JP5924866B2 - Gnrhアンタゴニストであるデガレリクスを用いる前立腺癌の治療方法 - Google Patents

Gnrhアンタゴニストであるデガレリクスを用いる前立腺癌の治療方法 Download PDF

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Description

前立腺癌は、先進工業国における男性の主要な病因および死因である。米国癌協会(American Cancer Society)は、2007年の間に米国内だけでも約218,890例の前立腺癌が新たに診断されることになるであろうと推定している。前立腺癌は、米国男性の癌による死亡の第2の主要な原因であり、それを上回るのは肺癌のみである。しかし、およそ6人に1人が一生のうちに前立腺癌と診断されるであろうが、実際にはわずか35人に1人が前立腺癌で死亡するに過ぎないであろう。米国癌協会は、2007年には米国内で27,050人の男性が前立腺癌で死亡するであろうと推定している。前立腺癌は、男性の癌関連死のうち約9%を占めている。
前立腺癌の発症率が、1980年代後半に劇的に増加したが、この増加は大部分、前立腺特異抗原(PSA)による試験の広範な使用によって検出および診断が改善されたことを反映していると考えられている。実際のところ、前立腺癌の発生率は、1990年代前半以降減少し続けており、また、前立腺癌の死亡率も1990年代前半以降減少している(SEER ProgramおよびNational Center for Health Statistics(http://seer.cancer.gov/))を参照されたい。前立腺癌10例のうち9例超が、限局的および領域的(local and regional stages)な段階で見出されている(限局的とは、前立腺癌がまだ前立腺に留まっていることを意味し、領域的とは、前立腺癌が前立腺から付近の部位へ広がっているが、骨等の遠隔箇所へは広がっていないことを意味する)。癌に罹患していない同年齢および同人種の男性と比較した場合(相対生存率)、これらの男性の5年相対生存率は、ほぼ100%であるが、前立腺癌が診断時に身体の離れた部分にすでに広がってしまっている男性の5年相対生存率は、わずか約32%に過ぎない。毎年米国内だけでもおよそ80億ドルが前立腺癌の治療に使われていると推定されている(Cancer Trends Progress Report(http://progressreport.cancer.gov))。
大部分の前立腺癌は、テストステロン依存性に増殖し、進行した前立腺癌の現在の医学的管理では、アンドロゲン遮断を含み、これは、両側精巣摘出術によって、またはゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体アゴニストの投与によって達成することができる。前立腺癌の増殖を低下させるための手段として、精巣の除去(性腺摘除術)が長年、性腺による男性ホルモンの分泌を阻止する標準的な方法であった。最近になって、化学的手段により、アンドロゲンの合成を調節する黄体形成ホルモン(LH)の産生に干渉することよって、男性ホルモンの分泌を障害させるようになった。無作為試験からの証拠から、非転移性、局所的に進行した疾患においては、リンパ節への転移があってもなくても、早期の内分泌療法が生存率と関連することが強く示唆されている(Granforsら(1998)J.Urol.159:2030〜34;Messingら(1999)N.Eng.J.Med.341:1781〜88;および(1997)Br.J.Urol.79:235〜46を参照されたい)。
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)は、視床下部によって生産され、下垂体において受容体と相互作用して、LHの産生を刺激する天然のホルモンである。LHの産生を減少させるために、リュープロリド(leuprolide)およびゴセレリン(goserelin)等のGnRH受容体(GnRH−R)アゴニストが開発されている。そのようなGnRHアゴニストは一般に、GnRH、すなわち、デカペプチドpyroGlu−His−Trp−Ser−Tyr−Gly−Leu−Arg−Pro−Gly−NHの類似体である。例えば、6位においてGlyの代わりにD−異性体を有するGnRHアゴニストは、自然のホルモンよりも、受容体に対する高い結合の親和性/強度、および高い生物学的効力を示す。1つの例が、(米国特許第4,072,668号に記載されている)以下の式:pGlu−His−Trp−Ser−Tyr−D−Ala−Leu−Arg−Pro−Gly−NHを有する[D−Ala]−GnRHである。そのようなGnRH−Rアゴニストが作用すると、最初はLHの放出が刺激され、長期に治療した後にのみGnRH−Rが脱感作され、その結果、LHが最早産生されなくなる。最初にアゴニストによってLHの産生が刺激された結果、最初は男性ホルモンの産生が急増し、したがって、アゴニスト療法に対する最初の応答は、患者の状態の寛解ではなく、むしろ悪化である(例えば、腫瘍の増殖が増加する場合がある)。この現象は、「テストステロン急増(testosterone surge)」または「発赤反応(flare reaction)」として知られており、2〜4週間もの間続く場合がある。さらに、アゴニストを継続的に投与する度に、更なる小規模なLH急増が生じる場合もあり(「急性増悪(acute−on chronic)」現象として知られている)、これによって状態がさらに悪化することがある。テストステロン急増によって前立腺癌が刺激され、現在の症状の悪化、または脊髄圧迫、骨痛および尿道閉塞等の新たな症状の出現に至る場合がある(Thompsonら(1990)J.Urol.140:1479〜80;Boccon−Gibodら(1986)Eur.Urol.12:400〜402)。この問題を回避するためにとられてきた1つのアプローチが、GnRH−Rアゴニストと、フルタミド等の抗アンドロゲン薬との併用投与であり、完全アンドロゲン除去療法(total androgen ablation therapy)(AAT)として知られている。抗アンドロゲン薬と組み合わせてGnRH−Rアゴニストを用いるホルモン療法が、根治的前立腺切除前の前治療として使用されるようになっており、アジュバント療法として知られている。しかし、抗アンドロゲン薬の使用は、重大な肝臓および胃腸における副作用を伴う。
ゴナドトロピン放出ホルモン受容体(GnRH−R)アンタゴニストが、GnRHアゴニストに伴う「テストステロン急増」または「発赤反応」を克服するために開発されている。しかし、GnRHアンタゴニストペプチドには、ヒスタミン放出活性が伴うことが多い。このヒスタミン放出活性によって、浮腫および掻痒等の有害な副作用が生じるので、この活性は、そのようなアンタゴニストを臨床において使用する際の重大な障害となる。
改善されたGnRHアンタゴニストを求めて探索した結果、Antide、すなわち、[Ac−D−2Nal,D−4ClPhe,D−3Pal,Lys(Nic),D−Lys(Nic),ILys,D−Ala10]−GnRH;およびCetrorelix、すなわち、[Ac−D−2Nal,D−4ClPhe,D−3Pal,D−Cit,D−Ala10]−GnRHの作製に至った。米国特許第5,516,887号は、血漿テストステロンの抑制においてAntideよりも有効であるといわれているGnRHアンタゴニスト、例えば、[Ac−D−2Nal,D−4ClPhe,D−3Pal,D−Nε−carbamoylLys,Ilys,D−Ala10]−GnRHを記載しており、これは、Antarelixと呼ばれている。さらに、米国特許第5,296,468号は、いくつかのGnRHアンタゴニストの設計および合成を開示しており、選択された残基の側鎖を反応させてシアノグアニジノ部分を生み出し、それに続いて、それらのいくつかが、所望の複素環、例えば、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(atz)に自発的に変換する。そのようなシアノグアニジノ部分は、アミノ酸側鎖、例として、リジン、オルニチン、4−アミノフェニルアラニン(4Aph)または4−アミノホモフェニルアラニン(4Ahp)等のその鎖伸長型の中のオメガ−アミノ基上に構築される。5位および6位においてそのような顕著に修飾されたまたは非天然のアミノ酸を有するGnRHアンタゴニストは、良好な生物学的効力を示し、Aph上に構築されたものは一般に、特に強力であるとみなされている。とりわけ有用であるものの1つに、Azaline B、すなわち、[Ac−D−2Nal,D−4ClPhe,D−3Pal,4Aph(atz),D−4Aph(atz),ILys,D−Ala10]−GnRHがある。米国特許第5,506,207号は、生物学的効力を示す、5位および6位の残基がアシル化、アミノ置換フェニルアラニン側鎖を有するGnRHアンタゴニストを開示している。そのようなデカペプチドの1つが、Acyline、すなわち、[Ac−D−2Nal,D−4ClPhe,D−3Pal,4Aph(Ac),D−4Aph(Ac),ILys,D−Ala10]−GnRHである。この群のGnRHアンタゴニストの魅力的な特性にもかかわらず、その上さらに改善されたGnRHアンタゴニスト、特に、長期にわたる生物学的作用を示すものを求めて探索が続いている。しばしば、短期の治療適応のためにも、長期の治療適応のためにも、ペプチド類似体が、長期にわたるLH分泌に関する活性、すなわち、体内におけるタンパク質分解酵素による分解に対するペプチドの抵抗性によって増強され得る特性を示すことが重要である場合がある。さらに、これらの化合物の哺乳動物、特にヒトへの投与を顕著なゲル化なしで促進するために、そのようなGnRHアンタゴニストのデカペプチドが正常な生理的pH、すなわち、約pH5〜約pH7.4において高い水溶性を示すことは極めて好都合であるとみなされている。
前立腺癌を治療するためのアンドロゲン除去療法(androgen deprivation therapy)においてGnRHアゴニストおよびGnRHアンタゴニストの両方を使用することによって見込みのある結果を得るに至ったが、利用可能な薬物の相対的な安全性が懸念されている。例えば、GnRHであるabarelixには、低血圧および失神を伴うアナフィラキシーを含めた、重大なアレルギー反応のリスクがあることが見出され、また、場合によっては、治療が経過するにつれて有効性が失われることも見出された。実際のところ、Abarelix(商標)(米国内では、Plenaxis(商標))は、最終的には承認されたが、進行した前立腺癌を有する患者についてのみ承認されたに過ぎず、結局、2005年にはこれらの問題に明らかに関連した商業的な理由で市場から撤退した。さらに、前立腺癌に特異的な死亡率は低下しているが、この群の死亡率に対する全体的な効果はほとんどなく、このことから、前立腺癌に関連しない原因による死亡のリスクが高まっている可能性が示唆されている。特に、特定のアンドロゲン除去療法が、心血管の健康に有害な影響を及ぼす場合があろうことが示唆されるようになった(Yannucciら(2006)J.Urology 176:520〜525;およびEtzioniら(1999)J.Natl.Canc.Inst.91:1033を参照されたい)。
したがって、GnRHアゴニストによるテストステロン急上昇の有害な結果も、利用可能なGnRHアンタゴニスト療法の望ましくない副作用ももたらさない、前立腺癌のための新たな治療投与計画が求められている。
出願人らは、比較的低い用量のデガレリクス(degarelix)GnRHアンタゴニストを約28日に1回(例えば、月1回)供給すると、前立腺癌患者のテストステロンレベルを治療的レベルまで安全かつ迅速に抑制することができ、テストステロンの急上昇を引き起こすことがなく、(投与部位、例えば、注射部位に関連する副作用以外の)心臓障害、関節痛および/または尿路感染等のアンドロゲン除去療法に伴う望ましくない副作用を引き起こすリスクが目に見えて減少することを見出した。前立腺癌の治療のためにデガレリクスを使用する利点は、臓器もしくは組織に対する有害反応、有害事象もしくは副作用の症状の発生の可能性の減少、および/またはそうした症状の重症度の減少を含むことができる。
第1の態様の本発明は、対象の前立腺癌を治療するための、デガレリクスを含む組成物を提供し、この治療においては、注射部位に関連する副作用以外の副作用の発生率および/または可能性が低下している。この組成物によって、対象の前立腺癌を治療することができ、この治療においては、投与部位に関連する副作用以外の副作用の発生率および/または可能性の低下している。さらなる態様の本発明は、対象の前立腺癌を治療するための医薬品の製造におけるデガレリクスの使用を提供し、この治療においては、注射部位に関連する副作用以外の副作用の発生率および/または可能性の低下している。
この治療は、心血管ならびに/または血管の副作用(例えば、心筋梗塞、胸痛、胸痛の発達、心雑音、心雑音の発達、心筋虚血、房室ブロック、深部静脈血栓(DVT)、心不整脈、冠状動脈障害および/もしくは心障害のうちの1つもしくは複数の発生率および/もしくは可能性の低下をもたらす)、筋骨格障害(例えば、関節痛および/もしくは筋骨格硬直)、結合組織障害、泌尿器系ならびに/または腎臓系の障害のうちの1以上の発生率または可能性の低下をもたらすこと、あるいはそうした発生率または可能性の低下に関係することができる。
この組成物(または医薬品)は、デガレリクスを、初回用量160〜320mgで投与し、かつその後は維持用量60〜160mgで20〜36日ごとに1回投与に用いることができる。この組成物(または医薬品)は、注射部位/または投与部位に関連する副作用以外の副作用の発生率および/または可能性が、GnRHアゴニストリュープロリドを用いた治療に伴うそのような副作用の発生率または可能性と比較して低下している治療に用いてもよい。
この組成物(または医薬品)は、治療の第28日までに、0.5ng/mL以下の治療的に低い血清テストステロンレベルを維持する、少なくとも95%の可能性を対象が有する治療のためのものであってもよい。例えば、治療の第28日〜第365日までに、0.5ng/mL以下の治療的に低い血清テストステロンレベルを維持する、少なくとも95%の可能性を対象が有する。この組成物(または医薬品)は、治療の第14日までに、対象が、前立腺特異抗原(PSA)の少なくとも30%の減少(例えば、少なくとも50%の減少)を示すという治療のためのものであってもよい。この組成物(または医薬品)は、治療の第28日までに、対象が、前立腺特異抗原(PSA)の少なくとも60%の減少(例えば、少なくとも75%の減少)を示す治療のためのものであってもよい。この組成物(または医薬品)は、治療の間、5ng/mL未満の前立腺特異抗原(PSA)レベルを維持する、少なくとも80%の可能性がある治療のためのものであってもよい。
この組成物(または医薬品)を、例えば、治療対象において、心血管および/または血管の(1つもしくは複数の)副作用の発生率および/または可能性が低下する治療に用いることができる。例えば、心筋梗塞、胸痛、胸痛の発達、心雑音、心雑音の発達、心筋虚血、房室ブロック、深部静脈血栓(DVT)、心不整脈、冠状動脈障害および/または心障害のうちの1つ以上の発生率および/または可能性が低下する治療に用いることができる。
