JPWO2008072502A1 - 露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

液浸法で露光を行う際にも適用可能であるとともに、高い重ね合わせ精度が得られる露光方法である。投影光学系を介して基板(P)上の投影領域(17P)にレチクルパターンの像を投影した状態で、基板(P)と投影領域(17P)とを相対走査して基板(P)上のショット領域(SA1)を露光するときに、ショット領域(SA1)に隣接するショット領域(SA2〜SA5)内にその投影光学系を介さずに計測光を照射して位置情報を計測し、この計測結果から得られるショット領域(SA1)の位置情報に基づいて、投影領域(17P)とショット領域(SA1)との相対位置関係を制御する。

Description

本発明は、光学系を介して物体を露光する露光技術及びこの露光技術を用いるデバイス製造技術に関し、例えば半導体集積回路、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等の各種デバイスを製造するためのリソグラフィ工程でマスク等のパターンを基板上に転写するために適用できるものである。
例えば半導体集積回路を製造するためのリソグラフィ工程中で、レチクル(又はフォトマスク等)に形成されたパターンを投影光学系を介して感光基板としてのレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)の各ショット領域に転写するために、ステッパ等の一括露光型の投影露光装置及びスキャニング・ステッパ等の走査露光型の投影露光装置等の露光装置が使用されている。これらの露光装置において、ウエハ上の第2レイヤ以降にレチクルのパターンを重ねて露光する際には、ウエハ上の各ショット領域にそれまでの工程で形成されている回路パターンと、これから露光するレチクルパターンの像との重ね合わせ精度を高く維持する必要がある。
そのため、従来より露光装置においては、レチクル及びウエハを駆動するステージの位置を高精度に計測するレーザ干渉計と、レチクル側のアライメントマーク(レチクルマーク)の位置を計測する例えばレチクルアライメント顕微鏡と、ウエハ側のアライメントマーク(ウエハマーク)の位置を計測するアライメントセンサとを備えていた。そして、例えば特公平4−47968号公報に開示されているエンハンスド・グローバル・アライメント(EGA)方式でアライメントを行う場合には、ウエハ上の所定のショット領域に付設されたウエハマークの位置の計測結果を統計処理することによって、レチクルパターンの投影位置に対するウエハ上の各ショット領域の配列座標を求めていた。その後、その配列座標及びレーザ干渉計の計測値に基づいてステージを駆動して露光を行うことで、ウエハ上の各ショット領域(それまでの工程で形成されている回路パターン)にレチクルパターンの像が重ね合わせて露光されていた。
また、特に走査露光型の露光装置において重ね合わせ精度をより高めるために、予めウエハ上の各ショット領域に走査方向にほぼ連続的に又は所定間隔でウエハマークを形成し、これから露光するレチクルにも走査方向に対応するレチクルマークを形成しておく露光方法も提案されている。この露光方法では、走査露光中に継続して、所定のセンサでそのウエハマークと対応するレチクルマークとの位置ずれ量を計測し、計測される位置ずれ量を補正するように例えば一方のステージの位置を調整することで、ウエハ上の各ショット領域に実際にレチクルパターンの像を重ね合わせていた(例えば、特許文献1参照)。
特許第3084773号公報
従来の露光装置においては、ステージ位置を高精度に計測するためにレーザ干渉計を使用していたが、レーザ干渉計はステージの移動等に起因してレーザビームの光路上の気体の揺らぎが生じると、計測値が僅かに変動することがある。このような計測値の変動量は、現在必要とされている重ね合わせ精度に対してはほぼ許容範囲内であるが、今後、半導体集積回路等の一層の微細化に対応して重ね合わせ精度をより向上させるためには、レーザ干渉計の計測値の変動の影響を軽減する必要がある。
また、従来の露光中に継続してレチクルマークとウエハマークとの位置ずれ量を実際に計測する走査露光型の露光方法によれば、レーザ干渉計の計測値の変動に実質的に影響されることなく、重ね合わせ精度を高くできる。しかしながら、この露光方法は、投影光学系の解像度を高くして、かつ焦点深度を深くするために最近注目されている液浸法で露光を行う場合には、適用が困難であるか、又は両マークの位置ずれ量の計測精度が低下する恐れがある。
本発明はこのような問題点に鑑み、液浸法で露光を行う際にも適用可能であるとともに、高い重ね合わせ精度が得られる露光技術及びデバイス製造技術を提供することを目的とする。
本発明による露光方法は、光学系(PL)を介して物体(P)上の所定領域(SA1)に露光光を照射し、その所定領域を露光する露光方法であって、その所定領域にその露光光を照射するときに、その物体上のその所定領域又はその所定領域との位置関係が既知のその物体上の領域よりなる被計測領域(SA2〜SA5)内にその光学系を介さずに計測光を照射して、その所定領域の位置情報を計測し、その位置情報の計測結果に基づいて、その露光光とその所定領域との相対位置関係を制御するものである。
また、本発明による露光装置は、光学系(PL)を介して物体(P)上の所定領域(SA1)に露光光を照射し、その所定領域を露光する露光装置であって、その所定領域にその露光光を照射するときに、その物体上のその所定領域又はその所定領域との位置関係が既知のその物体上の領域よりなる被計測領域(SA2〜SA5)内にその光学系を介さずに計測光を照射して、その所定領域の位置情報を計測する計測装置(40A〜40D)と、その計測装置の計測結果に基づいて、その露光光とその所定領域との相対位置関係を制御する制御装置(34,43,45)とを備えたものである。
また、本発明によるデバイス製造方法は、本発明の露光装置を用いるものである。
なお、以上の本発明の所定要素に付した括弧付き符号は、本発明の一実施形態を示す図面中の部材に対応しているが、各符号は本発明を分かり易くするために本発明の要素を例示したに過ぎず、本発明をその実施形態の構成に限定するものではない。
本発明の露光方法によれば、その物体上の被計測領域の位置情報の実際の計測結果を用いて、その露光光とその物体上の所定領域との相対位置関係を制御することによって、その所定領域上にパターン(像)等を高い重ね合わせ精度で露光できる。また、その光学系を介さずに、その被計測領域の位置情報を計測しているため、その光学系とその物体との間に液体を介在させて液浸法で露光を行う場合にも本発明が適用できる。
本発明の露光装置によれば、その物体の露光時に、その計測装置によって得られるその被計測領域の位置情報に基づいて、その制御装置によってその露光光とその所定領域との相対位置関係を制御することによって、本発明の露光方法を使用できる。これによって、液浸法も適用できるとともに、高い重ね合わせ精度が得られる。
本発明のデバイス製造方法によれば、基板等の第2レイヤ以降に露光する際に高い重ね合わせ精度が得られるため、微細パターンを有するデバイスを高精度に製造できる。
本発明の実施形態の一例で使用される投影露光装置を示す斜視図である。 (A)は図1中の基板Pの第1レイヤの露光に使用されるレチクルRを示す平面図、(B)はレチクルRのスケール用パターン56の一部を示す拡大図である。 (A)はレチクルRに形成されるスケール用パターンの別の例を示す平面図、(B)は図3(A)のスケール用パターン59Yの一部を示す拡大図である。 (A)は図1中の基板Pのショット配列の一例を示す平面図、(B)は図4(A)のショット領域SAを示す拡大平面図、(C)は図4(B)中のスケール用パターン56Pの一部を示す拡大平面図である。 (A)は図1の露光装置が備える検出器40Aの構成例を示す斜視図、(B)はスケール用パターンとしてのL&Sパターン58YPを示す拡大図、(C)はL&Sパターン58YPに対応して検出される検出信号S1Yを示す図である。 (A)はスケール用パターンの他の例を示す拡大図、(B)は図7(A)のパターンに対応して検出される検出信号S1Yを示す図、(C)及び(D)は検出信号S1Yから分離して得られる信号を示す図である。 図1の露光装置が備える検出器40Aの別の構成例を示す斜視図である。 (A)はスケール用パターンとして原点パターンを含む例を示す拡大図、(B)はスケール用パターンとして絶対位置検出用のパターンを含む例を示す拡大図である。 図1の基板P上のショット領域SA1に露光する状態を示す平面図である。 図9の基板P上のショット領域に形成されるスケール用パターンの一例を示す拡大図である。 本発明の実施形態の他の例の要部を示す斜視図である。 本発明の実施形態の他の例における基板側のスケール用パターンの複数の検出器40A等の配列を示す図である。
符号の説明
R,R1…レチクル、PL…投影光学系、P…基板、17P…投影領域、21…レチクルステージ、25A,25B…検出器、34…基板ステージ、40A〜40H…検出器、41…主制御系、43…ステージ駆動系、45…座標計測・補間系、56…レチクル側のスケール用パターン、56P…基板側のスケール用パターン
以下、本発明の好ましい実施形態の一例につき図1〜図10を参照して説明する。本例は、スキャニング・ステッパよりなる走査露光型の露光装置(投影露光装置)で露光を行う場合に本発明を適用したものである。
図1は、本例の露光装置EXの概略構成を示し、この図1において、露光装置EXは、露光光源1を含み、転写用のパターンが形成されたレチクルR(マスク)を露光光IL(露光ビーム)で照明する照明光学系16と、レチクルRを駆動するレチクルステージ21と、レチクルRのパターンの像を基板P上に投影する投影光学系PLと、基板Pを駆動する基板ステージ34と、それらのステージの駆動系と、装置全体の動作を統括的に制御するコンピュータよりなる主制御系41と、その他の種々の制御及び演算等を行う処理系等とを備えている。露光光源1としてはArFエキシマレーザ光源(波長193nm)が使用されている。なお、露光光源としては、KrFエキシマレーザ光源(波長247nm)、F2 レーザ光源(波長157nm)などの紫外パルスレーザ光源、YAGレーザの高調波発生光源、固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波発生装置、又は水銀ランプ(i線等)なども使用できる。
