JP5930138B2 - 熱可塑性樹脂積層体 - Google Patents
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Description
で表される環状アセタール骨格を有するジオール単位をジオール構成単位の10〜60モル%有するか、又は一般式(3):
で表される環状アセタール骨格を有するジカルボン酸単位をジカルボン酸構成単位の10〜60モル%有するポリエステル樹脂(a)をコア層として用い、スキン層にアクリル樹脂を用いた構成とすることにより、透明性、耐熱性、耐擦傷性、耐衝撃性に優れた多層シートが得られるとの記載がなされている。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
<1> 熱可塑性樹脂組成物を含む層(A)と、前記層(A)の少なくとも一方の面に設けられたアクリル系樹脂組成物を含む層(B)を有する熱可塑性樹脂積層体であって、前記熱可塑性樹脂組成物が、
全ジオール構成単位中の10〜60モル%が下記式(1)または下記式(2)
で表される環状アセタール骨格を有するジオールに由来するジオール構成単位とジカルボン酸構成単位を含むポリエステル樹脂(a)と、ポリカーボネート樹脂(b)とを含み、前記熱可塑性樹脂組成物中のポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)の合計に対するポリカーボネート樹脂(b)の割合が5〜50重量%であり、
前記アクリル系樹脂組成物が、アクリル樹脂(c)及びメチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)から成る群から選ばれた少なくとも1種とスチレン−無水マレイン酸共重合体(e)とを含み、前記アクリル系樹脂組成物中のメチルメタクリレートに由来する構成単位とスチレンに由来する構成単位と無水マレイン酸に由来する構成単位の合計に対するメチルメタクリレートに由来する構成単位の割合が70〜95モル%であり、無水マレイン酸に由来する構成単位の割合が1〜5モル%であることを特徴とする、熱可塑性樹脂積層体である。
<2> スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)中の、スチレンに由来する構成単位と無水マレイン酸に由来する構成単位の合計に対するスチレンに由来する構成単位の割合が75〜95重量%である、上記<1>に記載の熱可塑性樹脂積層体である。
<3> 前記環状アセタール骨格を有するジオールが、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンである、上記<1>または<2>に記載の熱可塑性樹脂積層体である。
<4> ポリエステル樹脂(a)における、全ジカルボン酸構成単位中のテレフタル酸に由来する構成単位の割合が70モル%以上である、上記<1>〜<3>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体である。
<5> 片面または両面にハードコート処理を施したものである上記<1>〜<4>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体である。
<6> 片面または両面に反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理および防眩処理から選択されるいずれか一つ以上の処理を施したものである上記<1>〜<5>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体である。
<7> 上記<1>〜<6>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体を含む透明性基板材料である。
<8> 上記<1>〜<6>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体を含む透明性保護材料である。
ポリエステル樹脂(a)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)、アクリル系樹脂組成物の評価、実施例および比較例で得られた熱可塑性樹脂積層体の評価は以下のように行った。
ポリエステル樹脂(a)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)の構造決定は、樹脂20mgを1gの重クロロホルムに溶解し、1H−NMR測定、ピーク面積比から算出して行った。測定装置は日本電子(株)製JNM−AL400を用い、400MHzで測定した。
分子量(数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw、分子量分布Mw/Mn)は、樹脂2mgを20gのクロロホルムに溶解し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンで検量したものをMn、Mw、Mw/Mnとした。GPCは東ソー(株)製TOSOH 8020に東ソー(株)製カラムGMHHR−Lを2本、TSK G5000HRを1本接続し、カラム温度40℃で測定した。溶離液はクロロホルムを1.0ml/minの流速で流し、UV検出器で測定した。
以下の実施例、比較例にて得られた熱可塑性樹脂積層体のアクリル系樹脂組成物を含む層(B)におけるアクリル系樹脂組成物中の、メチルメタクリレートに由来する構成単位(以下、MMA単位と略す)、スチレンに由来する構成単位(以下、St単位と略す)、無水マレイン酸に由来する構成単位(以下、MAH単位と略す)のモル比を分析した。
成分モル比は、熱可塑性樹脂積層体の層(B)からアクリル系樹脂組成物のみを20mg削り取り、1gの重クロロホルムに溶解し、13C−NMR(i.g.)測定、ピーク面積比から算出した。測定装置はブルカー・バイオスピン(株)製AVANCEIIを用い、600MHzで測定した。実施例、比較例にて得られた熱可塑性樹脂積層体のアクリル系樹脂組成物中のMMA単位、St単位、MAH単位のモル比は、それぞれ表1に記載した。
以下の実施例、比較例にて得られた熱可塑性樹脂積層体について、全光線透過率はJIS K 7105、ASTM D1003に準じて、色差計(日本電色工業(株)製:COH―400)にて測定した。厚さ1.0mmにおける全光線透過率90%以上のものを合格とした。
以下の実施例、比較例にて得られた熱可塑性樹脂積層体について、1.0mm厚の熱可塑性樹脂積層体から、押出方向を縦、幅方向を横として、縦90mm、横60mmの長方形試験片を切り出し、短辺中央部5mm部分までを幅13mmのクリップで留め、試験片が垂直になるよう吊るし、温度90℃に設定したオーブン内で48時間加熱した。試験後の試験片を上に凹となるよう水平面に静置し、試験片中央部にφ38mm、重さ300gの重りを乗せて固定し、試験片の四隅と水平面との隙間長さの変形量を測定し、その変形量の合算値が0.5mmを超えないものを合格とした。
以下の実施例、比較例にて得られた熱可塑性樹脂積層体について、鉛筆硬度はJIS K 5600−5−4に準じて、各種硬度の鉛筆(三菱鉛筆(株)製 ユニ)を用いてアクリル系樹脂組成物を含む層(B)の鉛筆硬度を測定した。鉛筆硬度3H以上のものを合格とした。
以下の実施例、比較例にて得られた熱可塑性樹脂積層体について、耐衝撃性はアクリル系樹脂組成物を含む層(B)を上側、熱可塑性樹脂組成物を含む層(A)を下側として、落球試験にて評価した。落球試験は、φ50のフランジの間にサンプルを固定し、φ25、63.7gの金属球を落とし、底部に装着した試験片が破断したときの高さを10cm間隔で計測する方法で行い、その破断時点の高さが最高150cmまでの値を測定した。破断時点での高さが100cm以上のものを合格とした。
