JP5999749B2 - 鉄骨構造物柱梁接合部の梁と突起付き内ダイアフラム直結工法 - Google Patents

鉄骨構造物柱梁接合部の梁と突起付き内ダイアフラム直結工法 Download PDF

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本発明は、建築鉄骨構造物の厚肉・大径の柱梁接合部において、内ダイアフラムの周辺端部の一部に突起を設けて該突起の全周に開先を設けて、該開先付き突起を有する内ダイアフラムと梁とを柱貫通孔を通して溶接で直結する方法に関するものである。
従来の技術では、建築鉄骨構造物の柱梁接合部は、接合部は図1に示すように、薄鋼板によるダイアフラム1と短い角形鋼管2との間で溶接6を施すことによりサイコロを形成させ、このサイコロとH形鋼梁フランジ4を溶接接合7し、更に、該サイコロと角形鋼管柱5とを溶接接合して構成する事が多い。この従来の技術では、図2に示すように、サイコロの角形鋼管2とダイアフラム1との溶接6及びサイコロのダイアフラム1とH形鋼フランジ4の溶接7は裏当金10を用いて片側溶接で実施されている。このダイアフラム1と梁フランジ4との従来溶接方法では、フランジ4の接合予定端部の開先加工をしてから、裏当金10の製作及び裏当金取付の仮付溶接8を行い、本溶接7を実施している。また、ダイアフラム1と角形鋼管2又は5との溶接も角形鋼管2又は5の接合予定端部の開先加工をしてから、裏当金10の製作及び裏当金取付の仮付溶接8を行いダイアフラム1と角形鋼管2又は5との本溶接6を実施している。
柱スキンプレートが25mmを超す厚板の柱梁接合部においては、図4の柱横断面図に示すようにエレクトロスラグ溶接で柱5Aとダイアフラム1Aとを溶接接合する方法がよく用いられている。現状では、この方法が最も効率的である。柱の肉厚が大凡25mm以下の場合は、ロール又はプレスした角形鋼管がよく用いられ、エレクトロスラグ溶接法は通常用いられず炭酸ガスアーク溶接法が用いられている。
公開特許公報08−158476にあるように、角形鋼管柱にボルト貫通孔をあけてH鋼構造仕口部内部に内ダイアフラムを取付けこの内ダイアフラムにめねじを加工し,このめねじに、梁端部に取り付けたエンドプレートのボルト孔を通して高力ボルトを入れてエンドプレート側でナットを締めて梁を固定接合することを特徴とする内ダイアフラムと梁の接合を行う方法が開示されている。
また、柱面又は角部にスリットを設けて、ダイアフラム又は金物を柱内に挿入する方法が示されている。
公開特許公報08−158476 公開特許公報07−229243 公開特許公報2002−146921 公開特許公報平3−228938 公開特許公報2007−002658 公開特許公報平4−289348 公開特許公報2005−264710
従来の建築鉄骨柱梁接合部では、殆どが図1で示すサイコロで製作されており、図1及び図2に示すように、ダイアフラム1・角形鋼管2・裏当金10・エンドタブ等部材が多く、溶接6は角形鋼管2の周囲に一周しており溶接量が多い。そのため、部品製作コストが掛かると共に、サイコロ製作後角形鋼管柱から張り出したダイアフラムが折れ曲がり、いわゆる傘折れ現象が起きて、ダイアフラム1と梁フランジ4との間で目違いが起こりやすいと言う問題がある。このようにダイアフラムが柱から張り出していると外壁を該ダイアフラムの外に作る必要があり建設上取り合いが悪くなると共に居住空間が狭くなる。また、ダイアフラムの使用材料が増加するなどの問題がある。また、裏当金10を角形鋼管2の端部内周に取付け仮付溶接8を行うのは手間とコストが掛かる。また、角形鋼管2とダイアフラム1の溶接6を全周に亘って行うため、溶接量が多いので溶接残留応力が大きくなるだけでなく、裏当金10を用いると部材4,5との間で切り欠きが出来て応力集中が発生し、強度を弱める結果となる。
また、図2に示すように、従来、スカラップ11を用いているが、ダイアフラム1が存在しているために、該スカラップ加工が手間の掛かるものとなっている。スカラップ11を省略するにしてもダイアフラム1の板厚が梁フランジ4の板厚よりも大きいため、梁フランジ4の開先加工が難しい面がある。
更に、一般に溶接熱影響部は脆化し易いという性質があり、従来、2つの溶接部が近接する場合、両溶接部による熱影響部が重なって脆化が更に促進されないように、両溶接部は該熱影響部が重ならないように遠ざけるようにするのが通例である。特に、両溶接部による溶接熱影響が重なった部分が外面に露出すると問題である。図2に示すように柱5とダイアフラム1との溶接部6が、梁4とダイアフラム1との溶接部7に近接し両溶接部に挟まれた共通の溶接熱影響部が外面に生じると該熱影響部は単一の熱影響部よりも脆化しやすいと言う現象がある。このような現象のために、柱梁接合部の脆性破壊強度・疲労強度及び塑性変形性能が低下するという問題が起こる。
従来、建築鉄骨の組立は、工場においてサイコロと短尺梁を取り付けてパネルゾーンを製作し、該パネルゾーンに柱を溶接で繋ぎ、通常は建物の3階分の長さに製作し、建設現場でパネルゾーン付きの柱を直立させてから短尺梁間を長尺梁でボルト接合により連結して行う。この従来工法は、梁付きの柱は梁が1メートル程度の短尺とは言え柱に直交して2〜4方向に張り出すことがあるため工場から現場へ運送する効率が悪く、建設現場での梁同士の多数のボルトを使った接合に工数と費用が溶接よりも掛かるという問題がある。
