JP5902017B2 - 表面処理炭酸カルシウム及びそれを含むポリマー組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、表面処理炭酸カルシウム及びそれを含むポリマー組成物に関するものである。
炭酸カルシウムは、従来より、熱安定性、耐摩耗性、剛性等を付与する目的で、種々の樹脂やゴムなどのポリマーに、フィラーとして添加されている。
一方、ポリマーに配合するフィラーの表面を改質するための表面処理剤として、シランカップリング剤が従来より用いられている。
しかしながら、炭酸カルシウムの表面には、シランカップリング剤のシラノール基と反応する水酸基などが存在しないため、炭酸カルシウムの上に直接シランカップリング剤を表面処理しても充分な効果が得られないことが知られている。
特許文献1においては、炭酸カルシウムと反応するカルボン酸基またはリン酸基などの吸着基と、水酸基を有する化合物(例えば、ヒドロキシプロピオン酸やヒドロキシプロピルリン酸など)を炭酸カルシウムなどの無機粒子の表面に処理した後、シランカップリング剤を処理する方法が提案されている。
特開2008−50188号公報
しかしながら、上述の方法によっても、ポリマーに配合した場合の機械的強度は、充分に高めることはできなかった。
本発明の目的は、ポリマーに配合して、機械的強度を高めることができる表面処理炭酸カルシウム及びそれを含むポリマー組成物を提供することにある。
本発明の表面処理炭酸カルシウムは、炭酸カルシウムの表面を、縮合リン酸及びシラン系処理剤で表面処理したことを特徴としている。
縮合リン酸の処理量としては、炭酸カルシウム100質量部に対し、縮合リン酸を1〜12質量部表面処理することが好ましい。
シラン系処理剤の処理量としては、炭酸カルシウム100質量部に対し、シラン系処理剤を0.1〜5質量部表面処理することが好ましい。
本発明のポリマー組成物は、上記本発明の表面処理炭酸カルシウムを、ポリマーに配合したことを特徴としている。
表面処理炭酸カルシウムの含有量は、0.5〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
ポリマーは、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂及びポリエーテル樹脂が挙げられる。
本発明の表面処理炭酸カルシウムをポリマーに配合することにより、ポリマー中での良好な分散性を得ることができ、機械的強度を著しく高めることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
<炭酸カルシウム>
本発明に用いる炭酸カルシウムは、特に限定されるものではなく、合成炭酸カルシウム(沈降性炭酸カルシウム)、重質炭酸カルシウムなどを用いることができる。
合成炭酸カルシウムは、例えば水酸化カルシウムを炭酸ガスと反応させることによって製造することができる。水酸化カルシウムは、例えば酸化カルシウムを水と反応させることによって製造することができる。酸化カルシウムは、例えば石灰石原石をコークスなどで焼成することよって製造することができる。この場合、焼成時に炭酸ガスが発生するので、この炭酸ガスを水酸化カルシウムと反応させることによって炭酸カルシウムを製造することができる。
重質炭酸カルシウムは、天然に産出する炭酸カルシウム原石を公知の方法で粉砕することにより得られるものである。炭酸カルシウム原石を粉砕する方法としては、ローラーミル、高速回転ミル(衝撃剪断ミル)、容器駆動媒体ミル(ボールミル)、媒体攪拌ミル、遊星ボールミル、ジェットミルなどで粉砕する方法が挙げられる。
炭酸カルシウムの平均粒子径としては、0.01〜30μmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは0.02〜20μmの範囲内であり、さらに好ましくは0.1〜10μmの範囲内である。
炭酸カルシウムの平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定することができる。
<表面処理>
本発明の表面処理炭酸カルシウムは、縮合リン酸及びシラン系処理剤で表面処理したことを特徴としている。
縮合リン酸による表面処理及びシラン系処理剤による表面処理の順序としては、縮合リン酸で処理した後、シラン系処理剤で処理することが好ましい。しかしながら、縮合リン酸とシラン系処理剤とを同時に表面処理してもよく、シラン系処理剤で表面処理した後、縮合リン酸で表面処理してもよい。
(縮合リン酸による表面処理)
縮合リン酸としては、ピロリン酸、メタリン酸などの縮合リン酸を用いることができる。
炭酸カルシウムを縮合リン酸で表面処理する方法としては、湿式処理及び乾式処理が挙げられる。
湿式処理は、炭酸カルシウムの水懸濁液に、縮合リン酸を添加し混合した後、炭酸カルシウムを濾過し、乾燥する方法である。この方法では、縮合リン酸のナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩等を用いてもよい。しかしながら、表面処理炭酸カルシウムに含有させるナトリウムまたはカリウムなどのアルカリ金属の含有量を低減する観点からは、塩の形態ではなく、酸の形態で用いることが好ましい。
乾式処理は、炭酸カルシウムの粉末に、縮合リン酸を添加し混合した後、乾燥する方法である。縮合リン酸は、溶液の形態で添加することができる。
縮合リン酸の処理量は、炭酸カルシウム100質量部に対し、1〜12質量部であることが好ましく、さらに好ましくは2〜10質量部であり、さらに好ましくは3〜8質量部である。縮合リン酸の処理量が少なすぎると、ポリマー中に配合したときのポリマーの劣化を充分に抑制することができず、高い機械的強度を得ることができない場合がある。また、縮合リン酸の処理量が多くなりすぎても、それに比例した効果が充分に得られず、経済的に不利になる場合がある。
縮合リン酸を塩の形態で用いる場合には、上記処理量は縮合リン酸に換算した値である。
