JP5579582B2 - 座屈補剛ブレースの接合方法及び座屈補剛ブレース - Google Patents

座屈補剛ブレースの接合方法及び座屈補剛ブレース Download PDF

Info

Publication number
JP5579582B2
JP5579582B2 JP2010259339A JP2010259339A JP5579582B2 JP 5579582 B2 JP5579582 B2 JP 5579582B2 JP 2010259339 A JP2010259339 A JP 2010259339A JP 2010259339 A JP2010259339 A JP 2010259339A JP 5579582 B2 JP5579582 B2 JP 5579582B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brace
brace material
plate
flange
buckling stiffening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010259339A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012112098A (ja
Inventor
徹 宇佐美
洋文 金子
喜信 小野
暢之 小田島
賢二 山▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Corp
Original Assignee
Takenaka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takenaka Corp filed Critical Takenaka Corp
Priority to JP2010259339A priority Critical patent/JP5579582B2/ja
Publication of JP2012112098A publication Critical patent/JP2012112098A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5579582B2 publication Critical patent/JP5579582B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)

Description

本発明は、座屈補剛ブレースの接合方法及び座屈補剛ブレースに関する。
従来、ブレース材の両端部を架構に接合して構造物を補強する耐震技術が用いられている。この耐震技術の一例として、鋼管からなる補剛管をブレース材に外挿し摩擦抵抗なしの状態でブレース材を被覆補強して、ブレース材の座屈によるたわみ変形を防止する座屈補剛ブレースがある(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1の座屈補剛ブレースは、断面四角形の補剛管中にブレース材としての平鋼を挿入した構成となっており、構造物への座屈補剛ブレースの接合は、平鋼の両端部及び構造物の継手を断面T字形の2枚の継手板で挟み込んでボルト締結により行われる。
しかし、特許文献1の座屈補剛ブレースは、軸力に対する十分な耐力を得るために接合手段として断面T字形の継手板を2枚用いており、平鋼の両端部(接合部)が大型化してボルト締結箇所が増加し、接合作業が容易ではなかった。さらに、特許文献1の座屈補剛ブレースは、接合部の大きさに合わせて補剛管の大きさを決めているため、補剛管も大型化する必要があり、結果的に座屈補剛ブレース全体が大型化して小型化が困難であった。
一方、特許文献2の座屈補剛ブレースは、断面四角形の補剛管中にブレース材としての平鋼を挿入した構成となっており、平鋼の両端部両面には補強鋼板が接合されている。また、構造物への座屈補剛ブレースの接合は、平鋼の両端部及び補強鋼板を構造物の接合部にボルト締結することで行われる。
しかし、特許文献2の座屈補剛ブレースは、平鋼の両端部の厚さ方向の大型化は抑えられるものの高さ方向の面積を大きくしなくてはならず、また、平鋼の両端部に十字形にガセットプレートを接合する場合もあり、結果的に座屈補剛ブレース全体が大型化して小型化が困難であった。
特開平11−50594 特開2000−27293
本発明は、座屈補剛ブレースの接合作業を容易に行うことができると共に座屈補剛ブレース全体が大型化するのを抑えることができる座屈補剛ブレースの接合方法及び座屈補剛ブレースを得ることを目的とする。