この組成物(または医薬品)を、例えば、治療対象において、筋骨格障害および/または結合組織障害のうちの1つ以上の発生率および/または可能性が低下する治療に用いることができる。例えば、(例えば、局所的に進行した前立腺癌を有する対象、および/または65歳未満の対象において)関節痛および/または筋骨格硬直の発生率または可能性が低下する治療に用いることができる。
この組成物(または医薬品)を、例えば、泌尿器系または腎臓系の障害の発生率および/または可能性が低下する治療に用いることができる。例えば、尿閉および/または尿路感染(例えば、非感染性膀胱炎)の発生率および/その増加の可能性が低下する治療に用いることができる。この組成物(または医薬品)によって、局所進行性前立腺癌(locally advanced prostate cancer)を有する対象を治療することができる。
この組成物(または医薬品)によって、30kg/m未満の肥満度指数(BMI)を有する対象を治療することができ、例えば、20kg/mと30kg/mとの間、例えば、20kg/mと25kg/mとの間の肥満度指数(BMI)を有する対象を治療することができる。この組成物(または医薬品)によって、4mmol/L以上のコレステロールレベルを有する対象を治療することができる。
さらなる態様の本発明は、20kg/mと30kg/mとの間の肥満度指数を有する対象、例えば、20kg/mと25kg/mとの間の肥満度指数を有する対象の前立腺癌を治療するための、デガレリクスを含む組成物を提供する。さらなる態様の本発明は、4mmol/L以上のコレステロールレベルを有する対象の前立腺癌を治療するための、デガレリクスを含む組成物を提供する。
1つの態様では、本発明は、対象の前立腺癌を治療する方法を提供し、この方法は、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト療法のテストステロン急上昇またはその他の副作用を引き起こす可能性の低下をもたらす。この方法は、デガレリクスの初回用量約240mgを対象に投与するステップと、その後にデガレリクスの維持用量約80mgをおよそ28日ごとに1回対象に投与するステップとを含み、それによって、テストステロン急上昇またはその他のGnRHアゴニスト副作用を引き起こす可能性を低下させて、対象の前立腺癌を治療する。
さらなる態様では、本発明は、対象の前立腺癌を治療する方法を提供し、この方法は、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト療法のテストステロン急上昇またはその他の副作用を引き起こす可能性の低下をもたらす。この方法は、デガレリクスの初回用量160〜320mgを対象に投与するステップと、その後にデガレリクスの維持用量60〜160mgを20〜36日ごとに1回対象に投与するステップとを含み、それによって、テストステロン急上昇またはその他のGnRHアゴニスト副作用を引き起こす可能性を低下させて、対象の前立腺癌を治療する。
本発明のこれらの方法の特定の実施形態では、維持用量を月1回投与する。さらなる実施形態では、治療対象において、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストリュープロリド(leuprolide)を用いた治療と比較して、治療の間に望ましくない副作用を発症または経験する可能性が減少する。特定の実施形態では、治療対象において、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストリュープロリドを用いた治療と比較して、治療の間に心筋梗塞、胸痛、心雑音等の心血管の副作用または血管の副作用(例えば、深部静脈血栓(DVT))を発症または経験する可能性が減少する。さらなる実施形態では、この方法は、心不整脈、冠状動脈障害および心障害からなる群から選択される副作用を発症する可能性の減少を、治療対象にもたらす。特に有用な実施形態では、治療対象は、30kg/m未満の肥満度指数(BMI)、特に、25kg/m未満のBMIを有する。さらなる有用な実施形態では、治療対象は、4mmol/L(155mg/dL)以上のコレステロールレベルを有する。
さらなる実施形態では、本発明の方法を使用して、心血管疾患のリスクがある対象を治療する。特に有用な実施形態では、本発明の方法は、この方法によって治療するために、心血管疾患のリスクもある前立腺癌の対象を同定するステップをさらに含む。
その上さらなる実施形態では、治療対象において、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストリュープロリドを用いた治療と比較して、治療の間に関節痛および/または筋骨格硬直の発症またはそれらの増加を経験する可能性が減少する。その特に有用な実施形態では、治療対象は、局所進行性前立腺癌を有し、かつ/または65歳未満である。
さらなる実施形態では、治療対象において、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストリュープロリドを用いた治療と比較して、治療の間に筋骨格障害および/または結合組織障害を発症する可能性が減少する。特定の実施形態では、筋骨格障害および/または結合組織障害は、関節痛である。その他の実施形態では、筋骨格障害および/または結合組織障害は、筋骨格硬直である。
本発明のこれらの方法のその上さらなる実施形態では、治療対象において、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストリュープロリドを用いた治療と比較して、治療の間に非感染性膀胱炎を発症する可能性が減少する。
別の実施形態では、治療対象において、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストリュープロリドを用いた治療と比較して、泌尿器系または腎臓系の障害を発症する可能性が減少する。特定の実施形態では、泌尿器系または腎臓系の障害は、尿路感染である。その特に有用な実施形態では、治療対象は、局所進行性前立腺癌を有する。別の実施形態では、泌尿器系または腎臓系の障害は、尿閉の増加である。さらに別の実施形態では、泌尿器系または腎臓系の障害は、非感染性膀胱炎である。
さらなるその他の実施形態では、治療対象において、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストリュープロリドを用いた治療と比較して、治療の間に勃起不全を発症する可能性が減少する。その他の実施形態では、治療対象において、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストリュープロリドを用いた治療と比較して、治療の間に性欲が減少する可能性が減少する。
本発明の上記の方法の特定の実施形態では、治療の第28日までに、0.5ng/mL以下の治療的に低い血清テストステロンレベルを維持する、少なくとも約95%の可能性を治療対象が有する。特定の実施形態では、治療の第28日〜第364日までに、0.5ng/ml以下の治療的に低い血清テストステロンレベルを維持する、少なくとも約95%の可能性を治療対象が有する。その上さらなる実施形態では、治療の第14日までに、治療対象は、前立腺特異抗原(PSA)の少なくとも約30%の減少を示す。特定の実施形態では、治療の第14日までに、治療対象は、前立腺特異抗原(PSA)の少なくとも約50%の減少を示す。さらなる実施形態では、治療の第28日までに、治療対象は、前立腺特異抗原(PSA)の少なくとも約60%の減少を示す。その上さらなる実施形態では、治療の第28日までに、治療対象は、前立腺特異抗原(PSA)の少なくとも約75%の減少を示す。
本発明の方法のさらなる実施形態では、治療の間に、約5ng/mL未満の低い前立腺特異抗原(PSA)のレベルを維持する、少なくとも約80%(例えば、95%)の可能性を治療対象が有する。
本発明の方法のさらなる実施形態では、治療対象は、局所進行性前立腺癌を有し、治療の第14日までにPSAの少なくとも約40%の減少を示す。
その上さらなる実施形態では、治療対象は、転移性前立腺癌を有し、治療の第14日までにPSAの少なくとも約60%の減少を示す。
本発明の上記の方法の特定の実施形態では、治療対象は、30kg/m未満(とりわけ、25kg/m未満)の肥満度指数を有する。さらなる態様の本発明は、心血管の疾患または障害を発症する可能性が増加している対象の前立腺癌を治療するための、デガレリクスを含む組成物を提供する。さらなる態様の本発明は、心血管の疾患または障害を発症する可能性が増加している対象の前立腺癌を治療するための医薬品の製造におけるデガレリクスの使用を提供する。この組成物(または医薬品)によって、デガレリクスを、初回用量160〜320mgで投与し、かつその後は維持用量60〜160mgで20〜36日ごとに1回投与することができる。この組成物(または医薬品)によって、デガレリクスを、初回用量約240mgで投与し、かつ維持用量約80mgのデガレリクスで治療のおよそ28日ごとに1回投与することができる。この組成物または医薬品は、前立腺癌を有し心血管の疾患または障害のリスクがある適切な対象を同定するステップを含む治療に用いてもよい。心血管の疾患または障害は、例えば、心雑音、房室ブロックまたは心筋虚血であってよい。
この組成物または医薬品によって、心血管疾患リスクが増加しているおよび/または高い指標を有する対象を治療することができる。心血管疾患リスクが増加している指標は、高血圧、高い低密度リポタンパク質コレステロール、低い高密度リポタンパク質コレステロール、高血清グルコースおよび習慣性喫煙のうちの1つ以上である。この組成物または医薬品によって、130/85mmHg以上の血圧を有する対象を治療することができる。この組成物または医薬品によって、毎日喫煙する対象を治療することができる。この組成物または医薬品によって、約160mg/dL以上の低密度リポタンパク質コレステロールを有する対象を治療することができる。この組成物または医薬品によって、35mg/dL未満の高密度リポタンパク質コレステロールレベルを有する対象を治療することができる。この組成物または医薬品によって、約120mg/dL超の空腹時グルコースレベルを有する対象を治療することができる。心血管疾患リスクが高い指標は、高血清C反応性タンパク質(CRP)、高血清ホモシステイン、高血清フィブリノーゲンおよび高血清リポタンパク質(a)(Lp(a))のうちの1つ以上である。この組成物または医薬品によって、3mg/dL超のC反応性タンパク質レベルを有する対象を治療することができる。この組成物または医薬品によって、30μmol/L超の血清ホモシステインレベルを有する対象を治療することができる。この組成物または医薬品によって、7.0g/L超の血清フィブリノーゲンレベルを有する対象を治療することができる。この組成物または医薬品によって、30mg/dL超の血清Lp(a)レベルを有する対象を治療することができる。
この組成物または医薬品によって、30kg/m未満、例えば、25kg/m未満の肥満度指数を有する対象を治療することができる。この組成物または医薬品によって、20kg/mと30kg/mとの間、例えば、20〜25kg/mの肥満度指数を有する対象を治療することができる。この組成物または医薬品によって、4mmol/L以上のコレステロールレベルを有する対象を治療することができる。
別の態様では、本発明は、治療有効用量のデガレリクスを心血管の疾患または障害のリスクがある前立腺癌を有する対象に投与することによって、心血管の疾患または障害のリスクがある対象の前立腺癌を治療する方法を提供する。特定の実施形態では、治療有効用量は、デガレリクスの初回開始用量160〜320mg、およびデガレリクスの月1回維持用量60〜160mgを含む。さらなる実施形態では、治療有効用量のデガレリクスは、デガレリクスの維持用量約80mgによるおよそ28日に1回の治療を含む。その特定の実施形態では、治療有効用量のデガレリクスは、治療開始時のデガレリクスの単回初回用量約240mgをさらに含む。
特定の実施形態では、治療対象は、心雑音、房室ブロックおよび/または心筋虚血等の特定の心血管の疾患または障害のリスクがあると同定されている。
さらなる実施形態では、治療対象は、心血管疾患リスクが増加している指標、例えば、高血圧、高い低密度リポタンパク質コレステロール、低い高密度リポタンパク質コレステロール、高血清グルコースおよび/または習慣性喫煙の習慣を有する。特定の実施形態では、治療対象は、130/85mmHg以上の高血圧を有する。さらなる実施形態では、治療対象は、毎日喫煙する。その上さらなる実施形態では、治療対象は、約160mg/dL以上の、上昇した低密度リポタンパク質コレステロールのレベルを有する。さらなる実施形態では、治療対象は、35mg/dL未満の、低い高密度リポタンパク質コレステロールのレベルを有する。その他の実施形態では、治療対象は、約120mg/dL超の、上昇した空腹時グルコースのレベルを有する。
さらなるその他の特に有用な実施形態では、治療対象は、高血清C反応性タンパク質(CRP)、高血清ホモシステイン、高血清フィブリノーゲンおよび/または高血清リポタンパク質(a)(Lp(a))等の心血管疾患リスクが増加している指標を有する。特定の実施形態では、治療対象は、3mg/dL超の、上昇したC反応性のタンパク質のレベルを有する。その他の実施形態では、治療対象は、30μmol/L超の、上昇した血清ホモシステインのレベルを有する。さらなる実施形態では、治療対象は、7.0g/L超の、上昇した血清フィブリノーゲンのレベルを有する。その上さらなる実施形態では、治療対象は、30mg/dL超の、上昇した血清Lp(a)のレベルを有する。
特定の実施形態では、治療対象は、30kg/m未満(特に、25kg/m未満)の肥満度指数を有する。
さらなる実施形態では、治療対象においては、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストリュープロリドを用いた治療と比較して、心不整脈、冠状動脈障害および/または心障害等の心血管の副作用を発症する可能性が減少する。その特定の実施形態では、治療対象は、30kg/m未満(とりわけ、25kg/m未満)の肥満度指数(BMI)を有する。その他の実施形態では、治療対象は、4mmol/L(155mg/dL)以上のコレステロールレベルを有する。
さらに別の態様では、本発明は、心血管の疾患または障害のリスクもある前立腺癌を有する適切な対象を最初に同定することによって、心血管の疾患または障害のリスクがある対象の前立腺癌を治療する方法を提供する。次いで、心血管疾患のリスクがあるこの適切な対象に、デガレリクスの初回用量約240mgを投与し、続いて、その後はデガレリクスの維持用量約80mgをおよそ28日ごとに1回投与し、それによって、心血管の疾患または障害のリスクがある対象の前立腺癌を治療する。特定の実施形態では、デガレリクスの維持用量を月1回投与する。
