JP5921254B2 - 記録装置、搬送装置、及び搬送制御方法 - Google Patents

記録装置、搬送装置、及び搬送制御方法 Download PDF

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Description

本発明は記録装置、搬送装置、及び搬送制御方法に関する。本発明は、特に、搬送ローラにより、例えば、ロール紙の搬送におけるバックテンション変動を安定化させる記録装置、搬送装置、及びその装置におけるロール紙の搬送制御方法に関する。
記録装置の中には、用紙サイズがA2以上の大判のものを用いるタイプがある。このタイプの記録装置では、シート紙以外にロール紙(以下、用紙が巻回されたロール部分をロール紙とし、ロール紙から引き出される部分を用紙部とする)を利用することが多い。ロール紙からの用紙部の引き出しは搬送ローラを回転させることによって行われている。しかしながら、ロール紙は重量が重いため、そのロール紙を引き出すためには大きな力が必要である。そのため、搬送ローラを駆動する搬送モータの駆動力だけを用いるとロール紙の端部が引っ張られるが、ロール紙そのものは重量があるため回転せず、その結果、用紙が破断する等の可能性がある。そこで、ロール紙を回転させるために、搬送モータとは別にロール紙モータを設け、搬送モータと共にロール紙モータを駆動させて、用紙部を引き出すようにしている装置が開発されている。
この種の記録装置として、特許文献1に開示されているものが知られている。これはロール紙を間欠搬送するタイプの記録装置であり、搬送ローラとロール紙モータと搬送モータとロール紙に生じる張力を測定する張力測定部と張力の測定結果に基づきロール紙モータか搬送モータの少なくとも一方の駆動を制御するモータ制御部とを備える。この構成では、張力測定部によって精度よく測定された張力に基づいて、モータがフィードバック制御され、ロール紙の搬送量が決定される。このため、ロール紙に作用する張力を適切なものに制御可能となり、ロール紙の巻径の変化による張力の変動を防ぐことができる。
これとは異なる構成として、特許文献2に開示されているものも知られている。これは、搬送ローラと搬送モータとロール紙の外周面に当接可能な位置に配置されている繰り出しローラと繰り出しローラを回転させる繰り出しロールモータと記録時間及び搬送時間を利用して繰り出しローラを回転させる制御部を備えている。この構成では、搬送ローラによる搬送動作終了から次の搬送動作開始までの間に、搬送ローラによる搬送動作に必要な搬送量に対応する量だけ、ロール紙を搬送方向に回転させる。これにより、ロール紙は常に弛みを持つことになり、ロール紙の慣性負荷の影響を受けずに搬送精度を向上させることができる。
また、ロール状に巻かれたシート(以下、ロール部分)を引き出し、引き出されたシートを搬送ローラと従動ローラの間に挟み込んで、シートを搬送する搬送装置が知られている。ロール部分の軸芯部分にトルクリミッタなどで負荷を与えれば、この負荷が用紙部に対して搬送方向と相反する方向にバックテンションとして付与され、ロール部分から搬送ローラの間のシートに適切な張力を発生させることができる。
例えば、特許文献3には、ロール紙に巻回されている用紙の残量を検出する用紙残量検出部と、ロール紙の軸に係合した負荷のトルクを可変にできるバックテンション付与部を設けた搬送装置を備えた画像記録装置が開示されている。
特開2009−263044号公報 特開2007−203564号公報 特開平9−164737号公報
しかしながら特許文献1では、用紙部に常に張力が与えられているため、張力によって搬送ローラ上を用紙が滑り、制御部から指令された搬送量より実際の搬送量が少なくなることがある。これにより、少なからず、搬送精度に影響を与える恐れがある。
これに対し、特許文献2ではロール紙に張力が全くかからないため、その搬送量が少なくなることはない。一方、ユーザのセット不良や、ローラ搬送力のロール紙の幅方向のわずかな不均一性やロール中心軸とローラ軸とのわずかな平行性のずれに起因して、用紙部に斜行(スキュー)が発生する場合がある。
このため、この斜行を防止するために、ロール紙モータの制御による負荷や、ロール紙の軸芯部分に係合されたトルクリミッタなどによる負荷を与える方法が採られている。この負荷をロール紙に対して搬送方向と反対方向にバックテンションとして付与すると、そのバックテンションと搬送力とによってロール紙の斜行が補正され、シワの発生が防止できる。
しかしながら、特許文献2の構成ではロール紙に負荷が与えられないため、バックテンションを付与することができず、用紙部に斜行が発生した場合、斜行の補正が困難という問題がある。
さて、記録ヘッドを搭載したキャリッジをシリアルに走査して画像を記録する記録装置では、シートの搬送とキャリッジ走査による記録とを交互に繰り返し、シート全体に画像を記録する。この場合、一回当たりのシートの搬送量は、記録ヘッドの記録長以下の長さになる。さて、1回の搬送開始から終了までの動作を考えると、シートの加速区間、定速区間、減速区間が存在する場合や、加速区間、減速区間のみで構成される場合など、搬送中に占める加減速区間の割合は大きい。加えて、昨今の記録装置に求められる高速記録を実現するために、より大きな搬送速度と急峻な加減速動作が求められることもある。そのため、定常的な負荷設定値と、加減速時に必要な負荷設定値との開きは益々大きなものになることが考えられる。
この様な状況において、シート搬送の加減速に伴うバックテンションの変動を考慮していない特許文献3に開示の構成では、シートの残量に応じた定常的な負荷トルクの設定だけではシートに弛みが発生することが懸念される。その結果、搬送タイミング毎に張りと弛みが繰り返されることから搬送精度が劣化し、画像品質の低下を引き起こすことが考えられる。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、ロール紙から用紙を正確に引き出しつつ正確に用紙を搬送したり、シートに係る加速度の条件に係らず常時安定した精度で用紙の搬送が可能な記録装置、搬送装置及び搬送制御方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の記録装置は、次のような構成からなる。
即ち、用紙がロール状に巻かれたロール紙を給紙し、前記給紙したロール紙を搬送して記録を行なう記録装置であって、前記ロール紙からの給紙のために前記ロール紙を回転させる給紙モータと、前記給紙された前記ロール紙の端部を挟み、前記ロール紙を搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラを回転させる搬送モータと、前記給紙モータと前記搬送モータとを御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記ロール紙を停止状態から加速し、前記加速の制御を終了するまでの第1区間と、前記第1区間の終了から前記ロール紙の定速での搬送を経て減速し停止するまでの第2区間と、前記第2区間の終了から次の搬送のための前記ロール紙の加速を開始するまでの第3区間において前記給紙モータと前記搬送モータとを制御し、前記第2区間はさらに、前記ロール紙の速度が最高速度に達する制御区間αと、前記制御区間αの終了から前記ロール紙の速度が定速を経てゼロに至るまでの制御区間βと、前記制御区間βの終了から前記ロール紙の速度がゼロから負の速度を経て再びゼロに至るまでの制御区間γに分割され、前記制御手段は、前記第1区間では、前記搬送モータにより搬送ローラを加速するとともに、前記給紙モータにより前記ロール紙の慣性力に相当するトルクを与えるように制御し、前記第2区間の制御区間αでは、前記ロール紙の端部を弛ませるよう前記給紙モータにより前記ロール紙の速度をさらに加速するよう制御し、前記第2区間の制御区間βでは、前記給紙モータに前記制御区間αにおけるのとは逆方向にトルクをかけ前記ロール紙の速度を減速するよう制御し、その後、前記ロール紙の速度と前記搬送ローラの速度とが一致するように前記給紙モータと前記搬送モータの駆動を制御し、前記第2区間の制御区間γでは、前記ロール紙の端部の弛みを巻き戻すよう前記給紙モータに前記逆方向にトルクをかけるよう制御し、前記第3区間では、前記ロール紙の速度はゼロであることを維持しつつ、前記給紙モータに前記逆方向にトルクをかけるよう制御することを特徴とする。
本発明を別の側面から見れば、用紙がロール状に巻かれたロール紙と、前記ロール紙からの給紙のために前記ロール紙を回転させる給紙モータと、前記給紙された前記ロール紙の端部を挟み、前記ロール紙を搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラを回転させる搬送モータとを備え、前記給紙したロール紙を搬送して記録を行なう記録装置のロール紙の搬送制御方法であって、記ロール紙を停止状態から加速し、前記加速の制御を終了するまでの第1区間と、前記第1区間の終了から前記ロール紙の定速での搬送を経て減速し停止するまでの第2区間と、前記第2区間の終了から次の搬送のための前記ロール紙の加速を開始するまでの第3区間において前記給紙モータと前記搬送モータとを制御し、前記第2区間はさらに、前記ロール紙の速度が最高速度に達する制御区間αと、前記制御区間αの終了から前記ロール紙の速度が定速を経てゼロに至るまでの制御区間βと、前記制御区間βの終了から前記ロール紙の速度がゼロから負の速度を経て再びゼロに至るまでの制御区間γに分割され、前記制御では、前記第1区間では、前記搬送モータにより搬送ローラを加速するとともに、前記給紙モータにより前記ロール紙の慣性力に相当するトルクを与えるように制御し、前記第2区間の制御区間αでは、前記ロール紙の端部を弛ませるよう前記給紙モータにより前記ロール紙の速度をさらに加速するよう制御し、前記第2区間の制御区間βでは、前記給紙モータに前記制御区間αにおけるのとは逆方向にトルクをかけ前記ロール紙の速度を減速するよう制御し、その後、前記ロール紙の速度と前記搬送ローラの速度とが一致するように前記給紙モータと前記搬送モータの駆動を制御し、前記第2区間の制御区間γでは、前記ロール紙の端部の弛みを巻き戻すよう前記給紙モータに前記逆方向にトルクをかけるよう制御し、前記第3区間では、前記ロール紙の速度はゼロであることを維持しつつ、前記給紙モータに前記逆方向にトルクをかけるよう制御することを特徴とするロール紙の搬送制御方法を備える。
