JP5608290B2 - 湾曲したベルトコンベア - Google Patents

Description

本発明は湾曲したベルトコンベアに関する。

湾曲したベルトコンベアにおいて、通常、湾曲形状に合わせたコンベアベルトまたは連続ベルトはこの連続ベルトを戻りローラの周りに案内することによって円周方向または連続的に駆動され、戻りローラの回転軸は互いに対して傾斜配置される。ここで、少なくとも一つの戻りローラが駆動され、これによって、この連続ベルトの耐荷重上部ストランドが搬送方向に進むが、下部ストランドは下側で反対方向に進む。よって、連続ベルトに置かれる搬送物はカーブを回って搬送することができる。殆どの場合、９０°または１８０°のカーブ角は、駆動される連続ベルトのいくつかのカーブセグメントによって実現される。

戻りローラの回転軸が互いに対して傾斜配置されることによって、駆動により連続ベルトへ作用する力は搬送方向に交差する成分を含む。搬送方向に交差するこれらの力は戻りローラ上にある連続ベルトをカーブ内側に向けて引き寄せる。

連続ベルトがカーブ内側に向かってスリップするのを防止するために、連続ベルトのカーブ外縁は、国際特許ＷＯ２００９／１４１１５７Ａに開示されているように、ローラに対向する側にＶ字形ベルトを円周方向にまたは連続して備えることができる。湾曲したベルトコンベアのカーブ外枠に沿って配置された引っ張りローラは、Ｖ字形ベルトの傾斜側面と係合し、連続ベルトに支持力を加えて連続ベルトを正位置に保つようにする。Ｖ字形ベルトが引っ張りローラから離脱するのを防止するために、引っ張りローラに対して、上方から、即ち、戻りローラに離間しつつこれに対向する側面から、Ｖ字形ベルトの領域内の連続ベルトを押し下げるための更なる押圧ローラや抑圧装置を設ける必要がある。これらの押圧ローラは、湾曲したベルトコンベアのカーブ外枠から突き出てしまい、連続ベルトの使用可能な搬送面積を減らす。

欧州特許ＥＰ１５２９００８Ｂ１に開示されているように、湾曲したベルトコンベアのカーブ外枠で引っ張り装置が受ける妨害は、戻りローラの領域を頂部に配設することによって、または、連続ベルトに必要な支持力を加えるために下部ストランド内の互いに隣り合って配設されているベルトローラ間に更なるガイドローラを配置することによって、回避することができる。よって、連続ベルトの全体表面が使用可能となる。しかしながら、このような構成では、印加される支持力により連続ベルトに対して成されるカーブ角は小さいものにすぎない。

よって、本発明の目的は、連続ベルトに対して大きいカーブ角を成すことで連続ベルトの全体的なベアリング領域を用いることを可能にする湾曲したベルトコンベアを提供することにある。

本発明の課題は独立クレームに記載の湾曲したベルトコンベアによって解決される。好ましい実施形態は従属クレームに定義されている。

課題を解決するための一態様は、カーブに沿って延び二つの戻りローラを介して案内される少なくとも一本の連続ベルトを含む湾曲したベルトコンベアであって、カーブの外側において、連続ベルトは、連続ベルトのベルト縁に沿って連続的に延在する張り出し部を有し、カーブの外側方向において連続ベルトを支持するための支持手段が連続ベルト内部のみに配置され、この支持手段は戻りローラのカーブ外側端面の領域内で張り出し部に相互作用的に接触する、湾曲したベルトコンベアに関する。