本発明の請求項1に係る座屈補剛ブレースの接合方法は、構面内に斜めに配置されるI形鋼又はH形鋼からなるブレース材と、前記ブレース材へ外挿される補剛筒体と、を有する座屈補剛ブレースを前記構面内に設けられた接合部に接合する座屈補剛ブレースの接合方法において、前記ブレース材の端部のフランジを切断する工程と、前記ブレース材の前記フランジが切断された側のウェブにプレートを溶接し、前記フランジの切断面と前記プレートの表面を揃える工程と、前記ブレース材のウェブと前記プレートにブレース側ボルト孔を形成する工程と、接合部側ボルト孔が形成された接合部に前記プレートを当てて、前記ブレース側ボルト孔及び前記接合部側ボルト孔へボルトを挿入して接合する工程と、を有する。
上記構成によれば、ブレース材のフランジを切断しているため、ブレース材の軸中心と接合部とが近づくことになる。これにより、構面内でのブレース材の偏心を防ぐと共に、ブレース材を構面の接合部に片面側から接合することができるので、座屈補剛ブレースの接合作業を容易に行うことができる。さらに、ブレース材のフランジとウェブで囲まれた領域内にプレートが溶接されるので、ブレース材の両端部を拡幅する必要がなくなる。このため、座屈補剛ブレース全体が大型化するのを抑えることができる。
本発明の請求項2に係る座屈補剛ブレースの接合方法は、前記接合部をH形鋼で形成し、前記プレートの表面を前記H形鋼のウェブに接触させる。この構成によれば、ブレース材の接合される部位が接合部のH形鋼に内包されるので、接合部の省スペース化が可能となる。
本発明の請求項3に係る座屈補剛ブレースは、I形鋼又はH形鋼からなり、構面内に設けられた接合部に接合される側のフランジが切断されたブレース材と、前記ブレース材へ外挿される補剛筒体と、前記ブレース材の前記フランジが切断された側のウェブに溶接され、表面が前記フランジの切断面と揃えられたプレートと、前記ブレース材のウェブ及び前記プレートに形成されボルトが挿入されるボルト孔と、を有する。
座屈補剛ブレースの加工方法としては、まず、ブレース材の接合部に接合される側のフランジをブレース材の長さ方向に沿って切断する。続いて、プレートをブレース材のウェブに溶接すると共に、フランジの切断面とプレートの接合される側の表面とを揃える。続いて、ブレース材のウェブ及びプレートにボルト孔を形成し、ブレース材に補剛筒体を外挿する。このようにして、座屈補剛ブレースが形成される。形成された座屈補剛ブレースは、予めボルト孔が形成された接合部にプレートを当てた状態で、ボルト孔へボルトを挿入することにより接合部に接合される。
ここで、上記構成によれば、座屈補剛ブレースは、接合部に接合される側のフランジが切断されているのでブレース材の軸中心と接合部とが近づく。これにより、構面内でのブレース材の過大な偏心を防ぐと共に、ブレース材を構面の接合部に片面側から接合することができるので、座屈補剛ブレースの接合作業を容易に行うことができる。さらに、ブレース材のフランジとウェブで囲まれた領域内にプレートが溶接されるので、ブレース材の両端部を拡幅する必要がなくなる。このため、座屈補剛ブレース全体が大型化するのを抑えることができる。
本発明の請求項4に係る座屈補剛ブレースは、前記ボルト孔が形成された前記プレートの断面積に前記プレートの強度を乗じて得られる耐力が、前記フランジの切断片の断面積に前記ブレース材の強度を乗じて得られる耐力以上の大きさである。この構成によれば、ブレース材ではフランジの切断及びボルト孔の形成によってブレース材の断面積が減少することになるが、欠損した断面積に相当する耐力と同一又はそれ以上の耐力を有するプレートを設けているので、接合部におけるブレース材の耐力が低下するのを抑えることができる。
本発明の請求項5に係る座屈補剛ブレースは、前記プレートは、前記ブレース材の前記ウェブの平坦面に溶接されている。この構成によれば、フランジとウェブの接合部に形成されたR部または溶接の余盛部を避けてブレース材のウェブの平坦面にプレートが溶接されるので、ウェブとプレートの間に隙間ができにくくなり、プレートの表面とフランジの切断面を揃え易くなる。
本発明の請求項6に係る座屈補剛ブレースは、前記プレートの端部が前記補剛筒体内に配置されている。この構成によれば、構面に外力が作用してブレース材が変形するとき、補剛筒体の外側のブレース材に形成される塑性ヒンジの箇所にプレートの端部が位置することがないので、塑性ヒンジの箇所におけるブレース材の過度の変形を抑えることができる。
本発明は、上記構成としたので、座屈補剛ブレースの接合作業を容易に行うことができると共に座屈補剛ブレース全体が大型化するのを抑えることができる。