本発明をさらに別の側面から見れば、ロール軸の周りにロール状に巻かれたシートを搬送方向に引き出し、搬送ローラにより前記引き出したシートを搬送する搬送装置であって、前記搬送ローラを回転させる搬送モータと、前記搬送ローラの前記搬送方向の回転速度が、前記搬送ローラの加速領域において増加し、定速領域において一定であり、減速領域において減少するように前記搬送モータを制御する第1制御手段と、前記シートのロール状に巻かれた部分であるロール部を前記ロール軸を中心に回転させる給紙モータと、記給紙モータの駆動を制御する第2制御手段とを有し、前記加速領域と前記定速領域と前記減速領域は、前記引き出したシートの間欠搬送における1回の搬送に含まれ、前記第2制御手段はさらに、前記定速領域において、前記搬送方向に所定のトルクで前記ロール部を回転させ、前記加速領域において、前記ロール部の回転の加速に必要な前記搬送方向のトルクが前記所定のトルクに加えられたトルクで前記ロール部を回転させ、前記減速領域において、前記ロール部の回転の減速に必要な前記搬送方向と逆方向のトルクが前記所定のトルクに加えられたトルクで前記ロール部を回転させるように前記給紙モータを制御し、さらに前記間欠搬送における第1の搬送の後、前記第1の搬送の後に実行される第2の搬送の前に、前記搬送モータの駆動が停止している状態で、前記ロール部と前記搬送ローラとの間のシートにバックテンションを与えるように前記給紙モータを制御することを特徴とする搬送装置を備える。
本発明をまたさらに別の側面から見れば、上記構成の搬送装置と、前記搬送装置より搬送されるシートに記録を行う記録部とを有することを特徴とする記録装置を備える。
本発明をまたさらに別の側面から見れば、ロール軸の周りにロール状に巻かれたシートを搬送方向に引き出し、前記引き出したシートを搬送ローラによりバックテンションが与えられた状態で搬送する際に、前記搬送ローラの前記搬送方向の回転速度が、前記搬送ローラの加速領域において増加し、定速領域において一定であり、減速領域において減少するように前記搬送ローラを制御し、前記加速領域と前記定速領域と前記減速領域は、前記引き出したシートの間欠搬送における1回の搬送に含まれ、前記制御ではさらに、前記定速領域において、所定のトルクで前記シートのロール状に巻かれた部分であるロール部を回転させ、前記加速領域において、前記ロール部の回転の加速に必要な前記搬送方向のトルクが前記所定のトルクに加えられたトルクで前記ロール部を回転させ、前記減速領域において、前記ロール部の回転の減速に必要な前記搬送方向と逆方向のトルクが前記所定のトルクに加えられたトルクで前記ロール部を回転させるように、前記ロール部を前記ロール軸を中心に回転させる給紙モータを制御し、さらに前記間欠搬送における第1の搬送の後、前記第1の搬送の後に実行される第2の搬送の前に、前記搬送ローラを回転させる搬送モータの駆動が停止している状態で、前記ロール部と前記搬送ローラとの間のシートにバックテンションを与えるように前記給紙モータを制御することを特徴とする搬送制御方法を備える。
従って本発明によれば、給紙モータからロール紙に加えられるトルクを木目細かく制御するので、より正確なロール紙の搬送が実現するとともに、斜行を防止することができるという効果がある。
また、加速領域、定速領域、減速領域を含むシートの搬送状態それぞれに適したバックテンションが加えられるように制御するので、常時安定した搬送精度を実現することができる。
本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。 図1におけるロール紙のスプール部の構成を示した斜視図である。 図1に示したロール紙の給紙機構を備えた記録装置の概略構成を示す側断面図である。 ロール紙搬送機構の構成を模式的に示す上面図である。 ロール紙搬送機構のLFローラとロール紙で発生するトルク、及び、搬送速度等の関係を示す図である。 ロール紙給紙部の負荷発生装置としてトルクリミッタが用いられた場合に、ロール紙の駆動トルクTrollが一定の負荷力を発生している場合の関係を示した図である。 目標とする理想的な状態を実現するためのトルクTroll設定値について説明する図である。 図1に示した記録装置の給紙機構の制御構成を示すブロック図である。 図8に示した搬送制御を実際の搬送動作に適用した場合を説明した図である。 記録装置の給紙機構の別の制御構成を示すブロック図である。 バックテンション制御を行う、ロール紙の給紙機構を備えたインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。 ロール紙のスプール部の構成を示した斜視図である。 図6に対して、目標とする理想的な状態を実現するためのトルクTroll設定値について説明する図である。 図11に示した記録装置の給紙機構における実施例2の制御構成を示すブロック図である。 加速領域、定速領域、及び減速領域にわたって、用紙に係るバックテンションが一定になるように搬送制御を実際の搬送動作に適用した例を説明した図である。 搬送ローラの速度Vlfが加速領域と減速領域のみで構成された場合に、理想的なロール紙搬送を実現するためのトルクTrollの設定値について説明する図である。 テーブル61とテーブル62に夫々、設定される値とロール紙との関係を模式的に示した図である。 図13に示した条件に対して、ロール紙条件(慣性力値)は同じで、搬送負荷トルク設定値Tset1が大きくなった場合のトルクTroll設定値について説明する図である。 図11に示した記録装置の給紙機構における実施例3の制御構成を示すブロック図である。 図11に示した記録装置の給紙機構における実施例4の制御構成を示すブロック図である。 図11に示した記録装置の給紙機構における実施例5の制御構成を示すブロック図である。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。なお、既に説明した部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、以下の説明ではシートとしてロール紙を用いているが、それ以外に例えば、ロール状に巻回した布、皮革、プラスチックフィルム、金属シート等であってもよい。
図1は本発明の代表的な実施例であるロール紙の給紙機構を備えたインクジェット記録装置(以下、記録装置)の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1におけるロール紙のスプール部の構成を示した斜視図である。図3は、図1に示したロール紙の給紙機構を備えた記録装置の概略構成を示す側断面図である。
まず、記録媒体であるロール紙のセット操作について説明する。
この実施例では記録媒体として、ロール状に巻かれた連続紙であるロール紙Rが用いられる。図2に示す斜視図のように、ロール紙Rは、巻き中心にある紙管Sにスプールシャフト32を貫通させる。スプールシャフト32上に配置された基準側ロール紙ホルダ30の装填部28が紙管Sの内壁に対して半径方向への弾性力によって食い込むことで固定保持される。尚、基準側ロール紙ホルダ30はスプールシャフト32に関して回転しないように固定されている。
さらに、ロール紙Rを挟み込むように、基準側ロール紙ホルダ30の反対側から非基準側ロール紙ホルダ31をスプールシャフト32に通して、紙管Sにセットする。尚、非基準側ロール紙ホルダ31にも装填部29があり、半径方向への弾性力を伴って紙管Sに対して固定保持される。そして、図1に示すようにスプールシャフト32の両端を記録装置の本体部1で回動自在に支持することによって、ロール紙Rも回動自在に保持される。以下の説明では、ロール紙Rの先端部をRpとして説明する。
次に、給紙動作について説明する。
図3に示す位置にセットされたロール紙Rの先端部Rpをロール軸を直交する搬送方向に引き出し、搬送口2へと導く。そして、ユーザがロール紙Rを半時計回転(CCW)方向へと回転させることで、ロール紙Rの先端部Rpは搬送路を通って下流へと送られていく。搬送路の途中には、反射型の用紙検知センサが設けられており、ロール紙Rの先端部Rpの通過を検知すると、搬送ローラ(LFローラ)9は、搬送モータ(LFモータ)8により用紙搬送方向であるCCW方向に回転を開始する。
引き続きユーザによって下流へと送られたロール紙Rの先端部Rpは、LFローラ対9、10のニップ部まで到達し、用紙はLFローラ対9、10に挟まれた状態でプラテン19上へと搬送される。この際、キャリッジ12に搭載された端部検知センサ42によって用紙の通紙検知が行われ、確実に用紙がプラテン上まで届いていることを確認する。尚、以降の動作では、LFローラ対9、10によって自動で用紙搬送が行われるので、この時点でユーザは手をロール紙から離すことになる。
続いて、プラテン19まで搬送されたロール紙Rに対する画像形成について説明する。
記録装置の本体部1には、図1において破線3によって囲まれた画像記録部が備えられている。画像記録部3はインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)11と、記録ヘッド11を載置するキャリッジ12と、記録ヘッド11に対向して設けられたプラテン19とによって構成されている。
記録ヘッド11は記録面に対向した面において、ロール紙の搬送方向に複数のノズル列(不図示)を備え、ノズル列ごとに異なる色のインクを吐出する。尚、記録ヘッド11には各色のノズルに対して各々のインク供給チューブ13を介してインクタンク14より各色のインクが供給される。また、キャリッジ12は、本体部1のフレーム15に両端部が固定され互いに平行に配置されたガイドシャフト16とガイドレール(不図示)に沿って摺動可能に支持されている。
