JP5915585B2 - 搬送装置 - Google Patents
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Description
また従来、モーターにより回転駆動される無端ロープ状の被駆動体を備え、該被駆動体によって移動体を支持させるとともに、該移動体にワーク等を保持させる構成とした搬送装置が知られており、例えば、以下に示す特許文献1にその技術が開示され公知となっている。
そして、このような構成により、低推力のモーターを用いた低コストの搬送装置を実現している。
これは、ワークをロープ状の被駆動体(以下、ロープ部材と呼ぶ)から吊下げて搬送する態様の搬送装置では、ロープ部材にワークを引掛けるための部材(以下、フック部材と呼ぶ)を設ける必要があり、そのフック部材がプーリーを通過するときに、ロープ部材がプーリーから外れやすくなってしまうからであった。
これは、プーリーにロープ部材を巻き回す構成の搬送装置において、搬送方向の反転を行う部位(曲折部と呼ぶ)を設けると、その曲折部にはプーリーを設ける必要が生じるため、そのプーリーを通過したフック部材を起点としてロープ部材がより外れやすくなってしまうからであった。
まず始めに、本発明の第一の実施形態に係る搬送装置の全体構成について、図1〜図6を用いて説明をする。
図1(a)(b)に示す如く、本発明の第一の実施形態に係る搬送装置1は、複数(本実施形態では二つ)のプーリー2・2と、該プーリー2・2に巻き回される被駆動体たる無端のロープ部材3を備えており、ロープ部材3がプーリー2・2によりガイドされつつ回動する軌跡を搬送経路として設定し、該搬送経路に沿ってワークを搬送する装置である。
本実施形態に示す搬送装置1は、一対(二個)のプーリー2・2を備えているが、本発明に係る搬送装置では、二個以上のプーリー2・2・・・を備えておればよく、設定する搬送経路に応じて、プーリーの個数は適宜選択することができる。
また、モーター4により回転駆動されるプーリー2以外のプーリー2は、ロープ部材3を介して回転力が伝達され従動(回転)する構成としている。
即ち、本実施形態では、図1(a)(b)中で左方に示されているプーリー2が回転駆動されており、また、右方に示されているプーリー2が従動される構成としている。
尚、ロープ部材3を構成するロープとしては、木綿等の天然繊維によるものや、ナイロン等の化学繊維によるもの等、種々の材質のものを用いることができる。
そして、本発明の一実施形態に係る搬送装置1においては、ロープ部材3に対してパレット5を吊設するための部材としてフック部材6を用いる構成としている。
そして、本実施形態に示すフック部材6は、シート状の部材を逆U字状に折り返して構成されるものであり、逆U字状に折り返したフック部材6の下端部を、パレット5(より詳しくは、接合部5b)とともにボルト・ナットで接合して、パレット5の上部において、ロープ部材3を挿通するための保持部7を形成する構成としている。
尚、ここで言う「可撓性を有する」とは、フック部材6がロープ部材3によって引き回されてプーリー2を通過するときに、フック部材6の形状がプーリー2の形状に沿うように変形することが可能である程の可撓性を有することを意味している。
尚、本実施形態では、パレット5に対してフック部材6をボルト・ナットを用いて接合する態様を例示しているが、パレット5に対するフック部材6の取り付けには、例えば、ワンタッチで着脱可能なボタンやホック等を用いてもよく、この場合、ロープ部材3に対するパレット5およびフック部材6の着脱をより容易に行うことができる。
また、ここでいう「逆U字状」という概念は、折り返したシート状部材のカーブ部分を上側に配置して、かつ、カーブ部分から連続して2方向に存在する各端部を下側に配置する態様を広く含む概念であり、例えば、図4下方に示す、カーブ部分の下方で絞られて細くなっている(逆U字とはやや異なる形態となっている)態様をも含む概念である。
搬送装置1におけるフック部材6を構成する基材6aは、布によって構成され、プーリー2の形状に沿う十分な可撓性を備えるとともに、パレット5およびワーク10の荷重に耐えうる強度を備えている。
具体的には、搬送装置1における基材6aは、耐摩耗性に優れる素材であるアラミド繊維からなる布地を用いており、フック部材6がプーリー2に接触しても、フック部材6に切り傷等が生じにくくして、耐久性を確保する構成としている。
図6に示す如く、フック部材6は、例えば、人が押す程度の応力を搬送経路方向へ付与することで、ロープ部材3との間で滑らせることができるように構成されている。
あるいは、フック部材6は、パレット5がロープ部材3とともに変位している状態で、人がパレット5を手で押さえることによって、ロープ部材3に対してフック部材6およびパレット5を空転させることができるように構成されている。
また、フック部材6の形態はシート状に限定されるものではなく、フック部材6がロープ部材3によって引き回されてプーリー2を通過するときに、フック部材6の形状がプーリー2の形状に沿うように変形することができる態様であればよい。
