JP5961559B2 - 継手構造、継手構造を有する乗客コンベア及び乗客コンベアの据付方法 - Google Patents

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Description

本発明は、継手構造、継手構造を有する乗客コンベア及び乗客コンベアの据付方法に関し、特に、組立作業性に優れ、かつ、高負荷に耐えうる棒状部材の継手構造、ならびに、この継手構造を有する乗客コンベアとその据付方法に関する。
通常のエスカレータや動く歩道、ならびに、クレーンや橋梁の一部では、それらの構造体は多くの棒状部材を接合して組み立てられ、トラス構造、もしくは、トラス構造と見なせる構造となっている。すなわち、これらの棒状部材に作用する荷重で支配的なのは引張方向、もしくは、圧縮方向の軸力である。
ところで、これらの製品は大型であるため、複数に分離して据付現場に輸送され、分離箇所は据付現場で組み立てられる。据付現場で組み立てられる棒状部材の連結箇所を継手と呼ぶ。継手のうち圧縮荷重が作用するものでは、棒状部材の長手方向に直交する方向に棒状部材同士がずれない程度の強度で接合すれば良い。しかし、引張荷重が作用する継手ではこの引張荷重に耐えるように強固に接合する必要がある。このような強固な接合が必要な継手には溶接が用いられる場合もあるが、火気を使用できない据付現場があること、ならびに、比較的大がかりな設備が必要であることなどの理由から、ボルト締結が用いられることが多い。
このボルト締結の方法はボルトの軸力を用いるものとせん断力を用いるものとに大別される。軸力を用いる継手構造では、棒状部材の端部にその長手方向に直交する平板を設け、対向する平板同士がボルト締結されている。複数のボルトを配置しても棒状部材の断面の図心に近いボルトに荷重が集中するため、継手で伝達する荷重を大きくするには大径のボルトを用いる必要がある。このとき、ボルト締結工具と棒状部材との干渉を避けるようにボルトを棒状部材から離す必要があり、棒状部材の断面の図心とボルトの断面の図心の距離が長くなる。その結果、この距離に比例して棒状部材やボルトに作用するモーメントが増大し、この増大したモーメントに耐えるようにボルト径をさらに大きくするという悪循環が起きるので、自ずと軸力を用いる継手構造が伝達できる荷重には上限が生じる。
一方、せん断力を用いる継手構造では、連結される2本の棒状部材にまたがるように平板が配置され、この平板と各々の棒状部材とがボルト締結されている。一般に、このボルトは平板や棒状部材と支圧接合されるので、設計通りの強度を確保するためには、平板や棒状部材に設けられるボルト穴の位置と径が高精度に加工される必要がある。さらに、据付現場では平板と棒状部材の複数組のボルト穴同士を位置合わせする必要があり、組立作業性に課題があった。
これらの継手構造の課題に対し、特許文献1では連結される2本の棒状部材の端部それぞれに係合本体を設け、2つの係合本体を係合体で挟み込む構造の継手が開示されている。
特開昭52−112984号公報
しかしながら、特許文献1の継手構造では以下のような課題がある。1つ目の課題は組立作業性に関するものである。係合体の内側に係合本体を挿入するようにして組み立てるとき、両者の間に隙間がないため、大きな摩擦力が発生する。係合体を挿入するにはこの摩擦力を超える大きな荷重を発生させる必要があり、組立作業性に課題がある。
2つ目の課題は許容伝達荷重に関するものである。すなわち、係合本体は棒状部材の1つの面だけに設けられているため、係合本体近傍ではこの面だけで荷重伝達して、棒状部材の他の面はほとんど荷重伝達しない。その結果、継手から十分離れた位置での棒状部材の許容伝達荷重対して係合本体付近での棒状部材の許容伝達荷重が小さくなるという課題がある。さらに、引張荷重による、係合本体と係合体の突合せ面同士の間隔が広がるような係合体の変形を抑止するためには、係合体の板厚を厚くしなければならないという課題もある。
本発明のうち第1の継手構造では、上記1つ目の課題を解決するために、連結される棒状部材同士の間だけでなく、係合本体同士の間にも隙間を設けることを特徴とする。
そして、本発明のうち第2の継手構造では、上記2つ目の課題を解決するために、1つの棒状部材の中で1つの連結部材が少なくとも2枚の平板のそれぞれの段差に係合することを特徴とする。