一方、図3に示す内ダイアフラム方式の柱梁接合部は、角形鋼管柱の端部から離れた位置にある内ダイアフラム1Aを内部が良く見えない状態で角形鋼管内面に溶接接合させる必要があり、その場合内面の溶接施工が難しくなると共に、角形鋼管柱5の外側のH形鋼梁フランジと高さ位置を合わせることが難しく梁フランジから内ダイアフラムへ応力が伝えにくくなり柱梁接合部の強度が低下しやすいという問題が存在する。当然のことながら、この内ダイアフラム方式では、該内ダイアフラムを角形鋼管内面に溶接するため、角形鋼管を内ダイアフラムの近傍で切断する必要がある。更に、その切断によるその後の突合せ溶接が必要になり、それらの工数が大きく掛かることになる。
また、従来はダイアフラムと角形鋼管の短管からサイコロを製作する小組立工程と、それから、このサイコロにH形鋼梁を取り付ける中組立と、サイコロにH形鋼梁を取り付けたものに角形鋼管柱を取り付ける大組立を行う方法を採用している。この従来方法では、角形鋼管柱は各階ごとに切断して溶接接合する必要があり、複雑で製作工数が大きく掛かると言う問題がある。
また、公開特許公報08−158476では、ボルト孔が角形鋼管柱を貫通させているので、角形鋼管の強度が低下するし、この強度低下を補うためにはかなりの厚肉の角形鋼管柱を使用する必要がある。角形鋼管柱は各階ごとに切断して溶接接合する必要がある。また、本方法では、かなり大きなエンドプレートを必要とする。
公開特許公報07−229243では、内ダイアフラムをエレクトロスラグ溶接法により4面箱型鋼管柱に接合される方法や柱軸方向のスリットを柱に設けて該スリットと内ダイアフラムを縦方向に溶接する方法が述べられている。これらはいずれも鋼管柱内部に収まる内ダイアフラムを用いておりエレクトロスラグ溶接法では裏当金を用いても内ダイアフラムは柱内面及び裏当金から大きく後退させている。この内ダイアフラムはその端部に突起を有していない。このエレクトロスラグ溶接では、500〜1000KJ/cmの大入熱でなされ柱及びダイアフラムの靭性・延性が大きく低下しやすい上に、梁フランジとダイアフラム間に挟まれた柱鋼管板は板厚方向の溶接残留応力や構造からくる応力を受けてラメラテア(割れ)が起こりやすいので問題である。
公開特許公報2002−146921では、鋼管柱の4面に細長い四辺形のスリットを設けて、内ダイアフラム端部とスリットを溶接して一体化されて断面がT字形の溶接部を形成させる方法が提示されている。この場合は、内ダイアフラムの外周部に突起は形成されていない。閉じられた鋼管柱ないで突起のある内ダイアフラムは鋼管柱内に挿入できないからである。この場合はスリット内全体に溶接を実施するので柱肉厚や内ダイアフラムの板厚が大きいと溶接量が急増するという問題がある。
公開特許公報平3−228938では、角形鋼管柱の角部に横スリットを設けて、裏当金を用いて水平補強プレートの縁端部を横スリット内に溶接固着させる方法が記載されている。この構造からすると出願書類の図2に示すように水平補強プレートは分割せざるを得ず柱内部は空洞で水平補強プレートに梁軸方向からの剪断力を十分に受け止めることができないという欠点がある。また、裏当金を密閉された長い柱内に取り付けることが難しいという問題がある、
公開特許公報2007−002658では、角形鋼管柱面に全周に亘る横スリット即ちスロットを設けて、そのスロットの内側即ち角形鋼管柱内部に内ダイアフラムを設ける方法が提示されている。この方法は、角形鋼管柱と内ダイアフラムとの溶接が全周に亘るので、スロットの断面積が柱肉厚(板厚)と梁フランジ肉厚(板厚)が増すほど大きくなり、溶接量が飛躍的に大きくなるという問題があり、溶接能率が低下するという問題がある。柱の全周に亘る溶接なので柱軸方向の溶接収縮が有り切断した柱シャフト間の曲がりや方向も正確にする必要がある。
公開特許公報平4−289348では、適用柱は角形鋼管であり、4面ボックスを想定していない。本願は、角形鋼管柱面に縦方向即ち柱軸方向に縦スリットを柱面当たり4個の貫通孔を開けて、いわゆるダイアフラムを用いず金物を4個に分けて、金物の端面の突条部を取付けその突条部を縦スリットの中に挿入して柱と溶接する方法である。この方法には、次の問題がある。即ち、
(1)単なる縦スリットではスリットの端部の溶接が角張っていて溶接時に欠陥が出やすい。
(2)縦スリットの個数が多い上にビス留めの孔が多数必要であるので孔明けのコストが掛かる。
(3)複雑な形状の金物が分割型で1個の柱梁接合部に対して8個必要である。従って、ダイアフラムのような単純な1枚板に比べてコストが掛かる。
(4)金物の固定ビスが必要でビス取付の貫通孔が柱に対し断面欠損となり、ビス留め時の雨水等に対し養生が必要である。
(5)金物本体が梁軸方向に対し45°の斜材になっており、梁軸方向の荷重に対し十分な耐力が得られにくい。
(6)金物・ビス・多数の孔明け等が有り、部品数が多く形状が複雑で、組立が難しくてコストがダイアフラム方式に比べ高くなる。25mmを超える柱肉厚に対して適用は難しい。
公開特許公報2005−264710では、適用柱は角形鋼管であり、4面ボックスを想定していない。角形鋼管柱面に部分的に柱貫通の横スリット即ちスロット設けて、そのスロットの内側即ち角形鋼管柱内部に内ダイアフラムを設ける方法が提示されている。この方法は、角形鋼管柱と内ダイアフラムとの溶接が部分的になるのであるが、スロットの断面積が溶接すべき対象となり柱肉厚(板厚)と梁フランジ肉厚(板厚)が増すほど大きくなり、溶接量が飛躍的に大きくなるという問題があり、溶接能率が低下するという問題がある。
目的
