JP5879176B2 - 電動車両 - Google Patents
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Description
この種の電動車両では、車体側のバッテリ収納部内に、バッテリユニットの電極端子と接続可能な接続端子が突設されており、バッテリユニットがバッテリ収納部に固定されるときに、接続端子が電極端子に同時に接続されるようになっている。
ところが、このような電動車両の場合、車体側の接続端子がバッテリユニットの装着方向に向かって常に突出しているため、バッテリユニットの装着時に接続端子に負荷が作用しないように慎重な装着作業を必要とされる。
特許文献1に記載の電動車両は、車体のバッテリ収納部に、操作キーによって進退操作されるロックピンが設けられるとともに、そのロックピンと一体に進退作動するように車体の電力系の接続端子が設けられている。ロックピンと接続端子は、バッテリユニットを車体に装着していない状態では突出せずに後退状態となっており、バッテリユニットをバッテリ収納部にセットし、操作キーを回動操作したときに突出するようになっている。このため、この電動車両では、バッテリユニットをバッテリ収納部にセットするときに、接続端子はバッテリユニットと干渉することがない。
請求項1に係る発明は、給電用の電極端子(13)を有するバッテリユニット(BU)が車体のバッテリ収納部(14)に脱着可能に取り付けられる電動車両であって、前記バッテリユニット(BU)が前記バッテリ収納部(14)内の所定の位置に配置された状態で、前記バッテリユニット(BU)を前記バッテリ収納部(14)に位置決め状態で固定する位置決め固定機構(26)と、前記バッテリユニット(BU)上の電極端子(13)と前記バッテリ収納部(14)の接続端子(22)を挿抜可能に接続する端子接続機構(27)と、前記位置決め固定機構(26)による前記バッテリユニット(BU)と前記バッテリ収納部(14)の位置決め固定操作を行った後に、前記端子接続機構(27)による前記接続端子(22)と前記電極端子(13)との接続操作を許容する定手順操作機構(28)と、を備え、前記定手順操作機構(28)は、操作子(35)を挿し込んで回動操作される駆動シャフト(34)と、前記駆動シャフト(34)上に設けられ、前記駆動シャフト(34)の回動位相に応じて前記位置決め固定機構(26)を操作する固定操作用カム(37)と、前記駆動シャフト(34)上に設けられ、前記駆動シャフト(34)の回動位相に応じて前記端子接続機構(27)を操作する接続操作用カム(38)と、を備え、前記固定操作用カム(37)と前記接続操作用カム(38)の駆動シャフト(34)の回転方向におけるカム山の位相が異なって設定されていることを特徴とするものである。
したがって、この発明によれば、電極端子と接続端子を容易に接続できるようになり、バッテリユニットの装着作業性が向上する。
この実施形態の電動車両はスクータ型の電動二輪車1である。電動二輪車1は、操向用のバーハンドル2と乗員着座用のシート3の間に乗員の足を載せ置くステップフロア4が設けられ、後輪Wrが電動モータ5によって駆動されるようになっている。また、この電動二輪車1は、車体フレームFの前後に前輪Wfの懸架系と後輪Wrの懸架系がそれぞれ支持されるとともに、車体フレームFの前後方向のほぼ中央の上部にシート3が支持されている。
バッテリ収納部14は、車体の左右のリアフレーム8に図示しないブラケットを介して取り付けられたガイドレール15(ガイド受部)と、左右のリアフレーム8の前端部に図示しないサブフレームを介して両リアフレーム8に掛け渡すように固定されたバッテリ固定ブロック16と、を備えている。
なお、バッテリユニットBUは、図1に示すように、リアフレーム8とシートレール9の後端部側からバッテリ収納部14に対する脱着が行われるようになっている。図1中の符号17は、シートレール9の後端部に取り付けられ、バッテリ収納部14の後方側を開閉可能に閉塞する蓋部材である。
バッテリユニットBUは、左右のガイドレール15の底壁部15a上をローラ19によって転動することにより下方の変位を規制されるとともに、左右のガイドフランジ18が対応するガイドレール15の側壁部15bに対して摺動することにより車幅方向左右の変位を規制される。
なお、各接続孔24の内部にはバッテリユニットBUの電極端子13が配置されており、接続端子ピン22が接続孔24に完全に嵌入されたところで、接続端子ピン22と電極端子13とが電気的に接続されるようになっている。
また、バッテリ固定ブロック16の車両前部側には、電動モータ5の駆動電流を制御するためのPDU(Power Drive Unit)を含む電力制御装置29のブロックが一体に設けられている。
これらの図に示すように、バッテリ固定ブロック16の下部壁25aの上面には、ロックピン21が出没可能に収納されるピン孔30と、接続端子ピン22が出没可能に収納されるピン孔31が各2つずつ設けられている。これらのピン孔30,31は、バッテリユニットBUがバッテリ固定ブロック16の嵌合凹部25に完全に嵌合されたときに、対応する位置決め孔23と接続孔24に対して重なる位置に設けられている。これらのピン孔30,31は車幅方向に沿って一直線状に並んで形成されている。