カーブに沿って延びる連続ベルトとは連続ベルトが湾曲したベルトコンベアのカーブ形状に一致し連続ベルトの表面やベアリング領域がカーブを回って搬送物を搬送することが可能であるようにカーブの周りに延在することを意味する。カーブは水平面内に存在していてよい。このカーブは円形セグメントであるだけでなく任意の自在カーブであってもよい。カーブが円形セグメントである場合、連続ベルトは、架け渡された位置において、内径と外径を有する円形セグメントの形状を有することもでき、外径と内径の差は搬送方向に交差する連続ベルトの幅を表す。言い換えれば、連続ベルトの表面は円錐軸に垂直な二つの平行な平面間の円錐面であってもよい。連続ベルトは横剛性ベルトであってよく、その両端は連結、縫合、または接着剤により共接着されている。連続ベルトは連続ベルトループとも呼ばれる。

連続ベルトのベルト縁に沿って連続して延在する張り出し部は、連続ベルトの製造中にすでに連続ベルトと一体形成することができる。しかしながら、張り出し部は、後から、接着および／または縫合によって連続ベルトに接着することもできる。張り出し部は連続ベルトの下側のみ、即ち、戻りローラに対向する側のみに配置することができる。いいかえれば、張り出し部は、連続ベルト内部に配置するかまたは連続ベルトの内側へ突出するように形成することができる。連続ベルトの内側は連続ベルトによって形成されるループで囲繞された領域または空間をさす。さらに、張り出し部を有する連続ベルトのベルト縁は搬送方向交差幅方向において戻りローラのカーブ外側端部またはカーブ外側縁部から突出する。即ち、張り出し部は戻りローラに寄り掛からない。張り出し部はプラスチック材料から作ることができるとともに正規面に対して僅かに傾斜した平らな側面を有することができ、張り出し部の長手軸に交差する張り出し部の幅は連続ベルトから張り出し部の先端に至るにつれて漸減される。張り出し部は先細り状のギビバイド（ｇｉｂ）／Ｖ字棚として形成することもできる。

カーブ外側方向において連続ベルトを支持するための支持手段が連続ベルト内部のみに配置されることによって、ベルトの全体幅を横切って連続ベルトのベアリング領域が使用可能となり得る。言い換えれば、カーブ外側方向において連続ベルトを支持するための全ての支持手段は連続ベルトによって囲繞された領域または空間内に配置される。ここで、カーブ外側方向において連続ベルトを支持するための支持手段は、連続ベルトがカーブ内側方向において戻りローラからスリップするのを防止する手段を兼ねることができる。このため、支持手段は、カーブ外側方向において連続ベルトへ支持力を印加することができる。支持手段は、連続ベルトループの外側に配置された抑制装置などの部品を有してはいない。

支持手段が戻りローラのカーブ外側端面の領域内で張り出し部に相互作用的に接触することは、支持手段が戻りローラのカーブ外側端面の領域内に配置されることを意味する。よって、湾曲したベルトコンベアの外枠に配置された引っ張り要素などの更なる支持要素は省略することができる。

戻りローラは円錐状に形成されるとともにその両端を湾曲したベルトコンベアのカーブ内枠および外枠またはラックにおいて支持することができる。円錐形状とすることにより、連続ベルトの幅方向の速度差を補償することができる。これに代えて又はこれに加えて、戻りローラはまた、搬送方向に交差して互いに隣り合って配置される複数の回動体も有しており、これらの回動体は互いから独立して回動可能であることで、連続ベルトの幅方向の速度差を補償することができる。ベルトのカーブに沿って、二つの戻りローラの間で、戻りローラが円錐状に形成されるとともにその両端が湾曲したベルトコンベアのカーブ内枠および外枠またはラックにおいて支持することができる更なるローラを配置することができ、これにより、ベアリング領域全体を横切って連続ベルトが回動可能に搬送される。ローラはまた、戻りローラとは異なるように構成することもできる。更なるローラは、重い搬送物が搬送される場合は特に、連続ベルトの垂みを防止する。更なるローラに代えて、プレートを戻りローラと連続ベルトの間に配置することもでき、このプレート上では連続ベルトは摺動的に搬送される。円錐状に形成されたローラや戻りローラの場合、ローラや戻りローラはそれらによって形成されたベアリング領域が平面または水平であるように配置することができる。連続ベルトは戻りローラを介して連続ベルトのベアリング領域の端部において搬送方向に駆動される。このために、この戻りローラは、例えば、この戻りローラを駆動するための電気モータ等のモータに機械的に連結することができる。よって、連続ベルトの上部ストランドまたはベアリング領域は荷重ストランドまたは引っ張りストランドであってよい。その他の又は更なるローラは、例えば、第２の戻りローラおよび／または戻りローラ間に配置された一つ以上のローラを介しても駆動することができる。