本発明は、柱を各階ごとに切断することなく、大径厚肉の建築鉄骨構造物の柱梁接合部の通しダイアフラムの熱歪み・熱歪み脆化を防止し、内ダイアフラムと梁フランジの溶接によるラメラーテアを防止すると共に、柱とダイアフラムの溶接開先加工を単純化して溶接量を低減し溶接効率を高め、全周開先付きの突起を備えたダイアフラムを取付けて、柱の製作コストを低減させ、スカラップ加工や裏当金を省略して梁端の溶接を省力化すると共に、応力集中を緩和し、更に、該仕口部の強度及び塑性変形性能を向上させることを目的とする。
このような諸課題は、種々研究した。その結果、図1及び図2に示すような部材1と2で構成されるサイコロ2ではダイアフラム1の柱からの張り出しを無くして、例えば図4に示すような柱スキンプレート5F貫通のスロット27を設けて内ダイアフラム1Aと該スロットを溶接する方法が公開特許公報2007−002658にも提示されている。しかし、これでは厚板の柱と内ダイアフラムに対しては大きな溶接部が必要である。そこで、外周部に開先付きの突起を付けた内ダイアフラムを、4面箱型鋼管柱の階ごとの切断をすることなく、梁位置に相当する柱面に梁フランジ横断面形状より少し大きくし長さを柱径の4/5以上とした貫通孔を開けて、柱5とダイアフラム1との溶接部6を貫通孔溶接にして、梁4を、該貫通孔溶接部を含めて溶接接合させれば解決することを見いだした。但し、閉じられた角形鋼管柱内では突起のある内ダイアフラムを挿入することができないので、4枚の鋼板から溶接で組み立てて製作される4面箱型鋼管柱(4面ボックス柱)では、溶接組み立てる前に突起のある内ダイアフラムを部分的長さの横方向貫通孔に挿入して、4面の鋼板を組み立ててから柱を柱軸方向の縦シーム溶接してしかる後に内ダイアフラムと鋼管柱貫通孔を溶接する手順となる。
本発明における内ダイアフラムの定義は、貫通孔以外の場所でダイアフラムの外形の角の4隅が柱内径よりも小さいダイアフラムを内ダイアフラムという。従って、本発明では、この内ダイアフラム端部の直線部(辺)に突起があって柱貫通孔に挿入されても内ダイアフラムという。
そこで、請求項1に係る発明では、建築鉄骨構造物の断面が四角形の4面箱形鋼管(4面ボックス)柱を溶接組立する場合において、次の構成要素からなる。発明の第1の構成は、該4面箱形鋼管柱の少なくとも梁フランジ取付け位置の柱面の板厚25mm以上の鋼板即ちスキンプレートに、断面が四角形の4面箱形鋼管(4面ボックス)柱を溶接組立する前に、柱径の4/5以下の長さで梁フランジ幅以上の長さの円形・楕円形又はダンベル形状の貫通孔を水平方向に設けることである。柱面の板厚25mm以上としたのはこれ以下の板厚では通常の炭酸ガスアーク溶接法で容易に溶接できるからであり、貫通孔端部の外面形状を図6に示す端部が円弧の長孔又は図7に示すダンベル状にしたのは、その端部の溶接溶け込みを容易にし且つ貫通孔を開けるときに両端を錐で孔明けした後にガス切断等で端部錐孔を連結切断しやすいからである。特に、貫通孔端部を円弧でより大きな錐孔にすると2つの錐孔を連結して切断しやすいからである。貫通孔としたのはダイアフラムと鋼管柱とを柱スキンプレートの全厚に亘り柱の外面から溶接接合させるためであり、スキンプレートの板厚方向の力が掛かりにくくして柱スキンプレートのラメラーテアを防止するためである。貫通孔長さを柱径の4/5以下の長さとしたのは、これ以上の長さだと貫通孔の柱の径方向の端部では柱縦継手に裏当金がついていて貫通孔と干渉するからであり、更に溶接量も増大して効果が減じるからである。また、貫通孔長さを梁フランジ幅以上の長さとしたのは、梁フランジ断面積を確保して梁の応力を確実に内ダイアフラムに伝えるためである。発明の第2の構成は、柱内壁に近接する1枚板の内ダイアフラムの外周端面に突起を付けてその突起の全周に外開きの開先を設けて、4面箱形鋼管柱を組立する前に、該開先付きの突起の一部又は全部を、該貫通孔内に挿入させることである。この開先付き突起を設けるのは、突起のない場合より該貫通孔内の空間を減らし、柱鋼管とダイアフラムとの溶接量を減らすためである。開先付き突起の開先は、開先のない場合に比較してダイアフラム突起と貫通孔との溶接の溶け込みを可能且つ容易にするためである。また、この突起の開先は、柱組立時に突起を貫通孔に容易に挿入するのに役立つ。該突起の該貫通孔に挿入する部分の横断面積は、該貫通孔内に挿入するために、通常は該貫通孔の横断面よりも小さい断面積を持っている。また、この貫通孔長さは通常では溶接量を最小にするために該突起の底部長さより通常0〜10mm程度大きくする。発明の第3の構成は、該4面箱形鋼管柱を4枚の鋼板から溶接組立して製作することであり、その鋼管柱の溶接組立は柱の内面に長手方向に裏当金を取り付けて柱の外面から溶接接合される。発明の第4の構成は、該4面箱形鋼管柱の少なくとも外面から該貫通孔とダイアフラムを溶接することにより、H形鋼梁フランジの板厚よりも大きい板厚の内ダイアフラムと4面ボックス柱貫通孔との溶接溶け込みの縦及び横断面形状がW字形状となるようにすることである。該貫通孔内の断面の溶け込み形状は外開きの開先付きのダイアフラム突起があるために中央部が盛り上がったW形状をしている。発明の第5の構成は、該貫通孔と突起付きダイアフラムの溶接部を含めた角形鋼管柱とH形鋼梁フランジとを溶接接合することである。該貫通孔と突起付きダイアフラムの溶接部の上にH形鋼フランジを取付けて、溶接の余盛りは鋼管柱の母材まで掛かることになる。発明の第6の構成は、該4面箱形鋼管柱は4枚の鋼板から構成されてそれを組み立てて製作するので少なくとも外部からの溶接は必須であり、その柱の組み立て完了前には内部は密閉されておらず、内部の少なくとも一部は鋼管内部も溶接可能であり、内ダイアフラムの柱内部への挿入時に柱とダイアフラムの継手は内面から溶接可能とならしめていることである。内ダイアフラム外周端部突起の開先を大きめに設ければ、開先が柱内部まで延長されて開先のない場合より柱内面からの溶接で少ない溶接量を可能にする。ダイアフラム外周端部突起の開先の大小によらず内ダイアフラムと柱内面と溶接すれば、内ダイアフラムと柱内面との間の溶接断面積が増加すると共に内ダイアフラムと柱内面との応力集中が軽減されて内ダイアフラムと柱との接合部強度を向上させることができる。