さらなる態様では、本発明は、前立腺癌を有し、心血管の疾患または障害のリスクがある適切な対象を最初に同定することによって、心血管の疾患または障害のリスクがある対象の前立腺癌を治療する方法を提供する。次いで、心血管疾患のリスクがあるこの適切な対象に、デガレリクスの初回用量160〜320mgを投与し、続いて、その後はデガレリクスの維持用量60〜160mgをおよそ28日ごとに1回送達し、それによって、テストステロン急上昇またはその他のGnRHアゴニスト副作用を引き起こす可能性を低下させて、心血管の疾患または障害のリスクがある対象の前立腺癌を治療する。特定の実施形態では、デガレリクスの維持用量を月1回投与する。この態様の特定の実施形態では、治療対象は、30kg/m未満の肥満度指数(特に、25kg/m未満のBMI)を有する。さらなる実施形態では、治療対象には、心雑音、房室ブロックおよび/または心筋虚血等の心血管の疾患または障害のリスクがある。さらなるその他の実施形態では、治療対象は、心血管疾患リスクが増加している指標を有する。さらなる特定の実施形態では、治療対象は、心血管疾患リスクが増加している指標、例えば、高血圧、高い低密度リポタンパク質コレステロール、低い高密度リポタンパク質コレステロール、高血清グルコースおよび/または習慣性喫煙の習慣を有する。特定の実施形態では、治療対象は、130/85mmHg以上の高血圧を有する。さらなる実施形態では、治療対象は、毎日喫煙する。その上さらなる実施形態では、治療対象は、約160mg/dL以上の、上昇した低密度リポタンパク質コレステロールのレベルを有する。さらなる実施形態では、治療対象は、35mg/dL未満の、低い高密度リポタンパク質コレステロールのレベルを有する。その他の実施形態では、治療対象は、約120mg/dL超の、上昇した空腹時グルコースのレベルを有する。
さらなるその他の実施形態では、治療対象は、高血清C反応性タンパク質(CRP)、高血清ホモシステイン、高血清フィブリノーゲンおよび/または高血清リポタンパク質(a)(Lp(a))等の心血管疾患リスクが増加している指標を有する。特定の実施形態では、治療対象は、3mg/dL超の、上昇したC反応性のタンパク質のレベルを有する。その他の実施形態では、治療対象は、30μmol/L超の、上昇した血清ホモシステインのレベルを有する。さらなる実施形態では、治療対象は、7.0g/L超の、上昇した血清フィブリノーゲンのレベルを有する。その上さらなる実施形態では、治療対象は、30mg/dL超の、上昇した血清Lp(a)のレベルを有する。その他の実施形態では、治療対象において、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストリュープロリドを用いた治療と比較した場合、心不整脈、冠状動脈障害および/または心障害等の心血管の副作用を発症する可能性が減少する。その特定の実施形態では、治療対象は、30kg/m未満(特に、25kg/m未満)の肥満度指数を有する。
さらに別の態様では、本発明は、約25kg/m未満の肥満度指数をもつ前立腺癌を有する対象を同定することによって、好ましい対象の前立腺癌を治療する方法を提供する。こうして同定した好ましい対象に、デガレリクスの単回初回用量160〜320mgを投与し、続いて、その後にデガレリクスの月1回用量60〜160mgを20〜36日に1回投与する。特定の実施形態では、治療対象において、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストリュープロリドを用いた治療と比較した場合、心不整脈、冠状動脈障害および/または心障害等の心血管の副作用を発症する可能性が減少する。特定の実施形態では、デガレリクスの初回用量は約240mgであり、デガレリクスの維持用量約80mgは月1回投与する。さらなる特定の実施形態では、好ましい対象は、4mmol/L(155mg/dL)以上のコレステロールレベルを有する。
デガレリクスの化学構造を示す図である。 治療の第0日〜第364日におけるデガレリクス(degarelix)240mg/80mg投与の血漿テストステロンに対する作用を示すグラフである。 治療の第0日〜第28日における血漿テストステロンのパーセント変化に対するデガレリクス240mg/80mg投与の作用を、Lupron7.5mg投与の作用と比較して示すグラフである。 治療の第0日〜第364日の期間にわたる黄体形成ホルモン(LH)レベルの中央値に対するデガレリクス240mg/160mg投与およびデガレリクス240mg/80mg投与の作用を、Lupron7.5mg投与の作用と比較して示すグラフである。 治療の第0日〜第364日における卵胞刺激ホルモン(FSH)レベルの中央値に対するデガレリクス240mg/160mg投与およびデガレリクス240mg/80mg投与の作用を、Lupron7.5mg投与の作用と比較して示すグラフである。 治療の第0日〜第56日における前立腺特異抗原(PSA)レベルに対するデガレリクス240mg/80mg投与の作用を、Lupron7.5mg投与の作用と比較して示すグラフである。
本発明の特定の態様を以下に、より詳細に記載する。本明細書で参照する特許および科学文献は、参照により本明細書に組み込まれている。
概要
一般に本発明は、前立腺癌を治療するために、特に、特定の患者のサブグループにおいて、その他のアンドロゲン除去療法、特に、リュープロリド等のGnRHアゴニスト療法と比較して、最適な有効性、および重大な副作用(例えば、投与部位に関連する副作用以外の副作用)、例えば、心血管疾患、関節痛の低下をもたらす投与計画を使用する、デガレリクスGnRHアンタゴニストの使用(および治療方法)を提供する。
GnRHアゴニスト療法のリュープロリド(また、リュープロレリンまたはLUPRON DEPOT)の相対的な有効性および(有害な副作用を含めた)安全性が当技術分野では知られている(例えば、Persad(2002)Int.J.Clin.Pract.56:389〜96;Wilsonら(2007)Expert Opin.Invest.Drugs 16:1851〜63;およびBergesら(2006)Curr.Med.Res.Opin.22:649〜55を参照されたい)。さらにまた、GnRHアンタゴニスト療法のabarelix(PLENAXIS)の相対的な有効性および安全性も報告されている(例えば、Mongiat−Artusら(2004)Expert Opin.Pharmacother.5:2171〜9;およびDebruyneら(2006)Future Oncol.2:677〜96を参照されたい)。本明細書に記載する型の対照臨床試験を実施し、安全性、有効性および特定の患者の亜集団にとっての選択的な利点の解析を含めて、この試験を解析するための基本的な方法の総説が入手可能である(Spilker(1991)Guide to Clinical Trials Raven Press、New York;およびSpilker(1996)Quality of Life and Pharmacoeconomics in Clinical Trials Lippincott−Raven Publishers New Yorkを参照されたい)。
定義
単数形「a」、「an」および「the」は、文脈からそうでないことが明らかに指示されない限り、複数形への言及も含む。
本明細書で使用する場合、用語「ADR」は有害薬物反応を指し、用語「AE」は「有害事象」を指す。
用語「およそ(approximately)」および「約(about)」は、言及する数または値とほぼ同じであることを意味する。本明細書で使用する場合、用語「およそ」および「約」は一般に、特定する量、頻度または値の±10%までを包含すると理解されたい。
本明細書で使用する場合、用語「アゴニスト」は、タンパク質の生物活性を模倣または上方制御する(例えば、強化または補充する)薬剤を指すことを意図する。アゴニストは、野生型タンパク質または野生型タンパク質の少なくとも1つの生物活性を示すその誘導体であってよい。
本明細書で使用する場合、「アンタゴニスト」は、タンパク質の少なくとも1つの生物活性を下方制御する(例えば、抑制または阻害する)薬剤を指すことを意図する。
本明細書で使用する場合、用語「関節痛」は、1つ以上の関節における疼痛を指し、これは、損傷、感染、疾病、特に関節炎、または医薬品に対するアレルギー反応の症状として生じる場合がある。用語「関節痛」と用語「関節炎」とを区別する際には、「関節痛」は、非炎症性の状態を特定して指し、状態が炎症性の状態である場合には、用語「関節炎」を使用すべきことに留意しなければならない。
用語「肥満度指数」(BMI)は、身長に従って比べる人の体重の統計学的尺度を指し、これは、ヒトの身体の脂肪および筋肉の質量の相対的なパーセントの近似尺度である。BMIは、個人の身長の平方で割ったその人の体重と定義され、医学において使用されているこの式から、kg/mの測定単位が得られる。
用語「CI」は、統計学的な信頼区間を指す。
本明細書で使用する場合、用語「心血管」は、心臓および/または血管が関与する状態を指す。
本明細書で使用する場合、用語「心不整脈」は、心臓の電気的活動が不規則である、または正常よりも速いもしくは遅い、一群の状態のうちのいずれかである。
本明細書で使用する場合、用語「冠状動脈障害」または「冠状動脈疾患」は、冠状動脈を通り心臓の筋肉に至る血流を低下させる状態(硬化または血栓等)を指す。
本明細書で使用する場合、用語「心障害」は、冠状動脈心臓疾患、心臓発作、心血管疾患、肺心臓疾患および高血圧を含めた、心臓に影響を及ぼすいくつかの異常な臓器の状態のうちのいずれかを指す。
用語「深部静脈血栓(deep−vein thrombosis)」(深部静脈血栓(deep−venous thrombosis)またはDVTとしても知られている)は、深部静脈において凝血が形成されること(「血栓」(thrombus))である。深部静脈血栓は通常、大腿静脈もしくは膝窩動脈等の下肢静脈、または骨盤の深部静脈に影響を及ぼす。時には、腕の静脈も影響を受ける(パジェット・シュレッター病としても知られている)。血栓性静脈炎が、この種の病態のより一般的なクラスである。血栓が塞栓形成し、肺まで移動して、肺塞栓症を引き起こすリスクが顕著である。
用語「ECG」は、心電図を指す。
用語「MedDRA」は、医薬品の規制に関する医学用語集(Medical dictionary for regulatory activities)を指す。
用語「心筋梗塞」は、突然の胸痛、息切れ、悪心および意識の喪失、ならびに時には死亡を特徴とし得る、典型的には冠状動脈の閉塞の結果生じる心筋の梗塞を指す。「梗塞」は、梗塞巣が形成されるプロセスを指し、梗塞巣は、血栓または塞栓によって局所的な循環が妨害された結果生じる組織または臓器の壊死領域である。
「男性の性機能不全」は、性交不能、性欲の喪失および勃起不全を含む。「勃起不全」は、雄の哺乳動物が勃起、射精または両方を達成することができなくなる障害である。
用語「前立腺癌」は、前立腺細胞が突然変異し、制御不能に増殖し始める前立腺の癌のいずれかを指す。用語「前立腺癌」は、早期の限局性前立腺癌(localized cancer of the prostate gland);後期の局所進行性前立腺癌(locally advanced cancer of the prostate gland);および後期の転移性前立腺癌(mtetastatic cancer of the prostate gland)(この場合、癌細胞が、前立腺から身体のその他の部分、とりわけ、骨およびリンパ節に広がっている(転移している))を含む。
用語「前立腺特異抗原」または「PSA」は、前立腺細胞が産生する正常な男性の血清中にも少量存在するタンパク質を指すが、前立腺癌の存在下およびその他の前立腺障害においてはしばしば上昇する。PSAを測定するための血液検査が、前立腺癌を早期に検出するために現在利用できる最も有効な試験である。PSAの正常より高いレベルは、限局性および転移性の両方の前立腺癌(CaP)に伴う。
用語「PD」は、薬力学を指し、用語「PK」は、薬物動態学を指す。
用語「PT」は、基本語(preferred term)を指す。
用語「SAE」は、重大な有害事象を指す。
用語「SD」は、標準偏差を指す。
用語「SOC」は、器官別大分類を指す。
用語「SUSAR」は、疑わしい、予期せぬ、重大な有害反応を指す。
「対象」または「患者」は、雄の哺乳動物、より好ましくは、男性のヒトである。非ヒト、雄の哺乳動物として、これらに限定されないが、家畜、競技用動物および愛玩動物が挙げられる。
「尿路感染」(UTI)は、尿路のいずれかの部分に影響を及ぼす細菌感染であり、尿路は、尿が通過する管であり、腎臓の腎尿細管および腎盂、尿管、膀胱、ならびに尿道を含む。UTIの最も一般的な型は、しばしば膀胱炎とも呼ばれている膀胱の感染である。UTIの別の種類が、腎盂腎炎として知られている腎臓の感染であり、これはより重大な状態である。
デガレリクスおよび関連の医薬製剤
デガレリクスは、強力なGnRHアンタゴニストであり、5位および6位においてp−ウレイド−フェニルアラニンを組み込んでいる、GnRHデカペプチド(pGlu−His−Trp−Ser−Tyr−Gly−Leu−Arg−Pro−Gly−NH)の類似体である(Jiangら(2001)J.Med.Chem.44:453〜67)。これは、(前立腺切除または放射線療法をすでに受けた後にPSAレベルが上昇している患者を含めて)アンドロゲン遮断の保証される前立腺癌患者の治療に適応する。
デガレリクスは、選択的GnRH受容体アンタゴニスト(遮断薬)であり、下垂体のGnRH受容体に競合的かつ可逆的に結合し、それによって、ゴナドトロピン、ひいてはテストステロン(T)の放出を迅速に低下させる。前立腺癌は、ホルモン感受性前立腺癌の治療における主要原則であるテストステロンの除去に対して感受性である。GnRHアゴニストとは異なり、GnRH受容体遮断薬は、治療開始後に、黄体形成ホルモン(LH)急増、それに続くテストステロン急増/腫瘍刺激を引き起こさず、症候性の発赤を引き起こす可能性も低い。
活性成分デガレリクスは、合成の直鎖デカペプチドアミドであり、7つの非天然アミノ酸を含有し、それらのうちの5つはD−アミノ酸である。この薬物物質は、酢酸塩であるが、この物質の活性部分は、遊離塩基としてのデガレリクスである。デガレリクスの酢酸塩は、凍結乾燥後に、白色から灰白色、低密度の非結晶粉末として得られる。化学名は、D−アラニンアミド,N−アセチル−3−(2−ナフタレニル)−D−アラニル−4−クロロ−D−フェニルアラニル−3−(3−ピリジニル)−D−アラニル−L−セリル−4−[[[(4S)−ヘキサヒドロ−2,6−ジオキソ−4−ピリミジニル]カルボニル]アミノ]−L フェニルアラニル−4−[(アミノカルボニル)アミノ]−D−フェニルアラニル−L ロイシル−N6−(1−メチルエチル)−L−リジル−L−プロピルである。これは、実験式C821031816Clおよび分子量1,632.3Daを有する。デガレリクスの化学構造が以前に示されており(EP1003774、US5,925,730、US6,214,798)、これを図1に示す。また、これは、式:Ac−D−Nal−D−Cpa−D−Pal−Ser−Aph(Hor)−D−Aph(Cbm)−Leu−Lys(iPr)−Pro−D−Ala−NHによっても表すことができる。
