JP5865130B2 - 斜面安定化工法および支圧板 - Google Patents

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本発明は、自然斜面などの斜面を安定化させる斜面安定化工法およびその斜面安定化工法で使用する支圧板に関する。
斜面安定化工法の従来技術として、例えば、特許文献1,2に記載されているように、斜面に対し複数のアンカーを、一辺が斜面傾斜方向をなす正三角形を1つの網目形状とする正三角形網の各交点にそれぞれ位置するように配列とするとともに、1つの正三角形網目を形成する3つのアンカー間を線状または帯状の1本の頭部連結材により連結するようにした斜面安定化工法が提案されている。そして、特許文献1,2に記載の斜面安定化工法では、それぞれの図3に示すように、斜面上に現れている支圧板の筒体に頭部連結材を掛止して連結する方法が開示されている。また、特許文献1では、その図10に示すように、支圧板の下面に取付けた地中に入り込む突出部の溝(窪み)に頭部連結材を掛止して連結することにより、斜面に平行な緊張力のみでなく、斜面に垂直な下向きの緊張力を発生させ、この下向きの緊張力により、地盤の押え込み効果を増加させ、斜面安定効果を向上させる方法が開示されている。
特許第3702335号公報 特許第3685476号公報
しかし、上述の特許文献1,2に記載された従来の斜面安定化工法では、次のような共通の問題がある。
(1)効率性および施工性の悪さと、斜面押え込み効果の低減。
斜面に配設されたアンカーと支圧板を3組ずつ頭部連結材によって正三角形を描くように1つのユニットとして緊張力を付与し、連結金具により連結してくため、手間がかかり、効率性および施工性が悪い。また、斜面傾斜に平行して頭部連結材を取り付けるため、頭部連結材を緊張させても、斜面(地山)自身を押え込む効果がほとんど期待できない。
(2)引き留め効果の低減。
頭部連結材による支圧板の押え込み効果をほとんど期待できないため、支圧板と斜面(地山)との接触面における摩擦抵抗も同じように期待できない。そのため、頭部連結材を斜面に平行に締め付けた際に、支圧板の移動を伴うことがあり、全体的に頭部連結材に緩みが生じて、引き留め効果が低減する。
また、特許文献1に記載された支圧板の下面に取付けた地中に入り込む突出部の溝(窪み)に頭部連結材を掛止して連結する斜面安定化工法では、さらに、次のような問題もある。
(3)斜面押え込み効果の低減
支圧板の下面から地中に突出した突出部の溝(窪み)に頭部連結材を掛止しているため、頭部連結材にかかる緊張力の反力が突出部の溝に発生し、支圧板の突出部に地中から浮き上がる力が発生する一方、アンカーを軸として反対側では支圧板端部が斜面に食い込むことになる。従って、自然斜面などは、一般的に柔らかい表土であるため、斜面(地山)に対する支圧板の押え込む力がバランスの崩れた状態になり易く、斜面を押え込む効果が低減される。
(4)施工性の問題
施工手順として、アンカーに支圧板を取り付け、ナットでアンカー頭部と支圧板を締結した後、頭部連結材を取り付けるが、支圧板下面の突出部の溝(窪み)が地上から見えず、手探りで頭部連結材を取り付けることになるため、施工が困難である
(5)設置上の問題
支圧板の下面に突出部を設けているため、あらかじめ地面を掘削する必要があると共に、掘り過ぎると、本技術の効果である地山との接触面積の増大が見込めない一方、掘りが足りないと支圧板が浮き上がり、支圧板による斜面押え込み効果が期待できない。また、掘削行為によって支圧板下の地山を乱し、地山を緩めるため支圧板直下の地山を押え込む効果が低減する。