本発明の実施形態に係る座屈補剛ブレースの取り付け状態を示す立面図である。 (a)本発明の実施形態に係る座屈補剛ブレース全体の軸方向の平断面図である。(b)本発明の実施形態に係る座屈補剛ブレース全体の軸方向の立断面図である。 (a)本発明の実施形態に係る座屈補剛ブレース端部の軸方向の平断面図である。(b)本発明の実施形態に係る座屈補剛ブレース端部の軸方向の立断面図である。 (a)本発明の実施形態に係る座屈補剛ブレース中央部における軸方向と直交する方向の平断面図(図3(a)の断面A−A’)である。(b)本発明の実施形態に係る座屈補剛ブレース端部における軸方向と直交する方向の立断面図(図3(a)の断面B−B’)である。 本発明の実施形態に係るブレース材のフランジの切断状態を示す断面図である。 (a)〜(d)本発明の実施形態に係る座屈補剛ブレースの接合方法の手順を示す工程図である。 本発明の実施形態の他の実施例に係る座屈補剛ブレース全体の軸方向の平断面図である。
本発明の座屈補剛ブレースの接合方法及び座屈補剛ブレースの実施形態を図面に基づき説明する。図1に示すように、構造物としての建物20では、H形鋼製の梁部材12及び柱部材14により架構16が形成されている。また、架構16の一つの構面18では、上部左側の隅部に1箇所、上部右側の隅部に1箇所、及び下部中央に2箇所の合計4箇所に接合部22A、22B、22C、及び22Dが設けられている。
接合部22Aと接合部22B、接合部22Cと接合部22Dは、それぞれ同様の構成となっており、いずれもウェブ23Aと、ウェブ23Aの上端から張り出した上フランジ23Bと、ウェブ23Aの下端から張り出した下フランジ23CとからなるH形鋼で構成されている。ここで、接合部22Aと接合部22C、接合部22Bと接合部22Dは、それぞれ斜め方向に対向して配置されている。なお、梁部材12における接合部22A、22B、22C、及び22Dの上フランジ23B又は下フランジ23Cから力が伝わる部分には、必要に応じて補強用の金属板24A、24B、24C、24D、及び24Eが溶接によって取り付けられている。
ここで、接合部22A、22Cには座屈補剛ブレース10Aの長さ方向(軸方向)の両端部が接合されており、接合部22B、22Dには座屈補剛ブレース10Bの軸方向の両端部が接合されている。なお、座屈補剛ブレース10A、10Bは同様の構成であるため、以後の説明では座屈補剛ブレース10としてA、Bの符号を省略し、必要に応じてA、Bの符号を付与して説明する。
図2(a)には、座屈補剛ブレース10全体の軸方向(矢印X方向)の平断面図が示されており、図2(b)には、座屈補剛ブレース10全体の軸方向の立断面図が示されている。座屈補剛ブレース10は、心材となる直線状のブレース材26と、ブレース材26に外挿される鋼管28と、ブレース材26に溶接された補強プレート30と、ブレース材26及び補強プレート30に形成された複数のボルト孔32A、32Bとを有している。
ブレース材26は、一例としてI形鋼であり、高さ方向(矢印Z方向)に配置されるウェブ26Aと、ウェブ26Aの上端、下端からそれぞれ幅方向(矢印Y方向)両側に張り出した上フランジ26B、下フランジ26Cとを有している。ブレース材26の軸方向(矢印X方向)の長さはL1となっており、上フランジ26B及び下フランジ26Cの幅がW1、上フランジ26Bの上面から下フランジ26Cの下面までの高さがH1となっている。なお、本実施形態ではブレース材26をI形鋼としているが、これに限るものではなく、接合部22A〜22Dの大きさに合わせてH形鋼としてもよい。
ここで、ブレース材26を、軸方向において、鋼管28内に配置される長さL2の中央部B1と、鋼管28の両外側に配置される各長さL3の端部B2、B3とに区分して説明する。なお、端部B2、B3は同様の構成となっているため、以後の説明では端部B3について説明し、端部B2の説明を省略する。
図3(a)に示すように、ブレース材26の端部B3では、接合部22C(又は22D)のウェブ23Aに接合される側の上フランジ23B及び下フランジ23Cが、端面から幅W2、長さL3で切断され、切欠部39が形成されている。また、図3(a)、(b)に示すように、ブレース材26のウェブ26Aにおいて、ウェブ23Aに接合される側の平面には補強プレート30が設けられている。
補強プレート30は、一例として、縦の長さH2(<H1)、横の長さL4(>L3)、厚さTの矩形状の鋼板が用いられている。また、図4(b)に示すように、補強プレート30の一方の面は、ブレース材26のウェブ26Aにおける上下のフィレット(面取り)部26Dを除いた平面部26Eに接触して配置されており、周縁部が溶接部27で溶接されている。なお、補強プレート30の他方の面は、接合部22C(又は22D)のウェブ23Aにおける一方の平面部29と接触しているが、溶接はされていない。
図3(a)及び図4(b)に示すように、ブレース材26の端部B3におけるウェブ26Aには、一例として、長さ方向に5箇所で高さ方向に2段の合計10箇所に貫通したボルト孔32Aが形成されている。また、補強プレート30には、一例として、ブレース材26の各ボルト孔32Aと連通する位置にボルト孔32Aと同径で貫通した10箇所のボルト孔32Bが形成されている。