そして、画像記録部3まで搬送されたロール紙に向け、キャリッジ12を往復移動させながら記録ヘッド11よりインクを吐出することにより、ロール紙に画像が記録される。キャリッジ12の往路走査または復路走査による1ライン分の走査により画像を記録すると、ロール紙をLFローラ対9、10により搬送方向に所定ピッチだけ搬送し、キャリッジ12を再び移動させて次のラインの画像記録を行う。この記録において、キャリッジ12の移動速度を一定に保つため、キャリッジ位置を検出するリニアエンコーダ(不図示)からの信号を常に監視する。キャリッジ12の移動中に、何かしらの負荷変動により、リニアエンコーダからの信号に変化があれば、速度を一定にすべく、キャリッジモータへの供給電流を増減させる。このようにロール紙の間欠搬送を繰り返してロール紙に対して1頁分の画像を記録し、記録の終了した部分は排紙トレイ22へとに搬送される。そして、画像記録が終了すると、ロール紙はLFローラ対9、10により所定の切断位置まで搬送され、カッタ21によって切断される。
以上がロール紙のセットから排紙までの一連の流れである。
図4は、ロール紙搬送機構の構成を模式的に示す上面図である。ロール紙搬送機構にはロール紙Rに駆動力を付与する給紙モータ34、給紙モータ34の駆動力をスプールシャフト32に伝達するギア列35〜37、給紙エンコーダ38を備える。この構成により、スプールシャフト32が回転することでロール紙Rも回転し、用紙(ロール紙からの引き出された部分P)がLFローラ対9、10へ送られる。また、ロール紙RとLFローラ対9、10との間の引き出された部分Pにバックテンションが与えられる。
図5はロール紙搬送機構のLFローラ9、ロール紙Rでの発生するトルク、及び、搬送速度等の関係を示す図である。図5では、LFローラ9の駆動トルクをTlf、ロール紙Rの駆動トルクをTroll、LFローラ9とロール紙Rとの間の用紙(ロール紙からの引き出された部分P)にかかるトルクをTpapとして表わす。さらに、LFローラの搬送速度をVlf、ロール紙の搬送速度をVroll、用紙の搬送速度をVpapとして表わす。なお、LFローラの搬送速度Vlfとロール紙Rの搬送速度Vrollとは、円周上の速度である。ロール紙Rの駆動トルクTrollは、ロール紙32の量が多いほど大きく、ロール紙の巻き量が少なくなるほど小さくなる。
さらに、回転系の力となるトルク、Tlf、Trollの回転方向は図中、矢印CCW、CWであらわした方向となる。Tpap、Vlf、Vroll、Vpapについては図中矢印の方向が正値となる。以下説明する波形図の力関係においては、図5に示した方向を基準として説明する。
・ロール紙搬送の一般的条件について
図6はロール紙給紙部の負荷発生装置としてトルクリミッタが用いられた場合に、ロール紙Rの駆動トルクTrollが一定の負荷力を発生している場合の関係を示した図である。
LFローラの搬送速度Vlf(図6(a))は、加速領域(時刻0−A)、定速領域(時刻A−B)、減速領域(時刻B−C)に夫々対応した波形となる。即ち、図6(a)に示す例では、LFローラの搬送速度Vlfは、加速領域において増加し、定速領域において一定であり、減速領域において減少する。
LFローラの駆動トルクTlf(図6(b))は、定速領域を動作する為の定常トルク(Ts)を基準として、加速領域においては加速トルク(Ta)が加算され、減速領域においては減速トルク(Td)が加算された波形となる。トルクTlfは基本的には、ロール紙を搬送するためにCCW値となる。
ロール紙の駆動トルクTroll(図6(c))は、駆動トルクTlfの観点からすれば負荷となる値であり、トルクTlfとは逆方向になるCW方向にトルクリミッタの設定値となる設定値aが決定される。
トルクTrollとトルクTlfとの関係から、LFロータとロール紙と間の用紙(ロール紙からの引き出された部分P)にかかるトルクTpap(図6(d))は次のようになる。即ち、搬送速度Vlfの定速領域では、トルクTrollの設定値aに相当する負荷トルクLaが発生する。
負荷トルクLaに対して、搬送速度Vlfの加速領域では、ロール紙加速慣性力として、LFローラの加速度とロール紙の慣性力との積に比例したロール紙加速慣性力分の負荷が加算される。ロール紙加速慣性力は、LFローラの観点からすれば負荷が増える成分であり、トルクTpapは正方向(CCW方向)に増加する。このトルクはロール慣性力が大きいほど、ロール紙加速慣性力成分は大きくなるものであり、図6(d)ではロール慣性力が大きい場合と小さい場合の両方を図示している。
搬送速度Vlfの減速領域では、ロール紙減速慣性力として、LFローラの(減速時の)加速度とロール紙の慣性力に比例したロール紙減速慣性力分の負荷が加算される。(減速時の)加速度は負値を示すものであり、ロール紙減速慣性力はLFローラの観点からすれば、負荷が減る成分であり、トルクTpapは負方向に増加する。ロール慣性力が大きいほど、減速慣性力は増加するものであり、図6(d)ではロール慣性力の大きい場合と小さい場合の両方を図示している。
トルクTpapの様に、トルクTrollが一定の条件では、記録紙に実際にかかる負荷トルクは、LFローラの動作条件、ロール紙の慣性力条件によって様々に変化する。これは、搬送時の紙すべり量が一定ではないことを意味し、搬送ずれによる画像欠陥を引き越すことが懸念される。理想的な状態では、様々な状態変化においてもトルクTpapが一定の負荷が発生し、さらには、トルクTpapが小さいほど搬送精度も劣化しない。
また、上記説明においては、減速領域ではロール紙減速慣性力が加算されるとしているが、これはLFローラとロール紙間で張り弛みが発生しないことを仮定して説明したものである。実際のトルクTrollが一定の場合には、LFローラの減速動作に、ロール紙の減速が追従しない場合が発生しやすく、この時には紙弛みが発生してしまうので、トルクTpapは無負荷状態になってしまう。紙すべり量は、正常時と比較して、大きく異なる結果を示してしまう。また、この弛みが、再び張り状態になる無負荷状態が続く為、次搬送での搬送精度にも影響が出ることが懸念される。
以下、高精度なロール紙搬送を実現するための種々の実施例について説明する。
・ロール紙搬送の理想的条件について
図7は、図6に対して、目標とする理想的な状態を実現するためのトルクTroll設定値について説明する図である。ここで、ロール紙給紙部にはトルクリミッタは設けられていない。LFローラの動作は図6で説明したのと同じであるのでその説明は省略する。
理想的な駆動制御は、LFローラ9の回転開始タイミングから短期間(予め定めた期間)に負荷を発生させ(給紙部負荷発生区間)、その後の搬送動作中には常時、負荷は“0”値を示す(給紙部負荷ゼロ区間)ように制御することである。これは、短時間に負荷を発生させることでロール紙の斜行成分の除去を行い、その後の区間を無負荷で搬送することで、搬送精度の劣化を最小限に抑えることを意図している。図7(d)に示すトルクTpapがその状態を反映したものを示している。図7(d)によれば、LFローラ9の加速開始直後に瞬間的に負荷力(負荷トルクc)がかかり、その後のLFローラ駆動中は、トルクが“0”値となる負荷トルクbがかかる。
このような理想的な状態を実現するための他のトルク(Troll)について説明する。
(1)LFローラの定速領域
定速領域では、ロール紙Rを回転させるための慣性力成分の影響は発生しないので、負荷トルク“b”が0に相当する、トルク設定値bが設定される。トルク設定値bは、ロール紙搬送機構が元来持っているメカ負荷に等しい力であり、このメカ負荷相殺のため、Tlfとは同方向になるCCW方向のトルク値として設定値bが設定される。
(2)LFローラの加速領域
加速時にはロール紙Rを加速するためロール慣性力加速トルクが必要であり、定速区間と同じ設定値bのみではロール紙Rの慣性力に相当する負荷が発生することなる(図6(b)を参照)。その為、ロール紙の慣性力加速トルクに相当するトルクTrollを、設定値bに加算することで、設定値b以外の負荷を抑制することが見込まれる。
この様な加速領域において、LFローラ9に対する負荷トルクを発生させる給紙部負荷発生区間と、LFローラに対する負荷トルクが“0”になる給紙部負荷ゼロ区間を切り替える必要がある。
そのため、まず、LFローラ9の駆動開始のタイミングから、所定の時刻までロール紙慣性力加速トルクを発生させないことで、強制的にロール紙が張り状態になる状況を作り出す。即ち、所定の時刻までロール紙慣性力加速トルクに満たない大きさのトルクを生成する。この区間は時刻0から時刻Dまでであり、この区間では、LFローラの加速度とロール紙の慣性力に応じた負荷トルクcがかかるものにするため、ロール紙Rに与えるトルクをトルク設定値bにしている。
その後、時刻DからLFローラの加速終了(時刻A)までに、ロール紙Rの速度がLFローラ9の速度を若干上回るようにロール紙R(スプールシャフト32)を加速する。この制御を行うことで、ロール紙を張り状態から弛み状態に切り替えることになる。弛み状態になった後は、過度の弛みを発生させず、所望の弛みを維持していくことが望ましい。その為、目標弛みに到達後は、ロール紙の速度がLFローラの速度に等しくなるよう、速やかに速度を安定化させる。ロール紙の状態が弛み状態に切り替わることで、負荷トルクcは“0”値となる負荷トルクbに変化する。
ロール紙の慣性力加速トルクは、その加速時間が、LFローラ加速時間(時刻0−A)に対して短くなる(時刻D−A)ために、LFローラの加速度より大きな値となるロール紙加速度と、ロール紙慣性力から計算されたトルク値により定められる。この力は、LFローラに対し負荷を小さくする方向となるCCW方向となり、設定値bを基準としてCCW側にトルクTroll値を変化させる。
図7(c)では、大きいロール紙慣性力加速トルク(TLIA)が加わった場合(CASE1)と小さいロール紙慣性力加速トルク(TSIA)が加わった場合(CASE2)とを図示している。この図から分かるように、動作対象の慣性力が大きいほど、より大きなロール慣性力加速トルクが設定値bに加算される。これにより、ロール紙に状態変化(材質変化、紙幅変化、巻径変化、加速度変化)が生じても、安定した加速動作を行うことができる。
なお、この実施例では、時刻Dまでのトルク設定値をbとすることで、LFローラ加速度とロール紙慣性力に応じた負荷トルクcが発生することにしているが、トルク設定値をb以外にすることで、負荷トルクcを調整する場合も考えられる。
(3)LFローラの減速領域