本発明の第1の継手構造によれば、連結される棒状部材同士、ならびに、係合本体同士の間に隙間を設けているため、組立時には完成状態よりも両者を接近させることが可能となる。その結果、係合体を摩擦力などの抵抗を受けずに配置でき、組立作業性が著しく向上するという効果がある。尚、前述の近接させる荷重を解放すれば、棒状部材に作用する引張荷重によって係合体と係合本体は自動的に所望の係合状態となる。
また、本発明の第2の継手構造によれば、棒状部材を構成する複数の面に係合本体を設けているため、係合本体近傍でも棒状部材の複数の面を使った荷重伝達が可能となって許容伝達荷重を高められるという効果がある。また、隣接する係合本体に係合される係合体同士を一体化した場合は、相互に変形抑止するため、係合体の板厚を低減できるという効果もある。
本発明の実施例1の継手の完成状態を示す。 本発明の実施例1の段差を有する棒状部材の拡大図である。 本発明の実施例1の連結部材の拡大図である。 本発明の実施例1の継手の組立途中の状態を示す。 本発明の実施例2の段差を有する棒状部材の拡大図である。 本発明の実施例3の段差を有する棒状部材の拡大図である。 本発明の実施例4の継手の完成状態を示す。 本発明の実施例5の継手の完成状態を示す。 本発明の実施例5の連結部材の拡大図である。 本発明の実施例6の継手の完成状態を示す。 本発明の継手の適用対象の一つであるエスカレータの主枠の側面図である。 エスカレータの上弦材の分割部の詳細図である。 本発明の継手を適用したエスカレータの据付方法の説明図である。
本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。尚、各図および各実施例において、同一又は類似の構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
図1は本発明の実施例1の継手の完成状態を示す。この継手は棒状部材11aと棒状部材11bとを仮想的な分割面1で分割したものを連結するためのものである。この継手は分割面1に関して面対称な構造となっているので、以下では、特に断りのない限り、分割面1の棒状部材11a側に関して説明を行い、棒状部材11b側の説明を省略する。尚、符号aを符号bに置き換えれば棒状部材11b側の説明に読み替えることができる。
棒状部材11aの分割面1側の端部には段差21aと段差22aが設けられており、これらの段差に連結部材31が係合している。連結部材31は段差21aに対する係合部32aと段差22aに対する係合部33aを有し、それぞれが連結部34、35で係合部32b、33bと連結されている。
図2に実施例1の棒状部材11a、段差21a、22aの拡大図を示す。棒状部材11a、段差21a、22aのいずれも分割面1から離れている。棒状部材11aは平板12aと平板13aで構成される断面L形の部材である。平板12aの分割面1側の端部では平板13a側の表面に略直方体の段差21aが溶接されている。同様に、平板13aの分割面1側の端部では平板12a側の表面に略直方体の段差22aが溶接されている。ここで、段差21aと段差22aは交差部23aで一体となっている。そして、溶接線41a、42aでは隅肉溶接されていて、溶接線43a、44a、45a、46aではへり溶接されている。段差21a、22aの表面のうち、分割面1から最も遠い表面24a、25aは連結部材31と係合する係合面である。表面24a、25aは、それぞれ平板12a、13aに対して逆テーパ状となっている。すなわち、平板12aと表面24aとのなす角θ1、ならびに、平板13aと表面25aとのなす角θ2はいずれも鋭角である。
図3に実施例1の連結部材31を図1とは略反対側から見た拡大図を示す。連結部材31の係合部32aには、段差21aの表面24aと平行な係合面36aが、係合部33aには、段差22aの表面25aと平行な係合面37aが、それぞれ設けられている。係合面36a、37aは、それぞれ表面24a、25aに接する。同様に、連結部材31の係合部32bには、棒状部材11bの段差21bの係合面に接する係合面36bが、係合部33bには、棒状部材11bの段差22bの係合面に接する係合面37bが、それぞれ設けられている。そして、連結部材31は、互いに連結される棒状部材11a、11bのそれぞれの段差21a、22a、21b、22bを連結部材31の係合面36a、37a、36b、37bで挟み込んで段差21a、22a、21b、22bと係合する。