請求項1に係る発明における構成を先行技術文献との比較でまとめると次の通りである。表中の符号は、本願構成因子と一致しない場合×、本願構成因子に関して記載なしは△、本願構成因子と一致している場合○と表記する。
本発明は、先行文献2を対象としてその問題点を解決し改良するためのものである。先行文献2は、本出願発明と比較すると本願構成因子のc,d,e,g,h,i,j,k,l,m,n,pを含んでいないか記載がない。また、他のいずれの先行技術文献も一致している構成因子は半分以下である。特に、「内ダイアフラム端部の突起に対し外向きの全周開先加工」及び「柱とダイアフラムの継手は内面からも溶接可能」である構成因子は本願発明の独自のものである。また、個々の構成因子が既知であっても、このように多数の構成因子が組み合わさった場合の複合的な構成は当業者でも容易に想到できない新規性を発揮する。特に、本発明の対象とする肉厚25mm以上の4面箱形鋼管柱に対しては、上記表に示すごとく多くの新規性を発揮している。
請求項1に係る発明は、肉厚が25mm以上の4面箱形(ボックス)鋼管柱を対象としており、その新規性は、主なものは次の通りである。
(1)4面箱型鋼管柱組立時に柱外面に向けて開いた全周開先付き突起を設けた内ダイアフラムを柱の組立前に予め柱内に組み込むこと。
(2)箱型鋼管柱面に全周ではなく横方向・水平方向に部分的に開けた貫通孔と、外開きの全周開先付き突起を設けた内ダイアフラムの該突起部を溶接すること。従って、この場合、柱の角部を含めた全周に亘る貫通孔に対する溶接が不要である。
(3)箱型鋼管柱に開口したこの貫通孔の横方向端部は円弧・楕円弧である。従って、貫通孔の平面形状は長孔又はダンベル形状である。
(4)箱型鋼管柱の貫通孔の横方向長さは梁フランジの幅以上で通常は柱径の1/2程度であるが、最大柱径の4/5の長さである。
(5)ダイアフラム端部突起には両側面及び両端部が外開きの勾配を有する全周開先が施してあるので、突起の全周に亘って柱外からの完全溶け込み溶接が容易にできる。該突起の両端部は外開きの勾配がついた開先がないと貫通孔端部及び底部が溶け込み不良となり大きな問題となる。従来の溶接は溶接線方向に開先が付けられるのであるが、本願発明では突起の長手溶接線方向とその直角方向に即ち突起の全周に亘り外開きの開先が加工されるのが特徴である。柱肉厚25mm以上の貫通孔とダイアフラム端部長手方向突起端部との間を欠陥無く溶け込ますのは極めて困難で、この艱難を解決するこのようなダイアフラム端部突起の長手方向端部の外開きの開先が、柱貫通孔底部全体の溶接溶け込みに重要であることは他の文献等では言及されていない。
(6)箱型鋼管柱において、エレクトロスラグのような500〜1000KJ/cmの大入熱が不要で、本発明に係る方法では通常の炭酸ガス溶接で通常15〜40KJ/cmの低入熱でエレクトロスラグよりも約75%も少ない溶接量と1/10以下の溶接入熱と10倍以上の溶接速度で高能率な施工が可能である。本発明に係る方法ではラメラーテア発生の心配もない。
(7)該全周開先を施した突起付きダイアフラムと該柱貫通孔との溶接部の上に重ねてH形鋼梁を溶接接合し、内ダイアフラムと角形鋼管柱と梁フランジの溶接部を多層溶接で一体化させることである。
このような新規性を同時に保有する本願発明は、4面箱形鋼管柱に対し既存の角形鋼管柱製作の構成を用いると、特に施工能率面で種々の障害特に溶接量と溶接入熱に障害があり、既存の発明からは容易に想到できるものではない。特に、溶接量を大幅に減らして小入熱で高能率性を確保することは容易に想到できるものではない。本願発明において、溶接容易で両端部を含めた全周開先付き突起を設けた分割無しの1枚もののダイアフラムをいかに決められた内径の厚肉柱内にシンプルに組み込むかという観点からは他の特許出願では皆無である。
請求項2に係る発明では、その構成は、図17に示すように、内ダイアフラムの板厚を梁フランジの板厚及び貫通孔短径幅よりも大きくすると共に、貫通孔の柱軸方向幅即ち短径幅を梁フランジ板厚以下にして、少なくとも梁フランジの取り付く側の柱の内平面とダイアフラム及び柱の外面から貫通孔とダイアフラムとを溶接したことである。ダイアフラムの板厚を梁フランジの板厚よりも大きくするのは、梁フランジからの力を受け止める耐力が必要であり、梁フランジと内ダイアフラムとのズレがあっても梁フランジがダイアフラムの面内に収まるようにするためである。柱の外面から貫通孔とダイアフラムとを溶接することは不可欠であるが、貫通孔の幅を梁フランジ板厚よりも小さくするのは、貫通孔の溶接量を減少させるためである。貫通孔の幅を梁フランジ板厚よりも小さくすると梁フランジの板厚分の断面積が確保できないのでその不足分を少なくとも梁フランジの取り付く側の柱の内平面とダイアフラムとを柱を組み立てる前に柱の内面から溶接して、不足している梁フランジの板厚分の断面積を補うためである。通常は内面からの溶接と外面からの溶接とは繋がって完全溶け込みとする。通常は、内側の溶接を裏波溶接で先に行い、外側の溶接をあとに行うが、外側の溶接の第1層目は大電流で十分な溶け込みを確保して内側の溶接部まで溶け込ませる。貫通孔とダイアフラムの溶接継手の安全性が確認できれば、内面からの溶接と外面からの溶接とは繋がらずに不完全溶け込みとすることができる。
