JP5930138B2 - 熱可塑性樹脂積層体 - Google Patents

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    • C08G63/668Polyesters containing oxygen in the form of ether groups derived from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds
    • C08G63/672Dicarboxylic acids and dihydroxy compounds

Description

本発明は、熱可塑性樹脂積層体に関し、特に、透明性、耐熱性、耐擦傷性、耐衝撃性、高温高湿環境での寸法安定性に優れた熱可塑性樹脂積層体に関する。
樹脂製透明板は、屋外看板、カーポートのエクステリア用途や、OA機器、携帯電子機器の表示部前面板の光学用途等、多岐に応用される。近年、携帯電話端末や携帯電子遊具、携帯情報端末といった携帯型ディスプレイデバイスの前面パネルには、透明性や視認性、耐擦傷性に加え、厳しい環境で使用する際のより高い寸法安定性が求められている。この前面パネルに用いられる透明樹脂として、透明性、耐候性、耐擦傷性に優れるアクリル樹脂が広く用いられている。しかしながら、アクリル樹脂は耐衝撃性に乏しく、タッチパネルディスプレイ等の衝撃が加わりやすい用途では前面パネルに割れが発生しやすいという問題があった。
特許文献1では、一般式(1):
Figure 0005930138
または一般式(2):
Figure 0005930138
(式(1)、(2)中、R1、R2およびR3 はそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表す。)
で表される環状アセタール骨格を有するジオール単位をジオール構成単位の10〜60モル%有するか、又は一般式(3):
Figure 0005930138
または一般式(4):
Figure 0005930138
(式(3)、(4)中、R4 およびR5 はそれぞれ独立して炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表し、R6 およびR7 はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基、又はイソプロピル基を表す。)
で表される環状アセタール骨格を有するジカルボン酸単位をジカルボン酸構成単位の10〜60モル%有するポリエステル樹脂(a)をコア層として用い、スキン層にアクリル樹脂を用いた構成とすることにより、透明性、耐熱性、耐擦傷性、耐衝撃性に優れた多層シートが得られるとの記載がなされている。
しかしながら、当該公報に開示されている多層シートは低湿環境での耐熱性に優れているものの、温度85℃、湿度85%のような高温高湿環境での寸法安定性は十分ではなかった。
特開2003−182014号公報
本発明は、上記従来の問題の少なくとも一つを解決することを課題とする。更に、本発明は、透明性、耐熱性、耐擦傷性、耐衝撃性、及び高温高湿環境での寸法安定性に優れた熱可塑性樹脂積層体を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、以下の本発明によって、上記課題を解決することができることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
<1> 熱可塑性樹脂組成物を含む層(A)と、前記層(A)の少なくとも一方の面に設けられたアクリル系樹脂組成物を含む層(B)を有する熱可塑性樹脂積層体であって、前記熱可塑性樹脂組成物が、
全ジオール構成単位中の10〜60モル%が下記式(1)または下記式(2)
Figure 0005930138
Figure 0005930138
(式(1)及び(2)において、R1 、R2 、およびR3はそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表す。)
で表される環状アセタール骨格を有するジオールに由来するジオール構成単位とジカルボン酸構成単位を含むポリエステル樹脂(a)と、ポリカーボネート樹脂(b)とを含み、前記熱可塑性樹脂組成物中のポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)の合計に対するポリカーボネート樹脂(b)の割合が5〜50重量%であり、
前記アクリル系樹脂組成物が、アクリル樹脂(c)及びメチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)から成る群から選ばれた少なくとも1種とスチレン−無水マレイン酸共重合体(e)とを含み、前記アクリル系樹脂組成物中のメチルメタクリレートに由来する構成単位とスチレンに由来する構成単位と無水マレイン酸に由来する構成単位の合計に対するメチルメタクリレートに由来する構成単位の割合が70〜95モル%であり、無水マレイン酸に由来する構成単位の割合が1〜5モル%であることを特徴とする、熱可塑性樹脂積層体である。
<2> スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)中の、スチレンに由来する構成単位と無水マレイン酸に由来する構成単位の合計に対するスチレンに由来する構成単位の割合が75〜95重量%である、上記<1>に記載の熱可塑性樹脂積層体である。
<3> 前記環状アセタール骨格を有するジオールが、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンである、上記<1>または<2>に記載の熱可塑性樹脂積層体である。
<4> ポリエステル樹脂(a)における、全ジカルボン酸構成単位中のテレフタル酸に由来する構成単位の割合が70モル%以上である、上記<1>〜<3>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体である。
<5> 片面または両面にハードコート処理を施したものである上記<1>〜<4>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体である。
<6> 片面または両面に反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理および防眩処理から選択されるいずれか一つ以上の処理を施したものである上記<1>〜<5>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体である。
<7> 上記<1>〜<6>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体を含む透明性基板材料である。
<8> 上記<1>〜<6>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体を含む透明性保護材料である。
本発明の好ましい態様によれば、透明性、耐熱性、耐擦傷性、耐衝撃性、及び高温高湿環境での寸法安定性に優れた熱可塑性樹脂積層体が提供され、該熱可塑性樹脂積層体は、透明性基板材料、透明性保護材料等として用いられ、特に高温高湿環境での高い寸法安定性が求められる携帯型ディスプレイデバイスの前面パネル等に好適に使用される。
発明の実施の形態