さらに、接合部22C(22D)のウェブ23Aには、ボルト孔32A、32Bと連通する位置にボルト孔32A、32Bと同径で貫通した10箇所のボルト孔32Cが形成されている。ここで、ボルト孔32A、32B、及び32Cに高力ボルト34が挿通されてナット36により締結されている。
図2(a)、(b)、及び図4(a)に示すように、鋼管28は、略四角筒状に形成され長さ方向(矢印X方向)の長さがL2の鋼材であり、内側にブレース材26の中央部B1が挿入及び配置されている。なお、図示を省略するが、鋼管28の一方端の開口部には外側に向けて突出した鍔(ツバ)が設けられており、座屈補剛ブレース10を斜め方向に配置したときに、ブレース材26の端部B3に取付けられたストッパー部材に鍔が当接して、鋼管28がブレース材26の一端部に片寄らないようになっている。
一方、鋼管28の内側において、ブレース材26の中央部B1には、軸方向中央に1箇所、両端に3箇所ずつの合計7箇所で軸方向を面外方向として、リブプレート38A、38B、38C、及び38Dが溶接により取り付けられている。リブプレート38Aは、ブレース材26の上フランジ26Bの上面に立設されており、リブプレート38Dは、下フランジ26Cの下面に立設されている。また、リブプレート38B、38Cは、ウェブ26Aの両側に配置されており、ウェブ26A、上フランジ26B、及び下フランジ26Cに固定されている。
また、リブプレート38A、38B、38C、及び38Dは、鋼管28内壁との上下方向のクリアランス(C1とする(図示省略))及び左右方向のクリアランス(C2とする(図示省略))が所定値となるように、予め設定された寸法で加工されている。クリアランスC1及びクリアランスC2は、使用するブレース材26及び鋼管28の大きさや材質で異なるが、本実施形態では一例として、数ミリメータの値としている。
次に、ブレース材26の上フランジ26B及び下フランジ26Cの幅方向の切断長さW2の設定方法について説明する。
図5には、ブレース材26の軸方向に見て、上フランジ26B及び下フランジ26Cの一方を幅方向の端面からそれぞれ切断長さW2で切断したときのブレース材26の断面図が示されている。ここで、ブレース材26における上フランジ26B及び下フランジ26Cの2箇所の切断片26Fについて、幅方向の合計の断面積をS1とする。また、ブレース材26では、2箇所のボルト孔32Aが形成されることにより断面積が欠損しており、この2箇所の欠損部分の合計の断面積をS3とする。
一方、補強プレート30は、前述のように幅方向の長さ(厚さ)がTで高さがH2の矩形状断面となっている。ここで、補強プレート30において、幅方向全体の断面積から幅方向に貫通した上下2段のボルト孔32Bに相当する断面積を除いた断面積をS2とする。なお、ブレース材26の切断面をCとする。
ブレース材26では、2つの切断片26Fが切断されることにより、ブレース材26の軸中心BO(図4(b)参照)と接合部22C又は22Dのウェブ23A(図4(b)参照)との距離を近づけることができるが、断面積が減少して耐力が減少することになる。しかし、ブレース材26の断面積に補強プレート30の断面積S2が追加されるので、ブレース材26では、耐力の減少を抑えられる。
ここで、補強プレート30の断面積S2を、2つの切断片26Fの合計の断面積S1とボルト孔32Aによる欠損部分の断面積S3との合計以上の大きさに設定すると、補強プレート30を含むブレース材26の全体断面積が元の断面積以上となる。そして、各部材の耐力F(N)=断面積S(mm)×強度K(N/mm)で求められるため、補強プレート30の断面積S2に補強プレート30の強度K1を乗じた耐力F1が、2つの切断片26Fの合計の断面積(S1)とボルト孔32Aによる欠損部分の断面積S3との合計の断面積にブレース材26の強度K2を乗じた耐力F2以上となれば、ブレース材26の耐力を維持又は増加させることができる。このとき、補強プレート30の耐力F1が、元のブレース材26の欠損部分の耐力F2と同等以上となる条件式(これを条件式Aとする)は、F1≧F2、即ち、K1×S2≧K2×(S1+S3)と表せる。
この条件式Aにおいて、補強プレート30の強度K1、ブレース材26の強度K2は予め設定されているので、後は条件式Aを成立させるように各断面積S1、S2、S3を設定して、補強プレート30の厚さT及び切断長さW2等を求めればよい。なお、ボルト孔32Aによるブレース材26の欠損部分の断面積S3は、ブレース材26で必要最小限の耐力が得られればよい場合は条件式Aから除いてもよい。つまり、ボルト孔32Bが形成された補強プレート30の断面積S2に強度K1を乗じた値が2箇所の切断片26Fの断面積S1に強度K2を乗じた値以上の大きさであれば、必要最小限の耐力が得られる。
