JP6678436B2 - 制振ブレース - Google Patents

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Description

本発明は、座屈補剛された制振ブレースに関する。
補剛管内にブレース鋼材を挿入して構成され、ブレース鋼材の座屈を抑制する座屈補剛ブレースがある。例えば、特許文献1には、補剛管としての鋼管内にブレース鋼材が挿入され、ブレース鋼材の軸方向の中央部と両端部とに部分的に設けられたリブプレートにより、ブレース鋼材と鋼管の内壁との間に所定のクリアランスを確保した座屈補剛ブレースが開示されている。
一方、補剛管内に挿入したブレース鋼材に耐力差を設け、耐力の小さい部分を塑性変形させて振動エネルギーを吸収することにより制振効果を発揮させる制振ブレースがある。
しかし、この制振ブレースに対して、特許文献1のようにブレース鋼材にリブプレートを部分的に設けても、ブレース鋼材の耐力の小さい部分がリブプレート間で座屈してしまい圧縮耐力が低下してしまうので、この耐力の小さい部分を十分に塑性変形させるのが難しい。
特開2012−112098号公報
本発明は係る事実を考慮し、ブレース鋼材が十分に塑性変形できるようにブレース鋼材と補剛管の内壁との間にクリアランスを確保することを課題とする。
第1態様の発明は、建物の架構に取り付けられ、中央部分が端部分より耐力の小さいブレース鋼材と、前記ブレース鋼材が内側に挿通された補剛管と、前記中央部分に沿って前記中央部分と前記補剛管の内壁との間に配置され、前記中央部分と前記補剛管の内壁との間にクリアランスを形成した第1スペーサーと、前記端部分の一部と前記補剛管の内壁との間に配置され、前記端部分と前記補剛管の内壁との間にクリアランスを形成した第2スペーサーと、を有する制振ブレースである。
第1態様の発明では、建物の架構が小地震等により小変形したときに、耐力差を有するブレース鋼材の中央部分が塑性変形しながら振動エネルギーを吸収し、制振効果を発揮することができる。
また、建物の架構が大地震等により大変形したときに、ブレース鋼材の中央部分は、ブレース鋼材の中央部分に沿ってブレース鋼材の中央部分と補剛管の内壁との間に配置された第1スペーサーによってブレース鋼材の中央部分と補剛管の内壁との間で圧縮軸力を伝達することなくブレース鋼材の中央部分と補剛管の内壁との間にクリアランスが確保された状態で、補剛管により座屈補剛されて座屈することなく塑性変形しながら安定した振動エネルギー吸収能力を発揮するとともに、優れた繰り返し変形能力による良好な疲労特性を発揮することができる。
さらに、第2スペーサーによってブレース鋼材の端部分と補剛管の内壁との間にクリアランスを確保することにより、ブレース鋼材の端部分に作用する圧縮軸力をブレース鋼材の中央部分に効率よく伝えることができる。すなわち、ブレース鋼材の中央部分が十分に塑性変形できるように、第1スペーサー及び第2スペーサーによってブレース鋼材と補剛管の内壁との間にクリアランスを確保することができる。
これらにより、制振ブレースは、建物の架構に生じる小変形から大変形までの変形に対して制振効果を発揮することができる。
第2態様の発明は、第1態様の制振ブレースにおいて、前記補剛管の両端部には、内周形状が前記補剛管の内周形状よりも小さい枠形状のフランジが設けられている。
第3態様の発明は、第1態様の制振ブレースにおいて、前記ブレース鋼材の外周面の前記補剛管よりも軸方向外側の部位に、前記ブレース鋼材の軸方向と交差する方向の端部が前記補剛管の端部よりも当該交差する方向の外側とされた略板形状のストッパー部材が設けられている。
第4態様の発明は、第1態様から第3態様の何れか1態様の制振ブレースにおいて、前記第1スペーサーの一端部は、前記端部分に接合されている。
第4態様の発明では、第1スペーサーの一端部が、ブレース鋼材の端部分に接合されているので、第1スペーサーによって抑制されずにブレース鋼材の中央部分を塑性変形させることができる。
第5態様の発明は、第1態様から第4態様の何れか1態様の制振ブレースにおいて、前記第1スペーサーは、間隔をおいて並列に複数配置され、保持部材により互いに連結された棒状部材である。
第5態様の発明では、補剛管の内壁面に対して棒状部材を所定間隔で配置させることができ、ブレース鋼材の中央部分と補剛管の内壁との間に所定のクリアランスを確保することができる。
本発明は上記構成としたので、ブレース鋼材が十分に塑性変形できるようにブレース鋼材と補剛管の内壁との間にクリアランスを確保することができる。
