JP2017132191A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の大型化を抑えつつ、印刷画質の低下を抑えることができる印刷装置を提供する。【解決手段】印刷装置3は、搬送されるウェブWに非接触で印刷する印刷部22と、ウェブWの搬送方向における印刷部22の下流側に配置され、ウェブWを巻き取り装置4へ搬送する搬送ローラ36と、印刷部22の上流側に配置され、搬送ローラ36との間のウェブWの張力を調整する張力付与ローラ26およびパウダーブレーキ27と、搬送ローラ36と張力付与ローラ26との間におけるウェブWの張力を検出する第1張力検出部28と、搬送ローラ36の下流側におけるウェブWの張力を検出する第2張力検出部38と、第1張力検出部28により検出される張力と第2張力検出部38により検出される張力との差が一定となるようパウダーブレーキ27を制御する張力制御部47とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ウェブに印刷する印刷装置に関する。
長尺状のウェブを印刷媒体として連続的に搬送しつつ、インクジェットヘッドからインクを吐出してウェブに印刷する印刷装置が知られている。
このような印刷装置のウェブの搬送方向における上流側には、印刷装置へウェブを巻出す巻き出し装置が接続される。また、印刷装置の下流側には、印刷されたウェブを巻取る巻き取り装置や、印刷されたウェブを断裁するスリッタが接続される。印刷装置に接続されるこのような外部装置は、ウェブの張力を変動させることがある。
例えば、印刷装置との間のウェブの搬送速度差によるウェブのたるみ量に応じて上下動するダンサーローラを有し、ダンサーローラの位置に基づき、ウェブの搬送速度(巻き取り速度)を制御する巻き取り装置が知られている。このような巻き取り装置において、ウェブの搬送速度制御に応じてダンサーローラが上下動する際に、慣性力によりウェブの張力が急激に変動することがある。
このようなウェブの張力変動が生じると、印刷装置に設けられた、巻き取り装置へウェブを搬送する搬送ローラを駆動させる駆動モータにかかる負荷トルクが変動する。これにより、搬送ローラによるウェブの搬送速度も変動してしまう。
ウェブの搬送速度が急激に変動すると、インクの吐出タイミング制御がウェブの速度変動に追従できず、インクの着弾ずれが生じることがある。インクの着弾ずれは、印刷画質の低下を招く。
このような不都合に対し、特許文献1には、巻き取り装置へ連続紙(ウェブ)を搬送する駆動ローラの下流側に、駆動ローラ、この駆動ローラを駆動させる駆動モータ、および張力検出部を追加した印刷装置が開示されている。この印刷装置では、追加の張力検出部で検出される連続紙の張力に基づき、追加の駆動ローラの回転速度を制御する。これにより、巻き取り装置からの外乱(連続紙の張力変動)を受けても、連続紙の速度変動を抑えることができる。
特開2013−71323号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、駆動ローラ、駆動モータ、および張力検出部を追加することで、装置の大型化を招く。
外部装置によるウェブの張力変動に起因するウェブの速度変動を抑える他の方法として、外部装置へウェブを搬送する搬送ローラの駆動モータとして大容量のモータを用いるという方法がある。これにより、ウェブの張力変動に応じた駆動モータの負荷トルクの変動を抑え、ウェブの速度変動を抑えることが可能である。
しかしながら、外部装置によるウェブの張力変動の大きさを正確に想定して適切なモータを選定することは困難である。ウェブの張力変動の大きさによっては、駆動モータの負荷トルクの変動が抑えられず、ウェブの速度変動が生じるおそれがある。その結果、インクの着弾ずれによる印刷画質の低下が生じるおそれがある。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、装置の大型化を抑えつつ、印刷画質の低下を抑えることができる印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷装置の第1の特徴は、搬送されるウェブに非接触で印刷する印刷部と、ウェブの搬送方向における前記印刷部の下流側に配置され、ウェブを外部装置へ搬送する搬送ローラと、前記印刷部の上流側に配置され、前記搬送ローラとの間のウェブの張力を調整する張力調整部と、前記搬送ローラと前記張力調整部との間におけるウェブの張力を検出する第1張力検出部と、前記搬送ローラの下流側におけるウェブの張力を検出する第2張力検出部と、前記第1張力検出部により検出される張力と前記第2張力検出部により検出される張力との差が一定となるよう前記張力調整部を制御する制御部とを備えることにある。
本発明に係る印刷装置の第2の特徴は、搬送されるウェブに非接触で印刷する印刷部と、前記印刷部で印刷されたウェブを巻き取る巻き取り部と、ウェブの搬送方向における前記印刷部の下流側に配置され、ウェブを前記巻き取り部へ搬送する搬送ローラと、前記印刷部の上流側に配置され、前記搬送ローラとの間のウェブの張力を調整する張力調整部と、前記搬送ローラと前記張力調整部との間におけるウェブの張力を検出する第1張力検出部と、前記搬送ローラと前記巻き取り部との間におけるウェブの張力を検出する第2張力検出部と、前記第1張力検出部により検出される張力と前記第2張力検出部により検出される張力との差が一定となるよう前記張力調整部を制御する制御部とを備えることにある。
本発明に係る印刷装置の第3の特徴は、前記制御部は、前記搬送ローラと前記張力調整部との間におけるウェブの張力の変動量に許容範囲を設定し、前記第1張力検出部により検出される張力の変動量が前記許容範囲を超えないよう前記張力調整部を制御することにある。