露光時に露光光源1からパルス発光された露光光ILは、ミラー2、不図示のビーム整形光学系、第1レンズ3A、ミラー4、及び第2レンズ3Bを経て断面形状が所定形状に整形されて、オプティカル・インテグレータとしてのフライアイレンズ5に入射して、照度分布が均一化される。フライアイレンズ5の射出面(照明光学系16の瞳面)には、露光光の光量分布を円形、複数の偏心領域、輪帯状、小さい円形などに設定して照明条件を決定するための開口絞り(σ絞り)7A,7B,7C,7D等を有する照明系開口絞り部材6が、駆動モータ8によって回転自在に配置されている。主制御系41が駆動モータ8を介して照明系開口絞り部材6を回転することで、照明条件が設定される。
照明系開口絞り部材11中の開口絞りを通過した露光光ILは、反射率の小さいビームスプリッタ9及びリレーレンズ12Aを経て、固定ブラインド(固定視野絞り)13A及び可動ブラインド(可動視野絞り)13Bを順次通過する。可動ブラインド13Bは、レチクルRのパターン面(レチクル面)とほぼ共役な面に配置され、固定ブラインド13Aは、そのレチクル面と共役な面から僅かにデフォーカスされた面に配置されている。
固定ブラインド13Aは、レチクル面の照明領域17RをレチクルRの走査方向に直交する非走査方向に細長いスリット状の領域に規定するために使用される。可動ブラインド13Bは、基板P上の露光対象のショット領域への走査露光の開始時及び終了時に不要な部分への露光が行われないように、照明領域17Rを走査方向に閉じるために使用される。可動ブラインド13Bは、更に照明領域17Rの非走査方向の中心及び幅を規定するためにも使用される。ブラインド13A,13Bを通過した露光光ILは、サブコンデンサレンズ12B、光路折り曲げ用のミラー14、及びメインコンデンサレンズ15を経て、レチクルRのパターン領域の照明領域17Rを均一な照度分布で照明する。
一方、ビームスプリッタ9で反射された露光光は、集光レンズ10を介して光電センサよりなるインテグレータセンサ11に受光される。インテグレータセンサ11の検出情報は露光量制御系42に供給され、露光量制御系42は、その検出情報と予め計測されているビームスプリッタ9から基板Pまでの光学系の透過率の情報とを用いて基板P上での露光光ILのエネルギーを間接的に算出する。露光量制御系42は、その算出結果の積算値及び主制御系41からの制御情報に基づいて、基板Pの表面(露光面)上で適正露光量が得られるように露光光源1の発光動作を制御する。露光光源1からメインコンデンサレンズ15までの部材を含んで照明光学系16が構成されている。
露光光ILのもとで、レチクルRの照明領域17R内のパターンは、両側テレセントリックの投影光学系PLを介して投影倍率β(βは例えば1/4,1/5等)で、基板P上の一つのショット領域SA上の非走査方向に細長い投影領域17Pに投影される。基板Pは、本例ではシリコン又はSOI(silicon on insulator)等の円板状の半導体の基材(ウエハ)上にフォトレジスト(感光材料)を塗布したものである。投影光学系PLは例えば屈折系であるが、反射屈折系等も使用できる。以下、図1において、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で走査露光時のレチクルR及び基板Pの走査方向に直交する非走査方向に沿ってX軸を取り、その走査方向に沿ってY軸を取って説明する。
先ず、レチクルRはレチクルステージ21上に吸着保持され、レチクルステージ21はレチクルベース22上でY方向に一定速度で移動すると共に、例えば同期誤差(又はレチクルRのパターン像と基板P上の露光中のショット領域との位置ずれ量)を補正するようにX方向、Y方向、及びZ軸周りの回転方向に微動して、レチクルRの走査を行う。レチクルステージ21のX方向及びY方向の側面の反射面(又は移動鏡、コーナリフレクタ等)に対向するように配置されたレーザ干渉計23X及び23Yによって、例えば投影光学系PLを基準としてレチクルステージ21の位置が計測され、計測値はステージ駆動系43及び主制御系41に供給されている。
本例では、さらにレチクルRのパターン領域中にY方向に沿って、レチクルRのX方向、Y方向の位置情報を計測するためのスケール用パターン56が形成されている。また、レチクルRの上方の照明領域17RをY方向(走査方向)に挟む位置に、光路折り曲げ用のミラーを介して、スケール用パターン56の位置情報を検出するための1対の検出器25A及び25Bが配置され、検出器25A,25Bの検出結果が演算装置を含む座標計測・補間系45に供給されている。座標計測・補間系45には磁気ディスク装置等の記憶装置46が接続され、後述のようにレチクルRの位置情報を求めてステージ駆動系43に供給する。スケール用パターン56及び検出器25A,25BからレチクルRの位置情報(移動量及び/又はパターン領域内の絶対位置(原点位置)の情報を含む)を直接計測するためのエンコーダが構成されている。このエンコーダ及び座標計測・補間系45の詳細については後述する。
本例のレチクルステージ21の駆動方法には、オペレータの指定に応じて主制御系41が設定する第1及び第2の2つの駆動モードがある。その第1の駆動モードでは、ステージ駆動系43は、レーザ干渉計23X,23Yの計測値及び主制御系41からの制御情報に基づいて、不図示の駆動機構(リニアモータなど)を介してレチクルステージ21の位置及び速度を制御する。一方、第2の駆動モードでは、ステージ駆動系43は、検出器25A,25Bの計測値に基づいて座標計測・補間系45から出力されるレチクルRの位置情報及び主制御系41からの制御情報に基づいて、レチクルステージ21の位置及び速度を制御する。仮に本例のレチクルステージ21が第1の駆動モードのみで駆動される場合には、検出器25A,25Bは省略することができる。また、本例の露光装置が第2の駆動モードのみで駆動される場合には、レーザ干渉計23X,24Yを省略するか、又はスケールの位置を光学式、静電容量式等のセンサで読み取る粗い分解能の計測器で代用することが可能である。
また、レチクルRのパターン領域をX方向に挟むように、アライメントマーク52A及び52Bが形成されている。レチクルRの周辺部の上方には、光路折り曲げ用のミラーを介してアライメントマーク52A,52Bの位置を検出するためのレチクルアライメント顕微鏡24A,24Bが配置されている。レチクルアライメント顕微鏡24A,24Bの検出信号はアライメント信号処理系44に供給され、アライメント信号処理系では画像処理方式等で検出したマーク位置の情報を主制御系41に供給する。
一方、基板Pは、基板ホルダ31を介して基板ステージ34上に吸着保持され、基板ステージ34はベース部材35上でY方向に一定速度で移動すると共に、X方向、Y方向にステップ移動するXYステージ33と、Zチルトステージ32とを備えている。Zチルトステージ32は、不図示のオートフォーカスセンサによる基板P上の複数箇所でのZ方向の位置の計測値に基づいて、基板Pのフォーカシング及びレベリングを行う。なお、基板ホルダ31は、図1では平板状に表されているが、実際には、基板ホルダ31の基板Pの載置面は凹部となっており、基板Pの表面とその外側の基板ホルダ31の表面とはZ方向においてほぼ同じ高さに設定されている。また、基板ステージ34のX方向及びY方向の側面の反射面(又は移動鏡等)に対向するように配置されたレーザ干渉計38X及び38Yによって、例えば投影光学系PLを基準として基板ステージ34のXY平面内での位置、及びX軸、Y軸、Z軸の周りの回転角が計測され、計測値はステージ駆動系43及び主制御系41に供給されている。
本例では、さらに基板Pの第2レイヤ以降に露光する場合には、基板P上の各ショット領域にはそれまでの工程において、レチクルRのスケール用パターン56(又はそれまでの工程において使用されたレチクルのスケール用パターン)の像に相当するスケール用パターンが形成されている(詳細後述)。基板P側のスケール用パターンは、一例として凹凸のパターンであり、その上にフォトレジストが塗布されている。そして、投影光学系PLの下端部の側面に、投影領域17PをY方向(走査方向)及びX方向(非走査方向)に挟むように、そのスケール用パターンのX方向及びY方向の位置情報を計測するための1対の検出器40A,40Bと、1対の検出器40C,40Dとが配置されている。また、投影光学系PLの下端部の−Y方向の側面方向にも、その基板P上のスケール用パターンのX方向及びY方向の位置情報を計測するための4つの検出器40E,40F,40G,40Hが配置され、検出器40A〜40Hの検出結果も座標計測・補間系45に供給されている。8個の検出器40A〜40Hの構成及び配置については後述する。基板Pの各ショット領域に形成されたスケール用パターン及び検出器40A〜40Hから、基板Pの位置情報(移動量及び/又は各ショット領域内での絶対位置(原点位置)の情報を含む)を直接計測するためのエンコーダが構成されている。
本例の基板ステージ34の駆動方法にも、オペレータの指定に応じて主制御系41が設定する第1及び第2の2つの駆動モードがある。その第1の駆動モード(例えば基板P上の第1レイヤに露光する場合に設定される)では、ステージ駆動系43は、レーザ干渉計38X,38Yの計測値及び主制御系41からの制御情報に基づいて、不図示の駆動機構(リニアモータなど)を介して基板ステージ34の位置及び速度を制御する。一方、第2の駆動モード(例えば基板P上の第2レイヤ以降に露光する場合に設定される)では、ステージ駆動系43は、検出器40A〜40Hの計測値に基づいて座標計測・補間系45から出力される基板Pの位置情報及び主制御系41からの制御情報に基づいて、基板ステージ34の位置及び速度を制御する。
また、投影光学系PLの+Y方向の側面には、基板P上のアライメントマーク(基板マーク)の位置を検出するためのオフ・アクシス方式で撮像方式のアライメントセンサ39が配置されており、アライメントセンサ39の検出信号はアライメント信号処理系44に供給されている。アライメント信号処理系44は、その検出信号に基づいて例えばEGA方式で基板P上の全部のショット領域の配列情報を求めて主制御系41に供給する。この場合、予めレチクルRのパターンの投影光学系PLを介した像の基準位置(アライメントマーク52A,52Bの像の中心等)と、アライメントセンサ39の検出位置との位置関係(ベースライン量等)の情報が計測されて、記憶されている。そのために、基板ステージ34上の基板Pの近傍には、基準マーク37A,37B等が形成された基準マーク部材36が固定されている。
