JP5915576B2 - ピストン型斜板式圧縮機 - Google Patents
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Description
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、体格を大型化することなく脈動を低減させることができるピストン型斜板式圧縮機を提供することにある。
また、ピストン型斜板式圧縮機において、前記ブロック側吐出チャンバは、前記回転軸の回転方向に隣り合う複数のシリンダボアの狭間に1つずつ配置されているのが好ましい。
また、ピストン型斜板式圧縮機において、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドの間にはガスケットが設けられ、前記ガスケットには第1絞りが形成され、少なくとも1つの前記ブロック側吐出チャンバと少なくとも1つの前記ヘッド側吐出チャンバは、前記第1絞りを介して連通されるのが好ましい。
図1及び図2に示すように、両頭ピストン型斜板式圧縮機10(以下、単に圧縮機10と記載する)のハウジングHにおいて、接合された一対のシリンダブロック11,12のうち、フロント側(図1では左側)のシリンダブロック11の端部には、弁・ポート形成体15を介してフロント側のシリンダヘッド13が結合されている。弁・ポート形成体15は、シリンダブロック11とシリンダヘッド13の間をシールするガスケットGと、後述の吐出弁15bを形成する弁板20を含む。また、リヤ側(図1では右側)のシリンダブロック12の端部には、弁・ポート形成体16を介してリヤ側のシリンダヘッド14が結合されている。弁・ポート形成体16は、シリンダブロック12とシリンダヘッド14の間をシールするガスケットGと、後述の吐出弁16bを形成する弁板21を含む。そして、ハウジングHは、フロント側のシリンダヘッド13とリヤ側のシリンダヘッド14の間に一対のシリンダブロック11,12が介在して形成されている。
図1及び図4に示すように、フロント側のシリンダブロック11には、吸入室17と軸孔11aとを連通させる連通路50aがそれぞれ形成されている。この連通路50aの一端は、吸入室17に開口するとともに、他端は、軸孔11aのシール周面上に開口している。また、連通路50aは、シリンダブロック11の径方向に沿ってやや傾きながら延びており、シリンダブロック11内に形成されている。
図1及び図2に示すように、シリンダブロック12には、各リヤ側のシリンダボア29と軸孔12aとを連通させる導入通路51がそれぞれ形成されている。この導入通路51の一端は、各シリンダボア29に開口するとともに、他端は、軸孔12aのシール周面上に開口している。また、回転軸22のリヤ側の周面には、供給通路22bが形成されている。この供給通路22bの一端は、シリンダヘッド14内の吸入室19に開口している。また、供給通路22bの他端側には、導入通路51の他端が連通可能になっている。そして、回転軸22の回転に伴って供給通路22bの位置が変更されることにより、供給通路22bが連通する導入通路51が機械的に切り換えられるようになっている。よって、シール周面によって包囲される回転軸22の部分は、回転軸22に一体形成されたリヤ側ロータリバルブRRとなっている。
図2、図3及び図5に示すように、フロント側のシリンダヘッド13には、回転軸22を環状に囲む空間28bが凹設されるとともに、この空間28bを3つのヘッド側吐出チャンバ33a〜33cに区画する第1〜第3の区画壁32a〜32cが設けられている。第1〜第3の区画壁32a〜32cは、シリンダヘッド13の底面からブロック側吐出チャンバ40に向けて延在している。第1の区画壁32aは、回転軸22の回転方向に沿って、吐出通路45に連通したブロック側吐出チャンバ40に隣り合う位置に設けられている。
さて、吸入口44を介して吸入通路43に冷媒が吸入され、各吸入室17,18に冷媒が供給されている。そして、シリンダボア28が吸入行程に移行すると、フロント側ロータリバルブRFの導入溝22aを介して、1つの連通路50aと、その連通路50aの隣りの導入通路50bとが連通する。すると、吸入室17からフロント側ロータリバルブRFを経由してシリンダボア28に冷媒が吸入される。