なお、ブレース材26の切断した側のウェブ26Aに溶接された補強プレート30の表面30Aは、上フランジ26B及び下フランジ26Cの切断面Cと揃えられ、同一平面(平面Mとする)上に配置されることになる。
次に、座屈補剛ブレース10の製作手順及び接合手順について説明する。
図1に示すように、建物20の架構16の寸法に合わせてI形鋼からなるブレース材26を製作する。なお、ブレース材26の軸方向の長さはL1、幅方向の長さはW1となっており、ウェブ26A表面から一方の上フランジ26Bの端面又は下フランジ26Cの端面までの長さは別途設定されている。一方、ブレース材26の外形寸法よりも大きい内形寸法を有する四角筒状の鋼管28を製作する。このとき、ブレース材26と鋼管28とのクリアランスは考慮しなくてもよい。
続いて、図2(a)、(b)に示すように、鋼管28の内壁とのクリアランスが数ミリメータとなるように寸法を設定したリブプレート38A〜38Dを、一例として、ブレース材26の軸方向中央に1箇所、両端に3箇所ずつの合計7箇所で、軸方向を面外方向として、それぞれ鋼管28の内壁へ向けて上下左右に溶接により固定する。
続いて、図2(a)及び図6(a)に示すように、ブレース材26のそれぞれの端部B3において、接合される側の上フランジ26B及び下フランジ26Cを各切断片26Fの合計の断面積がS1となるように、軸方向の長さL3、幅方向の長さW2(図5参照)で切断して切欠部39を形成する。このとき、上フランジ26B及び下フランジ26Cにおける切断部分のウェブ26A表面から切断面Cまでの長さはTとなる。なお、ブレース材26の端部B2についても端部B3と同様の手順で接合が行われるため、端部B2についての説明は省略する。
続いて、図2(b)及び図6(b)に示すように、ブレース材26の上フランジ26B及び下フランジ26Cが切断された側のウェブ26Aに、厚さT(図5参照)の補強プレート30の縦の長さH2、横の長さL4の表面を接触させると共に、該補強プレート30の周縁部を溶接して固定する。溶接された補強プレート30は、上端面から上フランジ26Bの下面までの長さと、下端面から下フランジ26Cの上面までの長さが等しくなっており、対称配置となっている。
ここで、上フランジ26B及び下フランジ26Cにおける切断部分のウェブ26A表面から切断面Cまでの長さがTであり、補強プレート30の厚さがTとなっているため、上フランジ26B及び下フランジ26Cの切断面Cと、補強プレート30の表面30Aとが同一平面M上に配置され揃えられる。なお、図5に示すように、補強プレート30は、ブレース材26の上フランジ26B、下フランジ26Cとウェブ26Aとの接合部に形成されたフィレット部26Dを除いた平面部26Eに溶接されるので、ウェブ26Aと補強プレート30の間に隙間ができにくくなり、補強プレート30の表面30Aと上フランジ26B、下フランジ26Cの切断面Cとを揃え易くなっている。
続いて、図6(c)に示すように、ブレース材26のウェブ26A及び補強プレート30に図示しないドリル等を用いて、ブレース側ボルト孔としての連通したボルト孔32A、32Bを形成する。ここで、ボルト孔32A、32Bは、ブレース材26の端部B3において、それぞれ高さ方向に2段、軸方向に5箇所の合計10箇所形成される。
続いて、図2(a)に示すように、鋼管28内にブレース材26を挿通し、ブレース材26の端部B2、B3が、それぞれ鋼管28の両端面から外側へ長さL3で突出するように配置する。なお、図示を省略するが、鋼管28へのブレース材26の挿通後、鋼管28の一方端の開口部に鍔(ツバ)を設け、ブレース材26の端部B3にストッパー部材を設けて、鋼管28内でのブレース材26の偏りを防止する。
続いて、図6(d)に示すように、予めボルト孔32A、32Bに合わせてボルト孔32Cが形成されると共に架構16(図1参照)に設けられた接合部22C、22Dのウェブ23Aの一方の面に対して、補強プレート30の表面30Aを当てて、ボルト孔32A、32B、及びボルト孔32Cへ高力ボルト34を挿入してナット36を締結し、ブレース材26の一方の端部B3をそれぞれ接合する。同様にして、ブレース材26の他方の端部B2をそれぞれ接合部22A、22Bに接合する。このようにして、図1に示すように、架構16の構面18内に2つの座屈補剛ブレース10が接合される。
次に、本発明の実施形態の作用について説明する。
図4(b)に示すように、座屈補剛ブレース10では、ブレース材26の上フランジ26B及び下フランジ26Cを切断しているため、上フランジ26B及び下フランジ26Cを切断せずに接合する場合に比べて、ブレース材26の軸中心(BO)と接合部22A〜22Dとが近づくことになる。これにより、構面18(図1参照)内でのブレース材26の偏心を防ぐことができる。