好ましくは、支持手段は戻りローラのカーブ外側端面によって形成される。

支持手段が戻りローラの端面によって形成されることによって、別個の支持要素を設ける必要がなくなる。ここでは、戻りローラのカーブ外側端面、具体的には、戻りローラの端面の外径リムまたは戻りローラのカーブ外側外径縁部が張り出し部と相互作用的に接触することができる。したがって、戻りローラのカーブ外側端面は張り出し部を介して連続ベルトへ適切に支持力を伝達することができる。これは、巻回領域内で連続ベルトを戻りローラに巻回する際、連続ベルトの内側に突出する張り出し部によって形成される内径が戻りローラの端面の外径より小さいので、この張り出し部が戻りローラのカーブ外側端面に適切に支持することができることで達成される。有利なことに、戻りローラへ連続ベルトをぴったり押圧する搬送方向における連続ベルトの張力によって、張り出し部が戻りローラの端面から離脱したりスリップしたりすることが防止される。

好ましくは、連続ベルトが戻りローラに巻回されるラップ角はそれぞれ１８０°である。

ここで、ラップ角度がちょうど１８０°である必要はないことから、ラップ角度は１０°程度前後してもよい。引っ張りローラが垂下ストランドにおいて使用される場合、ラップ角は２０°程度前後してもよい。大きなラップ角を用いることで、支持手段と張り出し部との間に支持力を伝達するための十分に大きなベアリング領域を提供することができる。

好ましくは、張り出し部に作用する支持力の少なくとも９５％は戻りローラのカーブ外側端面を介して伝達される。

張り出し部に作用する支持力の９９％または１００％までも戻りローラのカーブ外側端面を介して伝達することが可能である。更なるローラが戻りローラ間に配置されている場合、張り出し部に作用する支持力の極一部をこれらの更なるローラのカーブ外側端面を介して伝達することもできる。しかしながら、二つの戻りローラの間の連続ベルトのカーブ外側ベルトリムは略張力のないリムであるから、伝達される支持力の割合は非常に小さい。即ち、戻りローラの間の領域では連続ベルトのカーブ外側リム領域がローラ上に緩く置かれているだけなので、ローラのカーブ外側端面から張り出し部へ大きな支持力を伝達することはできない。最大の張力は二つの戻りローラを介したカーブ外側ラップ（巻回）領域において発生する。

好ましくは、連続ベルトに割当てられた戻りローラの回転軸は互いに対して傾斜配置され、その角度は、１０°〜６０°、好ましくは、４５°の範囲である。

本発明による連続ベルトへ伝達できる大きな支持力によって、連続ベルトに割り当てられた二つの戻りローラの回転軸は、交差する力が発生するお陰で、連続ベルトがローラ上でスリップしたりローラからスリップ離脱したりせずに、互いに対して水平面において６０°まで傾斜配置することができる。１０°〜６０°、３０°〜６０°だけでなく、３０〜４５°の範囲の任意の角度がそれぞれ実行可能である。具体的には、３０°のセグメント、４５°のセグメント、または６０°のセグメントを、戻りローラを囲繞する連続ベルトによって実現することができる。互いに対して約４２°で傾斜配置される二つの戻りローラを有する二本の連続ベルトによって、または、互いに対して約２７°で傾斜配置される各々が二つの戻りローラを有する三本の連続ベルトによって、９０°のカーブを回って搬送物を搬送することが可能な湾曲したベルトコンベアを実現することができる。互いに対して約５７°で傾斜配置された各々が二つの戻りローラを有する三本の連続ベルトによって、１８０°のカーブを回って搬送物を搬送することが可能な湾曲したベルトコンベアを実現することができる。戻りローラの間の正確な角度は、湾曲したベルトコンベアの寸法と、更には、引っ張り要素によって戻りローラを変位させることで生成される連続ベルトに必要とされる張力と、に依存する。

