JP6248065B2 - 白色樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、白色顔料と表面処理炭酸カルシウムを含む白色樹脂組成物に関するものである。
白色顔料と表面処理炭酸カルシウムを含む白色樹脂組成物としては、白色顔料とシリカ処理炭酸カルシウムとを併用した白色樹脂組成物が、特許文献1に開示されている。
特開2014−58427号公報
特許文献1に開示されているように、白色顔料とシリカ処理炭酸カルシウムとを併用することにより、高い白色度を樹脂に付与することができる。近年は、さらに耐熱性試験後においても、高い白色度を保持することができる白色樹脂組成物が求められている。
本発明の目的は、耐熱性試験後においても、高い白色度を保持することができる白色樹脂組成物を提供することにある。
本発明の白色樹脂組成物は、白色顔料と、平均粒子径0.05〜1μmの合成炭酸カルシウムの表面を縮合リン酸及び有機変性シリコーンオイルで表面処理した表面処理炭酸カルシウムと、樹脂とを含む白色樹脂組成物であって、前記白色顔料と前記表面処理炭酸カルシウムの含有比率が、質量比(白色顔料:表面処理炭酸カルシウム)で、90:10〜60:40の範囲内であり、樹脂組成物中の前記白色顔料及び前記表面処理炭酸カルシウムの合計の含有量が、5〜70質量%の範囲内であることを特徴としている。
表面処理炭酸カルシウム中のリン含有量は、0.2〜2質量%の範囲内となるように、縮合リン酸で炭酸カルシウムが表面処理されていることが好ましい。
表面処理炭酸カルシウムにおける有機変性シリコーンオイルの処理量は、炭酸カルシウム100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲内であることが好ましい。
有機変性シリコーンオイルとしては、エポキシ変性シリコーンオイルが挙げられる。
白色顔料としては、酸化チタンを用いることが好ましい。
本発明によれば、耐熱性試験後においても、高い白色度を保持することができる白色樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
<表面処理炭酸カルシウム>
本発明において用いる表面処理炭酸カルシウムは、平均粒子径0.05〜1μmの合成炭酸カルシウムの表面を縮合リン酸及び有機変性シリコーンオイルで表面処理した表面処理炭酸カルシウムである。処理ベースの炭酸カルシウムの平均粒子径は、0.05〜1μmの範囲内であり、さらに好ましくは0.08〜0.5μmの範囲内であり、さらに好ましくは0.1〜0.3μmの範囲内である。平均粒子径がこのような範囲からはずれると、白色顔料との併用による高い白色度を保持できない場合がある。表面処理炭酸カルシウムの平均粒子径も、上記の処理ベースの炭酸カルシウムの平均粒子径と同様の範囲内であることが好ましい。
本発明において平均粒子径は、電子顕微鏡写真による画像解析により測定することができる。
合成炭酸カルシウムは、例えば水酸化カルシウムを炭酸ガスと反応させることによって製造することができる。水酸化カルシウムは、例えば酸化カルシウムを水と反応させることによって製造することができる。酸化カルシウムは、例えば石灰石原石をコークスなどと混合し焼成することによって製造することができる。この場合、焼成時に炭酸ガスが発生するので、この炭酸ガスを水酸化カルシウムの水懸濁液中に吹き込み、炭酸ガスを水酸化カルシウムと反応させることによって炭酸カルシウムを製造することができる。
合成炭酸カルシウムは、カルサイト結晶を有することが好ましい。また、合成炭酸カルシウムは、略立方体の形状を有していることが好ましい。
(縮合リン酸による表面処理)
縮合リン酸としては、ピロリン酸、メタリン酸などの縮合リン酸を用いることができる。
炭酸カルシウムを縮合リン酸で表面処理する方法としては、湿式処理及び乾式処理が挙げられる。
湿式処理は、炭酸カルシウムの水懸濁液に、縮合リン酸を添加し混合した後、炭酸カルシウムを濾過し、乾燥する方法である。この方法では、縮合リン酸のナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩等を用いてもよい。しかしながら、表面処理炭酸カルシウムに含有させるナトリウムまたはカリウムなどのアルカリ金属の含有量を低減する観点からは、塩の形態ではなく、酸の形態で用いることが好ましい。
乾式処理は、炭酸カルシウムの粉末に、縮合リン酸を添加し混合した後、乾燥する方法である。縮合リン酸は、溶液の形態で添加することができる。
縮合リン酸の処理量は、表面処理炭酸カルシウム中のリン含有量が、0.2〜2質量%の範囲内となるような処理量であることが好ましい。表面処理炭酸カルシウム中のリン含有量は、0.4〜1.8質量%の範囲内であることがさらに好ましく、0.6〜1.6質量%の範囲内であることが特に好ましい。縮合リン酸の処理量が少なすぎると、表面処理されていない炭酸カルシウム表面が存在し、そこが起点となって樹脂が劣化着色するため、樹脂の白色度を高く保持できない場合がある。また、縮合リン酸の処理量が多くなりすぎると、炭酸カルシウム表面と反応してない遊離した縮合リン酸が樹脂と反応し樹脂が着色するため、樹脂の白色度を高く保持できない場合がある。