減速時にはロール紙を減速するためロール慣性力減速トルクが必要であり、定速区間と同じ設定値bのみでは、ロール慣性力に相当する負荷が発生することで、過剰に弛みが発生することになる。(図6(b)を参照)。そのため、ロール紙慣性力減速トルクに相当するトルクTrollを設定値bに加算することで、ロール紙の減速動作を、LFローラの動作に協調することが可能になり、余分な弛みの発生を抑制できる。(減速時の加速度は負値を示し、ロール紙慣性力減速トルク値もCW値を示す)。この力は、LFローラに対し負荷を大きくする方向となるCW方向となり、設定値bを基準としてCW側にトルクTroll値を変化させる。基本的には弛み状態で動作するものであるので、発生する負荷トルクは図7(d)に示すように、“0”値となる負荷トルクbのままとなる。
加速領域と同様に、図7(c)には大きいロール紙慣性力加速トルク(TLID)が加わった場合(CASE3)と小さいロール紙慣性力加速トルク(TSID)が加わった場合(CASE4)とを図示している。この図から分かるように、動作対象の慣性力が大きいほど、より大きなロール紙慣性力減速トルクが設定値bに加算する。これにより、ロール紙に状態変化(材質変化、紙幅変化、巻径変化、加速度変化)が生じても、安定した減速動作を行うことができる。
図8は図1に示した記録装置の給紙機構の制御構成を示すブロック図である。制御ブロックは、LFモータの駆動を制御する第1制御手段(図中太破線)と給紙モータの駆動を制御する第2制御手段(図中太実線)とから構成される。
第1制御手段は、LFエンコーダ情報(LFenc)を入力し、LF動作情報(LFinfo)とモータドライバ55への操作量となるPWM値(LFPWM)を出力する。LFローラ9に連結されたLFエンコーダ45から検出されるLFエンコーダ情報(LFenc)とLF動作目標との差分値から制御演算を行いPWM値(LFPWM)が決定される。LFエンコーダとは搬送ローラの周縁部に設けられるもので搬送エンコーダともいい、搬送ローラの位置、速度、加速度を推定するのに用いられる。PWM値(LFPWM)が、モータドライバ55に入力され、LFモータ44を駆動制御する。LFモータ44は、LFローラ9を駆動する駆動源となる。このフィードバック制御部がLF制御部43であり、LFの位置、速度、加速度や状態情報等を含む一連の動作情報(LFinfo)が第1制御手段からの制御情報として第2制御手段へ出力される。
第2制御手段は、メモリ60に格納されたロール紙状態情報(RSinfo)と第1制御手段からのLF動作情報(LFinfo)と給紙エンコーダ情報(FDenc)とを入力する。
第2制御手段はロール紙の制御情報とロール紙状態情報とLF動作情報から、メカ情報70、搬送負荷トルク情報39、待機時負荷トルク情報62、トルク調整部81の出力値を決定する。なお、ロール紙の制御情報は給紙エンコーダ情報(FDenc)から推定される位置、速度、加速度からなる。
メカ情報70は、静的なメカ特性を保証するための制御情報(静的メカ負荷補正値)と動的なメカ特性を保証するための制御情報(動的メカ負荷補正値)とを含む。以降の説明では、静的メカ負荷補正値と動的メカ負荷補正値を合わせてメカ基準負荷値71という。メカ基準負荷値71はロール紙を回転させるための必要最低限のトルクである。
搬送負荷トルク情報39からは搬送負荷トルク設定値41、待機時負荷トルク情報62aからは待機時負荷トルク設定値63が出力値となる。この出力値は、搬送対象となるロール紙Rの材質、紙幅、巻径等のロール紙状態情報(RSinfo)をもとに決定されるも。
トルク調整部81は、加速補正値生成部64、減速補正値生成部66、振動抑制補正値生成部68、弛み管理補正値生成部77、速度抑制補正値生成部79から構成される。加速補正値生成部64からは加速慣性力補正値65、減速補正値生成部66からは減速慣性力補正値67が出力値となる。この出力値は、ロール紙状態情報(RSinfo)とLF動作情報(LFinfo)から決定され、ロール紙の慣性力成分に応じた必要トルクに相当する値となる。この値には、状況に応じた補正係数がかかる場合もある。
振動抑制補正値生成部68からは振動抑制補正値69が出力される。振動抑制値生成部68は、ロール紙の制御情報とLF動作情報(LFinfo)とを用いて、粘性項に相当した補償値を計算する。これにより、ロール紙が過度に振動することを抑えつつ、緩やかに動作目標速度に追従して動くためのトルク調整値となる振動抑制補正値69が求められる。
弛み管理補正値生成部77からは弛み管理補正値78が出力される。弛み管理補正値生成部77は、ロール紙の制御情報とLF動作情報(LFinfo)を用いて、ロール紙の弛み量が適切な値になるためのトルク調整値となる弛み管理補正値78を求める。
速度抑制補正値生成部79からは速度抑制補正値80が出力される。速度抑制補正値生成部79は、ロール紙の制御情報を用い、適切な動作速度を実現するためのトルク調整値となる速度抑制補正値80を求める。
このような出力値が給紙モータ制御部42に入力され、LF動作情報(LFinfo)による状態判別から制御区間が判別され、適切な出力値の組み合わせが選択される。その結果、必要トルクに相当した電流値が決定され電流値(Icnt)として出力される。
動作対象となる給紙モータ34は、PWM制御方式のモータドライバ52により駆動される。モータドライバ52は、モータに供給される電流値を保証しているわけではない。その為、給紙モータ34に供給される電流値を確認するための電流検出回路53が電流値(IFD)を検出する。そして、電流値(Icnt)と電流値(IFD)の差分値に従い、出力値となるPWM値(FDPWM)を調整する。このようにして、電流フィードバック制御部50が形成される。
図9は、図8に示した搬送制御を実際の搬送動作に適用した場合を説明した図である。図9において、(a)はLFローラとロール紙の速度波形(Vlf,Vroll)、(b)は給紙モータに与えるトルク波形(Troll)、(c)はLFローラとロール紙と間の記録紙にかかる負荷波形(Tpap)、(d)はロール紙の弛み波形を表している。記録紙の搬送速度Vpapは、LFローラ速度Vlfと同等のものになる。
給紙部負荷発生区間と給紙部負荷ゼロ区間の変化は、図9(d)に示すロール紙の弛み波形における、第1区間(時刻0−B)、第2区間(時刻B−F)、第3区間(時刻F−G)に対応する。即ち、第1区間はロール紙を停止状態から加速して給紙部に負荷が発生する区間、第2区間は給紙部負荷ゼロ区間、第3区間は給紙モータを給紙方向とは逆方向に逆回転させて給紙部に負荷を発生させる区間となる。第2区間はさらに、制御区間α(時刻B−C)、制御区間β(時刻C―E)、制御区間γ(時刻E−F)に分割され、各分割区間は、図9(a)に示す速度波形で示した制御区間となる。
ここで、第1、第2、第3区間夫々における状態を説明する。
第1区間ではLFローラがロール紙の負荷を背負う形で搬送を行う状態になる。図9(b)に示すように、給紙駆動部がそもそも持っているメカ負荷値に釣り合うトルクを給紙モータがCCW方向に発生させ、この時のLFローラ側に発生する負荷はロール紙の慣性力に応じたものとなる。さらに大きな負荷を与えたい場合には、給紙モータの発生トルクをCW方向に与えることで可能になる。この負荷が発生することで、ロール紙に斜行が生じる場合には、スプール軸に倣う形で斜行が取れることになる。その後、ロール紙が所望の速度に加速していくように給紙モータにCCW方向の加速トルクを発生させ、その際にロール紙の回転速度がLFローラの回転速度を追い越すように制御することで、第1区間から第2区間へ遷移する。
第2区間では第1区間で発生した加速トルクを継続させてロール紙を所望の速度に加速させ、その後、LFローラ速度に一致するまで減速させるように減速トルクを発生させる。このLFローラ速度に一致するまでの間に、目標とするロール紙弛みを発生させる。その後のロール紙速度は、LFローラが停止するまでLFローラと同じ速度となるように制御される。従って、さきの目標弛み量が維持される。LFローラが定速動作時にはメカ負荷に釣り合うだけのトルクをCCW方向に発生させる。LFローラの減速時には、ロール紙が速やかに減速するように、ロール紙慣性力量に相当する減速トルクを発生させ、ロール紙速度を減少させる。LFローラ停止後は、ロール紙が巻き戻る方向に動く様に給紙モータをCW方向に駆動させることで徐々に弛みが取れる。そして、完全に弛みがなくなった時点で第3区間に遷移する。
第3区間では、次の搬送動作が開始されるまで、給紙モータによって一定のトルクをCW方向にかける。この際のトルクは、搬送精度が悪化しないよう、LFローラ側のロール紙が動かない程度の範囲内で発生させる値となる。
次に、第1、第2、第3区間夫々におけるロール紙の搬送制御について説明する。
・第1区間での搬送制御
第1区間では、搬送負荷トルク設定値(Tset)41に、加速慣性力補正値65と振動抑制補正値69と弛み管理補正値78とメカ情報70から決定されるメカ基準負荷値(Trefload)とを加算する。このようにして、電流値(Icnt)を計算する。LFローラの加速直後は給紙部負荷発生区間(時刻0−A)とする為、加速慣性力補正値65に“0”値を指定し、搬送負荷トルク設定値とメカ基準負荷値に基いて定められるトルクを発生させる。搬送負荷トルク設定値には基本的には無負荷値に相当する“0”値が設定されるので、実質的にはメカ基準負荷値のみが有効トルクとなる。この結果、LFローラ加速度とロール紙慣性力との積に相当する負荷が発生することになる。なお、負荷発生力の調整や安定性の確保等から、搬送負荷トルク設定値としてマイナスの値を設定する。また、時刻Aの調整から負荷発生力を調整する。
時刻A以降の第1区間では、第2区間(給紙部負荷ゼロ区間)に遷移する為、適切な弛みを発生するまでロール紙を加速する必要がある(時刻A−B)。そのため、加速領域の残時間(時刻A−時刻C)とLF動作情報(LFinfo)から、必要な加速度(ロール紙加速慣性力トルク:Tac)を求める。その結果は加速慣性力補正値65に反映され、搬送負荷トルク設定値とメカ基準負荷値に加算することで、ロール紙制御を行う。
なお、上記に加え、弛み管理用の補正値や振動抑制用の補正値を随時、制御区間内のトルク値に加えることで、制御性能の安定性を高める。