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、従来技術よりも斜面(地山)を効率良く押えて施工性が向上する共に、頭部連結材の緊張力がバランス良く支圧板に作用して斜面を効果的に押え込むことができる斜面安定化工法およびその斜面安定化工法で使用する支圧板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る斜面安定化工法は、斜面に複数のアンカーを点在して打設後、頭部連結材が掛止される被掛止体部と該被掛止体部を支持する本体部とから構成され、本体部の下面には、被掛止体部の下面とほぼ同じ高さを有し斜面を支圧する第1下面と、被掛止体部の下面と上面との間の高さであって被掛止体部の下面よりも頭部連結材の直径以上の高さの第2下面とを有する支圧板を各アンカーの頭部にそれぞれ固定し、複数の頭部連結材をそれぞれ各支圧板の本体部の上面側および第2下面側の双方を少なくとも1回ずつ通して被掛止体部に対称で、かつ、被掛止体部の下面よりも高い位置で回すことにより、その被掛止体部の外周面と各頭部連結材との接触部分が各頭部連結材それぞれの折り返し点となって、各頭部連結材が被掛止体部の中心に対し対称な位置で交差するように掛止することを特徴とする。この斜面安定化工法によれば、複数の頭部連結材を各支圧板の本体部の上面側および第2下面側の双方を少なくとも1回ずつ通して各支圧板の被掛止体部の中心に対し対称となるように連結していくので、従来技術よりも斜面(地山)を効率良く押えて施工性が向上する共に、頭部連結材の緊張力がバランス良く支圧板に作用して斜面を効果的に押え込むことができる。
また、請求項2に記載の発明に係る支圧板は、請求項1記載の斜面安定化工法に使用する支圧板であって、頭部連結材が掛止される被掛止体部と該被掛止体部を支持する本体部とから構成され、本体部の下面には、被掛止体部の下面とほぼ同じ高さを有し斜面を支圧する第1下面と、被掛止体部の下面と上面との間の高さであって被掛止体部の下面よりも頭部連結材の直径以上の高さを有する第2下面とを有することを特徴とする。この支圧板によれば、前述の斜面安定化工法により頭部連結部材を掛止することにより、従来技術よりも斜面(地山)を効率良く押えて施工性が向上する共に、頭部連結材の緊張力がバランス良く支圧板に作用して斜面を効果的に押え込むことができる。
本発明に係る斜面安定化工法およびその斜面安定化工法で使用する支圧板によれば、斜面に複数のアンカーを点在して打設後、各アンカーの頭部に支圧板を固定し、本体部の上面側および第2下面側の双方を少なくとも1回ずつ通して被掛止体部の外周面に対称で、かつ、被掛止体部の下面よりも高い位置に回し、その被掛止体部の外周面と各頭部連結材との接触部分が各頭部連結材それぞれの折り返し点となって、各頭部連結材が被掛止体部の中心に対し対称な位置で交差するように掛止する。その結果、従来技術よりも斜面(地山)を効率良く押えて施工性が向上する共に、頭部連結材の緊張力がバランス良く支圧板に作用して斜面を効果的に押え込むことができる。
本発明に係る支圧板の平面図、正面図である。 本発明に係る支圧板の底面図、A−A線断面図、B−B線断面図である。 支圧板の配設状態および頭部連結材の連結方法の一例を示す全体図である。 支圧板に対する頭部連結材の掛止状態の一例を示す拡大図である。 支圧板の配設状態および頭部連結材の連結方法の他の例を示す全体図である。 支圧板の配設状態および頭部連結材の連結方法のさらに他の例を示す全体図である。
次に、本発明に係る斜面安定化工法およびその斜面安定化工法で使用する支圧板の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1および図2は、本発明に係る斜面安定化工法で使用する支圧板1を示す図であって、図1(a)は平面図、図1(b)は正面図、図2(a)は底面図、図2(b)はA−A線断面図、図2(c)はB−B線断面図である。図1および図2に示すように、この支圧板1は、外形が平面視矩形状であって“田”の字状に形成された本体部11と、当該本体部11の中心に設けられ、当該本体部11の一辺の長さLより短尺の直径Rを有する円柱状の被掛止体部12とから構成されている。
本体部11は、前述の通り“田”の字状に形成されているため、その外側の4辺に相当する外枠部11aと、外枠部11aと被掛止体部12とを連結する中渡し部11bとから構成され、被掛止体部12の周囲に被掛止体部12と外枠部11aと中渡し部11bとによって囲まれた空隙部13が4つ設けられている。そして、本体部11を構成する外枠部11aおよび中渡し部11bと被掛止体部12の下面により斜面を支圧する。