本発明に係る印刷装置の第4の特徴は、前記制御部は、ウェブの幅、厚さ、材質の少なくともいずれか1つに応じて、前記許容範囲を設定することにある。
本発明に係る印刷装置の第5の特徴は、搬送されるウェブに非接触で印刷する印刷部と、 ウェブの搬送方向における前記印刷部の下流側に配置され、ウェブを外部装置へ搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラを駆動させる駆動源と、前記印刷部の上流側に配置され、前記搬送ローラとの間のウェブの張力を調整する張力調整部と、前記駆動源に負荷トルクを付与する負荷トルク付与部と、前記搬送ローラと前記張力調整部との間におけるウェブの張力を検出する第1張力検出部と、前記搬送ローラの下流側におけるウェブの張力を検出する第2張力検出部と、前記第1張力検出部により検出される張力が一定となるよう前記張力調整部を制御するとともに、前記第2張力検出部により検出される張力に基づき、前記駆動源にかかる負荷トルクが一定となるよう前記負荷トルク付与部を制御する制御部とを備えることにある。
本発明に係る印刷装置の第6の特徴は、搬送されるウェブに非接触で印刷する印刷部と、前記印刷部で印刷されたウェブを巻き取る巻き取り部と、ウェブの搬送方向における前記印刷部の下流側に配置され、ウェブを前記巻き取り部へ搬送する搬送ローラと、前記駆動源に負荷トルクを付与する負荷トルク付与部と、前記搬送ローラと前記張力調整部との間におけるウェブの張力を検出する第1張力検出部と、前記搬送ローラと前記巻き取り部との間におけるウェブの張力を検出する第2張力検出部と、前記第1張力検出部により検出される張力が一定となるよう前記張力調整部を制御するとともに、前記第2張力検出部により検出される張力に基づき、前記駆動源にかかる負荷トルクが一定となるよう前記負荷トルク付与部を制御する制御部とを備えることにある。
本発明に係る印刷装置の第1の特徴によれば、制御部は、第1張力検出部により検出される張力と第2張力検出部により検出される張力との差が一定となるよう張力調整部を制御する。これにより、外部装置の影響により搬送ローラの下流側におけるウェブの張力変動が生じても、搬送ローラの駆動源にかかる負荷トルクの変動が抑えられる。このため、搬送ローラによるウェブの搬送速度の変動が抑えられるので、印刷部による印刷画質の低下を抑えることができる。また、既存の印刷装置の構造に対して第2張力検出部を追加するだけで実現できるため、装置の大型化が抑えられる。したがって、本発明に係る印刷装置の第1の特徴によれば、装置の大型化を抑えつつ、印刷画質の低下を抑えることができる。
本発明に係る印刷装置の第2の特徴によれば、制御部は、第1張力検出部により検出される張力と第2張力検出部により検出される張力との差が一定となるよう張力調整部を制御する。これにより、巻き取り部の影響により搬送ローラの下流側におけるウェブの張力変動が生じても、搬送ローラの駆動源にかかる負荷トルクの変動が抑えられる。このため、搬送ローラによるウェブの搬送速度の変動が抑えられるので、印刷部による印刷画質の低下を抑えることができる。また、既存の印刷装置の構造に対して第2張力検出部を追加するだけで実現できるため、装置の大型化が抑えられる。したがって、本発明に係る印刷装置の第2の特徴によれば、装置の大型化を抑えつつ、印刷画質の低下を抑えることができる。
本発明に係る印刷装置の第3の特徴によれば、制御部は、第1張力検出部により検出される張力の変動量が許容範囲を超えないよう張力調整部を制御する。これにより、張力の変動によるウェブの伸縮が抑制されるので、印刷画質の低下をより抑えることができる。
本発明に係る印刷装置の第4の特徴によれば、ウェブの幅、厚さ、材質の少なくともいずれか1つに応じて、搬送ローラと張力調整部との間におけるウェブの張力の変動量の許容範囲を設定するので、その許容範囲をウェブの種類に応じて適切に設定できる。
本発明に係る印刷装置の第5の特徴によれば、制御部は、第1張力検出部により検出される張力が一定となるよう張力調整部を制御するとともに、第2張力検出部により検出される張力に基づき、駆動源にかかる負荷トルクが一定となるよう負荷トルク付与部を制御する。これにより、外部装置の影響により搬送ローラの下流側におけるウェブの張力変動が生じても、駆動源にかかる負荷トルクの変動が抑えられる。このため、搬送ローラによるウェブの搬送速度の変動が抑えられるので、印刷部による印刷画質の低下を抑えることができる。また、既存の印刷装置の構造に対して第2張力検出部および負荷トルク付与部を追加するだけで実現できるため、装置の大型化が抑えられる。したがって、本発明に係る印刷装置の第5の特徴によれば、装置の大型化を抑えつつ、印刷画質の低下を抑えることができる。
本発明に係る印刷装置の第6の特徴によれば、制御部は、第1張力検出部により検出される張力が一定となるよう張力調整部を制御するとともに、第2張力検出部により検出される張力に基づき、駆動源にかかる負荷トルクが一定となるよう負荷トルク付与部を制御する。これにより、巻き取り部の影響により搬送ローラの下流側におけるウェブの張力変動が生じても、駆動源にかかる負荷トルクの変動が抑えられる。このため、搬送ローラによるウェブの搬送速度の変動が抑えられるので、印刷部による印刷画質の低下を抑えることができる。また、既存の印刷装置の構造に対して第2張力検出部および負荷トルク付与部を追加するだけで実現できるため、装置の大型化が抑えられる。したがって、本発明に係る印刷装置の第6の特徴によれば、装置の大型化を抑えつつ、印刷画質の低下を抑えることができる。