以下で本発明について詳細に説明する。本発明の熱可塑性樹脂積層体は、熱可塑性樹脂組成物を含む層(A)およびアクリル系樹脂組成物を含む層(B)を有し、前記層(A)の少なくとも一方の面に前記層(B)を有する熱可塑性樹脂積層体であり、前記熱可塑性樹脂組成物が、ポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)を含み、前記ポリエステル樹脂(a)はジオール構成単位中に、環状アセタール骨格を有するジオールに由来するジオール構成単位を含み、前記アクリル系樹脂組成物が、アクリル樹脂(c)およびメチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)から成る群から選ばれた少なくとも1種とスチレン−無水マレイン酸共重合体(e)とを含むことを特徴とする。
本発明に用いるポリエステル樹脂(a)は、全ジオール構成単位中の10〜60モル%が下記式(1)または下記式(2)で表される環状アセタール骨格を有するジオールに由来するジオール構成単位とジカルボン酸構成単位とを含むポリエステル樹脂である。
Figure 0005930138
Figure 0005930138
(式(1)及び(2)において、R1 、R2 、およびR3はそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表す。)
前記式(1)または式(2)で表される環状アセタール骨格を有するジオールにおいて、R1 、R2は好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基又はこれらの構造異性体、例えば、イソプロピレン基、イソブチレン基等である。R3 は好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はこれらの構造異性体、例えば、イソプロピル基、イソブチル基等を表す。中でも前記環状アセタール骨格を有するジオールとしては、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサンがより好ましく、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンが特に好ましい。
本発明に用いるポリエステル樹脂(a)における、環状アセタール骨格を有するジオールに由来するジオール構成単位以外のジオール構成単位としては、特に制限はされないが、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテル化合物類;1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,3−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,4−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,5−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,6−デカヒドロナフタレンジメタノール、2,7−デカヒドロナフタレンジメタノール、テトラリンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロドデカンジメタノール等の脂環式ジオール類;4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、4,4’−スルホニルビスフェノール(ビスフェノールS)等のビスフェノール類;前記ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物;ヒドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルベンゾフェノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物;及び前記芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物に由来するジオール構成単位が例示出来る。環状アセタール骨格を有するジオールに由来するジオール構成単位以外のジオール構成単位としては、これらの中でも、エチレングリコールに由来する構成単位が特に好ましい。
本発明に用いるポリエステル樹脂(a)のジカルボン酸構成単位としては、特に制限はされないが、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体に由来するジカルボン酸構成単位が例示出来る。これらの中でも、テレフタル酸、3ナフタレンジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位がより好ましく、テレフタル酸が特に好ましい。
本発明に用いるポリエステル樹脂(a)における、全ジオール構成単位中の環状アセタール骨格を有するジオールに由来するジオール構成単位の割合は、10〜60モル%が好ましく、より好ましくは15〜50モル%である。前記割合が10モル%より小さい場合には、ポリエステル樹脂(a)が十分な耐熱性を示さない場合があり好ましくない。また60モル%より大きい場合には耐衝撃性が低下する場合があり、好ましくない。
ポリエステル樹脂(a)における、全ジカルボン酸構成単位中のテレフタル酸に由来する構成単位の割合が70モル%〜100モル%であることが好ましく、90モル%〜100モル%であることがより好ましい。ポリエステル樹脂(a)が上記ジオール構成単位とジカルボン酸構成単位を有すると、本発明の熱可塑性樹脂積層体は、より耐熱性、機械的性能、及び経済性に優れたものとなる。
本発明に用いるポリエステル樹脂(a)を製造する方法は特に制限はなく、従来公知の方法を適用することができる。例えば、エステル交換法、直接エステル化法等の溶融重合法、又は溶液重合法等が挙げられる。ポリエステル樹脂(a)には、一般に用いられる各種の添加剤を添加しても良く、添加剤としては、エステル交換触媒、エステル化触媒、エーテル化防止剤、熱安定剤、光安定剤等の各種安定剤、重合調整剤等が挙げられる。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂(b)は、芳香族ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物とホスゲンとを界面重合法により得られるか、または、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸のジエステルとのエステル交換反応により作られる分岐していてもよい熱可塑性ポリカーボネート重合体であり、例えばビスフェノールAを主原料とする炭酸エステル重合物が使用される。用いるポリカーボネート樹脂(b)の分子量は、通常の押出成形によりシートを製造出来ることが好ましく、ポリスチレン換算の重量平均分子量で45,000〜70,000であることが好ましい。該重量平均分子量の範囲内において、ポリカーボネート樹脂基材の線膨張率は6×10−5/℃〜8×10−5/℃の範囲にある。