また、座屈補剛ブレース10では、ブレース材26を接合部22A〜22Dに片面側から接合することができるので、接合作業時にブレース材26の両面側で作業する必要が無く、2枚のガセットプレートでブレース材及び接合部を挟んで接合するものに比べて、座屈補剛ブレース10の接合作業を容易に行うことができる。さらに、補強プレート30によってブレース材26の断面積の欠損が補われるので、溶接接合方式に比べて断面の欠損が多くなるボルト接合方式を積極的に用いることができる。これにより、ブレース材26の接合作業において溶接を行わなくて済み、座屈補剛ブレース10の接合作業を容易に行うことができる。
さらに、座屈補剛ブレース10では、ブレース材26のウェブ26A、上フランジ26B、及び下フランジ26Cで囲まれた領域内に補強プレート30が溶接されるので、補強プレート30の大きさに合わせてブレース材26の両端部を拡幅する必要はない。このため、座屈補剛ブレース10全体が大型化するのを抑えることができる。また、ブレース材26の接合される部位が、接合部22A〜22Dのウェブ23A、上フランジ23B、及び下フランジ23Cで囲まれた領域に内包されるので、接合部22A〜22Dの省スペース化も可能となる。
また、図5及び前述の条件式Aに示すように、座屈補剛ブレース10は、ボルト孔32Bが形成された補強プレート30の断面積S2に補強プレート30の強度K1を乗じた値が、切断片26Fの合計の断面積S1とボルト孔32Aによる欠損部の合計の断面積S3との合計にブレース材26の強度K2を乗じた値以上の大きさとなっている。即ち、条件式Aとなっているので、座屈補剛ブレース10では、補強プレート30で補強した後のブレース材26全体の耐力が、元のブレース材26の耐力以上となり、接合部22A〜22Dにおけるブレース材26の耐力が低下するのを抑えることができる。
次に、架構16に接合された座屈補剛ブレース10の変形について説明する。
図1において、地震により建物20の架構16が変形し、座屈補剛ブレース10に対して引張力が働いた場合は、ブレース材26の引張耐力によって架構16の変形が抑えられる。一方、座屈補剛ブレース10に対して圧縮力が働いた場合は、ブレース材26が座屈変形しようとするが、鋼管28がブレース材26の座屈変形を抑制する。そして、ブレース材26の圧縮耐力によって架構16の変形が抑えられる。このように、座屈補剛ブレース10は、引張力及び圧縮力に耐力を持っている。
図3(b)に示すように、座屈補剛ブレース10では、補強プレート30の長さL4がブレース材26の端部B2、B3の長さL3よりも長いため、軸方向(矢印X方向)における補強プレート30の端部は鋼管28内に配置されている。ここで、構面18(図1参照)に外力が作用してブレース材26が変形するとき、鋼管28の外側のブレース材26、即ちブレース材26の端部B2、B3に形成される塑性ヒンジの箇所には、補強プレート30の端部が位置しない。これにより、塑性ヒンジの箇所におけるブレース材26の過度の変形を抑えることができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
構面18内に接合する座屈補剛ブレース10の数は、1つであってもよく、2つ以上の複数であってもよい。また、ブレース材26の切断片26Fの形状は、長方形に限定されるものではなく、曲線部分を有する形状であってもよい。さらに、ブレース材26の端部B2、B3に形成されるボルト孔32Aは、10箇所に限定されるものではなく、2箇所以上の複数箇所で設定されていてもよい。
鋼管28は、四角形の筒体以外に丸形や多角形の断面を有するものであってもよい。また、ブレース材26の軸方向におけるリブプレート38A〜38Dを設ける位置は、7箇所に限定されるものではなく、ブレース材26の中央と両端部の3箇所以上の複数箇所で設定してもよい。さらに、図7に示すように、ブレース材26は、端部B2、B3が平面視で左右逆対称に形成されているものであってもよい。
10 座屈補剛ブレース(座屈補剛ブレース)
18 構面(構面)
22A 接合部(接合部)
22B 接合部(接合部)
22C 接合部(接合部)
22D 接合部(接合部)
26 ブレース材(ブレース材)
26A ウェブ(ウェブ)
26B 上フランジ(フランジ)
26C 下フランジ(フランジ)
26E 平面部(平坦面)
26F 切断片
28 鋼管(補剛筒体)
30 補強プレート(プレート)
32A ボルト孔(ブレース側ボルト孔、ボルト孔)
32B ボルト孔(ブレース側ボルト孔、ボルト孔)
32C ボルト孔(接合部側ボルト孔)
34 高力ボルト(ボルト)
C 切断面(切断面)