表面処理炭酸カルシウム中のリン含有量は、例えば、ICP発光分光分析法で測定することができる。
(有機変性シリコーンオイルによる表面処理)
有機変性シリコーンオイルとしては、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、アミン変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、フロロアルキル変性シリコーンオイル、長鎖アルキル変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸アミド変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、カルボン酸無水物変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、ジオール変性シリコーンオイルなどが挙げられる。これらの中でも、特にエポキシ変性シリコーンオイルが好ましく用いられる。エポキシ変性シリコーンオイルとしては、両末端型エポキシ変性シリコーンオイル、片末端型エポキシ変性シリコーンオイル、側鎖型エポキシ変性シリコーンオイル、側鎖両末端型エポキシ変性シリコーンオイルなどがある。
有機変性シリコーンオイルを表面処理する方法としては、炭酸カルシウム粉末に有機変性シリコーンオイルを添加し混合した後、加熱乾燥する乾式処理方法が好ましく用いられる。有機変性シリコーンオイルは、必要に応じて、溶媒に溶解した溶液の状態で添加することが好ましい。
縮合リン酸で処理した後、有機変性シリコーンオイルで処理する場合には、縮合リン酸で処理した後の表面処理炭酸カルシウムの粉末に、有機変性シリコーンオイルを添加して処理する。
有機変性シリコーンオイルの処理量は、炭酸カルシウム100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜5質量部であり、さらに好ましくは0.5〜3質量部である。有機変性シリコーンオイルの処理量が少なすぎると、樹脂の白色度を高く保持できない場合がある。また、有機変性シリコーンオイルの処理量が多くなりすぎると、樹脂の表面に有機変性シリコーンオイルがブリードアウトし、樹脂の表面を汚染する場合がある。
縮合リン酸による表面処理及び有機変性シリコーンオイルによる表面処理の順序としては、縮合リン酸で処理した後、有機変性シリコーンオイルで処理することが好ましい。しかしながら、縮合リン酸と有機変性シリコーンオイルとを同時に表面処理してもよく、有機変性シリコーンオイルで表面処理した後、縮合リン酸で表面処理してもよい。
<白色顔料>
白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛などが挙げられる。これらの中でも酸化チタンを用いることが特に好ましい。
<樹脂>
本発明において用いる樹脂は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれでもよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、液晶ポリエステル、ポリエーテルイミドなどが挙げられる。また、熱可塑性樹脂は、複数のポリマーを混合したポリマーアロイであってもよい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
(配合割合)
白色顔料と表面処理炭酸カルシウムの含有比率は、質量比(白色顔料:表面処理炭酸カルシウム)で、90:10〜60:40の範囲内であり、好ましくは、80:20〜70:30の範囲内である。表面処理炭酸カルシウムの含有比率が少なすぎると、耐熱性試験後において、高い白色度を保持することができるという効果が十分に得られない場合がある。また、表面処理炭酸カルシウムの含有比率が多過ぎても、高い白色度を保持することができるという効果が十分に得られない場合がある。
樹脂組成物中の白色顔料及び表面処理炭酸カルシウムの合計の含有量は、5〜70質量%の範囲内であり、好ましくは、10〜70質量%の範囲内であり、さらに好ましくは20〜70質量%の範囲内である。白色顔料及び表面処理炭酸カルシウムの合計の含有量が少なすぎると、樹脂に高い白色度を十分に与えることができない場合がある。また、白色顔料及び表面処理炭酸カルシウムの合計の含有量が多過ぎると、樹脂組成物の機械的強度が低下したり、また白色顔料及び表面処理炭酸カルシウムを樹脂に配合することが困難になり、樹脂組成物の成形性が悪くなる場合がある。