外枠部11aと中渡し部11bの下面は、それぞれ、被掛止体部12の下面12bとほぼ同じ高さを有し斜面を支圧する第1下面11a1,11b1と、被掛止体部12の下面12bと被掛止体部12の上面12aとの間の高さであって被掛止体部12の下面12bよりも頭部連結材の直径以上の高さを有する第2下面11a2,11b2とを有する。そのため、本実施形態では、後述するように外枠部11aと中渡し部11bの上面側および第2下面11a2,11b2側の双方を少なくとも1回ずつ通して被掛止体部12に対称で、かつ、被掛止体部12の下面12bよりも高い位置にそれぞれ2本の頭部連結材を対称的に回すと、その被掛止体部12の外周面と各頭部連結材との接触部分が各頭部連結材それぞれの折り返し点となって、各頭部連結材が被掛止体部12の中心に対し対称な位置で交差するようにバランス良く掛止できる。なお、本実施形態では、図1(b)や図2(b),(c)等に示すように被掛止体部12の上面12aと、本体部11を構成する外枠部11aと中渡し部11bの上面とを面一にしているが、面一でなくても良い。
被掛止体部12は、その外周面に頭部連結材が掛止されるもので、前述の通り“田”の字状に形成された本体部11の中央に4方向からの中渡し部11bによって支持された形で設けられており、その中心には、斜面に点在して打設された複数のアンカーが挿入されるアンカー挿入孔121が形成されている。なお、被掛止体部12は、その外形が対称であれば円柱形状でなく正4角柱や正8角柱等でも良く、また中空でもかまわない。
なお、アンカーは、図示して説明しないが、ロックボルト等の地山の補強土工法で一般的に使用される公知のもので、適宜、土中に配列して、斜面(地山)が変形しようとしたときに発生する摩擦に起因する引張力等により斜面の緩みを防止するものである。アンカーの頭部にナットを螺合して支圧板1を固定する。また、頭部連結材は、ワイヤーロープに代表されるような柔軟性のある線状もしくは帯状のもので、斜面(地山)に固定された各支圧板1に順次掛止して連結すると共に、緩みがきたさないように緊張して、斜面を押えるものである。
次に、支圧板1を使用した本発明に係る斜面安定化工法について説明する。
図3は、複数の支圧板1を斜面4に取り付けた後、頭部連結材3により各支圧板1を連結した状態を示す全体図である。
まず、斜面(地山)4に穿孔を形成した後、その穿孔にアンカーを挿入すると共にグラウト材等を注入して、アンカーを斜面4に固定する。ここで、穿孔は、例えば、図3に示すようにアンカーや支圧板1がいわゆる千鳥配列(配置)になるように設ける。ただし、本発明では、アンカーや支圧板1の配置は、千鳥配列に限定されることはなく、地山の補強効果が期待できる任意の配列であればよい。
次に、斜面4から突出する各アンカーの頭部にそれぞれ支圧板1を装着し、続いて各支圧板1の上からナットを装着して、支圧板1をアンカーの頭部に固定する。ここで、ナットは、アンカーが斜面4に対し鉛直に埋設されていない場合でも支圧板1を確実に固定できるように、先端部(下端面)が半球面形状に形成されたものを用いるのが好ましい。
以上のようにして斜面4に千鳥配列(配置)で埋設した各アンカーに支圧板1をそれぞれ固定した後、図3に示すように、各支圧板1に、2本の頭部連結材3をその支圧板1の中心、すなわち被掛止体部12の中心に対し対称的に掛止して連結していく。なお、図3では、各支圧板1はその4辺が斜面4の鉛直方向に対しそれぞれ略45度の角度をなすように設置している。