なお、本例では、基板Pの第2レイヤ以降の露光(重ね合わせ露光)では、検出器40A〜40Hの検出結果(計測値)を用いることができるため、アライメントセンサ39は必ずしも使用する必要はない。ただし、検出器40A〜40Hの計測値の原点位置を設定するために、アライメントセンサ39で検出される基板Pの各ショット領域の配列座標を用いることも可能である。
また、本例の露光装置EXは、投影光学系PLの先端のレンズと基板Pとの間の局所的な領域(液浸領域)に純水等の液体を供給し、露光光ILで投影光学系PL及び液体を介して基板Pを露光する液浸方式であることが好ましい。このためには、例えば国際公開第99/49504号パンフレット及び国際公開第2005/122221号パンフレット等に開示されているように、その液浸領域に液体を供給する液体供給装置と、その液浸領域の液体を回収する液体回収装置とを設ければよい。
露光時には、照明光学系16から露光光ILを照明領域17Rに照射して、レチクルRの照明領域17R内のパターンを投影光学系PLを介して基板P上の一つのショット領域SA上の投影領域17Pに投影した状態で、レチクルステージ21及び基板ステージ34を駆動して、レチクルRと基板PとをY方向に同期走査する動作と、露光光ILの照射を停止して、基板ステージ34を駆動して基板PをX方向、Y方向にステップ移動する動作とが繰り返される。これによって、ステップ・アンド・スキャン方式で基板P上の各ショット領域にレチクルRのパターン像が露光される。
次に、本例の図1の露光装置EXにおける、レチクルRのスケール用パターン56及びその位置を検出するための検出器25A,25Bの構成、並びに基板P上の各ショット領域に形成されたスケール用パターン及びその位置を検出するための検出器40A〜40Hの構成等につき詳細に説明する。なお、レチクルRは基板Pの第1レイヤに露光する場合に使用され、第2レイヤの露光では別のレチクルR1が使用されるものとする。
図2(A)は、レチクルRのパターン配置を示し、この図2(A)において、レチクルRのパターン領域51は、枠状の遮光帯53で囲まれて、走査方向SD(Y方向)に細長い矩形領域である。パターン領域51は、一例としてX方向に1本のスクライブライン領域54A、及びY方向に2本のスクライブライン領域54B,54Cによって、6個のサブパターン領域55A〜55Fに分割され、サブパターン領域55A〜55Fには例えば同一又は異なる回路パターンが形成されている。サブパターン領域55A〜55F内にはそれぞれ必要に応じて、基板P上に露光された後に基板マークとなるアライメントマークも形成されている。スクライブライン領域54A〜54Cは、基板P上に投影された状態で幅50μm程度の切断用の境界線となる領域であり、遮光帯53のうちでスクライブライン領域54Aとほぼ同じ幅の内側の領域も、基板P上に投影された状態で切断用の境界となる領域である。なお、遮光帯53には、図1の可動ブラインド13Bのエッジ部の像が投影されるため、その幅はスクライブライン領域54Aよりも或る程度広くなっている。
本例のレチクルRは6個取りであるため、パターン領域51は3本のスクライブライン領域54A〜54Cで分割されているが、パターン領域51の分割数やそのサブパターン領域の配列が変更される場合には、スクライブライン領域54A〜54Cの本数及び配置も変更される。本例では、スクライブライン領域54A〜54Cのうち、走査方向(Y方向)に平行な中央のスクライブライン領域54A内の全域に、2次元のスケール用パターン56が形成されている。
図2(B)に拡大して示すように、スケール用パターン56は、光透過部を背景として、ほぼ正方形の遮光パターン57をX方向に周期(ピッチ)PX1、Y方向に周期PY1で配置したX方向、Y方向に周期性を持つ格子状パターンである。遮光パターン57のX方向、Y方向の幅は、通常は周期PX1及びPY1の1/2であるが、例えば原点位置を示す場合には、後述のように特定位置の遮光パターン57の幅(デューティ比)が変化している(図6(A)参照)。また、図2(B)において、スケール用パターン56は、近似的に周期PY1のY方向のライン・アンド・スペースパターン(以下、L&Sパターンという。)と、周期PX1のX方向のL&Sパターンとの重ね合わせとみなすことができる。スケール用パターン56を基板P上に投影した状態で、一例として、周期PY1は0.1〜1μm程度、周期PX1は0.1〜2μm程度である。スクライブライン領域54Aの投影像のX方向の幅は50μm程度であるため、スケール用パターン56はX方向にも50周期程度以上形成することができる。スケール用パターン56の1箇所のY方向の位置、及びY方向に離れた2箇所のX方向の位置を計測することで、レチクルR(パターン領域51)のX方向、Y方向の位置、及びZ軸周りの回転角を計測できる。
なお、図3(A)に示すように、レチクルRの一方のY方向に平行な遮光帯53中にY方向に所定周期のL&SパターンよりなるY軸のスケール用パターン59Yを形成し、他方のY方向に平行な遮光帯53中に2次元のスケール用パターン56を形成してもよい。スケール用パターン59Yは、図3(B)に示すように、X方向に長い多数の遮光パターン60Y(通常の幅はPY1/2)をY方向に周期PY1で配列したパターンである。図3(A)のスケール用パターン59Yの1箇所のY方向の位置、及びスケール用パターン56の1箇所のX方向、Y方向の位置を計測することで、レチクルR(パターン領域51)のX方向、Y方向の位置、及びZ軸周りの回転角を計測できる。図3(A)のスケール用パターンの配列は、例えばパターン領域51の全体に一つの回路パターンのみが形成される(スクライブライン領域54A〜54Cが無い)場合にも、使用することができるという利点がある。
また、スケール用パターン56は遮光パターン57を2次元的に配置したパターンであるが、スケール用パターン56の代わりに、Y方向に周期PY1のL&Sパターンと、X方向に周期PX1のL&SパターンとをX方向に並列に配置したパターンを使用してもよい。
本例では、図1の基板Pの第1レイヤの各ショット領域SAに図2(A)のレチクルRのパターンの像が露光される。その後、基板Pのフォトレジストの現像及びエッチング等のパターン形成を行った後、第2レイヤへの露光を行うためにフォトレジストが塗布された基板Pが基板ステージ34上にロードされる。
図4(A)は、レチクルRのパターンの像の転写が行われて第2レイヤへの露光が行われる基板Pを示し、この図4(A)において、基板Pの上面はX方向、Y方向に所定幅で多数のショット領域SAに区画され、各ショット領域SAの中央部をY方向(走査方向)に横切るように、図2(A)のレチクルRのスケール用パターン56の像に対応する基板P側のスケール用パターン56Pが形成されている。
基板Pの各ショット領域SAは、図4(B)に示すように、スクライブライン54AP〜54CP(図2(A)のレチクルRのスクライブライン領域54A〜54Cの像に対応する)によって6個のサブショット領域55AP〜55FPに分割され、サブショット領域55AP〜55FPに同一又は異なる第1レイヤの回路パターンが形成されている。
図4(C)は、図4(B)のショット領域SAのY方向に平行なスクライブライン54APの全域に亘って形成されているスケール用パターン56Pを示す拡大図であり、図4(C)において、スケール用パターン56Pは、基板Pの下地を背景としてほぼ正方形で例えば凸(又は凹)のパターン57P(図5(A)では凸パターンで表している)をX方向に周期(ピッチ)PX2、Y方向に周期PY2で配置したX方向、Y方向に周期性を持つ位相型の2次元格子状パターンである。周期PX2,PY2は、図2(B)の周期PX1,PY1に図1の投影光学系PLの投影倍率βを乗じた値である。また、図4(C)のスケール用パターン56Pは、近似的に周期PY2のY方向のL&Sパターン58YP(凸又は凹の多数のライン状パターン72YをY方向に配列したパターン)と、周期PX2のX方向のL&Sパターン58XP(凸又は凹の多数のライン状パターン72XをX方向に配列したパターン)との重ね合わせとみなすことができる。
本例では、基板Pの各ショット領域SAに形成されている図4(C)のスケール用パターン56Pをエンコーダのスケール部とみなして、スケール用パターン56Pの位置を検出することによって各ショット領域SAの位置情報(移動量及び/又は所定の原点からの絶対位置)を計測する。言い換えると、図1のレーザ干渉計38X,38Yの代わりに、スケール用パターン56Pを用いて各ショット領域SAの位置情報を計測する。これによって、レーザ干渉計38X,38Yのレーザビームの光路上の気体に揺らぎが生じて、レーザ干渉計38X,38Yの計測値が変動するような場合でも、その揺らぎに影響されることなく、ショット領域SAの位置情報を正確に計測できる。従って、重ね合わせ精度を高く維持できる。スケール用パターン56PのX方向、Y方向の位置は図1の基板P側の8個の検出器40A〜40Hによって検出される。
図5(A)は、検出器40Aの構成例を示す斜視図であり、図5(A)において、スケール用パターン56Pは分かり易くするために拡大されている。また、他の検出器40B〜40H及びレチクルR側の2つの検出器25A,25Bの構成も検出器40Aと同様である。
図5(A)の検出器40Aにおいて、例えばHe−Neレーザ(波長633nm)又は可視域から近赤外域で発光する半導体レーザ(射出端にコリメータレンズが設置されている)等のレーザ光源61から射出された基板P上のフォトレジストPRに対して非感光性の波長域のレーザビームが、ビームスプリッタ62AによってレーザビームLB1及び第2のレーザビームに分かれる。この第2のレーザビームは、ビームスプリッタ62CによってレーザビームLB2及び第4のレーザビームに分かれ、この第4のレーザビームは、ビームスプリッタ62Dによって2つのレーザビームLB3及びLB4に分かれる。そして、2つのレーザビームLB1及びLB2は、基板P上のスケール用パターン56Pに対してY方向にほぼ対称に傾斜して入射し、レーザビームLB1のY方向の+1次回折光とレーザビームLB2のY方向の−1次回折光との干渉光LBYがスケール用パターン56Pからほぼ垂直にフォトダイオード等の光電検出器64Yに入射する。