このような第1区間の演算結果として、LFローラの加速終了までには、給紙部負荷発生区間から給紙部負荷ゼロ区間に遷移することが可能になる。それにより、ロール紙の斜行成分の除去しつつ、最小限の搬送精度劣化で抑えることが可能になる。
・第2区間での搬送制御
第2区間は3つの制御区間に細分化されるので、夫々の制御区間に分けて説明する。
<制御区間α>
ここでは第1区間のロール紙加速制御を引き継ぎ、所望の弛みが発生するための最高速度までロール紙を加速させる。この際、制御ブロックで使用する機能は、第1区間(時刻A−B)と同様のものになる。
<制御区間β>
制御区間βでは、搬送負荷トルク設定値41に、ロール減速慣性力補正値67と振動抑制補正値69と弛み管理補正値78とメカ情報70から決定されるメカ基準負荷値とを加算して、電流値(Icnt)を計算する。待機時負荷トルク設定値63は“0”として扱われる。
この区間では、制御区間αで発生したロール紙最高速度を速やかにLFローラ速度まで減速させる。ロール紙の速度が、LFローラの速度に一致した後は、LFローラ停止まで同一速度でロール紙を動かすよう制御する。この制御を行うことで、弛み量を維持しながらロール紙を搬送できる。ロール紙速度がLFローラ速度に一致するまで、減速慣性力補正値67が有効になることで減速動作が速やかに実行される。即ち、必要な加速度(ロール紙減速慣性力トルク:Tdc)が求められる。そして、その結果は減速慣性力補正値67に反映され、搬送負荷トルク設定値とメカ基準負荷値に加算することで、減速動作におけるロール紙制御を行う。その後、LFローラの定速領域では、減速慣性力補正値は“0”値を示し、搬送負荷トルク設定値(Tset)とメカ基準負荷値(Trefload)の和に相当するトルクを発生させる。時刻Dから時刻Eの減速区間では、減速に必要となるトルク値である減速慣性力補正値67を再度有効にし、ロール紙を速やかに減速させる制御を行う。
なお、上記に加え、弛み管理用の補正値や振動抑制用の補正値を随時制御区間内のトルク値に加えることで、制御性能の安定性を高める。
<制御区間γ>
制御区間γでは、制御区間βの終了までに発生した弛みの分だけロール紙を巻き戻す。給紙モータをCW方向に回転させる。その際、過剰な力でロール紙を引っ張った場合、弛みが無くなった状態では、搬送精度を乱すことになりかねない。その為、待機時負荷トルク63で設定されたトルク値(Tidle)を上限としてロール紙を引っ張ることで、搬送精度に悪影響を与えることなくロール紙を巻戻す。
この際、巻戻し方向に、メカ基準負荷相当値を上乗せして相殺する必要があるため、メカ基準負荷値を減算することになる。即ち、給紙モータのトルクは、待機時負荷トルク63で設定されたトルク値からメカ基準負荷相当値を減算した値に相当する。
図9は、搬送動作中のロール紙の弛みを、制御区間γで巻戻して解消している様子を示している。即ち、ロール紙速度波形も弛みを解消するために負値の値を示している。弛みが解消される時刻Fまでは、速度波形が負値を示す一方(図9(a))、トルクTpapは“0”値を示している(図9(c))。
なお、上記に加え、弛み管理用の補正値や速度抑制用の補正値を随時制御区間内のトルク値に加えることで、制御性能の安定性を高める。
・第3区間での搬送制御
ここでの制御は第2区間の制御区間γでの制御方法と同じである。時刻F後は弛みがなくなるためロール紙は停止し、トルクTpapには、待機時負荷トルク63に相当した力がかかる。
なお、消費電力の観点などから、第3区間で弛みが取れたと判断されたのちに、給紙モータから発生するトルクをゼロにしても良い。
従って以上説明した実施例に従えば、第1区間、第2区間の制御区間α、β、γ、第3区間夫々で特有の制御演算を実行し、繰り返される搬送動作において、斜行成分を除去しつつも、最小限の搬送精度誤差でロール紙の搬送制御を行うことが実現できる。
このようにして、ロール紙の間欠搬送において、ロール紙の巻径・用紙幅・用紙種別により変動する負荷要因、LFローラの搬送条件に応じて給紙モータの発生トルクを可変とし、給紙部負荷発生区間と給紙部負荷ゼロ区間とを切り替える。これにより、ロール紙の斜行の補正と搬送精度低下の抑制の二つを両立することができる。
これにより、ロール紙の状態によらず、搬送精度を安定化させることが可能になるので画像品位の向上や記録装置が利用可能な記録媒体が拡大し、更には、搬送時間の短縮、搬送音の低減にも貢献する。
なお、図8に示す制御構成により本発明が限定されるものではない。例えば、その制御構成を図10に示すような構成としても良い。図8と図10との間の制御構成の差異は、第1制御手段におけるLFモータの駆動方式である。図10において、LFモータ76は、例えば、パルスモータの様なオープンループ制御となる駆動方式に従うものである。この構成では、動作目標に相当するパルステーブル値(PTABLE)をモータドライバ75に出力することで、LFモータ76はその値に従って駆動する。LF制御部43ではLF動作の見込み情報となる動作目標をLF動作情報(LFinfo)として出力する。
ここでは、ロール紙からの引き出された部分Pに与えられるバックテンションの制御を行う実施例について説明する。なお、以下の説明では、実施例1で説明したのと同じ制御や構成要素についての説明は省略し、この実施例に特有の制御についてのみ説明する。
図11は、バックテンション制御を行う、ロール紙の給紙機構を備えたインクジェット記録装置(以下、記録装置)の概略構成を示す斜視図である。
図11に示す構成は、キャリッジ12の側面に設けられた用紙センサ17を除いて図1に示したものと同じ構成である。用紙センサ17は、用紙の有り無し、及び用紙の端部が検出できる。そして、用紙センサ17は、キャリッジ12を往復動作させる事により、用紙の幅を検出する事もできる。また、用紙を所定量(例えば、300mm)搬送させて、搬送の前後で用紙端位置を検出する事で、用紙の斜行量を検出できる。
図12はロール紙のスプール部の構成を示した斜視図である。図12に示すように、この実施例では、基準側ロール紙ホルダ30にはロール紙Rの半径方向に複数配列された発光ユニット18a、非基準側ロール紙ホルダ31には受光ユニット18bが備えられる。そして、発光ユニット18aからの光を受光ユニット18bが受光してロール紙Rの半径を計測する。計測した半径は搬送において用紙にかかるバックテンションを決定するために用いられる。
<ロール紙搬送の理想条件について>
図13は、図6に対して、目標とする理想的な状態を実現するためのトルクTroll設定値について説明する図である。ここで、ロール紙の搬送動作は図6で説明したのと同じであるのでその説明は省略する。また、搬送ローラの速度Vlf及び搬送ローラのトルクTlfの時間変化を示す信号波形、図13(a)〜図13(b)は図6(a)〜図6(b)と同じである。
理想条件としては搬送ローラ動作中、トルクTpapとして常時一定値の負荷がかかり続ける。これは加速領域、定速領域、減速領域を含むシートの搬送条件によらず負荷を均一化し、常時安定した搬送精度とすることを意図している。図13(d)に示すトルクTpapがその状態を反映したものを示している。図13(d)によれば、加速領域(時刻0−A)、定速領域(時刻A−B)、減速領域(時刻B−C)においてトルクTpapは一定値Laである。
このような理想的な状態を実現するための他のトルク(特に、Troll)について説明する。
(1)LFローラの定速領域
定速領域においては、ロール紙の慣性力成分の影響は発生しないので、上記の一般的条件と同様に負荷力を示すトルクLaに相当し、搬送ローラのトルクTlfとは逆方向になるCW方向のトルク値として設定値aが設定される。
(2)LFローラの加速領域
加速時にはロール紙を加速するためロール慣性力加速トルクが必要であり、定速領域と同じ設定値aのみではロール部の慣性力に相当する負荷が発生することなる(図6(b)を参照)。そのため、ロール部の慣性力加速トルクに相当するトルクTrollを、設定値aに加算することで、設定値a以外の負荷を抑制する。この力は、搬送ローラに対し負荷を小さくする方向となるCCW側方向となり、設定値aを基準としてCCW側にトルクTrollを変化させる。これにより、ロール慣性力加速トルクが、ロール紙の加速で消費され、結果として設定値aに相当するトルクLaのみがトルクTpapとして用紙にかかる。
図13(c)は、大きいロール紙慣性力加速トルク(TLIA)が加わった場合(CASE1)と小さいロール紙慣性力加速トルク(TSIA)が加わった場合(CASE2)の両方を示している。動作対象の慣性力が大きいほど、より大きなロール慣性力加速トルクが設定値aに加算される。これにより、ロール紙に状態変化(材質変化、紙幅変化、半径変化、加速度変化)が生じても、安定した加速動作を行うことができる。
(3)LFローラの減速領域
減速時にはロール紙を減速するためロール慣性力減速トルクが必要であり、定速区間と同じ設定値aのみではロール部の慣性力に相当する負荷が発生することなる(図6(b)を参照)。そのため、ロール部の慣性力減速トルクに相当するトルクTrollを、設定値aに加算することで、設定値a以外の負荷を抑制することができる(減速時の加速度は負値を示し、ロール紙慣性力減速トルク値もCW値を示す)。この力は、搬送ローラに対し負荷を大きくする方向となるCW方向となり、設定値aを基準としてCW側にトルクTroll値を変化させる。ロール慣性力の影響による負荷トルクの減少分を、トルクTrollが負荷を増加することでキャンセルすることが可能となり、一定の負荷となる負荷力Laが減速区間でもかかるようになる。
加速区間と同様に、図13(c)は大きいロール紙慣性力減速トルク(TLID)と小さいロール紙慣性力減速トルク(TSID)とが夫々加わった場合(CASE3、CASE4)の両方を示している。動作対象の慣性力が大きいほど、より大きなロール慣性力減速トルクが設定値aに加算される。これにより、ロール紙に状態変化(材質変化、紙幅変化、半径変化、加速度変化)が生じても、安定した減速動作を行うことができる。
<バックテンション制御の構成例>