投与および用量
デガレリクスを、以下にさらに詳細に記載するように、一般に、静脈内とは異なり、腹部領域において皮下投与するために製剤化することができる。皮下注射によって投与されるその他の薬物と同様、注射部位を定期的に変えて、治療を注射部位の不快感に適応させることができる。一般に、注射は、患者が圧力に曝されない領域、例えば、ウエストバンドまたはベルトから離れた領域、および肋骨から離れた領域において施すべきである。
皮下注射または筋肉内注射によるデガレリクスの投与が良好に作用するが、一般に、毎日の投与は受け入れられにくいから、WO03/006049ならびに米国公開第20050245455号および第20040038903号にさらに詳細に記載されているように、デガレリクスのデポー製剤を利用してもよい。手短に述べると、デガレリクスの皮下投与を、生分解性ポリマーマトリックスから、このペプチドを一定期間、(典型的には)1〜3カ月にわたり放出させるデポー技術を使用して実施することができる。デガレリクスおよび関連のGnRHアンタゴニストペプチドは、WO03/006049ならびに米国公開第2005/0245455号および第2004/0038903号に記載されているように、GnRH受容体に対して高い親和性を示し、その他のGnRH類似体よりもはるかに水溶性である。デガレリクスおよびこれらの関連のGnRHアンタゴニストは、皮下注射後にゲルを形成することができ、このゲルは、このペプチドを数週間または数カ月もの期間にわたり放出するデポーとして作用することができる。
有効なデガレリクスのデポーを形成するための主たる変数は、投与される物質の量と組み合わさった溶液濃度である。濃度は、機能を示す範囲内にある必要がある。製剤濃度が低すぎると、与えられた薬物物質の量にかかわらず、デポーが形成されず、作用の持続性が失われる。製剤濃度が高すぎると、薬物を投与することができる前にゲルの形成が生じる。デガレリクスの有効なデポー形成製剤は一般に、5mg/mL以上のデガレリクス、例えば、5〜40mg/mLのデガレリクスの濃度を有する。
したがって、(溶媒を用いて)注射(例えば、上記したように、デポーを形成させるための、例えば、皮下注射)用の液剤として再構成するための粉末として、デガレリクスを提供することができる。この粉末は、デガレリクス(例えば、酢酸塩として)およびマンニトールを含有する凍結乾燥物として提供することができる。適切な溶媒は水(例えば、注射用水またはWFI)である。例えば、液剤各1mLが約40mgのデガレリクスを含有するように、3mLのWFIを用いて再構成するために、120mgのデガレリクス(酢酸塩)を含有するバイアル中に、デガレリクスを提供することができる。別の例では、80mgのデガレリクス(酢酸塩)を含有するバイアル中に、デガレリクスを提供することができる。約4mLのWFI、例えば、4.2mLのWFIを用いて再構成すると、液剤各1mLは約20mgのデガレリクスを含有する。
この組成物は、デガレリクスを、初回用量160〜320mgで、かつその後は維持用量60〜160mgで20〜36日に1回投与するためのものであってもよい。例えば、この組成物は、デガレリクスを、初回用量約240mgで、かつその後は維持用量約80mgでおよそ28日に1回投与するためのものであってもよい。
前立腺癌を有する成人男性を治療するための好ましい投与計画は、デガレリクスの単回開始用量240mgを2回に分けて、各120mgを皮下注射して投与し、続いて、初回開始投与およそ1カ月後からデガレリクスの維持用量80mgを月1回単回皮下注射して投与する。
例えば、デガレリクス投与計画では、初回開始用量240mgを2回に分けて、各3mLの約40mg/mLデガレリクス製剤を注射して投与し、続いて、維持用量80mgを、4mLの約20mg/mLデガレリクス製剤を月1回単回皮下注射して投与することができる。別の例では、例えば、4mLの約40mg/mlデガレリクスを月1回投与することによって、月1回維持用量160mgを利用することができる。
再構成された液剤は、透明な液体であり、未溶解物質を含有してはならない。デガレリクスの単回用量240mg、それに続く月1回維持用量80mgによって、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、それに続いて、テストステロンの濃度減少が迅速に生じる。ジヒドロテストステロン(DHT)の血漿濃度も、テストステロンと同様のやり方で減少する。
デガレリクスは、テストステロンの抑制を、医学的去勢のレベルである0.5ng/mLを十分に下回って達成しかつそれを維持するのに有効である。以下にさらに詳細に記載するように、月1回維持用量80mgによって、97%の患者において少なくとも1年間は持続性のテストステロンの抑制が得られた。特に、治療1年後のテストステロンレベルの中央値は、0.087ng/mLであった。
以下の表1に、前立腺癌患者において評価したデガレリクスに関連のある薬物動態パラメータを要約する。80mg、濃度20mg/mLを用いた維持相におけるデガレリクスのトラフ濃度の中央値は、10.9ng/mLであった。
Figure 0005924866
デガレリクス240mg(濃度40mg/mLにおける6ml)を前立腺癌患者に皮下投与した後には、デガレリクスは二相性に排出され、消滅半減期(terminal half−life)の中央値はおよそ43日である。皮下投与後の長い半減期は、(1つ以上の)注射部位において形成されたデポーからのデガレリクスの非常に緩慢な放出の結果である。この薬物の薬物動態学的挙動は、注射用懸濁剤中のその濃度に強く影響を受ける。
健康な高齢男性においてその結果生じた分布容積は、およそ1L/kgである。血漿タンパク質への結合は、およそ90%であると推定されている。
デガレリクスは、肝胆汁系を通過する間に通常のペプチド分解を受け、主にペプチド断片として糞便中に排泄される。皮下投与後、血漿試料中には顕著な代謝産物は検出されなかった。in vitro試験によって、デガレリクスは、ヒトCYP450系の基質ではないことが示されている。したがって、その他の薬物との臨床的に顕著な薬物動態学的相互作用が生じる可能性は低い。
健康な男性においては、所与の用量のデガレリクスのおよそ20%が腎臓から排泄され、このことから、ヒトにおいては、およそ80%が肝胆汁系を介して排泄されることが示唆されている。健康な高齢男性におけるクリアランスは、35〜50mL/時間/kgである。
有害事象(副作用)
デガレリクスが、臨床治験においては一般に忍容性が良好であることを見出すに至った。FIRMAGON療法の間の最も一般的に観察される有害反応は、テストステロン抑制の予想される生理的作用によるものであり、主として、のぼせおよび体重増加、ならびに注射部位に関連する有害事象(注射部位に関連する副作用)、主に注射部位疼痛および注射部位紅斑であった。
前立腺癌を有する患者の12カ月間の治療について、デガレリクス皮下(s.c.)とリュープロリド筋肉内(i.m.)とを比較した検証的対照治験(confirmatory active−controlled clinical trial)では、最も頻繁に報告される副作用は、疼痛(28%)、紅斑(17%)、腫大(6%)、硬結(4%)および小結節(3%)を含めた、注射部位において生じる有害事象(注射部位に関連する副作用)であった。これらの有害事象のほとんどは、一過性であり、軽度から中等度の強度であり、主として開始用量によって生じ、中断は非常にわずかであった(<1%)。大部分の注射部位の有害事象は、いずれの治療も必要としなかった。報告された事象のうち、20%は、患者が鎮痛剤または冷湿布等の一般用医薬品(OTC)の治療薬を用いた治療を受けることによって寛解した。さらに、いくつかのその他の有害事象も頻繁に生じ、これらは、以下の表2に要約するように、体重増加、疲労、悪寒、のぼせ、高血圧、背部痛、関節痛および尿路感染であった。
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肝機能のいずれかの臨床的に顕著な変化は証明されなかった。肝臓酵素の上昇がわずかに見られ、これらの変化は一般に、軽度かつ一過性であった。その他の投与計画を与えた患者を含めて、前立腺癌の治療におけるデガレリクスを用いた全ての臨床治験からの安全性データをプールした。これまでに記載しなかった以下の有害反応、すなわち、勃起不全、女性化乳房、発汗過多、精巣萎縮および下痢が、≧1%の患者において薬物に関連することが治験担当者によって報告された。
文献には、精巣摘出を受けているまたはGnRHアゴニストを用いて治療されたことがある男性において、骨密度の減少が報告されている。男性における長期の医学的性腺摘除術は骨密度に対して作用を及ぼすことが予期され得る。
前立腺癌を治療するためのデガレリクス療法の投与計画の利点は、その他の臓器または組織に対する有害反応、有害事象または副作用の発生の可能性の減少および/またはそれらの症状の重症度の低下を含む。薬物療法に関連する潜在的な有害事象の広範なリストを記載するに至った。
有害反応用語集によって、治験担当者が同じ有害反応は同じ用語を用いて同定し、異なる有害反応は異なる用語を用いて同定することが可能になる。標準的な用語集を使用することができるが、有害反応の用語およびそれらの同義語を定義するために特化した薬学用語集が開発されている(Gillum(1989)“The Merck regulatory dictionary:A pragmatically developed drug effects vocabulary”Drug Info.J.23:217〜220を参照されたい)。また、世界保健機構(World Health Organization)(WHO)の有害反応用語集(Adverse Reaction Terminology)も、薬物が引き起こす副作用の意味の範囲を定めるために利用することができる(例えば、Saltzman(1985)“Adverse reaction terminology standardization”Drug Info.J.19:35〜41を参照されたい)。また、Coding Symbols for a Thesaurus of Adverse Reaction Temrs(COSTART)の体系も、当技術分野で知られている(例えば、NcNeilら(1982)N.Engl.J.Med.306:1259〜62;ならびにTealおよびDimmig(1985)“Adverse drug experience management”Drug Info.J.19:17〜25を参照されたい)。これらのリストはしばしば、体組織によって分類され、特定の用語には、代替の分類を用いて注釈が付けられている。
COSTARTは、多様な源から出てくる有害反応報告の語彙の統一のための基本となる。COSTARTは主として、解剖学的形態によって体系化されている。ここでは、最も広義の階層(体組織カテゴリー)から最も狭義の階層(特異的な基本語または特別な検索カテゴリーさえ)まで、用語が階層的に整理されている。COSTART語彙集は、食品衛生局(Food and Drug Administration)(FDA)のCenter for Drugs and Biologicsによって、市販後医薬品監視のために使用かつ維持され、種々の審査課の多くの上級管理者によって支持されている。COSTARTには4つのインデックスがあり、インデックスAは、体組織検索カテゴリーを含めた、3つのリスト、および特別な検索カテゴリー(例えば、新生物)を含む。
WHOの有害反応の用語集の体系は、比較的短い。コード番号が、これらの用語のそれぞれに割り当てられている。これには、用語が異なる言語に翻訳された場合に、同じコードが保持される利点がある。WHO体系は、「基本語」の階層を使用して、有害反応を記載する。その他の一般的に使用される用語は、「慣用語(included term)」と呼ばれ、これらは、それらの基本語と共に記載されている。
FDAおよび多くの製薬会社が、有害反応の入手、収集、処理および定義付けのやり方に関する体系の評価を行っている。FDAによって使用されてきた医学用語集(「The Center for Drugs and Biologics Ingredient Dictionary」)が当技術分野では知られており、有害事象のカテゴリー化におけるその使用が取り組まれている(例えば、Forbesら(1986)Drug Info.J.20:135〜45;およびTurnerら(1986)Drug Info.J.20:147〜50を参照されたい)。
COSTART、SNOMEDおよびWHO有害反応用語集の特定の利点および欠点が、Stephensによって総説されている(“The Detection of New Adverse Drug Reactions”pp.18〜124、Stockton Press、New York)。
MedDRAの医薬品の規制に関する医学用語集は、薬物の試験に関連する有害事象を定義するための特に有用な源である。MedDRAは、実利的で、医学的に妥当な用語集を活用しており、データの入力、検索、解析および表示の使い勝手のよさ、ならびに規制環境の範囲内での感受性と特異性との間の適切なバランスが強調されている。これは、日米EU医薬品規制調和国際会議(International Conference on Harmonisation)(ICH)が開発し、ICH運営委員会の受託者として活動している国際製薬団体連合会(International Federation of Pharmaceutical Manufacturers and Associations)(IFPMA)が所有しており、商業的に容易に入手することができる(例えば、www.meddramsso.comのMedDRAのホームページを参照されたい)。MedDRAの国際維持管理機関(Maintenance and Support Services Organization)(MSSO)が、国際製薬団体連合会(IFPMA)と契約を交わして、この用語集の業務の維持および支援を行っている。MedDRAの用語集は、動物の毒物学を除く薬物開発の全ての相に適用され、以下の実施例において活用されている。
以下にさらに詳細に記載するように、予想外なことに、心血管の異常(例えば、心不整脈、冠状動脈障害および心障害)、関節痛および尿路感染を含めて、いくつかのその他の有害反応が、GnRHアンタゴニストのリュープロリド等の先行技術のアンドロゲン除去療法よりも低い頻度で生じる。
心血管疾患
本発明は、心血管疾患を発症するリスクがある、前立腺癌を有する個人を治療するための方法、および前立腺癌患者であって、それ以外は正常な、心血管の副作用を発症する可能性が低い患者を治療する方法を含む。本発明のこの態様は、先行技術のアンドロゲン除去療法を用いて治療された患者において、前立腺癌以外の原因、特に、心血管の健康に対する有害作用に関連する原因による死亡のリスクが増加している可能性を示唆する最近の知見を踏まえると、特に意義深い(Yannucciら(2006)J.Urol.176:520〜5を参照されたい)。