具体的には、図3および図4に示すように、2本の頭部連結材3をそれぞれ各支圧板11の外枠部11aと中渡し部11bの上面側および第2下面11a2,11b2(図2参照。)側の双方を少なくとも1回ずつ通して被掛止体部12に対称で、かつ、被掛止体部12の下面12bよりも高い位置にそれぞれ回し、その被掛止体部12の外周面と各頭部連結材3との接触部分が各頭部連結材3それぞれの折り返し点となって、各頭部連結材3が被掛止体部12の中心に対し対称な位置で交差するようにバランス良く掛止して連結していく。つまり、図4に示すように2本の頭部連結材3が、各支圧板1の被掛止体部12の図上左側と右側とを交互に通って被掛止体部12を左右両側から対称的に挟持して掛止しながら上から下、あるいはその逆の下から上にジグザグに連結していく。そのため、従来技術よりも効率良く頭部連結材3を各支圧板1に連結していくことが可能となるので、各支圧板1と頭部連結材3とにより斜面(地山)4を効率良く押え、施工性が向上する。また、頭部連結材3の緊張力がバランス良く各支圧板1に作用するので、斜面4を効果的に押え込むことができる。
次に、各支圧板1における頭部連結材3の通し方の一例を、次の第1〜第4の方法を説明する。
まず第1の方法は、例えば、図4に示すように、左側の頭部連結材3Aの場合、左上側の外枠部11aではその上面側を通し、右上側の中渡し部11bではその第2下面11b2(図2参照。)側を通し、右下側の中渡し部11bでもその第2下面11b2(図2参照。)側を通し、左下側の外枠部11aではその上面側を通すという方法である。この場合、右側の頭部連結材3Bは、被掛止体部12の中心に対する左側の頭部連結材3Aとの対称性を考慮して、右上側の外枠部11aではその上面側を通し、左上側の中渡し部11bではその第2下面11b2(図2参照。)側を通し、左下側の中渡し部11bでもその第2下面11b2(図2参照。)側を通し、右下側の外枠部11aではその上面側を通す。勿論、頭部連結材3A,3B共に以上の連結方法とは上下逆に通すこともできる。このように通すと、2本の頭部連結材3を各支圧板1の被掛止体部12の中心に対し点対称で、しかも斜面4上においてその中心を通る垂直線または平行線に対しても線対称に通すことができ、バランス良く斜面4を押さえ付けることができる。また、頭部連結材3は本体部11の4辺に相当する外枠部11aを通過する際、常にその上面側を通るので、外枠部11aによる斜面4への押さえ付け効果を高めることができる。なお、図3および後述する図5も、この方法により連結している。
第2の方法は、図示はしないが、左側の頭部連結材3Aの場合、左上側の外枠部11aではその上面側を通し、右上側の中渡し部11bではその第2下面11b2側を通し、右下側の中渡し部11bではその上面側を通し、左下側の外枠部11aではその第2下面11a2側を通すという方法である。この場合、右側の頭部連結材3Bは、被掛止体部12の中心に対する左側の頭部連結材3Aとの対称(点対称)性を考慮して、右上側の外枠部11aではその第2下面11a2側を通し、左上側の中渡し部11bではその上面側を通し、左下側の中渡し部11bではその第2下面11b2側を通し、右下側の外枠部11aではその上面側を通す。また、右側の頭部連結材3Bは、被掛止体部12の中心を通る垂直線または平行線に対する左側の頭部連結材3Aとの対称(線対称)性を考慮して、右上側の外枠部11aではその上面側を通し、左上側の中渡し部11bではその第2下面11b2側を通し、左下側の中渡し部11bではその上面側を通し、右下側の外枠部11aではその第2下面11a2側を通すこともできる。勿論、左側の頭部連結材3Aと右側の頭部連結材3Bとを以上の連結方法とはそれぞれ上下逆に通しても良い。このように通すと、2本の頭部連結材3を各支圧板1において点対称および線対称に通すことができる。
また、第3の方法も、図示はしないが、左側の頭部連結材3Aの場合、左上側の外枠部11aではその上面側を通し、右上側の中渡し部11bでもその上面側を通し、右下側の中渡し部11bではその第2下面11b2側を通し、左下側の外枠部11aでもその第2下面11a2側を通すという方法である。この場合、右側の頭部連結材3Bは、被掛止体部12の中心に対する左側の頭部連結材3Aとの対称(点対称)性を考慮して、右上側の外枠部11aではその第2下面11a2側を通し、左上側の中渡し部11bでもその第2下面11b2側を通し、左下側の中渡し部11bではその上面側を通し、右下側の外枠部11aでもその上面側を通す。勿論、被掛止体部12の中心を通る垂直線または平行線に対する左側の頭部連結材3Aとの対称(線対称)性を考慮してその上下逆に通しても良いし、左側の頭部連結材3Aと右側の頭部連結材3Bとを以上の連結方法と上下逆に通すこともできる。このように通すと、2本の頭部連結材3を各支圧板1において点対称および線対称に通すことができる。