第1実施形態に係る印刷システムの概略構成図である。 図1に示す印刷システムにおける印刷装置の張力制御部のブロック図である。 巻き取り装置におけるダンサーローラの位置変動の一例を示す図である。 巻き取り装置におけるダンサーローラの加速度変動の一例を示す図である。 印刷装置の搬送ローラと巻き取り装置のバッファ部との間におけるウェブの張力の推移の一例を示す図である。 (a)は、印刷装置の搬送ローラと巻き取り装置のバッファ部との間におけるウェブの張力の推移の一例を示す図である。(b)は、第1実施形態における印刷装置の搬送ローラと張力付与ローラとの間におけるウェブの張力の推移の一例を示す図である。(c)は、(a)に示す張力と(b)に示す張力との差を示す図である。 (a)は、印刷装置の搬送ローラと巻き取り装置のバッファ部との間におけるウェブの張力の推移の一例を示す図である。(b)は、比較例における印刷装置の搬送ローラと張力付与ローラとの間におけるウェブの張力の推移の一例を示す図である。(c)は、(a)に示す張力と(b)に示す張力との差を示す図である。 ウェブのヤング率および寸法の一例を示す図である。 図8のウェブにおける張力変動量の許容範囲を示す図である。 (a)は、印刷装置の搬送ローラと巻き取り装置のバッファ部との間におけるウェブの張力の推移の一例を示す図である。(b)は、第2実施形態における印刷装置の搬送ローラと張力付与ローラとの間におけるウェブの張力の推移の一例を示す図である。(c)は、(a)に示す張力と(b)に示す張力との差を示す図である。 第3実施形態に係る印刷システムの概略構成図である。 図11に示す印刷システムにおける印刷装置の張力制御部のブロック図である。 (a)は、第3実施形態における印刷装置の搬送ローラと張力付与ローラとの間におけるウェブの張力の推移を示す図である。(b)は、印刷装置の搬送ローラと巻き取り装置のバッファ部との間におけるウェブの張力の推移の一例を示す図である。(c)は、第3実施形態においてパウダーブレーキにより搬送モータへ付与される負荷トルクの推移の一例を示す図である。 第3実施形態における搬送モータにかかる負荷トルクの推移を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る印刷装置を含む印刷システムの概略構成図である。図2は、図1に示す印刷システムにおける印刷装置の張力制御部のブロック図である。以下の説明において、図1の紙面に直交する方向を前後方向とする。また、図1における紙面の上下左右を上下左右方向とする。
図1に示すように、第1実施形態に係る印刷システム1は、巻き出し装置2と、印刷装置3と、巻き取り装置4とを備える。なお、巻き取り装置4は、請求項の外部装置に相当する。
巻き出し装置2は、フィルム、紙等からなる長尺状の印刷媒体であるウェブWを印刷装置3へ巻き出す。巻き出し装置2は、巻き出し部11と、巻き出し制御部12とを備える。
巻き出し部11は、ウェブロール16を支持するウェブロール支持軸17を図1における時計回りに回転させるとともに、一対のアウトフィードローラ18によりウェブWをニップしつつ右方向へ搬送することで、ウェブWを印刷装置3へ巻き出す。ウェブロール16は、ウェブWがロールされたものである。
巻き出し制御部12は、巻き出し部11を制御する。
印刷装置3は、ウェブWを搬送しつつ、ウェブWに画像を印刷する。印刷装置3は、巻き出し装置2に対してウェブWの搬送方向における下流側(右側)に隣接して配置されている。印刷装置3は、搬送部21と、印刷部22と、印刷制御部23とを備える。
搬送部21は、巻き出し装置2から巻き出されたウェブWを搬送する。搬送部21は、一対の張力付与ローラ26と、パウダーブレーキ27と、第1張力検出部28と、上流側ガイドローラ29〜31と、エンコーダ32と、9本のヘッド下支持部材33と、下流側ガイドローラ34,35と、一対の搬送ローラ36と、搬送モータ37と、第2張力検出部38とを備える。なお、張力付与ローラ26およびパウダーブレーキ27が、請求項の張力調整部に相当する。
一対の張力付与ローラ26は、搬送ローラ36との間のウェブWに張力を付与するとともに張力を調整するためのものである。一対の張力付与ローラ26は、印刷部22の上流側に配置されている。一対の張力付与ローラ26は、ウェブWをニップしつつ、一対の搬送ローラ36により搬送されるウェブWに従動回転する。一方の張力付与ローラ26にパウダーブレーキ27によりブレーキがかけられることで、搬送ローラ36と張力付与ローラ26との間のウェブWに張力が付与される。
パウダーブレーキ27は、一方の張力付与ローラ26にブレーキをかける。パウダーブレーキ27のブレーキ力に応じてウェブWの張力が調整される。
第1張力検出部28は、搬送ローラ36と張力付与ローラ26との間におけるウェブWの張力T1を検出する。第1張力検出部28は、張力付与ローラ26の下流側近傍に配置されている。
上流側ガイドローラ29〜31は、張力付与ローラ26とヘッド下支持部材33との間でウェブWをガイドする。
エンコーダ32は、上流側ガイドローラ30の所定の回転角度ごとにパルス信号を出力する。エンコーダ32の出力パルス信号は、後述する印刷部22のインクジェットヘッド42によるインク吐出タイミングの制御に用いられる。
ヘッド下支持部材33は、インクジェットヘッド42の下方においてウェブWを支持する。9本のヘッド下支持部材33は、上に凸のアーチを描くように配置されている。これにより、隣接するヘッド下支持部材33間でウェブWが張った状態となり、ウェブWが安定した姿勢に保たれる。
下流側ガイドローラ34,35は、ヘッド下支持部材33と搬送ローラ36との間でウェブWをガイドする。
一対の搬送ローラ36は、ウェブWをニップしつつ、巻き取り装置4へウェブWを搬送する。一対の搬送ローラ36は、印刷部22の下流側であって、ガイドローラ35の下流側に配置されている。
搬送モータ37は、搬送ローラ36を回転駆動させる。
第2張力検出部38は、搬送ローラ36の下流側におけるウェブWの張力T2を検出する。換言すれば、第2張力検出部38は、搬送ローラ36と巻き取り装置4との間におけるウェブWの張力T2を検出する。第2張力検出部38は、搬送ローラ36の下流側近傍に配置されている。