(シラン系処理剤による表面処理)
シラン系処理剤としては、シランカップリング剤、有機ケイ素化合物単量体(モノマー)、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
シランカップリング剤としては、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基などを官能基として有するシランカップリング剤などが挙げられる。
有機ケイ素化合物単量体としては、アルキルトリアルコキシシランなどが挙げられる。アルキルトリアルコキシシランとしては、炭素数1〜12のアルキル基を有するトリアルコキシシランが挙げられ、具体的には、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどが挙げられる。または、フェニル基などの芳香族基を有するトリアルコキシシランを用いてもよい。
変性シリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどのシリコーンオイルを用いることができる。
シラン系処理剤を表面処理する方法としては、炭酸カルシウム粉末にシラン系処理剤を添加し混合した後、乾燥する乾式処理方法が好ましく用いられる。シラン系処理剤は、必要に応じて、溶媒に溶解した溶液の状態で添加することが好ましい。
縮合リン酸で処理した後、シラン系処理剤で処理する場合には、縮合リン酸で処理した後の表面処理炭酸カルシウムの粉末に、シラン系処理剤を添加して処理する。
シラン系処理剤の処理量は、炭酸カルシウム100質量部に対し、0.1〜5質量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜4質量部であり、さらに好ましくは0.4〜3質量部である。シラン系処理剤の処理量が少なすぎると、表面処理炭酸カルシウムを良好な分散状態でポリマー中に分散することができず、高い機械的強度を得ることがで
きない場合がある。また、シラン系処理剤の処理量が多すぎても、それに比例した効果を得ることができず、経済的に不利になる場合がある。
<ポリマー組成物>
本発明のポリマー組成物は、上記本発明の表面処理炭酸カルシウムをポリマー中に配合したことを特徴としている。
表面処理炭酸カルシウムの含有量としては、0.5〜50質量%の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは1〜40質量%の範囲内であり、さらに好ましくは5〜30質量%の範囲内である。
ポリマーとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴムなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂などが挙げられる。
ポリマー中に、表面処理炭酸カルシウムを配合する方法としては、ポリマーの種類等に応じて、公知の方法により表面処理炭酸カルシウムを配合することができる。例えば、熱可塑性樹脂の場合、熱可塑性樹脂を溶融し、溶融した熱可塑性樹脂中に、表面処理炭酸カルシウムを添加混合することにより配合することができる。
以下、本発明を具体的な実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で用いる表面処理剤B及び樹脂の記号は以下の通りである。
<表面処理剤B>
HTS:ヘキシルトリメトキシシラン
GPTS:3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン
MPTS:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
MHSO:メチルハイドロジェンシリコーンオイル
APTS:3−アミノプロピルトリメトキシシラン
<樹脂>
PBT:ポリブチレンテレフタレート(ジュラネックス2002、ウィンテックポリマー株式会社製)
PET:ポリエチレンテレフタレート(ルミラーS10、東レ株式会社製)
LCP:液晶ポリエステル(I型)
66−Nylon:6,6−ナイロン(アミランCM3001−N、東レ株式会社製)
9T−Nylon:(ジェネスタN1000A、株式会社クラレ製)
PC/ABS:(ノバロイS1100、ダイセルポリマー株式会社製)
m−PPE:(ザイロンA0210、旭化成ケミカルズ株式会社製)
(実施例1)
〔表面処理炭酸カルシウムの合成〕
平均一次粒子径が0.15μmであり、BET比表面積が10.5m/gである合成炭酸カルシウムの10質量%のスラリーを調製し、これを混合攪拌しながら20℃となるように温度調整した。この合成炭酸カルシウムスラリーに、合成炭酸カルシウム100質量部に対して、ピロリン酸が7質量部となるように、ピロリン酸の10質量%希釈水溶液
を添加し、10分間撹拌混合した。その後、脱水・乾燥・粉砕して、表面処理剤Aとしてピロリン酸を処理した表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。
得られた表面処理炭酸カルシウム粉体を攪拌混合器に入れ、表面処理炭酸カルシウム中の炭酸カルシウム100質量部に対して、表面処理剤BとしてのHTSが1質量部となるようにHTSを添加し、80℃で10分間撹拌混合して、表面処理剤A及び表面処理剤Bで表面処理した表面処理炭酸カルシウムを得た。
〔ポリマー組成物の調製〕
得られた表面処理炭酸カルシウムをポリマー中に含有させ、ポリマー組成物を調製した。ポリマーとしては、PBT樹脂を用い、PBT樹脂80質量%、表面処理炭酸カルシウム20質量%の割合で、二軸押出機(東芝機械社製、TEM−37BS)に入れ、溶融混練し、ポリマー組成物としてのPBT樹脂組成物を得た。
〔ポリマー組成物の物性の評価〕
得られたポリマー組成物について、以下のようにして、溶融粘度、曲げ強度、曲げ弾性率及びアイゾッド衝撃強度を測定した。
(溶融粘度)
高化式フローテスタを用いて、オリフィス(直径1mm、長さ10mm)で、流動開始温度荷重10kg/cm、昇温速度1℃/分、溶融粘度荷重20kg/cmの条件で測定した。