ポリカーボネート樹脂(b)には、一般に用いられる各種の添加剤を添加しても良く、添加剤としては、例えば、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、光拡散剤、難燃剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、染顔料等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂組成物中のポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)の割合としては、ポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)の合計に対するポリカーボネート樹脂(b)の割合が5〜50重量%であることが好ましい。ポリカーボネート樹脂(b)が5重量%未満であると、高温高湿環境での寸法安定性が乏しくなり、50重量%を超えると、熱可塑性樹脂組成物のTgが高くなり、アクリル系樹脂組成物を含む層(B)とのTgの差が大きくなるため、フラットな成形品の成形が困難になる。熱可塑性樹脂組成物中のポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)の割合を上記範囲とすることにより、本発明の熱可塑性樹脂積層体は、耐衝撃性及び高温高湿環境での寸法安定性に優れるという特長が得られる。ポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)の合計に対するポリカーボネート樹脂(b)の割合は、より好ましくは10〜50重量%の範囲であり、20〜50重量%の範囲であることがさらに好ましい。
前記熱可塑性樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(a)及びポリカーボネート樹脂(b)以外の樹脂を含んでもよい。ポリエステル樹脂(a)及びポリカーボネート樹脂(b)以外の樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート等のポリエステル樹脂(a)以外のポリエステル樹脂を挙げることが出来る。
本発明に用いるアクリル樹脂(c)は、メチルメタクリレート重合体から成る。アクリル樹脂(c)は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が10000〜30000であることが好ましい。
本発明に用いるメチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)は、メチルメタクリレートに由来する構成単位5〜99重量%とスチレンに由来する構成単位95〜1重量%とから成る共重合体である。好ましくは、メチルメタクリレートに由来する構成単位50〜95重量%とスチレンに由来する構成単位50〜5重量%とから成る共重合体であり、さらに好ましくは、メチルメタクリレートに由来する構成単位60〜90重量%とスチレンに由来する構成単位40〜10重量%とから成る共重合体である。メチルメタクリレートに由来する構成単位5重量%未満でスチレンに由来する構成単位95重量%を超えると、透明性が低下し、外観が低下する。メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が10000〜30000であることが好ましい。
スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)と透明に相溶する点および耐擦傷性の点から、アクリル樹脂(c)及び/又はメチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)が好ましく用いられ、本発明の熱可塑性樹脂積層体は透明性及び耐擦傷性に優れるという特長が得られる。
本発明に用いるスチレン−無水マレイン酸共重合体(e)は、スチレンに由来する構成単位75〜95重量%と無水マレイン酸25〜5重量%とから成る共重合体である。好ましくは、スチレンに由来する構成単位78〜92重量%と無水マレイン酸22〜8重量%とから成る共重合体であり、さらに好ましくは、スチレンに由来する構成単位80〜90重量%と無水マレイン酸20〜10重量%とから成る共重合体である。スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が10000〜30000であることが好ましい。スチレンに由来する構成単位75重量%未満で無水マレイン酸25重量%を超えると、透明性が低下し、外観が低下することがある。また、スチレンに由来する構成単位95重量%を超え無水マレイン酸5重量%未満であると、透明性が低下し、また耐熱性、吸湿性の改良効果が少ない。上記組成とすることにより、本発明の熱可塑性樹脂積層体は高温高湿環境での寸法安定性に優れるという特長が得られる。
前記アクリル系樹脂組成物は、アクリル樹脂(c)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)以外に、他の樹脂成分を含んでよい。他の樹脂成分としては、ポリエステル樹脂(a)以外のポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート−アクリル酸共重合体、メチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート−メタアクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレートとN−フェニルマレイミドの共重合体、メチルメタクリレートとN−シクロヘキシルマレイミドの共重合体、スチレン−メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、スチレン−メチルメタクリレート−アクリル酸共重合体、スチレン−メチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メチルメタクリレート−メタアクリロニトリル共重合体、スチレンとメチルメタクリレートとN−フェニルマレイミドの共重合体、スチレンとメチルメタクリレートとN−シクロヘキシルマレイミドの共重合体、塩化ビニル樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。上記ポリエステル樹脂(a)以外のポリエステル樹脂としては、具体的に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート等が挙げられる。上記他の樹脂成分は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記アクリル系樹脂組成物中の、他の樹脂成分が占める割合は10重量%未満である。
本発明に用いるメチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)およびスチレン−無水マレイン酸共重合体(e)の重合の方法は特に制限はないが、有機過酸化物を使用したラジカル重合が好ましく、また製造プロセスとしては、少量の溶剤を使用した塊状連続重合プロセスが好ましい。懸濁重合や乳化重合のプロセスで得る方法では、十分な透明性が得られない場合がある。重合時添加する有機過酸化物としては、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、エチル−3,3−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブチレート等の公知のものが使用出来る。有機過酸化物の添加量は単量体の合計100重量部に対し、0.001〜5重量部が好ましい。溶剤としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、あるいは、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素などが使用でき、溶剤の添加量は単量体の合計100重量部に対し、5〜20重量部が好ましい。また、重合時、4−メチル−2,4−ジフェニルペンテン−1、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等の公知の分子量調整剤を添加しても差し支えない。重合温度は、好ましくは80〜170℃、さらに好ましくは100〜160℃である。