駆動シャフト34は、キー溝36に操作キー35が差し込まれて、その操作キー35が操作された場合にのみ、後に詳述する軸回りの3つの回動固定位置のいずれかへの回動操作が可能となっている。
駆動シャフト34は、図6,図7の(A),(B),(C)に対応する以下の3つの回動固定位置を有する。
(A)全解除位置P0…位置決め固定機構26と端子接続機構27をいずれも解除状態(ピン後退状態)に維持する回動固定位置。
(B)ロック位置P1…位置決め固定機構26のみを操作状態(ピン突出状態)に維持する固定位置。
(C)端子接続位置P2…位置決め固定機構26と端子接続機構27をいずれも操作状態(ピン突出状態)に維持する回動固定位置。
ロック位置P1は、キー溝36がほぼ鉛直になる駆動シャフト34の回動位置に設定され、全解除位置P0は、ロック位置P1よりも半時計回りに約45°ずれた駆動シャフト34の回動位置に設定されている。また、端子接続位置P2は、ロック位置P1よりも時計回りに約45°ずれた駆動シャフト34の回動位置に設定されている。
両者のカム山37a,38aの頂部位相が異なって設定されている。このため、位置決め固定機構26のロックピン21と、端子接続機構27の接続端子ピン22とは異なる突出挙動となっている。
このとき、バッテリユニットBUの前端部がバッテリ固定ブロック16の嵌合凹部25内にセットされていれば、ロックピン21の先端部がバッテリユニットBU側の位置決め孔23(図2参照)に嵌入される。
なお、駆動シャフト34が図7(C)に示すように端子接続位置P2に回動操作されるときには、その前段階として必ずロック位置P1を経るため、このとき、バッテリユニットBUの前端部がバッテリ固定ブロック16の嵌合凹部25内にセットされていれば、バッテリユニットBUは既にロックピン21によって位置決め固定されている。接続端子ピン22は、この状態においてバッテリユニットBUの接続孔24(図2参照)内に嵌入され、接続孔24内の電極端子13に対して電気的に接続される。
したがって、定手順操作機構であるキーシリンダ28は、位置決め固定機構26によるバッテリユニットBUとバッテリ収納部14(嵌合凹部25)の位置決め固定操作を経た場合にのみ、端子接続機構27による接続端子ピン22と電極端子13の接続操作を許容する。
各接続端子ピン22の基端に取り付けられたコネクタ32には、バッテリ固定ブロック16側の固定接点42に対峙する可動接点43が設けられている。可動接点43は接続端子ピン22に接続され、固定接点42は電力制御装置29に配線接続されている。可動接点43は、接続操作用カム38による押し上げによって接続端子ピン22が最大に突出したときに固定接点42と接触接続し、それ以外の状況では固定接点から離間する。したがって、操作キー35によって駆動シャフト34が端子接続位置P2に操作されるまでは、接続端子ピン22は電力制御装置29側の配線に対して遮断状態とされている。なお、図8中の符号44は、固定接点42と可動接点43の周囲を覆う蛇腹状の絶縁部材である。
バッテリユニットBUの後端面には、乗員による把持が可能な取っ手部45が突出して設けられている。また、バッテリユニットBUの後端側の下面には切欠き部46が設けられ、その切欠き部46の後端側には、先端部が下方に屈曲した係止フック47(係止手段)の基端が支持されている。係止フック47はバッテリユニットBUに回動可能に支持されるとともに、スプリング48によって一定傾斜姿勢になるように下方に向けて付勢されている。係止フック47は切欠き部46内において上方側への持ち上げ操作が可能となっている。
なお、取っ手部45には、取っ手部45と合わせて握り込むことによって係止フック47を上方に押し上げることのできる解除レバー50が取り付けられている。バッテリユニットBUを車両から取り外す場合には、スプリング48の力に抗して解除レバー50によって係止フック47を押し上げることにより、クロスバー49に対する係止フック47の係合を解除し、そのまま取っ手部45をもってバッテリユニットBUを後方側に引き出す。
運転者は、この状態からキーシリンダ28のキー溝36に操作キー35を挿し込み、キーシリンダ28の駆動シャフト34を全解除位置P0からロック位置P1を経て端子接続位置P2まで回動させる。この結果、バッテリユニットBUは車両の電力制御装置29に電気的に接続されることになり、車両は電動モータ5による発進が可能となる。
また、運転者等の作業者がバッテリユニットBUを車両から取り外す場合には、駆動シャフト34を全解除位置P0まで戻し、その状態で車体後部の蓋部材17が開き、後端の取っ手部45を解除レバー50とともに把持して、バッテリユニットBUをバッテリ収納部14から引き出す。
なお、この実施形態においては、ベースプレート33を絶縁部材によって形成しているが、ベースプレート33を金属材料によって形成し、ベースプレート33と接続端子ピン22の間に別の絶縁部材を設けるようにしても良い。
バッテリユニットBUを車体から取り外す場合には、バッテリユニットBUの取っ手部45の把持とともに操作ワイヤ58の一部を後方に引き込み、それによってロックレバー54(係止凸部54a)に対する係合プレート55(係止溝55a)の係合を解除する。
13 電極端子
14 バッテリ収納部
15 ガイドレール(ガイド受部)
18 ガイドフランジ(ガイド部)
19 ローラ(ガイド部)
22 接続端子ピン(接続端子)