以下の実施例、比較例にて得られた熱可塑性樹脂積層体について、1.0mm厚の熱可塑性樹脂積層体から、押出方向を縦、幅方向を横として、縦90mm、横60mmの長方形試験片を切り出し、短辺中央部5mm部分までを幅13mmのクリップで留め、試験片が垂直になるよう吊るし、温度85℃、湿度85%に設定した恒温恒湿機内で120時間加熱した。試験後の試験片を上に凹となるよう水平面に静置し、試験片中央部にφ38mm、重さ300gの重りを乗せて固定し、試験片の四隅と水平面との隙間長さの変形量を測定し、その変形量の合算値が0.5mmを超えないものを合格とした。
以下の実施例、比較例にて得られた熱可塑性樹脂積層体について、1.0mm厚の熱可塑性樹脂積層体から、押出方向を縦、幅方向を横として、縦90mm、横60mmの長方形試験片を切り出し、温度23℃、湿度50%に調湿した。試験後の試験片を上に凹となるよう水平面に静置し、試験片中央部にφ38mm、重さ300gの重りを乗せて固定し、試験片の四隅と水平面との隙間長さの変形量を測定し、その変形量の合算値が0.3mmを超えないものを合格とした。
ジカルボン酸成分としてジメチルテレフタル酸、ジオール成分として3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンとエチレングリコールをそれぞれ45モル%、55モル%とした原料モノマーを、ジカルボン酸成分100モルに対し酢酸マンガン四水和物0.03モルの存在下、窒素雰囲気下で200℃まで昇温してエステル交換反応を行った。メタノールの留出量が理論量に対して90%以上に達した後、ジカルボン酸成分100モルに対し、酸化アンチモン(III)0.01モルとトリフェニルホスフェート0.06モルを加え、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に280℃、0.1MPa以下で重合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、ポリエステル樹脂(a)を得た。得られたポリエステル樹脂(a)中の環状アセタール骨格を有するジオール単位の割合は45モル%、Mnは16500、Mw/Mnは3.6であった。
撹拌機を付した容積約20リットルの完全混合型反応器、容積約40リットルの塔式プラグフロー型反応器、予熱器を付した脱揮槽を直列に接続して構成した。スチレン11質量部、メタクリル酸メチル89質量部、エチルベンゼン8質量部で構成される単量体混合液を調製し、さらに1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン(日本油脂社製パーヘキサC)0.02質量部とn−ドデシルメルカプタン(花王社製チオカルコール20)0.02質量部を混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時6kgで温度130℃に制御した完全混合型反応器に導入した。なお、完全混合型反応器の撹拌数は180rpmで実施した。次いで完全混合型反応器より反応液を連続的に抜き出し、流れの方向に向かって温度130℃から160℃の勾配がつくように調整した塔式プラグフロー型反応器に導入した。この反応液を予熱器で加温しながら、温度235℃で圧力1.0kPaに制御した脱揮槽に導入し、未反応単量体等の揮発分を除去した。この樹脂液をギアポンプで抜き出し、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)を得た。得られたメチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)のメチルメタクリレート単位の割合は89重量%、スチレン単位の割合は11重量%、Mnは17000、Mw/Mnは2.4であった。
単量体混合液を、スチレン84質量部、無水マレイン酸を16質量部とし、原料溶液に加えるn−ドデシルメルカプタンを0.2質量部とした以外は合成例2と同様にし、スチレン−無水マレイン酸系共重合体(e)を得た。得られたスチレン−無水マレイン酸共重合体(e)のスチレン単位は84重量%、無水マレイン酸単位は16重量%、Mn=17000、Mw/Mn=2.4であった。
軸径32mmの単軸押出機と、軸径65mmの単軸押出機と、全押出機に連結されたフィードブロックと、フィードブロックに連結されたTダイとを有する多層押出装置を用いて熱可塑性樹脂積層板を成形した。軸径32mmの単軸押出機にアクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デルペット 80NH〕(c)、合成例2で得られたメチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)、合成例3で得られたスチレン−無水マレイン酸共重合体(e)をそれぞれ重量比90:2.5:7.5になるよう乾式混合したアクリル系樹脂混合物を連続的に導入し、シリンダ温度250℃、吐出速度4.8kg/hの条件で押し出した。また、軸径65mmの単軸押出機には合成例1で得られたポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂〔三菱ガス化学(株)製、商品名:ユーピロン S−3000〕(b)をそれぞれ重量比60:40となるよう乾式混合した熱可塑性樹脂混合物を連続的に導入し、シリンダ温度260℃、吐出速度67kg/hで押し出した。全押出機に連結されたフィードブロックは2種2層の分配ピンを備え、温度260℃として熱可塑性樹脂組成物(A1)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B1)層を導入し積層した。その先に連結された温度260℃のTダイでシート状に押し出し、3本の鏡面仕上げロールで鏡面を転写しながら冷却し、熱可塑性樹脂組成物(A1)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B1)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。このときロールの設定温度は上流側から順に85℃、85℃、107℃とした。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B1)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性、成形性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
実施例1で使用したアクリル系樹脂組成物(B1)の代わりに、アクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デルペット 80NH〕(c)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)をそれぞれ重量比80:5:15になるよう乾式混合したアクリル系樹脂混合物を使用した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A1)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B2)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B2)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
実施例1で使用したアクリル系樹脂組成物(B1)の代わりに、アクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デルペット 80NH〕(c)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)をそれぞれ重量比70:7.5:22.5になるよう乾式混合したアクリル系樹脂混合物を使用した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A1)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B3)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B3)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
