JP2873023B2 - ポドフィロトキシン類化合物の製造方法 - Google Patents

ポドフィロトキシン類化合物の製造方法

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JP2873023B2 JP1277223A JP27722389A JP2873023B2 JP 2873023 B2 JP2873023 B2 JP 2873023B2 JP 1277223 A JP1277223 A JP 1277223A JP 27722389 A JP27722389 A JP 27722389A JP 2873023 B2 JP2873023 B2 JP 2873023B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポドフィロトキシン類化合物の製造方法に関
する。さらに詳しくは、ポドフィルム(Podophyllum)
属に属する植物中に産生蓄積されるポドフィロトキシン
類化合物を植物組織培養法により効率的に取得する方法
に関する。
〔従来の技術〕
高等植物に産生蓄積される化合物には工業的に有用と
認められるものが多数ある。これらの化合物のうち主と
してポドフィルム属に属する植物中に産生蓄積されるポ
ドフィロトキシン類化合物は有用な生理活性を示す化合
物として知られている。例えばポドフィロトキシン類化
合物の一種であるポドフィロトキシンは従来から地域に
よってはその緩下作用あるいは抗菌様作用に着目され、
下剤あるいは外用薬として用いられてきていた。また近
年は抗腫瘍性物質としても注目されている。またポドフ
ィロトキシン類化合物を原料とする抗腫瘍性物質の開発
も種々試みられている。
しかしながらポドフィロトキシン類化合物の工業的な
取得製造にあっては、他の多くの工業的に有用な高等植
物由来の物質の取得製造と同様に植物固有の問題点が有
る。すなわち、該物質を製造するには、該物質を産生し
得る自生植物を採取し、又は栽培する必要があるが、ポ
ドフィルム属植物自生地は極めて限られており、また該
植物を栽培するにも環培条件等の制約が伴い、さらに、
目的物質の含有量も種々の条件により変動し、またその
含有量は一般に低い。従って、ポドフィロトキシン類を
製造するための工業原料としてポドフィルム属植物の植
物体を大量に安定的に入手することは極めて困難であ
る。
上記のような高等植物体が産生蓄積する有用物質の工
業的な取得製造に対して障害となる諸問題に対する解決
法として植物組織培養法による有用物質の生産方法が提
案されている。即ち同方法においては植物体から誘導さ
れる細胞又は組織、例えば、カルス、脱分化細胞、不定
胚、不定器官等、を培養し培養物あるいは培養環境中に
蓄積される目的とする有用物質を採取取得する方法であ
る。この様な種々の存在状態はよく知られており、また
これらを誘導し、培養するための一般的方法も知られて
いる。しかしながら、これらの組織の誘導・培養の難
易、具体的な条件は個々の植物により異り、ある植物の
ための条件をそのまま他の植物に適用することはできな
い。ましてや、特定の物質を植物の組織に産生せしめる
ための条件は極めて微妙であって、ある植物について、
又はある物質の産生のために知られた条件を他の植物又
は他の目的物質の産生のために適用することはほとんど
不可能であり、個々の植物、具体的な目的物質等ごとに
実験的に定めなければならない。
特開昭62−96088には、ポドフィルム属植物の外植片
を固体培地上で培養することによりカルスを形成せし
め、これをさらに固体培地上で培養することによりカル
ス/不定根を大量に得、この不定根から0.0035%の収率
でポドフィロトキシンを得た旨記載されている。しかし
ながらこの方法においては不定根を大量に得るのは必ず
しも容易ではなく、ポドフィロトキシンの蓄積量も必ず
しも満足できるものではない。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って本発明は、ポドフィロトキシン類化合物を、多
量に且つ高収率で工業的に製造することができる方法を
提供しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題は、ポドフィルム(Podophyllum)属植物
を用いるポドフィロトキシン類化合物の製造方法におい
て、ポドフィルム属植物の脱分化細胞又は組織を液体培
地中で培養することにより該脱分化細胞又は組織の増殖
及び不定器官の誘導を行い、次に該不定器官を固定培地
上で生長せしめることによりポドフィロトキシン類化合
物を産生せしめ、そして該ポドフィロトキシン類化合物
を採取することを特徴とする方法により解決される。
〔具体的な説明〕
本発明はポドフィルム属に属する植物の細胞または組