(曲げ強度及び曲げ弾性率)
ISO−178に準拠して、23℃で曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。
(アイゾッド衝撃強度)
ISO−180に準拠して、23℃でアイゾッド衝撃強度を測定した。
(実施例2)
表面処理剤Bとして、HTSに代えてGPTSを用いる以外は、実施例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを調製し、これを用いてポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(実施例3)
表面処理剤Bとして、HTSに代えてMPTSを用いる以外は、実施例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを調製し、これを用いてポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(実施例4)
表面処理剤Bとして、HTSに代えてMHSOを用いる以外は、実施例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを調製し、これを用いてポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(実施例5)
表面処理剤Aとして、ピロリン酸に代えて、メタリン酸を用いる以外は、実施例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを合成し、この表面処理炭酸カルシウムを用いたポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(実施例6)
炭酸カルシウムとして、平均一次粒子径1μm、BET比表面積3.2m/gである重質炭酸カルシウムを用い、ピロリン酸を炭酸カルシウム100質量部に対し5質量部、HTSを0.5質量部表面処理する以外は、実施例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。この表面処理炭酸カルシウムを用いて、実施例1と同様にしてPBT樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(実施例7)
炭酸カルシウムとして、平均一次粒子径4μm、BET比表面積1.8m/gである重質炭酸カルシウムを用い、ピロリン酸を炭酸カルシウム100質量部に対し5質量部、HTSを0.5質量部表面処理する以外は、実施例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。この表面処理炭酸カルシウムを用いて、実施例1と同様にしてPBT樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(実施例8)
平均一次粒子径が0.02μm、BET比表面積が75.2m/gである合成炭酸カルシウムを用いて、炭酸カルシウム100質量部に対して、ピロリン酸8質量部、HTS2質量部となるように実施例1と同様にして表面処理し、表面処理炭酸カルシウムを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムを、実施例1と同様にしてPBT樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(比較例1)
実施例1と同様にして表面処理剤Aとしてピロリン酸を処理した後、表面処理剤Bを処理せずに表面処理炭酸カルシウムとした。
この表面処理炭酸カルシウムをPBT樹脂に配合して、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(比較例2)
表面処理剤Aを表面処理せずに、表面処理剤BとしてのHTSを実施例1と同様にして表面処理し、表面処理炭酸カルシウムを得た。
この表面処理炭酸カルシウムをPBT樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(比較例3)
表面処理剤Aとして、ピロリン酸に代えてオルトリン酸を用いる以外は、実施例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。
この表面処理炭酸カルシウムをPBT樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(比較例4)
ピロリン酸の処理量を、炭酸カルシウム100質量部に対し、14質量部とした以外は、比較例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。
この表面処理炭酸カルシウムをPBT樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(比較例5)
HTSの処理量を、炭酸カルシウム100質量部に対し2質量部とする以外は、比較例2と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。
この表面処理炭酸カルシウムをPBT樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(比較例6)
実施例1で用いた合成炭酸カルシウムを、表面処理せずに、PBT樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(比較例7)
実施例7で用いた重質炭酸カルシウムを、表面処理せずに、PBT樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(参考例)
PBT樹脂に炭酸カルシウムを配合せずに、その物性を評価した。
実施例1〜8及び比較例1〜7並びに参考例における、炭酸カルシウムの平均一次粒子径、表面処理に用いた表面処理剤A及び表面処理剤B、並びにポリマー組成物の物性を表1に示す。
