシン塩酸 0.5 mg/l チアミン塩酸 0.5 mg/l葉酸 5 mg/l
【0020】
【表6】表6:YEB培地組成(Ag菌培養用)の組成 バクト牛肉エキス 5 g/l バクト酵母エキス 1 g/l ペプトン 5 g/l ショ糖 5 g/lMgSO4 0.24g/l
【0021】毛状根培養には、炭素源が必要である。シ
ョ糖、グルコース、フルクトース、マルトースやこれら
以外の単糖、オリゴ糖、多糖などが炭素源としてあげら
れるが、毛状根の生育や代謝の点からショ糖が好まし
い。炭素源は毛状根の生長性から10%以下の添加が好
ましい。
ョ糖、グルコース、フルクトース、マルトースやこれら
以外の単糖、オリゴ糖、多糖などが炭素源としてあげら
れるが、毛状根の生育や代謝の点からショ糖が好まし
い。炭素源は毛状根の生長性から10%以下の添加が好
ましい。
【0022】一般に、毛状根は植物ホルモンと称される
植物生長調節物質を含まない培地での培養が可能である
が、この様な物質を添加して生長をさらに促進したり、
目的物質の生産性を高めることができる。インドール酢
酸(IAA)、インドール酪酸(IBA)、1ーナフタ
レン酢酸(NAA)、2,4ージクロロフェノキシ酢酸
(2,4ーD)などのオーキシン、カイネチン、ゼアチ
ン、ベンジルアデニン、イソペンテニルアデニン、4ー
ピリジルウレアなどのサイトカイニン、ジベレリン等の
植物生長調節物質の利用が可能である。また、天然の植
物生長調節物質としてジャガイモ、バナナ、トマトの搾
汁、ココナットミルク、麦芽抽出物、酵母抽出物も利用
できる。これらの植物生長調節物質は10%以下の添加
が好ましい。
植物生長調節物質を含まない培地での培養が可能である
が、この様な物質を添加して生長をさらに促進したり、
目的物質の生産性を高めることができる。インドール酢
酸(IAA)、インドール酪酸(IBA)、1ーナフタ
レン酢酸(NAA)、2,4ージクロロフェノキシ酢酸
(2,4ーD)などのオーキシン、カイネチン、ゼアチ
ン、ベンジルアデニン、イソペンテニルアデニン、4ー
ピリジルウレアなどのサイトカイニン、ジベレリン等の
植物生長調節物質の利用が可能である。また、天然の植
物生長調節物質としてジャガイモ、バナナ、トマトの搾
汁、ココナットミルク、麦芽抽出物、酵母抽出物も利用
できる。これらの植物生長調節物質は10%以下の添加
が好ましい。
【0023】毛状根は、ゲランガム、カラギーナン、ア
ルギン酸カルシウム、寒天などの固化剤を加えて固化し
た固体培地での培養も可能であるが、生産効率、操作の
しやすさから液体培地の方が好ましい。以上の組成の培
地を調製し、pHを調節する。pHは4〜7、さらに好
ましくは5〜6が生長性の点から適している。
ルギン酸カルシウム、寒天などの固化剤を加えて固化し
た固体培地での培養も可能であるが、生産効率、操作の
しやすさから液体培地の方が好ましい。以上の組成の培
地を調製し、pHを調節する。pHは4〜7、さらに好
ましくは5〜6が生長性の点から適している。
【0024】このような培地で毛状根を培養することが
できるが、微生物による汚染を防ぐために滅菌する必要
がある。滅菌にはオートクレーブを使った方法(1kg
/cm2 、10〜15分)が利用できる。ただし、これ
らの培地成分には熱に不安定なものもある。特に熱によ
って分解したり変性してしまう成分については、その溶
液を調製してメンブレンフィルター(孔径0.2〜0.
45μm)で滅菌して加えることもできる。液体培地の
場合には容器だけを予め滅菌しておき、調製した培地を
すべてメンブレンフィルター滅菌して無菌的に容器に入
れることもできる。
できるが、微生物による汚染を防ぐために滅菌する必要
がある。滅菌にはオートクレーブを使った方法(1kg
/cm2 、10〜15分)が利用できる。ただし、これ
らの培地成分には熱に不安定なものもある。特に熱によ
って分解したり変性してしまう成分については、その溶
液を調製してメンブレンフィルター(孔径0.2〜0.