前記アクリル系樹脂組成物における、アクリル樹脂(c)およびメチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)から成る群から選ばれた少なくとも1種とスチレン−無水マレイン酸共重合体(e)の合計に対するスチレン−無水マレイン酸共重合体(e)の割合が1〜35重量%であることが好ましい。スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)が1重量%未満であると、高温高湿環境での寸法安定性が低下し、35重量%を超えると、耐擦傷性が低下する。上記組成とすることにより、アクリル系樹脂組成物を含む層(B)の耐擦傷性を悪化させることなく、耐熱性、吸湿性が改良され、本発明の熱可塑性樹脂積層体は耐擦傷性、高温高湿環境での寸法安定性に優れるという特長が得られる。より好ましくはアクリル樹脂(c)およびメチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)から成る群から選ばれた少なくとも1種とスチレン−無水マレイン酸共重合体(e)の合計に対するスチレン−無水マレイン酸共重合体(e)の割合が5〜30重量%の範囲である。
前記アクリル系樹脂組成物中の、メチルメタクリレートに由来する構成単位とスチレンに由来する構成単位と無水マレイン酸に由来する構成単位の合計に対するメチルメタクリレートに由来する構成単位の割合が70〜95モル%であり、無水マレイン酸に由来する構成単位の割合が1〜5モル%であることが好ましい。前記アクリル系樹脂組成物中のこれらの構成単位の割合が上記範囲である場合、本発明の熱可塑性樹脂積層体は高温高湿環境下における寸法安定性、耐擦傷性に優れたものとなる。より好ましくは、メチルメタクリレートに由来する構成単位とスチレンに由来する構成単位と無水マレイン酸に由来する構成単位の合計に対するメチルメタクリレートに由来する構成単位の割合は70〜90モル%である。また、前記アクリル系樹脂組成物中の、メチルメタクリレートに由来する構成単位とスチレンに由来する構成単位と無水マレイン酸に由来する構成単位の合計に対するスチレンに由来する構成単位の割合は、4〜29モル%が好ましく、5〜25モル%がより好ましい。
前記熱可塑性樹脂組成物及び/又は前記アクリル系樹脂組成物は各種添加剤を含んでもよい。上記各種添加剤としては、例えば抗酸化剤、紫外線吸収剤、抗着色剤、抗帯電剤、離型剤、滑剤、染料、顔料、無機フィラー、樹脂フィラー等が挙げられる。混合の方法は特に限定されず、全量コンパウンドする方法、マスターバッチをドライブレンドする方法、全量ドライブレンドする方法等を用いることが出来る。
前記熱可塑性樹脂組成物は、公知の技術により製造される。特に限定されないが、例えば、ポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)を含む成分を乾式混合した後、溶融混練することにより得られる。前記アクリル系樹脂組成物も、同様の方法により得られる。
本発明の熱可塑性樹脂積層体は、熱可塑性樹脂組成物を含む層(A)と、前記層(A)の少なくとも一方の面に設けられた、アクリル系樹脂組成物を含む層(B)を含んで成る。
本発明の熱可塑性樹脂積層体の製造方法としては、共押出法、共押出ラミネート法、押出ラミネート法、ドライラミネート法等の公知の積層化技術を用いることが出来る。また、これらの積層化のために樹脂間に適した接着剤、あるいは接着性樹脂を用いても良い。
熱可塑性樹脂組成物を含む層(A)と多層化するアクリル系樹脂組成物を含む層(B)の種類および層構成(積層順、層の数)は用途により選択すれば良い。例えば、表面硬度と高温高湿環境での寸法安定性を同時に必要とする用途では、アクリル系樹脂組成物を含む層(B)をスキン層に、熱可塑性樹脂組成物を含む層(A)をコア層に用いた2種2層の層構成(アクリル系樹脂組成物を含む層(B)/熱可塑性樹脂組成物を含む層(A))および2種3層の層構成(アクリル系樹脂組成物を含む層(B)/熱可塑性樹脂組成物を含む層(A)/アクリル系樹脂組成物を含む層(B))とすることで、透明性、耐熱性、耐擦傷性、耐衝撃性および高温高湿環境での寸法安定性に優れた熱可塑性樹脂積層体が得られる。
本発明における熱可塑性樹脂積層体の厚みは0.1〜10.0mmの範囲であることが好ましい。0.1mm未満の範囲であるとバンク抜けによる転写不良や厚み精度不良が発生する場合がある。また10.0mmを超える範囲であると成形後の冷却ムラなどによる厚み精度不良や外観不良が発生する場合がある。より好ましくは0.3〜5.0mmの範囲であり、さらに好ましくは0.3〜3.0mmの範囲である。
本発明における熱可塑性樹脂積層体の、アクリル系樹脂組成物を含む層(B)の厚み(片側)は熱可塑性樹脂積層体全体の厚みの25%以下であることが好ましく、10〜500μmの範囲であることが好ましい。層(B)の厚み(片側)が熱可塑性樹脂積層体全体の厚みの25%を超えると、高温高湿環境で反りが発生する場合がある。また、10μm未満の範囲であると耐擦傷性や耐候性が不足する場合があり、500μmを超える範囲であると高温高湿環境で反りが発生する場合がある。より好ましくは30〜 200μmの範囲である。
本発明の熱可塑性樹脂積層体の片面または両面にはハードコート処理を施すことが出来る。例えば、光エネルギーを用いて硬化させる感光性ハードコート塗料を用いることによりハードコート層を形成する。光エネルギーを用いて硬化させる感光性ハードコート塗料としては、1官能および/または多官能であるアクリレートモノマーおよび/またはオリゴマーから成る樹脂組成物に光重合開始剤が加えられた光硬化性樹脂組成物等が挙げられる。例えば、トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート(f1)40〜80重量%と、(f1)と共重合可能な2官能および/または3官能のメタクリレート化合物(f2)20〜40重量%とから成る樹脂組成物100重量部に光重合開始剤(f3)が1〜10重量部添加された光硬化性樹脂組成物等が挙げられる。
本発明におけるハードコート塗料を塗布する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、刷毛、グラビアロール、ディッピング、流し塗り、スプレー、インクジェット等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂積層体にはその片面または両面に反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理および防眩処理のいずれか一つ以上を施すことが出来る。反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理および防眩処理の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることが出来る。例えば反射低減塗料を塗布する方法、誘電体薄膜を蒸着する方法、帯電防止塗料を塗布する方法等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂積層体は、厚さ1.0mmにおける全光線透過率が90%以上であることが好ましい。