図14は図11に示した記録装置の給紙機構における一つの実施例の制御構成を示すブロック図である。この制御ブロックは第1制御手段と第2制御手段とから構成される。第1制御手段は、上記の加速領域、定速領域、減速領域においてLFモータの駆動を制御する。第2制御手段は、引き出された部分Pにバックテンションを与え、かつLFローラの搬送速度Vlfとロール紙の搬送Vrollが等しくなるように給紙モータの駆動を制御する。なお、図14において、既に図8で説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。
<第1制御手段>
第1制御手段のフィードバック機能によりLFローラの駆動開始タイミング、速度、加速度や状態情報等を含む一連の動作情報(LFinfo)が、第1制御手段からの制御情報として第2制御手段へ出力される。
<第2制御手段>
第2制御手段は、搬送負荷トルク設定値(Tset1)、待機時負荷トルク設定値(Tset2)、搬送動作情報(LFinfo)を入力する。第2制御手段はさらに、ロール紙情報(Rinfo)、検出電流値(IFD)、給紙エンコーダ情報(FDenc)入力する。さらに、第2制御手段は、上記入力を基にしてモータドライバへの操作量となるPWM値(FDPWM)を出力する。メモリ60に記憶されたロール紙情報(Rinfo)は、バックテンションとなるトルクTpapを決定するための設定情報で、詳細は以下に述べる。
受光センサ18bはロール部の半径を検知し、検知した半径Rradをメモリ60に格納する。また、記録装置には用紙幅(用紙の搬送方向と直交する方向の幅)及び用紙種別(シートの種類)をユーザが入力するキーボード63Aを備えている。キーボード63Aから入力された用紙幅Rwid、用紙種別Rtypはメモリ60に格納される。メモリ60は格納された情報をロール紙情報Rinfoとして出力する。
テーブル61とテーブル62は夫々、ロール紙の半径、用紙幅R、及び用紙種別と、搬送負荷トルク設定値Tset1、待機時負荷トルク設定値Tset2との対応関係を格納する。ここで、ロール紙の半径(巻径)をRradで、用紙幅をRwidで、用紙種別をRtypで表わしている。そして、テーブル61、62から、対応する搬送負荷トルク設定値Tset1、待機時負荷トルク設定値Tset2を第2制御手段に出力する。定速領域の給紙モータの駆動トルクは後述のとおりTroll=Tset1−Tset6で表される。従って、テーブル61、テーブル62を参照することで給紙モータの駆動トルクの大きさが調節される。なお、ロール紙情報と設定値との関係は図17に示す通りである(説明は後述する)。
給紙モータ制御部41は、搬送負荷トルク設定値Tset1、待機時負荷トルク設定値Tset2を基準値として用いる。そして、加速補正トルクTset3、減速補正トルクTset4、振動抑制トルクTset5、及びメカ基準負荷トルクTset6を選択的に演算に用いる。
加速補正値生成部64はロール部の回転の加速に必要なCCW方向のトルクの値として加速補正トルクTset3を出力する。減速補正値生成部66はロール部の回転の減速時のCCW方向のトルクの値として減速補正トルクTset4を出力する。振動抑制補正値生成部68はCCW方向のトルクの値として振動抑制トルクTset5を出力する。また、前述の実施例では単にメカ情報としても言及されたメカ基準負荷トルクTset6はCCW方向のトルクの値である。
給紙モータ34に備えられた給紙エンコーダ38は給紙エンコーダ情報FDencを出力し、LF制御部43は搬送動作情報LFinfoを出力する。なお、各補正値生成部64、66、及び68は、給紙エンコーダ情報FDencと搬送動作情報LFinfoとを入力として、それぞれのトルク値を算出する。具体的には、給紙エンコーダ情報FDencは、搬送開始からの現時点までに用紙が移動した距離、現在の回転速度及びロール紙の径を含む。また、搬送動作情報LFinfoは、予定している搬送ローラに与える加速度を含む。これらの情報により、ロール紙側を搬送ローラ側と連動させるために、ロール紙に与える加速度が決定され、ロール紙の径からロール紙の慣性モーメントが算出され、加速度と慣性モーメントから給紙モータの駆動力が決定される。
以上説明したように、この実施例では、給紙モータ制御部41と電流フィードバック制御部50の一連の処理部が、第2制御手段を構成する。
<搬送制御方法>
図15は、加速領域、定速領域、及び減速領域にわたって、用紙に係るバックテンションが一定になるように図14に示した第1及び第2制御手段による搬送制御を実際の搬送動作に適用した一つの例を説明した図である。図15(a)は搬送ローラの速度VlfとトルクTlfの時間変化を、図15(b)はロール部における速度VrollとトルクTrollの時間変化を、図15(c)は引き出された部分Pにかかる負荷力としてのトルクTpapの時間変化を表している。用紙の搬送速度Vpapは、搬送ローラの速度Vlfと同等になる。
また、実際の搬送動作において、引き出された部分Pでの弛み現象や、動作対象となる搬送機構のメカ負荷等が存在する。それらを加味し、図14に示した制御構成によりトルクTrollの値を算出することから、理想的なトルクTpapが実現される。また、以下の説明で用いるTroll値が、図14での電流値ICNTに相当する値となる。
この実施例では、搬送ローラの速度Vlfの動作情報を用い、次のように時間分割して搬送制御を行う。即ち、搬送ローラの動き出しから減速開始までを第1期間T1(0−時刻B)、搬送ローラの減速開始から停止までを第2期間T2(時刻B−時刻C)、搬送ローラの停止から次動作までを第3期間T3(時刻C−時刻D)とする。
加速補正値生成部64は加速補正トルクTset3を出力し、振動抑制補正値生成部68は振動抑制トルクTset5を出力する。第1期間T1では、搬送負荷トルク設定値Tset1に加速補正トルクTset3と振動抑制トルクTset5を加算し、メカ基準負荷トルクTset6を減算する。また、待機時負荷トルク設定値Tset2は0として扱われる。
加速補正値生成部64は搬送ローラの加速度とロール紙情報Rinfoから得られた値に加速用の補正係数を加えロール紙加速慣性力量に応じた加速補正トルクTset3を求める。振動抑制補正値生成部68は給紙エンコーダ情報FDencと搬送動作情報LFinfoから得られた値に粘性補償係数を加える。そして、給紙部の振動現象を抑制するために作用する振動抑制トルクTset5を求める。メカ基準負荷トルクTset6は駆動系そのものが元来持っている負荷値なので、ロール紙に発生させたい負荷力となる搬送負荷トルク設定値から減算して、その残りを給紙モータで負荷として発生する。
定速領域(A−B)では、搬送方向に一定のトルクTroll(設定値a)=Tset1−Tset6で給紙モータを駆動し、このときトルクTpapに与えられる負荷力Laになる。また、定速領域(A−B)では、搬送ローラの加速度も0になるため、加速、定速を意識した演算を行わなくても良い。図15(b)は、搬送負荷トルク設定値Tset1は基準負荷トルクTset6に比べより大きな負値をもつ場合、設定値aはCW方向の値となることを示している。ただし、もともとのメカ負荷が3kgf程度有り、負荷1.5kgfで駆動する場合などでは、設定値aがCCW側のなることも考えられる。最終的には、モータへの指令値として、トルクTrollに相当した電流値に変換される。これはモータ仕様やメカ伝達機構から決定される。
加速領域(0−A)では、ロール紙加速慣性力を補うように、設定値aを基準として加速補正トルクTset3が加算され、設定値bとなる。また、加速区間(0−A)では、搬送ローラの加速度は0ではないことから、加速補正トルクTset3も0とはならない。
結果として、加速に伴う負荷変動はキャンセルされ、第1期間T1(0−B)において、トルクTpapは一定値となる負荷力Laを示すものとなり、バックテンションが安定化する。ここで、搬送ローラの駆動トルクTlfとの関係を考える。トルクTlfは搬送駆動系にかかる全てのメカ負荷を含めた上で、搬送ローラの速度Vlfが正値をしめす搬送方向(CCW方向)にロール紙を搬送する。そのため、少なくとも加減速を伴わない定速区間(A−B)で必要なトルクは必ずCCW方向になる。これに対して、トルクTrollは、定速区間(A−B)では、搬送ローラに対して一定の負荷を与える必要があるためCW方向になる。即ち、定速領域(A−B)においては、Tlf>Trollの関係になる。この関係を基準として、加減速領域においては、Tlf、Trollの各々に必要な慣性力が加算される。
また、トルクTpapが一定であっても、搬送ローラとロール紙の間の経路の影響などから、必ずしも搬送ローラの速度Vlfとロール紙の速度Vrollが一致するとは限らない。例えば、図15(b)に示すように搬送ローラの駆動とロール紙の駆動のタイミングでロール紙側に遅延t1が生じることもある。
減速補正値生成部66は減速補正トルクTset4を出力し、振動抑制補正値生成部68は振動抑制トルクTset5を出力する。第2期間T2では、搬送負荷トルク設定値Tset1に減速補正トルクTset4と振動抑制トルクTset5を加算し、メカ基準負荷トルクTset6を減算する。待機時負荷トルク設定値Tset2は0として扱われる。
減速補正値生成部66は、搬送ローラの(減速時の)加速度とロール紙情報Rinfoから得られた値に、減速用の補正係数を加え、ロール紙減速慣性力量に応じた減速補正トルクTset4を求める。
第2期間T2は減速区間になるため、トルクTrollは、ロール紙加速慣性力を補うように、設定値aを基準として減速補正トルクTset4が加算され、CW側に変化した設定値cとなる。
結果として、減速に伴う負荷変動はキャンセルされ、第2期間T2(B−C)において、トルクTpapは一定値となる負荷力Laを示すものとなり、バックテンションが安定化する。ただし、上記の通り、必ずしも搬送ローラの速度Vlfとロール紙の速度Vrollが一致するとは限らず、若干の紙弛みが発生する場合も考えられる。図15(b)に示す場合は、ロール紙の駆動の遅延t1による若干の弛みが発生しており、この場合はトルクTpapがLaより小さくなる期間が生じる。
第3期間T3では、待機時負荷トルク設定値Tset2に、メカ基準負荷トルクTset6が加算される。搬送負荷トルク設定値Tset1は0として扱われる。