45μm)で滅菌して加えることもできる。液体培地の
場合には容器だけを予め滅菌しておき、調製した培地を
すべてメンブレンフィルター滅菌して無菌的に容器に入
れることもできる。
【0025】液体培地の培養には、フラスコなどの容器
を利用した方法や、タンクなどの装置を利用した方法が
ある。その際に酸素の供給は不可欠である。前者の方法
では往復や回転振盪することによってこの問題の解決が
できるが、後者の場合は無菌の空気を強制的に送り込む
ことが必要である。
を利用した方法や、タンクなどの装置を利用した方法が
ある。その際に酸素の供給は不可欠である。前者の方法
では往復や回転振盪することによってこの問題の解決が
できるが、後者の場合は無菌の空気を強制的に送り込む
ことが必要である。
【0026】本発明では毛状根培養期間中に、培地の一
部あるいは全量を排出した後、新しい培地を供給して培
養する方法を用いることもできる。新しく供給する培地
は、培養開始時に用いていた培地と同じ組成でも異なっ
た組成でもよい。この操作によって、培地中に蓄積した
老廃物による悪影響を除いたり、培養中に欠乏した成分
を補充することができる。これまでに述べたような方法
で毛状根を培養し、フォルスコリンを生産することがで
きる。なお、毛状根からフォルスコリンを精製するに
は、通常の分離精製技術が利用可能である。
部あるいは全量を排出した後、新しい培地を供給して培
養する方法を用いることもできる。新しく供給する培地
は、培養開始時に用いていた培地と同じ組成でも異なっ
た組成でもよい。この操作によって、培地中に蓄積した
老廃物による悪影響を除いたり、培養中に欠乏した成分
を補充することができる。これまでに述べたような方法
で毛状根を培養し、フォルスコリンを生産することがで
きる。なお、毛状根からフォルスコリンを精製するに
は、通常の分離精製技術が利用可能である。
【0027】フォルスコリンの精製方法に制限はなく、
毛状根を溶媒で抽出し、一般の天然物の単離に用いられ
る公知の手段を適宜組み合わせて行うことができる。毛
状根は、操作上あるいは保存性の点から、乾燥処理、凍
結乾燥処理、切断処理したものを使うこともできる。こ
れらの処理は、成分の熱による分解を避けるために10
0℃以下好ましくは50℃以下で行うことが好ましい。
毛状根を溶媒で抽出し、一般の天然物の単離に用いられ
る公知の手段を適宜組み合わせて行うことができる。毛
状根は、操作上あるいは保存性の点から、乾燥処理、凍
結乾燥処理、切断処理したものを使うこともできる。こ
れらの処理は、成分の熱による分解を避けるために10
0℃以下好ましくは50℃以下で行うことが好ましい。
【0028】溶媒抽出には、親水性有機溶媒、含水親水
性有機溶媒、疎水性有機溶媒を使うことができる。この
溶媒としては、メタノール、エタノールなどのアルコー
ル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭素、アセト
ン、酢酸エチル、アセトニトリル、エーテルなどの有機
溶媒、ジクロロメタン、クロロフォルムなどのハロゲン
化炭素などがあげられ、これらの中から選ばれる2種類
以上の溶媒を組み合わせてもエキスを調製することがで
きる。またその抽出に際しては、冷浸、温浸のいずれの
方法も用いることができる。抽出時間は、抽出効率の点
から12時間以上が好ましい。溶媒抽出物をエキスにす
るには常圧濃縮、減圧濃縮のどちらでも可能であるが、
温度による分解を防ぐために減圧濃縮が望ましい。
性有機溶媒、疎水性有機溶媒を使うことができる。この
溶媒としては、メタノール、エタノールなどのアルコー
ル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭素、アセト
ン、酢酸エチル、アセトニトリル、エーテルなどの有機
溶媒、ジクロロメタン、クロロフォルムなどのハロゲン
化炭素などがあげられ、これらの中から選ばれる2種類
以上の溶媒を組み合わせてもエキスを調製することがで
きる。またその抽出に際しては、冷浸、温浸のいずれの
方法も用いることができる。抽出時間は、抽出効率の点
から12時間以上が好ましい。溶媒抽出物をエキスにす