実施例1で使用したアクリル系樹脂組成物(B1)の代わりに、アクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デルペット 80NH〕(c)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)をそれぞれ重量比90:10になるよう乾式混合したアクリル系樹脂混合物を使用した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A1)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B4)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B4)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
実施例2で使用した熱可塑性樹脂組成物(A1)の代わりに、ポリエステル樹脂(a)、ポリカーボネート樹脂〔三菱ガス化学(株)製、商品名:ユーピロン S−3000〕(b)をそれぞれ重量比90:10になるよう乾式混合した熱可塑性樹脂混合物を使用した以外は、実施例2と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A2)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B2)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B2)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
実施例2で使用した熱可塑性樹脂組成物(A1)の代わりに、ポリエステル樹脂(a)、ポリカーボネート樹脂〔三菱ガス化学(株)製、商品名:ユーピロン S−3000〕(b)をそれぞれ重量比75:25になるよう乾式混合した熱可塑性樹脂混合物を使用した以外は、実施例2と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A3)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B2)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B2)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
実施例2で使用した熱可塑性樹脂組成物(A1)の代わりに、ポリエステル樹脂(a)、ポリカーボネート樹脂〔三菱ガス化学(株)製、商品名:ユーピロン S−3000〕(b)をそれぞれ重量比50:50になるよう乾式混合した熱可塑性樹脂混合物を使用した以外は、実施例2と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A4)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B2)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B2)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
実施例3で使用した熱可塑性樹脂組成物(A1)の代わりに、ポリエステル樹脂(a)、ポリカーボネート樹脂〔三菱ガス化学(株)製、商品名:ユーピロン S−3000〕(b)をそれぞれ重量比90:10になるよう乾式混合した熱可塑性樹脂混合物を使用した以外は、実施例3と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A2)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B3)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B3)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
実施例1で使用したアクリル系樹脂組成物(B1)の代わりに、アクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デルペット 80NH〕(c)を使用した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A1)層の片面にアクリル樹脂(c)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル樹脂層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であったが、高温高湿環境での寸法安定性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
実施例1で使用したアクリル系樹脂組成物(B1)の代わりに、アクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デルペット 80NH〕(c)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)をそれぞれ重量比50:12.5:37.5になるよう乾式混合したアクリル系樹脂混合物を使用した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A1)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B5)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B5)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。耐熱性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であったが、透明性評価、耐擦傷性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
実施例5で使用したアクリル系樹脂組成物(B2)の代わりに、アクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デルペット 80NH〕(c)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)をそれぞれ重量比50:12.5:37.5になるよう乾式混合したアクリル系樹脂混合物を使用した以外は、実施例5と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A2)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B5)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B5)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。耐熱性評価、耐衝撃性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であったが、透明性評価、耐擦傷性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