本発明の好ましい態様の熱可塑性樹脂積層体は、透明性、耐熱性、耐擦傷性、及び高温高湿環境での寸法安定性に優れるという特徴を有し、該熱可塑性樹脂積層体は、透明性基板材料、透明性保護材料等として用いられ、特に高温高湿環境での高い寸法安定性が求められるディスプレイデバイスの前面パネルに好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によりその範囲を限定されるものではない。
ポリエステル樹脂(a)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)、アクリル系樹脂組成物の評価、実施例および比較例で得られた熱可塑性樹脂積層体の評価は以下のように行った。
<樹脂成分の構造解析>
ポリエステル樹脂(a)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)の構造決定は、樹脂20mgを1gの重クロロホルムに溶解し、1H−NMR測定、ピーク面積比から算出して行った。測定装置は日本電子(株)製JNM−AL400を用い、400MHzで測定した。
<平均分子量の測定>
分子量(数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw、分子量分布Mw/Mn)は、樹脂2mgを20gのクロロホルムに溶解し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンで検量したものをMn、Mw、Mw/Mnとした。GPCは東ソー(株)製TOSOH 8020に東ソー(株)製カラムGMHHR−Lを2本、TSK G5000HRを1本接続し、カラム温度40℃で測定した。溶離液はクロロホルムを1.0ml/minの流速で流し、UV検出器で測定した。
<アクリル系樹脂組成物の成分モル比の評価>
以下の実施例、比較例にて得られた熱可塑性樹脂積層体のアクリル系樹脂組成物を含む層(B)におけるアクリル系樹脂組成物中の、メチルメタクリレートに由来する構成単位(以下、MMA単位と略す)、スチレンに由来する構成単位(以下、St単位と略す)、無水マレイン酸に由来する構成単位(以下、MAH単位と略す)のモル比を分析した。
成分モル比は、熱可塑性樹脂積層体の層(B)からアクリル系樹脂組成物のみを20mg削り取り、1gの重クロロホルムに溶解し、13C−NMR(i.g.)測定、ピーク面積比から算出した。測定装置はブルカー・バイオスピン(株)製AVANCEIIを用い、600MHzで測定した。実施例、比較例にて得られた熱可塑性樹脂積層体のアクリル系樹脂組成物中のMMA単位、St単位、MAH単位のモル比は、それぞれ表1に記載した。
<透明性評価>
以下の実施例、比較例にて得られた熱可塑性樹脂積層体について、全光線透過率はJIS K 7105、ASTM D1003に準じて、色差計(日本電色工業(株)製:COH―400)にて測定した。厚さ1.0mmにおける全光線透過率90%以上のものを合格とした。
<耐熱性評価>
以下の実施例、比較例にて得られた熱可塑性樹脂積層体について、1.0mm厚の熱可塑性樹脂積層体から、押出方向を縦、幅方向を横として、縦90mm、横60mmの長方形試験片を切り出し、短辺中央部5mm部分までを幅13mmのクリップで留め、試験片が垂直になるよう吊るし、温度90℃に設定したオーブン内で48時間加熱した。試験後の試験片を上に凹となるよう水平面に静置し、試験片中央部にφ38mm、重さ300gの重りを乗せて固定し、試験片の四隅と水平面との隙間長さの変形量を測定し、その変形量の合算値が0.5mmを超えないものを合格とした。
<耐擦傷性評価>
以下の実施例、比較例にて得られた熱可塑性樹脂積層体について、鉛筆硬度はJIS K 5600−5−4に準じて、各種硬度の鉛筆(三菱鉛筆(株)製 ユニ)を用いてアクリル系樹脂組成物を含む層(B)の鉛筆硬度を測定した。鉛筆硬度3H以上のものを合格とした。
<耐衝撃性試験>
以下の実施例、比較例にて得られた熱可塑性樹脂積層体について、耐衝撃性はアクリル系樹脂組成物を含む層(B)を上側、熱可塑性樹脂組成物を含む層(A)を下側として、落球試験にて評価した。落球試験は、φ50のフランジの間にサンプルを固定し、φ25、63.7gの金属球を落とし、底部に装着した試験片が破断したときの高さを10cm間隔で計測する方法で行い、その破断時点の高さが最高150cmまでの値を測定した。破断時点での高さが100cm以上のものを合格とした。
<高温高湿環境での寸法安定性評価>
以下の実施例、比較例にて得られた熱可塑性樹脂積層体について、1.0mm厚の熱可塑性樹脂積層体から、押出方向を縦、幅方向を横として、縦90mm、横60mmの長方形試験片を切り出し、短辺中央部5mm部分までを幅13mmのクリップで留め、試験片が垂直になるよう吊るし、温度85℃、湿度85%に設定した恒温恒湿機内で120時間加熱した。試験後の試験片を上に凹となるよう水平面に静置し、試験片中央部にφ38mm、重さ300gの重りを乗せて固定し、試験片の四隅と水平面との隙間長さの変形量を測定し、その変形量の合算値が0.5mmを超えないものを合格とした。
<成形性評価>
以下の実施例、比較例にて得られた熱可塑性樹脂積層体について、1.0mm厚の熱可塑性樹脂積層体から、押出方向を縦、幅方向を横として、縦90mm、横60mmの長方形試験片を切り出し、温度23℃、湿度50%に調湿した。試験後の試験片を上に凹となるよう水平面に静置し、試験片中央部にφ38mm、重さ300gの重りを乗せて固定し、試験片の四隅と水平面との隙間長さの変形量を測定し、その変形量の合算値が0.3mmを超えないものを合格とした。
[合成例1]
ジカルボン酸成分としてジメチルテレフタル酸、ジオール成分として3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンとエチレングリコールをそれぞれ45モル%、55モル%とした原料モノマーを、ジカルボン酸成分100モルに対し酢酸マンガン四水和物0.03モルの存在下、窒素雰囲気下で200℃まで昇温してエステル交換反応を行った。メタノールの留出量が理論量に対して90%以上に達した後、ジカルボン酸成分100モルに対し、酸化アンチモン(III)0.01モルとトリフェニルホスフェート0.06モルを加え、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に280℃、0.1MPa以下で重合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、ポリエステル樹脂(a)を得た。得られたポリエステル樹脂(a)中の環状アセタール骨格を有するジオール単位の割合は45モル%、Mnは16500、Mw/Mnは3.6であった。
[合成例2]