(1)フロント側及びリヤ側において、各ブロック側吐出チャンバ40,42を、異なる2つのヘッド側吐出チャンバ33a〜33c,35a〜35cと連通させることができる。よって、冷媒ガスが吐出されてから吐出口46から吐出されるまでの吐出経路内で、冷媒ガスを往復させることができ、結果として、冷媒ガスを蛇行させることができる。よって、冷媒が吐出口46に至るまでに流れる距離を長くし、脈動を低減させることができる。したがって、脈動低減のために、ハウジングHから張り出すマフラ室を設ける必要が無く、しかも、マフラ室を設けない限られた容積の中で脈動を低減させることができる。
○ 第1絞り15f,16f及び第2絞り20a,21aの孔径は適宜変更してもよい。
○ シリンダブロック11,12と、シリンダヘッド13,14との間にガスケットGのみを設け、ガスケットGに吐出ポート15a,16aと第1絞り15f,16fを設けた構成としてもよい。
○ 実施形態では、フロント側、及びリヤ側の吸入方式としてロータリバルブを採用したが、フロント側及びリヤ側それぞれを、ロータリバルブでなく吸入弁による吸入方式としてもよい。
○ ブロック側吐出チャンバ40,42を1つだけとし、空間28b,29bを2つのヘッド側吐出チャンバに区画した構成としてもよい。
○ ピストン型斜板式圧縮機は、両頭ピストン30を備えた両頭ピストン型でなく、片頭ピストンを備えた片頭ピストン型でもよい。
Claims (6)
- シリンダブロックと前記シリンダブロックの端部に結合されるシリンダヘッドを有するハウジングを備え、前記シリンダブロックに回転軸が回転可能に支持されるとともに複数のシリンダボアが前記回転軸の周囲に配列されるように形成され、各シリンダボア内にピストンが収容されるとともに、前記回転軸と一体回転する斜板に前記ピストンが係留され、前記シリンダボアには前記ピストンによって圧縮室が区画されるピストン型斜板式圧縮機において、
前記シリンダヘッドには複数のヘッド側吐出チャンバが設けられるとともに、前記シリンダブロックにはブロック側吐出チャンバが設けられ、
前記ハウジングに、圧縮後の冷媒を該ハウジング外へ吐出する吐出口が設けられるとともに、前記圧縮室から、前記ヘッド側吐出チャンバと前記ブロック側吐出チャンバを経由し、前記吐出口に至る冷媒の吐出経路が設けられ、
前記圧縮室から吐出された冷媒は、前記吐出経路内を流れる中で、前記圧縮室と連通する前記ヘッド側吐出チャンバから前記ブロック側吐出チャンバに流れた後、別の前記ヘッド側吐出チャンバに流れるように構成されているピストン型斜板式圧縮機。 - 前記ヘッド側吐出チャンバは、前記回転軸の周囲で環状に形成された空間を区画壁によって前記回転軸の回転方向に複数に区画することにより設けられている請求項1に記載のピストン型斜板式圧縮機。
- 前記ブロック側吐出チャンバは、前記回転軸の周囲に複数設けられ、前記圧縮室から吐出された冷媒は、前記吐出経路内を流れる中で、前記ブロック側吐出チャンバから前記ヘッド側吐出チャンバに流れた後、別の前記ブロック側吐出チャンバに流れるように構成されている請求項1又は請求項2に記載のピストン型斜板式圧縮機。
- 前記ブロック側吐出チャンバは、前記回転軸の回転方向に隣り合う複数のシリンダボアの狭間に1つずつ配置されている請求項3に記載のピストン型斜板式圧縮機。
- 前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドの間にはガスケットが設けられ、前記ガスケットには第1絞りが形成され、少なくとも1つの前記ブロック側吐出チャンバと少なくとも1つの前記ヘッド側吐出チャンバは、前記第1絞りを介して連通される請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のピストン型斜板式圧縮機。
- 前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドの間には、前記圧縮室と前記ヘッド側吐出チャンバとの間に介在する吐出弁が形成された弁板が設けられるとともに、前記弁板には第2絞りが形成され、少なくとも1つの前記ブロック側吐出チャンバと少なくとも1つの前記ヘッド側吐出チャンバは、前記第2絞りを介して連通される請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のピストン型斜板式圧縮機。
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