実施例2で使用した熱可塑性樹脂組成物(A1)の代わりに、ポリエステル樹脂(a)を使用した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂(a)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B2)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B2)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であったが、高温高湿環境での寸法安定性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
実施例2で使用した熱可塑性樹脂組成物(A1)の代わりに、ポリカーボネート樹脂〔三菱ガス化学(株)製、商品名:ユーピロン S−3000〕(b)を使用した以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂(b)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B2)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B2)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価の結果はそれぞれ良好であったが、耐擦傷性評価、成形性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
軸径65mmの単軸押出機とTダイとを有する単層押出装置を用いて熱可塑性樹脂板を成形した。軸径65mmの単軸押出機にポリエステル樹脂(a)を連続的に導入し、シリンダ温度250℃、吐出速度70kg/hで押し出した。その先に連結された温度250℃のTダイでシート状に押し出し、3本の鏡面仕上げロールで鏡面を転写しながら冷却し、ポリエステル樹脂(a)の熱可塑性樹脂板を得た。得られた熱可塑性樹脂板の厚みは1.0mmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐衝撃性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であったが、耐擦傷性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
比較例6で使用したポリエステル樹脂(a)の代わりに、ポリカーボネート樹脂〔三菱ガス化学(株)製、商品名:ユーピロン S−3000〕(b)を使用した以外は、比較例6と同様にしてポリカーボネート樹脂(b)の熱可塑性樹脂板を得た。得られた熱可塑性樹脂板の厚みは1.0mmであった。
評価結果を表1に示す。耐熱性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価の結果はそれぞれ良好であったが、透明性評価、耐擦傷性評価、成形性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
比較例6で使用したポリエステル樹脂(a)の代わりに、アクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デルペット 80NH〕(c)を使用した以外は、比較例6と同様にしてアクリル樹脂(c)の熱可塑性樹脂板を得た。得られた熱可塑性樹脂板の厚みは1.0mmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であったが耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
比較例6で使用したポリエステル樹脂(a)の代わりに、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)を使用した以外は、比較例6と同様にしてメチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)の熱可塑性樹脂板を得た。得られた熱可塑性樹脂板の厚みは1.0mmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であったが耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
比較例6で使用したポリエステル樹脂(a)の代わりに、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)を使用した以外は、比較例6と同様にしてスチレン−無水マレイン酸共重合体(e)の熱可塑性樹脂板を得た。得られた熱可塑性樹脂板の厚みは1.0mmであった。
評価結果を表1に示す。耐熱性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であったが透明性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
Claims (8)
- 熱可塑性樹脂組成物を含む層(A)と、前記層(A)の少なくとも一方の面に設けられた、アクリル系樹脂組成物を含む層(B)とを有する熱可塑性樹脂積層体であって、前記熱可塑性樹脂組成物が、
全ジオール構成単位中の10〜60モル%が下記式(1)または下記式(2)
で表される環状アセタール骨格を有するジオールに由来するジオール構成単位とジカルボン酸構成単位を含むポリエステル樹脂(a)と、ポリカーボネート樹脂(b)とを含み、前記熱可塑性樹脂組成物中のポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)の合計に対するポリカーボネート樹脂(b)の割合が5〜50重量%であり、
前記アクリル系樹脂組成物が、アクリル樹脂(c)及びメチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)から成る群から選ばれた少なくとも1種と、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)とを含み、前記アクリル系樹脂組成物中のメチルメタクリレートに由来する構成単位とスチレンに由来する構成単位と無水マレイン酸に由来する構成単位の合計に対するメチルメタクリレートに由来する構成単位の割合が70〜95モル%であり、無水マレイン酸に由来する構成単位の割合が1〜5モル%であることを特徴とする、熱可塑性樹脂積層体。 - スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)中の、スチレンに由来する構成単位と無水マレイン酸に由来する構成単位の合計に対するスチレンに由来する構成単位の割合が75〜95重量%である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂積層体。
- 前記環状アセタール骨格を有するジオールが、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンである、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂積層体。
- ポリエステル樹脂(a)における、全ジカルボン酸構成単位中のテレフタル酸に由来する構成単位の割合が70モル%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体。
- 片面または両面にハードコート処理を施したものである請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体。
- 片面または両面に反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理および防眩処理から選択されるいずれか一つ以上の処理を施したものである請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体を含む透明性基板材料。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体を含む透明性保護材料。
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