メカ基準負荷トルクTset6は駆動系そのものが元来持っている負荷値である。従って、ロール紙を自主的に動かそうとする場合には、メカ基準負荷トルクTset6を待機時負荷トルク設定値Tset2に加える必要がある。ここで、トルクTrollの設定値が、設定値dとなる。
第3期間T3では、搬送ローラの停止後に発生した弛みの量だけ、ロール紙がCW(巻き戻し)方向に回転する。図15(b)の例では、動作中の少量の弛みを、第3期間T3において巻き戻すことにより解消している様子が示されている。この例では、ロール紙の速度Vrollも弛みを解消するためにCW方向になる。そして、時刻Eではその弛みが解消され、その後はトルクTpapは微小な負荷力Ldをロール紙に与える。
この結果として、搬送中に弛みが発生した場合においても、次の動作開始(時刻D)では、1回目の搬送ローラの動作(時刻t=0)と同等の条件で搬送を開始できる。また、この実施例では第3期間T3における給紙モータのトルクTrollは、予め求められた紙弛みの解消に十分となる時間の経過後は、モータ発熱に関する安全面や、消費電力の低減、といった観点からその出力をOFFにする。
以上、図15に示す制御を行うことで、常時安定した紙すべり量で搬送動作が繰り返され、記録品質を安定にすることができる。また、上記の制御は、記録装置が記録を行う際、給紙モータを搬送ローラに対する負荷発生部として用いる場合での制御方法となる。これに加え、記録装置としてロール紙を巻き戻すといったシーケンスを実行する際には、給紙モータを純粋な駆動力発生部として駆動制御する。これは、ロール紙の駆動部の構成部品の削減等を加味した場合の構成となる。
図16は、搬送ローラの速度Vlfが加速領域と減速領域のみで構成された場合に、理想的なロール紙搬送を実現するためのトルクTrollの設定値について説明する図である。ロール紙条件(慣性力値)は図13に示す例と同様とする。
この構成では、定速領域が存在しないため、ロール紙のトルクTrollは、設定値a(不図示)を基準として、加速領域と減速領域では、各々に応じたロール紙慣性力値が加算された設定値となる。また、ロール紙慣性力値により、ロール紙に係る負荷変動がキャンセルされることから、図16(c)に示すようにトルクTpapは常に負荷力Laとなる。
図16において、時刻t=Aが減速開始時刻となるため、時刻0−Aの区間が図15(b)における第1期間T1に、時刻A−Fの区間が図15(b)における第2期間T2に相当する。従って、時刻0−Aの区間、時刻A−Fの区間ともに、図15(a)〜図15(c)に関連した説明と同様の方法で制御演算を行うことで、負荷力LaとなるトルクTpapが得られる。
図17はテーブル61とテーブル62に夫々、設定される値とロール紙との関係を模式的に示した図である。図17において、横軸がロール紙Rの直径を、縦軸がトルクTpapに設定される負荷値を示している。図17によれば、ロール紙の直径が大きいほどより大きな負荷値が設定される。また、搬送ローラ対9、10から発生される搬送力は、用紙幅に比例して大きくなる。そのため、用紙幅が大きいほど、ロール紙の直径に応じた設定値も大きくなる。これらのことから、記録用紙としてサポートする最小用紙幅と最大用紙幅の負荷設定値が、記録装置の用紙条件に応じて、図17に示す平行四辺形内に、その最適点が選択され、負荷設定値として用いられる。また、用紙種別が異なる場合には、異なる平行四辺形になる。
さらに、平行四辺形の領域が巨大になると、大きな負荷設定が必要となる場合もありえる。この場合には、モータに供給する定常電流値が大きすぎるため、モータ駆動回路の発熱や、消費電力面で好ましくない場合がある。このような場合に、紙幅によるバックテンション変動を、搬送補正値として調整し、ロール紙の直径に応じた負荷設定のみ実行するといった方法も考えられる。
加えて、搬送負荷トルク設定値Tset1と待機時負荷トルク設定値Tset2の関係はロール紙Rの慣性力が同じ条件では、Tset1>Tset2となる。
図18は、図13に示した条件に対して、ロール紙条件(慣性力値)は同じで、搬送負荷トルク設定値Tset1が大きくなった場合のトルクTroll設定値について説明する図である。より大きな負荷力Leを用紙に与えるために、図18(c)に示すように、トルクTrollはCW側に、より大きな値となる設定値eが与えられる。このように基準値がCW側にシフトすることで、トルクTrollは全体的にCW側にシフトする。
図18(a)〜図18(d)では、時刻t=Bが減速開始時刻となるため、時刻0−Bの区間が図15(b)における第1期間T1に、時刻B−Cの区間が図15(b)における第2期間T2に相当する。従って、時刻0−Bの区間、時刻B−Cの区間とも、図15(a)〜図15(c)に関連した説明と同様の方法で制御演算を行うことで、負荷力LeとなるトルクTpapが得られる。
以上説明したように実施例2に従えば、加速領域、定速領域、減速領域における搬送ローラの動作と連動して給紙モータの駆動トルクを制御することで、記録用紙に係るバックテンションとなるトルクTpapを制御する。このように給紙モータの駆動トルクを制御することにより、加減速時であっても搬送ローラが用紙から受ける負荷を一定に制御できるので、ロール紙の搬送精度を向上させることができる。
また、上記負荷は調整可能であるため、用紙のサイズや種類に係わらず、さらには紙以外のシートであっても安定した搬送精度が得られるという利点がある。
図19は図11に示した記録装置の給紙機構における一つの実施例の制御構成を示すブロック図である。なお、図19において、既に図8や図14で説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。図19と図14との差異は、第1制御手段における搬送モータの駆動方式である。この実施例における搬送モータ8は、例えば、パルスモータやステッピングモータの様な、オープンループ制御により駆動されるモータである。このような構成では、第1制御手段は搬送モータを駆動するための電流の目標値を決定し、この目標値に相当するパルステーブル値PTABLEを、モータドライバ55に出力する。搬送モータ8はパルステーブル値PTABLEに従い、即ち、第1制御手段が決定した目標値の電流で駆動する。LF制御部42では搬送動作の見込み情報となる電流の目標値を、搬送動作情報LFinfoとして第2制御手段に出力し、電流の目標値より、給紙モータ34に供給する電流値ICNTが調整される。
給紙モータの駆動構成は実施例1、2と同様に、給紙モータの駆動トルクを制御することにより、搬送ローラ(搬送モータ)が用紙から受ける負荷は制御される。この構成は実施例3のような搬送モータ側のオープンループ制御の導入に適しており、さらに、オープンループ制御の導入により、システムの簡単化による故障発生の低減や、安価な記録装置を実現できる。
図20は図11に示した記録装置の給紙機構における一つの実施例の制御構成を示すブロック図である。なお、図20において、既に図8や図14で説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。図20と図14との差異は、第2制御手段における給紙モータ34への電流値を制限する電流制限制御部71Aを備える点にある。給紙モータ制御部41からの出力電流値ICNTは電流制限制御部71Aに入力され、モータドライバ52の最大電流値を操作するために電圧値V1に変換される。電圧値V1はD/A変換回路(不図示)を得てアナログ値に変換され、モータドライバ52に入力される。モータドライバ52では、制限電流検出回路72より検出された電流値I3に従い、給紙モータ34に供給可能な最大電流値として、電流値ICNTが制御される。なお、モータドライバ側の仕様によっては、電流操作量がシリアル通信などを利用したパルス信号等により制限電流値を制御する場合もある。
この構成によって、例えば、大型のロール紙を搬送する際、その加速時に大電流が給紙モータへ供給され、モータが故障することを防止できる。
図21は図11に示した記録装置の給紙機構における一つの実施例の制御構成を示すブロック図である。なお、図20において、既に図8や図14で説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。この実施例の構成は、図20に示した実施例4の構成に対して搬送ローラに係る負荷トルクを計測する計測回路を更に備えた構成となる。図21と図20との差異は、追加された電流検出回路73において測定された電流値I4が第1制御手段に出力して、LF制御部43に入力する点にある。この実施例によれば、電流検出回路73により搬送駆動系に実際に発生している負荷トルクが計測できるので、理想状態と実際の負荷との差分を推定することが可能になる。負荷トルクの情報は搬送動作情報に含まれ、給紙モータ制御部41に入力される。
この構成では、給紙モータ制御部41は搬送駆動系にかかる負荷が均一になるように電流値ICNTを調整するので、更に搬送精度を安定化させることができる。
以上説明してきた実施例2〜5はいずれも、ロール状に巻かれたシートを搬送方向に引き出し、引き出したシートを給紙ローラによりバックテンションが与えられた状態で搬送するものである。そして、搬送ローラが加速領域と減速領域との内の少なくとも一方でシートを搬送するときには、給紙ローラが定速領域でそのシートを搬送するときとは異なるトルクでロール状に巻かれたシートを回転させるよう制御することを特徴とする。これにより、加速領域、定速領域、減速領域を含むシートの搬送状態それぞれに適したバックテンションが加えられるように制御するので、常時安定した搬送精度を実現することができる。
なお、以上説明した実施例ではインクジェット記録装置に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれによって限定されるものではない。本発明は、例えば、ロール状に巻かれた連続シートを引き出して各種処理(記録、加工、塗布、照射、読取、検査など)を行う装置に広く適用することができる。

Claims (14)

  1. 用紙がロール状に巻かれたロール紙を給紙し、前記給紙したロール紙を搬送して記録を行なう記録装置であって、