(白色樹脂組成物の製造)
本発明の白色樹脂組成物は、白色顔料と表面処理炭酸カルシウムとを、樹脂中に混合し、白色顔料及び表面処理炭酸カルシウムを、樹脂中に分散させることにより製造することができる。白色樹脂組成物の製造方法は、使用する樹脂に応じて適宜公知の方法により製造することができる。
樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合、熱可塑性樹脂を加熱溶融した状態で、白色顔料及び表面処理炭酸カルシウムを添加し、例えば、二軸押出混練機やニーダ―等を用いて樹脂中に白色顔料及び表面処理炭酸カルシウムを含有させることができる。
また、樹脂に白色顔料及び表面処理炭酸カルシウムを高濃度に含有させたマスターバッチを作製し、このマスターバッチに樹脂を添加することによって、白色樹脂組成物を製造してもよい。さらに、本発明の白色樹脂組成物を使用した成形品は、使用する樹脂に応じて適宜公知の方法により製造することができる。例えば、射出成形や押出成形、インフレーション成形、中空成形、圧縮成形、トランスファー成形等を用いることができる。
以下、本発明に従う具体的な実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[表面処理炭酸カルシウムの調製]
(調製例1)
平均粒子径0.15μm(電子顕微鏡写真による画像解析による測定)である合成炭酸カルシウムを、処理ベースの炭酸カルシウムとして用いた。なお、この合成炭酸カルシウムの形状は、略立方体の形状であり、結晶形態はカルサイト結晶である。
この合成炭酸カルシウムの10質量%の水懸濁液(スラリー)を調製し、この炭酸カルシウム水懸濁液に、ピロリン酸が5質量部となるように、ピロリン酸の10質量%希釈水溶液を添加し、10分間撹拌混合した。その後、脱水・乾燥・粉砕して、ピロリン酸を処理した縮合リン酸処理炭酸カルシウムを得た。
得られた縮合リン酸処理炭酸カルシウムを攪拌混合器に入れ、縮合リン酸処理炭酸カルシウム中の炭酸カルシウム100質量部に対して、2質量部となるように両末端エポキシ変性シリコーンオイルを添加し、80℃で10分間撹拌混合して、縮合リン酸及び有機変性シリコーンオイルで表面処理した表面処理炭酸カルシウムを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムのリン含有量を、ICP発光分光分析法で測定したところ、0.9質量%であった。
(調製例2)
平均粒子径0.05μmの合成炭酸カルシウムを、処理ベースの炭酸カルシウムとして用いる以外は、調製例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。得られた表面処理炭酸カルシウムのリン含有量を、ICP発光分光分析法で測定したところ、0.9質量%であった。
(調製例3)
平均粒子径0.1μmの合成炭酸カルシウムを、処理ベースの炭酸カルシウムとして用いる以外は、調製例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。得られた表面処理炭酸カルシウムのリン含有量を、ICP発光分光分析法で測定したところ、0.9質量%であった。
(調製例4)
平均粒子径0.3μmの合成炭酸カルシウムを、処理ベースの炭酸カルシウムとして用いる以外は、調製例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。得られた表面処理炭酸カルシウムのリン含有量を、ICP発光分光分析法で測定したところ、0.9質量%であった。
(調製例5)
平均粒子径0.5μmの合成炭酸カルシウムを、処理ベースの炭酸カルシウムとして用いる以外は、調製例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。得られた表面処理炭酸カルシウムのリン含有量を、ICP発光分光分析法で測定したところ、0.9質量%であった。
(調製例6)
平均粒子径1μmの合成炭酸カルシウムを、処理ベースの炭酸カルシウムとして用いる以外は、調製例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。得られた表面処理炭酸カルシウムのリン含有量を、ICP発光分光分析法で測定したところ、0.9質量%であった。
(調製例7)
有機変性シリコーンオイルの処理量を0.5質量部とする以外は、調製例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。
(調製例8)
有機変性シリコーンオイルの処理量を5質量部とする以外は、調製例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。
(調製例9)