請求項3に係る発明では、その構成は、請求項1〜2に記載の発明において、梁フランジとダイアフラムの溶接部の幅の狭い側に補強板を取り付けて、少なくとも補強板の梁軸方向端部と梁フランジ及びダイアフラムと完全溶け込み溶接することである。本方法の目的は、梁端ウエブと柱との溶接部で柱の内部が空洞で梁端ウエブの曲げモーメントの負担が期待できないのを補うため、梁フランジ端部側面の応力集中を緩和するため又は梁フランジ端部を補強して梁せいを低減するためである。梁フランジとダイアフラムの溶接部の幅の狭い側に補強板を取り付けるのは、溶接部の広い側からの超音波探傷検査が容易になるためである。
請求項1に係る発明では、対象が断面を四角形とする4面箱形鋼管(4面ボックス)柱なので、突起の全周に亘り外開きの開先を設けた突起つき1枚板の内ダイアフラムを予め柱面に設けた貫通孔内に組み込めるという特徴があり、プレス成形角形鋼管柱や圧延鋼板角形鋼管柱では全周突起つきの内ダイアフラムを予め柱内に組み込めない。従って、このように開先を付けた突起を柱面に設けた貫通孔内に組み込めば溶接量が大幅に低減できる。柱スキンプレート板厚が通常25mm以上で用いるエレクトロスラグ溶接法に比較したら溶接部の断面積が約1/2になり、溶接長さは柱面一面当たり梁フランジの幅になるので柱の周方向の長さは平均的に約1/2になる。従って、この場合は、溶接量が約1/4になる。即ち、該一体化及び角形鋼管柱の切断無しの通し柱により、柱の切断作業をなくすると共に柱の溶接量がエレクトロスラグ溶接方法に比較して75%程度低減し溶接能率が向上する。エレクトロスラグ溶接法のような内ダイアフラムの端部両側に大きな開先部と大きな入熱に耐える側面裏当金を不要にすることができ、溶接終始端部の孔明け、エンドタブの取付と除去が必要になり、溶接入熱は500〜1000KJ/cmに対し、本発明方法では炭酸ガス溶接で15〜45KJ/cm(通常は15〜40KJ/cm)と低いのでダイアフラムと梁フランジとの間に挟まれた柱フランジの延性・靭性の劣化やラメラーテアなどの割れの心配もない。また、従来の通しダイアフラム方式ではダイアフラムの上下に全周溶接が2本有り、しかもダイアフラムに懸かる溶接余盛り高さを板厚の1/4を必要とするので、通しダイアフラム方式に比較して本発明では1本の溶接線で約半分の長さなので溶接量は約1/4に低減する。
請求項1に係る発明では、階毎に柱を切断する必要がない。柱を切断する必要がないということは、階毎に柱を切断する場合と比べると、階毎の大組立が不要であり柱の切断長さや溶接ひずみなどの柱長さや梁の方向など組立精度が良好である。
請求項1に係る発明では、ダイアフラムが柱の外面より外にはみ出ていないので、いわゆる通しダイアフラムの外縁が傘状に曲がる傘折れ現象が無く、建物外壁取付の取り合いが良くて、且つ、ダイアフラムの張り出しの分だけ建物室内空間が増加するという効果がある。少なくとも柱長管部材溶接部と梁端溶接部を個別に溶接し、両者を繋げて一体化させることにより、従来の柱・ダイアフラム間の溶接とダイアフラム・梁端の溶接によるダイアフラム張り出し部の熱歪脆化を防止することができる。ダイアフラムの使用材料が従来よりも20〜50%程度減少し省資源になる。また、内ダイアフラムと角形鋼管柱との溶接、及び該貫通孔溶接部を含めた角形鋼管柱梁端溶接を個別に溶接し、両者を繋げて一体化させることにより、柱と梁の応力の伝達がスムーズになる。更に、内ダイアフラムの位置は貫通孔溶接位置で明確に認識できるので内ダイアフラムと梁フランジとのずれが問題になることはない。また、内ダイアフラムが角形鋼管柱を貫通していないので、内ダイアフラムのラメラーテアが問題になることもない。
請求項1に係る発明では、公開特許公報2002−146921に係る発明のスリットはあるが4面ボックスのような厚板の柱ではスリット内の横断面が大きくて、ダイアフラム端部の突起がないために、溶接量が本発明に係る発明よりも2倍必要になる。本発明では、ダイアフラム端部に外開きの全周開先付き突起があり、貫通孔に差し込まれていて鋼管の貫通孔とダイアフラムとの溶接部の溶け込み形状はW字形状となっているので、本発明の貫通孔の横断面積が単なる貫通孔よりも小さくなり、溶接量が小さくなっている。更に、この外開きの全周開先付き突起長手方向両端部の開先加工はその開先底部の欠陥防止だけでなく柱貫通孔の溶接施工を容易にし、ひいてはその溶接量をエレクトロスラグ溶接に比較して約75%の低減に役立つという大きな効果をもたらす。
請求項2に係る発明では、ダイアフラムの板厚を梁フランジの板厚以上とするのは当然であるが、貫通孔の幅を梁フランジ板厚以下にして、少なくとも梁フランジの取り付く側の柱の内平面とダイアフラムとの溶接、及び柱の外面から貫通孔とダイアフラムとを溶接し、柱の内外面に分けて溶接するので、全体としての溶接量は柱外部から片側のみ溶接を行うよりは少なくなるという利点がある。