織を液体培養条件で培養することにより分化器官に分化
せしめた後生長せしめ、該分化器官中に蓄積されたポド
フィロトキシン類化合物を採取することを特徴とするポ
ドフィロトキシン類化合物の製造方法に関する。
本発明の方法に用いられるポドフィルム属に属する植
物とは、例えばポドフィルム・ペルタツム(Podophyllu
m peltatum)、ポドフィルム・エモディ(P.emodi)、
ポドフィルム・ヘキサンドルム(P.hexandrum)、ポド
フィルム・プレイアンツム(P.pleianthum)、ポドフィ
ルム・ベルシペレ(P.versipelle)などのポドフィルム
属に属する植物およびそれらの亜種、変種などは好適に
用いることができる。
本発明の方法は、ポドフィルム属植物の脱分化細胞又
は組織を液体培養する段階を含むが、この脱分化細胞を
用いる場合にはまずカルスの形で用いるのが普通であ
る。カルスは、常法に従って得ることができる。ポドフ
ィルム属植物の葉、茎及び根等の各部をよく水洗いした
後エチルアルコール水溶液、次亜塩素酸ナトリウム水溶
液、塩化ベンズアルコニウム水溶液等で殺菌をし、しか
る後に滅菌水で洗浄する。得られた滅菌済みの植物を試
験官、フラスコあるいはシャーレ等に入れてある培地上
に置き培養することにより該植物の細胞または組織を得
る。このとき使用する培地としては一般に使用される植
物組織培養に用いられる培地ならば支障なく用いること
ができる。このような培地の例として基本培地としてム
ラシゲ・スクーグの培地、リンスマイヤー・スクーグの
培地、ガンボルグのB5培地、ニッチ&ニッチの培地、ホ
ワイトの培地等にビタミン類及び植物生長調節物質を添
加したものが好適に使用でき上記記載のものに限定され
ない。植物生長物質としては例えばインドール−3−酢
酸、α−ナフタレン酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢
酸等のオーキシン、カイネチン、6−ベンジルアデニン
等のサイトカイニン等が挙げられる。これらは単独ある
いは他の成分と組み合わせて用いられる。上記の様な培
地で20〜30℃で培養を続けることにより通常1〜4週間
で目的とするポドフィルム属植物のカルスを得ることが
できる。このカルスを固体培地あるいは液体培地で培養
することにより容易にポドフィルム植物の脱分化細胞を
得ることができる。
本発明の方法において用いる組織とは、ポドフィルム
植物の植物体の切片であり、例えば葉、茎、根などの器
官の全部又は部分を意味する。なお、これらの組織は培
養前に、カルスの誘導の際と同様に滅菌するのが好まし
い。
本発明でいう液体培養とは、上記のようにして得られ
たポドフィルム植物の細胞または組織の一部あるいは全
部が液相の培地に接触する状態における培養条件であ
り、例えば通気撹拌式培養槽、エアーリフト型培養槽、
往復あるいは回転振盪されている三角フラスコ、ペーパ
ーウィック法を用いる培養方法などがこれに該当する。
本発明で用いる分化器官の誘導はポドフィルム植物の
脱分化細胞あるいは組織を上記液体培養の条件に適切な
培地条件及び培養条件を付与することにより行うことが
できる。分化器官の誘導に用いる培地は基本培地として
ムラシゲ・スクーグ、リンスマイヤー・スクーグおよび
ホワイト培地が好適に用いることができる。また栄養源
としてカゼイン加水分解物やココナツ・ミルクを用いる
こともできる。また用いる糖濃度は0〜3%が好適に用
いることができる。さらに植物生長調節物質については
これを含有しないか、オーキシンとサイトカイニンの比
率が100:1〜1:100であり両者の濃度がそれぞれ1mM以下
に入るものが好適に用いられる。分化器官の誘導に用い
ることのできる培養条件としては上記液体培養条件にお
いて上記ポドフィルム属植物の細胞あるいは組織を温
度、15〜30℃、明所あるいは暗所にて2〜10週間培養す
ることにより好適に分化器官を得ることができる。
本発明の方法によれば、前記のごとく、カルス又は組
織を用意し、これを固体培地又は液体培養で培養するこ
とによって脱分化細胞又は組織を多量に得、次にこの脱
分化細胞又は組織を液体培地で培養することによりこれ
らを増殖せしめ、この後でさらに分化誘導に適する液体
培地で培養することにより不定器官を誘導することがで
きる。しかしながら、カルス又は組織を液体培地で培養
することにより脱分化細胞又は組織の誘導及び増殖と、
不定器官の誘導とを同一段階として行うこともできる。
なお、本発明でいう分化器官とは植物の細胞または組
織を液体培養の状態で培養することにより、該植物細胞
あるいは組織から分化誘導される組織のうち、その形状
が不定芽あるいは不定根の形状を示すものをいう。
上記の方法により得られた分化器官は寒天培地、ペー