また、第4の方法も、図示はしないが、左側の頭部連結材3Aの場合、左上側の外枠部11aではその第2下面11a2側を通し、右上側の中渡し部11bでもその第2下面11b2側を通し、右下側の中渡し部11bでもその第2下面11b2側を通し、左下側の外枠部11aでは上面側を通すという方法である。この場合、右側の頭部連結材3Bは、被掛止体部12の中心を通る垂直線または平行線に対する左側の頭部連結材3Aとの対称(線対称)性を考慮して、右上側の外枠部11aではその第2下面11a2側を通し、左上側の中渡し部11bでもその第2下面11b2側を通し、左下側の中渡し部11bでもその第2下面11b2側を通し、右下側の外枠部11aでは上面側を通すという方法である。このように通すと、2本の頭部連結材3を各支圧板1において線対称に通すことができる。ただし、左側の頭部連結材3Aと右側の頭部連結材3Bとを以上の連結方法とは上下逆に通すと、頭部連結材3A,3Bが被掛止体部12の外周面の周囲を回らないので、その場合には、少なくとも2箇所の中渡し部11bのうち一方はその第2下面11b2を通すようにする。
このように、各支圧板1に頭部連結材3を通す際は、上述の第1〜第4の方法などにより、2本の頭部連結材3をそれぞれ本体部11の上面側および第2下面11a2,11b2(図2参照。)側の双方を少なくとも1回ずつ通し、しかも2箇所の中渡し部11bを通す場合は、少なくとも1回はその第2下面11b2を通して被掛止体部12の外周面に対称で、かつ、被掛止体部12の下面12bよりも高い位置にそれぞれ回し、その被掛止体部12の外周面と各頭部連結材3との接触部分が各頭部連結材3それぞれの折り返し点となって、各頭部連結材3が被掛止体部12の中心に対し対称な位置、すなわち180度の相対する2箇所で交差させる。
すると、上述の第1〜第4の方法などにより2本の頭部連結材3A,3Bを通して掛止した各支圧板1では、図4に示すように、各頭部連結材3A,3Bに緊張力が作用すると、各頭部連結材3A,3Bによって斜面4と平行方向で、図4であれば左右の反対方向である互いに逆方向が作用することになる。その結果、各頭部連結材3A,3Bに作用する緊張力が同程度であれば、その各頭部連結材3A,3Bにより各支圧板1に作用する外力も、それぞれ反対方向となり同程度となって打ち消し合い、各支圧板1を左右のバランス良く斜面4を押え付けることが可能となる。
また、この斜面安定化工法では、2本の頭部連結材3A,3Bがそれぞれ本体部11の上面側および第2下面11a2,11b2(図2参照。)側の双方を少なくとも1回ずつ通って被掛止体部12の外周面に掛止するので、各頭部連結材3A,3Bに緊張力が作用すると、各頭部連結材3A,3Bは各支圧板1の上面を直接的に斜面4側の方向へ押し付けることになり、斜面4を押え込む力が増大し、斜面4の押え込み効果が向上する。なお、前述した作用によって、各支圧板1が斜面(地山)4を押さえ込んだ際に、その斜面(地山)4が柔らかいと支圧板4が沈み込む可能性もある。その場合には、各支圧板1を締め付けているナットを再度締め付ければ良い。
その結果、自然斜面などは、一般的に柔らかい表土であり、斜面4(地山)に対する支圧板1の押え込む力のバランスが崩れた状態になり易いが、この斜面安定化工法によれば、各支圧板1に作用する各頭部連結材3からの緊張力によって、斜面4をバランス良く均等に押え込むことが可能となる。また、この斜面安定化工法では、各頭部連結材3によって斜面4の傾斜方向と垂直方向の緊張を同時に行うことが可能となり、支圧板1が斜面4を効果的に押え込むことができると共に、引き留め効果も増大させることができる。また、従来技術のように斜面に配設されたアンカーと支圧板を3組ずつ頭部連結材によって正三角形を描くように1つのユニットとして緊張力を付与するのではなく、斜面4に配列された複数の支圧板1に頭部連結材3をジグザグ状に掛止しながら連結していくので、手間もかからず、効率性および施工性が向上する。