Claims (6)

  1. 構面内に斜めに配置されるI形鋼又はH形鋼からなるブレース材と、前記ブレース材へ外挿される補剛筒体と、を有する座屈補剛ブレースを前記構面内に設けられた接合部に接合する座屈補剛ブレースの接合方法において、
    前記ブレース材の端部のフランジを切断する工程と、
    前記ブレース材の前記フランジが切断された側のウェブにプレートを溶接し、前記フランジの切断面と前記プレートの表面を揃える工程と、
    前記ブレース材のウェブと前記プレートにブレース側ボルト孔を形成する工程と、
    接合部側ボルト孔が形成された接合部に前記プレートを当てて、前記ブレース側ボルト孔及び前記接合部側ボルト孔へボルトを挿入して接合する工程と、
    を有する座屈補剛ブレースの接合方法。
  2. 前記接合部をH形鋼で形成し、
    前記プレートの表面を前記H形鋼のウェブに接触させる請求項1に記載の座屈補剛ブレースの接合方法。
  3. I形鋼又はH形鋼からなり、構面内に設けられた接合部に接合される側のフランジが切断されたブレース材と、
    前記ブレース材へ外挿される補剛筒体と、
    前記ブレース材の前記フランジが切断された側のウェブに溶接され、表面が前記フランジの切断面と揃えられたプレートと、
    前記ブレース材のウェブ及び前記プレートに形成されボルトが挿入されるボルト孔と、
    を有する座屈補剛ブレース。
  4. 前記ボルト孔が形成された前記プレートの断面積に前記プレートの強度を乗じて得られる耐力が、前記フランジの切断片の断面積に前記ブレース材の強度を乗じて得られる耐力以上の大きさである請求項3に記載の座屈補剛ブレース。
  5. 前記プレートは、前記ブレース材の前記ウェブの平坦面に溶接されている請求項3又は請求項4に記載の座屈補剛ブレース。
  6. 前記プレートの端部が前記補剛筒体内に配置されている請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の座屈補剛ブレース。
JP2010259339A 2010-11-19 2010-11-19 座屈補剛ブレースの接合方法及び座屈補剛ブレース Active JP5579582B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010259339A JP5579582B2 (ja) 2010-11-19 2010-11-19 座屈補剛ブレースの接合方法及び座屈補剛ブレース