ピロリン酸の添加量を1.5質量部とする以外は、調製例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。得られた表面処理炭酸カルシウムのリン含有量を、ICP発光分光分析法で測定したところ、0.3質量%であった。
(調製例10)
ピロリン酸の添加量を10質量部とする以外は、調製例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。得られた表面処理炭酸カルシウムのリン含有量を、ICP発光分光分析法で測定したところ、1.9質量%であった。
(調製例11)
縮合リン酸として、ピロリン酸に代えて、メタリン酸を用いる以外は、調製例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。
(調製例12)
両末端エポキシ変性シリコーンオイルに代えて、片末端エポキシ変性シリコーンオイルを用いる以外は、調製例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。
(比較調製例1)
平均粒子径0.03μmの合成炭酸カルシウムを、処理ベースの炭酸カルシウムとして用いる以外は、調製例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。得られた表面処理炭酸カルシウムのリン含有量を、ICP発光分光分析法で測定したところ、0.9質量%であった。
(比較調製例2)
平均粒子径2μmの合成炭酸カルシウムを、処理ベースの炭酸カルシウムとして用いる以外は、調製例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。得られた表面処理炭酸カルシウムのリン含有量を、ICP発光分光分析法で測定したところ、0.9質量%であった。
(比較調製例3)
平均粒子径2μmである重質炭酸カルシウムを、処理ベースの炭酸カルシウムとして用いる以外は、調製例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。得られた表面処理炭酸カルシウムのリン含有量を、ICP発光分光分析法で測定したところ、0.9質量%であった。
なお、この重質炭酸カルシウムの形状は、不定形であり、結晶形態はカルサイト結晶である。
(比較調製例4)
調製例1の炭酸カルシウム水懸濁液に、水ガラス3号を、合成炭酸カルシウム100質量部に対し、SiOとして2質量部の処理量となるように添加した。添加後、10分間攪拌し、その後、炭酸ガスを導入して炭酸カルシウムの表面にシリカを析出させた。その後、脱水・乾燥・粉砕して、シリカ処理炭酸カルシウムを得た。
得られたシリカ処理炭酸カルシウムを攪拌混合器に入れ、シリカ処理炭酸カルシウム中の炭酸カルシウム100質量部に対して、2質量部となるように両末端エポキシ変性シリコーンオイルを添加し、80℃で10分間撹拌混合して、シリカ及び有機変性シリコーンオイルで表面処理した表面処理炭酸カルシウムを得た。
(比較調製例5)
調製例1の縮合リン酸処理炭酸カルシウムを、有機変性シリコーンオイルで処理せずにそのまま用いた。
(比較調製例6)
平均粒子径0.15μmである合成炭酸カルシウムを攪拌混合器に入れ、炭酸カルシウム100質量部に対して、2質量部となるように両末端エポキシ変性シリコーンオイルを添加し、80℃で10分間撹拌混合して、有機変性シリコーンオイルのみで表面処理した表面処理炭酸カルシウムを得た。
<実験1>
[白色樹脂組成物の調製]
(実施例1〜4及び比較例1〜4)
樹脂として、ポリアミド樹脂(デュポン社製、ザイテル101L)を用いた。白色顔料としては、酸化チタン(石原産業社製、CR−60−2)を用いた。
樹脂60質量部に対し、調製例1で得られた表面処理炭酸カルシウム及び白色顔料を、表1に示す配合量となるように配合し、二軸押出機を用いて造粒した。造粒したペレットを射出成形機で平板状の試験片成形体を作製した。
なお、比較例4においては、表面処理炭酸カルシウムの代わりに、平均粒子径0.15μmの無処理炭酸カルシウムを用いた。
[耐熱性試験前及び耐熱性試験後の白色度の測定]
得られた白色樹脂組成物の成形体について、以下のようにして耐熱性試験前及び耐熱性試験後の白色度を測定した。
白色度の測定は、分光白色度計(東京電色社製ERP−80WX)を用いて、JIS−Z8730に規定されるハンターの色差式による明度(L値)、赤色度(a値)及び黄色度(b値)を3回測定し、3回の平均値を求めた。下記式により、白色度W(ハンター式)を算出した。
W=100−〔(100−L)2+a2+b2〕1/2
式中、aは赤色度(a値)を表し、bは黄色度(b値)を表し、Lは明度(L値)を表す。
耐熱性試験は、成形体を160℃の雰囲気下に2時間暴露することにより行った。耐熱性試験前及び耐熱性試験後の成形体について、上記のようにして白色度を測定した。
耐熱性試験前の白色度及び耐熱性試験後の白色度を、表1に示す。
Figure 0006248065