本発明の実施形態に係る制振ブレースを示す平面図である。 本発明の実施形態に係る制振ブレースを示す側面断面図である。 図2のA−A断面図及びB−B断面図である。 図2のC−C断面図である。 図2のD−D断面図及びE−E断面図である。 図2のF−F断面図及びG−G断面図である。 本発明の実施形態に係るブレース鋼材を示す平面図である。
図を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。まず、本発明の実施形態に係る制振ブレースについて説明する。
図1の平面図、及び図2の側面断面図に示すように、本実施形態の制振ブレース10は、心材としてのブレース鋼材12、補剛管14、第1スペーサー16、及び第2スペーサー18を有して構成されている。
制振ブレース10は、鉄骨造の建物の有する柱梁架構(不図示)の構面内に配置され、この柱梁架構にブレースとして機能するように取り付けられている。図1及び図2には、柱梁架構に設けられた接合部20、22に、添え板24、26、ボルト28、及びナット30によって、一端部(ブレース鋼材12の端部分32の端部に設けられた接合部36)と他端部(ブレース鋼材12の端部分34の端部に設けられた接合部38)とが接合された制振ブレース10が示されている。説明の都合上、図1及び図2には、制振ブレース10が水平に配置されているように描かれているが、制振ブレース10は、制振ブレース10の一端部(接合部36)が他端部(接合部38)よりも高くなるようにして、又は他端部(接合部38)が一端部(接合部36)よりも高くなるようにして斜めに配置されて柱梁架構に取り付けられている。
図2、図2のA−A断面図及びB−B断面図である図3、図2のC−C断面図である図4、図2のD−D断面図及びE−E断面図である図5、並びに図2F−F断面図及びG−G断面図である図6に示すように、ブレース鋼材12は、中央部分40が、極軟鋼(例えば、LY225鋼材)からなるH形鋼により形成された中央部材42により構成され、中央部分40以外の端部分32、34が一般鋼(例えば、SN490B鋼材)からなるH形鋼により形成された端部材44、46により構成されている。すなわち、ブレース鋼材12は、中央部分40が端部分32、34よりも耐力が小さい、耐力差を有する部材となっている。
ブレース鋼材12は、平鋼を溶接により接合して組み立てられたビルトH形鋼である。また、端部材44、46、及び中央部材42の断面は、同一であり、これらの部材のフランジ幅、厚さ、ウェブ高さ、厚さは同一になっている。中央部材42と端部材44の端部同士、及び中央部材42と端部材46の端部同士は、溶接により接合されている。
図1〜5に示すように、補剛管14は、冷間成形により形成された既製の角形鋼管により構成され、内側にブレース鋼材12が挿通されて配置されている。なお、補剛管14は、平鋼を溶接により接合して組み立てられたビルト鋼管としてもよい。
図2、及び図7の平面図に示すように、第1スペーサー16は、棒状部材としての長尺の丸鋼からなり、ブレース鋼材12の中央部分40の上面(上フランジのフランジ面)と下面(下フランジのフランジ面)において、ブレース鋼材12の中央部分40の上面と下面との全長に沿って中央部分40(フランジ面)と補剛管14の内壁(内壁面)との間に、制振ブレース10の幅方向48に対して所定間隔をおいて並列に複数(本例では、3つ)配置されている。
また、第1スペーサー16は、一端部が端部分32のフランジ面に溶接接合され、他の部分がブレース鋼材12に接合されていない。なお、第1スペーサー16は、他端部が端部分34のフランジ面に溶接接合され、他の部分がブレース鋼材12に接合されていないようにしてもよい。
図7に示すように、複数の第1スペーサー16は、第1スペーサー16の軸方向中央部に配置された保持部材としての位置保持プレート50と、第1スペーサー16の他端部に配置された保持部材としての位置保持プレート52とによって互いに連結され、所定間隔の配置が保持されている。位置保持プレート50、52は、ブレース鋼材12の中央部分40、ブレース鋼材12の端部分34や、補剛管14の内壁には接合されておらず、ブレース鋼材12の中央部分40、ブレース鋼材12の端部分34や、補剛管14の内壁と相対移動可能に設けられている。なお、複数の第1スペーサー16は、位置保持プレート50及び位置保持プレート52の少なくとも一方によって互いに連結されていればよい。
図2、図3、及び図7に示すように、第2スペーサー18は、鋼板からなり、ブレース鋼材12の端部分32、34の上面(上フランジのフランジ面)と下面(下フランジのフランジ面)において、端部分32、34の一部と補剛管14の内壁との間に配置されている。すなわち、第2スペーサー18は、端部分32、34と補剛管14の内壁との間に部分的に配置されている。第2スペーサー18は、ブレース鋼材12の端部分32、34のフランジ面に溶接接合されている。