図5(A)のスケール用パターン56Pを、図5(B)に示すようにY方向のL&Sパターン58YP(ライン状パターン72Yを周期PY2でY方向に配列したパターン)とみなした場合、光電検出器64Yの検出信号S1Yは、図5(C)に示すように位置Yに関して周期PY2(又は周期PY2/2)の正弦波信号となる。
図5(A)に戻り、光電検出器64Yの検出信号S1Yは、増幅器66を経てハイパスフィルタ(以下、HPFという)回路67A及びローパスフィルタ(以下、LPFという)回路67Bに入力される。HPF回路67Aから出力される信号S3Yはカウンタ69の第1入力部に供給される。また、図5(A)の検出器40Aにおいて、レーザビームLB1,LB2からY方向に位相が90°ずれた位置でスケール用パターン56Pに照射される1対のレーザビーム(不図示)も使用され、この1対のレーザビームによる干渉光から不図示の光電検出器によって、検出信号S1Yに対して位相が90°シフトした検出信号S2Yが生成され、この検出信号S2YがHPF回路67Cを介してカウンタ69の第2入力部に供給される。
また、LPF回路67Bから出力される信号S4Yが原点信号発生部68に入力され、原点信号発生部68では、例えば信号S4Yがピークとなるときにカウンタ69に対してリセット信号を出力し、これによってカウンタ69の原点設定が行われる。カウンタ69では、供給される2相の検出信号S1Y及びS2Yを1000分割程度に内挿して、検出器40Aに対するスケール用パターン56Pの±Y方向の移動量を例えば0.1nm〜1nm程度の分解能で、そのリセット信号が出力される位置を原点としたY座標YAとして求める。このY座標YAは図1の座標計測・補間系45に出力される。
この場合、その原点を設定するために、図6(A)に示すように、Y方向のL&Sパターン58YP(スケール用パターン56PのY成分)の走査方向の中央部には、次第に幅が広くなって再び通常の幅に戻る1組のライン状パターン72YA,72YB,72YC,72YDが含まれている。このとき、対応する図2(B)のレチクルRのスケール用パターン56においても、L&Sパターン58Y中に遮光パターン57の幅が次第に広くなってから通常の幅に戻る部分(原点部)がある。
図6(A)のL&Sパターン58YPに対応する図5(A)の検出信号S1Yは、一例として図6(B)に示すように、周期が長い山形の信号が重畳されたようになる。この信号が図5(A)のHPF回路67A及びLPF回路67Bに入力されると、HPF回路67Aから出力される信号S3Yは、図6(C)に示すように、図5(C)の検出信号S1Yと同様の正弦波信号となり、LPF回路67Bから出力される信号S4Yは、図6(D)に示すように、位置Y0 で頂点となる信号となる。そこで、図5(A)の原点信号発生部68では、信号S4Yが頂点となる位置Y0 でカウンタ69をリセットする。これによって、カウンタ69の原点設定が行われる。図5(A)のLPF回路67B、HPF回路67A,67C、原点信号発生部68、及びカウンタ69からY軸の検出回路70Yが構成され、これと同じ構成のX軸の検出回路70Xも設けられている。なお、検出信号S1Yをアナログ/デジタル変換して得られる信号を位置Yに関してフーリエ変換した後、信号S3Yと信号S4Yとを分離してもよい。
図5(A)の検出器40Aにおいて、2つのレーザビームLB3及びLB4は、スケール用パターン56Pに対してX方向にほぼ対称に傾斜して入射し、レーザビームLB3のX方向の+1次回折光とレーザビームLB4のX方向の−1次回折光との干渉光LBXがスケール用パターン56Pからほぼ垂直に光電検出器64Xに入射する。図5(A)のスケール用パターン56Pを、図5(B)に示すようにX方向に周期PX2のL&Sパターン58XPとみなした場合、光電検出器64Xの検出信号S1Xは、図5(C)に示すように位置Xに関して周期PX2(又は周期PX2/2)の正弦波信号となる。検出信号S1X及び不図示の干渉光から得られる位相が90°シフトした検出信号S2Xが検出回路70Xに出力され、検出回路70Xでは、検出器40Aに対するスケール用パターン56Pの±X方向の移動量を例えば0.1nm〜2nm程度の分解能でX座標XAとして求め、このX座標XAも図1の座標計測・補間系45に供給される。X座標XAも、例えばパターン57Pの幅がX方向で次第に太くなって再び通常の幅になる部分を原点とした信号である。
図5(A)において、レーザビームLB1〜LB4を基板P上に照射する光学系、Y軸の検出回路70Y、及びX軸の検出回路70Xを含んで検出器40Aが構成されている。また、本例では、図2(B)のレチクルR上のスケール用パターン56の各遮光パターン57は、図5(A)のレーザ光源61のレーザビームを反射する材料から形成されている。これによって、図1のレチクルR上のスケール用パターン56用の検出器25A,25Bとして、図5(A)の検出器40Aと同じ構成の検出器を使用できる。
なお、図5(A)のリニアエンコーダでは、スケール用パターン56P中に原点パターン部を設けているため、スケール用パターン56Pの他に原点スケール用のトラックを設ける必要がないとともに、検出器40Aの光学系の構成が簡単である。これに対して、原点信号を生成するために、図5(A)に対応する部分に同一符号を付した図7の構成例で示すように、スケール用パターン56Pとは別に原点スケールを設けても良い。
図7の構成例において、基板P上のスケール用パターン56Pに隣接したトラック(Y方向に沿ってスケール用パターンが形成されている領域)に、Y方向の原点位置を示すための非周期的な凸パターンからなる原点パターン74Yが形成されている。
また、図7の検出器40Aにおいて、ビームスプリッタ62Aと62Cとの間にビームスプリッタ62Bが配置されている。ビームスプリッタ62Aで分岐された第2のレーザビームは、ビームスプリッタ62BによってレーザビームLB5及びビームスプリッタ62Cに向かうレーザビームに分かれる。ビームスプリッタ62Bで分岐されたレーザビームLB5は、ミラー63Cで反射されて、基板P上の原点パターン74Yのあるトラックにほぼ垂直に照射される。基板PからのフォトレジストPRを介した散乱光LBSは、集光レンズ65を介して光電検出器64Sに集光され、光電検出器64Sの検出信号は原点信号発生部71に入力され、原点信号発生部71では、入力された信号が所定の閾値レベルSthを横切るときにハイレベルとなる原点信号YASを生成する。この原点信号YSAは、カウンタ69の計数値をリセット(又はプリセット)するために使用される。
なお、図7の構成例では、スケール用パターン56Pからの検出信号S1Yから原点信号を生成する必要がないため、図5(A)のLPF回路67B及び原点信号発生部68は設けられていない。また、図7のHPF回路67A及び67Cを省略して、検出信号S1Y及びS2Yを直接カウンタ69に入力することも可能である。
図8(A)は、基板Pのショット領域SA内において、Y軸のL&Sパターン58YP(スケール用パターン56PのY成分)が形成されているトラック73YAに隣接するトラック73YBに原点パターン74Yが形成されている状態を示す。この場合には、図2(B)のレチクルR上のスクライブライン領域54Aにおいても、L&Sパターン58Yに対してX方向に隣接するように、原点パターン74Yに対応する部分が遮光パターンとなったスケール用パターンが形成されている。その原点パターン74Yが図7の検出器40AのレーザビームLB5の照射領域を横切るときの基板PのY座標を原点とすることができる。
図7の構成例では、レーザビームLB1〜LB5を基板P上に照射する光学系、Y軸の検出回路70Y、X軸の検出回路70X、及び原点信号発生部71を含んで検出器40Aが構成されている。
なお、図4(B)の基板P上のショット領域SAのスケール用パターン56PのY方向の全域において、Y方向の絶対位置を粗い分解能(例えば0.1mm程度)で計測できる非周期的なスケール用パターンを設けてもよい。
図8(B)は、Y軸のL&Sパターン58YPが形成されたトラック73YAに隣接するトラック73YBに、一連のバーコード75A,75B,…状のスケール用パターンを設けたものである。この場合、例えば図7のレーザビームLB5の照射によって光電検出器64Sから得られる検出信号(散乱光)は、凹凸のパターンの立ち上がり部及び立ち下がり部でパルス状に変化するため、原点信号発生部71から出力される原点信号YASは、図8(B)のバーコード75A等の凹凸のパターンのエッジ部を表す信号となる。そこで、そのエッジ部のパターンが重複しないようにバーコード75A,75B等のパターンを設定することで、Y方向の絶対位置を大まかに計測できる。
その他の原点の決定方法としては、図1の基板ステージ34を基板のローディングポジション又はプリアライメントポジションに移動して、不図示のアライメントセンサ(又はアライメントセンサ39)を用いて基板P上の所定のアライメントマーク(基板マーク)の位置を計測することによって、基板Pの位置を、基板P上の各ショット領域に形成されたスケール用パターン56P等の一周期以内の精度で計測することも考えられる。これは、基板Pのプリアライメントによる追い込み精度を、そのスケール用パターン56P等の一周期以内にすることを意味する。プリアライメントにより、基板Pのショット領域の位置がスケール用パターン56P等の一周期以内に追い込まれていれば、その一周期内での絶対位置は、前述の通りスケール用パターン56P等を読み取ることにより把握できる。
なお、スケール用パターンの検出器25A,25B、及び検出器40A〜40Hとしては、図5(A)のような干渉光又は散乱光を検出する方式以外に、例えば画像処理方式のセンサ等も使用できる。また、レチクルR上のスケール用パターンの配列として、図2(A)又は図3(A)等の異なる配列を用いるのに応じて、基板Pの各ショット領域に付設されるスケール用パターンの位置も変化する。そこで、スケール用パターンの検出器25A,25B、及び検出器40A〜40Hを、それぞれ例えば不図示のスライド機構に取り付けて、検出対象のスケール用パターンの位置に応じて、これらのスライド機構によって検出器25A,25B、及び検出器40A〜40Hの位置を調整してもよい。