表1に示すように、本発明に従い、白色顔料と表面処理炭酸カルシウムの含有比率を、質量比(白色顔料:表面処理炭酸カルシウム)で、90:10〜60:40の範囲内にした実施例1〜4は、白色顔料:表面処理炭酸カルシウムの含有比率が50:50である比較例1及び白色顔料:表面処理炭酸カルシウムの含有比率が95:5である比較例2に比べ、耐熱性試験前及び耐熱性試験後において、高い白色度を保持している。また、実施例1〜4は、白色顔料のみを40質量%含有する比較例3に比べ、耐熱性試験前後において、高い白色度を保持している。また、実施例1〜4は、表面処理炭酸カルシウムに代えて無処理炭酸カルシウムを用いた比較例4に比べ、耐熱性試験前後において、高い白色度を保持している。したがって、耐熱性試験前後において、高い白色度を保持できる本発明の効果は、表面処理炭酸カルシウムを用いることにより得られていることがわかる。
<実験2>
(実施例5)
表2に示すように、樹脂95質量部に対し、白色顔料3.75質量部、表面処理炭酸カルシウム1.25質量部となるように配合する以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
(実施例6)
表2に示すように、樹脂80質量部に対し、白色顔料15質量部、表面処理炭酸カルシウム5質量部となるように配合する以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
(実施例7)
表2に示すように、樹脂40質量部に対し、白色顔料45質量部、表面処理炭酸カルシウム15質量部となるように配合する以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
(実施例8)
表2に示すように、樹脂30質量部に対し、白色顔料52.5質量部、表面処理炭酸カルシウム17.5質量部となるように配合する以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
(比較例5)
表2に示すように、樹脂97質量部に対し、白色顔料2.25質量部、表面処理炭酸カルシウム0.75質量部となるように配合する以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
なお、白色顔料及び表面処理炭酸カルシウムの合計の含有量が、70質量%を超えると、粘度が高くなり白色樹脂組成物の調製が困難になった。
[耐熱性試験前及び耐熱性試験後の白色度の測定]
実験1と同様にして、得られた各実施例及び各比較例の白色樹脂組成物の成形体について、耐熱性試験前及び耐熱性試験後の白色度を測定した。測定結果を表2に示す。表2には、実施例3の結果も併せて示す。
Figure 0006248065
表2に示すように、本発明に従い、樹脂組成物中の白色顔料及び表面処理炭酸カルシウムの合計の含有量が、5〜70質量%の範囲内である実施例3及び実施例5〜8は、耐熱性試験前後において、高い白色度を保持している。一方、樹脂組成物中の白色顔料及び表面処理炭酸カルシウムの合計の含有量が3質量%である比較例5では、耐熱性試験前後において高い白色度が得られていない。
<実験3>
(実施例9)
調製例2で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
(実施例10)
調製例3で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
(実施例11)
調製例4で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
(実施例12)
調製例5で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
(実施例13)
調製例6で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
(比較例6)
比較調製例1で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
(比較例7)
比較調製例2で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
(比較例8)
比較調製例3で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
[耐熱性試験前及び耐熱性試験後の白色度の測定]
実験1と同様にして、得られた各実施例及び各比較例の白色樹脂組成物の成形体について、耐熱性試験前及び耐熱性試験後の白色度を測定した。測定結果を表3に示す。表3には、実施例3の結果も併せて示す。
Figure 0006248065
表3に示すように、本発明に従い、平均粒子径0.05〜1μmの範囲内である合成炭酸カルシウムを用いて表面処理炭酸カルシウムを調製している実施例3及び実施例9〜13は、耐熱性試験前後において、高い白色度を保持している。一方、炭酸カルシウムの平均粒子径が本発明の範囲外である比較例6〜8では、耐熱性試験前後において高い白色度が得られていない。