るには常圧濃縮、減圧濃縮のどちらでも可能であるが、
温度による分解を防ぐために減圧濃縮が望ましい。
【0029】上記溶媒抽出エキスからフォルスコリンを
分別するには、一般の天然物の単離に用いられる公知の
手段を適宜組み合わせて行うことができる。非極性多孔
性ポリマー、デキストランゲル類、活性炭、ポリアミド
類やシリカゲル類を用いた吸着クロマトグラフィーや分
配クロマトグラフィーが適用できる。また、これらのク
ロマトグラフィーを高速液体クロマトグラフィー装置を
利用してもできる。このようにして分別が行われた後、
その溶出溶媒を留去して目的物質が得られる。さらに必
要に応じて、水と、メタノ−ル、エタノール、アセトニ
トリルなどから適当な溶媒を単独でまたは組み合わせて
用いて再結晶することもできる。
分別するには、一般の天然物の単離に用いられる公知の
手段を適宜組み合わせて行うことができる。非極性多孔
性ポリマー、デキストランゲル類、活性炭、ポリアミド
類やシリカゲル類を用いた吸着クロマトグラフィーや分
配クロマトグラフィーが適用できる。また、これらのク
ロマトグラフィーを高速液体クロマトグラフィー装置を
利用してもできる。このようにして分別が行われた後、
その溶出溶媒を留去して目的物質が得られる。さらに必
要に応じて、水と、メタノ−ル、エタノール、アセトニ
トリルなどから適当な溶媒を単独でまたは組み合わせて
用いて再結晶することもできる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるフ
ォルスコリン生産方法は、生産性が優れておりかつ安定
的である。したがって、フォルスコリンの工業的な生産
が可能である。以下に実施例を示し、本発明を具体的に
説明するが、本発明は下記の実施例に何等制限されるも
のではない。
ォルスコリン生産方法は、生産性が優れておりかつ安定
的である。したがって、フォルスコリンの工業的な生産
が可能である。以下に実施例を示し、本発明を具体的に
説明するが、本発明は下記の実施例に何等制限されるも
のではない。
【0031】
実施例1 −無菌植物の作出− 人工気象器で栽培しているコレウス・フォルスコリィを
材料とした。植物体の地上部から生長点や腋芽を含むよ
うに切片を切り出し、70%のエタノールに1分間浸漬
した後、Tween20を1滴/50ml含む3倍希釈
したアンチホルミン液で10分間処理した。その後滅菌
水で3回洗浄し、滅菌処理で損傷を受けた部位を取り除
き、ショ糖3%を含むWP培地に植え込んだ。8時間暗
期/16時間明期(5000lux)サイクルで培養し
たところ外植片から茎葉が生長し、無菌植物を作出する
ことができた。この無菌植物は試験管内挿し木により継
代、増殖が可能であった。
材料とした。植物体の地上部から生長点や腋芽を含むよ
うに切片を切り出し、70%のエタノールに1分間浸漬
した後、Tween20を1滴/50ml含む3倍希釈
したアンチホルミン液で10分間処理した。その後滅菌
水で3回洗浄し、滅菌処理で損傷を受けた部位を取り除
き、ショ糖3%を含むWP培地に植え込んだ。8時間暗
期/16時間明期(5000lux)サイクルで培養し
たところ外植片から茎葉が生長し、無菌植物を作出する
ことができた。この無菌植物は試験管内挿し木により継
代、増殖が可能であった。
【0032】−毛状根の作出− Ag菌をYEB液体培地(表6)で12時間振盪培養
(100rpm)し、この菌を無菌のメスに付着させ、
無菌のコレウス・フォルスコリィの葉や茎に傷をつけな
がら接種した。接種部位付近から発生した毛状根を0.
5g/lのクラフォランと0.2%のゲランガムと3%
のショ糖を含むWP培地に移植した。この培地上で生長
した部位の先端を1週間毎に同組成の新鮮培地で3回継
代し除菌した。除菌終了後の毛状根は0.2%ゲランガ
ムと3%ショ糖を含むWP培地(WP固体培地)で継代
培養した。この毛状根からは、高圧ろ紙電気泳動によっ
てミキモピンを検出することができ、形質転換した毛状
根であることを確認した。
(100rpm)し、この菌を無菌のメスに付着させ、
無菌のコレウス・フォルスコリィの葉や茎に傷をつけな
がら接種した。接種部位付近から発生した毛状根を0.