図2、及び図4に示すように、第1スペーサー16によって、ブレース鋼材12の中央部分40の全長に沿って中央部分40(フランジ面)と補剛管14の内壁(内壁面)との間に所定のクリアランスSが形成されている。また、第1スペーサー16と補剛管14の内壁面との間には、隙間(例えば、3〜5mm程度の隙間)が形成されている。
このように、ブレース鋼材12の中央部分40(フランジ面)と、補剛管14の内壁(内壁面)との間に第1スペーサー16を介在させることによって、ブレース鋼材12に所定の圧縮軸力が作用してブレース鋼材12の中央部分40の断面が上下方向54へ膨らんだ状態においても、ブレース鋼材12の中央部分40(フランジ面)が補剛管14の内壁(内壁面)に上下で同時に直接接触しないようにすることができる。これにより、ブレース鋼材12に所定の圧縮軸力が作用したときに、ブレース鋼材12の中央部分40(フランジ面)と補剛管14の内壁(内壁面)との間で圧縮軸力を伝達することなくブレース鋼材12の中央部分40(フランジ面)と補剛管14の内壁(内壁面)との間にクリアランスが確保された状態で、補剛管14により座屈補剛されて座屈することなくブレース鋼材12の中央部分40を塑性変形させることができる。
図2、及び図3に示すように、第2スペーサー18によって、ブレース鋼材12の端部分32、34(フランジ面)と補剛管14の内壁(内壁面)との間に所定のクリアランスSが形成されている。また、第2スペーサー18と補剛管14の内壁面との間には、隙間(例えば、1〜2mm程度の隙間)が形成されている。
このように、ブレース鋼材12の端部分32、34(フランジ面)と、補剛管14の内壁(内壁面)との間に第2スペーサー18を介在させることによって、ブレース鋼材12に所定の圧縮軸力が作用してブレース鋼材12の端部分32、34の断面が端部分32、34の弾性変形により上下方向54へ僅かに膨らんだ状態においても、ブレース鋼材12の端部分32、34(フランジ面)が補剛管14の内壁(内壁面)に上下で同時に直接接触しないようにすることができる。すなわち、第2スペーサー18によってブレース鋼材12の端部分32、34(フランジ面)と補剛管14の内壁(内壁面)との間にクリアランスを確保することができ、これによって、ブレース鋼材12の端部分32、34に作用する圧縮軸力をブレース鋼材12の中央部分40に効率よく伝えることができる。
図3〜5に示すように、制振ブレース10の幅方向48に対する、ブレース鋼材12の中央部分40(フランジ端面)と補剛管14の内壁(内壁面)、及びブレース鋼材12の端部分32、34(フランジ端面)と補剛管14の内壁(内壁面)とのクリアランスは、中央部分40及び端部分32、34のフランジ幅の長さで設定する。
図1、図2、及び図6に示すように、補剛管14の端部には、鋼製のフランジ56、58が設けられている。フランジ56、58は、枠状に形成されており、ブレース鋼材12に圧縮軸力と引張軸力が繰り返し作用した際に、ブレース鋼材12の端部分32、42が補剛管14の内壁に当たって補剛管14の端部の開口部が外側へ開いてしまうのを抑制するために設けられている。これにより、補剛管14の端部の開口部が外側へ開いてしまうことによって補剛管14によるブレース鋼材12の補剛効果が低減されてしまうのを抑制することができる。
図2及び図6に示すように、フランジ56、58によって、ブレース鋼材12の端部分32、34(フランジ面)と補剛管14の内壁(内壁面)との間に所定のクリアランスS(図5を参照のこと)が形成されている。また、ブレース鋼材12の端部分32、34(フランジ面)とフランジ56、58の内面との間には、隙間(例えば、1〜2mm程度の隙間)が形成されている。
このように、フランジ56、58は、第2スペーサー18と同様に、ブレース鋼材12に所定の圧縮軸力が作用してブレース鋼材12の端部分32、34の断面が端部分32、34の弾性変形により上下方向54へ僅かに膨らんだ状態においても、ブレース鋼材12の端部分32、34(フランジ面)が補剛管14の内壁(内壁面)に上下で同時に直接接触しないようにすることができる。すなわち、フランジ56、58によってブレース鋼材12の端部分32、34(フランジ面)と補剛管14の内壁(内壁面)との間にクリアランスを確保することができ、これによって、ブレース鋼材12の端部分32、34に作用する圧縮軸力をブレース鋼材12の中央部分40に効率よく伝えることができる。また、フランジ56、58は、ブレース鋼材12に所定の圧縮軸力が作用してブレース鋼材12の端部分32、34の断面が端部分32、34の弾性変形により幅方向48へ僅かに膨らんだ状態においても、ブレース鋼材12の端部分32、34(フランジ面)が補剛管14の内壁(内壁面)に左右で同時に直接接触しないようにすることができ、ブレース鋼材12の端部分32、34に作用する圧縮軸力をブレース鋼材12の中央部分40に効率よく伝えることができる。