本体部5aには、軸部によって回転可能に支持される支持ローラー8が備えられている。
尚、フック部材6におけるボルトおよびナットの締結位置を変更したり、あるいは、ワッシャの大きさや形状等を変更したりすることによって、保持部7におけるロープ部材3とフック部材6との間の摩擦係数を調節することが可能である。
尚、本実施形態では、パレット5において、ワーク10を掛止して(引掛けて)保持する態様としているが、パレット5におけるワーク10の保持態様はこれに限定されず、載置する態様や、嵌め込んで保持する態様等、種々の態様を採用し得る。
支持レール9は、搬送装置1の基台から立設されるフレームに対して固定され、鉛直方向に作用する荷重を支持することができるように構成されている。
そして、ロープ部材3の回動に伴いパレット5が変位するとき、パレット5に備えられる支持ローラー8が、支持レール9上を転動するように構成している。
これにより、パレット5にワーク10を保持させた場合でも、その重量でロープ部材3が下方に向けて垂れてしまうことが防止でき、ロープ部材3が各プーリー2・2・・・から脱落するのをより確実に防止する構成としている。
図9に示す如く、本発明の第二の実施形態に係る搬送装置11は、複数(本実施形態では五つ)のプーリー2・2・・・と、該プーリー2・2・・・に巻き回される被駆動体たる無端のロープ部材3を備えており、ロープ部材3がプーリー2・2・・・によりガイドされつつ回動する軌跡を搬送経路として設定し、該搬送経路に沿ってワークを搬送する装置である。
ここでいう、「曲折方向が反転する」とは、例えば、一様に右曲りに曲折していた搬送経路が、途中で左曲りに曲折するように設定されているような部位であり、左曲りから右回りに反転するパターンと、右回りから左回りに反転するパターンが存在している。
このため、曲折部15が設定された搬送装置11で用いられるフック部材6は、ロープ部材3の回動方向における左右両側の側面がプーリー2に接触することとなる。
このため、曲折部15を設けて、フック部材6の左右いずれの側面がプーリー2に接触することとなっても、容易にプーリー2の溝部2aの形状に馴染むため、フック部材6がプーリー2(溝部2a)から浮き上がるようなことがない。
このような構成により、フック部材6がプーリー2を通過するときに、プーリー2からロープ部材3が外れることを防止できる。
そして、曲折部15を設けることで、従来よりも搬送経路を長くすることが可能になり、搬送装置11におけるワーク10のストック数を増大させることが可能になる。
2 プーリー
3 ロープ部材
5 パレット(ワーク保持部材)
6 フック部材
6a 基材
6b PET層
7 保持部
10 ワーク
11 搬送装置(第二の実施形態)
15 曲折部
Claims (6)
- ワークを予め設定した搬送経路に沿って搬送するための搬送装置であって、
前記搬送経路に沿って配置される複数のプーリーと、
前記搬送経路に沿って前記複数のプーリーに巻回される無端のロープ状部材であるロープ部材と、
前記ワークを保持するための部材であるワーク保持部材と、
前記ワーク保持部材を前記ロープ部材に対して吊設するための部材であるフック部材と、
を備え、
前記フック部材は可撓性を有するとともに、前記ロープ部材を挿通するための孔部を備え、前記ロープ部材を前記孔部に挿通させることで前記フック部材を前記ロープ部材に保持させる保持部が形成され、
前記フック部材に前記ワーク保持部材が接合されるとともに、前記保持部の前記孔部に前記ロープ部材が挿通され、前記ロープ部材に対して前記ワーク保持部材が吊設される、
ことを特徴とする搬送装置。 - 前記フック部材は、
シート状の基材を逆U字状に折り返して構成されるとともに、
逆U字状の前記基材における両側の下端部を前記ワーク保持部材と接合して、逆U字状の前記基材の内側における前記ワーク保持部材の上部に、前記保持部が形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。 - シート状の前記基材は、
布により構成される、
ことを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。 - 前記布は、
アラミド繊維をシート状に形成して構成される、
ことを特徴とする請求項3に記載の搬送装置。 - 前記フック部材は、
逆U字状の前記基材の内側に、PETからなる層であるPET層を備える、
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の搬送装置。 - 前記搬送経路において、
曲折方向が反転される部位である曲折部を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の搬送装置。
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