次に、図1の基板P側のスケール用パターンの8個の検出器40A〜40Hの配列の一例を説明するために、図4(A)に示すように、投影光学系PLの投影領域17Pが或るショット領域SA6上に位置しているものとする。このとき、検出器40A及び40Bは、その検出領域40AD,40BD(図5(A)のレーザビームLB1〜LB5が照射される領域)によってそれぞれショット領域SA6に+Y方向及び−Y方向に隣接するショット領域SA7及びSA2内のスケール用パターン56Pの位置を計測できるように配置され、検出器40C及び40Dは、それぞれショット領域SA6に−X方向及び+X方向に隣接するショット領域SA8及びSA9内のスケール用パターン56Pの位置を計測できるように配置される。また、検出器40Hは、その検出領域40HDによってショット領域SA2に−Y方向に隣接するショット領域SA1内のスケール用パターン56Pの位置を計測できるように配置され、検出器40F及び40Gは、それぞれショット領域SA1に−X方向及び+X方向に隣接するショット領域SA4及びSA5内のスケール用パターン56Pの位置を計測できるように配置され、検出器40Eは、ショット領域SA1に−Y方向に隣接するショット領域SA3内のスケール用パターン56Pの位置を計測できるように配置される。
言い換えると、1対の検出器40A,40Bは、投影領域17Pが位置するショット領域SA6を走査方向に挟むショット領域SA7,SA2内のスケール用パターンの位置を計測できるように、1対の検出器40C,40Dは、そのショット領域SA6を非走査方向に挟むショット領域SA8,SA9内のスケール用パターンの位置を計測できるように配置されている。これら第1組の検出器40A〜40Dは、投影領域17Pで基板P上のショット領域SA6を露光しているときに、補間によって露光対象のショット領域SA6の位置情報を求めるために使用される。即ち、本例では、露光中には投影領域17Pに液浸法による液体が供給される場合があることを考慮して、投影領域17Pがあるショット領域SA6内ではスケール用パターンの位置計測を行っていない。なお、本例ではスケール用パターン56Pは2次元パターンであるため、ショット領域SA6の位置情報(X方向、Y方向の位置、及び回転角)を計測するためには、2つの検出器(例えば検出器40A及び40B)のみを用いてもよい。
この場合、より正確に露光対象のショット領域SA6の位置情報を求めるには、予め露光前に、ショット領域SA6とその周囲のショット領域との相対位置関係を計測しておけばよい。そのために、1対の検出器40B,40E(検出器40Bは第1組と共用されている)は、検出器40Hの検出領域40HDが位置するショット領域SA1を走査方向に挟むショット領域SA2,SA3内のスケール用パターンの位置を計測できるように、1対の検出器40F,40Gは、そのショット領域SA1を非走査方向に挟むショット領域SA4,SA5内のスケール用パターンの位置を計測できるように配置されている。これら第2組の5個の検出器40B及び40E〜40Hは、予め露光前に露光対象のショット領域(ここではショット領域SA1)と、その周囲のショット領域SA2〜SA5との相対的位置関係を計測しておくために使用される。この場合に、第1組と第2組とで共用される検出器は、検出器40A〜40Dのうちの何れでもよい。また、スケール用パターン56Pは2次元パターンであるため、ショット領域SA1とその周囲のショット領域との相対位置関係を予め計測しておくためには、3つの検出器(例えば検出器40H及び検出器40B,40G)のみを用いてもよい。この結果、使用する検出器の個数は全部で4個(例えば検出器40B,40D,40H,40G)に減少できる。
次に、図1の露光装置EXにおいて、基板Pの第2レイヤの各ショット領域SAにレチクルR1のパターンの像を重ね合わせて露光する場合の動作の一例につき説明する。以下の動作は、図1の主制御系41によって制御される。
先ず、図4(A)において、基板P上のショット領域SA1が露光対象であるとして、図1の露光装置EXでは露光光ILを照射することなく、ステージ駆動系43が基板ステージ34を駆動して、第2組の5個の検出器40B,40E〜40Hの検出領域に対してそれぞれ基板P上のショット領域SA2,SA3,SA4,SA1,SA5内のスケール用パターン56Pの全域を+Y方向に移動して、検出器40B,40E〜40Hによって所定のサンプリングレートで対応するスケール用パターン56PのX座標、Y座標を読み取り、読み取った計測値を逐次図1の座標計測・補間系45に供給する。その読み取られた座標は、ステージ駆動系43にも供給される。
なお、この検出器40B,40E〜40Hによって基板P上のスケール用パターン56Pの座標を読み取る動作は、例えば図1のアライメントセンサ39を用いて基板P上の所定の複数のショット領域のアライメントマークの位置を計測する際に、合わせて実行するようにしてもよい。また、図4(A)の基板Pにおいて、例えば+Y方向側のX方向に一列に配列された複数のショット領域から露光を開始して、次第に−Y方向側の列のショット領域の露光に移行していく場合には、或る列のショット領域の走査露光中に、検出器40B,40E〜40Hの検出信号からその2列先のショット領域のスケール用パターン56Pの座標を読み取るようにしてもよい。同様に、基板Pの−Y方向側の列のショット領域の露光から次第に+Y方向の列のショット領域の露光に移行する場合に備えて、図4(A)の検出器40Aの+Y方向側に4個の検出器(検出器40E〜40Hと対称な配置の検出器)を配列してもよい。
図4(A)の場合、中央の検出器40Hでは、ショット領域SA1内のスケール用パターン56Pの一連のX座標、Y座標(XHi,YHi)(i=1,2,…)を読み取り、それをY方向に挟む検出器40B及び40Eでは、ショット領域SA2及びSA3内のスケール用パターン56PのX座標(XBi及びXEi)を読み取り、ショット領域SA1をX方向に挟む検出器40F及び40Gでは、ショット領域SA4及びSA5内のスケール用パターン56PのY座標(YFi及びYGi)を読み取る。この場合、本例の全部のショット領域SA内のスケール用パターン56Pの原点位置は、ショット内で相対的に同じ位置(図6(D)のY0 等)であるため、基板ステージ34を駆動する際に、ステージ駆動系43では、一例として、ショット領域SA4,SA5内のスケール用パターンのY座標(YFi及びYGi)が同じ値になるように基板ステージ34のZ軸周りの回転角を制御する。
次に、座標計測・補間系45では、供給された5つのスケール用パターンのX座標、Y座標を処理して、ショット領域SA4,SA5のY座標の平均値(=(YFi+YGi)/2)(ここではYFiに等しい)とショット領域SA1のY座標YHiとの一連の差分ΔYi、及びショット領域SA2,SA3のX座標の平均値(=(XBi+XEi)/2)とショット領域SA1のX座標XHiとの一連の差分ΔXiを求め、これらの差分ΔXi,ΔYiを記憶装置46にショット領域SA1に対応させて記憶させる(先読み工程)。同様に、他のいくつかのショット領域(先読みされるショット領域)についても、計測された一連の差分(ΔXi,ΔYi)(i=1,2,…)を記憶装置46に記憶させる。
次に、図1のレチクルステージ21上にレチクルR1をロードして、図9に示すように、基板P上のショット領域SA1に、レチクルR1のパターンの像を露光する際には、基板ステージ34を駆動して投影光学系PLを介して露光光ILが照射される投影領域17Pに対してショット領域SA1を+Y方向に移動するのに同期して、図1のレチクルステージ21を駆動して対応する方向(例えば−Y方向)にレチクルR1を移動する。この際に、図9に示すように、投影領域17PをY方向に挟む検出器40A及び40Bでは、ショット領域SA2及びSA3内のスケール用パターンのX座標(XAi及びXBi)(i=1,2,…)を読み取り、それをX方向に挟む検出器40C及び40Dでは、ショット領域SA4及びSA5内のスケール用パターンのY座標(YCi及びYDi)を読み取って、座標計測・補間系45に供給する。この場合にも、ステージ駆動系43は、一例として、ショット領域SA4,SA5内のスケール用パターンのY座標(YCi及びYDi)が同じ値になるように基板ステージ34のZ軸周りの回転角を制御する。
次に、座標計測・補間系45では、供給された4つのスケール用パターンの座標値を補間して、逐次、露光中のショット領域SA1内のスケール用パターンのX座標、Y座標(XPi,YPi)を求める。具体的に、記憶装置46に記憶されている一連の差分(ΔXi,ΔYi)と、ショット領域SA2,SA3内のスケール用パターンのX座標の平均値XABi(=(XAi+XBi)/2)と、ショット領域SA4,SA5内のスケール用パターンのY座標の平均値YCDi(=(YCi+YDi)/2)とを用いて、座標計測・補間系45は次のようにショット領域SA1の座標(XPi,YPi)(i=1,2,…)を計算し、計算結果を逐次ステージ駆動系43に供給する。
XPi=XABi+ΔXi …(1A)
YPi=YCDi+ΔYi …(1B)
ステージ駆動系43では、ショット領域SA1のX座標XPiがほぼ一定値となるように、かつY座標YPiが基板P上で適正露光量が得られるような一定速度で変化するように基板ステージ34を駆動する。これと同期して、ステージ駆動系43では、ショット領域SA1の座標(XPi,YPi)に対応するレチクルR1(レチクルステージ21)の座標(XRi,YRi)を計算する。一例として、原点がショット領域SA1の中央に設定されている場合には、レチクルR1の座標(XRi,YRi)は、座標(XPi,YPi)に投影倍率の逆数(1/β)を乗じることで求めることができる。そして、ステージ駆動系43では、レーザ干渉計23X,23Yの計測値に基づいて、レチクルR1の座標が(XRi,YRi)となるようにレチクルステージ21を駆動する(実際の走査露光工程)。これによって、基板ステージ34側のレーザ干渉計38X,38Yの計測値の変動(光路の気体の揺らぎに起因する)に影響されることなく、基板P上のショット領域SA1上にレチクルR1のパターンの像を高精度に重ね合わせて露光できる。
また、その実際の走査露光工程において、上記の先読み工程を並行して実行してもよい。これは、例えば図9において、基板P上のショット領域SA1にレチクルR1のパターンの像を露光している際に、基板P上でショット領域SA1から−Y方向に1つのショット領域を隔てたショット領域SA10において、検出器40B,40E〜40Hを用いて、ショット領域SA10とその周囲の4つのショット領域との相対的位置関係を計測しておくことを意味する。これによって、基板Pに対する露光工程のスループットを向上できる。