好ましくは、湾曲したベルトコンベアは、９０°の角度を囲繞するカーブ部を形成する。

好ましくは、湾曲したベルトコンベアは、カーブに沿って延び二つの戻りローラを介して各々案内される二本の連続ベルトを含み、これらの連続ベルトに割当てられた戻りローラの回転軸はそれぞれ互いに対して４２°で傾斜配置される。

好ましくは、湾曲したベルトコンベアは、カーブに沿って延び二つの戻りローラを介して各々案内される三本の連続ベルトを含み、これらの連続ベルトに割当てられた戻りローラの回転軸はそれぞれ互いに対して２７°で傾斜配置される。

本発明は上記した実施形態に限定されない。その代わり、実施形態の個々の特徴は任意に結合されて更なる態様および実施形態を得ることができる。

湾曲したベルトコンベアを示す斜視図である。 湾曲したベルトコンベアを示す頂面図である。 図２のＡ−Ａ線に沿った湾曲したベルトコンベアを示す断面図である。

以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。

図１は、湾曲したベルトコンベア２を示す斜視図である。例示目的のために、連続ベルト４の二つの４５°の角度のカーブセグメントの一つは省略されている。全体としては例示されている湾曲したベルトコンベア２は９０°の角度を囲繞する。外側の戻りローラ８および戻りローラ８間に配置されたローラ６の各両端部はカーブ内枠１０とカーブ外枠１２とによって回動可能に支持されている。ローラ６と戻りローラ８は各々円錐状に形成され、この円錐形は互いに隣り合って配置された四つの円錐回動体によって実行され、これら四つの回動体は互いに対して回動可能である。引っ張り装置１４は、確実に連続ベルト４を駆動し搬送物を搬送することを可能にするために、連続ベルト４の長手方向または搬送方向ＦＲにおいて必要とされる張力を加える役目を果たす。この張力は、引っ張り装置１４によって、駆動されていない戻りローラを搬送方向ＦＲの反対側に移動させることによって印加される。

図２は、図１の湾曲したベルトコンベア２を示す頂面図である。湾曲したベルトコンベア２または湾曲したベルトコンベア２のカーブ内枠１０とカーブ外枠１２は円の中心ＫＭＰを含む９０°の円形セグメントを形成する。カーブの内枠１０、外枠１２の間の中間領域を実質的に被覆する連続ベルト４は円中心ＫＭＰを含む円形セグメントの形状も有する。連続ベルトの外径Ｒａｋと連続ベルトの内径Ｒｉｋの差は連続ベルトの幅Ｂに等しい。戻りローラ８、８の回転軸は互いに対して約４１°で傾斜配置されていることから、二本の連続ベルトが互いに隣り合ってまたは互いに並列して配置されている場合、二つの戻りローラの周りに架け渡された二本の連続ベルトは９０°の角度を囲繞することができる。このとき、二本の連続ベルト間には小さなギャップが残存する。