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010259339A JP5579582B2 (ja) 2010-11-19 2010-11-19 座屈補剛ブレースの接合方法及び座屈補剛ブレース

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012112098A JP2012112098A (ja) 2012-06-14
JP5579582B2 true JP5579582B2 (ja) 2014-08-27

Family

ID=46496605

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010259339A Active JP5579582B2 (ja) 2010-11-19 2010-11-19 座屈補剛ブレースの接合方法及び座屈補剛ブレース

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5579582B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6545502B2 (ja) * 2015-03-30 2019-07-17 大和ハウス工業株式会社 座屈拘束ブレース
JP6678436B2 (ja) * 2015-11-26 2020-04-08 株式会社竹中工務店 制振ブレース
CN105735130B (zh) * 2016-03-01 2017-06-20 中铁大桥勘测设计院集团有限公司 具有摩擦面自保护功能的插入式桁架杆件的施工方法
JP7329110B1 (ja) 2022-07-29 2023-08-17 東急建設株式会社 鉄骨ブレースの端部構造及びその構築方法
CN115217234B (zh) * 2022-08-08 2023-06-27 西安交通大学 一种摩擦阻尼器与防屈曲约束支撑组合的多阶耗能支撑

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3997289B2 (ja) * 2007-02-08 2007-10-24 三菱重工業株式会社 履歴型ダンパーを備えた構造部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012112098A (ja) 2012-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5741356B2 (ja) ラーメン骨組の柱梁接合部
JP5579582B2 (ja) 座屈補剛ブレースの接合方法及び座屈補剛ブレース
JP5999749B2 (ja) 鉄骨構造物柱梁接合部の梁と突起付き内ダイアフラム直結工法
JP2012007303A (ja) 耐震補強構造
JP4576899B2 (ja) 柱梁接合構造の製造方法及び柱梁接合構造
JP2018178466A (ja) ダンパー、及びダンパーの製作方法
JP6536323B2 (ja) 鋼矢板の縦継構造及び鋼矢板壁
JP6589922B2 (ja) 梁の補強構造および梁の補強工法
KR101490812B1 (ko) 강-콘크리트 합성부재용 후프 일체형 선조립 골조
JP6013028B2 (ja) 外殻構造
JP6754552B2 (ja) 柱梁架構
JP6105878B2 (ja) 鉄骨梁および柱梁接合構造
JP5542307B2 (ja) 柱梁接合構造
JP6390360B2 (ja) 鉄筋コンクリート梁と鋼管柱との接合構造及び方法
JP2018119364A (ja) 鋼板耐震壁、耐震フレームおよびこれを備えた建物
WO2018012495A1 (ja) 柱梁接合構造
JP2010255227A (ja) 柱梁接合構造、及び、鉄筋コンクリート部材
KR102366228B1 (ko) 기둥-빔 접합 구조의 제조 방법 및 기둥-빔 접합 구조
JP2017145670A (ja) 柱梁接合構造の製造方法及び柱梁接合構造
JP2021025222A (ja) 鋼管柱の継手構造
JP6682903B2 (ja) H形断面部材の座屈補剛構造と鉄骨構造
KR102175363B1 (ko) 기둥과 보의 접합을 위한 접합부 코어
JP6390284B2 (ja) 柱梁接合構造
JP6393498B2 (ja) 柱梁構造、及び柱梁構造の構築方法
KR101953015B1 (ko) 철골건물 내진성능향상을 위한 가새 보강부재 및 이를 이용한 가새의 무용접/비좌굴 보강방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140701

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140709

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Ref document number: 5579582

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150