心血管疾患を発症するリスクの兆候が広範に調査されており、これらは当技術分野では知られている(例えば、Wilsonら(1998)Circulation 97:1837〜47;Hackam(2003)JAMA 290:932〜940を参照されたい)。これらの心血管のリスク因子は、高血圧(具体的には、130/85mmHg以上);高いレベルの低密度リポタンパク質コレステロール(具体的には、160mg/dL以上);低いレベルの高密度リポタンパク質コレステロール(具体的には、35mg/dL未満);高いレベルの血清グルコース(具体的には、約120mg/dL超の絶食時グルコースレベル);C反応性のタンパク質(CRP)の高い血清レベル(具体的には、3mg/dL超のレベル);ホモシステインの高い血清レベル(具体的には、30μmol/L超のレベル);血清フィブリノーゲンの高い血清レベル(具体的には、7.0g/L超のレベル);およびリポタンパク質(a)(Lp(a))の高い血清レベル(具体的には、30mg/dL超のレベル)を含む。さらに、習慣性喫煙も、心血管疾患のリスクの増加に関係することが示されている。
さらに、体重全般、肥満度指数(BMI)および「メタボリックシンドローム」の指標の存在と、心血管疾患リスクとの関係も報告されている(例えば、BehnおよびUr(2006)Curr.Opin.Cardiol.21:353〜60;ならびにRomero−Corralら(2006)The Lancet 368:666〜78を参照されたい)。
本発明を以下の実施例によってさらに例証するが、これら実施例によって発明が限定されると解釈してはならない。
前立腺癌治療のためのデガレリクスの臨床治験
この実施例では、非盲検、多施設、無作為化、平行群間試験を実施して、デガレリクスの1か月投与計画の有効性および安全性を調査した。2つのデガレリクス治療群の患者には、デガレリクスを、開始用量240mg、濃度約40mg/mLで投与し、続いて、2つの異なる月1回投与計画、すなわち、160mg(約40mg/mL)および80mg(約20mg/mL)のうちのいずれかで投与した。これらのデガレリクス投与計画を、アンドロゲン除去療法を必要とする前立腺癌を有する患者において、LUPRON DEPOT(商標)7.5mgと比較した。
また、この試験では、去勢値までのテストステロン抑制の達成および維持(12ヶ月間の治療でテストステロン抑制0.5ng/mL以下の患者の割合として評価した)に関して、デガレリクスが安全かつ効果的であるかどうかも調査し、デガレリクス投薬計画を用いた治療の最初の28日間のテストステロンおよび前立腺特異抗原(PSA)の血清値を、ロイプロリド7.5mgで治療した場合と比較して評価した。さらにこの試験は、デガレリクス投与計画を使用した場合の安全性および忍容性を、リュープロリド7.5mgを用いた治療と比較し、その上、デガレリクス投与計画を用いた場合のテストステロン、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)およびPSA応答を、リュープロリド7.5mgと比較した。さらにこの試験は、治療の間に患者が報告した治療成果(生活の質の因子、およびのぼせ)も、デガレリクス投与計画とリュープロリド7.5mgとで比較した。最後に、この試験は、調査したデガレリクス投与計画の薬物動態を評価した。
試験デザイン
総数620人の患者を、1:1:1で3つの治療群のうちの1つに無作為化した。これらのうち、610人の患者にはIMP(Investigational Medical Product)を投与した。10人の無作為化した患者が投与前に撤退した。
2つの治療群の患者には、第0日に、デガレリクスの開始用量240mg、濃度40mg/mL(240@40)を2回に等分して、各120mgを皮下(s.c.)注射して投与した。その後、患者には、28日ごとに1回、80mg、濃度20mg/mL(80@20:デガレリクス240/80mg群)または160mg、濃度40mg/mL(160@40:デガレリクス240/160mg群)のいずれかの単回s.c.デガレリクス用量をさらに12回s.c.投与した。第3の治療群では、患者に、リュープロリド7.5mgを用いた活性な治療を、単回筋肉内(i.m.)注射として第0日、及び28日ごとに投与した。リュープロリド7.5mgを用いた治療を投与した患者については、治験担当者の判断で、臨床的な発赤からの保護としてビカルタミドを投与することができた。
患者を、地理的領域(欧州中部および欧州東部、欧州西部、ならびに南北アメリカ)、さらに体重(<90kgおよび≧90kg)に従って層別化した。
デガレリクス240/160mg群
この群には、第0日に、初回用量240mg、濃度40mg/mL(240@40)を投与した。この開始用量は、2回に等分して、各120mgを皮下(s.c.)注射して投与した。次いで、この群には、デガレリクスを、維持用量160mg、濃度40mg/mL(160@40)の単回s.c.用量として28日ごとに1回ずつ、12回投与した。
デガレリクス240/80mg群
また、この群にも、第0日に、初回用量240mg、濃度40mg/mL(240@40)を投与した。この開始用量は、2回に等分して、各120mgをs.c.注射して投与した。次いで、この群には、デガレリクスを、維持用量80mg、濃度20mg/mL(80@20)の単回s.c.用量として28日ごとに1回ずつ、12回投与した。
リュープロリド7.5mg群
この群には、参照療法のリュープロリド7.5mgを投与した。この治療は、単回筋肉内(i.m.)注射として、第0日に開始し、その後は28日ごとに1回投与した。
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患者を継続的にモニターし、患者は、月1回の間隔で最長1年来診した。患者を、試験薬物の投与の度に少なくともその後1時間は臨床的に観察した。この試験を完了し、適切な判断基準を満たした患者には、延長試験において、長期の治療および支援を受ける機会を提供した。
総数807人の患者をスクリーニングし、620人の患者を、1:1:1で3つの治療群、すなわち、デガレリクス240/160mg、デガレリクス240/80mg、およびリュープロリド7.5mgに無作為化した。無作為化した620人の患者のうち、610人の患者が試験医薬品の投与を実際に受け、これらは、デガレリクス240/160mg治療群、デガレリクス240/80mg治療群、およびリュープロリド7.5mg治療群にそれぞれ、202人、207人および201人の患者を含んだ。総数504人の患者が試験を完了した。
診断、および試験への選択の判断基準
アンドロゲン除去治療が適応である(ネオアジュバントホルモン療法を除く)、(グリーソンのグレードにより)組織学的に確認された前立腺腺癌(全病期)を有する18歳以上の男性に、参加する資格があった。試験に関連のある活動はいずれも、インフォームドコンセントへの署名を得てから行った。スクリーニング時において、患者は、>1.5ng/mLのテストステロンレベルおよび≧2ng/mLのPSAレベルのベースラインを示さなければならなかった。根治目的で前立腺切除または放射線療法を受けた後にPSAが上昇している患者は、この試験に含めることができた。患者には、≦2のECOGスコアおよび少なくとも12カ月の余命を有する必要があった。前立腺癌の以前または現在のホルモン管理(外科的去勢、またはその他のホルモン操作、例えば、GnRHアゴニスト、GnRHアンタゴニスト、抗アンドロゲン薬またはエストロゲン)がある場合には、この試験から除外した。しかしながら、根治目的で前立腺切除術または放射線療法を受けたことのある患者で、ネオアジュバントホルモン療法がスクリーニング診療前の少なくとも6ヶ月前に打ち切られていた場合には、ネオアジュバントホルモン療法を最大6ヶ月にわたって受けている場合でも研究対象として認めた。また、5−α−レダクターゼ阻害剤による併用治療がある場合も、この試験から除外した。根治療法(すなわち、前立腺切除または放射線療法)の候補である患者は除外した。この試験の結論に影響を及ぼす恐れがあると治験担当者が判断した重度の過敏症反応または(前立腺癌以外の)臨床的に顕著な障害の病歴がある患者は、この試験に加わる資格がなかった。QT/QTcF間隔を延長させることができる医薬品を併用していたかまたはトルサード−ド−ポアンツ心室性不整脈の追加のリスク因子の病歴があり、QT/QTcF間隔の著しいベースラインの延長(>450ミリ秒)を示す患者は除外した。また、スクリーニングの来診時に正常範囲の上限レベルを上回る血清ALTレベルもしくは総ビリルビンレベルの上昇を示したかまたは既知もしくは疑わしい肝臓の症候性の胆道疾患を有する患者も除外した。また、患者がIMPのいずれかの構成成分に対する既知の過敏症を有する場合には、これらの患者も除外した。さらに、前立腺癌、および外科的に除去された皮膚の基底細胞癌または扁平上皮癌を除いて、過去5年以内にいずれかの形態の癌に罹患した患者も、この試験から除外した。また、適切な理解または協力を妨げる精神的無能力または言語障壁を有する患者にも、この試験に参加する資格がなかった。その他のIMPは、スクリーニングの来診前の28日以内には投与されていないものとした。
治療の持続期間
デガレリクス治療群の患者には、開始用量240@40を第0日に、かつ12回の維持用量160@40(デガレリクス240/160mg群)または80@20(デガレリクス240/80mg群)を28日ごとに1回ずつ投与した。IMPの投与は、第0日、第28日(±2日)に、かつその後は28日(±7日)ごとに1回、試験終了の来診時すなわち第364日(±7日)まで行った。この試験を完了し、適切な判断基準を満たした患者には、延長試験において、長期の治療および支援を受ける機会を提供した。
参照療法群の患者には、リュープロリド7.5mgを用いた治療を、第0日に、かつその後は維持用量を28日ごとに1回ずつ、12回投与した。この試験を完了した患者は、全部で13回の投与を受けた。この試験を完了し、適切な判断基準を満たした患者には、継続試験において、デガレリクス治療への切換えを提供した。これらの患者を、デガレリクス治療の240/80mgまたは240/160mgに無作為化した。この試験の第0日には、以前は試験CS21においてリュープロリド7.5mgを用いた治療を受けていた患者には、デガレリクス開始用量240mg(40mg/mL)を投与し、続いて、80mg(20mg/mL)または160mg(40mg/mL)のいずれかの維持用量を月1回投与した。
比較群の患者を、二室シリンジに充填済みのリュープロリド7.5mgを用いて筋肉内(i.m.)注射して治療した。患者には、リュープロリド7.5mgを、第0日に、かつそれに続いて28日ごとに1回ずつ、単回i.m.注射として投与した。治験担当者の判断で、臨床的な発赤からの保護としてビカルタミドを投与することができた。
有効性評価のための判断基準
一次有効性エンドポイントは、第28日から第364日まで≦0.5ng/mLのテストステロンレベルを維持する可能性であった。
二次有効性エンドポイントは、治療の最初の2週の間にテストステロン急増を示した患者の割合;第3日に≦0.5ng/mLのテストステロンレベルを示した患者の割合;第28日までのPSAのベースラインからのパーセント変化;第56日から第364日までの≦0.5ng/mLのテストステロンの可能性;この試験を通しての経時的な血清中のテストステロン、LH、FSHおよびPSAのレベル;最下点と比較して2回連続した50%の上昇および少なくとも5ng/mLと定義されるPSA再発(PSA failure)までの時間;最初の1カ月にわたるデガレリクス濃度および第308日および第336日のトラフレベル;第252日のテストステロンレベルと比較した、第255日および/または第259日のテストステロン増加の頻度および大きさ;第0日、第28日、第84日、第168日および試験終了の来診時の生活の質;経験したのぼせの頻度および強度(試験開始から試験終了の来診時まで毎日スコア化した)であった。さらに、2つの二次エンドポイント、すなわち、第28日から第364日までの十分なテストステロン応答の可能性(患者が第28日以降に>1.0ng/mLのテストステロン値を1回か、または>0.5ng/mLのテストステロン値を連続して2回示した場合に、この患者は不十分なテストステロン応答を示したとみなした);および第14日までのPSAのベースラインからのパーセント変化を追加した。
安全性評価のための判断基準
以下について、この試験の安全性の変数を判定した:有害事象(AE)の頻度および重症度;検査室パラメータの臨床的に顕著な変化の存在(臨床化学、血液学および尿検査);心電図(ECG)およびバイタルサインの変化;身体検査によって検出された変化;ならびに体重。
有害事象(AE)を、IMPを投与した患者または治験対象におけるいずれかの都合の悪い医学的な出来事と定義し、これは、この試験治療と因果関係がある必要は必ずしもなかった。したがって、AEは、このIMPとの関連の有無にかかわらず、この薬品の使用と時間的に関係があるいずれかの好ましくないまたは意図しない徴候(異常な検査室所見を含む)、症状または疾患である。
また、この定義は、偶発的な傷害、ならびに医薬品(薬物および/もしくは用量)の変更の理由、いずれかの医師、看護師もしくは薬剤師による相談、または入院もしくは外科手術も含んだ。また、これは、通常観察されるAEおよびIMPの薬理学的作用に基づいて予期されるAEも含んだ。また、積極的な管理を必要とする重症度の臨床的に有意な注射部位反応(すなわち、用量の変更、試験薬物の中断、より頻繁な追跡、または注射部位の治療)はいずれも、AEであるとみなし、AEログに報告するものとした。この定義は、注射部位反応に関連するAEについての報告の最低要件であった。積極的には追跡しないが、それでも反応がAEであるとみなされる状況が生じ得た。
有害薬物反応(ADR)を、治験担当者がIMPを用いた治療に関連する可能性が高いまたはその可能性があると評価するAEと定義した。
予期せぬAEを、スポンサーの現在の治験担当者の概要またはリュープロリド7.5mgの添付文書の「望ましくない作用」のセクションにおいて同定されていない性質、重症度または頻度のAEと定義した。
AEは、患者によって自発的に提供されても、または治験担当者による患者の生活状態についての一般的な問診に対する応答であってもよく、あるいは全身性および局所性の忍容性の変化、検査室パラメータまたは身体検査の結果であってもよい。全てのAEを記録した。それぞれの事象の性質、発症の日時、持続時間、強度、重大さの判断基準、その原因およびこの試験医薬品との関係の判定、特定の療法の必要性およびその治療成果を記載した。AEに起因してとった行動を医薬品に従って分類した(変更なし、中断、[具体的な]その他の変更)。AEを治療するために使用した全ての医薬品を、併用医薬品ログに記録にした。
この試験医薬品の使用と関係があるとみなされてもみなされなくても、AEを経験した全ての患者を、AEが消散、安定化するまでか、または患者のこの試験への参加が終了するまで(すなわち、その患者についての試験終了時の来診が完了するまで)追跡するものとした。