印刷部22は、搬送部21により搬送されるウェブWに非接触で画像を印刷する。印刷部22は、4つのヘッドユニット41を備える。
4つのヘッドユニット41は、それぞれ異なる色(例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)のインクを吐出する。4つのヘッドユニット41は、それぞれ複数のインクジェットヘッド42を有する。各ヘッドユニット41において、それぞれ前後方向に沿って配置された複数のインクジェットヘッド42からなる2列のヘッド列が形成されている。
インクジェットヘッド42は、複数のノズル(図示せず)を有し、ノズルからインクを吐出する。インクジェットヘッド42は、ウェブWの上方にウェブWから離間して配置されている。
印刷制御部23は、印刷装置3全体の動作を制御する。印刷制御部23は、搬送制御部46と、張力制御部47と、吐出制御部48とを備える。
搬送制御部46は、搬送モータ37を制御して搬送ローラ36を回転駆動させ、ウェブWを搬送させる。
張力制御部47は、パウダーブレーキ27を制御してウェブWの張力を調整する。具体的には、張力制御部47は、第1張力検出部28により検出される張力T1と第2張力検出部38により検出される張力T2との差である張力差Tdが一定となるようパウダーブレーキ27を制御する。図2に示すように、張力制御部47は、減算器51,52と、制御器53とを備える。
減算器51は、第1張力検出部28により検出された張力T1から第2張力検出部38により検出された張力T2を減算して、張力差Tdを算出する。
減算器52は、張力差Tdの目標値である張力差指令値Tdinから、減算器51で算出された張力差Tdを減算して、張力差誤差ΔTdを算出する。張力差指令値Tdinは、搬送制御部46から減算器52に入力される。
制御器53は、減算器52で算出された張力差誤差ΔTdが0となるようにパウダーブレーキ27のブレーキ力を制御する。
吐出制御部48は、インクジェットヘッド42によるインクの吐出を制御する。吐出制御部48は、印刷対象の画像データおよびエンコーダ32の出力パルス信号に基づき、各インクジェットヘッド42の各ノズルにおけるインクの吐出タイミングを制御して画像を印刷させる。
巻き取り装置4は、印刷装置3で印刷されたウェブWを巻き取る。巻き取り装置4は、印刷装置3の下流側に隣接して配置されている。巻き取り装置4は、バッファ部56と、巻き取り部57と、巻き取り制御部58とを備える。
バッファ部56は、印刷装置3と巻き取り部57との間におけるウェブWのたるみを吸収する。バッファ部56は、支持ローラ61,62と、ダンサーローラ63と、上限センサ64と、下限センサ65とを備える。
支持ローラ61,62は、ウェブWを支持する。支持ローラ61,62は、互いに左右方向に離間して、同じ高さに配置されている。
ダンサーローラ63は、それぞれ支持ローラ61,62間において、自重によりウェブWを押し下げ、ウェブWのたるみを吸収する。ダンサーローラ63は、ウェブWのたるみ量に応じて上下動する。
上限センサ64は、設定された上限位置におけるウェブWの有無を検出する。上限センサ64は、上限位置にウェブWがあるときにオンとなり、上限位置にウェブWがないときはオフとなる。換言すると、上限センサ64は、ダンサーローラ63により押し下げられたウェブWの下端が上限位置から下方にあるときにオンとなり、ウェブWの下端が上限位置より上方にあるときにオフとなる。
下限センサ65は、上限位置より下方に設定された下限位置におけるウェブWの有無を検出する。下限センサ65は、下限位置にウェブWがあるときにオンとなり、下限位置にウェブWがないときはオフとなる。換言すると、下限センサ65は、ダンサーローラ63により押し下げられたウェブWの下端が下限位置から下方にあるときにオンとなり、ウェブWの下端が下限位置より上方にあるときにオフとなる。
巻き取り部57は、一対のインフィードローラ66によりウェブWをニップしつつ右方向へ搬送するとともに、巻き取り軸67を図1における時計回りに回転させることで、巻き取り軸67にウェブWを巻き取って保持する。
巻き取り制御部58は、巻き取り部57を制御する。
次に、印刷システム1の動作について説明する。
印刷システム1で印刷を行う際、まず、巻き出し制御部12、印刷制御部23、および巻き取り制御部58は、ウェブWの搬送を開始させる。
具体的には、巻き出し制御部12は、ウェブロール支持軸17およびアウトフィードローラ18の回転駆動を開始させる。印刷制御部23の搬送制御部46は、搬送モータ37を起動させて搬送ローラ36の回転駆動を開始させる。それとともに、印刷制御部23の張力制御部47の制御器53は、パウダーブレーキ27を起動させる。制御器53は、搬送ローラ36と張力付与ローラ26との間のウェブWの張力T1が目標値となるようにパウダーブレーキ27のブレーキ力を設定する。巻き取り制御部58は、インフィードローラ66および巻き取り軸67の回転駆動を開始させる。
これにより、巻き出し装置2から巻き取り装置4へ向かってウェブWが搬送される。印刷装置3では、張力付与ローラ26にパウダーブレーキ27によりブレーキがかけられることで、ウェブWに張力が付与されつつ、搬送ローラ36によりウェブWが搬送される。
ウェブWの搬送開始後、印刷制御部23の吐出制御部48は、印刷対象の画像データおよびエンコーダ32の出力パルス信号に基づき、各インクジェットヘッド42の各ノズルにおけるインクの吐出タイミングを制御して画像を印刷させる。
ここで、ウェブWの搬送中において、巻き取り制御部58は、上限センサ64および下限センサ65によるウェブWの検出状態に基づき、インフィードローラ66の搬送速度制御を行う。このインフィードローラ66の搬送速度制御について説明する。