図３は、図２のＡ−Ａ線に沿った湾曲したベルトコンベアを示す断面図である。Ａ−Ａ断面は戻りローラ８の回転軸に沿った切断面を示す。戻りローラ８は内部主軸１８を有し、その両端はボールベアリング１６を介してカーブ内枠１０とカーブ外枠１２に回動可能に支持されている。さらに、戻りローラ８は、円錐形の外部ローラ要素２２が外嵌または配置される内筒２０を有する。外部ローラ要素は、互いに隣り合って配置される複数の回動体から構成することができ、これらの回動体は互いに対して回動可能である。連続ベルト４は戻りローラ８に巻回されるかまたは架け渡される。カーブ外側ベルトリムまたはカーブ外側ベルト縁上で、連続ベルト４は張り出し部２４を有する。戻りローラ８のカーブ外側端面２６は張り出し部２４に相互作用的に接触し、連続ベルト４へ支持力が適切に伝達され、この支持力によって連続ベルト４がカーブ内側へ向けてスリップしたりスリップ離脱したりすることが防止される。戻りローラ８の巻回時の張り出し部２４の内径Ｄｉｗｖが戻りローラ８のカーブ外側端面２６の外径Ｄａｕｒより短いので、支持力の適切な伝達が具体的に可能となる。

２ 硬化されたベルトコンベア
４ 連続ベルト
６ ローラ
８ 戻りローラ
１０ カーブ内枠
１２ カーブ外枠
１４ 引っ張り装置
ＦＲ 搬送方向または長手方向
ＫＰＭ カーブ中心
Ｒｉｋ 連続ベルトの内径
Ｒａｋ 連続ベルトの外径
Ｂ 連続ベルトの幅
１６ ボールベアリング
１８ 内部主軸
２０ 内筒
２２ 外部ローラ要素
２４ 張り出し部
２６ 戻りローラのカーブ外側端面
Ｄｉｗｖ 張り出し部のラッピングの内径
Ｄａｕｒ 戻りローラのカーブ外側端面の外径

Claims (7)

1. カーブに沿って延び二つの戻りローラ（８）を介して案内される少なくとも一本の連続ベルト（４）を有する湾曲したベルトコンベア（２）であって、
   前記カーブ外側において、前記連続ベルト（４）は、前記連続ベルト（４）のベルト縁に沿って連続的に延在する張り出し部（２４）を有し、
   前記カーブ外側の方向において前記連続ベルト（４）を支持するための支持手段が前記連続ベルト（４）内部だけに配置され、
   前記支持手段は前記戻りローラ（８）のカーブ外側端面（２６）の領域内で前記張り出し部（２４）に相互作用的に接触し、
   前記張り出し部（２４）に作用する支持力の少なくとも９５％が前記戻りローラ（８）の前記カーブ外側端面（２６）を介して伝達される、
   湾曲したベルトコンベア（２）。
2. 前記支持手段は前記戻りローラ（８）の前記カーブ外側端面（２６）によって形成される、請求項１に記載の湾曲したベルトコンベア（２）。
3. 前記連続ベルト（４）が前記戻りローラ（８）に巻回されるラップ角はそれぞれ１８０°である、請求項１または２に記載の湾曲したベルトコンベア（２）。
4. 前記連続ベルトに割当てられた前記戻りローラ（８）の回転軸は互いに対して傾斜配置され、その角度は１０°〜６０°である、請求項１〜３のいずれか一項に記載の湾曲したベルトコンベア（２）。
5. 前記湾曲したベルトコンベア（２）は９０°の角度を囲繞するカーブ部を形成する、請求項１〜４のいずれか一項に記載の湾曲したベルトコンベア（２）。
6. 各々がカーブに沿って延び二つの戻りローラ（８）を介して案内される二本の連続ベルト（４）を含み、前記連続ベルト（４）に割当てられた前記戻りローラ（８）の回転軸はそれぞれ互いに対して４２°で傾斜配置されている、請求項１〜５のいずれか一項に記載の湾曲したベルトコンベア（２）。
7. 各々がカーブに沿って延び二つの戻りローラ（８）を介して案内される三本の連続ベルト（４）を含み、前記連続ベルト（４）に割当てられた前記戻りローラ（８）の回転軸はそれぞれ互いに対して２７°で傾斜配置されている、請求項１〜６のいずれか一項に記載の湾曲したベルトコンベア（２）。

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