<実験4>
(実施例14)
調製例7で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして、白色樹脂組成物を得た。
(実施例15)
調製例8で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして、白色樹脂組成物を得た。
(実施例16)
調製例9で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして、白色樹脂組成物を得た。
(実施例17)
調製例10で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして、白色樹脂組成物を得た。
[耐熱性試験前及び耐熱性試験後の白色度の測定]
実験1と同様にして、得られた各実施例及び各比較例の白色樹脂組成物の成形体について、耐熱性試験前及び耐熱性試験後の白色度を測定した。測定結果を表4に示す。表4には、実施例3の結果も併せて示す。
Figure 0006248065
表4に示すように、表面処理炭酸カルシウム中のリン含有量が0.2〜2質量%の範囲内であり、有機変性シリコーンオイルの処理量が炭酸カルシウム100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲内である実施例3及び実施例14〜17は、耐熱性試験前後において、高い白色度を保持している。
<実験5>
(実施例18)
調製例11で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
(実施例19)
調製例12で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
(比較例9)
比較調製例4で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
(比較例10)
比較調製例5で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
(比較例11)
比較調製例6で得られた表面処理炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例3と同様にして白色樹脂組成物を得た。
[耐熱性試験前及び耐熱性試験後の白色度の測定]
実験1と同様にして、得られた各実施例及び各比較例の白色樹脂組成物の成形体について、耐熱性試験前及び耐熱性試験後の白色度を測定した。測定結果を表5に示す。表5には、実施例3の結果も併せて示す。
Figure 0006248065
表5に示すように、縮合リン酸としてメタリン酸を用いた実施例18、及び有機変性シリコーンオイルとして片末端エポキシ変性シリコーンオイルを用いた実施例19でも、耐熱性試験前後において、高い白色度を保持されていることがわかる。一方、縮合リン酸に代えて、シリカ処理した比較例9、縮合リン酸処理のみ行った比較例10、及び有機変性シリコーンオイル処理のみ行った比較例11では、耐熱性試験前後において高い白色度が得られていない。

Claims (5)

  1. 白色顔料と、平均粒子径0.05〜1μmの合成炭酸カルシウムの表面を縮合リン酸及び有機変性シリコーンオイルで表面処理した表面処理炭酸カルシウムと、樹脂とを含む白色樹脂組成物であって、
    前記白色顔料と前記表面処理炭酸カルシウムの含有比率が、質量比(白色顔料:表面処理炭酸カルシウム)で、90:10〜60:40の範囲内であり、
    樹脂組成物中の前記白色顔料及び前記表面処理炭酸カルシウムの合計の含有量が、5〜70質量%の範囲内である、白色樹脂組成物。
  2. 前記表面処理炭酸カルシウム中のリン含有量が、0.2〜2質量%の範囲内となるように、前記縮合リン酸で炭酸カルシウムが表面処理されている、請求項1に記載の白色樹脂組成物。
  3. 前記表面処理炭酸カルシウムにおける前記有機変性シリコーンオイルの処理量が、炭酸カルシウム100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲内である、請求項1または2に記載の白色樹脂組成物。
  4. 前記有機変性シリコーンオイルが、エポキシ変性シリコーンオイルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の白色樹脂組成物。
  5. 前記白色顔料が、酸化チタンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の白色樹脂組成物。
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