(実施例9)
実施例1で得られた表面処理炭酸カルシウムを、PET樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(実施例10)
実施例1で得られた表面処理炭酸カルシウムを、LCP樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(実施例11)
実施例7で得られた表面処理炭酸カルシウムを、LCP樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(実施例12)
表面処理剤BとしてHTSに代えてMHSOを用いて表面処理する以外は、実施例7と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。
この表面処理炭酸カルシウムをLCP樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(実施例13)
実施例1で得られた表面処理炭酸カルシウムを、66−Nylon樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(実施例14)
表面処理剤BとしてAPTSを用いる以外は、実施例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。
この表面処理炭酸カルシウムを66−Nylon樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製
し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(実施例15)
実施例1で得られた表面処理炭酸カルシウムを、9T−Nylon樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(実施例16)
実施例14で得られた表面処理炭酸カルシウムを、9T−Nylon樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(実施例17)
実施例1で得られた表面処理炭酸カルシウムを、PC/ABS樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(実施例18)
実施例1で得られた表面処理炭酸カルシウムを、m−PPE樹脂に配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
(比較例8〜比較例13)
比較例1で得られた表面処理炭酸カルシウムを、PET樹脂(比較例8)、LCP樹脂(比較例9)、66−Nylon樹脂(比較例10)、9T−Nylon樹脂(比較例11)、PC/ABS樹脂(比較例12)、m−PPE樹脂(比較例13)にそれぞれ配合し、ポリマー組成物を調製し、ポリマー組成物の物性を評価した。
実施例9〜18及び比較例8〜13における、表面処理炭酸カルシウムの平均一次粒子径、表面処理剤A、表面処理剤B並びにポリマー組成物の物性を表2に示す。
Figure 0005902017
Figure 0005902017
表1に示すように、表面処理剤A及び表面処理剤Bを表面処理した表面処理炭酸カルシウムを用いた実施例1は、表面処理剤Aのみを表面処理した比較例1、及び表面処理剤Bのみを表面処理した比較例2に比べ、溶融粘度が低くなっており、曲げ強度、曲げ弾性率及びアイゾッド衝撃強度がそれぞれ高められていることがわかる。
また、実施例1と比較例3との比較から明らかなように、表面処理剤Aとして、縮合リン酸ではないオルトリン酸を用いた比較例3では、実施例1のように、溶融粘度が低くならず、曲げ強度、曲げ弾性率及びアイゾッド衝撃強度も高められていないことがわかる。
また、ピロリン酸の処理量を2倍に増やした比較例4及びHTSの処理量を2倍にした比較例5も、実施例1のような溶融粘度の低下、曲げ強度、曲げ弾性率及びアイゾッド衝撃強度の向上が認められないことがわかる。
実施例2〜4から明らかなように、HTSに代えて、GPTS、MPTS、及びMHSOを用いた場合にも、本発明の効果が得られることがわかる。
また、実施例5から明らかなように、ピロリン酸に代えてメタリン酸を用いた場合においても本発明の効果が得られることがわかる。
実施例6〜8から明らかなように、炭酸カルシウムの平均一次粒子径を変化させた場合においても、本発明の効果が得られることがわかる。
表2の結果から明らかなように、PBT樹脂以外の樹脂を用いた場合においても、溶融粘度を低減し、曲げ強度、曲げ弾性率及びアイゾッド衝撃強度が向上していることがわかる。
また、実施例14及び実施例16から明らかなように、表面処理剤Bとして、APTSを用いた場合にも、本発明の効果が得られていることがわかる。

Claims (5)

  1. 炭酸カルシウムの表面を、炭酸カルシウム100質量部に対し、1〜12質量部の縮合リン酸と、0.1〜5質量部のシランカップリング剤、有機ケイ素化合物単量体、及び変性シリコーンオイルから選ばれる少なくとも1種とで表面処理した表面処理層を有することを特徴とする表面処理炭酸カルシウム。
  2. 請求項1に記載の表面処理炭酸カルシウムを、ポリマーに配合したことを特徴とするポリマー組成物。
  3. 表面処理炭酸カルシウムの含有量が、0.5〜50質量%の範囲内であることを特徴とする請求項に記載のポリマー組成物。
  4. ポリマーが、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項またはに記載のポリマー組成物。
  5. 熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂またはポリエーテル樹脂であることを特徴とする請求項に記載のポリマー組成物。
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