図1及び図2に示すように、ブレース鋼材12の上下面(フランジ面)には、鋼板からなるストッパー部材60、62が設けられている。ストッパー部材60、62は、制振ブレース10の軸方向64に対して、補剛管14がブレース鋼材12から抜け出てしまうのを防止している。
制振ブレース10は、例えば、以下の手順によって製作する。
まず、図7に示すように、第1スペーサー16に位置保持プレート50、52を溶接して、複数の第1スペーサー16を位置保持プレート50、52により互いに連結する。
次に、図7に示すように、第1スペーサー16の一端部をブレース鋼材12の端部分32の端部(フランジ面)に溶接する。
次に、図7に示すように、ブレース鋼材12の端部分32、34に第2スペーサー18を溶接接合する。
次に、図1に示すように、フランジ56、58が設けられたブレース鋼材12を補剛管14の内側へ挿入して配置する。
次に、図2に示すように、ブレース鋼材12の上下面(フランジ面)に、ストッパー部材60、62を溶接接合により取り付ける。
次に、本発明の実施形態に係る制振ブレースの作用と効果について説明する。
本実施形態の制振ブレース10では、図2に示すように、建物の柱梁架構が小地震等により小変形したときに、耐力差を有するブレース鋼材12の中央部分40が塑性変形しながら振動エネルギーを吸収し、制振効果を発揮することができる。
また、建物の柱梁架構が大地震等により大変形したときに、ブレース鋼材12の中央部分40は、ブレース鋼材12の中央部分40に沿ってブレース鋼材12の中央部分40(フランジ面)と補剛管14の内壁(内壁面)との間に配置された第1スペーサー16によって、ブレース鋼材12の中央部分40の全長に渡ってブレース鋼材12の中央部分40(フランジ面)と補剛管14の内壁(内壁面)との間で圧縮軸力を伝達することなくブレース鋼材12の中央部分40(フランジ面)と補剛管14の内壁(内壁面)との間にクリアランスが確保された状態で、補剛管14により座屈補剛されて座屈することなく塑性変形しながら安定した振動エネルギー吸収能力を発揮するとともに、優れた繰り返し変形能力による良好な疲労特性を発揮することができる。
さらに、第2スペーサー18によってブレース鋼材12の端部分32、34(フランジ面)と補剛管14の内壁(内壁面)との間にクリアランスを確保することにより、ブレース鋼材12の端部分32、34に作用する圧縮軸力をブレース鋼材12の中央部分40に効率よく伝えることができる。すなわち、ブレース鋼材12の中央部分40が十分に塑性変形できるように、第1スペーサー16及び第2スペーサー18によってブレース鋼材12(フランジ面)と補剛管14の内壁(内壁面)との間にクリアランスを確保することができる。
これらにより、制振ブレース10は、建物の柱梁架構に生じる小変形から大変形までの変形に対して制振効果を発揮することができる。
また、図2に示すように、制振ブレース10は、第1スペーサー16と第2スペーサー18を有することにより、冷間成形角形鋼管等の既製品を補剛管14として用いても、ブレース鋼材12(フランジ面)と補剛管14の内壁(内壁面)との間に所定のクリアランスを確保することができる。補剛管14を、平鋼を溶接により接合して組み立てられたビルト箱形鋼とした場合、溶接箇所が多く、施工手間が掛かるので、補剛管14に冷間成形角形鋼管を用いることは有効となる。
また、本実施形態の制振ブレース10では、第1スペーサー16の一端部が、ブレース鋼材12の端部分32に接合され、他の部分がブレース鋼材12に接合されていないので、第1スペーサー16によって抑制されずにブレース鋼材12の中央部分40を塑性変形させることができる。また、第1スペーサー16は、ブレース鋼材12の中央部分40に接合されていないので、ブレース鋼材12の中央部分40が塑性変形するときの疲労特性が低減されることなく振動エネルギーを十分に吸収することができる。