撹拌機を付した容積約20リットルの完全混合型反応器、容積約40リットルの塔式プラグフロー型反応器、予熱器を付した脱揮槽を直列に接続して構成した。スチレン11質量部、メタクリル酸メチル89質量部、エチルベンゼン8質量部で構成される単量体混合液を調製し、さらに1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン(日本油脂社製パーヘキサC)0.02質量部とn−ドデシルメルカプタン(花王社製チオカルコール20)0.02質量部を混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時6kgで温度130℃に制御した完全混合型反応器に導入した。なお、完全混合型反応器の撹拌数は180rpmで実施した。次いで完全混合型反応器より反応液を連続的に抜き出し、流れの方向に向かって温度130℃から160℃の勾配がつくように調整した塔式プラグフロー型反応器に導入した。この反応液を予熱器で加温しながら、温度235℃で圧力1.0kPaに制御した脱揮槽に導入し、未反応単量体等の揮発分を除去した。この樹脂液をギアポンプで抜き出し、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)を得た。得られたメチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)のメチルメタクリレート単位の割合は89重量%、スチレン単位の割合は11重量%、Mnは17000、Mw/Mnは2.4であった。
[合成例3]
単量体混合液を、スチレン84質量部、無水マレイン酸を16質量部とし、原料溶液に加えるn−ドデシルメルカプタンを0.2質量部とした以外は合成例2と同様にし、スチレン−無水マレイン酸系共重合体(e)を得た。得られたスチレン−無水マレイン酸共重合体(e)のスチレン単位は84重量%、無水マレイン酸単位は16重量%、Mn=17000、Mw/Mn=2.4であった。
[実施例1]
軸径32mmの単軸押出機と、軸径65mmの単軸押出機と、全押出機に連結されたフィードブロックと、フィードブロックに連結されたTダイとを有する多層押出装置を用いて熱可塑性樹脂積層板を成形した。軸径32mmの単軸押出機にアクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デルペット 80NH〕(c)、合成例2で得られたメチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)、合成例3で得られたスチレン−無水マレイン酸共重合体(e)をそれぞれ重量比90:2.5:7.5になるよう乾式混合したアクリル系樹脂混合物を連続的に導入し、シリンダ温度250℃、吐出速度4.8kg/hの条件で押し出した。また、軸径65mmの単軸押出機には合成例1で得られたポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂〔三菱ガス化学(株)製、商品名:ユーピロン S−3000〕(b)をそれぞれ重量比60:40となるよう乾式混合した熱可塑性樹脂混合物を連続的に導入し、シリンダ温度260℃、吐出速度67kg/hで押し出した。全押出機に連結されたフィードブロックは2種2層の分配ピンを備え、温度260℃として熱可塑性樹脂組成物(A1)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B1)層を導入し積層した。その先に連結された温度260℃のTダイでシート状に押し出し、3本の鏡面仕上げロールで鏡面を転写しながら冷却し、熱可塑性樹脂組成物(A1)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B1)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。このときロールの設定温度は上流側から順に85℃、85℃、107℃とした。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B1)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性、成形性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
[実施例2]
実施例1で使用したアクリル系樹脂組成物(B1)の代わりに、アクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デルペット 80NH〕(c)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)をそれぞれ重量比80:5:15になるよう乾式混合したアクリル系樹脂混合物を使用した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A1)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B2)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B2)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
[実施例3]
実施例1で使用したアクリル系樹脂組成物(B1)の代わりに、アクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デルペット 80NH〕(c)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)をそれぞれ重量比70:7.5:22.5になるよう乾式混合したアクリル系樹脂混合物を使用した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A1)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B3)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B3)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
[実施例4]
実施例1で使用したアクリル系樹脂組成物(B1)の代わりに、アクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デルペット 80NH〕(c)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)をそれぞれ重量比90:10になるよう乾式混合したアクリル系樹脂混合物を使用した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A1)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B4)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B4)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
[実施例5]
実施例2で使用した熱可塑性樹脂組成物(A1)の代わりに、ポリエステル樹脂(a)、ポリカーボネート樹脂〔三菱ガス化学(株)製、商品名:ユーピロン S−3000〕(b)をそれぞれ重量比90:10になるよう乾式混合した熱可塑性樹脂混合物を使用した以外は、実施例2と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A2)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B2)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B2)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