26 位置決め固定機構
27 端子接続機構
28 キーシリンダ(定手順操作機構)
29 電力制御装置
33 ベースプレート(絶縁部材)
34 駆動シャフト
35 操作キー(操作子)
37 固定操作用カム
38 接続操作用カム
45 取っ手部
47 係止フック(係止手段)
52 操作レバー(係止手段)
55 係止プレート(係止手段)
BU バッテリユニット
P0 全解除位置
P1 ロック位置
P2 端子接続位置
Claims (8)
- 給電用の電極端子(13)を有するバッテリユニット(BU)が車体のバッテリ収納部(14)に脱着可能に取り付けられる電動車両であって、
前記バッテリユニット(BU)が前記バッテリ収納部(14)内の所定の位置に配置された状態で、前記バッテリユニット(BU)を前記バッテリ収納部(14)に位置決め状態で固定する位置決め固定機構(26)と、
前記バッテリユニット(BU)上の電極端子(13)と前記バッテリ収納部(14)の接続端子(22)を挿抜可能に接続する端子接続機構(27)と、
前記位置決め固定機構(26)による前記バッテリユニット(BU)と前記バッテリ収納部(14)の位置決め固定操作を行った後に、前記端子接続機構(27)による前記接続端子(22)と前記電極端子(13)との接続操作を許容する定手順操作機構(28)と、を備え、
前記定手順操作機構(28)は、
操作子(35)を挿し込んで回動操作される駆動シャフト(34)と、
前記駆動シャフト(34)上に設けられ、前記駆動シャフト(34)の回動位相に応じて前記位置決め固定機構(26)を操作する固定操作用カム(37)と、
前記駆動シャフト(34)上に設けられ、前記駆動シャフト(34)の回動位相に応じて前記端子接続機構(27)を操作する接続操作用カム(38)と、を備え、
前記固定操作用カム(37)と前記接続操作用カム(38)の駆動シャフト(34)の回転方向におけるカム山の位相が異なって設定されていることを特徴とする電動車両。 - 前記駆動シャフト(34)は、前記位置決め固定機構(26)と前記端子接続機構(27)をいずれも操作解除状態に維持する全解除位置(P0)と、前記位置決め固定機構(26)のみを操作状態にするロック位置(P1)と、前記位置決め固定機構(26)と前記端子接続機構(27)をいずれも操作状態にする端子接続位置(P2)の回動固定位置を有し、
前記操作子(35)は、前記駆動シャフト(34)の回動固定位置が前記全解除位置(P0)と前記ロック位置(P1)のいずれかの場合に抜き取り可能とされ、前記端子接続位置(P2)の場合に抜き取り不可とされていることを特徴とする請求項1に記載の電動車両。 - 端子接続機構(27)と前記接続操作用カム(38)の間には絶縁部材(33)が介装されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動車両。
- 前記位置決め固定機構(26)と前記端子接続機構(27)と前記定手順操作機構(28)を含むブロックが、車両の電力制御装置(29)のブロックと一体に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動車両。
- 給電用の電極端子(13)を有するバッテリユニット(BU)が車体のバッテリ収納部(14)に脱着可能に取り付けられる電動車両であって、
前記バッテリユニット(BU)が前記バッテリ収納部(14)内の所定の位置に配置された状態で、前記バッテリユニット(BU)を前記バッテリ収納部(14)に位置決め状態で固定する位置決め固定機構(26)と、
前記バッテリユニット(BU)上の電極端子(13)と前記バッテリ収納部(14)の接続端子(22)を挿抜可能に接続する端子接続機構(27)と、
前記位置決め固定機構(26)による前記バッテリユニット(BU)と前記バッテリ収納部(14)の位置決め固定操作を行った後に、前記端子接続機構(27)による前記接続端子(22)と前記電極端子(13)との接続操作を許容する定手順操作機構(28)と、を備え、
前記位置決め固定機構(26)と前記端子接続機構(27)と前記定手順操作機構(28)を含むブロックが、車両の電力制御装置(29)のブロックと一体に設けられていることを特徴とする電動車両。 - 前記バッテリユニット(BU)はガイド部(18,19)を備え、
前記バッテリ収納部(14)は、前記ガイド部(18,19)と摺動若しくは転動可能に係合して前記バッテリユニット(BU)を前記バッテリ収納部(14)内の前記所定の位置に案内するガイド受部(15)を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動車両。 - 前記位置決め固定機構(26)は、前記バッテリユニット(BU)の摺動若しくは転動方向と直交する側面に対向して設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電動車両。
- 前記バッテリユニット(BU)の前記バッテリ収納部(14)に最初に挿入される側の端部と逆側の端部には、作業者が把持するための取っ手部(45)と、前記バッテリユニット(BU)を車体に係止するための係止手段(47,52,55)とが設けられていることを特徴とする請求項6または7に記載の電動車両。
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