ここで、引張荷重が作用した状態において、段差21a、22a、21b、22bを含めた棒状部材11a、11b同士が離れている構造としている。この作用効果については後述する。尚、段差を含めた棒状部材同士が離れているとは、段差と棒状部材とを合わせて1つの構造体とみなした場合に、2つの構造体同士が離れていることを意味する。
次に、このような構造の継手に対して、棒状部材11aに引張荷重、すなわち、棒状部材11aが分割面1から遠ざかろうとする荷重が作用した時について説明する。表面24a、25aはそれぞれ係合面36a、37aに押し付けられる。このとき、逆テーパ状の角度θ1、θ2の作用により、連結部材31の棒状部材11aに対する相対位置は一意に決まる。すなわち、棒状部材11aに対して連結部材31は自動的に位置決めされる。そして、連結部材31に伝達された引張荷重は棒状部材11bから伝達される引張荷重と釣り合う。尚、表面24a、25aを逆テーパ状にせず、角度θ1、θ2を直角にしても良い。但し、その場合は連結部材31を自動的に位置決めすることはできなくなる。
また、棒状部材11aはトラス構造の構成部材なのでここに作用する荷重で支配的なのは軸力であって、モーメントを無視できる。したがって、段差近傍から十分に離れた位置では棒状部材11aの断面では一様な引張応力が生じる。すなわち、平板12a、13aには均等な引張応力が作用している。特許文献1に例示される構造では一方の平板のみに段差を設けているため、段差近傍ではこの平板のみ応力が大きくなって、継手の許容伝達荷重を決定づけている。これに対して、実施例1では段差21a、22aが平板12a、13aの両方に設けられているので、特許文献1と同一寸法の棒状部材11aであっても継手の許容伝達荷重を大きくできる。
尚、実施例1では2枚の平板12a、13aを用いた例を示しているが、これに限られず、1つの棒状部材11aが、棒状部材11aの長手方向に延在する複数の平板で構成されているとともに、複数の平板のうち少なくとも2枚の平板のそれぞれに段差が設けられる構造としても良い。
また、実施例1では、1つの棒状部材11aの中で1つの連結部材31が少なくとも2枚の平板のそれぞれの段差に係合しているため、連結部材31の数を少なくすることができ、組立も容易になる。
また、図1、図3において、係合部32a、33aの係合面36a、37a側の端部に面取り60aを形成している。これは、組立時に連結部材31を挿入する際のガイドとして機能するため、組立が容易となるとともに、連結部材31の軽量化を図ることができる。尚、この面取り60aは不要であれば省略可能である。
さらに、連結部材31では係合面36aと36bが互いに遠ざかるような負荷を受けるので、連結部34は面外曲げ変形を生じやすい。特許文献1では連結部34のみの構造に相当するものであるのに対して、実施例1では連結部34と連結部35が互いに直交するように配置されている。その結果、連結部34、35は互いに補強として機能するため、連結部34、35の板厚低減による軽量化が可能となる。
尚、軽量化の必要がない場合、連結部材31を係合部32a、32b、ならびに、連結部34の部品と、係合部33a、33b、ならびに、連結部35の部品とに分離しても良い。あるいは、構造簡素化のために、連結部材31において段差部に面する側とは反対側に設けられた切欠き部分2を除去せず、連結部材11aの長手方向に直交する断面の形状をL形から長方形に変えても良い。
尚、実施例1では1つの棒状部材11aにおいて段差21a、22aの2つの段差を設けた例を示したが、必要な強度を確保できる場合には段差を1つにしてもよい。
次に、図4を用いて実施例1の継手の組立方法を示す。図4に、実施例1の継手の組立途中の状態を示す。完成状態では棒状部材11aと段差21a、22aは分割面1から離れている。すなわち、引張荷重が作用した状態において、段差を含めた棒状部材11a、11b同士が離れている構造としている。したがって、組立途中に、棒状部材11aを分割面1に接近させること、すなわち、棒状部材11aと棒状部材11bとを接近させることが可能である。このとき、表面24aと係合面36aとの間、ならびに、表面25aと係合面37aとの間に隙間が生じる。その結果、摩擦などを受けることなく連結部材31を配置することが可能となる。この状態で棒状部材11aを分割面1に近づける荷重を解放すれば、棒状部材11aに作用する引張荷重によって表面24aは係合面36aに、表面25aは係合面37aに押し付けられて固定される。さらに、前述のように逆テーパ状となっていれば、連結部材31は棒状部材11aに対して自動的に位置決めされる。