5g/lのクラフォランと0.2%のゲランガムと3%
のショ糖を含むWP培地に移植した。この培地上で生長
した部位の先端を1週間毎に同組成の新鮮培地で3回継
代し除菌した。除菌終了後の毛状根は0.2%ゲランガ
ムと3%ショ糖を含むWP培地(WP固体培地)で継代
培養した。この毛状根からは、高圧ろ紙電気泳動によっ
てミキモピンを検出することができ、形質転換した毛状
根であることを確認した。
【0033】−毛状根培養− 得られた毛状根の先端3cmをWP個体培地で7日間前
培養した。5cm程に生長した毛状根6本分(新鮮重約
30mg)を3%ショ糖を含むWP液体培地に植付け、
暗所、25℃で5週間振盪培養(100rpm)した。
培養終了後に毛状根の新鮮重、凍結乾燥後の乾燥重、フ
ォルスコリン含量を以下の通り測定した結果を表7に示
した。
培養した。5cm程に生長した毛状根6本分(新鮮重約
30mg)を3%ショ糖を含むWP液体培地に植付け、
暗所、25℃で5週間振盪培養(100rpm)した。
培養終了後に毛状根の新鮮重、凍結乾燥後の乾燥重、フ
ォルスコリン含量を以下の通り測定した結果を表7に示
した。
【0034】(フォルスコリン含量分析)凍結乾燥後の
毛状根50mgに5mlのCH2Cl2を加え、40℃で
30分間抽出した。残渣を取り除き、溶媒を除去してメ
タノール1mlに溶解してサンプルとした。これを高速
液体クロマトグラフィーで以下の条件で分析した。 カラム ODS 120A (東ソー(株)製) 移動相 50%アセトニトリル 検出 UV 218nm 流速 1ml/min 温度 40℃
毛状根50mgに5mlのCH2Cl2を加え、40℃で
30分間抽出した。残渣を取り除き、溶媒を除去してメ
タノール1mlに溶解してサンプルとした。これを高速
液体クロマトグラフィーで以下の条件で分析した。 カラム ODS 120A (東ソー(株)製) 移動相 50%アセトニトリル 検出 UV 218nm 流速 1ml/min 温度 40℃
【0035】
【表7】表7: 実 施 例 1 毛状根新鮮重 172.4 g/l med. 毛状根乾燥重 6.9 g/l med. フォルスコリン含量 0.8 d.w.% フォルスコリン生産性 55 mg/l med. 本発明では、従来よりも効率的なフォルスコリン生産が
認められた。
認められた。
【0036】実施例2 実施例1と同様の方法で毛状根培養を行った。ただし4
週間後に、すべての培地を抜き取り、新しい培地(3%
のショ糖を含むWP培地)に換えて培養を続け、培養開
始後5週間後(培地交換1週間後)に毛状根の新鮮重、
凍結乾燥後の乾燥重、フォルスコリン含量を測定した結
果を表8に示した。
週間後に、すべての培地を抜き取り、新しい培地(3%
のショ糖を含むWP培地)に換えて培養を続け、培養開
始後5週間後(培地交換1週間後)に毛状根の新鮮重、
凍結乾燥後の乾燥重、フォルスコリン含量を測定した結
果を表8に示した。
【0037】
【表8】 表8: 実 施 例 2 毛状根新鮮重 206.9 g/l med. 毛状根乾燥重 8.9 g/l med. フォルスコリン含量 0.8 d.w.% フォルスコリン生産性 66 mg/l med. 本発明では、従来よりも効率的なフォルスコリン生産が
認められた。
認められた。
【0038】実施例3 実施例1と同様の方法で毛状根培養を行った。ただし4
週間後に、すべての培地を抜き取り、新しい培地(3%
のショ糖を含むB5培地)に換えて培養を続け、培養開
始後5週間後(培地交換1週間後)に毛状根の新鮮重、
凍結乾燥後の乾燥重、フォルスコリン含量を測定した結
果を表9に示した。
週間後に、すべての培地を抜き取り、新しい培地(3%
のショ糖を含むB5培地)に換えて培養を続け、培養開
始後5週間後(培地交換1週間後)に毛状根の新鮮重、
凍結乾燥後の乾燥重、フォルスコリン含量を測定した結
果を表9に示した。
【0039】
【表9】 表9: 実 施 例 3 毛状根新鮮重 181.0 g/l med. 毛状根乾燥重 7.2 g/l med. フォルスコリン含量 0.9 d.w.% フォルスコリン生産性 65 mg/l med. 本発明では、従来よりも効率的なフォルスコリン生産が
認められた。
認められた。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】毛状根の作出にあたっては、無菌の植物を
材料とすることが望ましい。形質転換終了後にアグロバ
クテリウム・リゾゲネス MAFF03−01724菌
(以下、Ag菌と呼ぶ)以外の微生物が存在しない方が
除菌が容易だからである。Ag菌は、農林水産省生物資
源研究所から微生物遺伝資源株アグロバクテリウム・リ
ゾゲネスMAFF03−01724株として入手するこ
とができる。無菌植物の作出は種子あるいは生長点を含
む植物体切片をまず滅菌液で処理し、滅菌終了後に滅菌
液を完全に洗い落としてから、あらかじめ調製しておい
た植物培養用培地に置床する方法が用いられる。滅菌液
としてはさらし粉溶液、次亜塩素酸ナトリウム溶液、過
酸化水素水、昇汞水、抗生物質溶液などがある。滅菌液
の濃度と滅菌時間は材料植物の汚染の程度によって加減
する。
材料とすることが望ましい。形質転換終了後にアグロバ
クテリウム・リゾゲネス MAFF03−01724菌
(以下、Ag菌と呼ぶ)以外の微生物が存在しない方が
除菌が容易だからである。Ag菌は、農林水産省生物資
源研究所から微生物遺伝資源株アグロバクテリウム・リ
ゾゲネスMAFF03−01724株として入手するこ
とができる。無菌植物の作出は種子あるいは生長点を含