請求項3に係る発明では、ダイアフラムと梁フランジの溶接部のビード幅の狭い側の梁端部に補強板を取り付ければ、梁端のウエブの曲げモーメント負担のできない分を補強すると共に積極的に梁端部を強化することもできるので、梁端部の破壊に対する安全性が増加し、場合により梁サイズを小さくして鉄骨重量を低減させることも可能である。鉄骨重量を下げる事はコスト低減だけでなく、炭酸ガス排出も低減させることができ、環境保全に役立つ。また、梁フランジの溶接部のビード幅の狭い側の梁端部に補強板を取り付ければ、ビード幅の広い側に付けるよりも超音波探傷検査などの検査が容易に実施できる。
従来の建築鉄骨柱梁接合部の立体図の一例 従来の建築鉄骨柱梁接合部の角形鋼管・ダイアフラム・梁フランジ接合部の断面図 角形鋼管柱内部に装填された内ダイアフラムの施工状況を示す断面図 従来のエレクトロスラグ溶接を実施する4面箱形鋼管の横断面図 従来のエレクトロスラグ溶接を実施する4面箱形鋼管の縦断面図 4面箱形鋼管の面に梁フランジ断面形状に似せて開けた端部が円弧の貫通孔の外観図 4面箱形鋼管の面に梁フランジ断面形状に似せて開けたダンベル状の貫通孔の外観図 内ダイアフラム端部に設けた開先付き突起の説明図。(A)は突起の付け根の幅とダイアフラム板厚と同等の場合。(B)は起の付け根の幅よりもダイアフラム板厚が大きくて突起根本際にフラット部を有する場合 内ダイアフラム端部を柱フランジ貫通孔内に挿入して内ダイアフラムを4面箱形鋼管内に装着した状態の貫通孔中央断面図 内ダイアフラム端部に設けた開先付き突起の装着状態の説明図。(A)は突起の付け根の幅とダイアフラム板厚と同等の場合で、(B)は起の付け根の幅よりもダイアフラム板厚が大きくて突起根本際にフラット部を有する場合である。 組み立てる前の4面ボックス用鋼板の準備状況の説明図。予め貫通孔を柱鋼板に開けてある。 ダイアフラムを4面ボックス用鋼板の2面の中に組み込められる初期組立状況。ダイアフラム端部に取り付けた突起がダイアフラムの位置決めに役立っている。 ダイアフラムを4面ボックス用鋼板の3面の中に組み込められる中間組立状況。 ダイアフラムを4面ボックス用鋼板の4面の中に組み込められた中間組立状況。 ダイアフラムを4面ボックス鋼管柱の部分貫通孔に組み込んで、全周突起を設けたダイアフラムと柱とを溶接し、更にその溶接部の上に、肉諸溶接した梁端を合わせて梁フランジの溶接を重ねて行う状況を示す図。 内ダイアフラムと角形鋼管柱とを貫通孔溶接し、梁フランジの内側に補強板を完全溶け込み溶接させて貫通孔溶接部に重ねて溶接し、梁ウエブを角形鋼管柱にすみ肉溶接した断面図 貫通孔の幅を梁フランジ板厚以下にして、少なくとも梁フランジの取り付く側の柱の内平面とダイアフラム及び柱の外面とダイアフラムとを溶接したことを示す断面図 内ダイアフラムと角形鋼管柱とを貫通孔溶接し、梁フランジを貫通孔溶接部に重ねて溶接し、梁ウエブを角形鋼管柱にすみ肉溶接した横断面上面図 内ダイアフラムと梁フランジ直結の柱梁接合部で梁フランジの裏面に肉盛溶接を施した場合の縦断面図 内ダイアフラムと梁フランジ直結の柱梁接合部で内ダイアフラムの端部両面及び梁フランジの裏面に継手溶接前に予め肉盛溶接を施した場合の縦断面図 梁端部側面に肉盛溶接を実施した場合の柱梁接合部 4面ボックスの溶接縦継手の裏当金がダイアフラム角部を貫通させた場合の図 柱貫通孔と内ダイアフラム端面外周部に設けた突起部との溶接溶け込み形状断面イラスト図。(A)は、突起部縦断面の溶け込み形状。(B)は突起部横断面の溶け込み形状。
請求項1に記載の発明において、図11〜図14に本発明に係る実施の状況を示す。図11は4面箱形鋼管柱を組み立てる前の4面箱形用鋼板の準備状況の説明図で、予め貫通孔を柱鋼板に開けてある。図12はダイアフラムを4面箱型鋼管用鋼板の2面の中に組み込められる初期組立状況を示し、ダイアフラム端部に取り付けた全周開先つき突起が貫通孔に挿入するダイアフラムの位置決めに役立っている。図13は、ダイアフラムを4面箱形鋼管用鋼板の3面の中に組み込められる中間組立状況で、図14はダイアフラムを4面箱形鋼管用鋼板の4面の中に組み込められた中間組立状況を示し、このあと、開先付き鋼管角部を柱軸方向に溶接すれば貫通孔溶接を除いて鋼管は完成し、貫通孔と全周開先付き突起付き内ダイアフラムを溶接すれば、箱型鋼管柱は完成する。
図8の該開先付き突起部1Bの形状を4角錐、楕円錐又はこれらの突起頂部を平坦にした形状としたことを特徴とする鉄骨構造物製作方法であるが、図8は突起部1Bの先端が平坦な4角錐の形状の例を示す。図8(A)は四角錐の根本幅がダイアフラム1Aの幅と同等の場合を示し、図8(B)は四角錐の根本幅がダイアフラム1Aの幅より小さい場合を示す。図8(A)の場合は図10(A)に示すように柱フランジ5Fとダイアフラム1Aとの溶接で溶け落ちがないように裏当金10が必要である。図8(B)の場合は肩部があるので裏当金は不要である。なお、4角錐、楕円錐の傾斜角度即ちここでは開先角度θは標準的には35°であるが、この角度以外の角度も取り得る。この突起部は全周に亘り一定の角度を有しており、全周開先を有している。本発明では、図9に示すように、突起部の長手方向端部でも外開きの傾斜即ち開先を有しており、この端部においても溶接時に十分な溶け込みが確保されるようになっている。
本発明では、通常、内ダイアフラムの外周端部の突起の無い部分即ち柱内面と並行する部分を設けて、柱内面と内ダイアフラムが安定的に定置できるようにする。この内ダイアフラムの外周端部の突起の無い部分と柱内面との間には通常0.5〜4mmの隙間を設ける。これは、貫通孔底部と突起部の溶接溶け込みを容易にすると共に、内ダイアフラムが柱内面に余裕をもって挿入することができるようにするためである。なお、この貫通孔長さは通常では溶接量を最小にするために該突起の底部長さより0〜10mm程度大きくする。