尚、本発明の継手が適用される構造体の振動などによって棒状部材11aに作用する引張荷重が小さくなる場合、連結部材31の脱落を防止するために、連結部材31を図示しないボルトやピンなどの固定部材によって段差21a、22aの両方、あるいは、いずれか一方と固定しても良い。
実施例1では2つの平板で構成される断面L字形の棒状部材11a、11bに関する説明をしたが、棒状部材11a、11bの断面形状が異なっても、実施例1と同様に棒状部材を構成する平板のうち一部または全部に段差を設け、連結部材の隣接する係合部同士を一体化すれば同様の効果が得られる。この場合、すべての係合部を一体化する必要はなく、実施例1と同様に少なくとも2つの係合部を一体化して、連結部材を複数個に分割しても同様の効果が得られる。
図5を用いて本発明の実施例2を説明する。図5は、本発明の実施例2の段差を有する棒状部材の拡大図である。実施例2は実施例1に対して段差21a、22aの位置と段差21a、22aの溶接方法が異なっている。段差21a、22aは棒状部材11aの端部から僅かに距離をあけて設けられている。したがって、溶接線41a、42a、47a、48aでは隅肉溶接されており、溶接線43a、46aではへり溶接されている。この構造では、溶接線47a、48aから棒状部材11aの端部までの距離を調整代とすることで、棒状部材11aの長手方向寸法の精度が低くても本発明の構造を実現可能となる。
図6を用いて本発明の実施例3を説明する。図6は、本発明の実施例3の段差を有する棒状部材の拡大図である。実施例3は実施例1に対して段差21a、22aの位置と段差21a、22aの接合構造が異なっている。実施例3では、段差21a、22aのそれぞれを平板12a、13aの分割面1側の先端に配置し、溶接線41a、42aを隅肉溶接し、溶接線49a、52aをへり溶接し、溶接線50a、51aを突合せ溶接している。このとき、溶接線50a、51aの位置する側の段差21a、22aの表面と平板12a、13aの表面は同一平面上に位置している。この接合構造では分割面1側に溶接ビードが存在しないため段差21a、22aを分割面1に最接近させることが可能で、連結部材31の長さを最短にできる。
図7を用いて本発明の実施例4を説明する。図7は、本発明の実施例4の継手の完成状態を示す。実施例4は実施例1に対して段差21aと段差21bとの間にブロック61を、段差22aと段差22bとの間にブロック62を配置した構造である。ブロック61、62は共に断面が台形(略等脚台形であることが望ましい)をした棒状部材である。ブロック61に関して、台形の斜辺に相当する表面63aは段差21aと接し、台形の下底に相当する表面64は連結部34と接している。同様に、ブロック62に関して、台形の斜辺に相当する表面65aは段差22aと接し、台形の下底に相当する表面66は連結部35と接している。ブロック61、62は連結部材31を設置した後、棒状部材11a、11bに引張荷重が作用している状態で挿入される。そのため、特許文献1に開示される係合体を挿入するための荷重と比較して、非常に小さな荷重でブロック61、62を挿入可能である。この構造では、地震のような非定常状態として一時的に棒状部材11a、11bに作用する引張荷重が消失したり、一時的に圧縮荷重に変化したりする場合でも、棒状部材11a、11bの相対位置が変動したり、連結部材31が脱落したりする恐れが無くなる。
尚、本発明の継手が適用される構造体の振動などによってブロック61、62の両方、もしくは、いずれか一方が脱落する恐れがある場合、該当するブロックを段差21a、22a、21b、22b、連結部材31のうち1つ以上のものに対して図示しないボルトやピンなどの固定部材によって固定しても良い。
尚、実施例4の構造に対しても、実施例2〜3で示した変形例を適用可能である。