[実施例6]
実施例2で使用した熱可塑性樹脂組成物(A1)の代わりに、ポリエステル樹脂(a)、ポリカーボネート樹脂〔三菱ガス化学(株)製、商品名:ユーピロン S−3000〕(b)をそれぞれ重量比75:25になるよう乾式混合した熱可塑性樹脂混合物を使用した以外は、実施例2と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A3)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B2)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B2)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
[実施例7]
実施例2で使用した熱可塑性樹脂組成物(A1)の代わりに、ポリエステル樹脂(a)、ポリカーボネート樹脂〔三菱ガス化学(株)製、商品名:ユーピロン S−3000〕(b)をそれぞれ重量比50:50になるよう乾式混合した熱可塑性樹脂混合物を使用した以外は、実施例2と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A4)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B2)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B2)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
[実施例8]
実施例3で使用した熱可塑性樹脂組成物(A1)の代わりに、ポリエステル樹脂(a)、ポリカーボネート樹脂〔三菱ガス化学(株)製、商品名:ユーピロン S−3000〕(b)をそれぞれ重量比90:10になるよう乾式混合した熱可塑性樹脂混合物を使用した以外は、実施例3と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A2)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B3)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B3)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
[比較例1]
実施例1で使用したアクリル系樹脂組成物(B1)の代わりに、アクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デルペット 80NH〕(c)を使用した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A1)層の片面にアクリル樹脂(c)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル樹脂層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であったが、高温高湿環境での寸法安定性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
[比較例2]
実施例1で使用したアクリル系樹脂組成物(B1)の代わりに、アクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デルペット 80NH〕(c)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)をそれぞれ重量比50:12.5:37.5になるよう乾式混合したアクリル系樹脂混合物を使用した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A1)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B5)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B5)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。耐熱性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であったが、透明性評価、耐擦傷性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
[比較例3]
実施例5で使用したアクリル系樹脂組成物(B2)の代わりに、アクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デルペット 80NH〕(c)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)をそれぞれ重量比50:12.5:37.5になるよう乾式混合したアクリル系樹脂混合物を使用した以外は、実施例5と同様にして熱可塑性樹脂組成物(A2)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B5)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B5)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。耐熱性評価、耐衝撃性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であったが、透明性評価、耐擦傷性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
[比較例4]
実施例2で使用した熱可塑性樹脂組成物(A1)の代わりに、ポリエステル樹脂(a)を使用した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂(a)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B2)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B2)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であったが、高温高湿環境での寸法安定性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
[比較例5]
実施例2で使用した熱可塑性樹脂組成物(A1)の代わりに、ポリカーボネート樹脂〔三菱ガス化学(株)製、商品名:ユーピロン S−3000〕(b)を使用した以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂(b)層の片面にアクリル系樹脂組成物(B2)層が積層した熱可塑性樹脂積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層体の厚みは1.0mm、アクリル系樹脂組成物(B2)層の厚みは中央付近で70μmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価の結果はそれぞれ良好であったが、耐擦傷性評価、成形性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