ウェブWの搬送中において、印刷装置3の搬送ローラ36と巻き取り装置4のインフィードローラ66との間の搬送速度差に応じて、バッファ部56におけるウェブWのたるみ量が変動すると、それに応じてダンサーローラ63が上下動する。
巻き取り装置4のバッファ部56においてダンサーローラ63に押し下げられたウェブWの下端が上限位置と下限位置との間にある状態では、上限センサ64がオン、下限センサ65がオフになっている。
搬送ローラ36による搬送速度よりインフィードローラ66による搬送速度が速いことによりウェブWのたるみ量が減少すると、ダンサーローラ63が上昇する。ダンサーローラ63の上昇により、上限センサ64がオフになると、巻き取り制御部58は、インフィードローラ66による搬送速度を減速させる。これにより搬送ローラ36による搬送速度よりインフィードローラ66による搬送速度が遅くなると、ウェブWのたるみ量が増加してダンサーローラ63が下降する。
一方、搬送ローラ36による搬送速度よりインフィードローラ66による搬送速度が遅いことによりウェブWのたるみ量が増加すると、ダンサーローラ63が下降する。ダンサーローラ63の下降により、下限センサ65がオンになると、巻き取り制御部58は、インフィードローラ66による搬送速度を加速させる。これにより、搬送ローラ36による搬送速度よりインフィードローラ66による搬送速度が速くなると、ウェブWのたるみ量が減少してダンサーローラ63が上昇する。
このように、巻き取り制御部58が、上限センサ64および下限センサ65によるウェブWの検出状態に応じてインフィードローラ66の搬送速度を制御することで、印刷装置3の搬送ローラ36との搬送速度差を抑えることができる。これにより、ウェブWのたるみ量が過大になったり、ウェブWに過大な張力が作用してウェブWが損傷したりすることが防止できる。
このインフィードローラ66の搬送速度制御により、例えば図3に示すように、ダンサーローラ63が上下動する。この際、ダンサーローラ63の加速度は、例えば図4に示すように変動する。
そして、このようなダンサーローラ63の加減速により、印刷装置3の搬送ローラ36と巻き取り装置4のバッファ部56との間におけるウェブWの張力T2が、例えば図5に示すように変動する。
このような印刷装置3の搬送ローラ36の下流側におけるウェブWの張力T2の変動は、搬送モータ37にかかる負荷トルクを変動させる要因となる。これに対し、印刷装置3では、張力T2の変動による搬送モータ37にかかる負荷トルクの変動を抑えるようパウダーブレーキ27を制御する。
このパウダーブレーキ27の制御について説明する。
印刷制御部23の張力制御部47は、所定時間ごとのサンプリングタイミングにおいて、第1張力検出部28、第2張力検出部38からそれぞれ張力T1、張力T2の検出値を取得する。
各サンプリングタイミングにおいて、張力制御部47の減算器51は、張力T1から張力T2を減算して、張力差Tdを算出する。減算器52は、張力差指令値Tdinから、減算器51で算出された張力差Tdを減算して、張力差誤差ΔTdを算出する。制御器53は、減算器52で算出された張力差誤差ΔTdが0となるようにパウダーブレーキ27のブレーキ力を制御する。
このようなパウダーブレーキ27の制御により、張力差Tdが一定となるように張力T1が調整される。
例えば、図6(a)のように張力T2が変動する場合、図6(b)のように張力T1が変動するようにパウダーブレーキ27のブレーキ力が制御される。これにより、図6(c)に示すように、張力差Tdが一定となる。
ここで、本実施形態とは異なり、図6(a)と同様の図7(a)のような張力T2の変動に対し、図7(b)のように張力T1が一定となるようにパウダーブレーキ27のブレーキ力を制御した場合、図7(c)のように張力差Tdが変動する。
この場合、印刷装置3内における張力T1は安定するが、張力差Tdの変動により、搬送モータ37にかかる負荷トルクが変動する。これにより、搬送ローラ36によるウェブWの搬送速度も変動する。
このようなウェブWの速度変動が生じると、エンコーダ32が取り付けられた上流側ガイドローラ30がウェブWの速度変動に追従できず、エンコーダ32の出力パルス信号に基づくインク吐出タイミングにずれが生じ、インクの着弾ずれが生じるおそれがある。
これに対し、本実施形態の印刷装置3では、上述のように張力差Tdが一定となるので、搬送モータ37にかかる負荷トルクの変動が抑えられる。このため、搬送ローラ36によるウェブWの搬送速度が安定する。これにより、インクの着弾ずれが抑えられる。
画像の印刷が終了すると、巻き出し制御部12、印刷制御部23、および巻き取り制御部58は、ウェブWの搬送を終了させる。具体的には、巻き出し制御部12は、ウェブロール支持軸17およびアウトフィードローラ18の回転駆動を停止させる。印刷制御部23の搬送制御部46は、搬送モータ37を停止させて搬送ローラ36の回転駆動を停止させる。また、印刷制御部23の張力制御部47の制御器53は、パウダーブレーキ27を停止させる。巻き取り制御部58は、インフィードローラ66および巻き取り軸67の回転駆動を停止させる。これにより、一連の動作が終了となる。
以上説明したように、印刷装置3では、張力制御部47が、張力差Tdが一定となるようにパウダーブレーキ27を制御する。これにより、巻き取り装置4の影響による張力T2の変動が生じても、搬送モータ37にかかる負荷トルクの変動が抑えられる。このため、搬送ローラ36によるウェブWの搬送速度の変動が抑えられるので、インクの着弾ずれが抑えられる。この結果、印刷画質の低下を抑えることができる。
また、印刷装置3は、既存の印刷装置の構造に対して第2張力検出部38を追加するだけで実現できるため、装置の大型化が抑えられる。
したがって、第1実施形態の印刷装置3によれば、装置の大型化を抑えつつ、印刷画質の低下を抑えることができる。
(第2実施形態)