請求項1に記載の発明において、柱外面から安定的に溶接する目的で図10(A)の1例に示すように貫通孔の内側部分に裏当金10を設置することは、可能である。また、この裏当金10を事前に取り付けておけばダイアフラム1Aを貫通孔に設置するガイド又はストッパーともなり得る。
本発明は、角形鋼管に対して説明しているが、円形鋼管にも適応できる。例えば、円形鋼管の円周を分割して角形鋼管に見立てれば角形鋼管と同様に適用できる。その場合、円形鋼管の周溶接は少なくとも溶接継手軸方向に2分割となり、内ダイアフラム平面形状は円形となり、梁端部平面形状は円弧となる。
請求項1〜3に記載の発明において、図20に示すように、内ダイアフラム1Aと鋼管柱5との溶接を行う場合又は該溶接部22の上に重ねてH形鋼梁フランジ4を完全溶け込み溶接する場合に、該内ダイアフラム接合予定箇所の端部両面14又は該H形鋼梁の接合端部裏面に14に予め肉盛溶接をする方法も有効である。ダイアフラム1A端部側面に予め肉盛溶接しておけばダイアフラム端部の板厚が増加した効果が期待できダイアフラムの板厚を薄くできる効果がある。即ち、内ダイアフラム1Aの端部両面に肉盛溶接した場合、しない場合よりも内ダイアフラム1Aの肉厚を10〜20mm程度低減することが出来る。
請求項1〜3に記載の発明において、図21に示すように、柱への梁フランジ端部の溶接7の後、該梁フランジ端部継手溶接部に繋げてフランジの側面に肉盛溶接21することにより、梁端部の応力集中係数を緩和し、梁端の剛性を向上させる方法である。この肉盛寸法は幅フランジ厚さ程度、長さ20〜200mm、高さ3〜10mmが適当である。応力集中緩和のためには、梁端に架かって次第に肉盛高さを大きくすることが望ましい。
請求項1〜3に記載の発明において、図15及び図19に示すように、梁フランジ端部4に裏当金及びスカラップを設けずに、梁フランジ端部4を柱5とダイアフラム1Aの溶接部22の上に重ねて完全溶け込み溶接することを特徴とする鉄骨構造物の製作方法を提案する。
請求項3に係る発明において、図16において、補強板の梁軸方向の両端部は開先加工を行い、その両端部をそれぞれ柱側及び梁フランジ側に完全溶け込み溶接を行う。この完全溶け込み溶接は梁フランジの梁軸方向の応力を補強板に分担させる役割がある。そして、梁端部の断面係数を増加させる。また、補強板28の幅は、ダイアフラムと梁フランジを工場溶接する場合梁の側端から内側に約10mm以上後退させ、ノンブラケット方式で下向き姿勢で現場溶接する場合にダイアフラムと梁フランジを溶接する時に梁の側端から外側に約10mm以上広げる。このようにすれば、梁フランジ4と補強板28のすみ肉溶接を、梁端部の角を溶かさずに容易に行うことができる。このすみ肉溶接は主に補強板の座屈防止である。補強板を取り付けた場合のダイアフラムの板厚は補強板の板厚を加えたものとなり、且つ補強板28はダイアフラム1Aの面内になる必要がある。
請求項1から3に係る発明において、該梁軸に直列する方向のダイアフラムと柱フランジ側面の溶接部縦断面積の和は、直列する方向の梁フランジの横断面積の和の√3(=1.7321)以上であることを特徴とする鉄骨構造物製作方法を提案する。
請求項1〜3に記載の発明について、図18に示すように、角形鋼管柱5は、建築物の各階ごとに柱を切断することなく、2〜4階分を通し柱にして、該角形鋼管5の梁フランジ取付位置に梁フランジ断面形状相当以上の貫通孔を開けて、該貫通孔位置27に内ダイアフラム1Aを角形鋼管柱5の内部に設置して、角形鋼管柱5の外面から貫通孔溶接22を行うことにより、角形鋼管柱5と内ダイアフラム1Aを溶接接合して、しかる後、該貫通孔溶接部22を含めた角形鋼管柱5とH形鋼梁フランジ4とを溶接接合17して鉄骨構造物を製作する方法を示している。溶接部17は裏当金10を用いて溶接するか、又は裏当金やエンドタブを用いずに溶接することができる。図18に示すように、内ダイアフラムの形状はスニップカットで4角形の角を切り欠いたものであるが、角形鋼管柱内面の形状に合わせたものでも良い。そのダイアフラムの肉厚は、梁フランジと内ダイアフラムのセンターがずれないように、貫通溝溶接を柱外面から実施した場合に柱内面に溶け落ちないように、梁フランジよりも通常5〜15mm程度大きく取る。また、図8に示すように、内ダイアフラム1Aの板厚中央に突起1Bを設けて柱面に設けた貫通孔24をガイドにして、該内ダイアフラムの角形鋼管柱5内部への挿入と固定に役立てる。また、貫通孔溶接22は梁が1方向しかなくても梁から掛かる応力を受けるために通常箱型鋼管5の4面について行う。梁が柱に1本しか架からない場合は、貫通孔は少なくとも梁が取り付く柱面だけ開けて、梁の取り付く柱面の向かい側の柱面には溶接を省略することが可能で、梁が取り付く柱面の側面側の柱面では貫通孔ではなくて柱内面とダイアフラムとをすみ肉溶接又は部分溶け込み溶接とすることができる。
請求項1の実施例として、図8の下側ダイアフラム1Aに示すように、該開先付き突起部付け根の幅及び貫通孔幅よりもダイアフラムの板厚を大きくし、該開先付き突起部付け根に肩部を設けて、図10(B)や図15上部に示すように、柱とダイアフラムの溶接時に溶け落ちが起こらないようにしたことを特徴とする鉄骨構造物製作方法であり、この場合は、図10(A)、図15下部又は図20に示すように、ダイアフラムに対する裏当金や肉盛溶接は必要がない。