また、この斜面安定化工法では、特許文献1の従来技術のように支圧板の下面から地中に突出した突出部の溝(窪み)に頭部連結材を掛止するのではなく、各支圧板1の被掛止体部12の下面12bよりも高い位置で頭部連結材3を掛止するため、頭部連結材3にかかる緊張力によって支圧板1が地中から浮き上がることを防止できると共に、手探りで地中に頭部連結材3を引き入れたり、地面を掘削する必要もなくなるので、この点で、施工が容易になると共に、掘削行為によって支圧板下の地山を乱したり、地山を緩めることもなくなる。
なお、上記実施形態の説明では、各支圧板1を千鳥配列(配置)で、かつ、その4辺が斜面4の鉛直方向に対しそれぞれ略45度の角度をなすように配設して、頭部連結材3を上から下、またはその逆にジグザグ状に連結していくものとして説明したが、本発明では、これに限らず、例えば、図5に示すように斜面4に各支圧板1を格子(碁盤の目)状で、かつ、その4辺が斜面4の鉛直方向または水平方向にないように配列(配置)して、これらの各支圧板1に対しそれぞれ2本の頭部連結材3A,3Bを上から下、またはその逆に階段状に連結することもできる。また、図6に示すように、図3と同様に斜面4に対し各支圧板1を千鳥配列(配置)で配設しつつも、図3の場合とは異なり各支圧板1をその4辺が斜面4の鉛直方向または水平方向を向くように配設しても勿論よいし、図5に示すように各支圧板1を格子(碁盤の目)状に配列(配置)しつつも、各支圧板1の4辺が斜面4の鉛直方向に対しそれぞれ略45度の角度をなすように配設することも勿論可能である。
また、本実施形態の説明では、各支圧板1は本体部11の外形が平面視矩形状のものにより説明したが、本発明ではこれに限らず、本体部11の外形が平面視円形状でも、平面視矩形状以外の多角形状でも良い。また、本実施形態では、本体部11を外枠部11aと中渡し部11bとにより構成して、被掛止体部12の周囲に被掛止体部12と外枠部11aと中渡し部11bとによって囲まれた空隙部13を設けて説明したが、本発明では、本体部11を板状に構成して、その板状部分に空隙部13となる穴を形成したものでも勿論よい。
1…支圧板、11…本体部、11a…外枠部、11a1…第1下面、11a2…第2下面、11b…中渡し部、11b1…第1下面、11b2…第2下面、12…被掛止体部、12a…上面、12b…下面、3,3A,3B…頭部連結材、4…斜面。

Claims (2)

  1. 斜面に複数のアンカーを点在して打設後、頭部連結材が掛止される被掛止体部と該被掛止体部を支持する本体部とから構成され、本体部の下面には、被掛止体部の下面とほぼ同じ高さを有し斜面を支圧する第1下面と、被掛止体部の下面と上面との間の高さであって被掛止体部の下面よりも頭部連結材の直径以上の高さの第2下面とを有する支圧板を各アンカーの頭部にそれぞれ固定し、複数の頭部連結材をそれぞれ各支圧板の本体部の上面側および第2下面側の双方を少なくとも1回ずつ通して被掛止体部に対称で、かつ、被掛止体部の下面よりも高い位置で回すことにより、その被掛止体部の外周面と各頭部連結材との接触部分が各頭部連結材それぞれの折り返し点となって、各頭部連結材が被掛止体部の中心に対し対称な位置で交差するように掛止することを特徴とする斜面安定化工法。
  2. 請求項1記載の斜面安定化工法に使用する支圧板であって、頭部連結材が掛止される被掛止体部と該被掛止体部を支持する本体部とから構成され、本体部の下面には、被掛止体部の下面とほぼ同じ高さを有し斜面を支圧する第1下面と、被掛止体部の下面と上面との間の高さであって被掛止体部の下面よりも頭部連結材の直径以上の高さを有する第2下面とを有することを特徴とする支圧板。
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