次に、上述した第1実施形態の印刷装置3におけるパウダーブレーキ27の制御を変更した第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、張力制御部47は、搬送ローラ36と張力付与ローラ26との間におけるウェブWの張力T1の変動量に許容範囲を設定する。そして、張力制御部47は、第1張力検出部28により検出される張力T1の変動量が許容範囲を超えないようパウダーブレーキ27を制御する。
張力T1の変動量の許容範囲は、張力T1の変動時のウェブWの伸縮によるインクの着弾ずれ量が許容範囲内に収まるように設定される。
ここで、ウェブWの張力変動量をδT、ウェブWの幅をw、ウェブWの厚さをtとすると、ウェブWの応力変動量δσが、下記の式(1)で表される。
δσ=δT/(w×t) …(1)
また、ウェブWの応力変動量δσおよびウェブWのヤング率Eから、ウェブWの歪み変動量δεが、下記の式(2)により算出される。ヤング率Eは、ウェブWの材質によって決まるものである。
δε=δσ/E …(2)
そして、歪み変動量δεおよびウェブWの長さLから、ウェブWの伸び量δLが、下記の式(3)により算出される。
δL=L×δε …(3)
式(1)〜式(3)から、下記の式(4)、式(5)が得られる。
δL=L×δT/(w×t×E) …(4)
δT=(δL/L)×w×t×E …(5)
インクの着弾ずれ量を許容範囲内に収めるためには、ウェブWの伸び量δLを許容範囲内に収める必要がある。そのためには、式(4)から、ウェブWの張力変動量δTを許容範囲内に収める必要がある。換言すれば、インクの着弾ずれ量を許容範囲内に収めるためのウェブWの伸び量δLの許容範囲を設定すれば、式(5)から、それに応じたウェブWの張力変動量δTの許容範囲を設定できる。
印刷装置3では、最上流のヘッドユニット41の上流側のヘッド列と最下流のヘッドユニット41の下流側のヘッド列との間でのウェブWの伸び量δLが許容範囲内となるように、張力変動量δTの許容範囲(張力T1の変動量の許容範囲)を設定する。この場合、式(3)〜式(5)におけるウェブWの長さLには、最上流のヘッドユニット41の上流側のヘッド列と最下流のヘッドユニット41の下流側のヘッド列との間の搬送経路上のウェブWの長さが該当する。
具体例として、印刷装置3において、フィルムからなるウェブWおよび紙からなるウェブWが用いられるとする。そして、このフィルムからなるウェブWおよび紙からなるウェブWは、それぞれ図8に示すようなヤング率E、幅w、厚さtを有するとする。ウェブWの長さLは、上述のように、最上流のヘッドユニット41の上流側のヘッド列と最下流のヘッドユニット41の下流側のヘッド列との間の搬送経路上のウェブWの長さとする。
また、印刷装置3におけるインクの着弾ずれ量の許容範囲は、±1.0×10−5[m]であるとする。ウェブWの伸び量δLの許容範囲も±1.0×10−5[m]となる。
この例の場合、式(5)から、張力変動量δTの許容範囲(張力T1の変動量の許容範囲)は、図9のように算出される。
このように、張力T1の変動量の許容範囲は、ウェブWの幅、厚さ、および材質(ヤング率)に応じて設定される。
第2実施形態においても、印刷を行う際、第1実施形態と同様に、張力制御部47は、ウェブWの搬送中において、張力差Tdが一定となるようにパウダーブレーキ27を制御する。ただし、張力制御部47は、第1張力検出部28により検出される張力T1の変動量が許容範囲を超えないようパウダーブレーキ27を制御する。
具体的には、張力制御部47の制御器53は、張力差Tdを一定にしようとすると張力T1が変動量の許容範囲の上限を超えてしまう場合は、張力T1を変動量の許容範囲の上限に留めるようパウダーブレーキ27を制御する。また、張力制御部47の制御器53は、張力差Tdを一定にしようとすると張力T1が変動量の許容範囲の下限より下がってしまう場合は、張力T1を変動量の許容範囲の下限に留めるようパウダーブレーキ27を制御する。
例えば、図6(a)と同様の図10(a)のように張力T2が変動する場合において、図10(b)のように張力T1が変動するようにパウダーブレーキ27のブレーキ力が制御される。
なお、この場合、張力差Tdは、図10(c)のように変動するが、上述した第1実施形態において図7に示した比較例よりも、張力差Tdの変動は低減する。このため、図7の比較例よりも、搬送モータ37にかかる負荷トルクの変動が低減し、搬送ローラ36によるウェブWの搬送速度の変動が低減する。このため、ウェブWの搬送速度の変動によるインクの着弾ずれが抑えられる。
以上説明したように、第2実施形態では、張力制御部47は、張力T1の変動量に許容範囲を設定する。そして、張力制御部47は、第1張力検出部28により検出される張力T1の変動量が許容範囲を超えないようパウダーブレーキ27を制御する。これにより、張力T1の変動によるウェブWの伸縮が抑制されるので、ウェブWの伸縮によるインクの着弾ずれを軽減できる。この結果、印刷画質の低下をより抑えることができる。
また、張力制御部47は、ウェブWの幅、厚さ、および材質に応じて、張力T1の変動量の許容範囲を設定するので、張力T1の変動量の許容範囲を、ウェブWの種類に応じて適切に設定できる。
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態に係る印刷装置を含む印刷システムの概略構成図である。図12は、図11に示す印刷システムにおける印刷装置の張力制御部のブロック図である。
図11に示すように、第3実施形態に係る印刷システム1Aは、上述した第1実施形態の印刷システム1の印刷装置3を、印刷装置3Aに置き換えた構成である。
印刷装置3Aは、上述した第1実施形態の印刷装置3の搬送部21を搬送部21Aに置き換え、印刷制御部23を印刷制御部23Aに置き換えた構成である。