さらに、本実施形態の制振ブレース10では、複数の第1スペーサー16が位置保持プレート50、52によって互いに連結されているので、補剛管14の内壁面に対して第1スペーサー16を所定間隔で配置させることができ、ブレース鋼材12の中央部分40(フランジ面)と補剛管14の内壁(内壁面)との間に所定のクリアランスを確保することができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、本実施形態では、図2に示すように、ブレース鋼材12の中央部分40を極軟鋼からなるH形鋼により構成し、ブレース鋼材12の端部分32、34を一般鋼からなるH形鋼により構成して、中央部分40の耐力を端部分32、34よりも小さくした例を示したが、ブレース鋼材12の中央部分40の耐力がブレース鋼材12の端部分32、34よりも小さくなっていればよい。
例えば、本実施形態のようにブレース鋼材12の端部分32、34よりも耐力の小さい材料によって、ブレース鋼材12の中央部分40を形成してもよいし、ブレース鋼材12の端部分32、34よりもブレース鋼材12の中央部分40の断面積を小さくしてもよい。また、例えば、ブレース鋼材12の端部分32、34よりも耐力の小さい材料によって、ブレース鋼材12の中央部分40を形成するとともに、ブレース鋼材12の端部分32、34よりもブレース鋼材12の中央部分40の断面積を小さくしてもよい。
また、本実施形態では、図7に示すように、第1スペーサー16を丸鋼とした例を示したが、第1スペーサーは、ブレース鋼材12に所定の圧縮軸力が作用したときに、ブレース鋼材12の中央部分40(フランジ面)と補剛管14の内壁(内壁面)との間にクリアランスが確保された状態で、ブレース鋼材12の中央部分40を塑性変形させることができる長尺部材であればよい。例えば、第1スペーサーを鉄筋棒や平鋼により構成してもよい。
さらに、本実施形態では、図2に示すように、第1スペーサー16の一端部が端部分32のフランジ面に溶接接合され、他の部分がブレース鋼材12に接合されていない例を示したが、第1スペーサー16が、補剛管14の内壁に接合され、ブレース鋼材12には接合されていないようにしてもよい。
また、本実施形態では、図2に示すように、ブレース鋼材12の端部分32、34の上面(上フランジのフランジ面)と下面(下フランジのフランジ面)において、端部分32、34と補剛管14の内壁との間に第2スペーサー18をそれぞれ1つ配置した例を示したが、ブレース鋼材12の端部分32、34の上面(上フランジのフランジ面)と下面(下フランジのフランジ面)において、端部分32、34と補剛管14の内壁との間に第2スペーサー18をそれぞれ幾つ配置してもよい。また、フランジ56、58や、第1スペーサー16の一端部や他端部を第2スペーサーとしてもよい。
さらに、本実施形態では、制振ブレース10が鉄骨造の建物の有する柱梁架構に取り付けられている例を示したが、本実施形態の制振ブレース10は、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、CFT造(Concrete-Filled Steel Tube:充填形鋼管コンクリート構造)、それらの混合構造など、さまざまな構造や規模の建物の有する柱梁架構に対して適用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 制振ブレース
12 ブレース鋼材
14 補剛管
16 第1スペーサー
18 第2スペーサー
32、34 端部分
40 中央部分
50、52 位置保持プレート(保持部材)

Claims (5)

  1. 建物の架構に取り付けられ、中央部分が端部分より耐力の小さいブレース鋼材と、
    前記ブレース鋼材が内側に挿通された補剛管と、
    前記中央部分に沿って前記中央部分と前記補剛管の内壁との間に配置され、前記中央部分と前記補剛管の内壁との間にクリアランスを形成した第1スペーサーと、
    前記端部分の一部と前記補剛管の内壁との間に配置され、前記端部分と前記補剛管の内壁との間にクリアランスを形成した第2スペーサーと、
    を有する制振ブレース。
  2. 前記補剛管の両端部には、内周形状が前記補剛管の内周形状よりも小さい枠形状のフランジが設けられた請求項1に記載の制振ブレース。
  3. 前記ブレース鋼材の外周面の前記補剛管よりも軸方向外側の部位に、前記ブレース鋼材の軸方向と交差する方向の端部が前記補剛管の端部よりも当該交差する方向の外側とされた略板形状のストッパー部材が設けられた請求項1に記載の制振ブレース。
  4. 前記第1スペーサーの一端部は、前記端部分に接合されている請求項1から請求項3の何れか1項に記載の制振ブレース。
  5. 前記第1スペーサーは、間隔をおいて並列に複数配置され、保持部材により互いに連結された棒状部材である請求項1から請求項4の何れか1項に記載の制振ブレース。
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