[比較例6]
軸径65mmの単軸押出機とTダイとを有する単層押出装置を用いて熱可塑性樹脂板を成形した。軸径65mmの単軸押出機にポリエステル樹脂(a)を連続的に導入し、シリンダ温度250℃、吐出速度70kg/hで押し出した。その先に連結された温度250℃のTダイでシート状に押し出し、3本の鏡面仕上げロールで鏡面を転写しながら冷却し、ポリエステル樹脂(a)の熱可塑性樹脂板を得た。得られた熱可塑性樹脂板の厚みは1.0mmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐衝撃性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であったが、耐擦傷性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
[比較例7]
比較例6で使用したポリエステル樹脂(a)の代わりに、ポリカーボネート樹脂〔三菱ガス化学(株)製、商品名:ユーピロン S−3000〕(b)を使用した以外は、比較例6と同様にしてポリカーボネート樹脂(b)の熱可塑性樹脂板を得た。得られた熱可塑性樹脂板の厚みは1.0mmであった。
評価結果を表1に示す。耐熱性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価の結果はそれぞれ良好であったが、透明性評価、耐擦傷性評価、成形性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
[比較例8]
比較例6で使用したポリエステル樹脂(a)の代わりに、アクリル樹脂〔旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デルペット 80NH〕(c)を使用した以外は、比較例6と同様にしてアクリル樹脂(c)の熱可塑性樹脂板を得た。得られた熱可塑性樹脂板の厚みは1.0mmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、耐擦傷性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であったが耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
[比較例9]
比較例6で使用したポリエステル樹脂(a)の代わりに、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)を使用した以外は、比較例6と同様にしてメチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)の熱可塑性樹脂板を得た。得られた熱可塑性樹脂板の厚みは1.0mmであった。
評価結果を表1に示す。透明性評価、耐熱性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であったが耐擦傷性評価、耐衝撃性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
[比較例10]
比較例6で使用したポリエステル樹脂(a)の代わりに、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)を使用した以外は、比較例6と同様にしてスチレン−無水マレイン酸共重合体(e)の熱可塑性樹脂板を得た。得られた熱可塑性樹脂板の厚みは1.0mmであった。
評価結果を表1に示す。耐熱性評価、高温高湿環境での寸法安定性評価、成形性評価の結果はそれぞれ良好であったが透明性評価、耐擦傷性評価、耐衝撃性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
Figure 0005930138

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂組成物を含む層(A)と、前記層(A)の少なくとも一方の面に設けられた、アクリル系樹脂組成物を含む層(B)とを有する熱可塑性樹脂積層体であって、前記熱可塑性樹脂組成物が、
    全ジオール構成単位中の10〜60モル%が下記式(1)または下記式(2)
    Figure 0005930138
    Figure 0005930138
    (式(1)及び(2)において、R1 、R2 およびR3はそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表す。)
    で表される環状アセタール骨格を有するジオールに由来するジオール構成単位とジカルボン酸構成単位を含むポリエステル樹脂(a)と、ポリカーボネート樹脂(b)とを含み、前記熱可塑性樹脂組成物中のポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)の合計に対するポリカーボネート樹脂(b)の割合が5〜50重量%であり、
    前記アクリル系樹脂組成物が、アクリル樹脂(c)及びメチルメタクリレート−スチレン共重合体(d)から成る群から選ばれた少なくとも1種と、スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)とを含み、前記アクリル系樹脂組成物中のメチルメタクリレートに由来する構成単位とスチレンに由来する構成単位と無水マレイン酸に由来する構成単位の合計に対するメチルメタクリレートに由来する構成単位の割合が70〜95モル%であり、無水マレイン酸に由来する構成単位の割合が1〜5モル%であることを特徴とする、熱可塑性樹脂積層体。
  2. スチレン−無水マレイン酸共重合体(e)中の、スチレンに由来する構成単位と無水マレイン酸に由来する構成単位の合計に対するスチレンに由来する構成単位の割合が75〜95重量%である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂積層体。
  3. 前記環状アセタール骨格を有するジオールが、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンである、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂積層体。
  4. ポリエステル樹脂(a)における、全ジカルボン酸構成単位中のテレフタル酸に由来する構成単位の割合が70モル%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体。
  5. 片面または両面にハードコート処理を施したものである請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体。
  6. 片面または両面に反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理および防眩処理から選択されるいずれか一つ以上の処理を施したものである請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体を含む透明性基板材料。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂積層体を含む透明性保護材料。
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