治験担当者が重大、重度である、および/またはこのIMPに関連する可能性があるもしくはその可能性が高いと判定したAEはいずれも、それが消散するまで、またはその患者の医学的状態が安定になり、全ての関連のある追跡情報がFerring Pharmaceuticals A/Sに報告されるまで追跡するもとした。さらに、AEに関連する肝機能検査(LFT)はいずれも、治験担当者が追跡するものとした。AEの治療成果を、回復した、回復したが続発症を生じた、まだ回復していない、または死亡と分類した。
いかに軽微であろうとも全てのAEを、治験担当者がIMPに関連する事象であるとみなしてもみなさなくても文書に記録した。AEの強度が悪化し、その患者が観察の間に回復しない場合には、個々のAEの最も高い強度を記録した。AEの報告期間は、患者がインフォームドコンセントに署名した時から試験終了の来診時までであった。療法を必要とするAEは、診療の認められている標準を用いて治療し、患者の健康および生活状態を保護した。緊急事態には、最良の可能な治療を保証するために、適切な蘇生装置および医薬品を利用することができた。
AEを、国立癌試験所(National Cancer Institute)(NCI)の有害事象共通用語基準(Common Terminology Criteria for Adverse Events)(CTCAE)に従って段階付けた。CTCAEの判断基準に従って、AEを、軽度、中等度、重度、重篤または身体障害、および死亡に対応する5点スケール上で評定した。CTCAE中に記載されていないAEについては、以下に示すように、別の5点評定スケールを使用して、AEの強度を評定した。
段階1のAE:軽度〜軽微;特定の医療介入なし;無症候性の検査室所見のみ;X線検査所見のみ;わずかな臨床的関連。
段階2のAE:中等度−最小の介入〜局所的な介入、または非侵襲性の介入。
段階3:重度−顕著な症状、入院または侵襲性の介入を必要とする;輸血;待機的な放射線による介入手順;治療のための内視鏡検査または手術。
段階4:重篤または身体障害−循環不全、出血、敗血症等の急性の生命を危うくする代謝または心血管の合併症の併発;生命を危うくする生理学的な結果;集中治療または緊急な侵襲性の手順を必要とする;緊急な放射線による介入手順、治療のための内視鏡検査または手術。
段階5:死亡。
さらに、以下のように、4点スケールを使用して、AEとIMPとの因果関係を段階付けた。
可能性が高い−試験薬物の中断または用量の低下による改善と明確に時間的な関係がある;再暴露時における再出現;試験薬物に対する応答の既知のパターンに従う。
可能性がある−投与後の合理的な時間的順序に従う;患者の臨床状況、または環境要因もしくは投与したその他の療法によって生じた可能性がある。
可能性がない−投与後の合理的な時間的順序に従わない。対象の臨床状況、または環境要因もしくは投与したその他の療法によって生じた可能性がある。
無関係−外来性の原因に明らかにかつ議論の余地なく起因し、可能性が低い、可能性があるまたは可能性が高いリスト中の判断基準を満たさない。
重大な有害事象(SAE)を、任意の用量において、死亡に至る、生命を危うくする、入院もしくは現在の入院の延長を必要とする、持続的もしくは顕著な身体障害/無能に至る、重要な医学的事象である、または先天性異常/先天性欠損に至る、いずれかの都合の悪い医学的な出来事と定義した。
この試験に登録した患者の死亡は、それ自体をある事象とはみなさず、むしろ治療成果とみなした。治療終了後4週間以内に発生した、死亡を含めた、致命的な治療成果に至った事象はいずれも、IMPとの因果関係にかかわらず完全に文書に記録し、報告した。
SAEの定義における用語「重篤」は、患者に事象時に死亡の即時のリスクがある事象を指した。これは、より重度であれば、死亡を引き起こす可能性がある事象は指さなかった。
検査室パラメータ(表4)を、スクリーニング時および試験の間に記録した。使用した方法および装置の詳細、ならびに種々のパラメータの正常範囲は、当技術分野で知られている。
Figure 0005924866
さらに、投与前の第0日、第168日および試験終了の来診時に採取した血液試料も、抗デガレリクス抗体の存在について判定した。
臨床的に顕著な検査室の異常、すなわち、疾患または臓器毒性を示唆するもの、および積極的な管理(すなわち、用量の変更、薬物の中断、より頻繁な追跡、または診断のための調査)を必要とする重症度のものは、AEとして報告するものとした。
血圧および脈拍を、スクリーニング時、投与のための各来診時の投与前、および試験終了の来診時に測定した。拡張期および収縮期の血圧、ならびに脈拍を、座位安静5分後に測定した。患者を、IMPの投与の度に少なくともその後1時間は臨床的に観察して、いずれかの即時に発症する過敏症反応について観察した。この観察期間の間、拡張期および収縮期の血圧、ならびに脈拍を、投与の5、10、30および60分後に測定した。
12−リード心電図(ECG)を、スクリーニングの現場職員が、第0日、第3日、第0日後は12週(84日)に1回、および試験終了の来診時に実施した。投与のための来診が予定されている場合には、投与前にECGを実施した。ECGはデジタル化して入手し、測定は当技術分野で知られるところに従って実施した。ECGの測定は、心拍動、PR、QRS間隔、QTおよびQTc、T波およびU波を含んだ。
また、各患者に、身体検査を、スクリーニング時、第0日、その後は12週に1回、および試験終了の来診時に行った。スクリーニング時に観察された臨床的に顕著な異常所見はいずれも記録した。その後に観察された臨床的に顕著な異常所見はいずれも、AEとして記録した。
体重を、スクリーニング時および試験終了の来診時に測定した。(靴を脱いだ)身長を、スクリーニング時に測定した。肥満度指数(BMI)を、個人の身長の平方で割ったその個人の体重と定義する。医学においてあまねく使用されているこの式から、kg/mの測定単位が得られる。肥満度指数は、以下の式のうちのいずれかを使用して正確に計算することができる。
統計学的方法
全ての統計学的解析を実施し、統計の概要を、統計学的解析ソフトウエアSAS(商標)9版またはそれ以降の版を使用して計算した。解析した集団は以下の通りである。
包括解析(intention−to−treat)(ITT)分析のセットは、少なくとも1つの用量のIMPを投与した全ての無作為化患者を含んだ。
パープロトコール(per protocol)(PP解析セット)は、いずれの主要なプロトコール違反も有さない全てのITT解析セットを含んだ。
安全性集団は、ITT解析セットと同一であり、したがって、全ての安全性解析を、ITT解析セット上で実施した。
一次有効性エンドポイントを、ITT解析セットおよびPP解析セットの両方について解析し、ITT解析セットを一次とみなした。一次有効性エンドポイントは、カプラン−マイヤー法を使用して解析した。3つの治療群のうちのそれぞれについて、95%信頼区間(CI)のテストステロン応答率を、生存関数の対数の両対数変換によって計算した。プール標準誤差(pooled standard error)を使用する正規近似によって計算した97.5%CIを使用して、デガレリクス治療群とリュープロリド7.5mgとの間の差を判定した。
デガレリクスの有効性を判定するために、2つの仮定を検証した。
米国食品医薬品局(FDA)の判断基準は、第28日から第364日までにテストステロンが≦0.5ng/mlである累積確率についての95%信頼区間(CI)の下限が90%以上であるかどうかを決定することであった。
(2)欧州医薬品庁(EMEA)の判断基準は、第28日から第364日までにテストステロンが≦0.5ng/mLである累積確率に関して、デガレリクスがリュープロリド7.5mgに劣らないかどうかを決定することであった。治療間(デガレリクス対リュープロリド7.5mg)の差についての非劣性限界(non−inferiority limit)は、−10%であった。
全ての二次有効性エンドポイントを、別段の記載がない限り、ITT解析セットおよびPP解析セットの両方について解析した。治療の最初の2週の間のストステロン急増を示した患者の割合は、フィッシャーの直接確率検定を使用して解析した。また、フィッシャーの直接確率検定を使用して、第3日に≦0.5ng/mLのテストステロンレベルを示した患者の割合も解析した。第28日までのPSAのベースラインからのパーセント変化のエンドポイントは、ウィルコクソン検定によって解析した。フィッシャーの直接確率検定およびウィルコクソン検定の両方のために、別個のデータを、治療群による層、地理的領域による層、体重による層(<90kg、≧90kg)によって、かつリュープロリド7.5mgのサブグループについて提示した。
二次エンドポイントである、第56日から第364日までの≦0.5ng/mLのテストステロンの確率、PSA再発までの時間、および第28日から第364日までの十分なテストステロン応答の確率は、カプラン−マイヤー法によって解析した。
有効性の結果
この試験の主要な目的は、治療の12カ月の間に≦0.5ng/mLのテストステロン抑制を示した患者の割合として評価された、テストステロンの抑制を去勢値のレベルまで達成しそれを維持することに関してデガレリクスが有効であることを実証することであった。
結果は、240/80mg投与計画で供給されたデガレリクスによって、テストステロンレベルの迅速かつ有効な抑制がもたらされ、このレベルは、治療の364日の期間を通して低く維持されたことが示されている(図2)。
第28日から第364日までにテストステロンが≦0.5ng/mLとなる確率のカプラン−マイヤー推定値は、それぞれデガレリクス240/160mg群、デガレリクス240/80mg群およびリュープロリド7.5mg群について、98.3%、97.2%および96.4%であった。3つの治療群全てについて、95%CIの下限は、あらかじめ特定した90%閾値を上回った。第28日から第364日までにテストステロンが≦0.5ng/mLとなる確率に関して、デガレリクスを用いた治療は、リュープロリド7.5mg療法に劣らないことが実証された。両方のデガレリクス治療群について、リュープロリド7.5m群と比較した確率の差についての全97.5%CIは、非劣性の限界である10%よりも大きかった。したがって、この試験は、有効性についてのFDAの判断基準およびEMEAの判断基準を満たした。
一次有効性エンドポイントについての結果のロバスト性は、観察症例分析(observed cases analysis)によって裏付けられた。この解析によって、第28日から第364日までに≦0.5ng/mLのテストステロンを示す患者の全体的な比率について類似の推定値が得られ、それらは、デガレリクス240/160mg群、デガレリクス240/80mg群およびリュープロリド7.5mg群それぞれについて、98.2%、97.0%および96.0%であった。この一次解析の知見は、第56日から第364日までにテストステロンが≦0.5ng/mLとなる確率の二次の有効性解析によってさらに裏付けられた。
予想したように、治療の最初の2週の間に、合併デガレリクス群(the pooled degarelix groups)(0.2%:1人の患者)と比較して、リュープロリド7.5mg群では有意に高い比率の患者(80.1%)がテストステロン急増(ベースラインからの≧15%の増加)を示した(p<0.0001、フィッシャーの直接確率検定)。デガレリクスを用いて治療したある患者は、ベースラインにおいて低いテストステロン(0.0065ng/mL)を示し、したがって、そのような低いベースライン値からの急増であれば目覚しくないことから、この患者はアーチファクトな結果であるとみなすことができる。反対に、第3日には、リュープロリド7.5mg群ではどの患者もテストステロン抑制を示さなかったことと比較して、デガレリクスを投与した患者の96%が、テストステロン抑制を示した(p<0.0001、フィッシャーの直接確率検定)。図3に示すように、デガレリクス240/80mg投与計画は、テストステロンレベルを迅速かつ効率的に抑制したが、Lupron7.5mgは、最初にテストステロンを急増させてからようやく、はるかに徐々に作用した。
LHの血清レベルについての経時的プロファイルは、テストステロンについて観察したものと同様であった。デガレリクスの投与に続いて、ITT解析セットについてのLHレベルの中央値は迅速に減少し、第1日では<0.7IU/Lであり、これは、ベースラインからのおよそ88%の減少であった。両方のデガレリクス治療群については、LHレベルの中央値の抑制は、この試験の終了時すなわち第364日まで維持された。対照的に、LHレベルの中央値の急増が、リュープロリド7.5mg群の患者については観察され、これは、第1日に31.0IU/Lのピークに達して(ベースラインからの>400%の増加)から、第56日までに0.035IU/Lまで指数関数的に減少し、このレベルが第364日まで維持された(図4を参照されたい)。
また、FSHレベルの迅速な減少も、デガレリクスを用いて治療した患者において観察された。デガレリクスを投与すると、第7日までにFSHレベルの中央値が≦1.5IU/Lまで低下し、これは、ベースラインからの>80%の減少であった。両方のデガレリクス治療群について、FSHレベルの中央値の抑制が、この試験の終了時すなわち第364日まで維持された。リュープロリド7.5mg群の患者については、FSHレベルは、LHレベルについて観察されたものに類似する、最初の急増を示し、第1日に22.5IU/Lのピークに達して(ベースラインからの146%の増加)から、第14日までに2.0IU/Lまで指数関数的に減少した。それに続いて、FSHの中央値は、第56日頃におよそ4.40IU/Lのプラトーまで増加し、第364日までそれを維持した(図5を参照されたい)。
図6に示すように、また、デガレリクス240/80mg投与計画は、Lupron7.5mgを用いて治療した場合よりもPSAレベルの迅速かつ効率的な低下をもたらした。PSAレベルの迅速な低下が、デガレリクスを用いて治療した患者について観察された。対照的に、リュープロリド7.5mg群においては、PSAレベルは、治療の第1週の間にプラトーに達してから、抑制レベルまで指数関数的に減少した。デガレリクス患者については、リュープロリド7.5mg患者と比較して、PSAレベルの中央値のベースラインからの有意に大きな低下が示され、これは、第14日および第28日に観察された(p<0.0001、ウィルコクソン検定)。合併デガレリクス群からのPSAが1未満である確率は、リュープロリド7.5mg群から、第28日(0.70)よりも第14日(0.82)がわずかに高かった。PSA再発を経験することなくこの試験を完了した確率は、デガレリクス240/80mg群において最も高く(91.2%)、デガレリクス240/160mg群およびリュープロリド7.5mg群の両方においてはわずかにより低かった(約85.8%)が、この差は統計学的に有意ではなかった。