また、本例において、基板P上のショット領域SAに形成されている第1レイヤの回路パターンがY方向に伸縮している場合には、図10に示すように、ショット領域SA内のスケール用パターン56PのY成分に相当するY軸のL&Sパターン58YPも、伸縮がない場合の点線で示す位置から実線で示すL&Sパターン77Yに変位する。この際に本例では、シフトしたL&Sパターン77Yに基づいて図1のレチクルR1のY方向の位置が制御されるため、シフトしたL&Sパターン77Yの伸縮に合わせてレチクルR1のパターンの像が伸縮して露光される。従って、極めて高い重ね合わせ精度が得られる。
なお、レチクルR1のパターン領域51内にも、図2(A)に示すようにスケール用パターン56が形成されている場合には、上記の実際の走査露光工程において、図1の検出器25A,25Bを用いてレチクルR1のスケール用パターン56のX座標、Y座標を計測し、この計測値に基づいてレチクルステージ21を駆動してもよい。この場合には、レチクル側のレーザ干渉計23X,23Yの光路の気体の揺らぎに起因するレーザ干渉計23X,23Yの計測値の変動の影響を受けることがないため、重ね合わせ精度を向上できる。
また、図9において、基板Pの外縁部のショット領域SA11に露光する場合には、そのままでは、上記の先読み工程において、図4(A)に示すように、先読み対象のショット領域SA11を囲む4箇所のショット領域に検出器40B,40E〜40Hを配置することができない。このような場合には、図9に示すように、基板Pのショット領域SA11に近接する基板ホルダ31の上面に、図4(B)のスケール用パターン56Pと同様のスケール用パターン76A及び76Bを形成しておいてもよい。これによって、ショット領域SA11についても、上記の先読み工程及びこの計測結果を用いる実際の走査露光工程を実行することができる。
また、走査露光時には、図1のレチクルステージ21及び基板ステージ34を目標とする速度まで加速するために、所定の助走距離が必要とされることがある。このような場合に、例えば図9の基板P上のショット領域SA1を投影領域17Pで走査露光する際には、投影領域17Pがショット領域SA1に入って露光光ILの照射が開始されるまでは、検出器40A〜40Dは、ショット領域SA2〜SA5に関してY方向に隣接するショット領域のスケール用パターンを検出し、この検出結果に基づいて基板ステージ34及びレチクルステージ21を駆動してもよい。このとき、一例として、予め助走区間にあるショット領域及びショット領域SA2〜SA5間の、スケール用パターンの位置のオフセット(1周期内でのオフセット)を求めておき、助走区間ではそのオフセットを加算しておくことで、助走から露光に切り替わるときの位置ずれの影響を低減できる。
次に、上記の本発明の実施形態の作用効果等につき説明する。
(A1)上記の図1の露光装置EXによれば、投影光学系PLを介して図9の基板P上のショット領域SA1を露光するために、そのショット領域SA1に露光光ILを照射するときに、そのショット領域SA1との位置関係が既知の基板P上のショット領域SA2〜SA5よりなる計測対象の領域内に検出器40A〜40Dから投影光学系PLを介さずにレーザビームを照射して、ショット領域SA2〜SA5の位置情報を計測し、この計測結果からショット領域SA1の位置情報を計測し、この計測結果に基づいて、基板ステージ34、座標計測・補間系45、及びステージ駆動系43によって、露光光ILの投影領域17Pとショット領域SA1との相対位置関係を制御している。
従って、レーザ干渉計38X,38Yの計測値のみに基づいて基板ステージ34を駆動する場合に比べて、ショット領域SA1上にレチクルR1のパターン像を高い重ね合わせ精度で露光できる。また、投影光学系PLを介さずに、その計測対象の領域にレーザビームを照射して位置情報を計測しているため、投影光学系PLと基板Pとの間に液体を介在させて液浸法で露光を行う場合にも、その露光方法が適用できる。
また、上記の実施形態では、ショット領域SA内のスケール用パターン56Pの位置を計測しているが、それ以外にショット領域SA内に形成されている実際の回路パターン等を用いてショット領域SAの位置を計測するようにしてもよい。
(A2)露光光ILと図5(A)の検出器40Aから基板P上のスケール用パターン56Pに照射されるレーザビームとの波長が異なるため、そのレーザビームとしては基板P上のフォトレジストPRを感光させない波長域の光を使用できる。
(A3)また、上記の実施形態では、図9の基板P上のショット領域SA1を露光光ILで露光する際に、基板ステージ34及びステージ駆動系43を含む相対移動を行う機構によって、ショット領域SA1の一部の領域を投影領域17P(露光光IL)で露光した状態で、基板Pと投影領域17Pとを走査方向(Y方向)に相対移動するとともに、その基板P上の計測対象のショット領域SA2〜SA5に検出器40A〜40Dからレーザビームを照射して、ショット領域SA1の位置情報を連続的に計測し、その計測結果に基づいて、投影領域17Pとショット領域SA1との相対位置関係を制御している。従って、走査露光方式で露光を行う際に、重ね合わせ精度を向上できる。
(A4)また、ショット領域SA1と投影領域17Pとの相対移動量を表すために、その計測対象のショット領域SA2〜SA5に形成されているスケール用パターン56Pを用い、これにレーザビームを照射して位置検出を行っている。従って、その相対移動量を高精度に計測できる。
(A5)また、そのスケール用パターン56Pが、図4(C)に示すように、凸又は凹のパターン57P(第1パターン部)と、レーザビームに対する特性(ここでは高さ、即ち位相)がそのパターン57Pとは異なる下地部(第2パターン部)とがX方向、Y方向に交互に配置されたパターンを含む場合、そのスケール用パターン56Pの位置を検出器40Aによって容易に検出できる。なお、その異なる特性は、例えばレーザビームに対する反射率等でもよい。
(A6)また、スケール用パターン56Pが、走査方向に周期的に形成されたY軸のL&Sパターン58YPを含む場合には、図5(A)に示すように、そのL&Sパターン58YPに検出器40Aからレーザビームを照射することにより、そのレーザビームとその計測対象のショット領域とがその走査方向に相対移動するのに応じて周期的に変化する検出信号S1Yを検出することができる。
(A7)また、図6(A)に示すように、Y軸のL&Sパターン58YPの一部に第1パターン部(72YA〜72YD)と第2パターン部(下地)との走査方向の長さの比が他の部分とは異なる部分(基準部分)がある場合には、そのレーザビームとその計測対象のショット領域とが走査方向に相対移動するのに応じて、その検出信号S1Yからその基準部分を特定するための非周期的な信号S4Yを分離することで、その基準部分を容易に特定できる。これによって、その計測対象のショット領域内で、その基準部分に対するL&Sパターン58YPのレーザビームが照射されている位置の絶対位置を計測できる。
(A8)図5(A)に示すように、スケール用パターン56Pが、走査方向に交差する方向(図5(A)では垂直な非走査方向)に周期的に形成されたX軸のL&Sパターン58XPを含む場合には、そのL&Sパターン58XPにレーザビームを照射することにより、そのレーザビームとその計測対象のショット領域とがほぼ走査方向に相対移動する際に、そのレーザビームとその計測対象のショット領域とのその非走査方向の相対変位に応じた周期的な検出信号S1Xを検出できる。これによって、その計測対象のショット領域(スケール用パターン56P)の非走査方向の位置も正確に計測できる。
(A9)また、スケール用パターンとして、図8に示すように、周期的なY軸のL&Sパターン58YPとは別に、原点信号検出用の走査方向に非周期的な原点パターン74Yを設けた場合には、その原点パターン74Yにレーザビームを照射することによって、そのレーザビームとその計測対象のショット領域とがその走査方向で特定の位置関係(ここでは、原点パターン74Yのエッジ部にレーザビームが照射されている状態)になった状態を検出できる。これによって、その計測対象のショット領域内での絶対位置を計測できる。
(A10)また、図9に示すように、計測対象のショット領域が、露光中のショット領域SA1に隣接するショット領域SA2〜SA5を含む場合には、補間等によってその露光中のショット領域SA1の位置を高精度に計測できる。
(A11)また、その計測対象のショット領域が、その露光中のショット領域SA1に非走査方向に隣接するショット領域SA4,SA5を含む場合には、特に走査方向の位置を高精度に計測できる。
(A12)また、その計測対象のショット領域が、その露光中のショット領域SA1に走査方向に隣接するショット領域SA2,SA3を含む場合には、特に非走査方向の位置を高精度に計測できる。
(A13)また、図9に示すように、露光中には、その計測対象のショット領域SA2〜SA5が、その露光対象のショット領域SA1を含まない場合には、そのショット領域SA1に露光光ILの照射を開始する前に、予め図4(A)に示すように、その計測対象のショット領域SA2〜SA5、及びこれから露光対象となるショット領域SA1にレーザビームを照射して、その計測対象のショット領域SA2〜SA5とこれから露光対象となるショット領域SA1との位置関係情報を検出しておくことが好ましい。これによって、実際にそのショット領域SA1に露光する際に、周囲の計測対象のショット領域SA2〜SA5の位置情報からそのショット領域SA1の位置を高精度に補間できる。
(A14)また、図4(A)の露光対象のショット領域SA1の位置情報の計測結果に基づいて、図9に示すようにショット領域SA1を露光するときに、投影光学系PLの光軸に交差する方向(図9では垂直なX方向、Y方向)での投影領域17Pとショット領域SA1との相対位置関係を制御することで、重ね合わせ精度を向上できる。
(A15)また、図1の露光装置EXにおいて、走査露光方式でレチクルR1のパターンを投影光学系PLを介して基板P上のショット領域SAに露光する場合に、図2(A)のレチクルR1に形成されているスケール用パターン56にレーザビームを照射して、そのレチクルR1の位置情報を計測し、そのレチクルR1及びショット領域SAの位置情報の計測結果に基づいて、レチクルR1と基板Pとの相対位置関係を制御する場合には、レチクルステージ21側のレーザ干渉計23X,23Yの計測値の変動の影響も抑制できる。