請求項1〜3に係る発明において、図20に示すように、内ダイアフラム1Aの端部両面に肉盛溶接14をする代わりに、図15の上側内ダイアフラム及び図16に示すように、内ダイアフラム1Aの端部両面に裏当金10を仮付溶接8により取り付けておく方法も内ダイアフラム1Aと角形鋼管5との貫通孔溶接を安定的に実施する良い方法であり、本発明の応用例の一つである。この場合、この裏当金を用いた場合に、裏当金10を付けない場合よりも、内ダイアフラムの厚さを大きくすることなく貫通孔溶接22を安定的に行うことができる。
請求項1〜3に係る発明において、4面ボックスの溶接縦継手において、縦継手用の裏当金を図12〜図14に示すようにダイアフラムを貫通させずにダイアフラム間で裏当金を設置するのではなくて、図22に示すように、ダイアフラムを貫通させて裏当金を溶接縦継手37の裏面に当てる方法も可能である。このようにした場合は、内ダイアフラムの角部は裏当金の分だけ切り欠く必要がある。裏当金10をダイアフラム1Aに貫通させた場合の方が、4面ボックスの組立の縦継手溶接37の施工が切れなくスムーズに行える。尚、裏当金10をダイアフラム1Aに貫通させない方が、梁フランジ接合の部分スロット貫通孔27を柱側面近く寄せることができるという利点がある。
25mmを超える厚肉の箱型鋼管柱の溶接は溶接量が多くて、現在大入熱のエレクトロスラグ溶接方法が主流である。しかし、この方法は、大入熱の母材劣化・割れなどの問題や溶接のスタート部(始端部)やエンド部(終端部)における段取りや後始末に多大な時間が掛かる。本発明によれば、溶接入熱が低くて材質劣化が少なく、溶接量が75%も低減できて、スタート部(始端部)やエンド部(終端部)における段取りや後始末が殆どなくて効率的なので、利用価値が大きい。
1 建築鉄骨柱梁接合部のダイアフラム
1A 建築鉄骨柱梁接合部の内ダイアフラム
1B 内ダイアフラム端部に設けた突起
1C 内ダイアフラム端部に設けた突起部の開先
2 ダイアフラム間の角形鋼管又は4面箱形鋼管の短管。1と2から構成される部材をサイコロという。
3 H形鋼梁
4 H形鋼梁フランジ
5 角形鋼管又は4面箱形鋼管による柱
5A 4面箱形鋼管
5B 4面箱形鋼管用鋼板
5F 柱フランジ又はスキンプレート
6 角形鋼管又は4面箱形鋼管とダイアフラムとの溶接
7 梁フランジとダイアフラムとの溶接
8 仮付又は組立溶接
9 H形鋼梁ウエブ
9A ウエブせい
10 裏当金
11 スカラップ
13 フランジ又は角形鋼管又は4面箱形鋼管などの部材
14 部材裏面又は表面又は側面に施工された肉盛溶接又は部材裏面からなされた裏波溶接
15 レ形開先
15A I開先
16 相手部材
17 継手溶接
18 部材13の板厚又は肉厚
19 部材16と13の溶接部の実効のど厚
20 フランジ側面・上面又は裏面の肉盛溶接
21 梁応力集中部
22 角形鋼管又は4面箱形鋼管による柱と内ダイアフラムを取り付ける貫通孔又はスロット溶接部
23 角形鋼管又は4面箱形鋼管とH形鋼梁ウエブとの溶接
24 内ダイアフラムの中央に開けた貫通孔
27 角形鋼管又は4面箱形鋼管面に梁フランジ形状に合わせて明けた貫通孔即ちスロット
28 補強板
28L 補強板の長さ
29 内ダイアフラムと梁フランジの溶接部に挟まれた柱フランジ(又はスキンプレート)
30 貫通孔の幅(ギャップ)
31 貫通孔の狭くした幅(ギャップ)
32 箱形鋼管貫通孔(スロット)の溶接部
33 柱内面と内ダイアフラムとの溶接
34 梁端と柱の溶接
35 補強板と梁フランジとの完全溶け込み溶接
36 補強板と柱溶接部との完全溶け込み溶接
37 柱縦継手

Claims (3)

  1. 建築鉄骨構造物の断面が四角形で肉厚が25mm以上の4面箱形鋼管柱を溶接組立する場合において、
    該4面箱形鋼管柱を階ごとに切断することなく、該4面箱形鋼管柱の少なくとも梁フランジ取付け予定位置の柱面の鋼板に、梁フランジ幅以上の長さで柱径の4/5以下の長さの、端部が円形の貫通孔又はダンベル形状の貫通孔を水平方向に設けて、
    柱内壁に近接する内ダイアフラムの外周端部に突起を設けて、該突起の両端部を含めた突起部全周を外開きに開先加工して、
    該開先付きの突起の一部又は全部を、該4面箱形鋼管柱を4枚の鋼板から溶接組立する前に予め該貫通孔内に挿入させて、
    H形鋼梁フランジ板厚及び該貫通孔の短径幅以上の板厚の内ダイアフラムと角形鋼管柱の該貫通孔とを溶接溶け込みの縦及び横断面形状がW字形状となるように少なくとも外面から溶接した後、該溶接部を含めた角形鋼管柱とH形鋼梁フランジとを溶接接合することを特徴とする鉄骨構造物製作方法
  2. 請求項1に記載の発明において、ダイアフラムの板厚を梁フランジの板厚及び該貫通孔の短径幅以上にすると共に、貫通孔の短径幅を梁フランジ板厚以下にして、少なくとも梁フランジの取り付く側の柱の内平面とダイアフラムとの溶接、及び柱の外面から貫通孔とダイアフラムとを溶接したことを特徴とする鉄骨構造物製作方法
  3. 請求項1又は2に記載の発明において、ダイアフラムと梁フランジの溶接部のビード幅の狭い側の梁端部に補強板を取り付けて、少なくとも補強板の梁軸方向柱側端部とダイアフラム及び補強板の梁軸方向梁中央側端部と梁フランジとを完全溶け込み溶接することを特徴とする鉄骨構造物製作方法
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