パーウィック培地、濾紙培地等の常用の培地で例えば2
週間以上培養することにより生長させることができる。
このようにして得られる分化器官は母植物の含有して
いるポドフィロトキシン類化合物を含有しておりしかも
母植物の含有量と同等以上のポドフィロトキシンを含ん
でいる。分化器官中に含有されるポドフィロトキシン類
化合物はアルコール、ケトンなどの溶媒を用いることに
より抽出することにより分化器官内から容易に分離する
ことができる。
以上の発明を用いることにより、自然環境、植物個体
差、入手の困難等の外部的要因に左右されることなく、
ポドフィルム植物の増殖性の大きい培養細胞を用いるこ
とにより、工業的に価値のあるポドフィロトキシンを得
ることが可能となった。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明は実施例により制限されない。
実施例1. 十分水洗したポドフィルム・ペルタツムの根茎を70%
アルコール水溶液に2分間浸漬することにより殺菌し
た。次に1%の次亜塩素酸ナトリウムにより1分間殺菌
した後、滅菌水により十分に洗浄した。この滅菌した根
茎を無菌的雰囲気で長さ約5mmにきざみ、ムラシゲ・ス
クーグ培地にα−ナフタレン酢酸1mg/L、カイネチン0.2
mg/L、カゼイン加水分解物500mg/Lを添加した1%濃度
の寒天培地に置床し5週間暗所で静置培養したところカ
ルスが発生した。
このカルスを数回継代培養した後、ムラシゲ・スクー
グ培地にα−ナフタレン酢酸1mg/L、カイネチン0.2mg/
L、カゼイン加水分解物500mg/Lを添加した液体培地100m
lを含む300mlフラスコに移し10週間暗所にて25℃、130r
pmの振盪速度で回転式振盪培養を行ったところ、分化器
官が生じた。この分化器官を植物生長調節物質を含まな
いムラシゲ・スクーグ培地にカゼイン加水分解物500mg/
Lを添加した寒天濃度1%の寒天培地に移し8週間暗所
で培養したところ分化器官の生長が認められた。この分
化器官をエチルアルコールで抽出し高速液体クロマトグ
ラフィーを用いて抽出物の分析を行ったところ分化器官
乾燥重量当り1.6%のポドフィロトキシンが生成してい
ることが分かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポドフィルム(Podophyllum)属植物を用
    いるポドフィロトキシン類化合物の製造方法において、
    ポドフィルム属植物の脱分化細胞又は組織を液体培地中
    で培養することにより該脱分化細胞又は組織の増殖及び
    不定器官の誘導を行い、次に該不定器官を固体培地上で
    生長せしめることによりポドフィロトキシン類化合物を
    産生せしめ、そして該ポドフィロトキシン類化合物を採
    取することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】前記液体培養を植物生長調節物質であるオ
    ーキシン及びサイトカイニンの存在下で行い、そして前
    記固体培養を植物生長調節物質の非存在下で行うことを
    特徴とする請求項1に記載の方法。
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CA002028523A CA2028523A1 (en) 1989-10-26 1990-10-25 Production of podophyllotoxins using podophyllum
EP90120439A EP0424928B1 (en) 1989-10-26 1990-10-25 Production of podophyllotoxins using podophyllum
US07/603,361 US5225343A (en) 1989-10-26 1990-10-26 Process for preparation of an adventive embryo of podophyllum
US08/011,671 US5336605A (en) 1989-10-26 1993-02-01 Production of podophyllotoxins using podophyllum

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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NATLIRWISSENSCHAFTEN(1981),68(9),p481−2
PLANTSCI.LETT.,(1982),25(1),p107−15

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