次に、本発明の実施形態の他の例につき図11を参照して説明する。図1の実施形態では、図4(A)に示すように、投影領域17Pが位置するショット領域SA6内のスケール用パターン56Pの位置を検出する検出器が設けられていないため、予めショット領域SA6とその周囲のショット領域との相対位置関係を計測しておくために、複数の検出器40A〜40Hを備える必要があった。そこで、本例では、投影領域17Pが位置する露光中のショット領域のスケール用パターンの位置を投影光学系PLを介することなく直接計測することとする。
図11は、本例の露光装置の投影光学系PLによる投影領域17Pの近傍を示す斜視図であり、この図11において、基板P上のショット領域SA上の投影領域17Pに投影光学系PLを介して露光光ILが照射され、基板Pが例えば+Y方向に移動して、ショット領域SA上にレチクルのパターン像が露光される。また、ショット領域SAの中央部のY方向に沿ったスクライブライン上にスケール用パターン56Pが形成され、投影光学系PLの下端と基板Pとの間に斜めに計測用のレーザビームを入射させて、スケール用パターン56PのX方向、Y方向の位置を読み取るための検出器78が配置されている。
図5(A)に対応する部分に同一符号を付した図11の検出器78において、レーザ光源61から射出されたレーザビームが、ビームスプリッタ62AによってレーザビームLB1及び第2のレーザビームに分かれ、この第2のレーザビームは、ビームスプリッタ62CによってレーザビームLB2及び第4のレーザビームに分かれる。そして、その第4のレーザビームは、ミラー63Aで反射された後、ビームスプリッタ62Dによって2つのレーザビームLB3及びLB4に分かれ、レーザビームLB4はミラー63Bで反射される。そして、2つのレーザビームLB1及びLB2は、基板P上のスケール用パターン56Pに対して、Y軸に平行な軸の周りに大きく傾斜した状態で、かつY方向にほぼ対称に傾斜して入射し、レーザビームLB1の+1次回折光とレーザビームLB2の−1次回折光との干渉光LBYが光電検出器64Yに入射する。この光電検出器64Yの検出信号を図5(A)のY軸の検出回路70Yと同様の検出回路に入力することによって、スケール用パターン56PのY方向の位置を計測できる。
また、2つのレーザビームLB3及びLB4は、スケール用パターン56Pに対してX軸に平行な軸の周りに時計周りに大きく傾斜した状態で、かつX方向にほぼ対称に傾斜して入射し、レーザビームLB3の+1次回折光とレーザビームLB4の−1次回折光との干渉光LBXが光電検出器64Xに入射する。この光電検出器64Xの検出信号を図5(A)のX軸の検出回路70Xと同様の検出回路に入力することによって、スケール用パターン56PのX方向の位置を計測できる。この他の構成は図1の実施形態と同様である。
本例によれば、露光中のショット領域SA内のスケール用パターン56Pの位置を直接計測できるため、先読み工程を実施することなく、直接走査露光を行うことができ、露光工程のスループットを向上できる。
この図11の実施形態によれば、露光中のショット領域SA自体を計測対象の領域として、ショット領域SAに検出器78から投影光学系PLを介さずにレーザビームを照射して、ショット領域SAの位置情報を計測し、この計測結果に基づいて、図1の基板ステージ34、座標計測・補間系45、及びステージ駆動系43によって、露光光ILの投影領域17Pとショット領域SAとの相対位置関係を制御できる。従って、重ね合わせ精度を向上できるとともに、液浸法で露光を行う場合にも適用できる。なお、液浸法で露光を行う場合にも、斜入射方式で光学式のオートフォーカスセンサは使用可能であるため、同様に検出器78も使用可能である。
次に、本発明の実施形態のさらに他の例につき図12を参照して説明する。上記の図4(A)の実施形態では、投影領域17Pが位置するショット領域SA6内のスケール用パターン56Pの位置を先読みするために、投影領域17Pに対して走査方向(Y方向)に隣接する方向に検出器40E〜40Hが設けられている。これに対して、図12の実施形態では、投影領域17Pが位置するショット領域SA6に対して非走査方向の−X方向に隣接する方向に、ショット領域SA10,SA11,SA12,SA13内のスケール用パターン56Pを読み取るための検出器40H,40G,40E,40Fが設置されている。また、投影領域17Pが位置するショット領域SA6に対して非走査方向の+X方向に隣接する方向に、ショット領域SA14,SA15,SA16,SA17内のスケール用パターン56Pを読み取るための検出器40I,40J,40K,40Lが設置されている。検出器40I〜40Lの構成は、検出器40Aと同様である。
この場合、一般に走査露光時には、基板Pに対して投影領域17Pは1つのショット領域SAの走査露光が終了する毎に、非走査方向に隣接するショット領域に移行していく。なお、実際には投影領域17Pに対して基板P側が移動する。従って、図12の軌跡TPLのように、基板Pに対して投影領域17Pが次第に−X方向のショット領域に移行するときには、投影領域17Pに対して−X方向側の5つの検出器40C,40E〜40Hの検出結果を用いることによって、次に投影領域17Pによって露光されるショット領域とそれを囲むショット領域との相対的な位置関係を先読みすることができる。一方、基板Pに対して投影領域17Pが次第に+X方向のショット領域に移行するときには、投影領域17Pに対して+X方向側の5つの検出器40D,40I〜40Lの検出結果を用いることによって、次に投影領域17Pによって露光されるショット領域とそれを囲むショット領域との相対的な位置関係を先読みすることができる。従って、その先読みされた位置関係を用いて、実際の露光時には、投影領域17Pを囲む4つの検出器40A〜40Dの位置検出結果を用いて、投影領域17P内の露光パターンと、露光対象のショット領域との重ね合わせを高精度に行うことができる。
このように、図12の配置の先読み用の検出器40E〜40H、40I〜40Lを用いることによって、走査露光時に同時に次に露光するショット領域とその周囲のショット領域との位置関係を先読みすることができ、露光工程のスループットが高く維持される。
なお、検出器40E〜40LはそれぞれX方向、Y方向の位置を検出できるため、図12の配置においても、例えば検出器40E,40G及び検出器40J,40Kを省略することが可能である。
なお、上記の実施の形態の露光装置は、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をして、多数の機械部品からなるレチクルステージや基板ステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造することができる。なお、その露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
なお、本発明は、走査露光型の投影露光装置のみならず、一括露光型の投影露光装置で露光する場合にも同様に適用することができる。
また、上述の実施形態においては、光透過性の基材上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型レチクルを用いているが、このレチクルに替えて、例えば米国特許第6,778,257号公報に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスクを用いてもよい。
また、上述の実施形態においては、投影光学系PLを使ってパターン像を基板P上に投影することによって基板を露光しているが、国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。この場合、投影光学系PLを使わなくても良く、干渉縞を形成するための回折格子を光学系とみなすことができる。
また、上記の実施形態の露光装置を用いて半導体デバイスを製造する場合、この半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、このステップに基づいてレチクルを製造するステップ、シリコン材料からウエハを形成するステップ、上記の実施形態の露光装置によりレチクルのパターンを基板(ウエハ)に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、並びに検査ステップ等を経て製造される。
また、本発明は、半導体デバイスの製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレート等に形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置の製造プロセスや、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、セラミックスウエハ等を基板として用いる薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスの製造プロセスにも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、製造工程にも適用することができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。また、明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約を含む2006年12月8日付け提出の日本国特許出願第2006−331653号の全ての開示内容は、そっくりそのまま引用して本願に組み込まれている。

Claims (31)

  1. 光学系を介して物体上の所定領域に露光光を照射し、前記所定領域を露光する露光方法であって、
    前記所定領域に前記露光光を照射するときに、前記物体上の前記所定領域又は前記所定領域との位置関係が既知の前記物体上の領域よりなる被計測領域内に前記光学系を介さずに計測光を照射して、前記所定領域の位置情報を計測し、
    前記位置情報の計測結果に基づいて、前記露光光と前記所定領域との相対位置関係を制御することを特徴とする露光方法。