搬送部21Aは、上述した第1実施形態における搬送部21に対し、パウダーブレーキ71(請求項の負荷トルク付与部に相当)を追加した構成である。
パウダーブレーキ71は、搬送モータ37(請求項の駆動源に相当)に負荷トルクを付与する。パウダーブレーキ71は、搬送ローラ36の回転軸と同軸上に配置されている。パウダーブレーキ71は、一方の搬送ローラ36の回転軸の前側および後側のうちの一方に設置されている搬送モータ37とは反対側である、当該搬送ローラ36の回転軸の前側および後側のうちの他方に設置されている。これにより、パウダーブレーキ71のブレーキ力に応じた負荷トルクが搬送モータ37に付与される。
張力制御部47Aは、第1張力検出部28により検出される張力T1が一定となるようパウダーブレーキ27を制御する。また、張力制御部47Aは、第2張力検出部38により検出される張力T2に基づき、搬送モータ37にかかる負荷トルクが一定となるようパウダーブレーキ71を制御する。図12に示すように、張力制御部47Aは、減算器81と、第1制御器82と、負荷トルク換算器83と、加算器84と、第2制御器85とを備える。
減算器81は、張力T1の目標値である張力指令値Tinから、第1張力検出部28により検出された張力T1を減算して、張力誤差ΔTを算出する。張力指令値Tinは、搬送制御部46から減算器81に入力される。
第1制御器82は、減算器81で算出された張力誤差ΔTが0となるようにパウダーブレーキ27のブレーキ力を制御する。
負荷トルク換算器83は、第2張力検出部38により検出された張力T2を、搬送モータ37に付与する負荷トルクTrへ換算する。張力T2から負荷トルクTrへの換算は、下記の式(6)により行われる。
Tr=T2×r/a …(6)
ここで、rは、搬送ローラ36の半径である。aは、パウダーブレーキ71と搬送ローラ36との間の減速比である。
加算器84は、搬送モータ37にかかる負荷トルクの目標値である負荷トルク指令値Trinに、負荷トルク換算器83で張力T2から換算された負荷トルクTrを加算する。
第2制御器85は、搬送モータ37にかかる負荷トルクが、加算器84によって算出されたTrin+Trとなるようパウダーブレーキ71のブレーキ力を制御する。
次に、印刷システム1AにおけるウェブWの搬送中におけるパウダーブレーキ27,71の制御について説明する。
巻き出し装置2のウェブロール支持軸17およびアウトフィードローラ18の回転駆動、印刷装置3の搬送ローラ36の回転駆動、巻き取り装置4のインフィードローラ66および巻き取り軸67の回転駆動が開始されることにより、ウェブWの搬送が開始される。
ウェブWの搬送開始後、印刷制御部23Aの張力制御部47Aは、所定時間ごとのサンプリングタイミングにおいて、第1張力検出部28、第2張力検出部38からそれぞれ張力T1、張力T2の検出値を取得する。
各サンプリングタイミングにおいて、張力制御部47Aの減算器81は、張力指令値Tinから張力T1を減算して、張力誤差ΔTを算出する。第1制御器82は、減算器81で算出された張力誤差ΔTが0となるようにパウダーブレーキ27のブレーキ力を制御する。
このようなパウダーブレーキ27の制御により、図13(a)に示すように、張力T1が一定に維持される。張力T1が一定に維持されるので、張力T1は搬送モータ37にかかる負荷トルクを変動させない。
また、負荷トルク換算器83は、張力T2を負荷トルクTrへ換算する。加算器84は、負荷トルク指令値Trinに、負荷トルク換算器83で算出された負荷トルクTrを加算する。第2制御器85は、搬送モータ37にかかる負荷トルクが、加算器84によって算出されたTrin+Trとなるようパウダーブレーキ71のブレーキ力を制御する。
このようなパウダーブレーキ71の制御により、例えば図13(b)のように張力T2が変動する場合、図13(c)のような負荷トルクがパウダーブレーキ71により搬送モータ37に付与される。すなわち、搬送モータ37に張力T2と同位相で変動する負荷トルクが付与される。
これにより、張力T2が増大してウェブWが下流側へ引っ張られる力が大きくなることで、張力T2による搬送モータ37の負荷が軽くなる場合、パウダーブレーキ71により搬送モータ37に付与される負荷が増大する。また、張力T2が減少してウェブWが下流側へ引っ張られる力が小さくなることで、張力T2による搬送モータ37の負荷が重くなる場合、パウダーブレーキ71により搬送モータ37に付与される負荷が減少する。
このようにして、図14に示すように、搬送モータ37にかかる負荷トルクが一定になるように制御される。搬送モータ37にかかる負荷トルクが一定になると、搬送ローラ36によるウェブWの搬送速度が一定となる。
以上説明したように、第3実施形態では、張力制御部47Aは、第1張力検出部28により検出される張力T1が一定となるようパウダーブレーキ27を制御する。また、張力制御部47Aは、第2張力検出部38により検出される張力T2に基づき、搬送モータ37にかかる負荷トルクが一定となるようパウダーブレーキ71を制御する。これにより、巻き取り装置4の影響による張力T2の変動が生じても、搬送モータ37にかかる負荷トルクの変動が抑えられる。このため、搬送ローラ36によるウェブWの搬送速度の変動が抑えられるので、インクの着弾ずれが抑えられる。この結果、印刷画質の低下を抑えることができる。
また、印刷装置3Aは、既存の印刷装置の構造に対して第2張力検出部38およびパウダーブレーキ71を追加するだけで実現できるため、装置の大型化が抑えられる。
したがって、第3実施形態の印刷装置3Aによれば、装置の大型化を抑えつつ、印刷画質の低下を抑えることができる。
(その他の実施形態)
上述のように、本発明は第1〜第3実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