抗アンドロゲン療法を、プロトコールに従って、発赤からの保護のためにリュープロリド7.5mg群の22人の患者に治療開始時に投与した。PSAデータは、これらの患者の場合、抗アンドロゲン療法を投与しなかったリュープロリド7.5mg群の患者と比較して、第14日(61.7%の低下)および第28日(89.1%)に、より大きな、ベースラインからのパーセント変化の中央値を示した。この抗アンドロゲン療法を投与しなかったリュープロリド7.5mg群の患者の場合、パーセント低下は、第14日および第28日にそれぞれ、15.3%および61.7%であった。リュープロリドに抗アンドロゲン薬を足した患者におけるPSAレベルのパーセント変化の中央値は、デガレリクスを用いて治療した患者に同様であり、したがって、これによって、治療開始時におけるPSAの抑制に関して、デガレリクスは従来のGnRHアゴニスト療法よりも有効であることが確認されたことに留意されたい。デガレリクスは、発赤の予防としての追加の併用医薬品を必要とせず、それにもかかわらず、開始用量240mgは、PSAレベルに対して、GnRHアゴニストと抗アンドロゲン薬との組合せと同様の作用を示している。
デガレリクスについての薬力学的プロファイルは、GnRHアンタゴニストに特徴的であり、テストステロン、LHおよびFSHの血清レベルが迅速に抑制された。対照的に、リュープロリド7.5mg群の患者については、テストステロン、LHおよびFSHの血清レベルは、治療の第1週以内に迅速に増加してから、抑制レベルまで降下した。
安全性の結果
安全性および耐容性を、観察および報告された治療により発生したAEによって評価し、これらは、注射部位反応、血液学、臨床化学および尿検査の検査室パラメータ、バイタルサイン/臨床観察、ならびに体重測定および身体検査、ECGや併用医薬品を含んだ。
安全性のパラメータを、ITT解析セットに含めた全ての患者について評価し、このセットは、少なくとも1用量の試験医薬品を投与した610人の無作為化した患者全てを含んだ。全ての安全性の表が、4つの列、すなわち、別個に記載する3つの治療群、および合併デガレリクス群を含む。
有害事象の簡単な概要
最初の投与から試験終了までの期間に生じた有害事象は、「治療により発生した(treatment−emergent)」とみなした。スクリーニングとIMPの最初の注射との間に生じた有害事象は、「治療前(pre−treatment)」とみなした。上記したように、全てのAEを、MedDRA(10.0版)の器官別大分類(SOC)に従って分類し、アルファベット順にかつ基本語(PT)によって発生頻度の高いものから仕分けした。治療により発生したAEを、強度(NCIのCTCAEを使用)および試験薬物との関係の観点から表した。治療により発生したAEの全体的まとめを、表5に示す。
Figure 0005924866
治療により発生したAEを経験した患者の全体的なパーセントは、3つの治療群全てにわたって同程度であった。デガレリクス240/80mg群の163人(79%)の患者およびリュープロリド7.5mg群の156人(78%)の患者と比較して、デガレリクス240/160mg群の167人(83%)の患者が、治療により発生したAEを報告した。全部で、238人(58%)の合併デガレリクス患者においてADRが報告され、デガレリクス240/160mg群では120人(59%)の患者、デガレリクス240/80mg群では118人(57%)の患者であった。リュープロリド7.5mg群については、42%の患者がADRを報告した。この差は、予想されており、全て注射関連AE(注射部位に関連する副作用)によって説明することができ、これらのAEは、デガレリクスプール治療群においてより高い率を示した。注射部位のADRを除くと、残りのADRの発生率は、3つの治療群において類似した。
デガレリクス240/160mg群では、注射部位反応を除くと、88人(44%)の患者がADRを報告した。
デガレリクス240/80mg群では、注射部位反応を除くと、90人(43%)の患者がADRを報告した。
リュープロリド7.5mg群では、注射部位反応を除くと、84人(42%)の患者がADRを報告した。
このような結果は、デガレリクス維持用量(80@20mg/mLまたは160@40mg/ml)の両方が、同様のADR発生率を示したことを示唆している。
合併した総数45人(11%)のデガレリクス患者は、10例の死亡を含めた、67例の重大なAEを報告した。全体的には、デガレリクス240/80mg群の21人(10%)の患者、およびリュープロリド7.5mg群の9例の死亡を含めた、28人(14%)の患者と比較して、デガレリクス240/160mg群の24人(12%)の患者が重大なAEを報告した。死亡は全て、試験治療に関連しないかまたはそれに関連する可能性が低いと判定された。また、そのような結果を解釈するにあたっては、この集団が、前立腺癌およびその他の根本的な健康問題の両方を有する高齢患者集団(平均年齢72歳)であるということも理解すべきである。
34人(8%)の合併したデガレリクス患者、すなわち、デガレリクス240/160mg群の19人(9%)の患者およびデガレリクス240/80mg群の15人(7%)の患者が、(致命的AEおよび非致命的AEの両方を含めた)AEに起因して撤退したと報告され、リュープロリド7.5mg群においては12人(6%)の患者が撤退した。合併したデガレリクス患者のうち、撤退に至った17人の患者についてSAEが報告された。
有害事象の詳細な解析
全体的な有害事象の発生は、2つのデガレリクス治療群およびリュープロリド対照群において類似し、デガレリクス治療群については、そのような事象の大半が、デガレリクスのために利用した皮下/デポー送達系に関連する単なる注射部位反応であった。それに対し、リュープロリドの筋肉内注射は、有害事象の全体的な発生率では類似したにもかかわらず、注射部位反応のそのような高い率は伴わなかった。したがって、全体的な類似する有害事象の発生率を説明するために、それぞれの試験群において発生した有害事象の正確な型の詳細な解析を行って、リュープロリド治療群において生じているはずである、注射部位反応(注射部位に関連する副作用)以外の有害事象の型を特徴付けた。
表6に、SOCによって示す、治療により発生したAEを報告した患者数の概要を示す。全ての治療により発生したAEを、器官別大分類およびMed−DRAの基本語によって示す。
Figure 0005924866
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報告された治療により発生したAEは、3つの治療群全てにわたって同程度の患者のパーセント、すなわち、デガレリクス240/160mg群、デガレリクス240/80mg群およびリュープロリド7.5mg群それぞれについて、83%、79%および78%の患者であった。上記の表6に示すように、2つのデガレリクス治療群に影響を及ぼしたSOC間に著しい差はなかった。両方の治療群のデガレリクス患者に影響を及ぼした支配的な器官別大分類は、「一般的な障害および投与部位の状態」であり、47%の併せたデガレリクス患者および18%のリュープロリド7.5mg患者について報告された。これらのAEの大部分が注射部位疼痛であり、これは、29%の合併したデガレリクス患者において生じた。さらに、「血管障害」、主として、のぼせが、33%のデガレリクス患者および30%のリュープロリド7.5mg患者について報告された。≧15%の患者に影響を及ぼしたその他のSOCは、27%のデガレリクス患者および31%のリュープロリド7.5mg患者における「調査」、それぞれ20%および24%の患者における「感染および外寄生」、それぞれ17%および26%の患者における「筋骨格および結合組織の障害」、ならびにそれぞれ17%および19%の患者における「胃腸障害」であった。最も頻繁な筋骨格および結合組織の障害は、6%のデガレリクス患者および8%のリュープロリド7.5mg患者が報告した背部痛、ならびに4%のデガレリクス患者および9%のリュープロリド7.5mg患者が報告した関節痛であった。
リュープロリドと比較したデガレリクス治療に伴うAEのSOCを調べると、デガレリクスと比較してリュープロリドのリスクが増加しているいくつかの領域が浮上した。例えば、「筋骨格および結合組織の障害」は、わずか17%のデガレリクス患者全体と比較して26%のリュープロリド患者において生じた(デガレリクス240/80mg治療群では15%とさらにより低かった)。さらに、「腎臓および泌尿器の障害」は、19%のリュープロリド患者において生じたが、デガレリクス患者ではわずか13%に過ぎず、一方、「生殖器および乳房の障害」は、10%のリュープロリド患者において生じたが、デガレリクス患者ではわずか5%に過ぎなかった。さらに、「心障害」の全体的な発生頻度の増加は、リュープロリド治療の場合(13%)、デガレリクスの場合(2つの治療群間全体で9%)よりもわずかに高かった。上記で言及したように、当技術分野では、特定のアンドロゲン除去療法が心血管の健康に有害な影響を及ぼすことがある程度懸念されていることから、これには、特に興味を持ち得る(Yannucciら(2006)J.Urology 176:520〜525;およびEtzioniら(1999)J.Natl.Canc.Inst.91:1033を参照されたい)。したがって、心血管の副作用のリスクを最小限に留めるアンドロゲン除去療法が特に望ましい。
デガレリクスに伴って見られる有害事象の大部分が、その他の臓器系に対する有害な全身性の作用ではなく、皮下送達の様式に関連する単なる注射部位反応であるという事実にもかかわらず、デガレリクスと比較して、リュープロリドでは心障害、筋骨格および結合組織の障害、腎臓および泌尿器の障害、ならびに生殖器障害のリスクが増加していることによって、リュープロリドとデガレリクスとの間の有害事象の全体的な類似性を説明することが可能性であろう。
表7に示すように、デガレリクスを用いて治療した患者について最も頻繁に報告された、治療により発生したAEは、注射部位反応(特に、注射部位の疼痛および紅斑)であった。この試験の間にデガレリクス患者およびリュープロリド患者の両方について最も頻繁に報告されたAEは、潮紅の事象であり、全体的には、デガレリクス240/80mg群の53人(26%)の患者およびリュープロリド7.5mg群の43人(21%)の患者と比較して、デガレリクス240/160mg群の52人(26%)の患者がのぼせを報告した。
Figure 0005924866
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デガレリクスおよびリュープロリド7.5mgを用いた長期の治療の結果、のぼせ、性欲の喪失、性交不能および不妊、ならびに発汗の増加等のテストステロン抑制に伴う有害反応が生じることが予期された。したがって、潮紅の現象は、比較的一般的であり、概して、治療に関連する可能性があるまたはその可能性が高いとみなされることが予想された。しかし、報告された性機能不全または発汗に関連するAEはごく少数であった。全部で、22人(5%)の合併したデガレリクス患者および21人(10%)のリュープロリド患者が生殖器系/乳房の障害を示し、デガレリクスを用いて治療したおよそ1%患者が発汗障害(皮膚および皮下組織のSOC)を示したことが報告され、6人(1%)の患者が勃起不全を報告し、6人(1%)の患者が寝汗を報告し、4人(<1%)の患者が精巣痛を経験し、3人(<1%)の患者が骨盤痛を報告し、3人(<1%)の患者が発汗過多を報告し、2人(2%)の患者がそれぞれ、女性化乳房、前立腺炎または精巣萎縮を経験し、全てのその他の生殖系/乳房の障害は、1人(<1%)の患者によって報告され、その他の発汗障害は報告されなかった。
これらのSOC/基本語のデータの解析は、リュープロリド治療と比較したデガレリクス治療についての筋骨格障害、ならびに腎臓および泌尿器の障害の減少について上記で論じた知見をさらに支持している。治療コースの間に、例えば、9%のリュープロリド患者が尿路感染を経験しているが、これに比べると、全てのデガレリクス治療患者のうちのわずか3%がと尿路感染を経験しているに過ぎない。同様に治療コースの間に、9%のリュープロリド患者が関節痛(関節の疼痛)を経験しているが、全てのデガレリクス治療患者のうちのわずか4%が関節痛を経験したに過ぎない。
要約すると、治療により発生したAEの発生率は、デガレリクス治療患者とリュープロリド7.5mg治療患者とで類似した。治療により発生したAEは、合併したデガレリクス治療群の330人(81%)の患者およびリュープロリド7.5mg群の156人(78%)の患者によって報告された。AEの大部分の強度は、軽度または中等度であった。
デガレリクスで治療された患者の58%が、治験担当者がIMPに関連する可能性がある/その可能性が高いとみなしたAE(ADR)を報告され、リュープロリド7.5mgで治療された患者は42%のADRを示した。しかし、治療により発生したADRの大部分は、合併したデガレリクス群の173人(42%)の患者において生じた注射部位の反応を含む、一般的な障害および投与部位の状態であった。デガレリクス治療患者については、治療により発生した注射部位反応の全体的な発生率は、100回の注射当たり4.4回であった。ほとんどの注射部位反応は、デガレリクスを2回注射して投与した最初の投与後であり、注射部位反応は時間と共に減少した。MedDRAの基本語のうち、最も高い発生率は、合併デガレリクス群については、注射部位疼痛(100回の注射当たり2.9回)および注射部位紅斑(100回の注射当たり1.9回)であった。その他の全ての基本語は、100回の注射当たり0.5回以下の発生率を示した。どの注射関連ADRも重大であるとはみなされず、過敏症反応の即時発症はなかった。5人(1.2%)の患者がデガレリクス関連注射部位反応を報告し、これにより撤退に至った。その他の一般的に報告されたADRはのぼせであり、これはテストステロン抑制に伴う予想された有害反応であった。全部で、104人(25%)のデガレリクス治療患者および42人(21%)のリュープロリド7.5mg治療患者が、のぼせを報告した。デガレリクスを用いて治療した1人の患者は、のぼせのADRを報告し、これにより撤退に至った。注目すべきは、性機能不全に関連するAEが、テストステロン抑制の結果生じることが予期されたが、実際に報告されたのはごく少数であった。
73人(12%)の患者により報告された121例の重大な有害事象SAEが生じ、これは、治療群にわたって比較的等しい発生率を示した。最も一般的なSAEは、合併デガレリクス群の10人(2%)の患者およびリュープロリド7.5mg群の10人(5%)の患者において生じた心障害、ならびに合併デガレリクス群の10人(2%)の患者およびリュープロリド7.5mg群の6人(3%)の患者において生じた腎臓および泌尿器の障害であった。
体重増加は、アンドロゲン除去の既知の作用であり、ベースラインから≧7%の著しく異常な体重増加が、10%のデガレリクス治療患者および13%のリュープロリド7.5mg治療患者において生じた。バイタルサインのその他の著しく異常な変化の発生は、多くが心臓疾患または高血圧の病歴を有する高齢患者の群であることとつじつまが合う。
したがって、デガレリクス治療の結果、顕著な数の対象が軽微な注射部位反応を経験したが、これらの有害作用は、GnRHアゴニストリュープロリドに伴う有害作用のうちの多くほどには重大ではなかったことは驚くに値する。注目すべきは、また、これらの軽微な注射部位反応は、別のGnRHアンタゴニストであるAbarelix(米国内ではPlenaxis)に伴う潜在的に重篤な作用よりも重大性がはるかに低かった(www.fda.gov/cder/drug/infopage/plenaxisを参照されたい)。実際に、Abarelix/Plenaxisには、重大なアレルギー反応(例えば、舌/喉の腫大、喘息、喘鳴および重大な呼吸問題)が伴っており、したがって、これは、この薬物を投与およびモニターするための正しい技術を有する医師によってこの薬物が安全に使用されることを保証する特別な「使用者安全性プログラム」を通してのみ利用可能である。