  2. 前記露光光と前記計測光との波長が異なることを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
  3. 前記物体上の前記所定領域を前記露光光で露光する際に、前記所定領域の一部の領域に前記露光光を照射した状態で、前記物体と前記露光光とを所定方向に相対移動するとともに、
    前記被計測領域内に前記光学系を介さずに前記計測光を照射して、前記所定領域の位置情報を連続的に計測し、前記位置情報の計測結果に基づいて、前記露光光と前記所定領域との相対位置関係を制御することを特徴とする請求項2に記載の露光方法。
  4. 前記物体上の前記所定領域と前記露光光との相対移動量を表すために前記被計測領域内に形成されている計測用パターンに前記計測光を照射することを特徴とする請求項3に記載の露光方法。
  5. 前記計測用パターンは、第1パターン部と、前記計測光に対する特性が前記第1パターン部とは異なる第2パターン部とが交互に配置されたパターンを含むことを特徴とする請求項4に記載の露光方法。
  6. 前記計測用パターンは、前記第1パターン部と前記第2パターン部との高さ又は反射率が異なるとともに、前記所定方向に周期的に形成されたライン・アンド・スペースパターンを含み、
    前記ライン・アンド・スペースパターンに前記計測光を照射することにより、前記計測光と前記被計測領域とが前記所定方向に相対移動するのに応じて周期的に変化する計測信号を検出することを特徴とする請求項5に記載の露光方法。
  7. 前記ライン・アンド・スペースパターンの一部に、前記第1パターン部と前記第2パターン部との前記所定方向の長さの比が他の部分とは異なる基準部分があり、
    前記計測光と前記被計測領域とが前記所定方向に相対移動するのに応じて、前記計測信号から前記基準部分を特定するための非周期的信号を分離することを特徴とする請求項6に記載の露光方法。
  8. 前記計測用パターンは、前記所定方向に交差する方向に周期的に形成された周期的パターンを含み、
    前記周期的パターンに前記計測光を照射することにより、前記計測光と前記被計測領域とがほぼ前記所定方向に相対移動する際に、前記計測光と前記被計測領域との前記所定方向に直交する方向の相対変位に応じた周期的信号を検出することを特徴とする請求項4に記載の露光方法。
  9. 前記計測用パターンは、前記所定方向に非周期的なパターンを含み、
    前記非周期的なパターンに前記計測光を照射することにより、前記計測光と前記被計測領域とが前記所定方向に特定の位置関係になった状態を検出することを特徴とする請求項4に記載の露光方法。
  10. 前記物体上には、前記所定領域と同じ形状の複数の区画領域が規則的に形成され、
    前記被計測領域は、前記所定領域に隣接する前記区画領域を含むことを特徴とする請求項3に記載の露光方法。
  11. 前記被計測領域は、前記所定領域に対して前記所定方向に交差する方向に隣接する前記区画領域を含むことを特徴とする請求項10に記載の露光方法。
  12. 前記被計測領域は、前記所定領域に対して前記所定方向に隣接する前記区画領域を含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の露光方法。
  13. 前記被計測領域は、前記所定領域を含まない領域であり、
    前記所定領域への前記露光光の照射を開始する前に、前記被計測領域及び前記所定領域に前記計測光を照射し、
    前記被計測領域と前記所定領域との位置関係情報を検出することを特徴とする請求項10から12のいずれか一項に記載の露光方法。
  14. 前記所定領域の位置情報の計測結果に基づいて、前記光学系の光軸方向に対して交差する方向での前記露光光と前記所定領域との相対位置関係を制御することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の露光方法。
  15. 前記物体上の前記所定領域を露光する際に、
    マスクのパターンの一部を前記光学系を介して前記所定領域の一部に投影した状態で、前記マスクを前記所定方向に対応する方向に移動するのに同期して、前記物体を前記所定方向に移動するとともに、
    前記マスクのパターンに付設されているマスク側の計測用パターンに計測光を照射して、前記マスクの位置情報を計測し、
    前記マスク及び前記所定領域の位置情報の計測結果に基づいて、前記マスクと前記物体との相対位置関係を制御することを特徴とする請求項4に記載の露光方法。
  16. 光学系を介して物体上の所定領域に露光光を照射し、前記所定領域を露光する露光装置であって、
    前記所定領域に前記露光光を照射するときに、前記物体上の前記所定領域又は前記所定領域との位置関係が既知の前記物体上の領域よりなる被計測領域内に前記光学系を介さずに計測光を照射して、前記所定領域の位置情報を計測する計測装置と、
    前記計測装置の計測結果に基づいて、前記露光光と前記所定領域との相対位置関係を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする露光装置。
  17. 前記計測装置は、前記計測光として前記露光光と波長の異なる光を照射することを特徴とする請求項16に記載の露光装置。
  18. 前記物体上の前記所定領域を前記露光光で露光する際に、前記所定領域の一部の領域に前記露光光を照射した状態で、前記物体と前記露光光とを所定方向に相対移動する相対移動機構を備え、
    前記計測装置は、前記物体と前記所定領域との相対移動中に、前記被計測領域内に前記光学系を介さずに前記計測光を照射して、前記所定領域の位置情報を連続的に計測することを特徴とする請求項17に記載の露光装置。
  19. 前記計測装置は、前記物体上の前記所定領域と前記露光光との相対移動量を表すために前記被計測領域内に形成されている計測用パターンに前記計測光を照射することを特徴とする請求項18に記載の露光装置。
  20. 前記計測用パターンは、第1パターン部と、前記計測光に対する特性が前記第1パターン部とは異なる第2パターン部とが交互に配置されたパターンを含むことを特徴とする請求項19に記載の露光装置。
  21. 前記計測用パターンは、前記第1パターン部と前記第2パターン部との高さ又は反射率が異なるとともに、前記所定方向に周期的に形成されたライン・アンド・スペースパターンを含み、
    前記計測装置は、前記ライン・アンド・スペースパターンに前記計測光を照射することにより、前記計測光と前記被計測領域とが前記所定方向に相対移動するのに応じて周期的に変化する計測信号を検出することを特徴とする請求項20に記載の露光装置。
  22. 前記ライン・アンド・スペースパターンの一部に、前記第1パターン部と前記第2パターン部との前記所定方向の長さの比が他の部分とは異なる基準部分があり、
    前記計測装置は、前記計測光と前記被計測領域とが前記所定方向に相対移動するのに応じて、前記計測信号から前記基準部分を特定するための非周期的信号を分離することを特徴とする請求項21に記載の露光装置。
  23. 前記計測用パターンは、前記所定方向に交差する方向に周期的に形成された周期的パターンを含み、
    前記計測装置は、前記周期的パターンに前記計測光を照射することにより、前記計測光と前記被計測領域との前記所定方向に直交する方向の相対変位に応じた周期的信号を検出することを特徴とする請求項19に記載の露光装置。
  24. 前記計測用パターンは、前記所定方向に非周期的なパターンを含み、
    前記計測装置は、前記非周期的なパターンに前記計測光を照射することにより、前記計測光と前記被計測領域とが前記所定方向で特定の位置関係になった状態を検出することを特徴とする請求項19に記載の露光装置。
  25. 前記物体上には、前記所定領域と同じ形状の複数の区画領域が規則的に形成され、
    前記被計測領域は、前記所定領域に隣接する前記区画領域を含み、
    前記計測装置は、前記被計測領域の配置に応じて位置決めされて、前記所定領域の露光中に前記被計測領域に前記計測光を照射して前記所定領域の位置情報を計測する第1検出部を含むことを特徴とする請求項18に記載の露光装置。
  26. 前記被計測領域は、前記所定領域に対して前記所定方向に交差する方向に隣接する前記区画領域を含み、
    前記第1検出部は、前記物体上の前記露光光の照射領域に対して前記所定方向に交差する方向にずれた位置に位置決めされる検出部を含むことを特徴とする請求項25に記載の露光装置。
  27. 前記被計測領域は、前記所定領域に対して前記所定方向に交差する方向に隣接する前記区画領域を含み、
    前記第1検出部は、前記物体上の前記露光光の照射領域に対して前記所定方向にずれた位置に位置決めされる検出部を含むことを特徴とする請求項25又は26に記載の露光装置。
  28. 前記被計測領域は、前記所定領域を含まない領域であり、
    前記計測装置は、
    前記所定領域及び前記被計測領域の配置に応じて位置決めされて、前記所定領域が露光される前に、前記所定領域及び前記被計測領域に前記計測光を照射して前記所定領域の位置情報を計測する第2検出部と、
    前記第2検出部の計測結果を記憶する記憶部とを含むことを特徴とする請求項25から27のいずれか一項に記載の露光装置。
  29. 前記制御装置は、
    前記計測装置の計測結果に基づいて、前記光学系の光軸方向に対して交差する方向での前記露光光と前記所定領域との相対位置関係を制御することを特徴とする請求項16から28のいずれか一項に記載の露光装置。
  30. 前記光学系は、マスクのパターンの一部の像を前記所定領域の一部に投影する投影光学系であり、
    前記相対移動機構は、前記マスクを前記所定方向に対応する方向に移動するのに同期して、前記物体を前記所定方向に移動するステージ機構であり、
    前記マスクのパターンに付設されているマスク側の計測用パターンに計測光を照射して、前記マスクの位置情報を計測するマスク側の計測装置を備え、
    前記制御装置は、前記物体側及び前記マスク側の計測装置の計測結果に基づいて、前記マスクと前記物体との相対位置関係を制御することを特徴とする請求項18に記載の露光装置。
  31. 請求項16から30のいずれか一項に記載の露光装置を用いることを特徴とするデバイス製造方法。
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