上述した第1〜第3実施形態では、印刷装置3の印刷部22は、インクジェット方式であるが、印刷方式はこれに限らない。印刷部は、搬送されるウェブに非接触で印刷するものであればよい。例えば、印刷部は、電子写真、レーザ光による印刷を行うものでもよい。
上述した第1〜第3実施形態では、張力T2を変動させる外部装置が巻き取り装置4である構成を示したが、外部装置はこれに限らない。例えば、外部装置として、ウェブWを断裁するスリッタ(断裁装置)が印刷装置3に接続されている構成でもよい。
上述した第1〜第3実施形態では、印刷装置2の外部に巻き取り装置4が接続された構成を示したが、印刷装置2が、巻き取り装置4と同等の構成を有する巻き取り部を備えた構成でもよい。
上述した第2実施形態では、張力T1の変動量の許容範囲の設定に、ウェブWの幅、厚さ、および材質の3つの要素を用いたが、これらのうちのいずれか1つまたは2つを省略してもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1,1A 印刷システム
2 巻き出し装置
3,3A 印刷装置
4 巻き取り装置
21,21A 搬送部
22 印刷部
23,23A 印刷制御部
26 張力付与ローラ
27,71 パウダーブレーキ
28 第1張力検出部
29〜31 上流側ガイドローラ
32 エンコーダ
33 ヘッド下支持部材
34,35 下流側ガイドローラ
36 搬送ローラ
37 搬送モータ
38 第2張力検出部
46 搬送制御部
47,47A 張力制御部
48 吐出制御部
51,52,81 減算器
53 制御器
82 第1制御器
83 負荷トルク換算器
84 加算器
85 第2制御器

Claims (6)

  1. 搬送されるウェブに非接触で印刷する印刷部と、
    ウェブの搬送方向における前記印刷部の下流側に配置され、ウェブを外部装置へ搬送する搬送ローラと、
    前記印刷部の上流側に配置され、前記搬送ローラとの間のウェブの張力を調整する張力調整部と、
    前記搬送ローラと前記張力調整部との間におけるウェブの張力を検出する第1張力検出部と、
    前記搬送ローラの下流側におけるウェブの張力を検出する第2張力検出部と、
    前記第1張力検出部により検出される張力と前記第2張力検出部により検出される張力との差が一定となるよう前記張力調整部を制御する制御部と
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 搬送されるウェブに非接触で印刷する印刷部と、
    前記印刷部で印刷されたウェブを巻き取る巻き取り部と、
    ウェブの搬送方向における前記印刷部の下流側に配置され、ウェブを前記巻き取り部へ搬送する搬送ローラと、
    前記印刷部の上流側に配置され、前記搬送ローラとの間のウェブの張力を調整する張力調整部と、
    前記搬送ローラと前記張力調整部との間におけるウェブの張力を検出する第1張力検出部と、
    前記搬送ローラと前記巻き取り部との間におけるウェブの張力を検出する第2張力検出部と、
    前記第1張力検出部により検出される張力と前記第2張力検出部により検出される張力との差が一定となるよう前記張力調整部を制御する制御部と
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  3. 前記制御部は、前記搬送ローラと前記張力調整部との間におけるウェブの張力の変動量に許容範囲を設定し、前記第1張力検出部により検出される張力の変動量が前記許容範囲を超えないよう前記張力調整部を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
  4. 前記制御部は、ウェブの幅、厚さ、材質の少なくともいずれか1つに応じて、前記許容範囲を設定することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
  5. 搬送されるウェブに非接触で印刷する印刷部と、
    ウェブの搬送方向における前記印刷部の下流側に配置され、ウェブを外部装置へ搬送する搬送ローラと、
    前記搬送ローラを駆動させる駆動源と、
    前記印刷部の上流側に配置され、前記搬送ローラとの間のウェブの張力を調整する張力調整部と、
    前記駆動源に負荷トルクを付与する負荷トルク付与部と、
    前記搬送ローラと前記張力調整部との間におけるウェブの張力を検出する第1張力検出部と、
    前記搬送ローラの下流側におけるウェブの張力を検出する第2張力検出部と、
    前記第1張力検出部により検出される張力が一定となるよう前記張力調整部を制御するとともに、前記第2張力検出部により検出される張力に基づき、前記駆動源にかかる負荷トルクが一定となるよう前記負荷トルク付与部を制御する制御部と
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  6. 搬送されるウェブに非接触で印刷する印刷部と、
    前記印刷部で印刷されたウェブを巻き取る巻き取り部と、
    ウェブの搬送方向における前記印刷部の下流側に配置され、ウェブを前記巻き取り部へ搬送する搬送ローラと、
    前記駆動源に負荷トルクを付与する負荷トルク付与部と、
    前記搬送ローラと前記張力調整部との間におけるウェブの張力を検出する第1張力検出部と、
    前記搬送ローラと前記巻き取り部との間におけるウェブの張力を検出する第2張力検出部と、
    前記第1張力検出部により検出される張力が一定となるよう前記張力調整部を制御するとともに、前記第2張力検出部により検出される張力に基づき、前記駆動源にかかる負荷トルクが一定となるよう前記負荷トルク付与部を制御する制御部と
    を備えることを特徴とする印刷装置。
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