サブグループ集団のさらなる統計学的解析
リュープロリドによる治療よりも有効性が優れかつ/または副作用が減少しているデガレリクスによる治療の利点のうちのいずれかが、特定の患者のサブグループにおいて特に際立っているかどうかを決定するために、CS21臨床試験のさらなる統計学的解析を実施した。デガレリクス治療をリュープロリド治療と比較した場合に見られる心臓、関節痛および/または尿路感染のうちのいずれかの副作用の減少に、特定の患者のサブグループが関与するかどうかについて特別な注意を払った。
臨床的有効性(SCE)の概要および臨床的安全性(SCS)の概要の知見から得た結果を使用して、異なる患者のサブグループを解析した。サブグループ識別素は、人種(白人、黒人およびその他)、年齢(<65歳、≧65歳〜<70歳、および≧75歳)、体重(<70kg、≧70kg〜<90kg、および≧90kg)、肥満度指数(BMI)(≦20kg/m、>20kg/m〜30kg/m、および>30kg/m)、領域(北アメリカ、欧州西部、欧州中部および欧州東部、ならびにその他の)、さらに前立腺癌の病期(stage)(例えば、限局、局所進行および転移)を含んだ。
SCSは、CS21試験群(対照第3相試験群を含む試験)を含めた全ての試験群、および全てのサブグループについて、ポアソンモデルに基づいた正確な95%CIを含み、MedDRAの基本語に従って示し(かつSOCによってグループ化し)た、有害事象の粗発生率(n/N)および発生率(1,000人年当たり少なくとも1つの調査有害事象を示した患者数)の両方を要約している。手短に述べると、ポアソンモデルは、正確な1−αの下側信頼限界(LL)および上側信頼限界(UL)を提供し、これらはそれぞれ、
Figure 0005924866
および
Figure 0005924866
であり、式中、Tは、1,000人年の数であり、x=調査下の有害事象を少なくとも1回報告したことがある対象の数である(Gerlingerら(2003)Eur.J.Contracept.Reprod.Health Care 8:87〜92を参照されたい)。
第3相対照試験(CS21)について、両側フィッシャー直接確率検定および警告手段(flagging device)としての対応するP値を使用して、デガレリクス治療群の粗発生率を、リュープロリド7.5mg治療群の粗発生率と比較した。これらのP値は、(0.01<P≦0.05)、**(0.001<P≦0.01)、および***(P≦0.001)として示した。同様に、発生率も、ポアソンモデルに基づいたUMPU試験に伴うP値を使用して比較した。手短に述べると、x≒ポアソン(λ)[式中、xi=事象を示した対象の数、T=治療群iの1,000人年の総数、およびλ=治療群iにおける発生率(i=1、2)]と仮定すると、P値=2min(P(S≧1)、P(S≦x)、0.5)[式中、S≒二項式(x+x、T/(T+T))]である(例えば、Lehmann(1986)Testing Statistical Hypotheses、2版、Springer−Verlag、New Yorkを参照されたい)。
これらの結果に基づいて、リュープロリド7.5mgと比較した場合、デガレリクス治療群において、統計学的に有意(P≦0.05)またはわずかに有意(0.05<P<0.2)に低い発生または発生率を示す(SOCまたはPTのレベルでの)全ての有害事象を同定した。
SCS中、心血管の事象を、より統合したMedDRAのレベルでより具体的に調査した。すなわち、以下の高位グループ用語(High Level Group Term)中のAEを示した対象の発生および発生率を、試験群および治療によって一覧にした。
HLGT=中枢神経系血管障害
HLGT=心不整脈
HLGT=冠状動脈障害
HLGT=心不全
特定の心障害に関してデガレリクスがリュープロリドよりも低い発生率を示すという、詳細な基本語のレベルにおける明らかであるが孤立した可能性のある証拠をさらに具体化するために、上述のHLGTおよびこれらのHLGTが属するSOC=心障害に関する発生率を、考えられるリスク因子(コレステロール、BMI、体重、拡張期血圧/収縮期血圧、心障害の病歴、年齢、脈拍)に基づくサブグループに関して試験した。これらのサブグループの解析は、SCSの一部としてあらかじめ計画されたものではなかった。事象の解析時に、リスク因子の統計学的有意性を治療(デガレリクス/リュープロリド7.5mg)との相互作用により試験すること(コックス比例ハザードモデル)によって、これらの共変量を潜在的なサブグループ効果についてスクリーニングした。結果的に、肥満度指数、およびより低い程度でコレステロールが同定された。次に、BMIのサブグループ(<25kg/m、25kg/m〜<30kg/m、および≧30kg/m)、ならびに低い/正常なコレステロールのサブグループ(それぞれ、≦4mmol/Lおよび>4mmol/L)を使用して、デガレリクスとリュープロリドとの間の発生率の差を、上記で言及したポアソンモデルを併せて使用して試験し、定量化した。BMI<25kg/mを示す患者においては、リュープロリドと比較して統計学的に有意により低い発生率を、SOC=心障害(P=0.0045)、HLGT=冠状動脈障害(P=0.005)、およびHLGT=心不整脈(境界線、P=0.056)に関して認め、相対リスクはそれぞれ0.242(95%CI:0.08〜0.67)、0.0(95%CI:0.0〜0.47)、および0.312(95%CI:0.09〜1.03)であった。4mmol/L以上のコレステロールを示す患者においては、リュープロリドと比較して統計学的に有意により低い発生率を、HLGT=心不整脈(P=0.035)に関して認め、相対的なリスクは0.41(95%CI:0.18〜0.94)であった。
SCEからのサブグループにおける有効性の知見については表8〜10、SCSからのサブグループの知見については表11〜19、および心血管リスクに関する探索的に具体化したサブグループの知見については表20〜23を参照されたい。要約すると、注目すべき知見には、以下のものが含まれる。
<65歳のサブグループにおいては、第28日、第56日〜第364日の間のテストステロンエスケープまでの時間は、両方のデガレリクス投与計画がLUPRON DEPOT(登録商標)7.5mgよりも有意に優れていた(以下の表8を参照されたい)。
Figure 0005924866
>75歳群においては、PSA再発までの時間は、デガレリクス240/80mg群は、LUPRON DEPOT(登録商標)7.5mgと比較して有意に優れ(P=0.03)、また、<65歳群においても、有意に良好である(P=0.06)(以下の表9を参照されたい)。
Figure 0005924866
PSAのベースラインからのパーセント変化は、転移段階の前立腺癌を有する患者においてより際立つ(以下の表10を参照されたい)。全てのサブグループが、LUPRON DEPOT(登録商標)7.5mgよりも統計学的に有意に良好である。
Figure 0005924866
Figure 0005924866
全試験集団における注目すべき統計学的に有意な知見は、以下の通りである(表11を参照されたい)。
心筋梗塞(PT):0.5%(2/409、デガレリクス、合計)対2.5%(5/201、LUPRON DEPOT(登録商標)7.5mg)、
抹消性浮腫(PT)2%(8/409、デガレリクス、合計)対5%(10/201、LUPRON DEPOT(登録商標)7.5mg)、
胸痛:0.5%(2/409、デガレリクス、合計)対3%(6/201、LUPRON DEPOT(登録商標)7.5mg)、
尿路感染(PT)3%(13/409、デガレリクス、合計)対9%(18/201、LUPRON DEPOT(登録商標)7.5mg)、
心雑音(PT):0%(0/409、デガレリクス、合計)対1.5%(3/201、LUPRON DEPOT(登録商標)7.5mg)、
筋骨格および結合組織の障害(SOC):17%(68/409、デガレリクス、合計)対26%(53/201、LUPRON DEPOT(登録商標)7.5mg)、
関節痛(筋骨格およびCTDのSOCに属するPT):4.2%(17/409、デガレリクス、合計)対9%(18/201、LUPRON DEPOT(登録商標)7.5mg)、
筋骨格硬直(筋骨格およびCTDのSOCに属するPT):0%(0/409、デガレリクス、合計)対1%(3/201、LUPRON DEPOT(登録商標)7.5mg)、
性欲の減少:0%(0/409、デガレリクス、合計)対1.5%(3/201、LUPRON DEPOT(登録商標)7.5mg)、
尿閉:1.2%(5/409、デガレリクス、合計)対4.5%(9/201、LUPRON DEPOT(登録商標)7.5mg)、
非感染性膀胱炎:0%(0/409、デガレリクス、合計)対2%(4/201、LUPRON DEPOT(登録商標)7.5mg)、
勃起不全:1.5%(6/409、デガレリクス、合計)対4.5%(9/201、LUPRON DEPOT(登録商標)7.5mg)、
DVT:0%(0/409、デガレリクス、合計)対1.5%(3/201、LUPRON DEPOT(登録商標)7.5mg)。
サブグループ中でおよびサブグループにわたって、特に注目すべき統計学的に有意な知見を示している。
Figure 0005924866
Figure 0005924866
筋骨格および結合組織の障害(SOC)、ならびに関節痛についての優位性は、転移性のサブグループのみに限定されず、全ての病期のサブグループに及ぶ(表12を参照されたい)。局所進行性の患者においては、関節痛が統計学的に有意である。
Figure 0005924866
Figure 0005924866
Figure 0005924866
<65歳の群における、腎臓および泌尿器の障害、ならびに骨格および結合組織の障害(表13を参照されたい)
Figure 0005924866
さらなるサブグループの知見については、表14および表15を参照されたい。
Figure 0005924866
Figure 0005924866
Figure 0005924866
Figure 0005924866
以下の表16および17に示すこれらの結果は、デガレリクスと共にアンドロゲン除去療法を投与した場合には、Lupronと比較して、治療した対象が、冠状動脈疾患、心不全、心筋梗塞、心不整脈、冠状動脈疾患または心不全を発症するリスクの有意な減少を示したことを示している。
Figure 0005924866
Figure 0005924866
統計学的に有意な知見を示す、サブグループ別死亡率(ISSの一部としてあらかじめ計画されていた)
Figure 0005924866
Figure 0005924866
Figure 0005924866
これらの結果は、30kg/m未満(例えば、25kg/m未満、例えば、20〜25kg/m)のBMIを有する治療対象は、デガレリクスと共にアンドロゲン除去療法を受ける場合には、Lupronと比較して、心不整脈を発症するリスクの有意な減少を示したことを示している。
Figure 0005924866
これらの結果は、25kg/m未満、例えば、20〜25kg/mのBMIを有する治療対象は、デガレリクスと共にアンドロゲン除去療法を投与した場合には、Lupronと比較して、冠状動脈障害を発症するリスクの有意な減少を示したことを示している。
Figure 0005924866
これらの結果は、30kg/m未満(例えば、25kg/m未満、例えば、20〜25kg/m)のBMIを有する治療対象は、デガレリクスと共にアンドロゲン除去療法を受けた場合には、Lupronと比較して、心障害を発症するリスクの有意な減少を示したことを示している。
Figure 0005924866
これらの結果は、4mmol/L以上のコレステロールレベルを有する治療対象は、デガレリクスと共にアンドロゲン除去療法を投与した場合には、Lupronと共にGnRHアンタゴニスト療法を投与した場合と比較して、心不整脈を発症するリスクの有意な減少を示したことを示している。

Claims (12)

  1. 4mmol/L以上のコレステロールレベルを有する対象の前立腺癌を治療するためのデガレリクスを含む組成物であって、心不整脈の発生率が減少された組成物
  2. デガレリクスを、初回用量160〜320mgで投与し、およびその後は維持用量60〜160mgで20〜36日ごとに1回投与するための、請求項1記載の組成物。
  3. デガレリクスを、初回用量240mgで投与し、維持用量80mgで治療のおよそ28日ごとに1回ずつ投与するための、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 心血管疾患リスクが増加しているおよび/または高い指標を有する対象を治療するための、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記心血管疾患リスクが増加している指標が、高血圧、高い低密度リポタンパク質コレステロール、低い高密度リポタンパク質コレステロール、高血清グルコースおよび習慣性喫煙のうちの1つ以上である、請求項4に記載の組成物。
  6. 130/85mmHg以上の血圧を有する対象を治療するための、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
  7. 毎日喫煙する対象を治療するための、請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
  8. 160mg/dL以上の低密度リポタンパク質コレステロールを有する対象を治療するための、および/または35mg/dL未満の高密度リポタンパク質コレステロールレベルを有する対象を治療するための、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
  9. 120mg/dL超の空腹時グルコースレベルを有する対象を治療するための、請求項1から8のいずれかに記載の組成物。
  10. 前記心血管疾患リスクが高い指標が、高血清C反応性タンパク質(CRP)、高血清ホモシステイン、高血清フィブリノーゲンおよび高血清リポタンパク質(a)(Lp(a))のうちの1つ以上である、請求項4に記載の組成物。
  11. 3mg/dL超のC反応性タンパク質レベル、30μmol/L超の血清ホモシステインレベル、7.0g/L超の血清フィブリノーゲンレベル、および30mg/dL超の血清Lp(a)レベルの少なくとも1つを有する対象を治療するための、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記心血管の疾患が、心雑音、房室ブロックまたは心筋虚血である、請求項4、5、10及び11のいずれかに記載の組成物。
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