図8と図9を用いて本発明の実施例5を説明する。図8は、本発明の実施例5の継手の完成状態を示し、図9は、本発明の実施例5の連結部材の拡大図である。実施例5は実施例4に対して連結部材31を連結部材38に、ブロック61、62をそれぞれブロック67、68に置換し、ボルト69、70(ボルト70は図示せず)を追加したものである。ブロック67はブロック61と比較して台形の高さが低くなり、さらに、ボルト69が貫通する雌ねじが追加されている。同様に、ブロック68はブロック62と比較して台形の高さが低くなり、さらに、図示しないボルト70が貫通する雌ねじが追加されている。ボルト69、70の先端はそれぞれ連結部材38の表面に設けられた窪み39、40に入っている。
実施例5の構造は以下の方法で組み立てられる。まず、棒状部材11aと11bを接近させた状態で連結部材38を配置する。つぎに、棒状部材11a、11bを接近させている荷重を解放して棒状部材11a、11bと連結部材38とを所定の位置に組み立てる。そして、ボルト69、70を緩めた状態でブロック67、68を所定の位置に配置する。このとき、ブロック67、68と段差21a、21b、22a、22b、ならびに、連結部材38との間に隙間が生じるので、容易にブロック67、68を配置可能である。最後に、ボルト69、70の先端がそれぞれ窪み39、40に入るようにしながら、これらのボルトを締め込む。その結果、ボルトと窪みの摩擦、あるいは、ボルトと窪みの縁との干渉によってブロック67、68の脱落が防止されるとともに、ブロック67、68が棒状部材11aと棒状部材11bが接近するのを防止する。
尚、実施例5の構造に対しても、実施例2〜3で示した変形例を適用可能である。
図10を用いて本発明の実施例6を説明する。図10は、本発明の実施例6の継手の完成状態を示す。実施例6は実施例1に対して段差26a、26b、27a、27bの位置を断面L形の棒状部材11a、11bの内側から外側に変更したものである。この場合、同一の断面寸法の棒状部材に関して、段差と棒状部材との溶接線の長さを長くすることが可能となり、継手で伝達可能な荷重を大きくすることが可能となる。
尚、実施例6のように段差を外側に配置した構造に対しても、実施例2〜5で示した変形例を適用可能である。
図11〜13を用いて本発明の継手を乗客コンベアの一種であるエスカレータに適用した実施例7を説明する。図11は本発明の継手の適用対象の一つであるエスカレータの構造体である主枠の側面図である。上部受梁81と下部受梁82は建築物に架設される部位であり、両者の間にトラス構造であるフレーム(主枠)83が配置されている。フレーム83は主にL形鋼である上弦材84、下弦材85で構成され、両者の間は縦材86、斜材87で連結されている。乗客コンベアは、循環移動する図示しない搬送体に乗客を積載して乗客を乗り口から降り口まで輸送する。よって、このフレーム83にはエスカレータに乗車する乗客や乗客を輸送するための機器の重さが負荷されている。したがって、フレーム83は両端支持梁に近い負荷状態となり、大局的には上弦材84には圧縮荷重、下弦材85には引張荷重が作用している。
図12は、エスカレータの上弦材の分割部の詳細図である。フレーム83は主に輸送時の寸法制限のため、継部88で分割可能となっている。継部88のうち、上弦材の継部89では、図12に示すように、上弦材84(84a、84b)の端部に分割面と平行な平板90a、90bが設けられている。上弦材84に作用する圧縮荷重により、平板90a、90bは互いに押し付けられていて、エスカレータの振動などにより両者がずれないようにボルト91で締結されている。一方、下弦材の継部92では継手として実施例1〜6のいずれかの継手構造が適用されている。
図13を用いてこのエスカレータの据付方法を説明する。図13は、本発明の継手を適用したエスカレータの据付方法の説明図である。分割されたフレームはチェーンブロック等によって据付位置まで搬入され、この位置で継部を連結される。このとき、図13に示すように、継部を完成状態よりも上方に持ち上げると、互いに押し付けられる平板90a、90bを回転中心として上部受梁81側のフレームと下部受梁82側のフレームが折れ曲がるように変形する。その結果、分割面1から離れている棒状部材11a、段差21a、22aと棒状部材11b、段差21b、22bとは互いに接近する。すなわち、下弦材の継手92は図4に示す状態となる。この状態で連結部材31、または、連結部材38を挿入して配置し、その後、継部を持ち上げていた荷重を解放すると、下弦材の棒状部材11a、段差21a、22aと棒状部材11b、段差21b、22bが互いに離れ、下弦材に引張荷重が作用し、前述のようにして下弦材85に対して連結部材31、または、連結部材38は自動的に所定の位置に位置決めされて、連結部材31、または、連結部材38は段差と係合して固定される。したがって、従来はチェーンブロック等で吊り上げた状態でボルト締結していたフレームの据付方法に対して、本発明の継手を適用したエスカレータでは組立作業性が格段に向上する。