む植物体切片をまず滅菌液で処理し、滅菌終了後に滅菌
液を完全に洗い落としてから、あらかじめ調製しておい
た植物培養用培地に置床する方法が用いられる。滅菌液
としてはさらし粉溶液、次亜塩素酸ナトリウム溶液、過
酸化水素水、昇汞水、抗生物質溶液などがある。滅菌液
の濃度と滅菌時間は材料植物の汚染の程度によって加減
する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】本法で使用するAg菌 MAFF03−0
1724株の感染によって誘導される毛状根は、ミキモ
ピン(非タンパク質性のアミノ酸)を特異的に生産す
る。このミキモピンはコレウス、Ag菌それぞれ単独で
は生産せず、遺伝子の組換が起きて始めて生産される物
質である。この物質の有無(高圧ろ紙電気泳動による検
出が可能)を指標として毛状根の確認を行うことができ
る。
1724株の感染によって誘導される毛状根は、ミキモ
ピン(非タンパク質性のアミノ酸)を特異的に生産す
る。このミキモピンはコレウス、Ag菌それぞれ単独で
は生産せず、遺伝子の組換が起きて始めて生産される物
質である。この物質の有無(高圧ろ紙電気泳動による検
出が可能)を指標として毛状根の確認を行うことができ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】フォルスコリンの精製方法に制限はなく、
毛状根を溶媒で抽出し、一般の天然物の単離に用いられ
る公知の手段を適宜組み合わせて行うことができる。毛
状根は、操作上あるいは保存性の点から、乾燥処理、凍
結乾燥処理、切断処理したものを使うこともできる。こ
れらの処理は、成分の熱による分解を避けるために10
0℃以下好ましくは50℃以下で行うことが望ましい。
毛状根を溶媒で抽出し、一般の天然物の単離に用いられ
る公知の手段を適宜組み合わせて行うことができる。毛
状根は、操作上あるいは保存性の点から、乾燥処理、凍
結乾燥処理、切断処理したものを使うこともできる。こ
れらの処理は、成分の熱による分解を避けるために10
0℃以下好ましくは50℃以下で行うことが望ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】
【表8】 表8: 実 施 例 2 毛状根新鮮重 206.9 g/l med. 毛状根乾燥重 8.3 g/l med. フォルスコリン含量 0.8 d.w.% フォルスコリン生産性 66 mg/l med. 本発明では、従来よりも効率的なフォルスコリン生産が
認められた。
認められた。
Claims (1)
- 【請求項1】 コレウス・フォルスコリィ(Coleu
s forskohlii Briq.)に、アグロバ
クテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium
rhizogenes)MAFF03−01724を
感染させ形質転換して誘導した毛状根を、培養すること
を特徴とするフォルスコリンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7230739A JPH0951796A (ja) | 1995-08-16 | 1995-08-16 | フォルスコリンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7230739A JPH0951796A (ja) | 1995-08-16 | 1995-08-16 | フォルスコリンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0951796A true JPH0951796A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=16912550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7230739A Pending JPH0951796A (ja) | 1995-08-16 | 1995-08-16 | フォルスコリンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0951796A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103210905A (zh) * | 2013-02-21 | 2013-07-24 | 江苏省中国科学院植物研究所 | 一种植物叶片标本教具的制作方法 |
CN106596797A (zh) * | 2017-01-19 | 2017-04-26 | 湖北福人药业股份有限公司 | 鞘蕊苏胶囊的含量测定 |
-
1995
- 1995-08-16 JP JP7230739A patent/JPH0951796A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103210905A (zh) * | 2013-02-21 | 2013-07-24 | 江苏省中国科学院植物研究所 | 一种植物叶片标本教具的制作方法 |
CN106596797A (zh) * | 2017-01-19 | 2017-04-26 | 湖北福人药业股份有限公司 | 鞘蕊苏胶囊的含量测定 |
CN106596797B (zh) * | 2017-01-19 | 2020-04-21 | 湖北福人药业股份有限公司 | 鞘蕊苏胶囊的含量测定 |
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