    前記ロール紙からの給紙のために前記ロール紙を回転させる給紙モータと、
    前記給紙された前記ロール紙の端部を挟み、前記ロール紙を搬送する搬送ローラと、
    前記搬送ローラを回転させる搬送モータと、
    前記給紙モータと前記搬送モータとを御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記ロール紙を停止状態から加速し、前記加速の制御を終了するまでの第1区間と、前記第1区間の終了から前記ロール紙の定速での搬送を経て減速し停止するまでの第2区間と、前記第2区間の終了から次の搬送のための前記ロール紙の加速を開始するまでの第3区間において前記給紙モータと前記搬送モータとを制御し、
    前記第2区間はさらに、
    前記ロール紙の速度が最高速度に達する制御区間αと、
    前記制御区間αの終了から前記ロール紙の速度が定速を経てゼロに至るまでの制御区間βと、
    前記制御区間βの終了から前記ロール紙の速度がゼロから負の速度を経て再びゼロに至るまでの制御区間γに分割され、
    前記制御手段は、
    前記第1区間では、前記搬送モータにより搬送ローラを加速するとともに、前記給紙モータにより前記ロール紙の慣性力に相当するトルクを与えるように制御し、
    前記第2区間の制御区間αでは、前記ロール紙の端部を弛ませるよう前記給紙モータにより前記ロール紙の速度をさらに加速するよう制御し、
    前記第2区間の制御区間βでは、前記給紙モータに前記制御区間αにおけるのとは逆方向にトルクをかけ前記ロール紙の速度を減速するよう制御し、その後、前記ロール紙の速度と前記搬送ローラの速度とが一致するように前記給紙モータと前記搬送モータの駆動を制御し、
    前記第2区間の制御区間γでは、前記ロール紙の端部の弛みを巻き戻すよう前記給紙モータに前記逆方向にトルクをかけるよう制御し、
    前記第3区間では、前記ロール紙の速度はゼロであることを維持しつつ、前記給紙モータに前記逆方向にトルクをかけるよう制御することを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記搬送モータの制御を行なう第1制御手段と、
    前記給紙モータの制御を行なう第2制御手段とを含むことを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  3. 前記搬送モータのフィードバック制御のために備えられ、前記搬送ローラの位置、速度、加速度を推定するための情報を発生する搬送エンコーダと、
    前記給紙モータのフィードバック制御のために備えられ、前記ロール紙の位置、速度、加速度を推定するための情報を発生する給紙エンコーダとをさらに有することを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  4. 前記第2制御手段の制御によって前記給紙モータに生じるトルクは少なくとも前記搬送エンコーダにより発生した前記搬送ローラの位置、速度、加速度に基いていることを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  5. 前記第1制御手段がオープンループ制御により前記搬送モータを制御し、
    前記搬送モータはパルスモータであることを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  6. 用紙がロール状に巻かれたロール紙と、前記ロール紙からの給紙のために前記ロール紙を回転させる給紙モータと、前記給紙された前記ロール紙の端部を挟み、前記ロール紙を搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラを回転させる搬送モータとを備え、前記給紙したロール紙を搬送して記録を行なう記録装置のロール紙の搬送制御方法であって、
    記ロール紙を停止状態から加速し、前記加速の制御を終了するまでの第1区間と、前記第1区間の終了から前記ロール紙の定速での搬送を経て減速し停止するまでの第2区間と、前記第2区間の終了から次の搬送のための前記ロール紙の加速を開始するまでの第3区間において前記給紙モータと前記搬送モータとを制御し、
    前記第2区間はさらに、
    前記ロール紙の速度が最高速度に達する制御区間αと、
    前記制御区間αの終了から前記ロール紙の速度が定速を経てゼロに至るまでの制御区間βと、
    前記制御区間βの終了から前記ロール紙の速度がゼロから負の速度を経て再びゼロに至るまでの制御区間γに分割され、
    前記制御では、
    前記第1区間では、前記搬送モータにより搬送ローラを加速するとともに、前記給紙モータにより前記ロール紙の慣性力に相当するトルクを与えるように制御し、
    前記第2区間の制御区間αでは、前記ロール紙の端部を弛ませるよう前記給紙モータにより前記ロール紙の速度をさらに加速するよう制御し、
    前記第2区間の制御区間βでは、前記給紙モータに前記制御区間αにおけるのとは逆方向にトルクをかけ前記ロール紙の速度を減速するよう制御し、その後、前記ロール紙の速度と前記搬送ローラの速度とが一致するように前記給紙モータと前記搬送モータの駆動を制御し、
    前記第2区間の制御区間γでは、前記ロール紙の端部の弛みを巻き戻すよう前記給紙モータに前記逆方向にトルクをかけるよう制御し、
    前記第3区間では、前記ロール紙の速度はゼロであることを維持しつつ、前記給紙モータに前記逆方向にトルクをかけるよう制御することを特徴とするロール紙の搬送制御方法。
  7. ロール軸の周りにロール状に巻かれたシートを搬送方向に引き出し、搬送ローラにより前記引き出したシートを搬送する搬送装置であって、
    前記搬送ローラを回転させる搬送モータと、
    前記搬送ローラの前記搬送方向の回転速度が、前記搬送ローラの加速領域において増加し、定速領域において一定であり、減速領域において減少するように前記搬送モータを制御する第1制御手段と、
    前記シートのロール状に巻かれた部分であるロール部を前記ロール軸を中心に回転させる給紙モータと、
    記給紙モータの駆動を制御する第2制御手段とを有し、
    前記加速領域と前記定速領域と前記減速領域は、前記引き出したシートの間欠搬送における1回の搬送に含まれ、
    前記第2制御手段はさらに、
    前記定速領域において、前記搬送方向に所定のトルクで前記ロール部を回転させ、
    前記加速領域において、前記ロール部の回転の加速に必要な前記搬送方向のトルクが前記所定のトルクに加えられたトルクで前記ロール部を回転させ、
    前記減速領域において、前記ロール部の回転の減速に必要な前記搬送方向と逆方向のトルクが前記所定のトルクに加えられたトルクで前記ロール部を回転させるように前記給紙モータを制御し、さらに
    前記間欠搬送における第1の搬送の後、前記第1の搬送の後に実行される第2の搬送の前に、前記搬送モータの駆動が停止している状態で、前記ロール部と前記搬送ローラとの間のシートにバックテンションを与えるように前記給紙モータを制御することを特徴とする搬送装置。
  8. 前記ロール部の半径、前記シートの前記搬送方向と直交する方向の幅と、前記シートの種類とのうちの少なくとも1つに基づいて、前記定速領域において発生する所定のトルクの大きさを調節する調節手段とをさらに有ることを特徴とする請求項に記載の搬送装置。
  9. 前記調節手段は、前記半径、前記幅、及び前記種類と、トルク値とを対応させたテーブルを参照することにより、前記所定のトルクの大きさを調節することを特徴とする請求項に記載の搬送装置。
  10. 前記定速領域における前記所定のトルクは、前記搬送方向とは逆方法のトルクであることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の搬送装置。
  11. 前記第1制御手段と前記第2制御手段により、前記加速領域と前記定速領域と前記減速領域とにおいて、前記ロール部と前記搬送ローラとの間のシートにバックテンションが与えられることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の搬送装置。
  12. 前記第2制御手段は、前記給紙モータの駆動のための電流値を制御することで、前記ロール部のトルクを調整することを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の搬送装置。
  13. 請求項乃至12のいずれか1項に記載の搬送装置と、
    前記搬送装置より搬送されるシートに記録を行う記録部とを有することを特徴とする記録装置。
  14. ロール軸の周りにロール状に巻かれたシートを搬送方向に引き出し、前記引き出したシートを搬送ローラによりバックテンションが与えられた状態で搬送する際に、
    前記搬送ローラの前記搬送方向の回転速度が、前記搬送ローラの加速領域において増加し、定速領域において一定であり、減速領域において減少するように前記搬送ローラを制御し、
    前記加速領域と前記定速領域と前記減速領域は、前記引き出したシートの間欠搬送における1回の搬送に含まれ、
    前記制御ではさらに、
    前記定速領域において、所定のトルクで前記シートのロール状に巻かれた部分であるロール部を回転させ、
    前記加速領域において、前記ロール部の回転の加速に必要な前記搬送方向のトルクが前記所定のトルクに加えられたトルクで前記ロール部を回転させ、
    前記減速領域において、前記ロール部の回転の減速に必要な前記搬送方向と逆方向のトルクが前記所定のトルクに加えられたトルクで前記ロール部を回転させるように、前記ロール部を前記ロール軸を中心に回転させる給紙モータを制御し、さらに
    前記間欠搬送における第1の搬送の後、前記第1の搬送の後に実行される第2の搬送の前に、前記搬送ローラを回転させる搬送モータの駆動が停止している状態で、前記ロール部と前記搬送ローラとの間のシートにバックテンションを与えるように前記給紙モータを制御することを特徴とする搬送制御方法。
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