図11〜13ではエスカレータを例に説明したが、乗客コンベアの一種である動く歩道も同様に両端支持梁のような負荷状態となっている。したがって、動く歩道の下弦材の継手でも実施例7と同様の効果を得ることができる。さらに、橋梁、クレーン、ビルなどでも両端支持梁や片持ち梁のような負荷状態となっているトラス構造の継部に対しても同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施例を説明してきたが、これまでの各実施例で説明した構成はあくまで一例であり、本発明は、技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。また、それぞれの実施例で説明した構成は、互いに矛盾しない限り、組み合わせて用いても良い。
11a、11b・・・棒状部材
21a、21b、22a、22b・・・段差
31・・・連結部材

Claims (6)

  1. 連結部材を用いて引張荷重が作用する棒状部材同士を連結する継手構造において、
    互いに連結される前記棒状部材のそれぞれは、前記連結部材と係合する係合面を有する段差を有し、
    前記連結部材は、前記段差の前記係合面に接する係合面を有し、前記互いに連結される前記棒状部材のそれぞれの前記段差を前記連結部材の前記係合面で挟み込んで前記段差と係合するとともに、
    引張荷重が作用した状態において前記段差を含めた前記棒状部材同士が離れており、
    1つの前記棒状部材は、前記棒状部材の長手方向に延在する複数の平板で構成されているとともに、前記複数の平板のうち少なくとも2枚の平板のそれぞれに前記段差が設けられており、
    前記1つの前記棒状部材の中で1つの前記連結部材が前記少なくとも2枚の平板のそれぞれの前記段差に係合していることを特徴とする継手構造。
  2. 請求項1において、
    前記段差の前記係合面は逆テーパ状であることを特徴とする継手構造。
  3. 請求項1または2において、
    前記連結部材で挟み込まれている1対の前記段差同士の間にブロックが設けられており、
    前記ブロックは断面が台形をした棒状部材であって、
    前記台形の斜辺に相当する前記ブロックの表面は前記段差に接するとともに、
    前記台形の下底に相当する前記ブロックの表面は前記連結部材に接することを特徴とする継手構造。
  4. 請求項1または2において、
    前記連結部材で挟み込まれている1対の前記段差同士の間にブロックが設けられており、
    前記ブロックは断面が台形をした棒状部材であって、
    前記台形の斜辺に相当する前記ブロックの第1、第2の表面は前記段差に接しており、
    前記台形の下底に相当する前記ブロックの第3の表面は前記連結部材に面するとともに前記連結部材から離れており、
    前記台形の上底に相当する前記ブロックの第4の表面から前記第3の表面に向けて貫通している雌ねじを有し、
    前記ブロックには前記雌ねじを貫通し前記連結部材に当接するボルトが設けられ、
    前記連結部材の表面には前記雌ねじを貫通するボルトの先端が納まるような窪みが設けられていることを特徴とする継手構造。
  5. 循環移動する搬送体に乗客を積載して前記乗客を乗り口から降り口まで輸送する乗客コンベアにおいて、前記乗客コンベアを支持する構造体である主枠の継部のうち、引張荷重が作用する下弦材の継手に請求項1からの何れか1項に記載の継手構造を有することを特徴とする乗客コンベア。
  6. 請求項に記載の乗客コンベアを据え付ける乗客コンベアの据付方法であって、
    分割された前記主枠の一方及び他方を上方に持ち上げる荷重を付与することで前記一方及び他方の主枠の前記下弦材同士を互いに接近させ、前記連結部材を挿入し、前記持ち上げる荷重を解放して前記一方及び他方の主枠の前記下弦材同士を互いに離し、前記下弦材に引張荷重を作用させて前記連結部材を前記段差と係合させて固定することを特徴とする乗客コンベアの据付方法。
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